JP2919885B2 - 制振性ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

制振性ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びその成形品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動減衰性に優れ、かつ高剛性を有する制
振性ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物及びこれ
を成形してなる制振性部品に関する。
〔従来の技術とその課題〕
近年、各種機器を振動源対策に目が向けられ、振動制
御(制御)性能を有する材料が要求されるようになって
きた。特にCD等のAV(オーディオビジュアル)用機構部
品、スピーカー用部品、自動車のエンジン周りのボディ
ーパーツにはその性能上、振動が持続しないこと、又振
動が伝播し難いことが望まれることが多い。
従来、かかる制振性手段としては、制振用複合金属板
が多用されている。これは、金属板の中間層に弾性ポリ
マーを使用することにより振動を吸収減衰させるもので
あり、このような複合金属板はエンジン、モーター等の
振動発生源を囲む形で使用されている。しかしながら、
かかる制振用複合金属板は加工が煩雑な上、複雑な形状
をもつ部品に応用すことは極めて困難であった。
この観点から射出成形によって効率的に複雑な形状を
部品が成形しうる熱可塑性従樹脂により上記部品を製造
するのが好ましいが、特に振動制振機能を特長とし、他
の一般的物性も兼ね備えた機能性樹脂は開発されておら
ず、単に剛性や比重のあるものを使用したり、使用材料
の欠点を補うために寸法を考慮する等の工夫がなされて
いるのが現状である。
かかる状況の中、特に射出成形部品として良好な一般
物性を有するポリアルキレンテレフタレート樹脂への制
振性機能の付与は、実用上極めて有用である。例えば、
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等は、機械的
性質、電気的性質、その他物理的・化学的特性に優れ、
又ガラス繊維、カーボン繊維の添加による機械的性質の
向上度合が大きく、更には加工性が良好であるがゆえに
エンジニアリングプラスチックとして自動車、電気・電
子部品等の広汎な用途に使用されている。しかしなが
ら、PBTはそれ自身では制振性が十分でなく、単に強化
用繊維等の無機充填剤による剛性向上による多少の効果
が期待されるのみであり、振動吸収性(振動減衰性)に
は尚十分ではない。
ポリアルキレンテレフタレートは、前述の如く各種特
性に優れ、又成形性にも優れる為、それを基体樹脂とす
る優れた振動減衰性を有する制振材料の開発が強く期待
されている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる現状に鑑み、ポリアルキレンテレ
フタレート樹脂の制振化について鋭意検討を重ねた結
果、ポリアルキレンテレフタレート樹脂を主体とし、こ
れに特定の重合体と更に特定のガラス繊維とを配合する
ことによって、振動減衰性に優れ、かつ高剛性を有する
材料が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、 (A)ポリアルキレンテレフタレート樹脂60〜97重量%
と (B)液晶性ポリエステル樹脂及びアクリル系樹脂から
選択された少なくとも1種の重合体40〜3重量%からな
る樹脂成分に、 (C)長さ方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線
距離)と短径(長径と直角方向の直線距離)の比が1.5
〜5の間にある扁平な断面形状を有するガラス繊維5〜
60重量%(対組成物全量) を配合したことを特徴とする制振性ポリアルキレンテレ
フタレート樹脂組成物、並びにこれを成形してなる制振
部材用成形品を提供するものである。
以下、本発明の制振性ポリアルキレンテレフタレート
樹脂の構成成分について詳しく説明する。
まず、本発明に用いられるポリアルキレンテレフタレ
ート樹脂(A)は、アルキレングリコール、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等とテレフタル酸又はその
低級アルコールとのエステルとを公知の方法で重縮合し
て得られるポリエステルであり、これに共重合し得る第
3成分を共重合させた共重合体も含む。
第3成分の例を示せば、イソフタル酸、メチルイソフ
タル酸、メチルテレフタル酸、ジフェニルジカルボン
酸、ナフタレンジカルボン酸、ポリオキシアルキレング
リコール等であり、これらの1種又は2種以上が混合使
用できる。
本発明では、上記の如き化合物をモノマー成分とし
て、重縮合により生成するポリアルキレンテレフタレー
ト樹脂は何れも本発明の(A)成分として使用すること
ができ、単独で、又は2種以上混合して使用されるが、
好ましくはポリブチレンテレフタレート、又はポリブチ
レンテレフタレートを70重量%以上含有する共重合体が
好ましく使用される。又、ポリブチレンテレフタレート
又はその共重合体とポリエチレンテレフタレート又はそ
の共重合体との混合物も、(A)成分として好ましく使
用される。
本発明においては、上記ポリアルキレンテレフタレー
ト樹脂(A)に、液晶性ポリエステル樹脂及びアクリル
系樹脂から選択された少なくとも1種の重合体(B)が
配合される。
(B)成分として用いられる液晶性ポリエステルと
は、それ自身溶融加工性ポリエステルで、溶融状態でポ
リマー分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を有してい
る。分子がこのように配列した状態をしばしば液晶状態
又は液晶性物質のネマチック相という。このようなポリ
マー分子は、それ自身では一般に細長く、偏平で、分子
の長軸に沿ってかなり剛性が高く、普通は同軸又は平行
のいずれかの関係にある複雑の連鎖伸長結合を有してい
るようなポリマーからなる。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の
偏光検査法により確認することができる。より具体的に
は、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用
し、Leitzホットステージにのせた溶融試料を窒素雰囲
気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本
発明のポリマーは直交偏光子の間で検査したときにたと
え溶融静止状態であっても偏光は透過し、光学的に異方
性を示すものである。
本発明で(B)成分として用いられる異方性溶融相を
示すポリマーは、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエ
ステルアミドが好ましく、芳香族ポリエステル及び芳香
族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポ
リエステルも好ましい例である。
特に好ましくは、芳香族ヒドロキシルカルボン酸、芳
香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシ
アミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1
種以上の化合物を構成成分として有する液晶性芳香族ポ
リエステル、液晶性芳香族ポリエステルアミドである。
より具体的には、 1) 主として芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘
導体の1種又は2種以上からなるポリエステル 2) 主として a) 芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の
1種又は2種以上と b) 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び
その誘導体の1種又は2種以上と c) 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオ
ール及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とか
らなるポリエステル 3) 主として a) 芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の
1種又は2種以上と b) 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及び
その誘導体の1種又は2種以上と c) 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び
その誘導体の1種又は2種以上とからなるポリエステル
アミド 4) 主として a) 芳香族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体の
1種又は2種以上と b) 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン及び
その誘導体の1種又は2種以上と c) 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸及び
その誘導体の1種又は2種以上と d) 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオ
ール及びその誘導体の少なくとも1種又は2種以上とか
らなるポリエステルアミド が挙げられる。
本発明の液晶性ポリエステルを構成する具体的化合物
の好ましい例は、p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル
酸、ハイドロキノン、p−アミノフェノール及びp−フ
ェニレンジアミン等のパラ位置換のベンゼン化合物及び
それらの核置換ベンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、
メチル、フェニル、1−フェニルエチルより選ばれ
る)、イソフタル酸、レゾルシン等のメタ位置換のベン
ゼン化合物等、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ジ
ヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン
及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフタレン化
合物、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジヒド
ロキシビフェニル等のビフェニル化合物等である。
又、本発明に使用される液晶性ポリエステルは、上述
の構成成分の他に同一分子鎖中に部分的に異方性溶融相
を示さないポリアルキレンテレフタレートがあってもよ
い。この場合のアルキル基の炭素数は2乃至4である。
上述の構成成分の内、パラ位置換ベンゼン化合物、ナ
フタレン化合物、ビフェニル化合物より選らばれる1種
若しくは2種以上の化合物を必須の構成成分として含む
ものが更に好ましい例である。又、p−位置換ベンゼン
化合物の内、p−ヒドロキシ安息香酸、メチルハイドロ
キノン及び1−フェニルエチルハイドロキノンは特に好
ましい例である。
構成成分となるエステル形成性の官能基を有する化合
物の具体例及び本発明で用いられるのに好ましい異方性
溶融相を形成するポリエステルの具体例については特公
昭63−36633号公報に記載されている。
本発明で用いるのに好適な液晶性ポリエステルは一般
に重量平均分子量が約2,000〜200,000、好ましくは約1
0,000〜50,000である。一方、好適な芳香族ポリエステ
ルアミドは一般に分子量が約5,000〜50,000、好ましく
は約10,000〜30,000、例えば15,000〜17,000である。
次に、(B)成分に使用できるアクリル系樹脂とは、
アクリル酸、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−n−ヘキシル、アクリル酸−n−オク
チル等)、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル(例
えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、
メタクリル酸−n−アミル、メタクリル酸−n−オクチ
ル等)などの単独重合体もしくはスチレン、アクリロニ
トリル、ブタジエン、イソプレン等との共重合体であ
る。これらの共重合体はランダム共重合体、ブロック共
重合体等いずれも用いることができる。これらの内、好
ましくはメタクリル酸エステルの単独重合体又は共重合
体、更に好ましくはメタクリル酸メチル重合体、又はメ
タクリル酸メチルを主成分としてアクリル酸エステルも
しくはメタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル以
外)、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロ
ニトリル等を含む共重合体が好ましく用いられる。
本発明においては、前記樹脂成分の(A)ポリアルキ
レンテレフタレートと(B)液晶性ポリエステル及びア
クリル系樹脂から選択された少なくとも1種の重合体と
を、樹脂成分の全重量に基づきそれぞれ60〜97重量%
(A)及び40〜3重量%(B)、好ましくは70〜90重量
%(A)及び30〜10重量%(B)になるような割合で配
合する。(B)成分の配合量が3重量%未満では振動減
衰性の改善効果が十分に発揮されないし、40重量%を越
えると得られる樹脂はポリアルキレンテレフタレート本
来の特性が失われ、又経済的にも好ましくない。
上述の如く、ポリアルキレンテレフタレート(A)に
特定の(B)成分を配合することにより、振動減衰性が
改善されるが、その作用効果は、(B)成分自身の剛性
が(A)成分に比べて高く、かつ(A)成分と(B)成
分の分散構造が適しているものと推測される。一般に完
全相溶系では減衰性の改善は認められず、又完全な非相
溶系では表層剥離等の不具合を生じる。
本発明においては、前記の樹脂成分に対し、更に扁平
な断面形状を有するガラス繊維(C)が配合される。
本発明で用いられるガラス繊維(C)は、断面が従来
のような円形ではなく、扁平な形状であることを特徴と
している。
従来の円形ガラスが合された組成物は、本発明の目的
である振動減衰性の改善にあまり効果が認められないの
に対し、意外にも本発明の如く断面形状が扁平なガラス
繊維を用いた場合、ポリアルキレンテレフタレート樹脂
本来の機械的性質を犠牲にすることなく、減衰性が著し
く改善されることが判明した。
かかる目的で使用する扁平な断面形状を有するガラス
繊維(C)とは、長さ方向に直角の断面に於いて、長径
(断面の最長の直線距離)と短径(長径と直角方向の最
長の直線距離)の比が1.5〜5のものである。具体的な
形状としては、まゆ形、長円形、楕円形、半円若しくは
円弧形、矩形又はこれらの類以形であって、特にまゆ
形、長円形及び楕円形に属するものが好ましい。
上記長径と短径の比が1.5より小さいものは効果が少
ない。しかし、長径と短径の比が5を越えるものはその
製造自体が困難である。
次に上記ガラス繊維(C)の断面積は、大きくなるに
伴い十分な制振効果が得られなくなり、又、あまりに過
小になるとそれ自体の製造が困難になり、又取り扱い上
の問題も生じる。よって本発明におけるガラス繊維の断
面積は、2×10-5〜8×10-3mm2、好ましくは8×10-5
〜8×10-3mm2である。
ガラス繊維(C)の長さは任意であるが、成形品の機
械的強度の面からは成形品中平均繊維長が少なくとも30
μm以上で長い方が好ましく、要求される性能に応じて
適宣選択される。通常は50〜1000μmが好ましい。
これらのガラス繊維(C)は、その取り扱い及び樹脂
との密着性の見地から、使用にあたって必要ならば収束
剤又は表面処理剤を使用することが望ましい。例えば、
エポキシ係化合物、イソシアネート係化合物、シラン係
化合物、チタネート係化合物等、公知の表面処理剤、収
束剤の使用が可能である。ガラス繊維はこの等の化合物
により、予め表面処理又は収束処理を施して用いるか、
又は樹脂材料調製の際同時に添加してもよい。
かかる偏平断面を有する本発明のガラス繊維(C)
は、例えば溶融ガラスを吐出するために使用するブッシ
ングとして、長円形、楕円形、矩形、スリット状等の適
当な孔形状を有するノズルを用いて紡糸することにより
調製される。又、各種の断面形状(円形断面を含む)を
有する近接して設けられた複数のノズルから溶融ガラス
を紡出し、紡出された溶融ガラスを互いに接合して単一
のフィラメントとすることにより調製できる。
本発明において用いられるガラス繊維(C)の配合量
は5〜60重量%(対組成物全量)であり、好ましくは10
〜50重量%である。5重量%未満では所望の効果が得ら
れず、60重量%を越えると成形加工が困難になる。ま
た、併用される上記官能性表面処理剤等の使用量は、ガ
ラス繊維(C)に対し0〜10重量%、好ましくは0.05〜
5重量%である。
かかる成分(A),(B),(C)からなるポリアル
キレンテレフタレート樹脂組成物より得られる成形品
は、従来の制振化の主手段であった高剛性に加え、更に
振動減衰(振動吸収性)に優れた性能を示し、従来のガ
ラス繊維強化ポリエステル樹脂では得られなかった極め
て良好な制振性を有する。
本発明の樹脂組成物は、このままで用いても優れた性
能を示すものであるが、更にその目的を阻害しない範囲
で本発明の(B)成分以外の熱可塑性樹脂、(C)成分
以外の繊維状、又は粉粒状及び/又は板状の無機充填剤
を補助的に少量併用することが可能である。
又、本発明組成物には、更にその目的に応じ所望を特
性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性
樹脂等に添加される公知の物質、即ち酸化防止剤や耐熱
安定剤、紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、滑剤、
離型剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤及び結
晶化促進剤、結晶核剤等を配合することが可能である。
次に本発明の樹脂組成物の調製は、従来の強化充填剤
入樹脂組成物の調製法として一般に用いられる方法によ
り容易に調製される。即ち、ガラス繊維としては、適当
な寸法に集束切断されたチョップドストランド或いはロ
ービング又はフィラメント状等のものを何れも常法通り
使用できる。又、例えば各成分を混合した後、押出機に
より練込み押出して、ペレットを調製し、しかる後成形
する方法、一旦組成の異なるペレット(マスターバッ
チ)を調製し、そのペレットを所定量混合(稀釈)して
成形に共し、成形後に目的組成の成形品を得る方法、成
形機に各成分を直接仕込む方法等、何れも使用できる。
成形法も、目的とする部品の形状、構造等に応じ熱可
塑性樹脂を成形法として一般に知られている何れの方法
も可能であるが、射出成形が最も好ましい。
〔実 施 例〕
以下本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。尚、評価の方法は以下の通りであ
る。
振動減衰率の測定: 幅約13mm、長さ約130mm、厚さ約3mmの試験片を成形
し、試験片を図1に示す如く固定して一端に一定の自由
振動を与え、デジタルオシロスコープを使用して時間と
出力暗電圧の変化(減衰曲線)を測定し、下記式を用い
て単位時間(秒)当たりの対数減衰率を求めた。
T:周期(sec) Xn;ある時刻における振幅 Xn+1;Xnから1周期後の振幅 曲げ弾性率; ASTM D790に準じて曲げ弾性率を測定。
実施例1〜5 (A)成分としてポリブチレンテレフタレートと、
(B)成分として後記の各種液晶性ポリエステルと、
(C)成分として断面の長径/短径比約2.3のまゆ形断
面形状を有する収束した長さ3mmのチョップドストラン
ドガラス繊維とを添加混合し、押出機にてペレットを得
た。
次いでこのペレットを用い、射出成形により試験片を
作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6〜10 (A)成分として実施例1のポリブチレンテレフタレ
ートと、(B)成分としてアクリル系樹脂(メタクリル
酸メチル樹脂)と、(C)成分として実施例1のチョッ
プドストランドガラス繊維を添加混合し、実施例1と同
様にペレットを0調製し、前記の評価を行った。結果を
表1に示す。
比較例1〜12 ポリブチレンテレフタレート(A)に、(B)成分を
加えない場合、及び本発明の要件に属さない円形断面を
有する長さ3mmのチョップドガラス繊維のみを添加した
もの、更にガラス繊維と(B)成分を併用添加したもの
を表2に示す如く添加混合して、実施例と同様にペレッ
トを調製し、前記の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例13 ポリブチレンテレフタレート(A)にポリカーボネー
ト及び実施例1で用いたチョップドストランドガラス繊
維(C)を添加混合したものについて、実施例と同様に
ペレットを調製し、前記の評価を行った。結果を表2に
示す。
実施例11、比較例14 (A)成分として実施例3に用いたポリブチレンテレ
フタレートの代わりに、ポリエチレンテレフタレートと
変性ポリエチレンテレフタレートの混合ポリマーを用い
る以外は、実施例3と同様にペレットを調製し、前記の
評価を行った。又、比較の為、円形断面を有するガラス
繊維を用いたものについて評価を行った。結果をそれぞ
れ表1及び表2に示す。
実施例12 (A)成分として実施例7に用いたポリブチレンテレ
フタレートと、(B)成分としてアクリル系樹脂と、
(C)成分として断面の長径/短径比約1.8の楕円断面
形状を有する3mmのチョップドストランドガラス繊維と
を添加混合し、実施例7と同様にペレットを調製し、前
記の評価を行った。結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 以上の説明及び実施例より明らかな如く、特定の重合
体、及び特定の断面形状を有するガラス繊維を配合して
なる本発明のポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物
は、成形品の振動減衰性を大幅に改善することができ、
しかも従来のガラス繊維強化ポリエステル樹脂に比べ、
強度、剛性の機械的性質において劣るところはなく、優
れた制振効果を有するものである。
従って、本発明の組成物は、エンジン、モーター等の
発振源を有する自動車、例えばルームミラー、フェンダ
ーミラー等の構造部品、AVメカ、OA機器等の直接構造部
品として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は実施例における振動減衰率の測定状況を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−45456(JP,A) 特開 昭62−283853(JP,A) 特開 昭62−202837(JP,A) 特開 昭62−187136(JP,A) 特開 昭61−219731(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアルキレンテレフタレート樹脂
    60〜97重量%と (B)液晶性ポリエステル樹脂及びアクリル系樹脂から
    選択された少なくとも1種の重合体40〜3重量%からな
    る樹脂成分に、 (C)長さ方向に直角の断面の長径(断面の最長の直線
    距離)と短径(長径と直角方向の直線距離)の比が1.5
    〜5の間にある扁平な断面形状を有するガラス繊維5〜
    60重量%(対組成物全量) を配合したことを特徴とする制振性ポリアルキレンテレ
    フタレート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】樹脂成分(B)中のアクリル系樹脂がメタ
    クリル酸エステル単独重合体又は共重合体である請求項
    1記載の制振性ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】樹脂成分(B)中の液晶性ポリエステル樹
    脂が芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボ酸、
    芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジア
    ミンからなる群より選択された1種以上の化合物を構成
    成分として有する液晶性芳香族ポリエステル又は液晶性
    芳香族ポリエステルアミドである請求項1記載の制振性
    ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(C)成分のガラス繊維が、まゆ形、長円
    形、楕円形、半円もしくは円弧形、矩形又はそれらの類
    以形より選ばれた断面形状を主体とするものである請求
    項1〜3のいずれか1項記載の制振性ポリアルキレンテ
    レフタレート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分のポリアルキレンテレフタレー
    ト樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、又はポリブチ
    レンテレフタレートを70重量%以上含有する共重合体で
    ある請求項1〜4のいずれか1項記載の制振性ポリアル
    キレンテレフタレート樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(A)成分のポリアルキレンテレフタレー
    ト樹脂が、ポリブチレンテレフタレート又はその共重合
    体とポリエチレンテレフタレート又はその共重合体との
    混合物である請求項1〜4のいずれか1項記載の制振性
    ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項記載の制振性
    ポリアルキレンテレフタレート樹脂組成物を成形してな
    る制振性部品。
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