JP2928126B2 - 繊維質成形体およびそのコーティング方法 - Google Patents

繊維質成形体およびそのコーティング方法

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JP2928126B2
JP2928126B2 JP7044149A JP4414995A JP2928126B2 JP 2928126 B2 JP2928126 B2 JP 2928126B2 JP 7044149 A JP7044149 A JP 7044149A JP 4414995 A JP4414995 A JP 4414995A JP 2928126 B2 JP2928126 B2 JP 2928126B2
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fibrous
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炉内のライニングに用い
られる繊維質成形体およびそのコーティング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、加熱処理炉の断熱を図るため
に耐火煉瓦、断熱煉瓦、セラミックファイバ等が使用さ
れている。これらの使用材のなかでセラミックファイバ
は断熱性が高く、低熱容量のため炉の熱応答性がよく、
操業しやすい炉とすることができる。
【0003】しかしながらセラミックファイバは空隙率
が高いために種々の問題点を有している。例えば、雰囲
気加熱、あるいは被焼成物と反応させる特定の気体が導
入される炉の内部において、導入されたガスまたは炉内
で反応の結果生じたガスのなかには沸点および融点が比
較的高く、炉内にライニングされた耐火材の気孔部分に
侵入して温度が低下すると結露(コンデンス)してライ
ニング材や炉殻を腐食させたり、さらには固化して空隙
を埋めてしまい、ライニング材の断熱性を損ななうとい
う難点があった。
【0004】上記導入ガスを用いる代表的なものとして
は、非酸化物セラミックスである窒化珪素製造炉や、気
相折出法による切削工具へのチタンカーバイトコーティ
ング、ボロンカーバイトコーティング、炭素製品への炭
化珪素コーティング等を行なう反応炉等がある。また最
近では鉄にシリコンを気相含浸して高珪素鋼板を製造す
る技術も開発されている。
【0005】上記の反応炉では、例えばアンモニア(窒
化珪素)、四塩化珪素(窒化珪素、炭化珪素、珪素)、
クロロメチルシラン(窒化珪素、珪素)、メタン(炭化
珪素、チタンカーバイト、ボロンカーバイト)、プロパ
ン(炭化珪素、チタンカーバイト、ボロンカーバイ
ト)、水素(キャリヤ)等が使用される。
【0006】これらにおいて未反応の導入ガスやガス同
士の反応、熱分解、あるいは被処理物との反応によって
窒化珪素、珪素、チタンカーバイトなど、被処理物に固
着されなかったコーティング成分、置換反応による塩化
水素、塩化鉄等が炉内雰囲気中に発生し、その一部は排
気系を通じて炉外へ排出されるが、一部はライニング材
の表面に固着したり、ライニング材の空隙内に侵入した
りして前述の問題をもたらすことになる。
【0007】上記のことから、雰囲気加熱される加熱炉
や反応炉では、断熱性を犠牲にしても気孔率の小さい硬
質のライニング材を使用することが一般に採られている
が、気孔率の高いライニング材を使用してもその表面か
らガスの侵入を阻止できれば、断熱性を犠牲にすること
なく気孔率の高いライニング材の使用が可能である。
【0008】上記のように気孔率の高いライニング材、
すなわちセラミックファイバやファイバボード等の表面
処理技術として下記のものがある。
【0009】上記のライニング材の表面に遠赤外放射材
によりコーティングを施すもの(特開平2−13371
7号公報、以下公知技術1という)、ライニング材のば
らけ(ボロ振り)を防止する目的からアルカリコーティ
ングを施すもの(特開平2−302588号公報、公知
技術2)、耐風速性を付与するため黒鉛粉末をコーティ
ングするもの(特開平3−87593号公報、公知技術
3)、熱輻射を目的としてFeO、Cr2 3 成分をコ
ーティングするもの(特開平3−229829号公報、
公知技術4)、収縮防止と耐風速性を与えるため、ホウ
酸、SiO2 および有機樹脂を含むコーティング材を用
いるもの(特開昭60−21886号公報、公知技術
5)、耐火材スラリーにライニング材の表面部分を浸漬
して硬い表層を形成することによるもの(特開平1−1
38181号公報、公知技術6)、アルミナゾル、シリ
カゾルによりライニング材(ファイバ ブランケット)
の表面にショットの落下防止のためのコーティングを施
すもの(実開昭62−157220号公報、公知技術
7)等がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公知
技術によれば、ライニング材の表面に硬い層は形成され
るが、前述のガスを遮蔽することは困難である。なかで
も最も有力とみられるものは公知技術2と公知技術5で
あるが、セラミックファイバの表面に液状物を塗布する
と毛細管現象によって吸込まれた液体の表面張力により
繊維が或る小さい範囲ずつ束ねられた状態となり、固ま
った繊維が島状に多数散らばった様相を呈する。
【0011】このように束ねられた繊維が形成された場
合、繊維のばらけによる脱落(ボロ振り)や耐風速性に
対しては繊維端が固まっていることにより或る程度の効
果は期待し得ても、ライニング材の表面に均一な遮蔽層
が形成されているわけではないのでガスの遮蔽は不可能
である。
【0012】また上記のようなコーティング材をファイ
バ質の成形体の表面に塗布した場合、顕著に現われる現
象として加熱後コーティング層のクラックや剥離が生じ
る。これらは加熱、冷却に基づくライニング材とコーテ
ィング層との膨張、収縮率の差によって起きる。
【0013】本件発明者らは自社(品川白煉瓦株式会
社)製の「タイトエース」や「N−TAC」のセラミッ
クコーティング材、あるいは鉄とファイバモジュールと
の接着に使用する「パイロボンドエース」が熱間での密
着性や機密性に富むことからこれらをファイバ成形体の
表面に薄く塗布して加熱してみたところ、これらの材料
でさえクラックが発生したり、甚だしい部分では剥離が
生じた。これはファイバ成形体の吸水性の高さに起因す
るものと判断し、種々テストを繰返すことにより本発明
に到達したものである。
【0014】すなわち本発明では、ガス遮断を目的とす
るとき、コーティング層はガラス状態か、乃至は使用温
度で溶融して気孔が無い状態であることが最良であると
の基本発想に基づいてなされたもので、気孔率が高く断
熱性能のよいライニング材(繊維質成形体)を用いても
ガスの浸入を確実に防ぎ、コーティング層の割れや剥離
が生じることのない繊維質成形体およびそのコーティン
グ方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記従来の技術を有する
問題点を解決する手段として、本発明は、繊維材を有機
および無機バインダにより結合して成形される成形体
おいて、セラミックファイバーブランケットにバインダ
を含浸させて圧縮結合した単層または複数層状からなる
成形体の炉内ライニング方向に対し直角な少なくとも一
面にガスが侵入しにくい性質のコーティングを施したこ
とを特徴とする繊維質成形体、および繊維材を有機およ
び無機バインダにより結合して形成される成形体におい
て、セラミックファイバーブランケットにバインダを含
浸させて圧縮結合した単層または複数層状からなる成形
体の炉内ライニング方向に対し直角な少なくとも一面に
有機樹脂および加熱により成形体と同系の成分となる無
機結合材が存在するよう処理が施され、その一面にコー
ティング材を塗着し、コーティング施工後加熱処理して
ガスが侵入しにくい性質のコーティング層が形成される
ようにしたことを特徴とする繊維質成形体のコーティン
グ方法にある。
【0016】
【作用】上記構成によれば、繊維質成形体のコーティン
グを施すべき表面付近に有機樹脂および焼成により繊維
質成形体と同系となる無機結合材が存在することにな
り、その結果、繊維質成形体に撥水性が付与され、その
繊維質成形体に塗布されたコーティング材に含まれる液
体成分は繊維質成形体の表面に留り、硬質物の表面に塗
布したと同等の被膜が形成される。
【0017】また繊維質の材料を結合している無機バイ
ンダは、焼成中に無機物に変るが、その過程において或
る程度繊維質成形体とコーティング材との接着性の向上
に寄与する。
【0018】なお、無機バインダのみに依存した場合
は、撥水性が不十分となって、塗布後コーティング材に
含まれている硬化に必要な液体成分が表面から繊維質成
形体内に吸込まれてコーティングの成分に変化をきた
し、所期の性能を発揮させることができない。逆に有機
樹脂のみによる場合は、塗布後の状況はよいものの、焼
成処理後に剥離やクラックの発生をみることがある。こ
れは有機樹脂が焼成初期に熱分解して散逸し、その後温
度が上がってコーティング材が溶融を開始すると繊維質
成形体内にコーティング材の一部が毛細管現象によって
吸込まれ、表面に留る率が低くなる。この点において本
発明の場合は、有機樹脂と無機バインダが共存すること
により、反応性に富むバインダ成分がコーティング成分
と反応して融液の粘性が増加し、流れが停止して繊維質
成形体の表面付近に良好に固着されて所期の目的を達成
する。これにより、築炉後炉の使用により加熱・冷却が
繰返されることによりセラミックファイバーブランケッ
トが膨張収縮して目地間が開き、その隙間からガスが侵
入してセラミックファイバーブランケットに浸透するこ
とが防止される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0020】繊維質成形体1は、例えばブランケット状
のセラミックファイバを単独または複数枚重ねて有機樹
脂および無機バインダを含むバインダ水溶液を含浸さ
せ、このセラミックファイバを加圧して所定の厚さに成
形したのち乾燥させることにより製造される。
【0021】有機樹脂の添加量は、バインダ水溶液に対
し1〜20wt%であり、また無機バインダは2〜20
wt%である。乾燥した繊維質成形体には有機樹脂およ
び無機バインダを各0.5wt%以上含有することが好
ましい。
【0022】また所定の厚さに成形後、乾燥によるバイ
ンダの硬化までの形状保持およびバインダの保持は、バ
インダの濃度によるところが大であり、したがってバイ
ンダ水溶液の粘性は0.1〜10CPであることが好ま
しい。さらに硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムを添加
して繊維質成形体に無機バインダを固定する手段を用い
てもよい。
【0023】繊維質成形体1の他の製法としては、解砕
されたセラミックファイバと有機および無機バインダと
を水中に投入し、これを混合したのち余剰水分を吸引除
去が可能な成形枠に移して真空成形法により製造するこ
とができる。
【0024】上記製造において、有機樹脂としては、酢
酸ビニル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エステルエ
マルジョン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール等を用いることができる。
【0025】また無機バインダとしては、シリカゾル、
アルミナゾル、ジルコニアゾル、アルミン酸ソーダ、珪
酸ソーダ、酢酸ジルコニウム、珪酸エチル等を用いるこ
とができる。
【0026】上記のうち有機樹脂では、価格および加熱
時の臭気発生の点から酢酸ビニル樹脂(エマルジョ
ン)、ヒドロキシメチルセルロース、CMC、ポリビニ
ルアルコールの使用が好ましく、その配合量は繊維質成
形体に対し0.01〜5%程度であり、さらに好ましく
は0.1〜3%程度である。また無機バインダでは、圧
倒的に生産量の多いアルミナ・シリカ質の繊維質成形体
ではシリカゾルが最も使いやすく、その配合量は1〜2
0%程度である。さらに硫酸アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウムや、各種高分子系凝集剤を添加した無機バイ
ンダを繊維質成形体1内に固定する手段を用いてもよ
い。
【0027】繊維質成形体の製品には焼成品と未焼成品
とがあり、通常では強度面や使用時における発煙を避け
ることから焼成品が用いられるが、焼成した場合、有機
樹脂が分解し、撥水性が不十分となり、コーティング材
にクラックが発生しやすくなるため本発明の実施におい
ては未焼成品が用いられる。
【0028】一般に1300FBまたは1260FBと
称される汎用品の繊維質成形体(ファイバボード)は、
アルミナ50%、シリカ50%程度の化学組成を有する
セラミックファイバ(品川白煉瓦株式会社製STD等)
を原綿として用いる。
【0029】一方、高温用の例えば1600FBと称さ
れる繊維質成形体(ファイバボード)では、アルミナ7
2〜97%組成の結晶質アルミナファイバを原綿として
使用する。なお高温用としては、ファイバとハイアルミ
ナ質耐火原料粉末をブレンドした製品(例えば電気化学
工業株式会社製BD1600、品川白煉瓦株式会社製B
D1600等)も対象とされる。
【0030】前記真空吸引法により繊維質成形体を製造
する場合、繊維質成形体の有機樹脂および無機バインダ
の含有量は0.5wt%以上であることが好ましい。し
かし水溶液のバインダ濃度が高すぎると吸引が困難とな
り、真空成形の作業性が劣る。その場合には、成形−乾
燥終了後コーティング材の塗布面となる繊維質成形体の
表面に例えば有機樹脂1〜8wt%、および無機バイン
ダ3〜30wt%の水溶液をスプレーガン等により0.
05〜0.3/m2 の割合で吹付けるなどの手段を講
じる。
【0031】本発明において用いるコーティング材は、
使用温度において一部は軟化状態の緻密な組織からな
り、ガスが侵入しにくい性質を有するものであり、繊維
質成形体1のライニング方向に対し直角な面1aにコー
ティングされる。このようなコーティング材に用いる耐
火骨材粉末としては、珪石、ロー石、シャモット、ムラ
イト、アルミナ等を用いることができる。そして上記耐
火骨材粉末の粒度は100μm以下であり、好ましくは
44μm以下のものを多く含むことがコーティング材の
施工性のうえで望ましい。またガラス材粉末では、フリ
ット、ホウ珪酸ガラス、鉛含有ガラス、雲母等を用いる
ことができる。この場合も、ガラス材粉末の粒度は均一
分散およびコーティング材の施工性よりみて44μm以
下であることが好ましい。
【0032】耐火骨材粉末とガラス材粉末との配合比
(wt)は、耐火骨材粉末90〜60%、ガラス材粉末
10〜40%である。ここでガラス粉末が10%未満で
あるとガスが侵入しにくい性質の緻密な組織が得られ
ず、また40%を超えると耐熱性が得られない。
【0033】一方、耐火骨材粉末とガラス材粉末100
wt部に対し、バインダの添加量として下記の例が挙げ
られる。 (A)10〜20部添加 SiアルコキシドとTiアルコキシド、Alアルコキシ
ド、およびZrアルコキシドの中から選ばれた少なくと
も1種からなる複合アルコキシド部分加水分解ゾルを用
いる。
【0034】なおコーティング材の作業性のうえで所望
する粘度調整にエチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等のアルコーールを添加する。
【0035】このバインダは、無機耐熱接着材用として
の優れた特長を持つ。 (B)下記材料をバインダとして10〜30wt部添加 水溶性ホウケイ酸アルカリ 35〜60wt% ポリリン酸ケイ素 10〜25wt% ケイフッ化アルカリ 10〜45wt% なおコーティング材の作業性のうえで所望する粘度調整
に水を添加する。
【0036】このバインダは、セラミックファイバモジ
ュールの取付けに用いられる無機質接着材用として優れ
た特長を有する。
【0037】本発明において用いられるコーティング材
の製造手段としては、上記諸成分を通常のミキサで混練
することにより所望の粘性(5〜60P)として製造す
ることができる。
【0038】またコーティング材の施工に関しては、図
2に示すように繊維質成形体1の炉内面側の表面にスプ
レーガンによる吹付け、あるいはこて、ローラ、刷毛等
により塗布して乾燥し、1000〜1200℃の温度で
熱処理することで繊維質成形体1の表面にガスが侵入し
にくい性質のコーティングが得られる。
【0039】次に具体的実施例について説明する。 実施例1および比較例2の繊維質成形体 1300℃クラスの真空成形による繊維質成形体は、 A.ファイバ;Al2 3 50%、 SiO2 50%程度のファイバ 100 (wt) B.有機樹脂;メチルセルロース 0.2 C.無機バインダ;シリカゾル SiO2 として 6 D.水 4000 上記B,C,Dからなる水溶液に、解砕されたファイバ
Aを投入、混合したのち余剰水分を吸引除去して真空成
形し、110℃で乾燥した。
【0040】上記実施例1は、コーティング施工の前処
理として シリカゾル(SiO2 20%含有) 10% アルミナゾル(Al2 3 10%含有) 5% 酢酸ビニル 4% 水 81% からなる水溶液を繊維質成形体の炉内面側の表面にスプ
レーガンにより0.1/m2 の割合で吹付けた。
【0041】比較例2は、コーティング施工の前処理と
して酢酸ビニル4%水溶液を繊維質成形体の炉内面側の
表面にスプレーガンにより0.09/m2 の割合で吹
付けた。 実施例2の繊維質成形体 1600℃クラスの真空成形による繊維質成形体は、 A.ファイバ;Al2 3 75%結晶質ファイバ 100 (wt) B.有機樹脂;メチルセルロース 0.2 C.無機バインダ;シリカゾル SiO2 として 6 D.凝集剤;ポリ塩化アルミニウム 0.001 E.水 4000 上記B,C,D,Eからなる水溶液に、解砕されたファ
イバAを投入して混合したのち余剰水分を吸引除去して
真空成形し、110℃で乾燥した。なお上記の場合、凝
集剤を用いているので繊維質成形体内に無機バインダの
固定量は増加している。
【0042】コーティング施工の前処理として、前記実
施例1と同様に水溶液を吹付けた。 実施例3の繊維質成形体 厚さ25mmのAl2 3 72%の結晶質ファイバブラ
ンケットを2枚重ねてSiO2 20wt%含有のシリカ
ゾル10wt%、Al2 3 10wt%含有のアルミナ
ゾル5wt%、酢酸ビニル樹脂エマルジョン4wt%、
水81wt%からなる粘度6.5cpの水溶液に浸漬
し、圧搾ローラにより30mmの厚さに圧搾し、110
℃で乾燥した。 実施例4の繊維質成形体 厚さ25mmのAl2 3 80%の結晶質ファイバブラ
ンケットを2枚重ねて実施例3と同じ水溶液に浸漬し、
圧搾ローラにより30mmの厚さに圧搾して110℃で
乾燥した。 比較例1の繊維質成形体 前記実施例4の繊維質成形体を1000℃/1hr焼成し
た。
【0043】実施例において用いたコーティング材(コ
ーティング材粘度40P)は、 アルミナ粉末 75wt% 雲母粉末 25 ホウケイ酸アルカリ水溶液(*1) 67 リン酸アルカリおよびケイフッ化アルカリ(*2) 7 *1 水沢化学工業株式会社製 ”ミズカネックスM/100” *2 同 上 ”ミズカネックスM/300”
【0044】
【表1】 上記試験結果から明らかなように、本発明において実施
例1、実施例2(いずれも未焼成)の面に有機プラス無
機バインダをスプレーして表面処理したのち前述のコー
ティング材を塗布した場合は、焼成後の表面状態は良好
であり、実施例3、実施例4(いずれも未焼成)の面に
は直接コーティング材を塗布したところいずれも焼成後
の表面状態はきわめて良好であった。
【0045】これに対し比較例1(焼成)の面に直接コ
ーティング材を塗布したものでは、そのコーティング面
全面にクラックが発生し、また比較例2(未焼成)の面
に有機バインダをスプレーして表面処理したのちコーテ
ィング材を塗布したものでは、そのコーティング面の一
部にクラックが発生した。
【0046】したがって本発明によるコーティングを断
熱ボードに施した場合、この断熱ボードを炉のライニン
グ最内層にガス遮蔽板として施工することが効果的であ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、炉
内雰囲気を調整するために各種ガスが導入される炉のラ
イニング材として繊維質成形体を用いたとき、このライ
ニング材中へのガスの侵入を抑制し、全体の熱容量を小
さく保持すると同時に断熱性を保持することがてき、こ
れにより応答性のよい操業しやすい炉を構成することが
できる。また繊維質成形体のファイバ結合用バインダが
少ないライニング材には、そのコーティングすべき面に
有機および無機バインダをスプレーしたのちコーティン
グ材を塗布するのでコーティング材の液体成分が繊維質
成形体に毛細管現象によって浸み込んでしまうことがな
く、コーティング材の硬化に必要な液体成分が確保され
てコーティング材本来の強度を発現させ、強固なコーテ
ィング層を形成することができ、繊維質成形体のファイ
バ結合用バインダが多いライニング材には、そのバイン
ダによりコーティング材の液体成分の侵入が抑止される
ので同じくコーティング材の液体成分が確保されて強固
なコーティング層が形成され、これらにより割れや剥離
の生じることが防がれ、また築炉後炉の使用により加熱
・冷却が繰返されることにより繊維質成形体が膨張収縮
して目地間が開き、その隙間からガスが侵入して繊維体
成形体に浸透することを確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる繊維質成形体の一例を示す
斜視図。
【図2】本発明による繊維質成形体の実施例1、2の断
面図。
【符号の説明】
1 繊維質成形体 1a コーティング面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 30/02 C04B 32/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維材を有機および無機バインダにより結
    合して成形される成形体において、セラミックファイバ
    ーブランケットにバインダを含浸させて圧縮結合した単
    層または複数層状からなる成形体の炉内ライニング方向
    に対し直角な少なくとも一面にガスが侵入しにくい性質
    コーティングを施したことを特徴とする繊維質成形
    体。
  2. 【請求項2】繊維材を有機および無機バインダにより結
    合して形成される成形体において、セラミックファイバ
    ーブランケットにバインダを含浸させて圧縮結合した単
    層または複数層状からなる成形体の炉内ライニング方向
    に対し直角な少なくとも一面に有機樹脂および加熱によ
    り成形体と同系の成分となる無機結合材が存在するよう
    処理が施され、その一面にコーティング材を塗着し、コ
    ーティング施工後加熱処理してガスが侵入しにくい性質
    コーティング層が形成されるようにしたことを特徴と
    する繊維質成形体のコーティング方法。
JP7044149A 1995-03-03 1995-03-03 繊維質成形体およびそのコーティング方法 Expired - Lifetime JP2928126B2 (ja)

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