JP2922980B2 - ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法 - Google Patents

ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法

Info

Publication number
JP2922980B2
JP2922980B2 JP2133335A JP13333590A JP2922980B2 JP 2922980 B2 JP2922980 B2 JP 2922980B2 JP 2133335 A JP2133335 A JP 2133335A JP 13333590 A JP13333590 A JP 13333590A JP 2922980 B2 JP2922980 B2 JP 2922980B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
sintered body
molded body
honeycomb structure
honeycomb
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2133335A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0431372A (ja
Inventor
義美 大橋
淳 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2133335A priority Critical patent/JP2922980B2/ja
Publication of JPH0431372A publication Critical patent/JPH0431372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2922980B2 publication Critical patent/JP2922980B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、セラミックス焼結体の製造方法に関し、特
に排気ガス浄化装置のフィルターとして使用されるハニ
カム構造のセラミックス焼結体の製造方法に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関における排
気ガス浄化装置においては、排気ガス中のカーボン煤等
を濾過すると共に、これらを酸化分解する触媒を担持す
るフィルターが設けられている。第1,2図に示すよう
に、このフィルターは、微細な開放気孔を多数有する多
孔性材料を使用して形成され、円柱形状で、かつその軸
方向に延びる貫通孔(セル)2が1平方インチあたり10
0〜200個程度形成されてなるハニカム構造体1である。
従来、かかるハニカム構造体は、ムライト、コージュ
ライト、炭化珪素等のセラミックス粉末に有機樹脂バイ
ンダー及び分散溶媒としての水を配合してなる原料組成
物をハニカム状に成形し、この成形体に加熱乾燥を施す
ことにより成形体中から水分を除去し、その後、セラミ
ックス粉末を焼結させて製造されている。
ところが、含水状態にある成形体を乾燥機内に装入
し、急激な加熱や除湿を施すと、成形体の表面と内部と
における水分蒸発速度のアンバランスから乾燥収縮によ
る歪みが生じ、成形体の表面には、第3図に示すような
粗大な亀裂(マクロクラック)3が生ずるという問題が
あった。
一方、含水状態にある成形体を予め−20℃程度に冷却
された冷凍庫内に装入して、成形体を一旦凍結させ、そ
の後、減圧乾燥を施して凍結された水分を昇華させて除
去することにより、成形体の乾燥収縮を回避してクラッ
クの発生を防止する方法が知られている。しかし、この
方法で前記ハニカム成形体を乾燥すると、前述のような
マクロクラック3の発生は見られないものの、第4図に
示すように、ハニカム構造体1の格子状に形成されたセ
ル壁4に、その格子点付近において星型の微細な亀裂
(ミクロクラック)5を生ずるという問題があった。た
とえ、このように微細な亀裂であっても、その後の焼成
によってそれが治癒されるということはなく、焼結体の
機械的強度、ひいては排気ガス浄化フィルターとしての
耐久性を著しく低下させる原因となっていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目
的は、含水状態にあるハニカム構造成形体の乾燥工程に
おけるクラックの発生を未然に防止することにより、焼
成後の焼結体の機械的強度等を低下させることなく、堅
牢な焼結体を得ることができるハニカム構造のセラミッ
クス焼結体の製造方法を提供することにある。
[発明を解決するための手段及び作用] 上記課題を解決するために本発明においては、セラミ
ックス粉末にバインダー及び水を配合してなる原料組成
物を、複数のセルを有するハニカム形状に成形し、この
成形体を乾燥後、焼成するハニカム構造のセラミックス
焼結体の製造方法において、乾燥工程における雰囲気湿
度を70〜99%としている。
この方法によれば、雰囲気湿度が比較的高いために含
水状態にある成形体からの水分の蒸発が緩慢となり、成
形体の表層部と内部とにおける水分蒸発速度が均一化さ
れる。そのため、成形体の乾燥時に、成形体の表層部と
内部とで歪みを生じることがなく、前記マクロクラック
3(第3図参照)やミクロクラック5(第4図参照)の
発生が未然に防止される。尚、前記雰囲気湿度が70%未
満になると、成形体にマクロクラックが発生し易くな
り、本発明の目的を達成できない。
前記乾燥工程において、前記雰囲気湿度を維持しなが
ら雰囲気温度を10〜80℃に上昇させて加熱乾燥を施すこ
とが好ましい。
この方法によれば、雰囲気温度の上昇に伴って成形体
からの水分の蒸発が促進されても、成形体の表層部と内
部とで水分蒸発速度に急激な差を生ずることなく、成形
体全体が均一に昇温されて成形体から水分が迅速に除去
される。
ここで、前記雰囲気温度が10℃未満では、成形体の乾
燥に長大な時間を要して生産性が低下する。一方、雰囲
気温度が80℃を超えると、水分の蒸発速度が大きくな
り、成形体が急激に乾燥収縮してクラックを生じ易くな
る。
前記の場合における雰囲気温度の昇温速度は、0.1〜
1.0℃/min.の範囲が好ましい。該昇温速度が0.1℃/min.
未満では乾燥工程における生産性が低下し、1.0℃/min.
を超えると成形体の表層部と内部とで温度差が生じ、ク
ラックを生ずる原因となる。
また、前記乾燥工程において、成形体の水分含有率が
5重量%以上の場合には雰囲気湿度を90〜99%に維持し
て乾燥を行い、成形体の水分含有率が5重量%未満にな
ったところで雰囲気湿度を70〜90%にして乾燥を行うこ
とが望ましい。
この方法によれば、成形体の水分含有率が比較的高く
(5重量%以上)、急激な乾燥に伴う収縮によって成形
体に歪みが生ずる虞れが高い場合には、雰囲気湿度を許
容範囲の上限寄りに設定して極力緩慢な乾燥を行うこと
により、確実にクラックの発生が防止される。そして、
成形体の水分含有率が比較的低く(5重量%未満)、乾
燥に伴う成形体の収縮が非常に小さくなったところで、
雰囲気湿度を許容範囲の下限寄りに設定して乾燥を促進
することにより、クラックの発生を回避しつつ、成形体
から残存水分が迅速に除去される。
尚、前記の場合において、雰囲気湿度を設定変更する
際に、成形体中の水分含有率が5重量%に達したか否か
を目安としたが、これは一般的な大きさのハニカム成形
体(重量500〜3000g)に適用する場合の目安であり、本
発明を適用する成形体の形状、大きさ等によって前記目
安が変化することが考えられる。
さて、本発明における原料組成物は、セラミックス粉
末にバインダー及び水を配合してなるものである。
本発明を適用可能なセラミックスとしては、炭化珪
素、炭化ホウ素、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ムライ
ト、コージェライト、チタン酸アルミニウム、ホウ化ジ
ルコニウム、サイアロン等があげられ、各セラミックス
は粉末状にて、単独又は二種以上混合して使用される。
特に、本発明を適用するセラミックスが、例えば気相
中で焼結される炭化珪素のように、焼成前の成形体の良
否が焼成後の焼結体の機械的強度等の物性に多大な影響
を及ぼすものである場合には、極めて有益である。
前記バインダーとしては、例えば、フェノール樹脂、
リグニンスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、プロピレン
グリコール、コンスターチ、糖密、コールタールピッ
チ、アルギン酸塩等の各種有機物質があげられ、単独又
は二種以上混合して使用される。
バインダーの配合割合は、一般にセラミックス粉末10
0重量部に対し、5〜50重量部の範囲が好適である。こ
の配合割合が5重量部未満では成形体を成形することが
できず、50重量部を超えると焼結体の機械的強度を低下
させる等の不都合を生じる。
前記水の配合割合は、一般にセラミックス粉末100重
量部に対し、20〜50重量部の範囲が好適である。この配
合割合が20重量部未満では、セラミックス粉末を均一に
分散して原料組成物を混練することができず、一方、50
重量部を超えると、原料組成物の粘度を必要以上に低下
させ成形に支障を来す。
上記原料組成物は、ヘンシェルミキサー、ニーダー等
で十分に混練して調整され、押し出し成形等によって第
1,2図に示すようなハニカム状の成形体1に成形され
る。かかるハニカム成形体1は、円柱形状でその軸方向
に多数の貫通孔(セル)2が形成されたものであり、本
発明が極めて効果的に適用されるハニカム成形体1の大
きさの範囲は、直径が80〜200mm、長さが50〜200mm、セ
ル壁4の厚さが0.15〜0.5mm、セルピッチが1.15〜2.5m
m、セル数が1平方インチあたり100〜500個である。
このようにして得られたハニカム成形体1は、前述し
たように乾燥条件のもとで、その水分含有率が3〜4重
量%程度になるまで乾燥される。
この乾燥工程において、ハニカム成形体1のセル2中
に気流を流通させることは好ましい。
その理由は、セル2を通じて成形体内外の温度及び湿
度を常に均一な状態とすることが容易となるからであ
る。
ここで、ハニカム成形体1のセル2中に気流を流通さ
せる方法としては、例えば第6図に示すように、複数の
脚台8上に目の粗い疎水性のメッシュ9及びダミー成形
体6を置き、その上にハニカム成形体1を立て置きし
て、図示しないファンモータを駆動させることによって
気流を流通させる方法が考えられる。
ハニカム成形体の乾燥に際し、該成形体は、疎水性の
クッション材、又は該成形体と同一ハニカム構造のダミ
ー成形体上に載置されて乾燥されることが好ましい。
前記疎水性のクッション材とは、乾燥する成形体(被
乾燥成形体)と、その成形体が配置される乾燥容器と壁
面との間に介在され、両者の摩擦抵抗を低減させる疎水
性部材をいい、例えば、テフロンシートや、疎水性樹脂
によって形成されたボール等があげられる。
このクッション材によって、成形体のクッション材と
の接触部分の摩擦抵抗が低減されるために、乾燥収縮に
伴う接触摺動が阻害される事態が回避され、乾燥収縮に
伴う該部位におけるクラックの発生が防止される。尚、
クッション材を疎水性としたのは、親水性であると該部
材との間で水分の授受を生じ、成形体の均一な乾燥を阻
害する虞れがあるからである。
前記ダミー成形体とは、被乾燥成形体とほぼ同形状に
成形されると共に、乾燥容器内に配置されて、被乾燥成
形体を載置するための成形体をいう。
このダミー成形体は、被乾燥成形体と同程度の乾燥収
縮率を有するため、乾燥時において、たとえダミー成形
体が乾燥容器の壁面との接触部位で乾燥収縮に伴う歪み
を生ずることがあっても、被乾燥成形体がダミー成形体
との接触部位において乾燥収縮に伴う歪みを生ずること
がない。そのため、被乾燥成形体はダミー成形体との接
触部位においてクラックを生ずることなく乾燥される。
以上のようにして、ハニカム成形体はクラックのない
理想的な状態で乾燥される。
乾燥終了後の成形体は、必要に応じて脱脂された後、
使用したセラミックスの焼成条件に応じて焼成される。
仮に、セラミックスが炭化珪素の場合、300〜700℃の温
度にて成形体中に残留する溶剤及びバインダーを十分に
分解脱脂し、その後、2000℃以上の温度にて焼成するこ
とが好ましい。
このようにして、クラックがなく、機械的強度に優れ
たハニカム構造のセラミックス焼結体が得られる。
仮に、本発明を内燃機関の排気ガス浄化装置に使用す
るハニカムフィルターに具体化した場合、第7図に示す
ように使用態様が考えられる。即ち、排気ガスの流通経
路10の中に断熱材14に包まれたハニカムフィルター11を
配置し、その一方の端面付近に該フィルター11を加熱す
るヒータ12を配設すると共に、その外側にシリカ・アル
ミナ等の耐熱性繊維によって網目状に形成された熱輻射
遮蔽部材13を配設する。これにより、流通経路10の上流
側から流れてくる排気ガス中のカーボン煤等がハニカム
フィルター11によって捕集される。ここで、ハニカムフ
ィルター11は、ヒータ12によって加熱されるが、ヒータ
12の熱輻射は前記遮蔽部材13の存在によってフィルター
11側に向けられるため、フィルター11が効率的に加熱さ
れる。
尚、前記遮蔽部材13としては、例えば太さが0.5〜1.0
mmの耐熱性の糸を目開き1.0〜2.0mm、開口率40〜60%の
網目状に形成したものを使用することができる。また、
前記ヒータ12及び遮蔽部材13は流通経路の上流側あるい
は下流側のいずれの側に設けてもよい。
[実施例1〜3及び比較例1〜3] 以下に、本発明を内燃機関の排気ガス浄化装置に使用
するハニカムフイルターに具体化した実施例1〜3を比
較例1〜3と対比させて説明する。
(実施例1) <成形体の作製> 平均粒径が0.28μmであって、96.2%がβ型結晶から
なる炭化珪素微粉末100重量部に対し、メチルセルロー
ス5重量部,プロピレングリコール5重量部および水25
重量部を配合し、ヘンシェルミキサーで均一に混合して
原料組成物を調製した。そして、真空押出機を使用し、
第1,2図に示すように、円柱形状でかつ軸方向に多数の
貫通孔(セル)2が形成されたハニカム成形体1を成形
した。このハニカム成形体1は、直径140mm、長さ140m
m、セル壁4の厚さ0.45mm、セルピッチ1.95mm、セル数1
70セル/平方インチのものであり、その重量は約2200
g、水分含有率は約18〜20重量%であった。
<乾燥工程> 次いで、この成形体を温度15℃、湿度90%に設定され
た乾燥容器内に装入すると共に、容器内に敷き詰められ
たテフロンシート上に載置した。そして、この容器内に
加湿空気を流通させながら容器内の温度を1℃/min.の
割合で80℃まで昇温し、この温度で30時間保持して成形
体に乾燥を施した。尚、乾燥容器内の湿度については、
容器内へ送入される加湿空気の入口側の湿度を90〜95%
とし、容器から排出される出口側の空気の湿度を容器内
へ送入される加湿空気の湿度との差が3〜10%以内とな
るように、加湿空気の流量を調整することにより制御し
た。
乾燥後の成形体の水分含有率は約3重量%であり、そ
の表面、内部共に、マクロクラック、ミクロクラック等
は観察されなかった。
<焼結工程> 乾燥された成形体をタンマン型焼成炉に挿入し、アル
ゴンガス雰囲気下、2200℃にて4時間焼成を施してハニ
カム状の多孔質炭化珪素焼結体を得た。この焼結体は、
直径140mm、長さ140mm、セル壁厚さ0.45mm、セルピッチ
1.95mm、セル数170セル/平方インチのハニカム形状を
維持しており、その表面、内部共に、マクロクラック、
ミクロクラック等は観察されなかった。また、この焼結
体の三点曲げ強度は、5.3kgf/mm2であった。
(実施例2) 前記実施例1における乾燥手順を下記の如く変更し、
その他は実施例1に準じた。
即ち、ハニカム成形体1を温度15℃、湿度90%に設定
された乾燥容器内に装入すると共に、容器内に敷き詰め
られたテフロンシート上に載置した。そして、この容器
内に加湿空気を流通させながら容器内の温度を1℃/mi
n.の割合で80℃まで昇温し、この温度で20時間保持し
た。この時の成形体の水分含有率は4重量%であった。
続いて、容器内温度を80℃に維持したまま、容器内湿度
を徐々に低下させて75%とし、この湿度で10時間保持し
て成形体に乾燥を施した。
乾燥後の成形体の水分含有率は約3重量%であり、そ
の表面、内部共に、マクロクラック、ミクロクラック等
は観察されなかった。また、焼成によってクラックの全
くない、三点曲げ強度が5.0kgf/mm2のハニカム状多孔質
炭化珪素焼結体が得られた。
(実施例3) 前記実施例1において、乾燥容器内に敷き詰められた
テフロンシートに代えて、第5図に示すように、乾燥す
る成形体と全く同様にして成形されたダミー成形体6
(直径140mm、長さ50mm、セル壁の厚さ0.45mm、セルピ
ッチ1.95mm、セル数170セル/平方インチ、水分含有率
は約18〜20重量%)を乾燥容器7内に配置し、乾燥する
成形体1をこのダミー成形体6上に載置して乾燥を施し
た。その他は実施例1に準じた。
乾燥終了後の成形体1の水分含有率は約3重量%であ
った。また、ダミー成形体6にはマクロクラック等が観
察されたが、成形体1にはその表面、内部共にマクロク
ラック、ミクロクラック等は観察されなかった。また、
焼成によって、クラックの全くない、三点曲げ強度が5.
2kgf/mm2のハニカム状多孔質炭化珪素焼結体が得られ
た。
(比較例1) 前記実施例1の乾燥工程において、乾燥容器内の湿度
を終始30%に維持してハニカム成形体に乾燥を施した。
その他は実施例1に準じた。
乾燥後、成形体の表面には、マクロクラックが観察さ
れ、焼成時に成形体は崩壊した。
この結果と前記実施例1〜3の結果から、乾燥容器内
の湿度が本発明の好適範囲を外れて非常に低くなると、
ハニカム成形体の内部の乾燥速度に比べて表層部分の乾
燥速度が非常に早くなり、乾燥のバランスが崩れて、成
形体表面にマクロクラックが生じるものと考えられる。
(比較例2) 前記実施例1の乾燥工程において、ハニカム成形体を
温度15℃、湿度90%に設定された乾燥容器内を装入した
後、容器内の湿度を90%に維持したまま容器内の温度を
5℃/min.の割合で80℃まで昇温し、この温度で30時間
保持してハニカム成形体に乾燥を施した。その他は実施
例1に準じた。
乾燥後、成形体の表面には、マクロクラックが観察さ
れ、焼成時に成形体は崩壊した。
この結果と前記実施例1〜3の結果から、乾燥時の昇
温速度が早すぎても、ハニカム成形体の内部の乾燥速度
に比べて表層部分の乾燥速度が非常に早くなり、乾燥の
バランスが崩れて、成形体表面にマクロクラックが生じ
るものと考えられる。
(比較例3) 前記実施例1の乾燥工程において、乾燥容器内にテフ
ロンシートを敷き詰めることなく、直接にハニカム成形
体を乾燥容器の底面上に載置した。その他は実施例1に
準じた。尚、乾燥容器の底面は、アクリルによって形成
されている。
乾燥後、乾燥容器の底面と接触していた成形体の接触
部位には、マクロクラックが観察された。また、焼成時
によって成形体の一部が崩壊した。
この結果から、成形体の接触部位の摩擦抵抗が大きい
と、該成形体の乾燥収縮時に接触部位において歪みを生
じ、該部位においてクラックを生じるものと考えられ
る。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、含水状態にある
ハニカム構造成形体の乾燥工程におけるクラックの発生
を未然に防止することにより、焼成後の焼結体の機械的
強度等を低下させることなく、堅牢なハニカム構造のセ
ラミックス焼結体を得ることができるという優れた効果
を奏する。
また、成形体の水分含有率が比較的高い(5重量%以
上)場合には、急激な乾燥に伴う収縮によって成形体に
歪みが生ずる虞れが高いため、雰囲気湿度を許容範囲の
上限寄りに設定して極力緩慢な乾燥を行うことにより、
確実にクラックの発生を防止することができる。そし
て、成形体の水分含有率が比較的低い(5重量%未満)
場合には、乾燥に伴う成形体の収縮が非常に小さくなっ
たところで、雰囲気湿度を許容範囲の下限寄りに設定し
て乾燥を促進することにより、クラックの発生を回避し
つつ、成形体からの残存水分が迅速に除去することがで
きるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を具体化したハニカム構造体の正面図、
第2図は第1図のA−A線における部分断面図、第3図
はハニカム構造体の表面にマクロクラックが入った状態
を示す斜視図、第4図はハニカム構造体の内部にミクロ
クラックが入った状態を示すセル壁の部分拡大図、第5
図は実施例3における成形体の乾燥状態の概略を示す斜
視図、第6図はハニカム成形体のセル中に気流を流通さ
せる一例を示す説明図、第7図はハニカム構造体の一使
用態様を示す断面図である。 1……ハニカム成形体、2……セル、6……ダミー成形
体。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス粉末にバインダー及び水を配
    合してなる原料組成物を、複数のセル(2)を有するハ
    ニカム形状に成形し、この成形体(1)を乾燥後、焼成
    するハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法にお
    いて、 乾燥工程における雰囲気湿度は70〜99%であり、前記乾
    燥工程において、成形体(1)の水分含有率が5重量%
    以上の場合には雰囲気湿度を90〜99%に維持して乾燥を
    行い、成形体(1)の水分含有率が5重量%未満になっ
    たところで雰囲気湿度を70〜90%にして乾燥を行うこと
    を特徴とするハニカム構造のセラミックス焼結体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】前記乾燥工程において、雰囲気湿度が70〜
    99%で、雰囲気温度を0.1〜1.0℃/minの昇温速度にて10
    〜80℃に上昇させて加熱乾燥を施すことを特徴とする請
    求項1に記載のハニカム構造のセラミックス焼結体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記乾燥工程において、成形体(1)のセ
    ル(2)中に気流を流通させることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のハニカム構造のセラミックス焼結体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記成形体(1)は、疎水性のクッション
    材、又は該成形体(1)と同一ハニカム構造のダミー成
    形体(6)上に載置されて乾燥されることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れか一項に記載のハニカム構造のセ
    ラミックス焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】セラミックス焼結体は炭化珪素焼結体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載
    のハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法。
JP2133335A 1990-05-23 1990-05-23 ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法 Expired - Fee Related JP2922980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2133335A JP2922980B2 (ja) 1990-05-23 1990-05-23 ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2133335A JP2922980B2 (ja) 1990-05-23 1990-05-23 ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0431372A JPH0431372A (ja) 1992-02-03
JP2922980B2 true JP2922980B2 (ja) 1999-07-26

Family

ID=15102316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2133335A Expired - Fee Related JP2922980B2 (ja) 1990-05-23 1990-05-23 ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2922980B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2813127B2 (ja) * 1994-03-11 1998-10-22 日本碍子株式会社 セラミック成形体の乾燥方法
EP1036048B2 (en) * 1997-12-02 2022-03-30 Corning Incorporated Method for firing ceramic honeycomb bodies
JP2002283329A (ja) * 2001-01-16 2002-10-03 Denso Corp ハニカム成形体の製造方法及び乾燥装置
JP5008230B2 (ja) * 2001-08-10 2012-08-22 日揮触媒化成株式会社 水分を含有するセラミックスを主成分とするハニカム状成形体の乾燥装置
JP2003285312A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Ngk Insulators Ltd ハニカム成形体の乾燥方法
US20060229476A1 (en) 2005-04-08 2006-10-12 Mitchell Robert L Sr Activated carbon monolith catalyst, methods for making same, and uses thereof
JP2008110541A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Denso Corp ハニカム成形体の製造方法および乾燥装置
JP4866889B2 (ja) 2008-09-26 2012-02-01 日本碍子株式会社 ハニカム成形体の乾燥方法
JP2010048256A (ja) * 2009-09-16 2010-03-04 Ibiden Co Ltd ハニカムフィルタの製造方法及びハニカムフィルタ
US20110127699A1 (en) * 2009-11-30 2011-06-02 Michael James Vayansky Method And Apparatus For Thermally Debindering A Cellular Ceramic Green Body
EP2585782A1 (en) * 2010-06-25 2013-05-01 Dow Global Technologies LLC Drying method for ceramic green ware
US9126869B1 (en) 2013-03-15 2015-09-08 Ibiden Co., Ltd. Method for manufacturing aluminum-titanate-based ceramic honeycomb structure
JP6246645B2 (ja) * 2014-03-28 2017-12-13 日本碍子株式会社 ハニカム成形体の乾燥方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0431372A (ja) 1992-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2922980B2 (ja) ハニカム構造のセラミックス焼結体の製造方法
EP0761279B1 (en) Honeycomb structure
JP5388916B2 (ja) ハニカム成形体の乾燥方法
US8551579B2 (en) Method for producing ceramic honeycomb structure
JPH05330943A (ja) ディーゼル粒子フィルターとして好適な多孔質セラミックの製造方法
JP2003238271A (ja) 多孔質セラミック体の製造方法
JP4222600B2 (ja) セラミックハニカム構造体の焼成方法
WO2009122538A1 (ja) ハニカム構造体
US4973566A (en) Cordierite material useful in a heat source retainer and process for making the same
EP2070890A2 (en) A silicon carbide-based porous body
JP2001130973A (ja) セラミック成形体の乾燥方法
KR100842058B1 (ko) 다공질 세라믹스 제조방법
JP5075606B2 (ja) 炭化珪素質多孔体
WO2006103963A1 (ja) ハニカム構造体
EP1197253A1 (en) Method for producing a silicon nitride filter
US11420195B2 (en) Honeycomb structure
JP3983838B2 (ja) 高強度多孔質α−SiC焼結体の製造方法
JPH04187578A (ja) 多孔質炭化珪素焼結体の製造方法
JP2002326881A (ja) 多孔質セラミックスの製造方法
JP6284002B2 (ja) セラミックハニカム構造体の製造方法
JP2002160976A (ja) セラミックハニカム構造体の製造方法
JP2002234780A (ja) 多孔質セラミックハニカム構造体の製造方法
JP2008238158A (ja) ハニカムフィルタ
JPH03271150A (ja) セラミックス成形体の凍結乾燥方法
WO2017169104A1 (ja) ハニカム成形体の乾燥方法及びハニカム構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080430

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090430

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees