JP2925719B2 - 導電性複合樹脂製成形品 - Google Patents

導電性複合樹脂製成形品

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JP2925719B2 JP2323875A JP32387590A JP2925719B2 JP 2925719 B2 JP2925719 B2 JP 2925719B2 JP 2323875 A JP2323875 A JP 2323875A JP 32387590 A JP32387590 A JP 32387590A JP 2925719 B2 JP2925719 B2 JP 2925719B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電磁波シールド材や帯電防止材等として好適
な導電性複合樹脂製成形品に係り、特に、熱可塑性樹脂
に導電性繊維を分散配合して全体に導電性を付与した導
電性複合樹脂製成形品であって、表面に塗膜を形成する
ことにより外観を向上させた導電性複合樹脂製成形品に
関する。
[従来の技術] 電子機器、特に家庭用電子機器や事務用電子機器のケ
ーシング材やハウジング材としては、近年、軽量性、生
産性、耐腐蝕性、低コストの面等から、金属に代わって
プラスチックあるいはガラス繊維強化プラスチックが多
用されている。
プラスチックあるいはガラス繊維強化プラスチック
(以下、これらを単にプラスチックという)を電子機器
のケーシング材やハウジング材(以下、これらを単にハ
ウジング材という)として利用した場合、これらのハウ
ジング材は電磁波に対するシールド性がないために、こ
の電子機器が出す不要の電磁波が外部に放射され、近く
の電子機器に妨害電波として作用してノイズや誤動作等
の電磁波障害が発生する。また逆に、プラスチックをハ
ウジング材とする電子機器の内部には、外部から放射さ
れてきた電磁波が侵入するため、同様に、電磁波障害が
発生する。
このため、電子機器のハウジング材として利用される
プラスチック成形品の多くには、電磁波シールド性をも
たせるために導電性が付与されており、その一つとし
て、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用い、この
マトリックス樹脂に金属繊維等の導電性繊維を分散配合
することにより導電性を付与し、これにより電磁波シー
ルド性をもたせた導電性複合樹脂製成形品がある。ま
た、この導電性複合樹脂製の基体に塗装を施して、外観
をより向上させた導電性複合樹脂製成形品もある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、熱可塑性樹脂に金属繊維等の導電性繊
維を分散配合することにより導電性を付与した導電性複
合樹脂製の基体に塗装を施した場合には、塗料により基
体表面が侵食されて導電性繊維が浮き出てしまうため、
塗料の重ね塗りや表面研摩等といった煩雑な塗装工程を
経なければならず、低生産性やこれに伴うコストアップ
といった問題や、塗料による基体への悪影響の懸念とい
った問題があった。
したがって本発明の目的は、熱可塑性樹脂に金属繊維
等の導電性繊維を配合することにより導電性を付与した
導電性複合樹脂製の基体に塗装を施すことにより外観を
向上させた導電性複合樹脂製成形品であって、製造する
際の塗装工程が簡易で高い生産性の下に製造することが
可能な導電性複合樹脂製成形品を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するためになされたものであ
り、本発明の導電性複合樹脂製成形品は、熱可塑性樹脂
をマトリックス樹脂として、長さ1〜15mm、アスペクト
比100〜2000の導電性繊維を少なくとも含有させた導電
性複合樹脂製の基体と、前記基体の表面に形成された、
樹脂ビーズが分散配合されたアクリル系樹脂塗料からな
る塗膜とからなることを特徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性複合樹脂製成形品の基体は、上述のよ
うに、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする導電性複
合樹脂からなる。ここで用いる熱可塑性樹脂については
特に制限はなく、従来より成形材料として慣用されてい
るものの中から、用途に応じて適宜選択して用いること
ができる。
この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ芳香族エーテル
またはチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステル系樹
脂、ポリスルホン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリレー
ト系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、
プロピン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メ
チルペンテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オ
レフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこ
れらと他の共重合可能な不飽和単量体の共重合体等が挙
げられる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポ
リエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体等のポリエチレン類、ア
タクチック、シンジオタクチック、アイソタクチックポ
リプロピレンや、プロピレン−エチレンブロック共重合
体またはランダム共重合体等のポリプロピレン類、ポリ
4−メチルペンテン−1等を挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル
単独重合体や塩化ビニルと共重合可能な不飽和単量体と
の共重合体等が挙げられる。この共重合体としては、例
えば、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化
ビニル−メタクリ酸エステル共重合体、塩化ビニル−エ
チレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体等が挙げられる。さらに、これらのポリ
塩化ビニル系樹脂を後塩素化して、塩素含量を高めたも
のを用いることができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、6−ナイロンや
12−ナイロン等の、環状脂肪族ラクタムを開環重合した
もの、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロ
ン等の、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とを縮重
合させたもの、m−キシレンジアミンとアジピン酸との
縮重合物等の、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸と
を縮重合させたもの、p−フェニレンジアミとテレフタ
ル酸との縮重合物やm−フェニレンジアミンとイソフタ
ル酸との縮合物等の、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボ
ン酸とを縮重合させたもの、11−ナイロン等の、アミン
酸を縮重合させたもの等を挙げることができる。
ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド類およびポリ
アミドイミド類があり、ポリイミド類の具体例として
は、無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無
水物とジアミノジフェニルエーテル、ビスマレイミドと
ジアミノジフェニルメタン等の組合わせから得られたも
のが挙げられる。一方、ポリアミドイミド類の具体例と
しては、無水トリメリット酸とジアミノフェニルエーテ
ルとの組合わせ等から得られるものを挙げることができ
る。
ポリエステル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸と
アルキレングリコールとを縮重合させたものが挙げら
れ、具体例としてはポリエチレンテレフタレートやポリ
ブチレンテレフタレート等がある。
ポリアセタール系樹脂としては、例えば、単独重合体
のポリオキシメチレンおよびトリオキシサンとエチレン
オキシドから得られるホルムアルデヒド−エチレンオキ
シド共重合体等が挙げられる。
ポリカーボネート系樹脂としては、4,4′−ジヒドロ
キシジアリールアルカン系ポリカーボネート、特にビス
フェノールAとホスゲンとを反応させるホスゲン法や、
ビスフェノールAとジフェニルカーボネート等の炭酸ジ
エステルとを反応させるエステル交換法等により得られ
るビスフェノールA系ポリカーボネートが好ましく用い
られる。また、ビスフェノールAの一部を2,2′−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン
や2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン等で置換した変性ビスフェノールA系ポリ
カーボネートや難燃化ビスフェノールA系ポリカーボネ
ート等も用いることができる。
ポリ芳香族エーテルまたはチオエーテル系樹脂は、分
子鎖中にエーテル結合またはチオエーテル結合を有する
もので、このような樹脂としては、例えば、ポリフェニ
レンオキサイド、スチレンでグラフト化されたポリフェ
ニレンオキサイド、ポリエーテルエーテルケン、ポリフ
ェニレンサルファイド等が挙げられる。
ポリ芳香族エステル系樹脂としては、例えば、p−ヒ
ドロキシ安息香酸の縮重合で得られるポリオキシベンゾ
イル、ビスフェノールAとテレフタル酸やイソフタル酸
等の芳香族ジカルボン酸との縮重合で得られるポリアリ
レート等が挙げられる。
ポリスルホン系樹脂は、分子鎖中にスルホン基を有す
るもので、このようなものとしては、例えば、ビスフェ
ノールAと4,4′−ジクロロジフェニルスルホンとの縮
重合で得られるポリスルホン、フェニレン基がエーテル
基とスルホン基を介してp−位に連結された構造のポリ
エーテルスルホン、ジフェニレン基とジフェニレンエー
テル基とがスルホン基を介して交互に連結した構造のポ
リアリルスルホン等を挙げることができる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン等の単独重合体やこれらの共重合体、ある
いはこれらと共重合可能な不飽和単量体との共重合体が
挙げられる。代表例としては、一般用ポリスチレン、耐
衝撃用ポリスチレン、耐熱用ポリスチレン(α−メチル
スチレン重合体)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS)、メチルメタクリレート−ブタ
ジエン−スチレン共重合体(MBS)、アクリロニトリル
−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−塩化ポ
リエチレン−スチレン共重合体(ACS)、アクリロニト
リル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体(AE
S)、アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AAS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SM
A)等が挙げられる。
アクリレート系樹脂としては、例えば、メタクリル酸
エステル重合体やアクリル酸エステル重合体等が挙げら
れ、これらの単量体としては、メタクリル酸およびアク
リル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、ブチルエステル等が用いられるが、工業的成形材料
としてはメチルメタクリレート樹脂を代表的なものとし
て挙げることができる。
フッ素系樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチ
レン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、
フッ化ビニル等の単独重合体やこれらの共重合体、ある
いはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合
体等を挙げることができる。具体的には、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビ
ニル、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テ
トラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体、ヘ
キサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
フッ化ビニリデン共重合体等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種のみ用いてもよいし、
2種以上を組合わせて用いてもよい。特に、スチレン系
樹脂および/またはポリカーボネート系樹脂を用いるこ
とが塗膜の付着性のうえから好ましい。
本発明の導電性複合樹脂製成形品を構成する基体は、
上述した熱可塑性樹脂に、長さ1〜15mm、アスペクト比
100〜2000の導電性繊維を少なくとも含有させた導電性
複合樹脂からなる。
ここで用いる導電性繊維は、長さが1〜15mmでアスペ
クト比が100〜2000であれば、単繊維からなっていても
繊維束からなっていてもよい。さらには、繊維状に成形
された物質からなっていてもよい。また、単繊維や繊維
状の物質を使用するにあたっては、これらを集束して繊
維束として使用してもよい。
導電性繊維の材質は、良好な導電性を有し、単繊維、
繊維束または繊維状にしたときに、その長さを1〜15m
m、アスペクト比を100〜2000に導くことができるもので
あれば特に限定されるものではない。このような導電性
繊維の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、
鋼、ステンレス、黄銅等の高導電性金属または合金、ス
テンレス、黄銅等の高導電性金属または合金、炭素繊
維、炭素繊維やガラス繊維や天然繊維あるいは合成繊維
を高導電性金属または合金で被覆した被覆物、ポリアセ
チレン等の導電性有機化合物を挙げることができ、特に
ステンレスが好適である。
このような導電性繊維のうち、被覆物の基材となる単
繊維も含めて単位繊維からなるものは、材料に応じて、
溶融紡糸法、伸展法、線引法、押出法、引抜法、圧延
法、切削法等の公知の方法により、短繊維、長繊維、連
続繊維あるいは繊維状物として製造した後、必要に応じ
て上記範囲の長さに切断することにより得ることができ
る。
また、導電性繊維のうち被覆物の基材となる繊維束も
含めて繊維束からなるものは、材料に応じて、例えば、
上述の方法により短繊維、長繊維、連続繊維あるいは繊
維状物として製造した後、樹脂含浸法、樹脂被覆法等の
公知の方法により集束し、必要に応じて前記長さ範囲に
切断することにより得ることができる。
被覆物は、上述の方法により得た切断前または切断後
の繊維の表面、あるいは切断前または切断後の繊維束の
表面を、例えば、無電解メッキ法、電解メッキ法、物理
的蒸着法(真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティ
ング法等)、化学的蒸着法、溶射法、塗膜法等の公知の
方法により、高導電性金属または合金で被覆することに
より得ることができる。
ここで、導電性繊維の長さを1〜15mm、アスペクト比
を100〜2000に限定する理由は、以下の通りである。
導電性繊維の長さ1mm未満であると得られる樹脂成形
品の導電性が不十分となり、15mmを超えると成形作業性
が悪化して成形品を安定に得るのが困難となる。また、
アスペクト比が100未満であると、導電性繊維の配合量
を増さないと得られる樹脂成形品における導電性の向上
効果が不十分となる。一方、アスペクト比が2000を超え
ると導電性繊維の塊状物が発生して、得られる樹脂成形
品の外観が悪化するか、あるいは導電性繊維が切損され
やすくなり、得られる樹脂成形品の導電性が不十分とな
る。
このようにしてなる導電性繊維の基体に占める割合
は、導電性繊維の形状および導電性、最終的に得られる
導電性複合樹脂製成形品の用途やこの成形品に求められ
る特性等により異なるため特定することはできないが、
概ね2〜20wt%とすることが好ましい。
なお、本発明の導電性複合樹脂製成形品を構成する基
体は、上述した導電性繊維の他に、必要に応じて、無機
充填材、有機充填材、化学変性材、帯電防止剤、酸化防
止剤、光安定剤、熱安定剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、着
色剤等の、ハウジング材の成分として従来より使用され
ている添加剤や補強材を含有することができる。
基体の形状は特に限定されるものではなく、目的とす
る導電性複合樹脂製成形体の用途等に応じて、種々の形
状をとることができ、その成形方法も射出成形法、押出
し成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、ブロー成形
法、真空成形法等の公知の成形方法を適用することがで
きる。
本発明の導電性複合樹脂製成形品は、上述のようにし
てなる基体の表面に樹脂ビーズが分散配合されたアクリ
ル系樹脂塗料からなる塗膜を設けたものである。
分散媒として用いるアクリル系塗料は、前述した熱可
塑性樹脂に対する侵食性の低いもの、例えばアクリル系
ラッカーが好ましい。アクリル系塗料以外の塗料、例え
ばウレタン塗料は、熱可塑性樹脂に対する侵食性が高
く、導電性繊維の浮き出しが大きくなるため好ましくな
い。このアクリル系塗料を溶解するシンナーについて
も、熱可塑性樹脂に対する侵食性の低いアルコール系シ
ンナーを用いるのが好ましい。エステル系や芳香族系の
シンナーを用いると、熱可塑性樹脂に対する侵食性が高
く、導電性繊維の浮き出しが大きくなるので好ましくな
い。
このようなアクリル系塗料に分散配合する樹脂ビーズ
は、分散媒のアクリル系塗料に不溶性で、分散媒のアク
リル系塗料の比重に近似する比重の樹脂、例えば、アク
リル樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂からなるものが好ましい。比重が重すぎると、樹脂ビ
ーズが塗膜中で沈み込んでしまうために、導電性繊維の
浮き出しが目立ち易くなる。また比重が軽すぎると、塗
料への分散配合が困難になる。
樹脂ビーズのビーズ径は、10〜600μm、特に40〜150
μmであることが好ましい。ビーズ径が10μmより小さ
いものでは、導電性繊維の浮き出しが目立ち易くなる。
一方、600μmより大きいものでは、付着性が低下する
と共に塗膜がざらついて外観が悪化する。
このような樹脂ビーズのアクリル系樹脂への配合量
は、塗料中に1〜30wt%、特に5〜20wt%とすることが
好ましい。配合量が1wt%未満では、導電性繊維の浮き
出しが目立ち易くなる。一方、30wt%を超えて配合する
と、塗装作業性や付着性が低下すると共に塗膜がざらつ
いて外観が悪化する。
樹脂ビーズが分散配合されたアクリル系樹脂塗料から
なる塗膜は、塗布法、吹き付け法、浸漬法、等の公知の
方法により、上記塗料を前述した導電性複合樹脂製の基
体の表面に付着させた後、乾燥することにより形成する
ことができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 まず、マトリックス樹脂の原料熱可塑性樹脂として、
50重量部のポリカーボネート(分子量20000、以下PCと
略記する)と、35重量部のスチレン−無水マレイン酸共
重合体[無水マレイン酸の含量:14モル%、MI(230℃、
2.16kg荷重下):1.3g/10分、以下SMAと略記する]と、1
5重量部のメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレ
ン共重合体(ブタジエンの含量:70wt%、以下MBSと略記
する)とを用い、さらに15重量部の臭素系難燃剤(商品
名:プラサームEC−20、大日本インキ(株)製)と5重
量部の三酸化アンチモンとを用いて、これらをドライブ
レンドした後、2軸混練機によりペレダイズして、熱可
塑性樹脂組成物を得た。
次いで、導電性繊維の材料として繊維径15μmのステ
ンレス(SUS304)連続繊維1000本を集束したステンレス
繊維束の周りに電線被覆装置により上記熱可塑性樹脂組
成物を被覆し、長さ6mmに切断して、直径が約5mmのペレ
ット状の導電性複合樹脂(導電性繊維の含量:10wt%、
導電性繊維のアスペクト比400)を得た。
次に、得られた導電性複合樹脂を予備乾燥後260℃で
射出成形して、140×140×3mmの大きさの角板を得た。
この射出成形によりステンレス繊維束はばらけて、ステ
ンレス繊維束を構成していた各単繊維はそれぞれ角板中
に分散した。
この後、得られた角板を基体とし、この基体をイソプ
ロピルアルコールで脱脂した後、100重量部のアクリル
系ラッカー(商品名:プラスラック1800、カシュー塗
料(株)製)と130重量部のアルコール系シンナー(商
品名:プラスラック165、カシュー塗料(株)製)と
の混合物からなるアクリル系塗料に10重量部のアクリル
ビーズ(ビーズ径:50〜60μm、商品名:アクリコン、
三菱レイヨン(株)製)を分散配合した塗料を吹き付け
法により1回、膜厚10〜20μmに塗布し、60℃で10分間
乾燥して塗膜を形成して、本発明の導電性複合樹脂製成
形品を得た。
この導電性複合樹脂製成形品の塗膜の付着性、電磁波
障害シールド性(以下、EMIシールド性という)、およ
び外観の評価、測定結果を表−1に示す。
なお、評価、測定は以下の要領で行った。
塗膜の付着性 塗装後2日間放置してから、碁盤目クロスカット粘着
テープ剥離テストを行った。
EMIシールド性 塗装後2日間放置してから、−20℃で2時間の保持と
70℃で2時間の保持とを8回繰り返す条件でヒートショ
ックテストを行い、この後、アドバンテスト法に準拠し
て300MHzにおける電界波のシールド効果を求めた。
外観 塗装後2日間放置してから、以下の基準で、表面の仕
上がり状態を目視により判定した。
○:導電性繊維の浮き出しが認められない。
△:導電性繊維の浮き出しが僅かに認められる。
×:導電性繊維の浮き出しが表面の50%以上の範囲で
認められる。
××:導電性繊維の浮き出しが表面全体に認められる。
実施例2〜4 マトリックス樹脂の原料熱可塑性樹脂として表−1に
示す熱可塑性樹脂を用い、導電性繊維とし表−1に示す
導電性繊維を用いた以外は実施例1と同様にして、それ
ぞれ本発明の導電性複合樹脂製成形品を得た。
なお、熱可塑性樹脂として100重量部の耐衝撃性ポリ
スチレン[ポリブタジエンの含量:9wt%、MI(200℃、5
kg荷重下):4g/10分、以下PSと略記する]のみを用いた
実施例2における成形温度は220℃、80重量部のSMAと20
重量部のMBSとを用いた実施例3における成形温度は240
℃とした。
実施例1と同様にして評価、測定した各導電性複合樹
脂製成形品の塗膜の付着性、EMIシールド性、および外
観の評価、測定結果を表−1に示す。
比較例1〜3 アクリル系塗料にアクリルビーズを分散配合しなかっ
た以外は実施例1〜3と同様にして、それぞれ導電性複
合樹脂製成形品を得た。
各導電性複合樹脂製成形品の塗膜の付着性、EMIシー
ルド性、および外観を実施例1と同様にして評価、測定
した結果を表−1に示す。
比較例4〜7 アクリル系塗料の代りに、90重量部のポリウレタン塗
料(商品名:ストロン100、ポリオール/イソシアネ
ート=80/10、カシュー塗料(株)製)と60重量部のエ
ステル系シンナー(商品名:ネオストロン6、カシュ
ー塗料(株)製)との混合物からなるポリウレタン系塗
料を用いたこと、および表−1に示す塗装条件で塗装を
行って塗膜を形成したこと以外は実施例1と同様にし
て、それぞれ導電性複合樹脂製成形品を得た。
各導電性複合樹脂製成形品の塗膜の付着性、EMIシー
ルド性、および外観を実施例1と同様にして評価、測定
した結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、本発明の導電性複合樹脂
製成形品は、塗膜の付着性やEMIシールド性の低下が認
められず、しかも、優れた外観を呈することが確認され
た。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の導電性複合樹脂製成形
品は、塗装を1回施しただけで優れた外観を呈するもの
であり、塗膜の付着性やEMIシールド性の点でも低下が
認められないものである。
したがって本発明を実施することにより、優れた外観
を有する実用的な導電性複合樹脂製成形品を高い生産性
の下に提供することが可能となる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として、
    長さ1〜15mm、アスペクト比100〜2000の導電性繊維を
    少なくとも含有させた導電性複合樹脂製の基体と、 前記基体の表面に形成された、樹脂ビーズが分散配合さ
    れたアクリル系樹脂塗料からなる塗膜と からなることを特徴とする導電性複合樹脂製成形品。
  2. 【請求項2】導電性繊維がステンレス繊維である、請求
    項(1)記載の導電性複合樹脂製成形品。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂および/ま
    たはポリカーボネート系樹脂である、請求項(1)また
    は(2)記載の導電性複合樹脂製成形品。
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