JP2919945B2 - 新規シラン化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規シラン化合物およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なシラン化合物およびその製造方法に関
し、さらに詳しくは、プロピレンの重合触媒成分、シラ
ンカップリング剤などとして用いられる新規シラン化合
物およびその製造方法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) プロピレン重合を行なう際には、従来、触媒成分とし
て、アルコキシシラン類を用いると、高い立体規則性を
有する重合体を製造し得ることが知られている。しかし
ながら、従来知られているアルコキシシランなどを用い
て製造された触媒成分を用いてプロピレンを重合させて
も、高重合活性と高立体規則性の両方を十分に満足させ
ることはできなかった。
また、シラン化合物はシランカップリング剤あるいは
樹脂改質剤などとしての用途が期待されており、このた
め新規なシラン化合物の出現が望まれている。
そこで本発明は、高活性で、かつ高立体規則性である
プロピレンの重合触媒成分またはシランカップリング剤
などとして有用な新規シラン化合物およびその製造方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は第1に、 次式(I): (式中、iPrはイソプロピル基を表す) で示されるシラン化合物、すなわち、イソプロポキシシ
クロヘキシルジメトキシシランを提供するものである。
このシラン化合物(I)は、沸点が75℃/0.7mmHgであ
った。このシラン化合物の構造は、GC-MS、1HM-NMR、赤
外線吸収スペクトル(IR)等により確認することができ
る。
例えば、1H-NMRを用いて、化合物(I)を分析する
と、δ1.16、1.26および3.9〜4.5にイソプロポキシ基、
δ1.1〜2.0にシクロヘキシル基、δ3.56にメトキシ基に
基づくシグナルが観察された。
また、IRスペクトルによる分析からは、1100cm-1付近
にSiOC結合に基づく大きな吸収が観察された。
このシラン化合物(I)を触媒成分として用いると、
高立体規則性を有するポリプロピレン、ポリブテン等の
オレフィン系重合体を、高重合活性下に製造することが
できる。
また、このシラン化合物(I)は加水分解性の基を有
しているため、シランカップリング剤、重合性モノマー
および樹脂改質剤として用いることができる。
本発明は第2に、上記式(I)で示される新規シラン
化合物の製造方法を提供する。すなわち、シクロヘキシ
ルトリハロシランをイソプロピルアルコールと反応さ
せ、次いで、得られた反応物をメタノールと反応させる
ことによって上記式(I)のシラン化合物を製造するも
のである。原料となるシクロヘキシルトリハロシラン
は、次式: (Xは、ハロゲン原子を表し、好ましくはClまたはBrで
ある)で表され、シクロヘキセンおよびトリハロシラン
(H-SiX3)から、ヒドロシリル化反応により容易に製造
することができる: シクロヘキシルトリハロシラン(II)は、市販されてい
て入手可能である。
本発明はまず、上記のシクロヘキシルトリハロシラン
(II)をイソプロピルアルコールと反応させる: この反応を行なう際には、シクロヘキシルトリハロシラ
ン(II)1モルに対して、イソプロピルアルコールを1
〜3モル使用する。反応は、例えば20〜100℃の温度で1
0分間〜5時間、好ましくは40〜70℃の温度で30分間〜
2時間行なう。溶媒を使用することもでき、例えばヘキ
サン、エーテル、石油エーテル、ベンゼン等の有機溶媒
が挙げられる。
ここで、反応を速やかに進行させるために、脱ハロゲ
ン化水素剤を共存させる。脱ハロゲン化水素剤として
は、第3級アミン類、窒素含有素複環化合物、例えばピ
リジン、キノリン、イソキノリンなどが挙げられる。な
かでもピリジンおよびキノリンが好ましく用いられる。
脱ハロゲン化水素剤は、シクロヘキシルトリハロシラン
1モルに対して、1〜1.5モルの量で使用するのが好ま
しい。
本発明においては次に、得られた反応生成物(III)
をメタノールと反応させることにより、前記した本発明
のシラン化合物(I)を製造する。
この反応の際には、化合物(III)1モルに対してメタ
ノールを2〜3モル使用する。反応は、0〜100℃の温
度で10分間〜5時間、好ましくは10〜60℃の温度で30分
間〜2時間行なう。反応Cにおいても、反応を速やかに
進行させるために脱ハロゲン化水素剤を共存させる。脱
ハロゲン化水素剤としては、先に反応Bにおいて例示し
た脱ハロゲン化水素剤を使用できる。ここで使用する脱
ハロゲン化水素剤は、先の反応で使用した化合物と同一
であっても異なっていても良いが、通常では同一のもの
を使用する。脱ハロゲン化水素剤は、化合物(III)1
モルに対して2〜3モルの量で使用するのが好ましい。
また、上記した反応Bおよび反応Cにおいては、不活
性気体を吹き込むことにより、生成するハロゲン化水素
を反応系から除去して、反応を速やかに進行させること
もできる。
上記した製造方法により、新規シラン化合物(I)が
高収率で得られる。
本発明はまた、上記式(I)で示されたシラン化合物
を製造するための、上記と異なる方法を提供する。すな
わち、シクロヘキシルトリメトキシシランおよびイソプ
ロピルアルコールを、アルコール交換反応させることに
より、式(I)の化合物を製造する方法である: 上記反応式においては、化合物(IV)1モルに対して、
イロプロピルアルコールを1〜2モル使用する。反応
は、例えば50〜100℃の温度で2〜20時間行なう。この
アルコール交換反応の際には、触媒として、塩基、例え
ばアルカリ金属アルコキシド類、金属水酸化物類等を用
いる。
また、出発物質であるシクロヘキシルトリメトキシシ
ラン(IV)は、シクロヘキシルトリクロロシランとメタ
ノールとの脱塩化水素反応により製造できる。
(実施例) 以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 イソプロポキシシクロヘキシルジメトキシシランの製造
磁気撹拌子、冷却管および滴下ロートを備えた500ml
の三つ口フラスコに、シクロヘキシルトリクロロシラン
21.8g(0.100モル)およびヘキサン200mlを仕込み、こ
こに、ピリジン26.1g(0.330モル)およびイソプロピル
アルコール6.61g(0.110モル)の混合物を、室温にて撹
拌下30分間で滴下した。さらに1時間撹拌を続けた後、
ここにメタノール7.05g(0.220モル)を添加し、さらに
1時間撹拌を続けてから反応を終了した。
生成した塩を濾過により除去し、次いでヘキサンを留
去した後、減圧蒸留することにより、沸点が75℃/0.7mm
Hgの液体17.9g(0.0770モル)を得た。この生成物がイ
ソプロポキシシクロヘキシルジメトキシシランであるこ
とを、GC-MS、1H-NMRおよびIRによって確認した。1H-NM
RおよびIRの測定結果をそれぞれ第1図および第2図に
示した。収率は77%であった。
なお、GC-MSの結果は以下の通りであった:m/e(スペ
クトル強度比):232(2)、173(4)、151(14)、14
9(57)、135(13)、117(5)、109(36)、107(10
0)、91(25)、55(17) 実施例2 イソプロポキシシクロヘキシルジメトキシシランの製造
磁気撹拌子および冷却管を備えた100mlの三つ口のフ
ラスコに、シクロヘキシルトリメトキシシラン25.0g
(0.122モル)、イソプロピルアルコール7.33g(0.122
モル)およびカリウムtert−ブトキシド20mg(0.18ミリ
モル)を仕込み、80℃の油浴で10時間加熱撹拌して反応
させた。冷却後、塩化アンモニウムを添加することによ
りアルカリを中和し、次いで減圧蒸留することにより、
イソプロポキシシクロヘキシルジメトキシシラン4.90g
(0.0211モル)を得た。構造は、実施例1と同様にして
確認した。収率は21%であった。
(発明の効果) 本発明により、プロピレンの重合触媒成分、シランカ
ップリング剤などとして有用な新規なシラン化合物およ
びその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ、実施例1で製造したイ
ソプロポキシシクロヘキシルジメトキシシランについて
1H-NMRおよびIRのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−156305(JP,A) 特開 昭59−227446(JP,A) 特開 平3−119004(JP,A) 特開 平6−184215(JP,A) C.Eaborn,“ORGANOS ILICON COMPOUNDS”, (1960)BUTTERWORTHS S CIENTIFIC PUBLICAT IONS,P.288,295−296 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/18 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I): (式中、iPrはイソプロピル基を表す) で示されるシラン化合物。
  2. 【請求項2】脱ハロゲン化水素剤の存在下においてシク
    ロヘキシルトリハロシランをイソプロピルアルコールと
    反応させ、次いで、得られた反応物をメタノールと反応
    させることを特徴とする請求項1記載のシラン化合物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】シクロヘキシルトリメトキシシランおよび
    イソプロピルアルコールを、塩基触媒の存在下にアルコ
    ール交換反応させることを特徴とする請求項1記載のシ
    ラン化合物の製造方法。
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