JP2924738B2 - 光偏向装置 - Google Patents

光偏向装置

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JP2924738B2
JP2924738B2 JP27504795A JP27504795A JP2924738B2 JP 2924738 B2 JP2924738 B2 JP 2924738B2 JP 27504795 A JP27504795 A JP 27504795A JP 27504795 A JP27504795 A JP 27504795A JP 2924738 B2 JP2924738 B2 JP 2924738B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,光ビームの方向を変化させる
光偏向装置に関する。
【0002】
【背景技術】従来,光ビームを偏向または走査する装置
として,(1) 側面がミラー面である多角柱を回転させ,
ミラー面に入射する光の反射光の方向を変化させるポリ
ゴン・スキャナ,(2) 平面鏡をアクチュエータによって
回転させるガルバノ・スキャナ,(3) 円周方向にホログ
ラフィック・レンズを複数配置した円盤を回転させるホ
ログラフィック・スキャナ,(4) 透明媒質の屈折率を電
界等で変化させるものなどが知られている。
【0003】しかしながら,上述したポリゴン・スキャ
ナ,ガルバノ・スキャナ,ホログラフィック・スキャナ
は,耐久性や出力トルク等の理由から,ミラーや円盤を
回転させるモータを微小化(ミリメートルのオーダとす
ること)することが困難である。近年マイクロマシン技
術により,モータの小型化は大いに進展してきているも
のの,実用に耐え得るモータの実現には多くの課題(た
とえばモータ軸受け部における磨耗など)を残してい
る。また,ポリゴン・スキャナとガルバノ・スキャナは
ミラーで光を反射させる構成なので,光源からの光と走
査光(反射光)とが干渉しないような光学配置にする必
要がある。このため,装置内部に無駄なスペースが生じ
てしまい,装置全体の小型化を図る上で問題があった。
【0004】また屈折率を変化させるものは,モータの
ような可動部が存在しないで微小化には適しているが,
得られる偏向角(走査角)が狭く,数度が限界で,用途
が制限されるという問題がある。
【0005】
【発明の開示】この発明は,小型で偏向角度が大きい光
偏向装置を提供することを目的とする。
【0006】この発明による透過タイプの光偏向装置
は,平行に配置された格子間隔が等しい少なくとも2つ
の回折格子,上記の2つの回折格子を,それらの格子面
に垂直な方向に,相対的に接近離間自在に支持する支持
部材,および上記の2つの回折格子が接触位置と離隔し
た位置の少なくとも2つの位置をとるように,少なくと
も一方の回折格子を格子面と垂直な方向に移動させる駆
動手段を備えている。
【0007】2つの回折格子が接触ないしは密着した状
態では1つの回折格子と等価である。2つの回折格子が
接触した状態では好ましくは,それらのスリットまたは
凹凸がぴったり一致している。入射光はこの1つの回折
格子によって1回回折される。
【0008】2つの回折格子が離れている場合には入射
光は2つの回折格子によって2回回折される。
【0009】回折を1回受けた回折光と回折を2回受け
た回折光とでは一般に回折角が異なるので,少なくとも
2つの異なる角度の偏向光が得られる。
【0010】この発明による反射型の光偏向装置は,平
行に配置された回折格子とミラー,上記回折格子および
ミラーを,それらの面に垂直な方向に,相対的に接近離
間自在に支持する支持部材,および上記回折格子とミラ
ーが接触位置と離隔した位置の少なくとも2つの位置を
とるように,回折格子とミラーの少なくとも一方をそれ
らの面と垂直な方向に移動させる駆動手段を備えてい
る。
【0011】反射型の光偏向装置においても,回折格子
がミラーに密着してる場合と,回折格子がミラーから離
れている場合とではミラーからの反射光の反射角(回折
角)が異なるので,少なくとも2段階の光の偏向が可能
である。
【0012】上述した透過型の光偏向装置における好ま
しい実施態様では,上記支持部材が穴があけられた基板
と,この基板上に固定され,弾性変形する部分を有する
支持部とを含み,上記2つの回折格子のうちの一方の回
折格子が上記の穴を塞ぐように上記基板に固定され,他
方の回折格子がその両端で上記支持部の弾性変形する部
分に支持される。
【0013】反射型の光偏向装置における好ましい実施
態様では,上記支持部材が基板と,この基板上に固定さ
れ,弾性変形する部分を有する支持部とを含み,上記回
折格子とミラーのうちの一方が上記基板に固定され,他
方がその両端で上記支持部の弾性変形する部分に支持さ
れる。
【0014】これら両方の型の光偏向装置において,一
実施態様においては,上記駆動手段は上記支持部に設け
られた圧電素子を含み,その逆圧電効果によって支持部
を変形させるものである。
【0015】他の実施態様においては,上記駆動手段
は,上記支持部に設けられた第1の電極と,上記基板上
の第1の電極に対向する位置に配置された第2の電極と
を含み,これらの第1および第2の電極間に生じる静電
気力によって支持部を変形させるものである。
【0016】さらに他の実施態様においては,上記駆動
手段は,上記支持部に設けられた上記支持部と熱膨脹係
数の異なる部材を含み,この部材および上記支持部を加
熱することにより上記支持部を変形させるものである。
【0017】回折格子またはミラーを弾性変形する部分
を含む支持部で支持することにより,磨耗が生じること
なく,安定な動作が期待できる。
【0018】この発明によると,光偏向装置は,回折格
子(およびミラー),支持部材および駆動手段によって
構成することができるので,超小型化を図ることができ
る。また,偏向角の変化を大きくとることができる。駆
動される回折格子は軽いので超高速動作が可能となる。
透過型の光偏向装置では光軸調整等が比較的容易であ
る。
【0019】この発明によるもう1つの透過型の光偏向
装置は,互いに接触した状態で配置された格子間隔が等
しい少なくとも2つの回折格子,および上記の2つの回
折格子の少なくとも一方を,格子面に平行な方向に変位
させる駆動手段を備えている。
【0020】接触ないしは密接している2つの回折格子
は1つの回折格子と等価である。この回折格子の格子定
数は2つの回折格子の相対的位置関係によって定まる。
たとえば,2つの回折格子のスリットまたは凹凸がぴっ
たり一致していれば,格子手数はこれらの回折格子の格
子定数と等しく,格子間隔の丁度半分ずれていれば格子
定数は半分になる。このようにして,2つの回折格子の
相対的位置に応じて回折角が定まるので,一方の回折格
子を平行移動させるだけで光の偏向が可能となる。
【0021】この光偏向装置も上述したものと同じ効果
を奏する。
【0022】このような光偏向装置を複数個光ビームの
光路上に配置することにより,より多くの,より大きな
偏向角が得られる光偏向装置が実現する。
【0023】この発明による光偏向装置は光シャッタ装
置や光スイッチ装置等に応用できる。
【0024】
【実施例】図1は光偏向装置の全体を示す斜視図,図2
は図1のII−II線にそう断面図,図3は後述する圧電薄
膜アクチュエータ付近の拡大図である。これらの図にお
いて,作図の便宜上および理解を容易にするため,装置
の肉厚および後述するスリットの間隔が実際よりもかな
り強調して描かれている。このことは以下に示す他の実
施例を表わす図面においても同様である。
【0025】光偏向装置は,基板1と,この基板1上に
固定された固定回折格子2aと,固定回折格子2aに間
隙をあけて対向する位置に配置された可動回折格子2b
と,可動回折格子2bをその両端で弾性的に支持する2
つの支持部とを含む。
【0026】固定回折格子2aおよび可動回折格子2b
は,格子定数(格子間隔)dの直線状の多数のスリット
21が刻まれた同一形状の透過型回折格子である。これら
の部材は,好ましくは単結晶シリコン基板から形成さ
れ,シリコンマイクロマシン技術を用いた微細加工によ
って作製される。
【0027】固定基板1の中央には入射する光ビームを
通すための穴11が形成されている。固定回折格子2aは
この穴11を塞ぐようにして固定基板1上に固定されてい
る。
【0028】固定回折格子2aの外側の位置に2つの支
持部3が固定基板1上に固定されている。支持部3は弾
性を有する薄肉部3aを有しており,ばね部31を介して
可動回折格子2bを両持ち状に支持している。支持部
3,薄肉部3a,ばね部31および可動回折格子2bは好
ましくはシリコン基板により一体的に形成される。ばね
部31は両持ち状のものに限らず,他の形状,たとえば可
動回折格子2bを四方から支持するものや,可動回折格
子2bの端部を連続的に支持するダイアフラム(薄膜)
状のものであってもよい。
【0029】固定回折格子2aおよび可動回折格子2b
は,シリコン基板に直線スリット21を刻んだものに限ら
ず,たとえばガラス基板等の透明板の一面にアルミニウ
ム等の金属薄膜からなる多数の平行な直線を微小間隔で
蒸着させたものや,格子断面が鋸歯状のブレーズド回折
格子であってもよい。ブレーズド格子の場合は,特定次
数の回折光,たとえば+1次光だけが得られるようにす
ることができるので,光ビームの回折効果を高めること
ができる。金属薄膜による回折格子の場合には,金属薄
膜が対向するように固定,可動回折格子が配置される。
ブレーズド回折格子の場合には,鋸歯状の歯のある面と
反対側の面が対向するように固定,可動回折格子が配置
される。
【0030】支持部3の薄肉部3a上に圧電薄膜アクチ
ュエータ32が設けられている。圧電薄膜アクチュエータ
32は圧電層35と,この圧電層35を上下から挟む2つの電
極層36,37とによって構成されている。これらの電極層
36,37から外部接続電極36a,37aがのびている。薄肉
部3aがシリコンの場合には,電極層37および外部接続
電極36a,37aは絶縁体を介して設けられる。
【0031】この圧電層35に電圧を印加すると,逆圧電
効果によって圧電層35内に応力が生じる。この応力によ
って薄肉部3aは下側に反る。これによって可動回折格
子2bは固定回折格子2aの方向に垂直に変位し,ばね
部31が伸び,可動回折格子2bは固定回折格子2aに接
する(図2において,固定回折格子2aに接触した可動
回折格子2bを鎖線で示す)。電圧の印加を停止する
と,可動回折格子2bはばね部31の復元力によって元の
位置に戻る。
【0032】図4(A) および(B) は光ビームの偏向原理
を示す。(A) は圧電薄膜アクチュエータ32に電圧を印加
して回折格子2aと2bとを接触させた状態を,(B) は
電圧を印加しない状態,すなわち可動回折格子2bが固
定回折格子2aから離れている状態をそれぞれ示してい
る。
【0033】可動回折格子2bが固定回折格子2aに接
した状態では,それらのスリット21aと21bとが上下方
向に一致する。したがって,この状態では回折格子2a
と2bは1つの回折格子となる。この回折格子に入射す
る光ビームは1回の回折効果を受ける。可動回折格子2
bの上面に入射した法線Pに平行な光ビームは,次式で
表される出射角度θで固定回折格子2aから出射され
る。
【0034】 sinθ=mλ/d …式1
【0035】ここでλは光ビームの波長,dは回折格子
の格子定数(格子間隔),mは回折次数(m=0,±
1,±2,…)である。図面上では簡略化のため+1次
の回折光のみが示されている(以下の図面においても同
様である)。
【0036】電圧を印加せずに固定回折格子2aと可動
回折格子2bが分離している場合には入射する光ビーム
は2回の回折効果を受ける。光ビームは可動回折格子2
bを通過するときに,式1に示す回折効果を受け,角度
θで出射する。可動回折格子2bで回折された光ビーム
は固定回折格子2aでも回折効果を受けることになる。
入射角度θで回折格子に入射した光ビームの出射角度θ
1 は次式から算出される。
【0037】 sinθ1 − sinθ=mλ/d …式2
【0038】式2に式1を代入すると次式を得る。 sinθ1 =2mλ/d …式3
【0039】したがって,可動回折格子2bに入射した
光ビームは,式3で表される角度θ1 で固定回折格子2
aから出射することになる。
【0040】このように2枚の回折格子2a,2bを密
着させたり分離させたりすることによって,光ビームの
偏向方向を変化させることができる。たとえば,波長λ
を780nm ,格子定数dを2μmとした場合には,密着状
態で1次回折光の回折角度は約23度,離した場合には約
51度となり,その差は約30度となる。
【0041】好ましくは,図5に示すように,固定回折
格子2aまたは可動回折格子2bのいずれか一方の表面
に,密着したときの電気的短絡を防ぐための絶縁膜53が
形成される。
【0042】図6(A) および(B) は固定回折格子2aの
代わりにミラー4を設けた実施例を示している。
【0043】基板1上に固定回折格子2aに代えてミラ
ー4が固定されている。可動回折格子2bをミラー4に
密着させたり分離させたりすることによって光の偏向方
向を変化させる。回折光はミラー4で反射して入射側か
ら出射される。したがって,基板1に穴11を形成する必
要はない。
【0044】可動回折格子2bをミラー4に密着させた
場合には(図6(A) ),法線Pに平行に入射した光ビー
ムは,可動回折格子2bで回折されかつミラー4で反射
して,式1で表される反射角度θで可動回折格子2bか
ら出射する。
【0045】可動回折格子2bをミラー4から離してこ
れらの間に間隙を設けた場合には(図6(B) ),入射光
ビームは可動回折格子2bで回折効果を受け,式1で表
される角度θでミラー4に入射する。ミラー面4で反射
された光ビームは,再び可動回折格子2bによって回折
され,式3で表される角度θ1 で可動回折格子2bから
出射することになる。逆に回折格子2bを固定し,ミラ
ー4を動かすように構成してもよい。
【0046】図7(A) および(B) は可動回折格子2bを
その面方向に変位させる実施例を示している。固定回折
格子2aは基板上に固定され,可動回折格子2bはアク
チュエータ(図示略)により固定回折格子2a上をd/
2の距離変位させられる。
【0047】これらの回折格子2a,2bのスリット21
a,21bが上下方向に一致するように,固定回折格子2
a上に可動回折格子2bが配置されている。可動回折格
子2bは好ましくは,変位したときに固定回折格子2a
との間に摩擦を生じない程度のわずかな隙間をあけて支
持されている。2つの回折格子2aと2bが実質的に1
つの回折格子を構成するので,この回折格子に入射する
光ビームの回折角は式1で表わされる角度θである。
【0048】この状態から可動回折格子2bを格子面方
向(水平方向)にスリット間隔dの半分だけ移動させる
と,2つの回折格子2aと2bとによって格子間隔がd
/2の新たな回折格子が形成される。式1のdをd/2
に置き換えると, sinθ1 =2mλ(d/2)=2mλ/d …式4 となる。これは,式3と同じ式である。可動回折格子2
bを水平方向にd/2ずらすことによっても,2つの回
折格子2aと2bによって光の偏向角度をθからθ1
変化させることが可能となる。
【0049】回折格子2aと2bからなる1対の回折格
子を2対設け,それらのスリットが直交するように,2
対の回折格子を間隔をあけて平行に配置することもでき
る。この場合には直交する2方向に光ビームを偏向する
ことができるとともに,その偏向角を変えることができ
る。
【0050】図8は静電気力によって可動回折格子2b
を動かす実施例を示し,図2に対応する断面図である。
【0051】可動回折格子2bが,ばね部31を介して支
持部3に弾性的に支持されている。固定基板1上に凹部
12が形成され,この凹部12内に電極51が埋め込まれてい
る。薄肉部3aの電極51に対向する面には,電極52が設
けられている。固定回折格子2aおよび電極51の表面に
は,回折格子2aと2bが接触したときの電気的短絡を
防ぐための絶縁膜53が設けられている。可動回折格子2
bと電極52の表面に絶縁膜53を形成するようにしてもよ
い。この絶縁膜53は窒化膜や酸化膜で形成することがで
きる。基板1や薄肉部3aがシリコンで形成されている
ときには,電極51,52は絶縁体を介して設けられるのは
いうまでもない。これらの電極51,52は配線パターンま
たはワイヤにより直流電源に接続される。
【0052】電極51と52との間に電圧を印加すると,こ
れらの間に静電気力が発生し引き付け合う。この静電気
力によって可動回折格子2bを支持している薄肉部3a
が弾性変形し,可動回折格子2bが固定回折格子2aに
接する。電圧の印加を停止すると,ばね部31の復元力に
よって可動回折格子2bはもとの位置に復帰する。
【0053】図9は熱膨脹率の異なる2種類の部材の熱
膨脹差を利用して可動回折格子2bを動かす実施例を示
し,図2に対応する断面図である。
【0054】可動回折格子2bが,ばね部31を介して支
持部3に弾性的に支持されている。支持部3の薄肉部3
a上には,この薄肉部3aと熱膨脹係数の異なる部材54
が接着されている。薄肉部3aおよび部材54にレーザ光
を照射する,または部材54を抵抗体で形成して電流を流
すことによってこれらを加熱する。部材54と薄肉部3a
との熱膨脹の違いにより薄肉部3aは変形し,可動回折
格子2bが固定回折格子2aに接する。
【0055】上述した可動回折格子2bの駆動機構にお
いては,印加する電圧等をモニタすることにより可動回
折格子2bの変位量を知ることができる。これにより可
動回折格子2bが固定回折格子2aに密着されているか
どうかを判定することができる。両回折格子2a,2b
間の静電容量や薄肉部3aの歪み抵抗に基づいて可動回
折格子2bの変位量を検出することもできる。
【0056】図10(A) および(B) は上述した光偏向装置
を光シャッタ装置に応用した例を示し,図10(A) はシャ
ッタを開いた状態,図10(B) はシャッタを閉じた状態を
それぞれ示している。
【0057】光偏向装置として2つの回折格子2a,2
bのみが図示されている。これらの回折格子2a,2b
を挟んでこれらから離れた位置にレーザ光源55とシャッ
タ板56とが配置されている。シャッタ板56には孔57があ
けられている。
【0058】回折格子2aと2bが密着しているときに
は,レーザ光源55から出射した光ビームの回折角はθで
ある。固定回折格子2aと可動回折格子2bを分離する
と,光ビームは2回の回折効果を受けて角度θ1 偏向さ
れる。したがって,偏向角がθの一次回折光のみを通す
位置に孔57を形成しておくことにより,光ビームの通過
を制御することができる。小型の光シャッタ装置や光フ
ィルタ装置が実現する。
【0059】図11(A) および(B) は光偏向装置を光スイ
ッチ装置に応用した例である。偏向角θをもつ一次回折
光の光路上にこの光が端面から入射するように光ファイ
バ58aが,偏向角θ1 の一次回折光の光路上にこの光が
端面から入射するように光ファイバ58bがそれぞれ配置
されている。可動回折格子2aの位置に応じて,レーザ
光源55からのレーザ光が光ファイバ58aまたは58bにス
イッチされる。光偏向による小型の光スイッチ装置が実
現する。
【0060】図12は2つの光偏向装置を組合わせて光走
査装置を構成した応用例である。2つの回折格子2a,
2bを含む2つの光偏向装置が,スリットが形成されて
いる方向が直交するように配置されている。レーザ光源
55から出射された光ビームはこれらの光偏向装置によっ
て直交する2方向に偏向される。これによって2つの光
偏向装置からの出射光は二次元的に走査される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光偏向装置の全体を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線にそう断面図である。
【図3】圧電薄膜アクチュエータ付近の拡大図である。
【図4】光ビームの偏向原理を示す断面図であり,(A)
は2つの回折格子を接触させた状態を,(B) は2つの回
折格子が離れた状態をそれぞれ示す。
【図5】回折格子の表面に絶縁膜を形成した例である。
【図6】固定回折格子の代わりにミラーを設けた実施例
を示し,図4(A) および(B) に対応する断面図である。
【図7】可動回折格子をその面方向に移動させる実施例
を示し,図4(A) および(B) に対応する断面図である。
【図8】静電気力を利用して可動回折格子を動かす実施
例を示し,図2に対応する断面図である。
【図9】熱膨脹率の異なる2つの部材を接合して可動回
折格子を動かす実施例を示し,図2に対応する断面図で
ある。
【図10】(A) および(B) は光偏向装置を光シャッタ装
置に応用した例を示す。
【図11】(A) および(B) は光偏向装置を光スイッチ装
置に応用した例を示す。
【図12】複数の光偏向装置を組合わせて光走査装置を
構成した応用例を示す。
【符号の説明】
1 固定基板 2a 固定回折格子 2b 可動回折格子 3 支持部 3a 薄肉部 21a,21b スリット 31 ばね部 32 圧電薄膜アクチュエータ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行に配置された格子間隔が等しい少な
    くとも2つの回折格子, 上記の2つの回折格子を,それらの格子面に垂直な方向
    に,相対的に接近離間自在に支持する支持部材,および
    上記の2つの回折格子が接触位置と離隔した位置の少な
    くとも2つの位置をとるように,少なくとも一方の回折
    格子を格子面と垂直な方向に移動させる駆動手段, を備えた光偏向装置。
  2. 【請求項2】 平行に配置された回折格子とミラー, 上記回折格子およびミラーを,それらの面に垂直な方向
    に,相対的に接近離間自在に支持する支持部材,および
    上記回折格子とミラーが接触位置と離隔した位置の少な
    くとも2つの位置をとるように,回折格子とミラーの少
    なくとも一方をそれらの面と垂直な方向に移動させる駆
    動手段, を備えた光偏向装置。
  3. 【請求項3】 互いに接触した状態で配置された格子間
    隔が等しい少なくとも2つの回折格子,および上記の2
    つの回折格子の少なくとも一方を,格子面に平行な方向
    に変位させる駆動手段, を備えた光偏向装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3に記載の光偏向装置が複
    数個光ビームの光路上に配置されている光偏向装置。
  5. 【請求項5】 上記支持部材が穴があけられた基板と,
    この基板上に固定され,弾性変形する部分を有する支持
    部とを含み,上記2つの回折格子のうちの一方の回折格
    子が上記の穴を塞ぐように上記基板に固定され,他方の
    回折格子がその両端で上記支持部の弾性変形する部分に
    支持されている,請求項1に記載の光偏向装置。
  6. 【請求項6】 上記支持部材が基板と,この基板上に固
    定され,弾性変形する部分を有する支持部とを含み,上
    記回折格子とミラーのうちの一方が上記基板に固定さ
    れ,他方がその両端で上記支持部の弾性変形する部分に
    支持されている,請求項1に記載の光偏向装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    光偏向装置と,この光偏向装置に向けて光ビームを投射
    する光源と,光偏向装置から出射される所定の偏向角を
    もつ光ビームの光路上に孔をもつシャッタ板とを含む光
    シャッタ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から6のいずれか一項に記載の
    光偏向装置と,この光偏向装置に向けて光ビームを投射
    する光源と,光偏向装置から出射される所定の偏向角を
    もつ光ビームを受入れる手段とを備えた光スイッチ装
    置。
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