JP2914322B2 - 超伝導素子の動作試験装置 - Google Patents

超伝導素子の動作試験装置

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JP2914322B2 JP8258476A JP25847696A JP2914322B2 JP 2914322 B2 JP2914322 B2 JP 2914322B2 JP 8258476 A JP8258476 A JP 8258476A JP 25847696 A JP25847696 A JP 25847696A JP 2914322 B2 JP2914322 B2 JP 2914322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超伝導素子の動作試
験装置に係り、特に超伝導ラッチ回路の高速クロック動
作試験を行う超伝導素子の動作試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超伝導素子は高速動作特性に優れている
とされている。超伝導素子を用いた論理回路の高速評価
は、アンド論理回路、オア論理回路に関しては高速立ち
上がりパルスを用いた遅延時間測定などの方法で動作限
界を評価する方法が採られてきた。しかし、超伝導素子
で構成されたラッチ回路は、超伝導素子特有のバイアス
リセットシーケンスを含んだ2クロックサイクル以上の
パルスパターンでのみ正常動作評価が可能で、遅延時間
により動作を評価することができず、クロックを用いた
試験を行わなければならない。しかも、出力が真出力と
補出力の2出力ありそのどちらも正常動作していること
を確認しなければならない。
【0003】図10は従来の超伝導素子の動作試験装置
の一例のブロック図を示す。この動作試験装置は、超伝
導ラッチ回路の高速動作特性試験を行う装置である。こ
の種の超伝導素子を高速クロックのもとで動作試験する
方法は、従来より公知で、例えば1986年5月1日、
アプライド・フィジィックス、第59巻9号3202〜
3207頁(Applied Physics, vol.59(9),1
May 1986)に示されている。
【0004】図10において、パルスジェネレータ10
1は駆動用のバイアスクロックと、正常動作を調べるた
めのデータ信号(試験入力)を別個に被測定回路102
に送る。被測定回路102は、特性評価をしようとする
超伝導ラッチ回路で、バイアスクロック信号入力端子と
データ入力端子と真出力端子と補出力端子を有する。オ
シロスコープ103は真信号と補信号の両方の出力を取
り出しモニタする。
【0005】次に動作を説明する。超伝導ラッチ回路は
あるクロックに入力されたデータ信号を、次のクロック
でその真信号と補信号の両方を出力するという回路であ
る。従って、データ入力パルス列をパルスジェネレータ
101で作り、その次のクロックの出力をオシロスコー
プ103でモニタし、入力と同じパルス列が真出力と同
じもの、補出力が真出力と逆であれば正常動作している
と評価することができる。
【0006】また、この試験においては、パルスジェネ
レータ101でバイアスクロックとデータ入力パルスの
周波数は同じで、しかも超伝導素子特有の性質からデー
タ入力の立ち上がりは、バイアスクロックの立ち上がり
より遅らせることが必要とされる。この条件の下でバイ
アスクロックとデータ入力パルスの周波数を上げてゆ
き、誤動作する周波数をこの回路の動作の上限を与える
と評価する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の動作試験装置では、誤動作が発生した場合、それが被
測定回路102からのものか、測定系の問題なのか判断
しにくいという問題がある。その理由は、従来の動作試
験装置ではバイアスクロックの入力とデータ入力が別々
でしかもその立ち上がり順序が決まっているためであ
る。クロック周波数を上げていくとその波長は短くな
る。極低温部に測定ケーブルを導入しなければならない
超伝導素子の評価の場合、わずかなケーブル長の違いな
どによりバイアスクロックの入力とデータ入力のタイミ
ングシーケンスに誤りを起こしやすくなる。これは被測
定回路102の問題ではない。しかし、見かけ上は測定
系の問題なのか、被測定回路102の動作の上限なのか
判別し難く素子試験の信憑性を損なうこととなる。
【0008】また、従来の動作試験装置では、被測定回
路102の正常動作周波数の上限が測定できないという
問題がある。その理由は、任意のパルス波形を発生でき
るパルスジェネレータ101の上限のクロック周波数が
被測定回路102の予想される正常動作周波数の上限よ
り低いためである。このことは被測定回路102である
超伝導体と、パルスジェネレータ101を構成する半導
体回路との動作範囲の違いに起因する。
【0009】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
超伝導体で構成されたラッチ論理回路、アンド論理回
路、オア論理回路のクロック動作における動作の上限を
与える試験方法を正弦波一入力のみで可能とする超伝導
素子の動作試験装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、クロック入力端子、データ入力端子、真出
力端子及び補出力端子を有し、補出力端子とデータ入力
端子が接続された試験対象の超伝導ラッチ回路のクロッ
ク入力端子に、所望の周波数の正弦波又は正弦波を波形
整形したパルスを入力するクロック信号入力手段と、超
伝導ラッチ回路の真出力端子及び補出力端子の両出力信
号の論理演算を行って2つの動作判定信号を出力する動
作判定回路と、動作判定回路からの2つの動作判定信号
の論理の組み合わせから超伝導ラッチ回路動作が正常か
否かを評価測定を行う測定手段とを有する構成としたも
のである。
【0011】また、上記のクロック信号入力手段は、試
験対象の超伝導ラッチ回路のクロック入力端子に、所望
の周波数の正弦波を直接に入力するか、所望の周波数の
正弦波を発振出力する正弦波発振器と、正弦波発振器か
らの正弦波をパルスに変換して超伝導ラッチ回路のクロ
ック入力端子に入力するクロック信号供給回路とからな
り、クロック信号供給回路は、超伝導ラッチ回路のクロ
ック入力端子と接地間に接続された複数個のジョセフソ
ン接合の直列回路からなる。
【0012】本発明は、また動作判定回路として、超伝
導ラッチ回路の真出力端子及び補出力端子の両出力信号
の合成信号を分周して一の動作判定信号を出力する、ジ
ョセフソン接合を用いた分周回路を用いることを特徴と
する。
【0013】また、試験対象の超伝導ラッチ回路は、互
いにクロック入力端子が共通接続された第1及び第2の
超伝導ラッチ回路からなり、第1の超伝導ラッチ回路の
補出力端子は第2の超伝導ラッチ回路のデータ入力端子
に接続され、第2の超伝導ラッチ回路の真出力端子は第
1の超伝導ラッチ回路のデータ入力端子に接続され、第
1の超伝導ラッチ回路の真出力端子と第2の超伝導ラッ
チ回路の補出力端子からそれぞれ信号を動作判定回路へ
出力することを特徴とする。
【0014】本発明では、試験対象の超伝導ラッチ回路
を、他の少数のジョセフソン接合を用いた動作判定回路
とつなぎ、外部からの入力をクロック一入力だけとし、
クロックは正弦波で供給し、超伝導ラッチ回路の出力を
動作判定回路に入力することにより、出力が低速な矩形
信号、あるいは繰り返し波形などの観測が容易なものと
変換することができる。正弦波発振器は数十ギガヘルツ
帯まで存在し、評価に必要な周波数は問題なく供給でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は本発明になる超伝導素子の
動作試験装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図
において、被測定回路20へは正弦波発振器10により
発振出力された正弦波信号のみが入力される。被測定回
路20の出力信号はオシロスコープ30に入力されてモ
ニタされ、動作状態が評価測定される。
【0016】図2は、図1中の被測定回路20の一実施
の形態のブロック図を示す。被測定回路20は、クロッ
ク信号供給回路21、被測定ジョセフソンラッチ回路
(超伝導ラッチ回路)22及び正常動作判定回路23か
ら構成されている。この被測定回路20では、外部から
入力された正弦波信号はクロック信号供給回路21に入
力され、被測定ジョセフソンラッチ回路22に適したク
ロック信号に変換される。被測定ジョセフソンラッチ回
路22は、このクロック信号に同期して動作し、その出
力信号は正常動作判定回路23に入力されて動作判定信
号に変換され、図1のオシロスコープ30への出力信号
となる。
【0017】次に、動作試験の方法を図1と図2を参照
して説明する。まず、被測定回路20に正弦波発振器1
0から正弦波入力を導入する。正弦波発振器10は数十
ギガヘルツ帯までのものが市販されており、超伝導素子
の動作上限を知るために十分な帯域を持っている。被測
定回路20では入力された正弦波を図2に示すクロック
信号供給回路21に入力し、被測定ジョセフソンラッチ
回路22の動作に適したクロックに変換する。なお、こ
のクロック信号供給回路21は必ずしも必要ではない。
【0018】クロック信号供給回路21の出力信号は、
被測定ジョセフソンラッチ回路22のクロック入力端子
に入力される。被測定ジョセフソンラッチ回路22はラ
ッチ回路のデータ入力端子とデータ出力端子を接続す
る。接続の仕方は後述するが、ラッチ回路の補出力信号
を入力信号と接続する、あるいは並列にラッチ回路を並
べお互いの出力信号を相手の入力信号に接続する形式を
とる。このように接続すると、被測定超伝導ラッチ回路
の入力信号は、クロック信号より遅く発生する出力信号
を利用しているため、必ずクロック入力より後に入力信
号が入ることとなり、入力とクロックとのタイミングシ
ーケンスの問題が生じない。このようにしてデータ入力
を外部から導入しなくても論理正常動作を試験すること
ができる。
【0019】被測定ジョセフソンラッチ回路22の出力
信号は、正常動作判定回路23に入力される。この回路
23は後述するが、入力の周波数をかえる動きをするも
の、もしくは2種類の観測しやすい波形の組を作り出す
ものである。その用いるジョセフソン接合の数が被測定
ラッチ回路に比べ少なく、被測定ラッチの動作に影響を
与えることはない。
【0020】この正常動作判定回路23からオシロスコ
ープ30への出力信号は、後述するように連続した矩形
波と出力無しの組み合わせ、若しくはクロックに比べ長
い周期を持つ矩形波となり、観測評価しやすいものとな
る。一般に、高周波になればなるほど矩形波の観測が困
難となる。このような接続をとっていれば、評価の信頼
性が高まる。このようにして、入力側が波形の減衰の少
ない正弦波1入力のみでクロック入力とデータ入力のタ
イミングシーケンスの問題なく被測定ジョセフソンラッ
チ回路22の正常動作の上限を知ることができる。
【0021】図3は図1中の被測定回路の第1の例の回
路系統図を示す。この例においては、クロック信号供給
回路21は存在せず、被測定回路20は前記被測定ジョ
セフソンラッチ回路22に相当するジョセフソンラッチ
回路220と正常動作判定回路23とからなり、正常動
作判定回路23はジョセフソンオア回路231とジョセ
フソンアンド回路232よりなる。ジョセフソンラッチ
回路220は、データ入力端子、クロック入力端子、真
出力端子及び補出力端子を有し、補出力端子がデータ入
力端子に接続されている。
【0022】これにより、前述したように、ジョセフソ
ンラッチ回路220のデータ入力信号として、クロック
信号より遅く発生する補出力信号を利用しているため、
必ずクロック入力より後にデータ入力信号が入ることと
なり、入力とクロックとのタイミングシーケンスの問題
が生じない。
【0023】次に、この例の動作について図4の信号波
形図を併せ参照して説明する。ジョセフソンラッチ回路
220のクロック入力端子には、図4(a)に示す正弦
波が正弦波発振器10より直接に入力され、これにより
ジョセフソンラッチ回路220は動作し、そのときの真
出力信号と補出力信号はそれぞれジョセフソンオア回路
231とジョセフソンアンド回路232に入力される。
【0024】ジョセフソンラッチ回路220が正常動作
の場合、ジョセフソンオア回路231からは図4(b)
に示すように、同図(a)に示すクロック(正弦波)と
同じ周期の矩形波の列が取り出され、ジョセフソンアン
ド回路232からは図4(c)に示すように、ゼロ出力
のまま、すなわちロウレベル一定の信号が取り出され
る。
【0025】ここで、外部からジョセフソンラッチ回路
220のクロック入力端子への正弦波の振幅を徐々にあ
げてゆくと、振幅が小さいときは誤動作するので図4
(b)、(c)に示したような出力信号はジョセフソン
オア回路231及びジョセフソンアンド回路232の出
力には現れず、どちらも出力なしという状態である。
【0026】引き続き、徐々に上記の正弦波の振幅を増
加させてゆき、正常動作領域に達したとき、ジョセフソ
ンオア回路231からの出力波形が図4(b)に示した
矩形波列となる。ここがある周波数における正常動作し
始めるクロックの振幅である。このようにして、まず正
常動作する振幅のマージンが得られる。
【0027】次に、この正常動作する振幅の範囲内で更
に周波数を上げ、この波形が維持されるか調べる。この
場合、二つの出力のうちジョセフソンオア回路231の
出力信号だけが矩形波列で、ジョセフソンアンド回路2
32からの出力信号が無し、の組み合わせであれば正常
動作であるから正常・異常動作を判別しやすい。正弦波
の振幅を外部から調整しながら周波数を上げてゆき最終
的な正常動作上限を知る。前述したように、この際デー
タ入力とクロック入力とのタイミングシーケンスなどの
測定系の問題は無視でき、正確な被測定回路の特性が得
られる。
【0028】図5は図1中の被測定回路の第2の例の回
路系統図を示す。同図中、図3と同一構成部分には同一
符号を付し、その説明を省略する。図5に示す第2の例
の被測定回路20は、ジョセフソン接合を用いたクロッ
ク信号供給回路21を有する点に特徴がある。このクロ
ック信号供給回路21は、ジョセフソンラッチ回路22
0のクロック入力端子と接地間に接続された4個のジョ
セフソン接合211〜214の直列回路からなる。
【0029】この構成のクロック信号供給回路21は、
被測定ジョセフソンラッチ回路220と同じチップ上に
作成できる。このため、波形のなまりなどが少なく被測
定ジョセフソンラッチ回路220の評価に与える影響は
少ない。この構成のクロック信号供給回路21を付加す
ると、外部から入力される前記正弦波が矩形波に変換さ
れてジョセフソンラッチ回路220のクロック端子にク
ロック信号として入力される。このため、クロックの活
性時間が正弦波より増えて回路全体の動作マージンが増
え観測が容易となるという利点もある。なお、ジョセフ
ソン接合の数は4個に限定されるものではない。
【0030】図6は図1中の被測定回路の第3の例の回
路系統図を示す。この第3の例の被測定回路20は、第
1及び第2のジョセフソンラッチ回路221及び222
からなる被測定ジョセフソンラッチ回路22と、前記正
常動作判定回路23に相当する正常動作判定回路233
よりなる。なお、クロック信号供給回路21は存在して
も存在しなくてもよい。
【0031】被測定ジョセフソンラッチ回路22では、
第1及び第2のジョセフソンラッチ回路221及び22
2を並列に組み合わせて用いており、ジョセフソンラッ
チ回路221及び222の各クロック端子が共通接続さ
れ、またジョセフソンラッチ回路221の補出力端子
(補出力1)はジョセフソンラッチ回路222のデータ
入力端子(入力2)に接続され、ジョセフソンラッチ回
路222の真出力端子(真出力2)はジョセフソンラッ
チ回路221のデータ入力端子(入力1)に接続され、
ジョセフソンラッチ回路221の真出力端子(真出力
1)とジョセフソンラッチ回路222の補出力端子(補
出力2)からそれぞれ信号を正常動作判定回路233へ
出力する構成である。
【0032】また、正常動作判定回路233は、真出力
1と補出力2と接地間に接続されたジョセフソン接合J
in、抵抗R1及びR2、ジョセフソン接合J1〜J
4、Jsq1及びJsq2、インダクタンスLin1、
Lin2、Lcirc及びLsqなどからなり、分周回
路を構成している。なお、各回路素子の傍の数値はその
回路素子の値で、ジョセフソン接合Jin、J1〜J
4、Jsq1及びJsq2の値の単位はミリアンペア、
抵抗R1及びR2の値の単位はオーム、インダクタンス
Lin1、Lin2、Lcirc及びLsqの値の単位
はピコヘンリーである。
【0033】次に、この図6の動作について図7のタイ
ムチャートを併せ参照して説明する。図6において、初
期状態でジョセフソンラッチ回路221及び222がリ
セット(入力1、入力2はゼロ)となっていると仮定す
る。それぞれのジョセフソンラッチ回路221及び22
2においては、ある入力に対して次のクロックサイクル
で同じ出力を真出力に、それと逆の出力が補出力に現れ
る。この例の場合、あるクロックサイクルにおいて入力
1は真出力2と、入力2は補出力1と同じ波形となる。
【0034】データ入力信号はジョセフソンラッチ回路
221及び222の出力信号をフィードバックする形で
入れており、クロックの立ち上がりより遅い立ち上がり
で入力されているため、クロックと入力信号とのタイミ
ングシーケンスは完全に正常であるように保証されてい
る。
【0035】クロック入力端子に外部から正弦波を波形
整形して得た図7(a)に示すパルスがクロック信号と
して入力されることによりジョセフソンラッチ回路22
1及び222が動作し、それにより得られる真出力1、
補出力1、真出力2、補出力2は、図7(b)、
(c)、(d)、(e)に示すようになり、また入力1
は真出力2と同じ波形であるから図7(f)に示すよう
になり、入力2は補出力1と同じ波形であるから図7
(g)に示すようになる。
【0036】このうち、真出力1と補出力2は、正常動
作判定回路233内のジョセフソン接合Jinに入力され
て論理積をとられる。そのため図6の正常動作判定回路
233中のジョセフソン接合Jinにインダクタンスを
介して並列に接続された抵抗R1に流れる電流Iinput
の波形は図7(h)に示すように得られる。正常動作判
定回路233において、電流Iinputがインダクタンス
Lin1,Lin2に流れ込んだ場合、正常動作判定回路23
3の出力電流をIdetectとすると、正常動作判定回路2
33を通すことで最終的には図7(i)に示すような波
形の出力電流Idetectが得られる。図7(a)及
び(i)から分かるように、この出力電流Idetec
tは、入力クロック信号に対して8倍の周期とされてい
る(繰り返し周波数が1/8倍に分周されている)こと
がわかる。
【0037】例えば、10GHzレベルのクロックの観
測は非常に困難だが、その8分の1の周波数の観測はし
やすい。つまり、この例では、クロックが観測に困難な
高周波数であっても、検出は8分の1の周波数の波形に
ついて行えるため、動作評価しやすいという特長があ
る。
【0038】図7(h)に示す電流IinputがIdetect
となる様子を正常動作判定回路のダイナミックシミュレ
ーションしたものが図8である。図8(a)に示す電流
Iinputの波形が、図8(e)に示す出力電流Id
etectの波形となる理由を図8を用いて説明する。
回路には予め図6のような直流の電流バイアスIdc1
, Idc2 , Idc3をかけておく。ここでI
dc1=−Idc3となるようにする。この直流電流バ
イアスによりジョセフソン接合J1、J2には図8
(b)及び(c)においてそれぞれA、B点のような電
流が流れている。
【0039】ここで電流Iinputが入力されると(図8
(a)の第一の入力)、入力された電流はインダクタン
スLin1とLin2に分流する。この分流電流は、ま
ずジョセフソン接合J3とJ4に流れる。J3とJ4は
入力電流Iinputにくらべ小さく設計してあり、入
力電流が流れると電圧状態に遷移してJ3はJ1に、J
4はJ2にパルス電流を送る働きをする。最終的に電流
Iinputは抵抗R1に流れ込む。
【0040】J1とJ2に流れ込んだパルスはそれぞれ
次のような効果を引き起こす。J1においては流れ込む
電流と直流電流バイアスidc1により流れていた電流
との向きが同じであるため、ジョセフソン接合J1が電
圧状態にスイッチする。これに対し、ジョセフソン接合
J2に流れ込む電流は、直流電流バイアスidc3によ
り流れていた電流と向きが逆なため、電圧状態にはなら
ない。
【0041】ジョセフソン接合J1がスイッチしたこと
により、直流電流バイアスはそれまでジョセフソン接合
J1からグランドに流れ、ジョセフソン接合J2を逆流
していたものが、ジョセフソン接合J1及びJ3の接続
点とジョセフソン接合J4及びJ2との接続点の間を直
列に接続しているインダクタンスLcircに流れる。
このジョセフソン接合J1のスイッチは1磁束量子がこ
の接合から進入したことに相当し、J1−Lcirc−
J2の超伝導ループに1磁束量子分の永久電流が流れ
る。これが図8のCに相当する。
【0042】その後、電流Iinputが再び入力されると
(図8(a)の第二の入力)、第一の入力のときとは逆
に、ジョセフソン接合J1は電圧状態にスイッチしない
が、ジョセフソン接合J2はスイッチする。これによ
り、第一の入力時に進入した磁束量子はジョセフソン接
合J2を通って超伝導ループの外に出て、永久電流Cは
無くなり第一の入力の前の状態に戻る。
【0043】このように、ある入力が入るのに同期して
インダクタンスLcircを流れる電流は出力状態を変
える。これをLsq,Jsq1,Jsq2からなる超伝
導ループ回路でディテクトしたものがIdetectで
ある。この回路を使うことで、図8(a)に示す電流I
inputの波形のような短い周期のものを観測して正
常動作かどうか判別するのではなく、図8(e)に示し
た出力電流Idetectのような長い周期を持つ波形
に変換されたものを観測し、その周期から正常動作を評
価する方法を採ることができるため、評価の信頼性が向
上する。
【0044】図9は図1中の被測定回路の第4の例の回
路系統図を示す。この第4の例の被測定回路20は、第
1及び第2のジョセフソンラッチ回路221及び222
からなる被測定ジョセフソンラッチ回路22と、前記正
常動作判定回路23に相当する正常動作判定回路234
よりなる。なお、クロック信号供給回路21は存在して
も存在しなくてもよい。
【0045】上記の正常動作判定回路234は、ジョセ
フソン接合J3及びJ4のそれぞれに並列に抵抗を接続
し、直流電流バイアスidc1とIdc2を同一方向と
し、ジョセフソン接合Jsq2とインダクタンスLsq
との接続点から抵抗R3を介して出力電流Idetec
tを取り出す構成であり、このような構成でも、図8
(e)に示すように、入力電流Iinputを分周した
検出電流Idetectが得られる。
【0046】なお、本発明は以上の実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば図6の構成のクロック入力部
に図5に示したクロック信号供給回路21を付加しても
よい。この場合は、供給されるクロックが矩形波とな
り、クロックの活性時間が正弦波より増えて被測定回路
全体の動作マージンが増え観測が容易となるという利点
がある。また、図9のクロック入力部に図5に示したク
ロック信号供給回路21を付加してもよい。この場合
は、供給されるクロックが矩形波となり、クロックの活
性時間が正弦波より増えて被測定回路全体の動作マージ
ンが増え観測が容易となるという利点がある。
【0047】すなわち、被測定回路のクロックバイアス
(超伝導回路の場合、クロックとバイアスは同じであ
る)の動作範囲を仮に10mVから12mVまでとする
と、正弦波でこのクロックを供給する場合、正弦波の振
幅が12mVを越えず、かつ、10mVから12mVま
での範囲に入るように供給しなければならないが、上記
の図5に示したクロック信号供給回路21は4個のジョ
セフソン接合から構成されているから11.2mVの定
電圧源として動作し、これを定電圧源として正常動作さ
せるとき外部から入力される正弦波の振幅は7mVから
15mV程度まで可能となる。すなわち、クロック信号
供給回路21を用いることにより、正弦波の振幅の変え
られる範囲(動作マージン)が増える。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試験対象の超伝導ラッチ回路を、他の少数のジョセフソ
ン接合を用いた動作判定回路とつなぎ、外部からの入力
をクロック一入力だけとし、クロックは正弦波で供給
し、超伝導ラッチ回路の出力を動作判定回路に入力する
ことにより、出力が低速な矩形信号、あるいは繰り返し
波形などの観測が容易なものと変換することができ、よ
って、超伝導ラッチ回路の動作の上限周波数を得ること
ができる。
【0049】また、本発明によれば、超伝導ラッチ回路
の入力をクロック入力1本だけとして出力信号をデータ
入力端子にフィードバックするように接続することによ
り、データ入力とクロック入力とのタイミングシーケン
スの外部からのコントロールを不要としたため、高速特
性評価の際の測定系の誤動作による誤評価を低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超伝導素子の動作試験装置の一実施の
形態のブロック図である。
【図2】図1中の被測定回路の一実施の形態のブロック
図である。
【図3】図1中の被測定回路の第1の例の回路系統図で
ある。
【図4】図3の各部の信号波形図である。
【図5】図1中の被測定回路の第2の例の回路系統図で
ある。
【図6】図1中の被測定回路の第3の例の回路系統図で
ある。
【図7】図6の各部の信号波形図である。
【図8】図6中の正常動作判定回路の各部のダイナミッ
クシミュレーション結果である。
【図9】図1中の被測定回路の第4の例の回路系統図で
ある。
【図10】従来の超伝導素子の動作試験装置の一例のブ
ロック図である。
【符号の説明】
10 正弦波発振器 20 被測定回路 21 クロック信号供給回路 22 被測定ジョセフソンラッチ回路 23 正常動作判定回路 30 オシロスコープ 211〜214、Jin、J1〜J4、Jsq1、Js
q2 ジョセフソン接合 220、221、222 ジョセフソンラッチ回路 231 ジョセフソンオア回路 232 ジョセフソンアンド回路 Lin1、Lin2、Lsq、Lcirc インダクタ
ンス

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロック入力端子、データ入力端子、真
    出力端子及び補出力端子を有し、該補出力端子と該デー
    タ入力端子が接続された試験対象の超伝導ラッチ回路の
    前記クロック入力端子に、所望の周波数の正弦波又は該
    正弦波を波形整形したパルスを入力するクロック信号入
    力手段と、 前記超伝導ラッチ回路の真出力端子及び補出力端子の両
    出力信号の論理演算を行って2つの動作判定信号を出力
    する動作判定回路と、 前記動作判定回路からの2つの動作判定信号の論理の組
    み合わせから前記超伝導ラッチ回路動作が正常か否かを
    評価測定を行う測定手段とを有することを特徴とする超
    伝導素子の動作試験装置。
  2. 【請求項2】 前記クロック信号入力手段は、前記試験
    対象の超伝導ラッチ回路の前記クロック入力端子に、前
    記所望の周波数の正弦波を直接に入力することを特徴と
    する請求項1記載の超伝導素子の動作試験装置。
  3. 【請求項3】 前記クロック信号入力手段は、前記所望
    の周波数の正弦波を発振出力する正弦波発振器と、前記
    正弦波発振器からの正弦波をパルスに変換して前記超伝
    導ラッチ回路のクロック入力端子に入力するクロック信
    号供給回路とからなり、該クロック信号供給回路は、前
    記超伝導ラッチ回路のクロック入力端子と接地間に接続
    された複数個のジョセフソン接合の直列回路からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超伝導素子の動作試験装
    置。
  4. 【請求項4】 前記動作判定回路は、並列に設けられた
    ジョセフソンオア回路とジョセフソンアンド回路とから
    なり、それぞれから前記動作判定信号を出力することを
    特徴とする請求項1記載の超伝導素子の動作試験装置。
  5. 【請求項5】 前記動作判定回路として、前記超伝導ラ
    ッチ回路の真出力端子及び補出力端子の両出力信号の合
    成信号を分周して一の動作判定信号を出力する、ジョセ
    フソン接合を用いた分周回路を用いることを特徴とする
    請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の超伝導素子の
    動作試験装置。
  6. 【請求項6】 前記試験対象の超伝導ラッチ回路は、互
    いにクロック入力端子が共通接続された第1及び第2の
    超伝導ラッチ回路からなり、該第1の超伝導ラッチ回路
    の補出力端子は該第2の超伝導ラッチ回路のデータ入力
    端子に接続され、該第2の超伝導ラッチ回路の真出力端
    子は該第1の超伝導ラッチ回路のデータ入力端子に接続
    され、該第1の超伝導ラッチ回路の真出力端子と該第2
    の超伝導ラッチ回路の補出力端子からそれぞれ信号を前
    記動作判定回路へ出力することを特徴とする請求項1乃
    至3のうちいずれか一項記載の超伝導素子の動作試験装
    置。
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