JP2916019B2 - 被覆材組成物の製造方法 - Google Patents

被覆材組成物の製造方法

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JP2916019B2
JP2916019B2 JP9710391A JP9710391A JP2916019B2 JP 2916019 B2 JP2916019 B2 JP 2916019B2 JP 9710391 A JP9710391 A JP 9710391A JP 9710391 A JP9710391 A JP 9710391A JP 2916019 B2 JP2916019 B2 JP 2916019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被覆材組成物の製造方法
に関し、さらに詳しくは床の表面に塗布した場合にアミ
ン臭やアンモニア臭がなく、かつ強靱で光沢に優れた皮
膜を形成することができる安定な被覆材組成物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】木材、コンクリート、ビニルタイル、ラ
バータイル、リノリウムタイル等の床に被覆する被覆材
組成物には、塗布時に良好な作業性を有し、かつ乾燥後
に得られる皮膜が光沢に優れ、歩行時の靴によるブラッ
クヒールマークがつき難く、耐久性に優れたものである
ことが要求される。これらの性能の他に、通常の洗剤に
よる手入れでは光沢を保持し得る耐洗剤性の他、汚れや
損傷がひどくなった場合に、物理的除去ではなく化学的
手法により容易に除去される除去性が必要である。これ
らの相反する性質を両立させて、除去性に優れ、かつ強
靱な皮膜を形成させる目的で、乳化共重合体に多価金属
イオンや多価金属錯体を配合した被覆材組成物が提案さ
れてきた(特開平2−219863号公報、及び特公昭
47−15597号公報)。
【0003】本発明者は、先に、アミンやアンモニア等
の塩基の存在下に多価金属化合物と重合体を反応させる
と、多価金属と重合体との反応が極めて速やかにおこ
り、強靱な皮膜を与える被覆材組成物が得られることを
見出し、特許出願を行った(平成3年特許願第0155
11号)。しかし、該被覆材組成物においても、pHが9.
5を上回る様になるとアミン臭やアンモニア臭が目立つ
様になる場合があった。また、多価金属イオン源として
多価金属錯体を使用する場合には、多価金属錯体を要時
に製造するにあたり、多量のアミンやアンモニア水を用
いるため、製造後の組成物に過剰のアミンやアンモニア
が残留しており、これらが塗布時に揮発してアミン臭や
アンモニア臭を発するという問題があった。また、塗布
後に被覆材組成物が乾燥して錯体が分解する際に、錯体
の配位子であるアミンやアンモニアが揮発してアミン臭
やアンモニア臭を発生させるという問題があり、環境や
作業者の労働条件を悪化させるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、塗布
時や乾燥時にアンモニア臭やアミン臭がなく、かつ強靱
な樹脂皮膜を与える被覆材組成物を製造する方法を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意検討した結果、アミンやアンモニアを含
有する重合体エマルジョンに亜鉛等の多価金属化合物を
添加した後に、エマルジョンに対して酸を添加すること
により、被覆材組成物のアンモニア臭やアミン臭を効率
よく消失させることができ、得られた被覆材組成物を床
用被覆材として塗布乾燥した際にも臭気が発生しないこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、アミン若しくはアンモ
ニアの存在下に重合体と多価金属化合物を反応させて得
られたエマルジョンに酸を添加してエマルジョンのpHを
6〜9.5にすることを特徴とする被覆材組成物の製造方
法、及び重合体を含むエマルジョンに対して多価金属化
合物とアミン及び/又はアンモニアとを含む水溶液を添
加した後、酸を添加して該エマルジョンのpHを6〜9.5
にすることを特徴とする被覆材組成物の製造方法を提供
するものである。
【0007】本発明に使用される重合体は、エチレン系
不飽和モノマーの重合により製造された重合体であり、
水に溶解または分散することができ、かつ酸官能基を有
し酸価が20〜130の範囲のものであればいかなるも
のを使用してもよい。一般には酸性モノマーであるアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水
マレイン酸、ビニルフェノール等のエチレン系不飽和モ
ノマーを全モノマーに対して3〜20重量%で使用して
製造された重合体を使用することができる。上記のモノ
マーの他に使用されるモノマーは、用途に応じた諸特性
をもたらす様に適宜当業者により選択されるが、例えば
ラジカル触媒の存在下に軟質重合体若しくは硬質重合体
を形成できる重合性コモノマーを挙げることができる。
【0008】重合により軟質重合体を与えるコモノマー
の例としては、第一及び第二アルキルアクリレート、第
一及び第二アルキルメタクリレートや飽和モノカルボン
酸のビニルエステル等を挙げることができ、好ましいエ
チレン系不飽和化合物としてアクリレート、イタコネー
ト、メタクリレートを挙げることができ、好ましいエス
テルとしては炭素数8個以下のアルキル基を有するもの
を挙げることができる。軟質重合体を与えるモノマーと
して具体的には、以下の式:H2C=C(R1)-COOR2 (式中、
R1は水素またはメチル基であり、R1がメチル基であると
きはR2は炭素原子数5ないし18の第一または第二アル
キル基を示し、R1が水素であるときはR2が炭素原子数が
18個以下、好ましくは2〜8個、特に好ましくは2〜
4個のアルキル基を示す)で示されるモノマーを挙げる
ことができ、さらに具体的には、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−
ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソアミル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、3,5,5
−トリメチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレー
ト、ドデシルアクリレート、セチルアクリレート、オク
タデシルアクリレート、オクタデセニルアクリレート、
n−アミルメタクリレート、sec−アミルメタクリレ
ート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、2−エチルブチルメタクリレート、オク
チルメタクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシル
メタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、オクタデシルメタクリレート、及びブトキ
シエチルアクリレートまたはブトキシエチルメタクリレ
ートの様な置換アルキル基を有するものを挙げることが
できる。さらに軟質重合体を与えるモノマーとしてエチ
レン、プロピレン、ブタジエン、クロロプレン、イソブ
テン、及びイソプレンを挙げることができる。
【0009】重合により硬質重合体を与える重合性エチ
レン系不飽和モノマーとしては、炭素原子数4個以下の
アルキル基を有するアルキルメタクリレート、炭素原子
数2個以下のアルキル基を有するアルキルアクリレー
ト、tert−アミルメタクリレート、tert−ブチルまたは
tert−アミルアクリレート、シクロヘキシル、ベンジ
ル、またはイソボルニルアクリレートまたはメタクリレ
ート、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリル、
スチレン、塩化ビニル、クロロスチレン、酢酸ビニル、
およびα−メチルスチレンを挙げることができる。より
具体的には、以下の式:H2C=C(R3)-X (式中、R3は水素
またはメチル基であり、Xはニトリル、フェニル、メチ
ルフェニル、およびエステル生成基、−COOR4 (ただし
R4はシクロヘキシル、メチル、エチル、または炭素原子
数4〜5のtert−アルキルである)、またはR3がメチル
であるときには炭素原子数2〜4個のアルキル基を示
す)で示されるモノマーを挙げることができ、さらに具
体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、sec−ブチルメタクリレート、及びtert−ブ
チルメタクリレートを挙げることができる。またアクリ
ルアミドやメタクリルアミドも有用である。
【0010】本発明に使用される重合体としては、以上
の重合体の他、ビニルホルメート、ビニルアセテート、
ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、及びビニル
ベルジテートの様なビニルアルコールのエステルの重合
体を挙げることができる。例えばポリ(ビニルアセテー
ト)及びビニルアセテートと、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリレートまたはメタクリレー
トエステル等との共重合体を挙げることができる。
【0011】これらの重合体は、例えばブロック共重合
体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、コアーシェ
ル重合体として、水若しくは有機溶媒の存在下に、例え
ば乳化重合、溶液重合により製造することができる。乳
化重合にあたりモノマーを乳化させるには、例えば米国
特許第2,754,280号や同第2,795,564
号等に記載された方法に従えばよく、乳化剤としてアニ
オン系、カチオン系、またはノニオン系の乳化剤、好ま
しくはアニオン系若しくはノニオン系の乳化剤1使用す
ればよい。例えばアルキルスルホン酸、アリールスルホ
ン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、ア
リール硫酸、及びアルキルアリール硫酸のアルカリ金属
塩、アンモニウム塩やアミン塩等が好適に使用できる。
これらの乳化剤はモノマーの全量に対して0.5〜10重
量%の割合で使用すればよい。重合開始剤として過硫酸
アンモニウムや過硫酸カリウム等のラジカル開始剤を使
用する場合には、単独で、若しくは二亜硫酸カリウムや
チオ硫酸ナトリウムの様な促進剤と組合せて使用すれば
よい。これらの開始剤、促進剤はモノマーの全量に対し
て通常0.1〜5.0重量%で使用される。また、メルカプ
タン、ポリメルカプタン、ポリハロゲン化物を含む連鎖
移動剤を使用してもよい。これらはモノマーの全量に対
して通常0.01〜1.0重量%で使用される。
【0012】本発明に好適に使用される重合体は分子量
が約10,000〜1,000,000 の共重合体であり、酸価が20
〜130、好ましくは30〜80のものである。これら
の重合体は上記の方法により、通常pHが2〜4の範囲と
なる様に水性エマルジョンとして調製される。乳化共重
合によるアクリル系共重合体水性エマルジョンの例とし
ては、モノマー成分として (a)α,β−不飽和カルボン
酸を6〜10重量%、(b)メタアクリル酸メチルを50
〜74重量%、 (c)炭素原子数2〜8個のアルキル基を
有するアクリル酸アルキルエステルを20〜40重量%
等を用いて、当業者に周知の乳化剤、重合開始剤を添加
して乳化重合させて製造したものを挙げることができ
る。
【0013】被覆材組成物の製造に使用される多価金属
化合物としては、例えば亜鉛、カルシウム、アルミニウ
ム、ジルコニウム、マグネシウム、ニッケル、コバル
ト、ベリリウム、ビスマス、鉛、銅、鉄等を挙げること
ができる。これらの金属の塩または錯体を使用すること
もでき、例えば、水酸化物、酸化物、塩化物、硫化物、
炭酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、グルタミン酸塩、サリチル酸
塩、グリコール酸塩、オクトン酸塩、安息香酸塩、グル
コン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸
塩、グリシン塩、アラニン塩、β−アラニン塩、または
これらの混合物、これらの金属のアンモニア、アミン錯
体等の錯体を使用することもできる。錯体形成が可能な
アミンとしては、例えばモルホリン、モノエタノールア
ミン、ジエチルアミノエタノール、エチレンジアミン等
を挙げることができる。多価金属錯体を使用する場合に
は、配位子の少なくとも一部が膜形成時に揮発すること
により、多価金属錯体が分解して多価金属が重合体と反
応できるように、少なくとも1の配位子が揮発性の配位
子であることが好ましい。この様な配位子としては例え
ばアンモニアを例示することができる。上記の多価金属
化合物は市販の粉末状のものを使用すればよいが、好ま
しくは粒度が0.2〜0.5ミクロンの微細グレードのもの
を使用すればよい。また、アンモニア等の揮発性の配位
子を有する多価金属化合物を使用する場合には、多価金
属化合物を別途に水性溶媒中に製造して使用してもよ
い。これらの多価金属化合物の使用量は、上記の重合体
の酸価に対し、0.05〜0.9化学等量、好ましくは0.3
〜0.6化学等量とすればよい。多価金属化合物の含有量
が上記の範囲を下回ると、得られる皮膜の強靱性が失わ
れるという問題が生じ、多価金属化合物の含有量が上記
の範囲を上回ると、製品安定性やレベリング性に問題が
生じる。
【0014】本発明の第一の態様によれば、アミン若し
くはアンモニアの存在下に重合体と多価金属化合物を反
応させて得られたエマルジョンに酸を添加してエマルジ
ョンのpHを6〜9.5にすることを特徴とする被覆材組成
物の製造方法が提供される。該方法において好適に使用
される多価金属化合物は、例えば多価金属塩や多価金属
酸化物等の多価金属化合物であり、該方法の好適な一態
様としては、重合体を含むエマルジョンにアミン及び/
又はアンモニアを添加した後に多価金属化合物を反応さ
せる方法を挙げることができ、さらに具体的には、アミ
ン若しくはアンモニアを重合体エマルジョンに添加して
重合体エマルジョンのpHを8〜9.5、好ましくはpH8.5
〜9.0となる様に調整した後に、多価金属化合物を重合
体と反応させ、さらに得られたエマルジョンに酸を添加
して反応液のpHを6〜9.5とする方法を例示することが
できる。
【0015】重合体エマルジョンに添加されるアミンと
しては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、ジエチルアミノエタノール、モノエタノール
アミン、エチレンジアミン等を挙げることができ、アン
モニアとしては10重量%以下のアンモニアを含むアン
モニア水を挙げることができる。これらのうち、ジエチ
ルアミノエタノールを使用することが好ましい。例えば
アンモニア水を添加する場合には10重量%以下のアン
モニアを含むアンモニア水を重合体エマルジョンのpHが
6〜9.5となる様に全量を一時に添加するか、若しくは
必要量を数回に分割して添加すればよい。添加の方法は
滴下等の方法により5〜15分間にわたって行えばよ
い。疎水性の強い重合体エマルジョンを使用する場合に
はpHを8〜9とすることが好ましく、親水性の強い重合
体エマルジョンを使用する場合にはpHを6〜8の範囲と
することが好ましい。該塩基を添加した後、重合体エマ
ルジョンをさらに30分〜2時間攪拌することにより、
エマルジョン中の重合体油滴の膨潤が著しくなり、重合
体の酸官能基がミセルの表面に配向して多価金属化合物
によって容易に架橋が形成される様になる。
【0016】多価金属化合物を重合体と反応させる方法
としては、所定量の粉末状多価金属化合物を重合体エマ
ルジョンに添加して攪拌混合する方法の他、多価金属化
合物の水性溶液若しくは水性分散体を別途製造し、重合
体エマルジョンに添加する方法を挙げることができる。
後者の方法において使用される水性溶液若しくは水性分
散体は、水性溶媒に多価金属化合物を10〜50重量%
で添加した後に、攪拌溶解ないしは攪拌分散させて製造
すればよい。攪拌にはホモミキサー、ニーダー等を使用
すればよく、室温ないしは加温下のいずれの温度におい
ても行うことができる。
【0017】多価金属化合物と重合体との反応は、好ま
しくは多価金属化合物を添加した重合体エマルジョンの
温度が重合体のガラス転移温度(Tg)以下となる様に
維持しつつ行えばよい。反応温度が低すぎると多価金属
化合物がエマルジョン中の重合体油滴に取り込まれ難
く、重合体との反応がおこなわれず多価金属化合物が重
合体エマルジョンに沈澱を生ずるという問題が起こるの
で、例えば0℃以上の温度で反応を行うことが好まし
い。また、反応温度が重合体エマルジョンの分解温度を
上回ると被覆材組成物の製造が困難になるので好ましく
ない。反応は使用した多価金属化合物がエマルジョン形
態の被覆材組成物から沈澱しなくなるまで、すなわち均
一エマルジョン形態の被覆材組成物が得られるまで継続
して行えばよいが、より具体的には、得られた被覆材組
成物の最低皮膜形成温度が、多価金属化合物を含有しな
い重合体エマルジョンの最低皮膜形成温度を5℃以上、
好ましくは10℃以上高くなる様に継続して行うことが
好ましい。一般的には重合体中の酸官能基の40%以上
が多価金属で架橋された場合に、最低皮膜形成温度が1
0℃以上高くなる。
【0018】多価金属化合物と重合体を反応させるにあ
たり、膜形成剤及び/又は可塑剤の存在下に反応させて
もよい。本発明において膜形成剤とは、膜形成時にのみ
可塑機能を発揮して重合体の皮膜形成を助け、フィルム
が形成された後においては比較的速やかに蒸発揮散して
フィルムの機械的強度及びフィルム硬度を向上させる作
用を有するものであり、可塑剤とはそれ自体揮発性がほ
とんどないが剛直な高分子に塑性を与え加工性を改良す
る作用を有するものであり、いずれも床用被覆材組成物
に汎用されているものである。
【0019】膜形成剤としては、例えば一般式A−O−
[−RO−]n −A’(式中、A、A’は同一でも異な
っていてもよく、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1
〜4のアシル基、水素原子を示し、Rは炭素数2〜4の
アルキレン基を示し、nは1〜3の整数である)で示さ
れるオキシアルキレングリコール誘導体、例えばメチル
カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、
プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレ
ングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールタ
ーシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールターシャリーブチルエーテ
ル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレング
リコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメ
チルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエー
テル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル、プ
ロピレングリコールジメチルエーテルアセテート、プロ
ピレングリコールジエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールジブチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールジメチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールジエチルエーテルアセテート、ジプロピ
レングリコールジブチルエーテルアセテート、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコー
ル、またはN−メチル−2−ピロリドン等を使用するこ
とができる。
【0020】可塑剤としては、例えばモノブトキシメチ
ルフォスフェート、モノブトキシエチルフォスフェー
ト、モノブトキシブチルフォスフェート、ジブトキシメ
チルフォスフェート、ジブトキシエチルフォスフェー
ト、ジブトキシブチルフォスフェート、トリブトキシメ
チルフォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェー
ト、トリブトキシブチルフォスフェート、ジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ
オクチルフタレート、ジベンジルフタレート、ε−カプ
ロラクタム、2−ピロリドン、2,2,4−トリメチル
ペンタジオール−1,3−モノイソブチレート等を挙げ
ることができる。
【0021】膜形成剤及び可塑剤は上記に限定されるこ
とはなく、当業者に周知の膜形成剤及び可塑剤はすべて
使用することができる。これらのうち、膜形成剤として
メチルカルビトール、エチルカルビトール、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、特に好ましくは
エチルカルビトール、可塑剤としてトリブトキシエチル
フォスフェート、ジブチルフタレート、2−ピロリドン
を使用することが好ましい。これらの膜形成剤及び/又
は可塑剤の添加量は重合体のTg及び最低皮膜形成温度に
より異なるが、一般に重合体100重量%に対して2〜
100重量%で使用され、好ましくは25〜50重量%
である。これらを重合体エマルジョンに添加するにあた
っては、重合体の乳化重合過程で添加してもよいが、製
造された重合体エマルジョンに対して多価金属化合物と
の反応前に添加することが好ましい。例えば膜形成剤や
可塑剤を2倍量(容量)以上の水に溶解してよく攪拌し
ながら添加するか、若しくはこれらを数回に分割して添
加すればよい。添加の方法は滴下等の方法により5〜1
5分間にわたって行えばよい。該膜形成剤及び/又は可
塑剤を添加した後、重合体エマルジョンをさらに30分
〜2時間攪拌することにより、エマルジョン中の重合体
油滴が膨潤し、重合体の酸官能基がミセルの表面に配向
する様になり、その後に添加される多価金属によって酸
官能基に容易に架橋が形成される様になる。該攪拌操作
は、膜形成剤及び/又は可塑剤を添加した後の重合体エ
マルジョンの最低皮膜形成温度が、膜形成剤及び/また
は可塑剤の添加前の重合体エマルジョンの最低皮膜形成
温度を5℃以上下回り、好ましくは膜形成剤及び/又は
可塑剤を添加した後の重合体エマルジョンの最低皮膜形
成温度が室温以下となる様に行えばよい。
【0022】上記の様にして重合体と多価金属化合物を
反応させた反応液であるエマルジョンは、一般にpHが8.
5〜10程度のエマルジョンとして調製されるので、ア
ミン臭やアンモニア臭を発するものである。このエマル
ジョンに対してエマルジョンのpHが6〜9.5、好ましく
は7〜8.5となる様に酸を添加することによりアミン臭
やアンモニア臭のない被覆材組成物が製造される。使用
される酸としては、二酸化炭素、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、
乳酸、グルコン酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン
酸等の有機カルボン酸類、塩酸、硫酸等の鉱酸類を挙げ
ることができるが、これらのうち二酸化炭素を使用する
ことが好ましく、二酸化炭素としては炭酸ガス、固形二
酸化炭素(ドライアイス)、液状二酸化炭素のいずれの
形態のものも使用できる。特に好ましくは、炭酸ガスを
使用し、多価金属化合物と重合体を反応させて得られた
エマルジョンに必要量の炭酸ガスを吹き込めばよい。炭
酸ガスを反応液中に吹き込むと反応液のpHは速やかに低
下し、アミン臭やアンモニア臭が消失した被覆材組成物
が製造される。
【0023】本発明の第二の態様によれば、重合体を含
むエマルジョンに対して多価金属化合物とアミン及び/
又はアンモニアとを含む水溶液を添加した後、酸を添加
して該エマルジョンのpHを6〜9.5にすることを特徴と
する被覆材組成物の製造方法が提供される。該方法にお
いて好適に使用される多価金属化合物は1以上の配位子
を有する多価金属錯体であり、さらに好ましくはアミン
及び/又はアンモニアを配位子として含む多価金属錯体
である。該方法の好適な一態様としては、アミン及び/
又はアンモニアを配位子として含む多価金属錯体を、要
時に水溶液として製造して重合体エマルジョンに添加
し、得られたエマルジョンに酸を添加してエマルジョン
のpHを6〜9.5とする方法を挙げることができる。多価
金属錯体溶液の製造方法を炭酸亜鉛アンモニア錯体を例
にとって説明すれば、55mlの水に約10重量%の酸化
亜鉛を含む水性懸濁液に対して18mlの28%アンモニ
ア水を添加した後に、17gの炭酸アンモニウムを添加
して炭酸亜鉛アンモニア錯体を含むpH10以上の水溶液
を製造すればよい。該水溶液を重合体エマルジョンに添
加する方法としては、重合体の酸価に対して0.05〜0.
9化学当量の多価金属錯体を含む多価金属錯体溶液を、
重合体エマルジョンを攪拌しつつ5〜30分、好ましく
は10〜20分かけて徐々に滴下する方法を挙げること
ができる。また、該水溶液を重合体エマルジョンに添加
する前若しくは添加後に、上記の膜形成剤及び/又は可
塑剤を重合体エマルジョンに添加してもよい。膜形成剤
及び/又は可塑剤は、重合体100重量%に対して2〜
100重量%で使用される。以上の様にして得られたエ
マルジョンのpHは、一般に8.5〜10程度であるので、
該エマルジョンはアミン臭やアンモニア臭を有するもの
である。このエマルジョンに対してエマルジョンのpHが
6〜9.5、好ましくは7〜8.5となる様に酸を添加する
ことによりアミン臭やアンモニア臭のない被覆材組成物
が製造される。酸としては上記の酸を使用することがで
き、例えば炭酸ガスをエマルジョン中に吹き込むことに
より、エマルジョンのpHは速やかに低下し、アミン臭が
消失した被覆材組成物が製造される。
【0024】上述した本発明の第1の態様及び第2の態
様において、得られたエマルジョンに酸を添加する前
に、公知成分であるパラフィン、モンタン、ポリエチレ
ンワックス等のワックス類;ロジン変性マレイン酸樹
脂、スチレン−マレイン酸樹脂等のアルカリ可溶性樹
脂;フッ素系界面活性剤等をさらに添加してもよい。こ
れらのうち、ワックス、アルカリ可溶性樹脂成分は重合
体に対して約5〜70重量%で使用される。また、膜形
成剤や可塑剤を添加してもよい。膜形成剤及び/又は可
塑剤は重合体100重量%に対して約10〜100重量
%、好ましくは25〜40重量%となる様に添加され
る。被覆剤組成物の製造過程ですでに膜形成剤若しくは
可塑剤が添加されている場合には、さらに添加される膜
形成剤及び/又は可塑剤は、重合体100重量%に対し
て50重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
これらの成分は、重合体エマルジョンに直接混合する
か、水性分散液として、単独で若しくは多価金属化合物
とともに添加される。これらの成分は、上述した本発明
の第1の態様及び第2の態様に従って製造された被覆剤
組成物に添加してもよいが、その場合にはこれらの成分
を添加した後の被覆材組成物のpHが変動する場合もある
ので、この様な場合には、さらに酸若しくは塩基を添加
して、最終的に被覆剤組成物のpHを6〜9.5の範囲にな
る様に調製することが好ましい。pHが6を下回ると製品
安定性や塗布後に形成される皮膜のレベリング性が低下
する傾向があり、pHが9.5を上回ると被覆材組成物の再
塗布性や乾燥時のアンモニア臭やアミン臭が強いので好
ましくない。これらの成分を添加した後に、被覆材組成
物のpHを調節するために使用する塩基としては、上述し
たアミンやアンモニアの他、アルカリ金属水酸化物等の
塩基を挙げることができ、酸としては上記の酸を使用す
ればよい。
【0025】本発明により製造される被覆材組成物を使
用する場合には、木材、コンクリート、ラバータイル、
ビニルタイル、リノリウムタイル等の床面に対して、被
覆材組成物の総重量に対して重合体含有率が3〜40重
量%、総樹脂含有率が5〜50重量%となる様に調製し
た組成物を、一回ないしは複数回重ねて塗布し、最低皮
膜形成温度以上の温度で乾燥すればよい。このような塗
布方法により、光沢と耐久力に優れた樹脂皮膜が得られ
る。また、形成された皮膜を除去するにあたっては、ア
ミン、アルカリ金属水酸化物、キレート剤、界面活性剤
等を水に溶解した除去剤を剥離する被覆面に塗布し、パ
ッド等を取り付けた電気ポリッシャー等で擦り洗浄する
ことにより容易に皮膜を除去することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明により製造される被覆材組成物
は、塗布時及び乾燥後にもアミン臭がなく、塗布時の作
業者の健康を害することもなく、環境を汚染することも
ない。また、該被覆材組成物は長期にわたって安定であ
り、該被覆材組成物により得られる乾燥皮膜は、主成分
たる重合体に多価金属架橋がなされているので強靱であ
り、光沢、レベリング性、除去性等の諸性質にも極めて
優れたものであるので有用である。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるこ
とはない。尚、以下の実施例、比較例、及び参考例にお
いて「有効成分」とは、各樹脂の含有率(濃度)を示す
(単位:重量%)。 参考例1 水性アクリル系樹脂の製造 攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート、温度計、及び窒素
導入管を備えた反応容器に窒素を封入後、脱イオン水、
乳化剤を加え、その後水浴中で60℃まで加温した。攪
拌中に触媒及びモノマーの他、必要に応じて分子量調節
剤(表1参照)を2時間かけて徐々に滴下して重合を完
了させ、有効成分40%のアクリル系樹脂エマルジョン
(A−F)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】(表2ないし表4中、Meは多価金属を示
す) (注4)49.0gの脱イオン水に10gの酸化亜鉛を加
え攪拌して分散させた。その分散液に22.0gの28%
アンモニア水を加えて攪拌し、さらにグリシンを19.0
g加え、透明溶液になるまで攪拌してグリシン亜鉛アン
モニア錯体を製造した(亜鉛含量:8.03%) (注5)55.0gの脱イオン水に10gの酸化亜鉛を加
え攪拌して分散させた。その分散液に18.0gの28%
アンモニア水を加え、さらに炭酸アンモニアを17.0g
加え、透明溶液になるまで攪拌して炭酸亜鉛アンモニア
錯体を製造した(亜鉛含量:8.03%) (注6)60.35gの脱イオン水に10gの酸化亜鉛を
加え攪拌して分散させた。その分散液に7.64gのエチ
レンジアミンと7.72gの28%アンモニア水を添加
し、さらに14.29gの炭酸アンモニアを加えて透明に
なるまで攪拌を続けて炭酸亜鉛エチレンジアミン・アン
モニア錯体を製造した(亜鉛含有量:8.03%) (注7)60.0gの脱イオン水に10gの酸化亜鉛を加
え攪拌して分散させた。その分散液に50.0gの28%
アンモニア水を添加して製造した(亜鉛含有量:8.03
%) (注8)ロームアンドハース社製の低分子量アクリルエ
マルジョン(製品名:プライマルB−644、有効成分
43%) (注9)アライドケミカル社製の低分子量ポリエチレン
ワックス(Ac-392)を東邦化学工業株式会社でノニオン
系界面活性剤を用いて乳化したもの(有効成分40%) (注10)大日本インキ工業株式会社製のフッソ系界面活
性剤(製品名:メガファックF−812、有効成分15
%)
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】性能評価
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】評価方法 (1) 注11〜注18については日本フロアーポリッシュ工業
会規格(JFPA)に準じて性能評価を行った。 製品安定性 :JFPA規格−13(貯蔵安定性、水性
フロアーポリッシュ) レベリング性:JFPA参考規格(1) 光沢度(%):JFPA規格−10(3回塗りの光沢度
を測定:%) 耐水性 :JFPA規格−13(白化現象の有無で
評価する) 耐洗剤性 :JFPA規格−14 除去性 :JFPA規格−15 再塗布性 :JFPA参考規格(2) 耐ブラックヒールマーク性:JFPA規格−11(ブラ
ックヒールマークの付着量を肉眼で観察し評価する) (2) 注19〜注21については以下の様に性能評価を行っ
た。
【0041】耐磨耗性は、JFPA規格−10と同様の
作業方法により5回塗りした試験片を常温下に168時
間乾燥放置した後に、テーパー試験器にて磨耗度を測定
して評価した(磨耗輪:CS−17、200回転、磨耗
量単位:g) 皮膜硬度は、JFPA規格−10と同様の作業方法によ
り5回塗りした試験片を常温下に168時間乾燥放置し
た後に、ヌープ硬度計にて測定した。
【0042】臭気性評価は、165m2の室内で各組成物
1リットルあたり100m2の割合で塗布した後、測定者
10人中の採点により評価した(評価基準、3:臭わな
い;2:普通;1:臭い)。本発明組成物1〜10は全
ての評価項目で優れた性質を示し、フロアーポリッシュ
としての性能及び臭気等のあらゆる点ですぐれた被覆材
組成物であった。

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョン中の分子量10,000〜
    1,000,000を有し、かつ酸価20〜130を有
    する重合体と多価金属または多価金属化合物とを、アミ
    ン若しくはアンモニアの存在下に、反応させて、前記重
    合体の多価金属塩を形成し、次い得られたエマルジョン
    のpHを6〜9.5にすることを特徴とする床用被覆材
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多価金属が、亜鉛、カルシウム、ア
    ルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニッケル、
    コバルト、ベリリウム、ビスマス、鉛、銅及び鉄からな
    る群から選ばれる少なくとも1種の金属である請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記多価金属化合物が、亜鉛、カルシウ
    ム、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニッ
    ケル、コバルト、ベリリウム、ビスマス、鉛、銅及び鉄
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の水酸化
    物、酸化物、塩化物、硫化物、炭酸塩、酢酸塩、蟻酸
    塩、グルタミン酸塩、サリチル酸塩、グリコール酸塩、
    オクトン酸塩、安息香酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸
    塩、乳酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、グリシン酸塩、
    アラニン酸塩、β−アラニン酸塩、アンモニア錯体及び
    アミン錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化
    合物である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 多価金属または多価金属化合物が重合体
    の酸価に対して0.05〜0.9化学当量で使用される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合体を含むエマルジョンにアミン及び
    /又はアンモニアを添加した後に多価金属または多価金
    属化合物を反応させる請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記アミンがメチルアミン、エチルアミ
    ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、
    ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、
    トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
    ミン、トリブチルアミン、ジエチルアミノエタノール、
    モノエタノールアミン、エチレンジアミンからなる群か
    ら選ばれる請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記アンモニアが10重量%以下のアン
    モニアを含むアンモニア水である請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記エマルジョンのpHを6〜9.5の範
    囲として、多価金属または多価金属化合物と重合体との
    反応を行う請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記重合体を含むエマルジョンの温度
    を、重合体のガラス転移温度以下となる様に維持しつつ
    反応を行う、請求項5記載の方法。
  10. 【請求項10】 膜形成剤及び/又は可塑剤の存在下
    に、多価金属または多価金属化合物と重合体との反応を
    行う請求項5記載の方法。
  11. 【請求項11】 膜形成剤が、一般式A−O−[−RO
    −]n−A’(式中、A、A’は同一でも異なっていて
    もよく、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜4のア
    シル基、水素原子を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレ
    ン基を示し、nは1〜3の整数である)で示されるオキ
    シアルキレングリコール誘導体である請求項10記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 可塑剤が、モノブトキシメチルフォス
    フェート、モノブトキシエチルフォスフェート、モノブ
    トキシブチルフォスフェート、ジブトキシメチルフォス
    フェート、ジブトキシエチルフォスフェート、ジブトキ
    シブチルフォスフェート、トリブトキシメチルフォスフ
    ェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリブト
    キシブチルフォスフェート、ジメチルフタレート、ジエ
    チルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタ
    レート、ジベンジルフタレート、ε−カプロラクタム、
    2−ピロリドン、2,2,4−トリメチルペンタジオー
    ル−1,3−モノイソブチレートからなる群から選ばれ
    る請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 膜形成剤及び/又は可塑剤が、重合体
    100重量%に対して2〜100重量%で添加される請
    求項10記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記酸が炭酸、蟻酸、酢酸、プロピオ
    ン酸、酪酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、
    乳酸、グルコン酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン
    酸、塩酸、硫酸からなる群から選ばれる請求項1ないし
    12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記酸が炭酸ガスの吹き込みにより生
    じる炭酸である請求項1ないし12のいずれか1項に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 酸の添加前に、エマルジョンにワック
    ス類及び/又はアルカリ可溶性樹脂類を添加する請求項
    1ないし12のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 酸の添加前に、エマルジョンにさらに
    界面活性剤を添加する請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 分子量10,000〜1,000,0
    00を有し、かつ酸価20〜130を有する重合体を含
    むエマルジョンに対して多価金属または多価金属化合物
    とアミン及び/又はアンモニアとを含む水溶液を添加し
    た後、酸を添加して前記エマルジョンのpHを6〜9.5
    にすることを特徴とする床用被覆材組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記多価金属または多価金属化合物
    が、前記重合体の酸価に対し、0.05〜0.9化学等
    量で使用される請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記アミンがメチルアミン、エチルア
    ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミ
    ン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
    ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
    ルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミノエタノー
    ル、モノエタノールアミン、エチレンジアミンからなる
    群から選ばれる請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記多価金属化合物が、亜鉛、カルシ
    ウム、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニ
    ッケル、コバルト、ベリリウム、ビスマス、鉛、銅、及
    び鉄から成る群から選ばれる金属の錯体である請求項1
    8記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記錯体が配位子として1以上のアミ
    ン若しくはアンモニアを含む錯体である請求項21記載
    の方法。
  23. 【請求項23】 前記アミンがモルホリン、モノエタノ
    ールアミン、ジエチルアミノエタノール、エチレンジア
    ミンからなる群から選ばれる請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 酸の添加前に、多価金属または多価金
    属化合物とアミン及び/又はアンモニアとを含む水溶液
    を添加したエマルジョンに膜形成剤及び/又は可塑剤を
    添加する請求項18記載の方法。
  25. 【請求項25】 膜形成剤が、一般式A−O−[−RO
    −]n−A’(式中、A、A’は同一でも異なってもよ
    く、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜4のアシル
    基、水素原子を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基
    を示し、nは1〜3の整数である)で示されるオキシア
    ルキレングリコール誘導体である請求項24記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 可塑剤が、モノブトキシメチルフォス
    フェート、モノブトキシエチルフォスフェート、モノブ
    トキシブチルフォスフェート、ジブトキシメチルフォス
    フェート、ジブトキシエチルフォスフェート、ジブトキ
    シブチルフォスフェート、トリブトキシメチルフォスフ
    ェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリブト
    キシブチルフォスフェート、ジメチルフタレート、ジエ
    チルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタ
    レート、ジベンジルフタレート、ε−カプロラクタム、
    2−ピロリドン、2,2,4−トリメチルペンタジオー
    ル−1,3−モノイソブチレートからなる群から選ばれ
    る請求項24記載の方法。
  27. 【請求項27】 膜形成剤及び/又は可塑剤が、重合体
    100重量%に対して2〜100重量%で添加される請
    求項24記載の方法。
  28. 【請求項28】 酸が炭酸、蟻酸、酢酸、プロピオン
    酸、酪酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、乳
    酸、グルコン酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン
    酸、塩酸、硫酸からなる群から選ばれる請求項18ない
    し27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記酸が炭酸ガスの吹き込みにより生
    じる炭酸である請求項18ないし27のいずれか1項の
    記載の方法。
  30. 【請求項30】 酸の添加前に、多価金属または多価金
    属化合物とアミン及び/又はアンモニアとを含む水溶液
    を添加したエマルジョンにワックス類及び/又はアルカ
    リ可能性樹脂類を添加する請求項18ないし27のいず
    れか1項に記載の方法。
  31. 【請求項31】 酸の添加前、多価金属または多価金属
    化合物とアミン及び/又はアンモニアとを含む水溶液を
    添加したエマルジョンにさらに界面活性剤を添加する請
    求項30記載の方法。
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