JP2916923B2 - 多色輪転印刷機の縦見当合わせ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は多色輪転印刷機の縦見当合わせ装置に関す
る。

［従来の技術］ 印刷紙の両面に多色印刷を行なうオフセット輪転印刷
機においては、周知のように両ブランケット胴に挟まれ
た印刷紙を中心として、ブランケット胴と版胴、インキ
ローラ群、水ローラ群を上下対象か、またはこれに類し
た配列とした印刷ユニットを複数配し各ユニットに印刷
紙を通過して多色印刷が行なわれる。この場合、第１色
目に刷られる印刷画像と第２色目以降の印刷画像の縦方
向と横方向の見当が一致しなければ鮮明な印刷を行なう
ことができず、結果として印刷不良となる。

このため、多色の輪転印刷機には、縦方向と横方向の
見当を合わせ調整する見当合わせ装置が設けられてい
る。

この縦方向の見当合わせ装置としては実公昭63−1300
5がある。この実用新案公報の内容は各印刷ユニットご
との縦方向の見当を合わせると共に上下に設けた版胴の
見当を個々に合わせるものであった。

［発明が解決しようとする課題］ このように、従来の技術においては、上版胴および下
版胴にそれぞれ縦見当合わせ機構を有し、かつ各ブラン
ケット胴および版胴はそれぞれ軸心を移動自在とし胴着
脱を行うようにしてあるために、この胴の着脱の際に胴
歯車間の芯間距離が変わるために、歯車のバックラッシ
ュが変動し噛合いが不安定になり縦見当合わせの精度が
良くない。そのために、再見当合わせ調整するのに多大
な時間がかかった。

本発明の多色輪転印刷機の縦見当合わせ装置は、印刷
胴の着脱の際下ブランケット胴の軸心を固定とし、他の
胴の軸心を調整可能としかつ、回転方向の位相を調整自
在とすることにより短時間で高精度の縦見当合わせ装置
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明は上記発明の課題を解決するため下記の手段を
設けた。

印刷紙を基準として上下方向にブランケット胴、版胴
の順に配列し、前記上ブランケット胴、上版胴および下
版胴の軸心を偏心軸受を介して移動可能に支持し、下ブ
ランケット胴の軸心を固定とし、前記印刷紙の両面に印
刷するオフセット輪転印刷機において、主駆動元により
回転駆動される平歯車と、該平歯車と一体回転されるハ
スバ歯車と、固定フレームに設けられメネジを形成した
メネジ構成体と、一端部に前記平歯車とハズバ歯車が回
転自在に取付けられ前記メネジと螺合するオネジを形成
した軸と、該軸の他端部に固定されたウオーム歯車と、
該ウオーム歯車に噛合するウオームと該ウオームに接続
されたモータとから成り、前記モータの駆動により前記
上ブランケット胴、前記上版胴、前記下ブランケット胴
および前記下版胴の回転角度を調整する回転角度調整機
構と、前記下ブランケット胴の軸部に固定した平歯車
と、該平歯車と噛合するインターナルギヤと、該インタ
ーナルギヤの外周に固定したハスバ歯車と、前記インタ
ーナルギヤと一体的に固定され、中心部にネジ部を形成
したメネジ構成体と、前記ネジ部と螺合するオネジを備
えた軸と、該軸に固定されたウオーム歯車と、該ウオー
ム歯車と噛合するウオームと、該ウオームを回転するモ
ータとから成り、前記モータの駆動により前記下版胴の
回転角度を上版胴を基準に調整する回転角度調整機構を
設けた。

［作用］ 多色輪転印刷機における縦見当合わせにおいて、最初
に各印刷ユニット間の縦見当合わせを行うために各印刷
ユニットにおけるブランケット胴と版胴全体の縦見当合
わせを縦見当合わせ装置を用いて調整する。

次に前記下ブランケット胴の軸端回りに設けた縦見当
合わせ機構により、上版胴を固定した状態で上面の印刷
に見当を合わせるように前記下版胴の縦見当合わせを行
う。

［実施例］ 本発明の一実施例について図面をさんしょうして、説
明する。

第１図は多色輪転印刷機の操作側からみた印刷ユニッ
トローラ配列を示す側面図である。

同図において、多色輪転印刷機の印刷ユニットのロー
ラ群は水平方向に走行する印刷紙９を基準に、上下対称
にブランケット胴８、版胴７をそれぞれ配設し、胴逃し
のため、下ブランケット胴８の軸心を固定し、下版胴
７、上ブランケット胴８、上版胴７野軸心は図示しない
偏心ブッシュによってそれぞれ軸支され、空圧シリンダ
機構110、111により調整可能となっている。

なお、版胴７に対し、インキ装置１より供給されるイ
ンキはインキ出しロール２、インキ移しロール３、イン
キ練りロール４、インキ均しロール５、インキ着けロー
ル６の順に送られ、また湿し水装置のロール群により水
舟101内の水が水出しロール102、水移しロール103、水
均しロール104、水着けロール105の順に送られる。な
お、106は水出しロール102上の水を均すためのライダロ
ールである。

第２図は、印刷ユニットの伝導側の歯車配列を示す側
面図を示す。第３図は第２図のＢ−Ｂ断面を表わす断面
図で、第４図は第２図のＡ−Ａ断面を表わす断面図であ
る。

第２図、第３図において10はラインシャフトでライン
シャフト10は軸受11によって軸支され、図示省略モータ
により回転駆動し、第１図に示す各ローラ群を駆動す
る。ラインシャフト10には傘歯車12が固定され、軸13に
固定された傘歯車14と噛合する。

軸13はさらに平歯車17を固定し、軸18はフレーム15の
穴部18a、19bを介して固定され平歯車17と噛合する平歯
車20は軸受19を介して回転自在に軸支している。軸21に
は軸受22を介して、ハスバ歯車23、平歯車24が一体的に
軸支され、固定し、平歯車24は平歯車20と噛合してい
る。

また、軸21の右側には上ブランケット胴８、上版胴７
および下ブランケット胴８、下版胴７の回転位相即ち縦
方向見当を合わせる縦見当合わせ機構200を設けてい
る。この縦見当合わせ機構200はハスバ歯車23、平歯車2
4と、さらにメネジ25a形成したメネジ構成対25と、メネ
ジ25aと螺合するオネジ27aを形成した軸27と、軸27をキ
ー27bを介して固定されたウォーム歯車26と、ウォーム
歯車26に噛合するウォーム29とウォーム29を固定したモ
ータ30とによって構成する。

さらに、下ブランケット胴の軸端部に上版胴に対し前
記下版胴の縦方向見当を合わせる縦見当合わせ機構300
を設けた。

この縦見当合わせ機構300は下側ブランケット胴８の
軸部8aにキー8bをかいして固定した平歯車31および平歯
車32と、平歯車32と噛合するインターナルギャ34bと、
インターナルギャ34bの外周に固定したハスバ歯車35
と、インターナルギャ34b一体的に固定され、中心部に
ネジ部34aを形成したメネジ構成体と、ネジ部34aと螺合
するオネジ36aを備えた軸36と、軸36にキー36bを介して
固定したウォーム歯車38と、ウォーム歯車38と螺合する
ウォーム39と、ウォーム39を回転するモタ45とによって
構成した。

先のハスバ歯車35は上ブランケット胴８の軸部8aに固
定したハスバ歯車41に噛合し、このハスバ歯車41に密着
固定された平歯車42は、さらに版胴７の軸部7aに固定さ
れている。平歯車43と噛合している。また、下ブランケ
ット胴の軸部8aに固定した平歯車31は下側の版胴７の軸
に固定した平歯車46と噛合している（第４図参照）。

本発明の多色輪転印刷機の縦見当合わせ装置は上記の
ように構成されているので、次に述べるように作動す
る。

通常の印刷時には、図示省略したモータによりライン
シャフト10を回転駆動し、印刷が行われる。ラインシャ
フト10は傘歯車12、傘歯車14を介して軸13、平歯車17を
駆動し、平歯車20、軸18を介して平歯車24を駆動する。

平歯車24はハスバ歯車23を一体的に駆動し、ハスバ歯
車23と噛合するハスバ歯車35を駆動することにより、下
方のブランケット胴８を駆動する。第３図を参照して前
記の下方のブランケット胴の軸部8aに取着されたハスバ
歯車35は上方のブランケット胴の軸部8aに取着されたハ
スバ歯車41を駆動し、上方のブランケット胴８を回転駆
動する。

さらに、上方のブランケット胴の軸部8aにおいてハス
バ歯車41に密着固定された平歯車42と噛合う平歯車43に
より、上方の版胴７を駆動する。

また、先に述べた上側、下側の各インキロール群と水
ロール群は版胴７に水とインキを供給し、ブランケット
胴８にインキを転移し、上側、下側のブランケット胴8,
8を介して印刷紙９に対してインキが供給され、印刷が
行われる。

ところで、印刷紙９の縦方向の全体的な見当ズレがあ
った場合には、上側の版胴７、ブランケット胴８、下側
の版胴７、ブランケット胴８の回転方向位相を調整して
縦見当を合わせます。すなわち、第３図に示すモータ30
を駆動してウォーム29を微少回転し、ウォーム歯車26を
介して軸27を回すとオネジ27aはメネジ25aを介してメネ
ジ構造体25を左方に押し、これに連動して軸21をを左方
に押す。したがって、軸21に固定したハスバ歯車23によ
りこれに噛合うハスバ歯車35を微動せしめ、下方のブラ
ンケット胴８を微少回転せしめ、これに追従して、下側
の胴版７を微少回転させる。

さらにハスバ歯車35に噛合うハスバ歯車41を微少回転
せしめることにより、上側のブランケット胴８および平
歯車42、平歯車43を介して上側の版胴７に微少回転を与
える。以上の操作により、上側のブランケット胴８、胴
版７および下側のブランケット胴８、版胴７の全体の縦
方向の見当ズレを調整することができる。

次に下側の版胴７の縦見当合わせについての動作説明
を行う。

まず、モータ45を駆動し、ウォーム39およびウォーム
38を介して軸36を回転せしめる。軸36に設けたオネジ36
aはメネジ構成体34を左方（または右方）に押し出すた
め、、インターナルギャ34bおよびハスバ歯車35も同様
に左行（または右行）し、インターナルギャ34bの内歯
はこれに噛合う平歯車32の歯筋に沿って移動し、軸21よ
りラインシャフト10側は原動機側の抵抗力により連れ回
りすることができず、ハスバ歯車35が微少回転して位相
を変え、このハスバ歯車35が取着されたインターナルギ
ャ34bとこのインターナルギャ34bと噛合う平歯車32をへ
て、さらにこの平歯車32に取着された平歯車31を微少回
転させます。そして、この平歯車31を介して下側の版胴
７の軸部7aに取着された平歯車46を微少回転し、この平
歯車46によって下側の版胴７のみ微少回転され、回転方
向の位相調整すなわち縦方向の見当合わせが行われる。
なお、第１図に示すように上側のブランケット胴、版
胴、下側の版胴はそれぞれ第４図に示す偏心ブッシュ4
7、48、49、50によってそれぞれ軸支され、下側のブラ
ンケット胴を基準として空圧シリンダ機構110、111によ
り回動せしめ胴逃しをおこなえる。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば両面印刷を行なう
多色輪転印刷機において、下側のブランケット胴の軸心
を固定とし、上側の版胴とブランケット胴および下側の
版胴の軸心を移動可能とし、上下ブランケット胴と版胴
の見当合わせを同時に行なう全体の見当合わせを終えた
後、下版胴を独立して見当合わせを行なうことにより、
従来に比べて短時間に正確に縦見当合わせを行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ローラ配列を示す側面図を示す。第２図は、
歯車配列を示す側面図を示す。 第３図は、第２図Ａ−Ａ断面を表わす断面図を示す。第
４図は、第２図Ｂ−Ｂ断面を表わす断面図を示す。 1:インキ装置、2:インキ出しロール、3:インキ移しロー
ル 4:インキ練りロール、5:インキ均しロール、6:インキ着
けロール 7:搬胴、7a:軸部、8:ブランケット胴 8a:軸部、9:印刷紙、10:ラインシャフト 15:フレーム、23:ハスバ歯車、24:平歯車 25:メネジ構造体、25a:メネジ、26:ハスバ歯車 27:軸、27a:オネジ、27b:キー 28:軸受、29:ウォーム、30:モータ 31:平歯車、32:平歯車、32a:平歯車 33:軸受、34:メネジ構成体、34a:メネジ 34b:インターナルギャ、35:ハスバ歯車、36:軸 36a:オネジ、36b:キー、37:軸受け 38:ハスバ歯車、39:ウォーム、40:軸 41:ハスバ歯車、42:平歯車、43:軸 44:モータ、101:水舟、102:水出しロール 103:水移しロール、104:水練りロール、105:水着けロー
ル 106:ライダーロール

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印刷紙を基準として上下方向にブランケッ
   ト胴、版胴の順に配列し、前記上ブランケット胴、上版
   胴および下版胴の軸心を偏心軸受を介して移動可能に支
   持し、下ブランケット胴の軸心を固定とし、前記印刷紙
   の両面に印刷するオフセット輪転印刷機において、 主駆動源により回転駆動される平歯車と、該平歯車と一
   体回転されるハスバ歯車と、固定フレームに設けられメ
   ネジを形成したメネジ構成体と、一端部に前記平歯車と
   ハズバ歯車が回転自在に取付けられ前記メネジと螺合す
   るオネジを形成した軸と、該軸の他端部に固定されたウ
   オーム歯車と、該ウオーム歯車に噛合するウオームと該
   ウオームに接続されたモータとから成り、前記モータの
   駆動により前記上ブランケット胴、前記上版胴、前記下
   ブランケット胴および前記下版胴の回転角度を調整する
   回転角度調整機構と、 前記下ブランケット胴の軸部に固定した平歯車と、該平
   歯車と噛合するインターナルギヤと、該インターナルギ
   ヤの外周に固定したハズバ歯車と、前記インターナルギ
   ヤと一体的に固定され、中心部にネジ部を形成したメネ
   ジ構成体と、前記ネジ部と螺合するオネジを備えた軸
   と、該軸に固定されたウオーム歯車と、該ウオーム歯車
   と噛合するウオームと、該ウオームを回転するモータと
   から成り、前記モータの駆動により前記下版胴の回転角
   度を上版胴を基準に調整する回転角度調整機構を設けた
   ことを特徴とする多色輪転印刷機の縦見当合わせ装置。