JP2935266B2 - 逆説的補聴器 - Google Patents
逆説的補聴器Info
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- JP2935266B2 JP2935266B2 JP63504586A JP50458688A JP2935266B2 JP 2935266 B2 JP2935266 B2 JP 2935266B2 JP 63504586 A JP63504586 A JP 63504586A JP 50458688 A JP50458688 A JP 50458688A JP 2935266 B2 JP2935266 B2 JP 2935266B2
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- ears
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- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04S—STEREOPHONIC SYSTEMS
- H04S1/00—Two-channel systems
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- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R25/00—Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
- H04R25/50—Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics
- H04R25/502—Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics using analog signal processing
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- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04R—LOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
- H04R25/00—Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
- H04R25/55—Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception using an external connection, either wireless or wired
- H04R25/552—Binaural
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- Acoustics & Sound (AREA)
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- Health & Medical Sciences (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
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- Otolaryngology (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
- Headphones And Earphones (AREA)
- Stereophonic System (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、補聴器に関し、特に、一見逆説的な方法で
作動し、難聴者の聴力すなわち音の聴き取り及び聴き分
け能力を在来達成可能の聴力の改善の程度よりも格段に
改善できる補聴器に関する。
作動し、難聴者の聴力すなわち音の聴き取り及び聴き分
け能力を在来達成可能の聴力の改善の程度よりも格段に
改善できる補聴器に関する。
背景技術 聴力に障害をもった人(以下、患者という)は、様々
な手段によりある程度の聴力の改善がなされてきたが、
これら手段の全てには少なくとも一つの重大な欠点があ
った。
な手段によりある程度の聴力の改善がなされてきたが、
これら手段の全てには少なくとも一つの重大な欠点があ
った。
最も初歩的な聴力改善手段は、丸めた手のひらを耳の
耳介の背後にあてて所望の方向に顔を向ける、というも
のである。この手段では、丸めた手のひらで所望の音だ
けを収音し、所望でない音が除かれ、これにより聴力の
改善がある程度なされる。しかし、このような手段で
は、耳に手をあてがう姿が不恰好であり、しかも達成さ
れる聴力の改善の程度が極めて低い、という重大な欠点
がある。
耳介の背後にあてて所望の方向に顔を向ける、というも
のである。この手段では、丸めた手のひらで所望の音だ
けを収音し、所望でない音が除かれ、これにより聴力の
改善がある程度なされる。しかし、このような手段で
は、耳に手をあてがう姿が不恰好であり、しかも達成さ
れる聴力の改善の程度が極めて低い、という重大な欠点
がある。
他の初歩的な聴力改善手段は、中空円錐形のホーンの
先細の端部に形成した小さい穴を耳の外耳道の入口付近
にあてがい、所望の音だけを収音し、所望でない音を除
く、という受動型のものである。この手段では、耳にあ
てがうホーンご大型で重量もあり、外観が悪く、しかも
この手段によって達成される聴力の改善の程度が極めて
低い、という欠点がある。
先細の端部に形成した小さい穴を耳の外耳道の入口付近
にあてがい、所望の音だけを収音し、所望でない音を除
く、という受動型のものである。この手段では、耳にあ
てがうホーンご大型で重量もあり、外観が悪く、しかも
この手段によって達成される聴力の改善の程度が極めて
低い、という欠点がある。
聴力の改善のために現在でも利用できるその他の受動
型の手段は、上記の手段の欠点の幾つかを解消している
が、聴力の改善の低画が極めて低い。
型の手段は、上記の手段の欠点の幾つかを解消している
が、聴力の改善の低画が極めて低い。
真空管やトランジスタを使用する増幅器で始まった電
子式増幅器の出現により、患者は電子式補聴器を使用で
きるようになった。この電子式補聴器は、聴力を改善す
るための手段としては、上記の手段と比較して遥かに優
れたものであり、その外観も良好である。このような電
子式補聴器は、当初、衣服の胸ポケットや耳介又は眼鏡
等で保持し携帯する電子増幅器及びマイクと、一対のワ
イヤーにて電子増幅器の出力に接続され、外耳道に挿入
するスピーカーとから構成された。
子式増幅器の出現により、患者は電子式補聴器を使用で
きるようになった。この電子式補聴器は、聴力を改善す
るための手段としては、上記の手段と比較して遥かに優
れたものであり、その外観も良好である。このような電
子式補聴器は、当初、衣服の胸ポケットや耳介又は眼鏡
等で保持し携帯する電子増幅器及びマイクと、一対のワ
イヤーにて電子増幅器の出力に接続され、外耳道に挿入
するスピーカーとから構成された。
このような補聴器の増幅器は、可聴周波数の全範囲に
わたって一様な、すなわち線形的なゲイン又は増幅定数
を有していた。その後、今日に至り、このような増幅器
は、周波数選択的フィルタにより、患者の聴力曲線に合
った非線形増幅定数を有するように、改善された。つま
り、補聴器の増幅器のゲイン(音量)対周波数の特性
は、通常、聴力を失う高い周波数で高いゲインを与える
ことにより、患者固有の聴力障害曲線に合わせられた。
わたって一様な、すなわち線形的なゲイン又は増幅定数
を有していた。その後、今日に至り、このような増幅器
は、周波数選択的フィルタにより、患者の聴力曲線に合
った非線形増幅定数を有するように、改善された。つま
り、補聴器の増幅器のゲイン(音量)対周波数の特性
は、通常、聴力を失う高い周波数で高いゲインを与える
ことにより、患者固有の聴力障害曲線に合わせられた。
このような電子式補聴器、特に非線形型の電子式補聴
器により聴力の改善が飛躍的になされたが、この補聴器
には、全ての周波数範囲で事実上無制限のゲインを与え
る能力があるにもかかわらず、患者の大半の聴力を比較
的限定した範囲でしか回復できない、という欠点があ
る。よって、適切に調節した特性を有する非線形型補聴
器を患者が装着しても、特に雑音のある場合には、患者
の聴力は、「正常」な聴力を有する人よりも、依然、遥
かに劣るものであった。
器により聴力の改善が飛躍的になされたが、この補聴器
には、全ての周波数範囲で事実上無制限のゲインを与え
る能力があるにもかかわらず、患者の大半の聴力を比較
的限定した範囲でしか回復できない、という欠点があ
る。よって、適切に調節した特性を有する非線形型補聴
器を患者が装着しても、特に雑音のある場合には、患者
の聴力は、「正常」な聴力を有する人よりも、依然、遥
かに劣るものであった。
特に、話し手の話し言葉又はスピーチ(speech)に対
する患者の聴力は貧弱であり、とりわけ、パーティや集
会又は走行中の車内のような周囲に雑音がある場合、及
び駅、停留所又はカフェテリアのような周囲に他の雑音
がある空間においては、特に貧弱であった。特に、患者
の「選択的に聴き分ける」能力が極めて限定されたもの
であった。つまり、患者は、補聴器を使用しても、例え
ば、異なる方向から干渉的又は望まない一つ以上の他の
音がくると、特定の方向からくるスピーチや他の音源を
聴き取り聴き分けることが困難であった。
する患者の聴力は貧弱であり、とりわけ、パーティや集
会又は走行中の車内のような周囲に雑音がある場合、及
び駅、停留所又はカフェテリアのような周囲に他の雑音
がある空間においては、特に貧弱であった。特に、患者
の「選択的に聴き分ける」能力が極めて限定されたもの
であった。つまり、患者は、補聴器を使用しても、例え
ば、異なる方向から干渉的又は望まない一つ以上の他の
音がくると、特定の方向からくるスピーチや他の音源を
聴き取り聴き分けることが困難であった。
両耳挿入式(又は2チャンネル式)補聴器が、Isoard
のフランス国特許第1,067,128号(1954年)で提案され
た。左右の耳の外耳道に挿入される各補聴器は、それぞ
れ別個に増幅器を有し、一方の補聴器には、両耳で等し
いしきい値となるように、高い感度の耳における増幅度
を低下させるための減衰器が含まれる。しかし、Isoard
の両耳挿入式補聴器では、音の到達時間について考慮さ
れておらず、両耳で聴き取られる音の強度差及び時間差
についても考慮されておらず、聴力の改善が限定された
ものであり、両耳の聴力平衡を改善するものではない。
のフランス国特許第1,067,128号(1954年)で提案され
た。左右の耳の外耳道に挿入される各補聴器は、それぞ
れ別個に増幅器を有し、一方の補聴器には、両耳で等し
いしきい値となるように、高い感度の耳における増幅度
を低下させるための減衰器が含まれる。しかし、Isoard
の両耳挿入式補聴器では、音の到達時間について考慮さ
れておらず、両耳で聴き取られる音の強度差及び時間差
についても考慮されておらず、聴力の改善が限定された
ものであり、両耳の聴力平衡を改善するものではない。
発明の目的及び利点 したがって、本発明の目的は、上述した利用可能の補
聴器よりも格段に患者の聴力の改善がなされ、特に、周
囲に雑音があっても、スピーチに対する患者の聴き取り
が飛躍的に改善され、スピーチを“選択的に聴き分け
る”ことができ、患者が望まない音を除くことができ
る、使用の外観が良好な補聴器を提供することである。
聴器よりも格段に患者の聴力の改善がなされ、特に、周
囲に雑音があっても、スピーチに対する患者の聴き取り
が飛躍的に改善され、スピーチを“選択的に聴き分け
る”ことができ、患者が望まない音を除くことができ
る、使用の外観が良好な補聴器を提供することである。
本発明の他の目的は、一見逆説的に作動し、良好な耳
の聴力を障害のある耳の聴力の特性に精度よく合わせ、
患者の両耳の聴力平衡を回復又は改善する、新規な作動
原理を使用する補聴器を提供することである。
の聴力を障害のある耳の聴力の特性に精度よく合わせ、
患者の両耳の聴力平衡を回復又は改善する、新規な作動
原理を使用する補聴器を提供することである。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の説明及び添
付図面を参照することにより明らかとなる。
付図面を参照することにより明らかとなる。
図面の簡単な説明 第1A図は、本発明に従って患者の聴力特性を評価する
ための聴力評価システムを示す。
ための聴力評価システムを示す。
第1B図は、第1A図の患者の聴力特性を示すオージオグ
ラムである。
ラムである。
第1C図は、第1A図及び第1B図で測定した特性を表にし
たものであり、これらの値は図2の補聴器で使用され
る。
たものであり、これらの値は図2の補聴器で使用され
る。
第2図は、本発明に従った補聴器のブロック図であ
る。
る。
第3A図は、本発明に従った三つの構成部分で構成され
る補聴器を患者が装着したところを示す。
る補聴器を患者が装着したところを示す。
第3B図は、第3A図の補聴器を拡大したところを示す。
第3C図は、第3A図の補聴器の構成部品配置図である。
第4A図は、本発明に従った二つの構成部分から構成さ
れる補聴器の構成部品配置図である。
れる補聴器の構成部品配置図である。
第4B図は、第4A図の補聴器を眼鏡と使用したところを
示す。
示す。
第5図は、本発明に従った二つの構成部分から構成さ
れる無線式の補聴器の構成部品配置図である。
れる無線式の補聴器の構成部品配置図である。
第6A図は、本発明に従った受動型の補聴器の斜視図で
ある。
ある。
第6B図は、第6A図の補聴器の断面図である。
第6C図は、第6A図の補聴器と等価の電気回路図であ
る。
る。
符号の説明 10 患者、12 特注のフィルタ及び増幅器 14 左耳用のイヤホン、16 可変周波数発振器 18 右耳用のイヤホン、20 可変振幅減衰器 22 可変時間遅延器、24L、24R マイク 26L、26R 可変増幅器、28 固定時間遅延器 30 周波数フィルタ、32 減衰器 34 時間遅延器、36L、36R ハウジング 38 制御ボックス、40 ポケット 42 配線用ハーネス又はヨーク、44L、44R 管状スピー
カー 46 外耳道、48 収音用の穴 50L、50R スピーカー、52L、52R 増幅器 54 可変ゲイン(音量)制御器、56 電子構成部品ブロ
ック 58 配線用ハーネス、60 眼鏡フレーム 62L、62R ハウジング、64 可変ゲイン制御器 66 調節ネジ、68 FM送信器 70 アンテナ、72 FM受信器 74 スレーブ式可変ゲイン制御器、76 受動型補聴器の
挿入部材 78 貫通口、C1〜C3 チャンバ、コンデンサ R1〜R4 管(狭い部分)、抵抗 作動理論 本願の発明者は、上記した非線形電子式補聴器を含む
従来技術の補聴器では、左右の耳で対称的な聴き取りが
できない患者の聴力の改善の程度やスピーチの聴き取り
の改善の程度が低いという点に鑑み、在来の補聴器によ
るこのような低い改善が以下の要因によるものであるこ
とを見出した。
カー 46 外耳道、48 収音用の穴 50L、50R スピーカー、52L、52R 増幅器 54 可変ゲイン(音量)制御器、56 電子構成部品ブロ
ック 58 配線用ハーネス、60 眼鏡フレーム 62L、62R ハウジング、64 可変ゲイン制御器 66 調節ネジ、68 FM送信器 70 アンテナ、72 FM受信器 74 スレーブ式可変ゲイン制御器、76 受動型補聴器の
挿入部材 78 貫通口、C1〜C3 チャンバ、コンデンサ R1〜R4 管(狭い部分)、抵抗 作動理論 本願の発明者は、上記した非線形電子式補聴器を含む
従来技術の補聴器では、左右の耳で対称的な聴き取りが
できない患者の聴力の改善の程度やスピーチの聴き取り
の改善の程度が低いという点に鑑み、在来の補聴器によ
るこのような低い改善が以下の要因によるものであるこ
とを見出した。
本願の発明者は、患者の左右の聴覚系統(又は聴覚経
路)(音の刺激を外耳、中耳、内耳を経て脳へ伝え、こ
の刺激を脳で感受させるまでの系統又は経路)に到達し
た音の処理が左右の聴覚系統で平衡がとられておらず非
対称(又は非平衡)となっており、このような患者の両
耳の聴覚系統に到達した音の処理能力が左右の耳でそれ
ぞれ相違することを知った。このような左右の耳におけ
る聴力の非平衡には、時間遅延モードと振幅モードとが
ある。
路)(音の刺激を外耳、中耳、内耳を経て脳へ伝え、こ
の刺激を脳で感受させるまでの系統又は経路)に到達し
た音の処理が左右の聴覚系統で平衡がとられておらず非
対称(又は非平衡)となっており、このような患者の両
耳の聴覚系統に到達した音の処理能力が左右の耳でそれ
ぞれ相違することを知った。このような左右の耳におけ
る聴力の非平衡には、時間遅延モードと振幅モードとが
ある。
時間遅延(単に「位相(又はシフト)」ともいわれ
る)モードでは、患者の左右の耳の聴覚系統に到達した
音の処理時間が左右の耳の聴覚系統で相違(すなわち、
左右の外耳、中耳、内耳を通じて脳に至り、脳で感受さ
れるまでの、左右の耳の聴覚系統に到達した音の処理時
間が左右の耳の聴覚系統で相違)するため、左右の耳の
聴覚系統に到達した音の聴き取りの時間差(又は位相)
が生じる。そのため、例えば、患者の直前にある音源か
ら同時に左右の耳の聴覚系統に到達した音の処理能力の
差により、その聴き取りの時間に差が生じる。
る)モードでは、患者の左右の耳の聴覚系統に到達した
音の処理時間が左右の耳の聴覚系統で相違(すなわち、
左右の外耳、中耳、内耳を通じて脳に至り、脳で感受さ
れるまでの、左右の耳の聴覚系統に到達した音の処理時
間が左右の耳の聴覚系統で相違)するため、左右の耳の
聴覚系統に到達した音の聴き取りの時間差(又は位相)
が生じる。そのため、例えば、患者の直前にある音源か
ら同時に左右の耳の聴覚系統に到達した音の処理能力の
差により、その聴き取りの時間に差が生じる。
このような左右の耳での時間位相は、聴覚系統に到達
した音の周波数に従って変化する。例えば、一方の耳の
聴覚系統における相対的な時間遅延が、高い周波数、又
は中間の周波数の一つの帯域で、より大きくなり得る。
この結果の一つとして、所定の周波数(例えば500Hz)
の音を右耳が左耳よりも遅れて聴き取る患者は、この周
波数の音の音源が正面にある場合、右耳で聴き取られる
音の遅延(又は見掛けの遅延)により、この音が左側か
らきたように聴き取られる。しかし、このような見掛け
の音源の位置のズレは、周波数選択的であり、後述する
ように、主な問題にならない。
した音の周波数に従って変化する。例えば、一方の耳の
聴覚系統における相対的な時間遅延が、高い周波数、又
は中間の周波数の一つの帯域で、より大きくなり得る。
この結果の一つとして、所定の周波数(例えば500Hz)
の音を右耳が左耳よりも遅れて聴き取る患者は、この周
波数の音の音源が正面にある場合、右耳で聴き取られる
音の遅延(又は見掛けの遅延)により、この音が左側か
らきたように聴き取られる。しかし、このような見掛け
の音源の位置のズレは、周波数選択的であり、後述する
ように、主な問題にならない。
上記の左右の耳での時間位相の他、患者の左右の耳で
聴き取った音の振幅が相違する場合すなわち振幅モード
がある。この場合、患者の左右の耳の聴覚系統に到達し
た一つの音が同一振幅であるにもかかわらず、一方の耳
で聴き取った音の大きさが、他方の耳で聴き取った音の
大きさよりも大きくなる。このような音の大きさ(強
度)の相違も左右の耳の聴覚系統の処理能力の相違に起
因する。このような左右の耳の聴覚系統に到達した音を
聴き取ったときの音を振幅の差(すなわち強度の差)
は、聴覚系統に到達した音の周波数に従って変化する。
例えば、一方の耳で聞き取られる相対的な音の振幅が、
ある一つの周波数、又はある複数の高い周波数、又はあ
る一つの周波数帯域(低、中、高)で減少し得る。すな
わち、500Hzの音に対して右耳の聴覚系統での振幅の損
失が大きい人の場合、一つの音源から発したこの周波数
の音を左右の耳で聴き取ると、左右の耳の聴覚系統に同
時に到達した音が同一振幅であっても、左耳の聴覚系統
に到達した音の方が大きく感じて聴き取られる。しか
し、このような見掛けの音源の位置のズレは周波数選択
的であり、後述するように、主な問題にならない。
聴き取った音の振幅が相違する場合すなわち振幅モード
がある。この場合、患者の左右の耳の聴覚系統に到達し
た一つの音が同一振幅であるにもかかわらず、一方の耳
で聴き取った音の大きさが、他方の耳で聴き取った音の
大きさよりも大きくなる。このような音の大きさ(強
度)の相違も左右の耳の聴覚系統の処理能力の相違に起
因する。このような左右の耳の聴覚系統に到達した音を
聴き取ったときの音を振幅の差(すなわち強度の差)
は、聴覚系統に到達した音の周波数に従って変化する。
例えば、一方の耳で聞き取られる相対的な音の振幅が、
ある一つの周波数、又はある複数の高い周波数、又はあ
る一つの周波数帯域(低、中、高)で減少し得る。すな
わち、500Hzの音に対して右耳の聴覚系統での振幅の損
失が大きい人の場合、一つの音源から発したこの周波数
の音を左右の耳で聴き取ると、左右の耳の聴覚系統に同
時に到達した音が同一振幅であっても、左耳の聴覚系統
に到達した音の方が大きく感じて聴き取られる。しか
し、このような見掛けの音源の位置のズレは周波数選択
的であり、後述するように、主な問題にならない。
在来の補聴器は、特に時間遅延モードの場合、両耳の
聴覚系統に到達した音を両耳の聴力平衡をとって聴き取
らせるように設計されていない。すなわち、在来の補聴
器は、弱い方の耳の聴覚系統に到達する音を単に増幅す
るだけであり、これを比較的初歩的な方法で行っている
だけである。このように、在来の補聴器は、弱い方の耳
の聴覚系統に到達する音を単に増幅するだけであり、両
耳の聴覚系統を通じて聞き取られる音の振幅(強度)の
平衡や両耳での時間位相を修正することについて何も関
心を払っていない。このことから、在来の補聴器では、
患者の左右の耳で聴き取った音は、障害のある耳でより
強く又は弱くなるだけであり、これは振幅が平衡してい
るということでも、見掛けの到達時間が平衡していると
いうことでもない。
聴覚系統に到達した音を両耳の聴力平衡をとって聴き取
らせるように設計されていない。すなわち、在来の補聴
器は、弱い方の耳の聴覚系統に到達する音を単に増幅す
るだけであり、これを比較的初歩的な方法で行っている
だけである。このように、在来の補聴器は、弱い方の耳
の聴覚系統に到達する音を単に増幅するだけであり、両
耳の聴覚系統を通じて聞き取られる音の振幅(強度)の
平衡や両耳での時間位相を修正することについて何も関
心を払っていない。このことから、在来の補聴器では、
患者の左右の耳で聴き取った音は、障害のある耳でより
強く又は弱くなるだけであり、これは振幅が平衡してい
るということでも、見掛けの到達時間が平衡していると
いうことでもない。
本願の発明者は、このような両耳の聴力平衡の欠如
(左右の耳の聴覚系統に到達した音を聴き取る時間の差
が強度の差)が、スピーチの聴き取りの欠如の主要な原
因である、ということを見出した。すなわち、両耳の聴
力平衡がとられていない患者は、左右の耳の聴覚系統に
到達した音を聴き取る時間や強度に差があり、両耳の聴
覚系統に到達した音の処理能力が比較的低いため、スピ
ーチを最大限聴き取るためには、両耳の聴覚系統での処
理を良好に行う必要がある。言い換えると、両耳の聴力
平衡が良好にとられている人の場合、左右の耳の聴覚系
統に到達した音の処理能力が高いので、生理学上、良好
なスピーチの聴き分けと聴き取りが可能である。一方、
両耳の聴力平衡がとれていない患者の場合、左右の耳の
聴覚系統に到達した音の処理能力が低いので、生理学的
に、スピーチの聴き取りに悪影響がある。よって、この
患者は、特に周囲に雑音のある場合にはスピーチの聴き
取りや音を選択的に聴き分けることに劣る。
(左右の耳の聴覚系統に到達した音を聴き取る時間の差
が強度の差)が、スピーチの聴き取りの欠如の主要な原
因である、ということを見出した。すなわち、両耳の聴
力平衡がとられていない患者は、左右の耳の聴覚系統に
到達した音を聴き取る時間や強度に差があり、両耳の聴
覚系統に到達した音の処理能力が比較的低いため、スピ
ーチを最大限聴き取るためには、両耳の聴覚系統での処
理を良好に行う必要がある。言い換えると、両耳の聴力
平衡が良好にとられている人の場合、左右の耳の聴覚系
統に到達した音の処理能力が高いので、生理学上、良好
なスピーチの聴き分けと聴き取りが可能である。一方、
両耳の聴力平衡がとれていない患者の場合、左右の耳の
聴覚系統に到達した音の処理能力が低いので、生理学的
に、スピーチの聴き取りに悪影響がある。よって、この
患者は、特に周囲に雑音のある場合にはスピーチの聴き
取りや音を選択的に聴き分けることに劣る。
言い換えると、左右の耳の聴覚系統に到達した音を聞
き取る時間や強度に差があるため両耳の聴力平衡が欠如
している患者の場合、両耳の聴覚系統に到達した音の処
理能力が非常に低いので、スピーチを聴き取る能力が低
下している。また、本願の発明者は、両耳の聴覚系統に
到達した音の各周波数に従って両耳の聴力平衡がとられ
ておらず、聴覚系統に到達した音の周波数ごとに両耳の
聴覚系統に到達した音の処理能力に差があることを見出
した。
き取る時間や強度に差があるため両耳の聴力平衡が欠如
している患者の場合、両耳の聴覚系統に到達した音の処
理能力が非常に低いので、スピーチを聴き取る能力が低
下している。また、本願の発明者は、両耳の聴覚系統に
到達した音の各周波数に従って両耳の聴力平衡がとられ
ておらず、聴覚系統に到達した音の周波数ごとに両耳の
聴覚系統に到達した音の処理能力に差があることを見出
した。
本願の発明者は、可聴周波数スペクトル全体にわたっ
て患者の両耳の聴力平衡がとれれば、患者の両耳の聴覚
系統に到達した処理能力が飛躍的に改善され、これによ
り、両耳の聴力平衡が飛躍的に改善される、ということ
を見出した。実際には、両耳の聴力平衡が僅かであって
も、両耳の聴覚系統に到達した音の処理能力、すなわち
両耳での聴き取り能力(聴力)を大きく改善することが
できる。
て患者の両耳の聴力平衡がとれれば、患者の両耳の聴覚
系統に到達した処理能力が飛躍的に改善され、これによ
り、両耳の聴力平衡が飛躍的に改善される、ということ
を見出した。実際には、両耳の聴力平衡が僅かであって
も、両耳の聴覚系統に到達した音の処理能力、すなわち
両耳での聴き取り能力(聴力)を大きく改善することが
できる。
さらに、患者の両耳の聴力平衡が不十分である場合、
この患者の良好な方の耳の聴覚系統が、悪い方の耳の聴
覚系統を、この悪い方の耳を単独で機能させる場合より
も悪化させ、悪方の耳の機能を阻害することがある。こ
のような片耳難聴は、子供の成長期の早期の段階で治療
することにより、永久的な片耳難聴となることを防止で
きる。
この患者の良好な方の耳の聴覚系統が、悪い方の耳の聴
覚系統を、この悪い方の耳を単独で機能させる場合より
も悪化させ、悪方の耳の機能を阻害することがある。こ
のような片耳難聴は、子供の成長期の早期の段階で治療
することにより、永久的な片耳難聴となることを防止で
きる。
発明の開示 本発明に従った補聴器では、障害のある耳では、在来
式の周波数選択的な増幅を行い、良好な耳では、在来式
ではない、特別にあつらえた特注の、周波数選択的な振
幅の減衰と周波数選択的な時間遅延とを行って、両耳の
聴力平衡をとる。すなわち、良好な耳の聴覚系統の聴力
特性を調節し、可聴周波数スペクトル全体にわたって、
左右の耳の聴覚系統に到達した音を聴き取ったときの音
の振幅差と時間差とを減少し、可聴周波数スペクトルの
各周波数における左右の耳で聴き取った音の両耳の聴力
平衡に達成される。これにより、両耳の聴覚系統に到達
した音やスピーチの聴き取り能力が向上する。よって、
本発明に従うと、スピーチの聴き取りが飛躍的に改善さ
れる。
式の周波数選択的な増幅を行い、良好な耳では、在来式
ではない、特別にあつらえた特注の、周波数選択的な振
幅の減衰と周波数選択的な時間遅延とを行って、両耳の
聴力平衡をとる。すなわち、良好な耳の聴覚系統の聴力
特性を調節し、可聴周波数スペクトル全体にわたって、
左右の耳の聴覚系統に到達した音を聴き取ったときの音
の振幅差と時間差とを減少し、可聴周波数スペクトルの
各周波数における左右の耳で聴き取った音の両耳の聴力
平衡に達成される。これにより、両耳の聴覚系統に到達
した音やスピーチの聴き取り能力が向上する。よって、
本発明に従うと、スピーチの聴き取りが飛躍的に改善さ
れる。
一方の耳の聴覚系統に到達する音を遅らせたりその振
幅を減衰してスピーチの聴き取りを改善する、というこ
とは、一見逆説的であるが、これによる効果は、実験に
より実証されている。
幅を減衰してスピーチの聴き取りを改善する、というこ
とは、一見逆説的であるが、これによる効果は、実験に
より実証されている。
聴力評価システム 第1A図は、患者10の両耳の聴力特性を測定、決定する
ための聴力評価システムを示す。第1図に示す聴力評価
システムにより、本発明に従った補聴器を患者10に特別
にあつらえる(すなわち、特注する)ことができる。
ための聴力評価システムを示す。第1図に示す聴力評価
システムにより、本発明に従った補聴器を患者10に特別
にあつらえる(すなわち、特注する)ことができる。
図示のように、患者10は、右耳が正常(良好)であ
り、左耳に障害があるものと仮定する。患者10は通常の
方法で聴力試験を受けており、図示の聴力評価システム
には患者10の障害のある耳のために特別にあつらえた特
注の在来の周波数選択的フィルタ及び増幅器12が配列さ
れている。
り、左耳に障害があるものと仮定する。患者10は通常の
方法で聴力試験を受けており、図示の聴力評価システム
には患者10の障害のある耳のために特別にあつらえた特
注の在来の周波数選択的フィルタ及び増幅器12が配列さ
れている。
例えば、患者10が聴力が高い周波数(通常の状態)に
おいて低下する場合には、フィルタ及び増幅器12は、高
い周波数信号を通過できるように選択的に設定されてい
る。フィルタ及び増幅器12に、マイク(図示せず)と、
振幅制限又はクリップ回路(図示せず)と、耳用スピー
カー(すなわち、イヤホン)14とを組み合わせて在来の
非線形補聴器が構成される。この非線形補聴器は、患者
10の聴き取り能力を限定的に改善することができる。
おいて低下する場合には、フィルタ及び増幅器12は、高
い周波数信号を通過できるように選択的に設定されてい
る。フィルタ及び増幅器12に、マイク(図示せず)と、
振幅制限又はクリップ回路(図示せず)と、耳用スピー
カー(すなわち、イヤホン)14とを組み合わせて在来の
非線形補聴器が構成される。この非線形補聴器は、患者
10の聴き取り能力を限定的に改善することができる。
上説したように、在来の補聴器では、聴き取られる音
の振幅(強度)差及び時間差に起因する障害について何
も考慮しておらず、両耳の聴覚系統を通じて聴き取った
音の聴力平衡について何も試行していないので、このよ
うに限定的な改善しか達成できないのである。特に、異
なった可聴周波数で左右の耳で聴き取った音の時間に差
があるため、在来の補聴器では、患者10の聴力が限定さ
れたものとなっている。また、増幅器12によって左耳の
聴覚系統に到達する音を周波数選択的に増幅しても、左
耳で聴き取られる音の強度を右耳での聴き取られる音の
強度にまで高めるには不十分な大きさであり得るし、ま
た、左耳で聴き取られる音の強度が、可聴周波数スペク
トル全体にわたって又は一定の周波数において右耳で聴
き取られる音の強度を超えてしまって、振幅についての
両耳の聴力平衡がとれないままになり得る。上述したよ
うに、本願の発明者は、患者10の左右の耳の聴覚系統に
到達した音を聴き取ったときの時間と振幅に差があるた
め、患者10の両耳の聴覚系統での音の処理能力が増幅器
12を使用しても改善されない、ということを見出してい
る。
の振幅(強度)差及び時間差に起因する障害について何
も考慮しておらず、両耳の聴覚系統を通じて聴き取った
音の聴力平衡について何も試行していないので、このよ
うに限定的な改善しか達成できないのである。特に、異
なった可聴周波数で左右の耳で聴き取った音の時間に差
があるため、在来の補聴器では、患者10の聴力が限定さ
れたものとなっている。また、増幅器12によって左耳の
聴覚系統に到達する音を周波数選択的に増幅しても、左
耳で聴き取られる音の強度を右耳での聴き取られる音の
強度にまで高めるには不十分な大きさであり得るし、ま
た、左耳で聴き取られる音の強度が、可聴周波数スペク
トル全体にわたって又は一定の周波数において右耳で聴
き取られる音の強度を超えてしまって、振幅についての
両耳の聴力平衡がとれないままになり得る。上述したよ
うに、本願の発明者は、患者10の左右の耳の聴覚系統に
到達した音を聴き取ったときの時間と振幅に差があるた
め、患者10の両耳の聴覚系統での音の処理能力が増幅器
12を使用しても改善されない、ということを見出してい
る。
本願の発明者は、以下で説明する付加的な測定を行っ
て可聴周波数スペクトル全体にわたって両耳で聴き取っ
た音の時間と振幅を一致させることにより両耳での処理
能力と聴力の改善が行われ得ることを見出した。これに
より、特に患者10のスピーチに対する聴力が、在来の方
法により達成されるよりも飛躍的に高水準で達成され
る。両耳で聴き取った音の時間と振幅を一致させて両耳
の聴力平衡をとることにより、特に周囲に雑音のある場
合の患者のスピーチに対する聴き取り能力や選択的な聴
き分け能力が飛躍的に改善される。
て可聴周波数スペクトル全体にわたって両耳で聴き取っ
た音の時間と振幅を一致させることにより両耳での処理
能力と聴力の改善が行われ得ることを見出した。これに
より、特に患者10のスピーチに対する聴力が、在来の方
法により達成されるよりも飛躍的に高水準で達成され
る。両耳で聴き取った音の時間と振幅を一致させて両耳
の聴力平衡をとることにより、特に周囲に雑音のある場
合の患者のスピーチに対する聴き取り能力や選択的な聴
き分け能力が飛躍的に改善される。
聴力試験 本発明に従って付加的な修正を行うために、まず、患
者10の聴力が測定されなければならない。これは、振幅
についての周波数掃引と、見掛けの到達時間についての
周波数掃引、といった二つの周波数掃引によって行われ
る。各掃引は、離散段階又は離散範囲での周波数走査を
含む。
者10の聴力が測定されなければならない。これは、振幅
についての周波数掃引と、見掛けの到達時間についての
周波数掃引、といった二つの周波数掃引によって行われ
る。各掃引は、離散段階又は離散範囲での周波数走査を
含む。
聴力学者又は聴力試験者がオージオメータ又は可変周
波数発振器(VFO)16使用する。VFO16の出力は、フィル
タ12に接続され、フィルタ12及びイヤホン14を通過して
左耳の聴覚系統に到達した音(聴力に関する技術では、
「刺激」として知られる)が正常に聴き取れるレベルに
あるように設定される。VFO16は、第1C図の表の周波数
の欄に示すように、250Hzから8000Hz(通常の可聴周波
数)の範囲内で、1/3オクターブ毎の16段階に較正され
る。ここで、これ以上又はこれ以下の段階又は範囲の周
波数で測定してもよい。例えば、単に、低、中又は高の
周波数範囲で聴力試験を行ってもよい。
波数発振器(VFO)16使用する。VFO16の出力は、フィル
タ12に接続され、フィルタ12及びイヤホン14を通過して
左耳の聴覚系統に到達した音(聴力に関する技術では、
「刺激」として知られる)が正常に聴き取れるレベルに
あるように設定される。VFO16は、第1C図の表の周波数
の欄に示すように、250Hzから8000Hz(通常の可聴周波
数)の範囲内で、1/3オクターブ毎の16段階に較正され
る。ここで、これ以上又はこれ以下の段階又は範囲の周
波数で測定してもよい。例えば、単に、低、中又は高の
周波数範囲で聴力試験を行ってもよい。
また、VFO16の出力は、可変振幅減衰器(VAA)20(相
対電力単位を表すdB(デシベル)で較正される)に接続
される。VAA20は、可変時間遅延器(VTD)22(可変位相
シフタともいわれ、時間遅延をμ秒で較正する)に接続
され、VTD22は、右耳のイヤホン18に接続される。
対電力単位を表すdB(デシベル)で較正される)に接続
される。VAA20は、可変時間遅延器(VTD)22(可変位相
シフタともいわれ、時間遅延をμ秒で較正する)に接続
され、VTD22は、右耳のイヤホン18に接続される。
振幅対周波数についての聴力平衡試験では、VFO16
は、その16段階の各可聴周波数に継続的に設定される
(ここで、異なった数の試験周波数範囲で試験を行い得
ることは当業者には明らかである)。VTD22はバイパス
されるか又は両耳での聴き取りの時間遅延がゼロとなる
ように設定される。つまり、VFO16の音が患者10の正面
からくるか又は患者10の頭の中央にあるように設定され
る。VFO16が各周波数に継続的に設定されると、両耳で
聴き取られる音の振幅が同一となるまで、聴力試験者又
は患者がVAA20を調節する。患者は、集中力を高めるた
めに、両目を閉じて試験を行うことが望ましい。
は、その16段階の各可聴周波数に継続的に設定される
(ここで、異なった数の試験周波数範囲で試験を行い得
ることは当業者には明らかである)。VTD22はバイパス
されるか又は両耳での聴き取りの時間遅延がゼロとなる
ように設定される。つまり、VFO16の音が患者10の正面
からくるか又は患者10の頭の中央にあるように設定され
る。VFO16が各周波数に継続的に設定されると、両耳で
聴き取られる音の振幅が同一となるまで、聴力試験者又
は患者がVAA20を調節する。患者は、集中力を高めるた
めに、両目を閉じて試験を行うことが望ましい。
第1B図の下側のグラフに示す二つの曲線は、適当な在
来の非線形補聴器を装着した代表的な聴力障害者の左右
の耳の聴覚系統の聴力しきい値を示す。正常な両耳の聴
覚系統を有する人は、図に「正常」と示す水平な直線に
よって示される(図中“ANSI"は「American National S
tandards Institute」の略語である)。この患者の右耳
の聴覚系統の聴力しきい値を○印を連結したプロットに
て図示する。このプロットは、正常な直線からやや右肩
下がりとなっており、右耳の聴覚系統が、正常よりも劣
っていることを表している。左耳の聴覚系統の聴力しき
い値は、補聴されたものであり、×印にて図示され、右
耳の聴覚系統のものよりも下方にあり、左耳の聴覚系統
が、右耳の聴覚系統よりも劣っていることを示す。
来の非線形補聴器を装着した代表的な聴力障害者の左右
の耳の聴覚系統の聴力しきい値を示す。正常な両耳の聴
覚系統を有する人は、図に「正常」と示す水平な直線に
よって示される(図中“ANSI"は「American National S
tandards Institute」の略語である)。この患者の右耳
の聴覚系統の聴力しきい値を○印を連結したプロットに
て図示する。このプロットは、正常な直線からやや右肩
下がりとなっており、右耳の聴覚系統が、正常よりも劣
っていることを表している。左耳の聴覚系統の聴力しき
い値は、補聴されたものであり、×印にて図示され、右
耳の聴覚系統のものよりも下方にあり、左耳の聴覚系統
が、右耳の聴覚系統よりも劣っていることを示す。
ここで、周波数250Hzにおいて、患者の聴力しきい値
を正常な状態に引き上げるためには、左耳の聴覚系統に
は、右耳の聴覚系統よりも20dBだけ高い音響エネルギー
が必要である。よって、250Hzで聴力平衡をとるため
に、第1A図のVAA20を20dBに設定する。この結果、第1C
図の表のΔ振幅の欄の第1列に示すように、250Hzで聴
力平衡をとるための振幅の不足分として「−20dB」が得
られる。
を正常な状態に引き上げるためには、左耳の聴覚系統に
は、右耳の聴覚系統よりも20dBだけ高い音響エネルギー
が必要である。よって、250Hzで聴力平衡をとるため
に、第1A図のVAA20を20dBに設定する。この結果、第1C
図の表のΔ振幅の欄の第1列に示すように、250Hzで聴
力平衡をとるための振幅の不足分として「−20dB」が得
られる。
第1C図の表は、左右の耳の聴覚系統について障害のあ
る耳に在来の補聴器を使用して個別に聴力試験を行って
得ることができる。この聴力試験から得られた測定値を
プロットして第1B図のプロットを作成できる。各周波数
における両耳の聴覚系統についての測定値の差を表にす
る。
る耳に在来の補聴器を使用して個別に聴力試験を行って
得ることができる。この聴力試験から得られた測定値を
プロットして第1B図のプロットを作成できる。各周波数
における両耳の聴覚系統についての測定値の差を表にす
る。
第1A図の評価システムで左右の耳の聴覚系統の相対的
な応答の差を測定して、第1C図の表に示すような各周波
数に対応した左右の耳の聴覚系統の音の強度に関する聴
き取り能力の差(Δ振幅)が得られる。Δ振幅は、各周
波数において、在来の補聴を行った場外のある耳(左
耳)の聴覚系統と、正常な耳(右耳)の聴覚系統との間
の音の強度に関する聴き取り能力の差をdB(デシベル)
で測定したものである。
な応答の差を測定して、第1C図の表に示すような各周波
数に対応した左右の耳の聴覚系統の音の強度に関する聴
き取り能力の差(Δ振幅)が得られる。Δ振幅は、各周
波数において、在来の補聴を行った場外のある耳(左
耳)の聴覚系統と、正常な耳(右耳)の聴覚系統との間
の音の強度に関する聴き取り能力の差をdB(デシベル)
で測定したものである。
第二の掃引では、聴力学者は、VAA20の減衰をゼロに
設定し、第一の掃引と同様にして左右の耳で聴き取られ
る音の時間差を測定する。聴力学者又は患者は、まず、
VFO16を16段階の各可聴周波数(又はその他の周波数で
もよい)に継続的に設定し、各周波数において左右の耳
で聴き取った音の大きさが左右の耳で等しくなるように
VAA20を調節する。次に、患者が、聴き取った音が患者
の頭の中央に位置するように(すなわち、聴き取られる
音が患者の正面からくるように)VTD22を調節する。こ
れは、選択した周波数の信号音を連続して発生され、こ
の信号音を患者の左側又は右側からきた音であるかのよ
うに聴き取らせることができるダイヤル操作によって、
VTD22で聴き取り時間の遅延を制御することが望まし
い。聴力学者又は患者は、この信号音が患者の頭の中央
に位置する(すなわち、信号音が患者の正面からくる)
まで、ダイヤルを調節(「チューニング」)する。両耳
で聴き取った信号音が患者の頭の中央に位置した(すな
わち、信号音が患者の正面からきた)とき、VTD22は、
その周波数における左右の耳で聴き取った音の見掛けの
時間差を補償するように調節され、この周波数におい
て、聴き取られる音の時間遅延に関する両耳の聴力平衡
がとられる。このようなVTD22の設定値は、選択した各
周波数で記録される。
設定し、第一の掃引と同様にして左右の耳で聴き取られ
る音の時間差を測定する。聴力学者又は患者は、まず、
VFO16を16段階の各可聴周波数(又はその他の周波数で
もよい)に継続的に設定し、各周波数において左右の耳
で聴き取った音の大きさが左右の耳で等しくなるように
VAA20を調節する。次に、患者が、聴き取った音が患者
の頭の中央に位置するように(すなわち、聴き取られる
音が患者の正面からくるように)VTD22を調節する。こ
れは、選択した周波数の信号音を連続して発生され、こ
の信号音を患者の左側又は右側からきた音であるかのよ
うに聴き取らせることができるダイヤル操作によって、
VTD22で聴き取り時間の遅延を制御することが望まし
い。聴力学者又は患者は、この信号音が患者の頭の中央
に位置する(すなわち、信号音が患者の正面からくる)
まで、ダイヤルを調節(「チューニング」)する。両耳
で聴き取った信号音が患者の頭の中央に位置した(すな
わち、信号音が患者の正面からきた)とき、VTD22は、
その周波数における左右の耳で聴き取った音の見掛けの
時間差を補償するように調節され、この周波数におい
て、聴き取られる音の時間遅延に関する両耳の聴力平衡
がとられる。このようなVTD22の設定値は、選択した各
周波数で記録される。
第1B図の上側のグラフは、右耳に対する左耳で聴き取
った音の見掛けの時間遅延(μ秒)をプロットしたもの
である。この見掛けの時間遅延に関する測定値は第1C図
に表に示される(表中の“Δ遅延”の行を参照)。
った音の見掛けの時間遅延(μ秒)をプロットしたもの
である。この見掛けの時間遅延に関する測定値は第1C図
に表に示される(表中の“Δ遅延”の行を参照)。
理論的根拠 これらデータの背景にある理論を理解することは有用
である。本願の発明者は、この理論が妥当なものである
と考えるが、この理論以外にも妥当な考え方があり得る
ので、この理論に限定しない。本発明の妥当性は、実験
的に確立されたものである。
である。本願の発明者は、この理論が妥当なものである
と考えるが、この理論以外にも妥当な考え方があり得る
ので、この理論に限定しない。本発明の妥当性は、実験
的に確立されたものである。
正常な両耳を有する人(すなわち、両耳の聴力平衡が
とれている人)は、左右の耳の聴覚系統を通じての聴き
取り時間の遅延に関連する音の処理能力が各周波数で等
しい。所定の周波数の音の音源が人の正面に位置してい
るとき、正常な両耳を有する人は、この音が自分の正面
からきたように音を聴き取る。これは、両耳の聴覚系統
に同時に到達した音の処理時間が左右の耳の聴覚系統で
等しいからである。この音源がこの人の右側に位置して
いる場合、右耳の聴覚系統に到達した音が最初に処理さ
れて聞き取られる(左右の耳で聴き取った音に時間の差
や振幅(強度)の差がある)ので、この音が自分の右側
からきたように聴き取られる。
とれている人)は、左右の耳の聴覚系統を通じての聴き
取り時間の遅延に関連する音の処理能力が各周波数で等
しい。所定の周波数の音の音源が人の正面に位置してい
るとき、正常な両耳を有する人は、この音が自分の正面
からきたように音を聴き取る。これは、両耳の聴覚系統
に同時に到達した音の処理時間が左右の耳の聴覚系統で
等しいからである。この音源がこの人の右側に位置して
いる場合、右耳の聴覚系統に到達した音が最初に処理さ
れて聞き取られる(左右の耳で聴き取った音に時間の差
や振幅(強度)の差がある)ので、この音が自分の右側
からきたように聴き取られる。
正常な両耳を有する人では、この周波数以外の全部の
周波数でも、上述のように、左右の耳の聴覚系統に到達
した音の処理が左右の耳の聴覚系統で行われる。よっ
て、同一の音源からきた音は、周波数と関係なく(つま
り、この音が、周波数毎に異なった方向からくるように
聴き取られるのではなく)、この音源からきたものとし
て聴き取られる。すなわち、明確に定まった単一の焦点
からきた音のように聴き取られる。このように、正常な
両耳を有する人は、左右の耳の聴覚系統での音の処理が
正常なので、あらゆる方向からくる音を選択的に聴き分
けることができ、また、スピーチを良好に聴き取ること
ができる。特に、雑音があっても、スピーチを良好に聴
き取ることができる。
周波数でも、上述のように、左右の耳の聴覚系統に到達
した音の処理が左右の耳の聴覚系統で行われる。よっ
て、同一の音源からきた音は、周波数と関係なく(つま
り、この音が、周波数毎に異なった方向からくるように
聴き取られるのではなく)、この音源からきたものとし
て聴き取られる。すなわち、明確に定まった単一の焦点
からきた音のように聴き取られる。このように、正常な
両耳を有する人は、左右の耳の聴覚系統での音の処理が
正常なので、あらゆる方向からくる音を選択的に聴き分
けることができ、また、スピーチを良好に聴き取ること
ができる。特に、雑音があっても、スピーチを良好に聴
き取ることができる。
しかし、本願の発明者は、大半の聴力障害者(患者)
は、視覚障害者に見られるような伝達遅延と同様に、両
耳の聴覚系統に固有の非均一性の(又は等しくない)聴
力遅延を有すること、及び、この非均一性が、通常、第
1B図の上側のグラフに示すように周波数に従って異なっ
ていること、を見出した。このような患者は、両耳の聴
力平衡がとれておらず、両耳の聴覚系統に到達した音を
良好に処理できないため、在来のように音を増幅させる
だけでは両耳の聴力平衡を改善できない。
は、視覚障害者に見られるような伝達遅延と同様に、両
耳の聴覚系統に固有の非均一性の(又は等しくない)聴
力遅延を有すること、及び、この非均一性が、通常、第
1B図の上側のグラフに示すように周波数に従って異なっ
ていること、を見出した。このような患者は、両耳の聴
力平衡がとれておらず、両耳の聴覚系統に到達した音を
良好に処理できないため、在来のように音を増幅させる
だけでは両耳の聴力平衡を改善できない。
さらに、本願の発明者は、可聴周波数の全ての範囲に
わたり、左右の耳で聴き取った音の時間差及び振幅(強
度)差を減少させ、両耳の聴力平衡をとらせることによ
り、スピーチに対する聴力が飛躍的に改善されることを
見出した。
わたり、左右の耳で聴き取った音の時間差及び振幅(強
度)差を減少させ、両耳の聴力平衡をとらせることによ
り、スピーチに対する聴力が飛躍的に改善されることを
見出した。
他の聴力試験手順 第1A図に示す聴力評価システムを利用し、上述した理
論に基づいて、上記した聴力試験手順以外の手順により
聴力試験を行い得ることは当業者には明らかである。例
えば、両耳の最良の聴力平衡を決定するために、各耳か
らの距離が遠いところ又は近いところにある異なった音
で左右の耳の聴覚系統を左右同時に刺激する、といった
刺激条件を使用し得る。また、カクテルパーティーとい
った周囲に雑音のあるところで、両耳に刺激を与えるこ
ともできる。さらに、聴力試験者は、両耳を交互に短時
間で刺激したり、低レベル又は高レベル又は実際のスピ
ーチのレベルで振幅に関連した両耳の聴力平衡をとった
り、所定の周波数以外の音を両耳で聴き取らせ、この音
に対する応答により両耳の聴力平衡をとったりできる。
使用される刺激は、患者の様々な聴き取りの応答に従っ
て変化し得る。聴力試験者は、その後、適当な聴力平衡
を設定する。
論に基づいて、上記した聴力試験手順以外の手順により
聴力試験を行い得ることは当業者には明らかである。例
えば、両耳の最良の聴力平衡を決定するために、各耳か
らの距離が遠いところ又は近いところにある異なった音
で左右の耳の聴覚系統を左右同時に刺激する、といった
刺激条件を使用し得る。また、カクテルパーティーとい
った周囲に雑音のあるところで、両耳に刺激を与えるこ
ともできる。さらに、聴力試験者は、両耳を交互に短時
間で刺激したり、低レベル又は高レベル又は実際のスピ
ーチのレベルで振幅に関連した両耳の聴力平衡をとった
り、所定の周波数以外の音を両耳で聴き取らせ、この音
に対する応答により両耳の聴力平衡をとったりできる。
使用される刺激は、患者の様々な聴き取りの応答に従っ
て変化し得る。聴力試験者は、その後、適当な聴力平衡
を設定する。
また、上記した聴力平衡の他に「客観的(objectiv
e)」に聴力平衡を決定する手段がある。客観的に聴力
平衡を決定する手段は、聴力平衡を決定するために、電
気的脳造影法(EEG)や、脳又は聴力神経での聴力電位
の測定、といった電気的生理学的手段を利用することが
できる。また、この客観的手段は両耳の聴力平衡が達成
されたときの条件を決定するために、PET(陽電子放射
トモグラフィ)、NMR(核磁気共鳴)トモグラフィ、等
の様々な像映技術を使用して脳の異なった部分の機能的
活動を指示させることができる。
e)」に聴力平衡を決定する手段がある。客観的に聴力
平衡を決定する手段は、聴力平衡を決定するために、電
気的脳造影法(EEG)や、脳又は聴力神経での聴力電位
の測定、といった電気的生理学的手段を利用することが
できる。また、この客観的手段は両耳の聴力平衡が達成
されたときの条件を決定するために、PET(陽電子放射
トモグラフィ)、NMR(核磁気共鳴)トモグラフィ、等
の様々な像映技術を使用して脳の異なった部分の機能的
活動を指示させることができる。
このような客観的手段は、幼児や精神薄弱者(受信し
た音に対する応答を伝えられない人)に対して最も有効
な手段である。両耳の聴力平衡がとれていない幼児の両
耳の非聴力平衡が矯正されることにより、成長期におい
て永久的な両耳の非聴力平衡の発生が防止される。つま
り、幼児期に両耳の非聴力平衡が発見された場合、この
幼児の障害のある耳で無理に行っていた聴き取りが様々
手段(増幅及び/又は時間的な平衡、他の耳を塞いで各
耳の聴覚系統を別個に刺激すること、等)により回復さ
れ、この幼児は感情が抑制されずに成長する。幼児や子
供の患者は、聴力平衡測定を付随的に使用して、彼らの
年齢や成長期中の精神的な成熟度に応じた客観的手段及
び/又は主観的手段により連続的に監視される。そうし
ないと、障害のある耳での聴き取りが益々損なわれるこ
ととなり、非聴力平衡がより大きく且つ永久的になる。
た音に対する応答を伝えられない人)に対して最も有効
な手段である。両耳の聴力平衡がとれていない幼児の両
耳の非聴力平衡が矯正されることにより、成長期におい
て永久的な両耳の非聴力平衡の発生が防止される。つま
り、幼児期に両耳の非聴力平衡が発見された場合、この
幼児の障害のある耳で無理に行っていた聴き取りが様々
手段(増幅及び/又は時間的な平衡、他の耳を塞いで各
耳の聴覚系統を別個に刺激すること、等)により回復さ
れ、この幼児は感情が抑制されずに成長する。幼児や子
供の患者は、聴力平衡測定を付随的に使用して、彼らの
年齢や成長期中の精神的な成熟度に応じた客観的手段及
び/又は主観的手段により連続的に監視される。そうし
ないと、障害のある耳での聴き取りが益々損なわれるこ
ととなり、非聴力平衡がより大きく且つ永久的になる。
逆説的補聴器 上記の原理による本発明に従った補聴器を第2図に示
す。この補聴器は、聴力障害者の特にスピーチに対する
聴力を在来の補聴器により得らる改善の程度よりも高度
に改善する。第2図の補聴器は、その構成部品中に障害
のある耳の聴覚系統に用いる在来の補聴器を含み、患者
のスピーチ等に対する聴力を改善させる付加的な構成部
品を付加する。この付加的な構成部品が、各周波数帯域
において、良好な耳の聴力を障害のある耳の聴力に一致
させて両耳の聴力平衡を効果的にとる。その結果、患者
の良好な耳の聴力が障害のある耳の聴力に一致し、左右
対称の位置にある音源(例えば、直前にある一つの音
源)からくる音が、国周波数帯域において、同一の振幅
及び同一の到達時間で、正面又は頭の中央からきたもの
であるかのように感じられる。すなわち、患者は、可聴
周波数スペクトル全体にわたって両耳の聴力平衡が取ら
れる。これは、両耳での処理及び聴き取りを格段に改善
する。
す。この補聴器は、聴力障害者の特にスピーチに対する
聴力を在来の補聴器により得らる改善の程度よりも高度
に改善する。第2図の補聴器は、その構成部品中に障害
のある耳の聴覚系統に用いる在来の補聴器を含み、患者
のスピーチ等に対する聴力を改善させる付加的な構成部
品を付加する。この付加的な構成部品が、各周波数帯域
において、良好な耳の聴力を障害のある耳の聴力に一致
させて両耳の聴力平衡を効果的にとる。その結果、患者
の良好な耳の聴力が障害のある耳の聴力に一致し、左右
対称の位置にある音源(例えば、直前にある一つの音
源)からくる音が、国周波数帯域において、同一の振幅
及び同一の到達時間で、正面又は頭の中央からきたもの
であるかのように感じられる。すなわち、患者は、可聴
周波数スペクトル全体にわたって両耳の聴力平衡が取ら
れる。これは、両耳での処理及び聴き取りを格段に改善
する。
第2図に示す本発明に従った補聴器は、左右のマイク
24L、24Rを有する。これらマイク24L、24Rの出力は、そ
れぞれ、一対の可変ゲイン増幅器26L、26Rに供給され
る。各可変ゲイン増幅器26L、26Rは、在来の補聴器に用
いられている増幅器と同一の特性のものであり、0〜65
dBの範囲でゲイン(音量)を変化できるものが望まし
い。第2図に示すこれら二つの可変ゲイン増幅器26L、2
6Rを横切る矢印同士を連結する破線は、これら可変ゲイ
ン増幅器26L、26Rのゲインすなわち音量のつまみを左右
同時に操作して左右のゲインを同時に加減することを示
すものである。これら可変ゲイン増幅器26L、26Rは、非
常に大きな音による両耳のダメージを防止するため、在
来の制限器(簡単のため図示せず)を含む。
24L、24Rを有する。これらマイク24L、24Rの出力は、そ
れぞれ、一対の可変ゲイン増幅器26L、26Rに供給され
る。各可変ゲイン増幅器26L、26Rは、在来の補聴器に用
いられている増幅器と同一の特性のものであり、0〜65
dBの範囲でゲイン(音量)を変化できるものが望まし
い。第2図に示すこれら二つの可変ゲイン増幅器26L、2
6Rを横切る矢印同士を連結する破線は、これら可変ゲイ
ン増幅器26L、26Rのゲインすなわち音量のつまみを左右
同時に操作して左右のゲインを同時に加減することを示
すものである。これら可変ゲイン増幅器26L、26Rは、非
常に大きな音による両耳のダメージを防止するため、在
来の制限器(簡単のため図示せず)を含む。
障害のある耳(左耳)の方にある可変ゲイン増幅器16
Lの出力は、第1A図に示すフィルタと同様の、障害のあ
る耳のために特注した周波数選択的フィルタ12に供給さ
れ、次に、200mms(μ秒)の固定時間遅延器28通じて、
障害のある耳(左耳)のイヤホン14に供給される。上述
したように、周波数の関数として障害のある耳の応答を
改善するように最適に特注した在来の非線形補聴器が、
マイク24L、可変ゲイン増幅器26L、周波数選択的フィル
タ12、及びイヤホン14により構成される。しかし、全て
の周波数において、患者10の右耳のゲイン以上に患者10
の見掛けの聴き取りの応答を増大させるに十分な程度、
可変ゲイン増幅器26Lのゲインを大きくしてはならな
い。
Lの出力は、第1A図に示すフィルタと同様の、障害のあ
る耳のために特注した周波数選択的フィルタ12に供給さ
れ、次に、200mms(μ秒)の固定時間遅延器28通じて、
障害のある耳(左耳)のイヤホン14に供給される。上述
したように、周波数の関数として障害のある耳の応答を
改善するように最適に特注した在来の非線形補聴器が、
マイク24L、可変ゲイン増幅器26L、周波数選択的フィル
タ12、及びイヤホン14により構成される。しかし、全て
の周波数において、患者10の右耳のゲイン以上に患者10
の見掛けの聴き取りの応答を増大させるに十分な程度、
可変ゲイン増幅器26Lのゲインを大きくしてはならな
い。
本発明に従って、右耳側の可変ゲイン増幅器26Rの出
力は、16個(これ以外の個数を選択できる)の並列接続
した一連のフィルタ30に供給される。各フィルタ30は、
その指示される中心周波数付近の1/3オクターブを通過
させるように設計されている。これらフィルタ30の中心
周波数は、第1C図に指示される、第1A図で使用した16個
の試験周波数に対応する。つまり、第一の250Hzのフィ
ルタ30は250Hz±1/6オクターブを通過させ、等々であ
る。
力は、16個(これ以外の個数を選択できる)の並列接続
した一連のフィルタ30に供給される。各フィルタ30は、
その指示される中心周波数付近の1/3オクターブを通過
させるように設計されている。これらフィルタ30の中心
周波数は、第1C図に指示される、第1A図で使用した16個
の試験周波数に対応する。つまり、第一の250Hzのフィ
ルタ30は250Hz±1/6オクターブを通過させ、等々であ
る。
各フィルタ30の出力は、16個(これ以外の個数を選択
できる)の可変減衰器32のそれぞれ1個に供給される。
各可変減衰器32は、0〜50dBの範囲で減衰の調節ができ
る。これら可変減衰器32の減衰値は、各周波数において
良好な耳(右耳)での振幅の応答が障害のある耳(左
耳)での補聴した応答に一致するように、第1C図のΔ振
幅の欄に示すそれぞれの値に従って調節される。選択的
に、可変減衰器32に代えて、必要な値に予め選択的に設
定してある固定減衰器を使用できる。
できる)の可変減衰器32のそれぞれ1個に供給される。
各可変減衰器32は、0〜50dBの範囲で減衰の調節ができ
る。これら可変減衰器32の減衰値は、各周波数において
良好な耳(右耳)での振幅の応答が障害のある耳(左
耳)での補聴した応答に一致するように、第1C図のΔ振
幅の欄に示すそれぞれの値に従って調節される。選択的
に、可変減衰器32に代えて、必要な値に予め選択的に設
定してある固定減衰器を使用できる。
最後に、各可変減衰器32の出力は、16個(これ以外の
個数を選択できる)の可変時間遅延器34のそれぞれ1個
に供給される。各時間遅延器34は、0〜400mmsの範囲の
時間遅延を与えるように調節することができる。可変時
間遅延器34の値は、各周波数において良好な耳(右耳)
での見掛けの遅延の応答が障害のある耳(左耳)での聴
き取りの応答に一致するように、第1C図のΔ遅延の欄に
示すそれぞれの値に従って調節される。
個数を選択できる)の可変時間遅延器34のそれぞれ1個
に供給される。各時間遅延器34は、0〜400mmsの範囲の
時間遅延を与えるように調節することができる。可変時
間遅延器34の値は、各周波数において良好な耳(右耳)
での見掛けの遅延の応答が障害のある耳(左耳)での聴
き取りの応答に一致するように、第1C図のΔ遅延の欄に
示すそれぞれの値に従って調節される。
左耳側にある固定時間遅延器28(200mms)は、良好な
耳(右耳)での時間遅延を補償し、可変時間遅延器34が
障害のある耳(左耳)に関する相対的な遅延又は進みを
良好な耳(右耳)に与えることができるように与えられ
る。よって、可変時間遅延器34が最大遅延(400mms)に
設定されると、この可変時間遅延器34によって制御され
る周波数範囲にある音は、障害のある耳(左耳)に関し
て約200mms遅延する。この可変時間遅延器34が遅延ゼロ
を与えるように設定されると、この可変時間遅延器によ
って制御される周波数範囲にある音は障害のある耳(左
耳)に関して約200mms進む。
耳(右耳)での時間遅延を補償し、可変時間遅延器34が
障害のある耳(左耳)に関する相対的な遅延又は進みを
良好な耳(右耳)に与えることができるように与えられ
る。よって、可変時間遅延器34が最大遅延(400mms)に
設定されると、この可変時間遅延器34によって制御され
る周波数範囲にある音は、障害のある耳(左耳)に関し
て約200mms遅延する。この可変時間遅延器34が遅延ゼロ
を与えるように設定されると、この可変時間遅延器によ
って制御される周波数範囲にある音は障害のある耳(左
耳)に関して約200mms進む。
可変時間遅延器34の出力は、右耳側のイヤホン18に接
続した一本のリード線に接続される。
続した一本のリード線に接続される。
第2図に示す回路は、左耳に障害があり、右耳が正常
すなわち良好な患者に使用するためのものであるが、こ
の構成を逆にして左耳が良好な患者に使用できることは
明らかである。重要な点として、一方の耳に障害のある
患者の場合、障害のある耳での聴き取りの応答が在来可
能なかぎり改善(しかし、いずれの周波数においても良
好な耳以上とはならない)され、良好な耳での聴き取り
の応答が各周波数において見掛けの到達時間及び振幅に
ついて障害のある耳の曲線に一致して補聴されるように
調節される。両耳に障害がある患者の場合、両耳での聴
き取りの応答が可能なかぎり改善(しかし、比較的劣っ
ている耳を比較的良好な耳以上とするには不十分であ
る)され、良好な耳での聴き取りの応答が上述のように
して調節される。また、第2図では16個の周波数帯域が
使用されたが、16個以上又はそれ以下の周波数帯域が使
用でき、また、不連続な分散した周波数帯域を使用する
のではなく、連続したフィルタリング及び遅延を行える
ように構成することができる。さらに、これら構成部品
は、別々のブロックで図示されるが、回路の全体又は一
部分を1個以上の集積回路のチップに設けることができ
ることは明らかである。また、最適な回復のため、両耳
の聴力平衡をとるための調節は、異なった環境や異なっ
た所望の音(例えば、街の騒音、パーティーでの雑音、
大ホールでの騒音、及びスピーチではなく信号音等の交
通関連の音を聞くような場合)によって異なる。このよ
うな場合に両耳の聴力平衡をとるための調節は、選択し
た環境において、選択した音を使用した適当な聴力試験
により行うことができる。よって、補聴器が、多数の予
め選択した環境や音に対して両耳の聴力平衡をとれるよ
うに調節するための選択スイッチ(図示せず)を有する
ことができる。
すなわち良好な患者に使用するためのものであるが、こ
の構成を逆にして左耳が良好な患者に使用できることは
明らかである。重要な点として、一方の耳に障害のある
患者の場合、障害のある耳での聴き取りの応答が在来可
能なかぎり改善(しかし、いずれの周波数においても良
好な耳以上とはならない)され、良好な耳での聴き取り
の応答が各周波数において見掛けの到達時間及び振幅に
ついて障害のある耳の曲線に一致して補聴されるように
調節される。両耳に障害がある患者の場合、両耳での聴
き取りの応答が可能なかぎり改善(しかし、比較的劣っ
ている耳を比較的良好な耳以上とするには不十分であ
る)され、良好な耳での聴き取りの応答が上述のように
して調節される。また、第2図では16個の周波数帯域が
使用されたが、16個以上又はそれ以下の周波数帯域が使
用でき、また、不連続な分散した周波数帯域を使用する
のではなく、連続したフィルタリング及び遅延を行える
ように構成することができる。さらに、これら構成部品
は、別々のブロックで図示されるが、回路の全体又は一
部分を1個以上の集積回路のチップに設けることができ
ることは明らかである。また、最適な回復のため、両耳
の聴力平衡をとるための調節は、異なった環境や異なっ
た所望の音(例えば、街の騒音、パーティーでの雑音、
大ホールでの騒音、及びスピーチではなく信号音等の交
通関連の音を聞くような場合)によって異なる。このよ
うな場合に両耳の聴力平衡をとるための調節は、選択し
た環境において、選択した音を使用した適当な聴力試験
により行うことができる。よって、補聴器が、多数の予
め選択した環境や音に対して両耳の聴力平衡をとれるよ
うに調節するための選択スイッチ(図示せず)を有する
ことができる。
第2図に示す補聴器は、聴き取りに障害のある個人に
対して試験され、静寂な環境な騒音のある環境でのスピ
ーチや他の様々な音について、在来の非線形補聴器だけ
を使用したときよりも格段の改善がみられた。
対して試験され、静寂な環境な騒音のある環境でのスピ
ーチや他の様々な音について、在来の非線形補聴器だけ
を使用したときよりも格段の改善がみられた。
第2図に示す回路の実施例について以下で説明する。
第一の実施例 第3A図〜第3C図に本発明に従った第一の実施例の補聴
器を示す。補聴器は、第3A図及び第3B図に示すように、
左耳の耳介の後側に配置される左耳用のハウジング36
L、右耳の耳介の後側に配置される右耳用のハウジング3
6R、及び患者10の衣服等のポケット40に保持される制御
ボックス38、といった三つの部分から構成される。これ
らハウジング36L、36Rには、それぞれ、収音用の穴48が
設けられ、また、これらハウジング36L、36Rからは、そ
れぞれ、耳介の上部から外耳道に挿入される管状スピー
カー44L、44Rが伸長している。これらハウジング36L、3
6Rは、制御ボックス38に配線用ハーネス又はヨーク42を
通じて接続されている。
器を示す。補聴器は、第3A図及び第3B図に示すように、
左耳の耳介の後側に配置される左耳用のハウジング36
L、右耳の耳介の後側に配置される右耳用のハウジング3
6R、及び患者10の衣服等のポケット40に保持される制御
ボックス38、といった三つの部分から構成される。これ
らハウジング36L、36Rには、それぞれ、収音用の穴48が
設けられ、また、これらハウジング36L、36Rからは、そ
れぞれ、耳介の上部から外耳道に挿入される管状スピー
カー44L、44Rが伸長している。これらハウジング36L、3
6Rは、制御ボックス38に配線用ハーネス又はヨーク42を
通じて接続されている。
各ハウジング36L、36Rは、耳の耳介の後側に沿うよう
に曲線的に伸長した形状を有し、在来の手段(図示せ
ず)によって保持される。上記したように、各ハウジン
グ36L、36Rにはマイクでの収音用の穴48が設けられる
が、上側の穴を耳介の上部から突き出させて上側の穴で
高い周波数の音を収音されるようにすることが望まし
い。配線用ハーネス42は、各ハウジング36L、36Rの底部
からそれぞれ共通の接続点へと伸長する二対の線により
構成される。すなわち、制御ボックス38へ合計8本の線
の束が伸長する。
に曲線的に伸長した形状を有し、在来の手段(図示せ
ず)によって保持される。上記したように、各ハウジン
グ36L、36Rにはマイクでの収音用の穴48が設けられる
が、上側の穴を耳介の上部から突き出させて上側の穴で
高い周波数の音を収音されるようにすることが望まし
い。配線用ハーネス42は、各ハウジング36L、36Rの底部
からそれぞれ共通の接続点へと伸長する二対の線により
構成される。すなわち、制御ボックス38へ合計8本の線
の束が伸長する。
第3C図に示すように、各ハウジング36L、36Rには、そ
れぞれ、収音用の穴48に隣接したマイク24L、24Rと、ス
ピーカー50L、50Rとが内蔵され、、これらスピーカー50
L、50Rから上記した管状スピーカー44L、44Rが伸長して
いる。
れぞれ、収音用の穴48に隣接したマイク24L、24Rと、ス
ピーカー50L、50Rとが内蔵され、、これらスピーカー50
L、50Rから上記した管状スピーカー44L、44Rが伸長して
いる。
マイク24L、24Rは、それぞれ、制御ボックス38に内蔵
した増幅器52L、52Rに接続している。これら増幅器52
L、52Rは、共通の可変ゲイン(すなわち音量)制御器54
に接続される。この可変ゲイン制御器54には、音量調節
用の手動つまみが付設されている。左耳(障害のある
耳)用の増幅器52Lの出力は、特注のフィルタ12(第2
図)、遅延器(第2図)及び配線用ハーネス42内の2本
の線を通じてスピーカ50Lに接続される。右耳用の増幅
器52Rの出力は、符号56で示すブロックに接続される。
このブロック56には、上述したように適当に調節された
第2図に示すフィルタ30、減衰器32及び遅延器34が含ま
れる。ブロック56のこれら構成部品は、予め設定でき、
予め選択でき、しかも現場においても調節することが可
能である。ブロック56からの出力は、右耳(良好な耳)
側のスピーカー50Rに配線用ハーネス42を通じて接続さ
れる。
した増幅器52L、52Rに接続している。これら増幅器52
L、52Rは、共通の可変ゲイン(すなわち音量)制御器54
に接続される。この可変ゲイン制御器54には、音量調節
用の手動つまみが付設されている。左耳(障害のある
耳)用の増幅器52Lの出力は、特注のフィルタ12(第2
図)、遅延器(第2図)及び配線用ハーネス42内の2本
の線を通じてスピーカ50Lに接続される。右耳用の増幅
器52Rの出力は、符号56で示すブロックに接続される。
このブロック56には、上述したように適当に調節された
第2図に示すフィルタ30、減衰器32及び遅延器34が含ま
れる。ブロック56のこれら構成部品は、予め設定でき、
予め選択でき、しかも現場においても調節することが可
能である。ブロック56からの出力は、右耳(良好な耳)
側のスピーカー50Rに配線用ハーネス42を通じて接続さ
れる。
第3C図に示す補聴器の作動は明らかであり、これは第
2図に関連して上述した原理に従って作動する。すなわ
ち、マイク24Lで受信した音は、在来と同様に増幅器52L
で増幅され、フィルタ12でフィルタリングされ、遅延器
28で遅延の補償がなされた後、スピーカー50Lから管状
スピーカー44Lを通じて障害のある左耳へと導かれる。
マイク24Rで受信した音は、左耳で聴き取られる音量と
同程度の音量となるように増幅器52Rで増幅される。次
に、この音(電気信号により表される)は、本発明に従
って、両耳の聴力平衡が可能なかぎり改善されるよう
に、補聴した左耳の特性に一致するようにブロック56で
予め構成した曲線に基づいて時間の遅延及び振幅の減衰
が行われる。次に、右耳(良好な耳)側のスピーカー50
R及び管状スピーカー44Rへ供給される。音の振幅は、共
通の可変ゲイン制御器54により必要に応じて在来と同様
に調節される。
2図に関連して上述した原理に従って作動する。すなわ
ち、マイク24Lで受信した音は、在来と同様に増幅器52L
で増幅され、フィルタ12でフィルタリングされ、遅延器
28で遅延の補償がなされた後、スピーカー50Lから管状
スピーカー44Lを通じて障害のある左耳へと導かれる。
マイク24Rで受信した音は、左耳で聴き取られる音量と
同程度の音量となるように増幅器52Rで増幅される。次
に、この音(電気信号により表される)は、本発明に従
って、両耳の聴力平衡が可能なかぎり改善されるよう
に、補聴した左耳の特性に一致するようにブロック56で
予め構成した曲線に基づいて時間の遅延及び振幅の減衰
が行われる。次に、右耳(良好な耳)側のスピーカー50
R及び管状スピーカー44Rへ供給される。音の振幅は、共
通の可変ゲイン制御器54により必要に応じて在来と同様
に調節される。
第二の実施例 第4A図及び第4B図に本発明に従った第2の実施例の補
聴器を示す。補聴器は、第4A図に示すように、左耳の耳
介の後側に配置される左耳用のハウジング36L、及び右
耳の耳介の後側に配置される右耳用のハウジング36R、
といった二つの部分から構成される。これらハウジング
36L、36Rには、第2図に示す構成部品全部が内蔵され、
第3A図のハウジング36L、36Rに内蔵される構成部品と同
様の構成部品が第3A図と同様に内蔵され、また、第3A図
及び第3C図の制御ボックス38に内蔵される構成部品が左
右のハウジング36L、36Rに分散して内蔵される。音量の
制御を行うため、ハウジング36Lに内蔵した可変ゲイン
制御器54と、ハウジング36Rに内蔵した増幅器52Rとが2
本のリード線の配線用ハーネス58により接続される。第
4A図の補聴器を使用する際、この配線用ハーネス58は、
患者の後頭部を通過させてもよいし、また第4B図に示す
ように、ハウジング36L′、36R′を在来の方法により眼
鏡のフレーム60に取り付け、配線用ハーネス58′をフレ
ーム60に沿わせてもよい。第3A図〜第3C図に示す構成部
品と同一の符号で示す第4A図に示す構成部品の作動は、
第3A図〜第3C図に関連して説明した構成部品の作動と同
一である。音量を制御する可変ゲイン制御器54が左耳側
のハウジング36L内に収容されているが、これは単に代
表的な例を示したにすぎず、可変ゲイン制御器54を右耳
側のハウジング36R内に収容してもよい。
聴器を示す。補聴器は、第4A図に示すように、左耳の耳
介の後側に配置される左耳用のハウジング36L、及び右
耳の耳介の後側に配置される右耳用のハウジング36R、
といった二つの部分から構成される。これらハウジング
36L、36Rには、第2図に示す構成部品全部が内蔵され、
第3A図のハウジング36L、36Rに内蔵される構成部品と同
様の構成部品が第3A図と同様に内蔵され、また、第3A図
及び第3C図の制御ボックス38に内蔵される構成部品が左
右のハウジング36L、36Rに分散して内蔵される。音量の
制御を行うため、ハウジング36Lに内蔵した可変ゲイン
制御器54と、ハウジング36Rに内蔵した増幅器52Rとが2
本のリード線の配線用ハーネス58により接続される。第
4A図の補聴器を使用する際、この配線用ハーネス58は、
患者の後頭部を通過させてもよいし、また第4B図に示す
ように、ハウジング36L′、36R′を在来の方法により眼
鏡のフレーム60に取り付け、配線用ハーネス58′をフレ
ーム60に沿わせてもよい。第3A図〜第3C図に示す構成部
品と同一の符号で示す第4A図に示す構成部品の作動は、
第3A図〜第3C図に関連して説明した構成部品の作動と同
一である。音量を制御する可変ゲイン制御器54が左耳側
のハウジング36L内に収容されているが、これは単に代
表的な例を示したにすぎず、可変ゲイン制御器54を右耳
側のハウジング36R内に収容してもよい。
変形的に、第2図に示す構成部品全てを弓形のフレー
ムによって連結した左右の耳当てに第4A図と同様に内蔵
し、上記の配線用ハーネスを弓形のフレームに沿わすか
又はその内部に配列してもよい。このような補聴器は、
音響ステレオのヘッドホンのごとく、弓形のフレームの
頭の上部を当て、耳当てを左右の耳に当てて使用するこ
とができる。
ムによって連結した左右の耳当てに第4A図と同様に内蔵
し、上記の配線用ハーネスを弓形のフレームに沿わすか
又はその内部に配列してもよい。このような補聴器は、
音響ステレオのヘッドホンのごとく、弓形のフレームの
頭の上部を当て、耳当てを左右の耳に当てて使用するこ
とができる。
第三の実施例 第5図に本発明に従った第三の実施例の補聴器を示
す。この補聴器は、第4A図と同様に、第2図に示す構成
部品を左耳用及び右耳用のハウジング62L、62Rにそれぞ
れ分散して内蔵させたものであるが、両者を無線で接続
した点、及び各ハウジング62L、62Lを外耳道に直接挿
入、保持させる点で第4A図のものと大きく異なる。第3A
図〜第3C図及び第4A図に示す構成部品と同一の符号で示
す第5図に示す構成部品の作動は、第3A図〜第3C図及び
第4A図に関連して説明した構成部品の作動と同一であ
る。
す。この補聴器は、第4A図と同様に、第2図に示す構成
部品を左耳用及び右耳用のハウジング62L、62Rにそれぞ
れ分散して内蔵させたものであるが、両者を無線で接続
した点、及び各ハウジング62L、62Lを外耳道に直接挿
入、保持させる点で第4A図のものと大きく異なる。第3A
図〜第3C図及び第4A図に示す構成部品と同一の符号で示
す第5図に示す構成部品の作動は、第3A図〜第3C図及び
第4A図に関連して説明した構成部品の作動と同一であ
る。
第5図に示すハウジング62L、62Rの形状は、それぞ
れ、左右の外耳道に適合、保持されるように設計され
る。マイク24L、24Rはそれぞれハウジング62L、62Rの一
方端に配列され、スピーカー50L、50Rはそれぞれハウジ
ング62L、62Rの他方端(すなわち外耳道側)に配列され
る。
れ、左右の外耳道に適合、保持されるように設計され
る。マイク24L、24Rはそれぞれハウジング62L、62Rの一
方端に配列され、スピーカー50L、50Rはそれぞれハウジ
ング62L、62Rの他方端(すなわち外耳道側)に配列され
る。
ハウジング62L、62Rにはそれぞれ増幅器52L、52Rに接
続した可変ゲイン制御器64、74が内蔵されている。左耳
用のハウジング62Lに内蔵した可変ゲイン制御器64は、
増幅器52Lに接続され、増幅器52Lのゲインを制御する。
この増幅器52Lの制御は、スクリュードライバーやアレ
ンレンチ(図示せず)を使用してネジ66を回転させて可
変ゲイン制御器64内にある小型電位差計(図示せず)を
操作することによって行われる。可変ゲイン制御器64の
設定値は、小型FM送信器68に送られ、FM送信器68のアン
テナ70から、可変ゲイン制御器64での設定レベルに比例
した周波数の変調信号音により連続的に送信される。こ
こで、送信器68から送信される信号が20cm程度しか離れ
ていない右耳側のハウジング62Rに内容したFM受信器72
へ送られればよいので、左耳側のハウジング62Lに内蔵
した送信器68の出力は非常に低くてよい。受信器72は、
送信器68からのコード化した音量制御信号を受信する。
この制御信号は、適当に復調され、スレーブ式の可変ゲ
イン制御器74を制御し、この可変ゲイン制御器74に接続
した増幅器52Rのゲインを制御する。ここで、可変ゲイ
ン制御器74には、電位差計すなち機械的なゲイン制御素
子ではなく、周知の電子素子(バリスタ)が使用され
る。
続した可変ゲイン制御器64、74が内蔵されている。左耳
用のハウジング62Lに内蔵した可変ゲイン制御器64は、
増幅器52Lに接続され、増幅器52Lのゲインを制御する。
この増幅器52Lの制御は、スクリュードライバーやアレ
ンレンチ(図示せず)を使用してネジ66を回転させて可
変ゲイン制御器64内にある小型電位差計(図示せず)を
操作することによって行われる。可変ゲイン制御器64の
設定値は、小型FM送信器68に送られ、FM送信器68のアン
テナ70から、可変ゲイン制御器64での設定レベルに比例
した周波数の変調信号音により連続的に送信される。こ
こで、送信器68から送信される信号が20cm程度しか離れ
ていない右耳側のハウジング62Rに内容したFM受信器72
へ送られればよいので、左耳側のハウジング62Lに内蔵
した送信器68の出力は非常に低くてよい。受信器72は、
送信器68からのコード化した音量制御信号を受信する。
この制御信号は、適当に復調され、スレーブ式の可変ゲ
イン制御器74を制御し、この可変ゲイン制御器74に接続
した増幅器52Rのゲインを制御する。ここで、可変ゲイ
ン制御器74には、電位差計すなち機械的なゲイン制御素
子ではなく、周知の電子素子(バリスタ)が使用され
る。
このように左右のハウジングを無線接続した実施例の
作動は、無線周波数によってゲインの制御を行う点以外
は上記した実施例と同様である。マイク及びスピーカー
以外の各ハウジングに内蔵した全ての構成部品をモノリ
シック集積回路にて形成することが望ましい。
作動は、無線周波数によってゲインの制御を行う点以外
は上記した実施例と同様である。マイク及びスピーカー
以外の各ハウジングに内蔵した全ての構成部品をモノリ
シック集積回路にて形成することが望ましい。
第四の実施例 第6A図〜第6C図に本発明に従った第四の実施例を補聴
器を示す。図示の実施例は、経済的で簡単軽量且つ小型
の受動型補聴器である。この受動型補聴器は、発泡ゴ
ム、ウレタン又は他の柔軟で身体に適した材料からなる
挿入部材76から構成される。この挿入部材76は硬質であ
るためが柔軟であり、外耳道に押し込んで保持させた挿
入部材76は膨らんで外耳道を塞ぐ。
器を示す。図示の実施例は、経済的で簡単軽量且つ小型
の受動型補聴器である。この受動型補聴器は、発泡ゴ
ム、ウレタン又は他の柔軟で身体に適した材料からなる
挿入部材76から構成される。この挿入部材76は硬質であ
るためが柔軟であり、外耳道に押し込んで保持させた挿
入部材76は膨らんで外耳道を塞ぐ。
図示のように、挿入部材76の形状は円筒形であり、軸
方向に貫通する貫通口78を有する。第6B図に典型的に3
つのチャンバC1、C2、C3にて例示されるように、挿入部
材76の内部には一連のチャンバが形成されている。これ
らチャンバC1、C2、C3はそれぞれ管R2、R3を通じて連通
し、管R1、R2Cは挿入部材76の外部に連通する。これら
管R1〜R4は貫通口78の一部である。これらチャンバC1〜
C3以外の挿入部材76の本体は、硬質の発泡材料からな
る。好適に、挿入部材76は、長さ10mm〜16mm、直径6mm
である。貫通口78は、直径1mmであり、また、チャンバC
1〜C3はそれぞれ直径5mm、軸方向の長さ3mmである。
方向に貫通する貫通口78を有する。第6B図に典型的に3
つのチャンバC1、C2、C3にて例示されるように、挿入部
材76の内部には一連のチャンバが形成されている。これ
らチャンバC1、C2、C3はそれぞれ管R2、R3を通じて連通
し、管R1、R2Cは挿入部材76の外部に連通する。これら
管R1〜R4は貫通口78の一部である。これらチャンバC1〜
C3以外の挿入部材76の本体は、硬質の発泡材料からな
る。好適に、挿入部材76は、長さ10mm〜16mm、直径6mm
である。貫通口78は、直径1mmであり、また、チャンバC
1〜C3はそれぞれ直径5mm、軸方向の長さ3mmである。
第6C図に、第6B図の挿入部材76と等価の電気回路を示
す。この電気回路は、図示ように、直列に接続した複数
の抵抗器R1〜R4と、、隣接する抵抗器の間に分岐接続し
た複数のコンデンサC1〜C4とから構成される四端子ネッ
トワークから構成される。抵抗器R1〜R4はそれぞれ第6B
図の狭い部分すなわち管R1〜R4に相当し、コンデンサC1
〜C4はそれぞれ第6B図のチャンバC1〜C4に相当する。
す。この電気回路は、図示ように、直列に接続した複数
の抵抗器R1〜R4と、、隣接する抵抗器の間に分岐接続し
た複数のコンデンサC1〜C4とから構成される四端子ネッ
トワークから構成される。抵抗器R1〜R4はそれぞれ第6B
図の狭い部分すなわち管R1〜R4に相当し、コンデンサC1
〜C4はそれぞれ第6B図のチャンバC1〜C4に相当する。
挿入部材76を外耳道にしっかりと保持させると、挿入
部材76のチャンバ及び狭い部分によって、第6C図の電気
回路が交流電気信号に与える影響と同一の影響が受信音
に与えられる。チャンバ及び狭い部分は、上記の電気回
路での電気信号と同様に、周波数選択的に、印加信号を
遅延且つ減衰して、より高い周波数の音がより遅延且つ
減衰される。
部材76のチャンバ及び狭い部分によって、第6C図の電気
回路が交流電気信号に与える影響と同一の影響が受信音
に与えられる。チャンバ及び狭い部分は、上記の電気回
路での電気信号と同様に、周波数選択的に、印加信号を
遅延且つ減衰して、より高い周波数の音がより遅延且つ
減衰される。
使用の際、患者は、障害のある耳に在来の補聴器を装
着し、良好な耳に挿入部材76を挿着する。この挿入部材
76の特性は、チャンバ及びチャンバを接続する管の大き
さを変えて、良好な耳での聴き取りが障害のある耳での
聴き取りに近づくように特注される。すなわち、挿入部
材76は、良好な耳での聴き取りが、補聴される障害のあ
る耳での聴き取りに近づくように、良好な耳で受信され
る音を遅延且つ減衰する。
着し、良好な耳に挿入部材76を挿着する。この挿入部材
76の特性は、チャンバ及びチャンバを接続する管の大き
さを変えて、良好な耳での聴き取りが障害のある耳での
聴き取りに近づくように特注される。すなわち、挿入部
材76は、良好な耳での聴き取りが、補聴される障害のあ
る耳での聴き取りに近づくように、良好な耳で受信され
る音を遅延且つ減衰する。
変形的に、この挿入部材は、障害のある耳が補聴され
ていなくても、良好な耳に挿着して使用でき、これによ
っても両耳の聴力平衡が改善される。
ていなくても、良好な耳に挿着して使用でき、これによ
っても両耳の聴力平衡が改善される。
本発明の要約、関連実施例、及び範囲 本発明に従って外見上逆説的な補聴器が与えられ、こ
れにより従来技術により可能な程度を飛躍的に超える両
耳の聴力平衡の改善がなされる。本発明に従った両耳の
聴力平衡の改善は、良好な耳によって聴き取られるスピ
ーチや音を調節して障害のある聴き取りに近づけること
によって行われ、これにより、患者の聴き取り能力が生
理学的に改善され、一般的なスピーチや騒音のある環境
でのスピーチに対する聴き取り能力や選択的な聴き分け
能力が改善される。
れにより従来技術により可能な程度を飛躍的に超える両
耳の聴力平衡の改善がなされる。本発明に従った両耳の
聴力平衡の改善は、良好な耳によって聴き取られるスピ
ーチや音を調節して障害のある聴き取りに近づけること
によって行われ、これにより、患者の聴き取り能力が生
理学的に改善され、一般的なスピーチや騒音のある環境
でのスピーチに対する聴き取り能力や選択的な聴き分け
能力が改善される。
以上の説明には多数の特徴があるが、本発明の範囲は
これら特徴に限定されるものではなく、これら特徴は本
発明の好適な実施例の例として理解されるべきである。
多数のこれら以外の関連した実施例及び変更例が本発明
の範囲を逸脱せずになされ得る。
これら特徴に限定されるものではなく、これら特徴は本
発明の好適な実施例の例として理解されるべきである。
多数のこれら以外の関連した実施例及び変更例が本発明
の範囲を逸脱せずになされ得る。
例えば、本発明に従った補聴器は、正面に位置する音
源から音が発せられるとき、左右の耳で聴き取られる前
記音の時間を一致させるために、良好な耳の聴覚系統に
到達する前記音を単に遅延させるものであってもよく、
これにより、重要な改善がなされることを本願の発明者
は見出している。このような到達時間の遅延は、受動型
補聴器又は電子式補聴器によって達成できるものであ
る。また、本発明に従った補聴器は、正面に位置する音
源から音が発せられるとき、左右の耳で聴き取られる前
記音の強度を一致させるために、良好な耳の聴覚系統に
到達する音の振幅を線形的又は周波数選択的に減衰させ
るものであってもよい。請求の範囲に用いられる技術用
語「調節する」は、「音の振幅を減少させる」及び又は
「音の到達時間を遅らせる又は早くする」を含む。ここ
で、一方の耳の聴覚系統に到達する音の到達時間を「早
くする」ことは、他方の耳の聴覚系統に到達する音の到
達時間を遅らせ、前記一方の耳の聴覚系統に到達する時
間をより少しだけ遅らせることによって達成できる。左
右の耳の聴覚系統への音量を同時に制御せずに、二つの
可変ゲイン制御器を別個に調節して両耳の聴力平衡をと
ってもよい。上記した実施例には、3つの構成部分及び
2つの構成部分から構成される補聴器の形態を例示した
が、これら以外の多数の形態の実用的な補聴器を実施す
ることができ、また、実施例に例示した回路の構成部品
以外の構成部品も可能である。例えば、PROMによって制
御されるデジタルマイクロプロセッサ専用マイクロプロ
セッサ離散回路、等が挙げられる。
源から音が発せられるとき、左右の耳で聴き取られる前
記音の時間を一致させるために、良好な耳の聴覚系統に
到達する前記音を単に遅延させるものであってもよく、
これにより、重要な改善がなされることを本願の発明者
は見出している。このような到達時間の遅延は、受動型
補聴器又は電子式補聴器によって達成できるものであ
る。また、本発明に従った補聴器は、正面に位置する音
源から音が発せられるとき、左右の耳で聴き取られる前
記音の強度を一致させるために、良好な耳の聴覚系統に
到達する音の振幅を線形的又は周波数選択的に減衰させ
るものであってもよい。請求の範囲に用いられる技術用
語「調節する」は、「音の振幅を減少させる」及び又は
「音の到達時間を遅らせる又は早くする」を含む。ここ
で、一方の耳の聴覚系統に到達する音の到達時間を「早
くする」ことは、他方の耳の聴覚系統に到達する音の到
達時間を遅らせ、前記一方の耳の聴覚系統に到達する時
間をより少しだけ遅らせることによって達成できる。左
右の耳の聴覚系統への音量を同時に制御せずに、二つの
可変ゲイン制御器を別個に調節して両耳の聴力平衡をと
ってもよい。上記した実施例には、3つの構成部分及び
2つの構成部分から構成される補聴器の形態を例示した
が、これら以外の多数の形態の実用的な補聴器を実施す
ることができ、また、実施例に例示した回路の構成部品
以外の構成部品も可能である。例えば、PROMによって制
御されるデジタルマイクロプロセッサ専用マイクロプロ
セッサ離散回路、等が挙げられる。
本発明の範囲は、添付の請求の範囲及び法律的に等価
なものによって決定されるべきであり、例示した実施例
によって決定されるべきではない。
なものによって決定されるべきであり、例示した実施例
によって決定されるべきではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−153698(JP,A) 特開 昭59−154900(JP,A) 実開 昭57−100391(JP,U) 実開 昭59−39600(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】非対称的に機能する左右の耳の聴覚系統を
有する人の両耳の聴力平衡を改善するための方法であっ
て、 (a)前記人の左右の耳の聴覚系統に補聴器を与える工
程、及び (b)単一の音源から発した複数の異なった周波数の音
が前記人の両耳の聴覚系統に到達するときに、前記人の
両耳の聴覚系統の間での、補聴した音の強度における聴
き取られた相互の知覚の差を減少させ、前記人の左右の
耳の聴覚系統の間での聴き取られた強度における聴力平
衡を改善するように、前記補聴器の強度を周波数の関数
として調節する工程、 から成り、 これにより、前記複数の異なった周波数において、同時
で、相互作用的に両耳の処理が達成され、前記人の左右
の耳の聴覚系統が頭の中央に位置するとともに、 前記人の両耳の聴力平衡及び両耳の処理が改善されて、
音声に対する聴力を含む、異なった環境や異なった音の
レベルに対する前記人の聴力が改善される、 ところの方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US4857787A | 1987-05-11 | 1987-05-11 | |
US048,577 | 1987-05-11 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11007184A Division JP3012631B2 (ja) | 1987-05-11 | 1999-01-14 | 逆説的補聴器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02503499A JPH02503499A (ja) | 1990-10-18 |
JP2935266B2 true JP2935266B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=21955322
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63504586A Expired - Lifetime JP2935266B2 (ja) | 1987-05-11 | 1988-05-11 | 逆説的補聴器 |
JP11007184A Expired - Lifetime JP3012631B2 (ja) | 1987-05-11 | 1999-01-14 | 逆説的補聴器 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11007184A Expired - Lifetime JP3012631B2 (ja) | 1987-05-11 | 1999-01-14 | 逆説的補聴器 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5434924A (ja) |
EP (1) | EP0349599B2 (ja) |
JP (2) | JP2935266B2 (ja) |
AU (1) | AU625633B2 (ja) |
WO (1) | WO1988009105A1 (ja) |
Families Citing this family (100)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BG60225B2 (en) * | 1988-09-02 | 1993-12-30 | Q Sound Ltd | Method and device for sound image formation |
WO1992008330A1 (en) * | 1990-11-01 | 1992-05-14 | Cochlear Pty. Limited | Bimodal speech processor |
GB9027784D0 (en) * | 1990-12-21 | 1991-02-13 | Northern Light Music Limited | Improved hearing aid system |
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US5825894A (en) * | 1994-08-17 | 1998-10-20 | Decibel Instruments, Inc. | Spatialization for hearing evaluation |
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US7787647B2 (en) | 1997-01-13 | 2010-08-31 | Micro Ear Technology, Inc. | Portable system for programming hearing aids |
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