JP2919206B2 - アルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油及びそれを用いる冷間圧延方法 - Google Patents

アルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油及びそれを用いる冷間圧延方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム及びアル
ミニウム合金(以下、単にアルミニウムという)の圧延
における圧延油に関し、特に潤滑性が非水系圧延油ある
いは従来の水溶性圧延油より優れ、しかも圧延後の板材
を焼鈍した際にオイルステンの発生しない水溶性冷間圧
延油及びそれを用いたアルミニウムの冷間圧延方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来アルミニウムの冷間圧延には、非水
系の圧延油が使用されてきた。この圧延油は、40℃に
おける粘度が3〜4cstの精製鉱油を基油として、こ
れに油性剤としてラウリルアルコールを混合したもので
ある。
【0003】これは光沢のよい板を得ることができる点
で優れているが、冷却能が水系圧延油に比べると低いた
め、高速、高圧下圧延ではロールや板の温度上昇が著し
く、板の形状制御が困難となり、かつ火災の発生の危険
もあるという欠点がある。
【0004】そこで上記欠点を解消するため、水溶性圧
延油及びその使用技術の開発が行われ、90〜98wt
%の水に鉱油、アルコキシアルキル・エステルを含有す
る潤滑剤(特開昭62−172095)、炭素数を規定
した直鎖オレフィン(α−オレフィン)と水とを公知の
乳化剤を添加してエマルジョンにした塑性加工用潤滑剤
(特開平2−133495)、C数12〜18の脂肪酸
とソルビタンエステルを含有する潤滑剤をW/Oあるい
はW/O/Wエマルジョンとしてアルミニウムの圧延潤
滑に使用する方法(特開昭60−248797)、10
0゜Fにおける動粘度が2〜8のパラフィン系鉱油、脂
肪酸グリコールエステル及び/又は分子量350〜80
0のポリイソブチレンを配合した混合物、長鎖グリコー
ル、分子量800〜6000のポリオキシエチレングリ
コール、又は分子量150〜1200のポリオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルリン酸エステル塩、アルキルアミン及び/又はトリエ
タノールアミン脂肪酸塩、炭素数12〜16の飽和アル
コール、α−ブロムシンナムアルデヒド、残部水からな
る冷間圧延用水溶液性潤滑剤などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−17
2095の発明は、潤滑剤組成の主成分は鉱油であり、
冷間圧延用としては40℃で3〜5cstの軽質鉱油が
望ましいとしている。
【0006】確かに40℃で5cst以上の粘度を有す
る鉱油を用いた潤滑剤でアルミニウムを圧延し、その圧
延材を330℃以下の温度で焼鈍すると、潤滑剤の燃焼
残渣が材料表面に残り、オイルステンを発生させてしま
う。
【0007】したがって、40℃で5cst以下の鉱油
を用いなければならないが、その場合は同一粘度の鉱油
を用いた非水系の潤滑剤に比べ、著しく潤滑性が悪く、
水溶化した特徴が失われてしまう。すなわち、特開昭6
2−172095の発明の潤滑剤は同一粘度レベルの非
水系潤滑油に比べ潤滑性が著しく悪いという欠点があ
る。又、特開平2−133495では直鎖オレフィン
(αオレフィン)を水に分散させエマルジョンとして用
いるという記述があるが、何らかの乳化剤を用いないと
乳化が不安定すぎ潤滑不良になってしまう。また、同公
報には各種公知の乳化剤を適宜添加するという記述もあ
るが、一般に乳化剤は、熱分解しにくく圧延材を焼鈍す
る際に残渣を生ぜしめるので、適宜添加などできないこ
とである。
【0008】要するに特開平2−133495の発明
は、直鎖オレフィンをエマルジョンとしても使用可能で
あるとしているが、その場合に具体的にどのように乳化
安定剤と組み合わせて用いるのかは全く不明である。
【0009】特開昭60−248797では、C数12
〜18の脂肪酸とソルビタンエステルを含有する潤滑剤
をW/OあるいはW/O/Wエマルジョンとしてアルミ
ニウムの圧延潤滑に使用すると、C数12〜18の脂肪
酸やソルビタンエステルにはウオーターステン防止効果
があるが、オイルステンの発生を防止することができな
い。
【0010】特開昭50−67304では全般的に分子
量の大きい物質を多用しているため、オイルステンの発
生が懸念される。特にリン酸エステル塩は、オイルステ
ンの発生が助長されるため、アルミニウム冷間圧延油添
加剤としては適当でない。また、増粘剤としてポリイソ
ブチレンが使用されているが、分子量が350〜800
と大きいためオイルステインの原因になっている。
【0011】そこで本発明の目的は、潤滑性が非水系圧
延油より優れ、しかも圧延後の板材を焼鈍した際にオイ
ルステンの発生のない水分散性冷間圧延油及びそれを用
いた冷間圧延方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、特定ポリオレフィン系基油に、特定のα−オレ
フィンと特定の添加剤を組合せることにより、上記の要
求特性を満たした冷間圧延油とすることができることを
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、分子量
200〜330のポリプロピレン、ポリイソブチレン及
びポリブテンの少なくとも一種以上からなる基油8〜9
3wt%に、下記(1)式に示すα−オレフィン5〜90
wt%、及び下記(2)式に示す高級アルコ−ル誘導体、
(3)、(4)式に示すトリメチロ−ルプロパン誘導体及び
(5)、(6)、(7)、(8)、(9)式に示すオキシモノ又はジカ
ルボン酸のアルコ−ルエステルからなる群から選ばれた
油性剤の1種以上を2〜20wt%添加したことを特徴
とするアルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延
油。
【0013】 CH2=CH(CH2nCH3 (1) (式中、nは9〜25を示す) R1O(Cm2mO)nH (2) (式中、R1は炭素数10〜22のアルキル基、mは2
〜4の整数、nは1〜3の整数を示す) CH3CH2C(CH2OCOR22CH2OH (3) (式中、R2は炭素数1〜9のアルキル基を示す) CH3CH2C[CH2O(Cm2mO)nCOR32CH2OH (4) (式中、R3は炭素数1〜9のアルキル基、mは2〜4
の整数、nは1〜3の整数を示す) CH3CH(OH)COOR4 (5) (式中、R4は炭素数1〜18のアルキル基を示す)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R5は炭素数1〜18のアルキル
基を示す)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R6は炭素数1〜18のアルキル
基を示す) R7OOCCH(OH)CH2COOR8 (8) (式中、R7、R8は炭素数1〜18のアルキル基を示
す) R9OOCCH(OH)CH(OH)COOR10 (9) (式中、R9、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示
す)を第一の発明とし、又、前記圧延油を5〜20wt
%濃度の水性エマルジョンとしたアルミニウム又はアル
ミニウム合金の冷間圧延油を第二の発明とし、さらに前
記圧延油を5〜20wt%濃度の水性エマルジョンと
し、これをアルミニウムの冷間圧延時の冷却・潤滑油と
して使用する冷間圧延方法を第三の発明とするものであ
る。
【0018】次に、本発明において使用する各構成材料
について説明する。
【0019】ポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポ
リブテン アルミニウム冷間圧延油の基油として、これら物質は分
子量200〜330であることが望ましい。分子量20
0未満の物質では粘度が低すぎ、潤滑性が不足する。分
子量が330を越える物質ではオイルステンが発生する
ので使用することができない。なお、これらオリゴマー
は水素添加していないものが望ましいが、水素添加した
ものでも構わない。
【0020】αオレフィン αオレフィンは末端に二重結合を有し、アルミニウムに
対する化学吸着力は大きいため、油性剤の機能をもって
いる。αオレフィンの吸着力はポリブデン、ポリプロピ
レン及びポリイソブチレンのそれよりも大きいが、ロー
ルと板材との間への導入量はポリブテン、ポリプロピレ
ン及びポリイソブチレンのそれよりも少ない傾向にある
と考えられる。
【0021】上記基油へ添加する割合が5%未満では、
潤滑性が不足し、90wt%を越えると、均一なエマル
ジョンが形成し難くなる。また、式(1)においてnが9
未満では潤滑性が不足し、nが25を越えると融点が高
く使用しにくい。
【0022】式(1) で示されるαオレフィンとしては、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1
−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン
等が挙げられる。
【0023】上記基油とαオレフィンとを適宜組み合わ
せることにより、ロールと板との間への導入量を多く
し、かつ、化学吸着力を増すことができ、潤滑性は単独
使用時のそれよりも向上するのである。
【0024】高級アルコール誘導体 一般式(2) で示されるこれら化合物は優れた油性剤とし
て機能し、かつ、自己乳化性も有するので、水溶性冷間
圧延油の添加剤として好適である。
【0025】添加量が2wt%未満では潤滑性が不足
し、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオ
イルステンが発生し好ましくない。
【0026】一般式(2) で示される化合物としては例え
ば、オキシエチレンデシルエーテルオキシエチレンセチ
ルエーテル、オキシエチレンベヘニルエーテル、ジオキ
シエチレンデシルエーテル、ジオキシエチレンセチルエ
ーテル、ジオキシエチレンベヘニルエーテル、等が挙げ
られる。
【0027】なお、これらアルコールの炭化水素基は直
鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれでもよい。
【0028】R1のC数が上限より大きいとオイルステ
ンが発生する。又、m、nともに上限より大きいとオイ
ルステンが発生する。
【0029】トリメチロールプロパン誘導体 一般式(3)(4)で示される化合物は優れた油性剤として機
能する。特に、一般式(4) で示される化合物は自己乳化
性も有するので、水溶性冷間圧延油の添加剤として好適
である。
【0030】添加量が2wt%未満では潤滑性が不足
し、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍した時にオ
イルステンが発生して好ましくない。
【0031】一般式(3)(4)で示されるエステルとしては
例えば、トリメチロールプロパンジアセテート、トリメ
チロールプロパンジヘキサノエート、トリメチロールプ
ロパンジデカノエート、トリメチロールプロパンエチレ
ンオキサイド3モル付加物トリ酢酸エステル、トリメチ
ロールプロパンエチレンオキサイド3モル付加物トリカ
プロン酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイド3モル付加物トリカプリン酸エステル、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイド6モル付加物トリ
酢酸エステル、トリメチロールプロパンエチレンオキサ
イド6モル付加物トリカプロン酸エステル、トリメチロ
ールプロパンエチレンオキサイド6モル付加物トリカプ
リン酸エステル、等が挙げられる。
【0032】なお、これらエステルの酸の炭化水素基は
直鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素の何れでもよ
い。
【0033】RのC数が上限より大きいとオイルステン
が発生する。また、m、nともに上限より大きいとオイ
ルステンが発生する。
【0034】オキシモノまたはジカルボン酸のエステル
一般式(5)〜(9)で示されるこれら化合物は優れた油性剤
として機能する。
【0035】添加量が2wt%未満では潤滑性が不足
し、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオ
イルステンが発生し好ましくない。
【0036】一般式(5)〜(9)で示されるエステルとして
は例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、サルチル酸メチ
ル、サリチル酸エチル、トリヒドロキシ安息香酸メチ
ル、トリヒドロキシ安息香酸エチル、リンゴ酸ジメチ
ル、リンゴ酸ジトリデシル、リンゴ酸ジステアリル、酒
石酸ジメチル、酒石酸ジエチル等が挙げられる。
【0037】なお、これらエステルのアルコールの炭化
水素基は直鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれ
でもよい。
【0038】RのC数が上限よりも大きいとオイルステ
ンが発生し好ましくない。
【0039】酸化防止剤、防腐剤、防錆剤 本発明の圧延油においては、必要に応じ少量の酸化防止
剤、防腐剤、防錆剤等を添加することができる。
【0040】酸化防止剤は、圧延油が空気と接触した際
に、酸化を受けて固有の物質が損なわれることがあり、
この酸化を防ぐために必要に応じて添加する。代表的な
酸化防止剤として、N−サリシロイル−N´−アルデヒ
ドヒドラジン、α−ナフチルアミン、2,6−ジ第3ブ
チル−P−クレゾール、2,4−ジ−メチル−6−第3
ブチルフェノール等が挙げられる。
【0041】防腐剤は、エマルジョン中には、バクテリ
アやかびなどが繁殖する可能性があり、必要に応じて添
加し、エマルジョンの腐敗を防止する。代表的な防腐剤
として、トリアジン化合物、チアゾリン化合物、モルホ
リン化合物、フェノール化合物が挙げられる。
【0042】次に、第二発明及び第三発明に使用する水
性エマルジョンの形成について述べる。
【0043】エマルジョンの形成(水と油との混合) 一般にエマルジョンは水と油とを槽の中で撹拌して形成
させるが、本発明の圧延油は乳化剤を積極的には使用し
ていないので、このような方法でエマルジョンを形成さ
せることはできない。
【0044】そこで図1に示すような混合器を用い、圧
送された水に油を圧入してエマルジョンを形成する。圧
送された水の圧力は2×98.1KPa(2気圧)以上
とし、圧入される油の圧力は水の圧力よりも2×98.
1KPa(2気圧)以上高くすることによってエマルジ
ョンが得られる。
【0045】本発明のアルミニウム用水分散性冷間圧延
油をこのような方法で3〜30%のエマルジョンとした
場合のエマルジョン平均粒径は3〜50μmで圧延潤滑
に好適な乳化状態であった。なお、やや粒径の小さなエ
マルジョンを形成させたい場合には、水と油とを混合し
た後にスタティックミキサーを挿入することが効果的で
ある。
【0046】このようにして形成したエマルジョンをア
ルミニウムの冷間圧延の冷却・潤滑油として供する。そ
して、使用後のエマルジョンは、以下に説明する油水分
離工程及び濾過工程にて処理される。
【0047】油水分離工程 後述する瀘過工程で微細な摩耗粉を除去するためには、
珪藻土と活性白土とを瀘過助剤とした瀘過が好ましい
が、エマルジョンの状態では不可能である。そこで、油
水分離工程で微小摩耗粉の大半が分離油中に移行するよ
うに油と水に分離する。分離した油は前述の珪藻土白土
瀘過を行う。この際、高い除去率や瀘過寿命を長く維持
するためには、分離した油中の水分量を2000ppm
以下にする必要がある。また、水中には比較的大きな摩
耗粉が存在する。この水も後述の瀘過を行うが、瀘過寿
命の関係から、油分量を2000ppm以下にするよう
な遠心分離装置が好ましい。なお、この遠心分離装置を
用いることにより、連続処理が可能となる。
【0048】また、繊維膜分離機は繊維の孔径1〜50
μmのものを使用するのが好ましい。
【0049】瀘過工程 分離された油中には微細な摩耗粉が含まれているので珪
藻土と活性白土を瀘過助剤とした精密瀘過を行う。分離
された水中には少量の油分と比較的大きな金属粉が含ま
れているので珪藻土を瀘過助剤とした瀘過あるいはペー
パーフィルターによる瀘過を行えばよい。
【0050】
【実施例】
実施例1 被圧延材として板厚1.2mm、幅70mm、長さ45
0mmのJIS 5052アルミニウム合金板材をロ−
ル径155mmの圧延機で圧延速度35m/minで圧
下率60%圧延した際の圧延荷重を測定した。
【0051】圧延に供したエマルジョンは、水圧3×9
8.1KPa、油圧8×98.1KPa、全流量41/
minの条件で形成した油分濃度10%のものであっ
た。
【0052】使用後のエマルジョンを直ちに遠心分離装
置で油と水とに分離した。分離した油は珪藻土白土濾過
し、分離した水は珪藻土濾過して摩耗粉を除去し、循環
使用した。結果を表1に示した。
【0053】発明例のNo.1〜43はいずれも圧延荷
重が20Ton−f以下であり、焼鈍した際にオイルス
テンの発生は認められなかった。
【0054】しかし、比較例の No.44,46,48はオリゴマーの分子量が小さい
こと、 No.50はαオレフィンのC数が少ないこと、 No.51はαオレフィンの添加量が少ないこと、 No.52〜54は油性剤の添加量が少ないこと、 No.57はオリゴマー量が少ないこと、 No.58は油性剤中アルコ−ルのアルキル基のC数が
少ないこと No.68はエマルジョンの油分濃度が少ないこと から、潤滑性が不足、圧延荷重が23〜26ton−f
と大きくなった。
【0055】No.45,47,49,55,56,5
9〜67,69はオリゴマーの分子量が大きいこと、油
性剤の添加量が多いこと、油性剤の酸或いはアルコール
のC数が大きいこと、アルキレンオキサイドの炭素数又
は付加モル数が大きいこと、或いはエマルジョン濃度が
高いことから、潤滑性が良好であるがオイルスレンの発
生が認められた。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】実施例2 (連続使用例)実施例1の表1で示した冷間圧延油N
o.5で圧延油及び水を循環使用して圧延した。油水分
離装置には、遠心分離装置を用い、分離油の瀘過には珪
藻土と活性白土からなる瀘過助剤を用いた瀘過を行っ
た。また、水瀘過は珪藻土瀘過或いはペーパフィルター
瀘過を行い、圧延油及び水を再使用した。
【0060】表2のNo.1〜4に示すように、遠心分
離(遠心力2000G)及び繊維膜分離では油中水分及
び水中油分とも2000ppm以下となった。また、分
離後油中には100ppm程度の摩耗粉が含まれていた
が、瀘過により5ppm以下に減少させることができ
た。これら再生油及び水で圧延した結果、板表面には何
等欠陥が認められず、かつ圧延荷重も新油及び新水時の
それと同等であった。
【0061】一方、参考例の No.5は、分離した油を珪藻土白土瀘過しなかったこ
とから、油中の摩耗粉が80ppmと多くなり、圧延板
に欠陥が発生した。
【0062】No.6は分離水を瀘過しなかったことか
ら、水中の摩耗粉が55ppmとなり、圧延板表面に微
小欠陥が認められた。
【0063】No.7は、油水分離に静置分離槽を用い
たことから、油と水の分離が不完全となり、瀘過工程で
目詰まりが発生し、瀘過不能になった。
【0064】No.8はスターラ撹拌で油と水を混合し
たが、エマルションは形成されず試験を中断した。
【0065】
【表4】
【0066】実施例3 表1に示す冷間圧延油No.5を使用し、被覆圧延材と
して板厚1.2mm、幅70mm、長さ450mmのJ
IS5052アルミニウム合金板材をロ−ル径155m
mの圧延機で、圧延速度35m/分で圧下率を45%か
ら65%に変化させたときの圧延荷重を測定し、図3に
示す。また、比較例として鉱油(3.5cst,40
℃)90wt%+ラウリルアルコ−ル10wt%の組成
を有する非水圧延油を使用した場合の結果を点線で示
す。すなわち、本発明の冷間圧延油は、1パスで圧下率
60%以上の圧延が可能となり、また圧延ロ−ル及び圧
延板材の冷却が容易となり、形状のよい圧延板材が得ら
れることがわかる。
【0067】一方、非水系圧延油を使用した場合は、圧
下率50%以上になると圧延荷重が高くなり、圧延異状
が起り易くなることがわかる。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延油
は、潤滑性が非水系圧延油より優れており、したがって
高速高圧下圧延が可能となり、しかも被圧延材にオイル
ステンを発生させないものである。また、本発明の圧延
油を水性エマルジョンとしてアルミウムの冷間圧延時の
冷却・潤滑油に使用する冷間圧延方法においては、使用
済みの圧延油エマルジョンを高能率で油水分解でき、微
細摩耗粉も精密濾過することができることから、循環使
用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷間圧延油の水性エマルジョンを形成
する混合器の一例を示す説明図。
【図2】本発明の冷間圧延油を使用した圧延方法の説明
図。
【図3】本発明の圧延油を用いた実施例2における圧延
荷重と圧下率との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 127:02 129:16 129:76) C10N 20:04 30:00 30:06 40:24 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 169/04 B21B 27/06 C10M 173/00 C10M 105/04 C10M 127/02 C10M 129/16 C10M 129/76 C10N 40:24 WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量200〜330のポリプロピレ
    ン、ポリイソブチレン及びポリブテンの少なくとも一種
    以上からなる基油8〜93wt%に、下記(1)式に示す
    α−オレフィン5〜90wt%、及び下記(2)式に示す
    高級アルコ−ル誘導体、(3)、(4)式に示すトリメチロ−
    ルプロパン誘導体及び(5)、(6)、(7)、(8)、(9)式に示
    すオキシモノ又はジカルボン酸のアルコ−ルエステルか
    らなる群から選ばれた油性剤の1種以上を2〜20wt
    %添加したことを特徴とするアルミニウム及びアルミニ
    ウム合金の冷間圧延油。 CH2=CH(CH2nCH3 (1) (式中、nは9〜25を示す) R1O(Cm2mO)nH (2) (式中、R1は炭素数10〜22のアルキル基、mは2
    〜4の整数、nは1〜3の整数を示す) CH3CH2C(CH2OCOR22CH2OH (3) (式中、R2は炭素数1〜9のアルキル基を示す) CH3CH2C[CH2O(Cm2mO)nCOR32CH2OH (4) (式中、R3は炭素数1〜9のアルキル基、mは2〜4
    の整数、nは1〜3の整数を示す) CH3CH(OH)COOR4 (5) (式中、R4は炭素数1〜18のアルキル基を示す) 【化1】 (式中、R5は炭素数1〜18のアルキル基を示す) 【化2】 (式中、R6は炭素数1〜18のアルキル基を示す) R7OOCCH(OH)CH2COOR8 (8) (式中、R7、R8は炭素数1〜18のアルキル基を示
    す) R9OOCCH(OH)CH(OH)COOR10 (9) (式中、R9、R10は炭素数1〜18のアルキル基を示
    す)
  2. 【請求項2】 請求項1で示す圧延油を5〜20wt%
    濃度の水性エマルジョンとすることを特徴とするアルミ
    ニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油。
  3. 【請求項3】 請求項1で示す圧延油を5〜20wt%
    濃度の水性エマルジョンとし、これをアルミニウム及び
    アルミニウム合金の冷間圧延時の冷却・潤滑油として使
    用することを特徴とする冷間圧延方法。
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