JP2913924B2 - 質量分析の方法および装置 - Google Patents

質量分析の方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は質量分析の方法および装
置、特に大気圧下でイオンを生成し、質量分析する質量
分析の方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフ(LC)から流出す
る試料成分と溶媒成分を含む流体を質量分析するために
大気圧イオン化(API)が多用される。この大気圧イ
オン化によれば、試料分子に過剰なエネルギーを与えぬ
ソフトなイオン化が行われ、このためイオン化の際の試
料の分解が少なく、分子イオンを観測し易い。また、高
圧(大気圧)下でのイオン化のため、イオン化ポテンシ
ャルの低い物質でも高いイオン化率でイオン化され、し
たがって、高感度質量分析が期待できる。大気圧イオン
化に関してはアナリティカル・ケミストリー(Analitic
al Chemistry),1990年第62巻第13号第713
A〜725A頁に詳述がなされている。
【0003】大気圧下で生成したイオンを質量分析する
ためにはイオンを真空中に導入しなければならない。大
気圧下で生成したイオンを直ちに高真空室に導いて質量
分析するとその高真空室の汚れなどの問題があることか
ら、大気圧と高真空との間に徐々に圧力勾配をつけるべ
く、大気圧と高真空間に低真空室と中間真空室を設け、
それらの室を別々の排気ポンプを用いてそれぞれ独立に
排気することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、大気圧下で
生成したイオンを真空中に導入すると、急激な断熱膨張
が起き、導入されたイオンが急激に冷却され、水などの
分子が試料イオンに付着して、クラスターイオンとなっ
てしまう。そのため、クラスターイオンを加速させ中性
分子と衝突させて、水等の分子をはぎ取る。しかしなが
ら、加速させる際、低真空室及び中間真空室の圧力設定
が適切でないとイオン速度の分布に広がりが生じ、分析
精度に悪影響を及ぼす。すなわち、圧力の設定によって
は、クラスターイオンを加速させて中性分子と衝突させ
る際に、加速によるエネルギーが衝突によって消費され
ずに速度エネルギーとなり、イオン速度の分布がひろが
ってしまうのである。
【0005】本発明の目的は、イオンを加速する際に、
速度分布の広がりを抑えるように圧力を制御して、分析
精度の向上が可能な質量分析方法及び装置等を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、大気圧
下でイオンを生成し、低真空室および中間真空室を前者
が後者よりも低真空となるように排気手段により排気
し、前記イオンを前記低真空室において第1の加速電圧
で、前記中間真空室において前記第1の加速電圧よりも
低い加速電圧でそれぞれ加速し、前記大気圧下で生成し
たイオンを前記低真空室および中間真空室を介してそれ
らの室よりも高真空の高真空室に導き、この中で質量分
析する。第2の発明では、大気圧下でイオンを生成し、
低真空室を前記大気圧より低い圧力に設定し、中間真空
室を前記低真空室より低い圧力に設定し、高真空室を前
記中間真空室より低い圧力に設定し、前記大気圧下で生
成したイオンを前記低真空室及び前記中間真空室を介し
て前記高真空室に導いて質量分析し、前記低真空室を1
00Pa以上で1000Pa以下に保持する。
【0007】
【作用】第1の発明では、低真空室の加速電圧を中間真
空室の加速電圧よりも高い電圧に設定するので、中性分
子の密度が高い低真空室で、クラスターイオンを開裂さ
せるように高いエネルギーを与え、一方、中性分子の密
度の低い低真空室で、エネルギーの分布が広がらないよ
うに低いエネルギーで加速する。第2の発明では、低真
空室の圧力を100Pa以上で1000Paに設定す
る。この圧力においては、クラスターイオンを加速させ
て中性分子と衝突させる際に、加速によるエネルギーが
衝突によって十分に消費されて、イオン速度の分布が広
がらない。
【0008】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立って本発明の背
景や基礎となるところをまず説明する。
【0009】大気圧下で生成したイオンを質量分析する
ためには、先ずイオンを真空中に導入しなければならな
い。更に高感度測定のためには、大気圧下で生じたイオ
ンの損失をできるだけ少なく(効率良く)高真空の質量
分析計(MS)に導くことが必要である。そのため液体
クロマトグラフ(LC)と直結した質量分析計すなわち
LC/MSのインターフェースで最初に考慮されなけれ
ばならない項目は真空排気である。この排気方式として
は大きく2つの方式がある。図2に示すように第1の方
式は、一つの細孔3を有する隔壁で大気圧部2と真空部
8を隔離し、この細孔3を通して生成したイオンをサン
プリングする方法である。第2の方式は図3または図4
に示すように細孔3,スキマー5,7などを有する複数
の隔壁を用いた数段の差動排気系を通してMS部8にイ
オンを導入する方法である。第1の方式において、MS
として必要とされる真空を得るために細孔径d(m)と
真空ポンプの排気速度S(m3/s)は以下のようにして
求まる。ここでMSの作動真空度は10-3〜10-4Pa
とする。細孔径d(m)の粘性流領域における気体のコ
ンダクタンスC1 は(数1)式で求まる。
【0010】
【数1】
【0011】MS部の真空ポンプの排気速度をS1(m3
/s)とするとMS部の真空P1 は(数2)式で求ま
る。また大気圧P0 は約105Paである。
【0012】
【数2】
【0013】(数2)式はP0≫P1であるから更に(数
2′)と近似できる。
【0014】
【数3】
【0015】今MS部の真空ポンプを排気速度1000
リットル/s=1m3/s の油拡散ポンプとして、MS
部の真空度10-4Pa を得るためには細孔の径dは以
下のようにして求まる。(数1),(数3)式から
【0016】
【数4】
【0017】すなわち約2.5μm の直径の細孔とな
る。真空ポンプの排気速度を10,000リットル/sのクラ
イオポンプとしても細孔の径は7.9μm になるにすぎ
ない。このように小さな径の細孔でイオンを大気中から
サンプリングしようとすると、空気中のゴミなどにより
細孔の詰まりが頻繁に起きる。また細孔の径が小さいた
めイオンを多量に導入できず、高感度測定が困難にな
る。さらに、クライオポンプは極めて高価である点も問
題である。図2にこの方式による模式図を示す。大気圧
高電界中2で噴霧ノズル1から噴霧し生成したイオンは
細孔3を経てMS部8へ入る。中性分子はクライオポン
プの冷却フィン16にトラップされる。一方イオンは直
進し、四重極MS9で質量分散を受け検出器10に到着
する。
【0018】直接細孔一つでイオンをサンプリングする
のではなく、細孔を二つ以上直列同軸上に配置し、各細
孔を有する隔壁間を独立のポンプで排気する方式(図
3)の場合、MS部8の真空は以下のようにして求ま
る。大気圧をP0、MS部8の真空度をP2 とする。差
動排気系部とMS部の真空ポンプの排気速度をそれぞれ
1,S2とする。第1細孔3,第2細孔5の気体のコン
ダクタンスをそれぞれC1,C2とする。また第一,第2
細孔の径をd1,d2とする。
【0019】差動排気室4の圧力P1 は次式で求まる。
【0020】
【数5】
【0021】またMS部の圧力P2 も次式によって求ま
る。
【0022】
【数6】
【0023】なぜならP0≫P1≫P2 であるからであ
る。
【0024】(数5),(数6)式から
【0025】
【数7】
【0026】が求まる。
【0027】またC1 は(数1)式により求まる。
【0028】
【数8】
【0029】分子流領域のコンダクタンスC2 は次式に
より求まる。
【0030】
【数9】
【0031】ただしAは細孔の面積である。これは更に
【0032】
【数10】
【0033】ゆえに(数7)式は
【0034】
【数11】
【0035】となる。
【0036】今MS部8を排気速度1000リットル/
sの油拡散ポンプで、また差動排気系部4を16.7リ
ットル/s のメカニカルブースタポンプで排気すると
する。第1細孔3の直径を200μm,第2細孔5の直
径を400μmとする。差動排気系部4,MS部8の真
空P1,P2はそれぞれ(数5)式,(数11)式から
【0037】
【数12】
【0038】が得られる。MS部8の真空は質量分析に
充分なものである。一つの小さな細孔と大排気量真空ポ
ンプによる第1の方式に比して、複数の細孔と差動排気
システムによる第2の方式は、大きな細孔が使用でき、
かつ安価な真空ポンプが使用できると言う長所を有して
いる。そのため多くの真空装置に広く利用されている。
更に図4に示すように差動排気3段システムも同様に利
用されている。この差動排気方式は大気圧下で生成した
イオンを効率良くMS部へ導く点で優れた方法である。
一般に2段,3段の差動排気系がLC/MSに用いられ
ている。
【0039】またLC/MSインターフェースには真空
以外に考慮すべきことがある。大気圧下で生成したイオ
ンを真空中に導入すると、急激な断熱膨張が起き、導入
されたイオンや分子は急激に冷却される。そのためイオ
ンとともに真空中に導入された水やアルコールなどの分
子が生成したイオンに付加し、クラスタイオンを生成す
る。特に試料イオンの電荷数が多い場合や極性の高い官
能基を数多く有するイオンの場合、多くの水分子やアル
コール分子を付加したクラスタイオンが生成する。例え
ば水が付加する場合次式のように表される。
【0040】
【数13】
【0041】クラスタイオンはイオンに数多くの極性分
子が付加したものである。しかし、付加する分子の種類
や数は一定では無い。そのためこのクラスタイオンから
試料分子の分子量の情報をMSで直接得ることはできな
い。また1つのイオンが数多くのクラスタイオンとして
広く分布するため、検出イオン電流値も小さくなる。そ
のため付加した分子をクラスタイオンから取り除く脱溶
媒(desolvation)が必要となる。その方法として以下
の方法及びそれらの組み合わせ方式が提案されている。
いずれもクラスタイオンに極性分子の付加エネルギーを
上回るだけのエネルギーを外部から与え、極性分子をイ
オンから脱離させるものである。外部から与えるエネル
ギーが過剰の場合クラスタイオンは分解し、分子量情報
を与えない。また逆に低くすぎる場合は付加分子の脱離
が不十分となり、やはり分子量情報を与えない。そのた
めクラスタイオンに与えるエネルギーは付加分子の脱離
に必要なエネルギーをぎりぎり上回るものに制御し、繰
返しイオンにエネルギーを注入することが必要である。
【0042】 (1)カウンターガスとの衝突 (2)マッハディスク面での断熱圧縮 (3)加熱 (4)イオン加速,衝突 (1)カウンターガスとの衝突 図5にこの方式の模式図を示す。加熱(〜70℃)され
た不活性ガス、例えば乾燥窒素中にクラスタイオンを通
し、窒素分子とクラスタイオンを衝突させ、熱を窒素分
子からクラスタイオンに絶えず伝達して付加分子をイオ
ンから脱離させる。乾燥窒素はイオンサンプリング細孔
3の周辺にイオンの流れと逆方向24に流す。そのため
イオンとともに流れてくる中性溶媒分子(水など)は乾
燥窒素でイオンサンプリング細孔3と逆方向23に押し
戻される。一方イオン22は細孔3と噴霧ノズル1の間
に印加された電位で加速され、乾燥窒素分子と衝突し、
脱溶媒して細孔3に入射する。これによりまた真空室内
に余分な極性分子が入ることがなくなり真空室内で衝突
再結合の可能性を小さくできる。完全な脱溶媒はこのカ
ウンターガスとの衝突だけでは達成できないが、本方式
は真空室中に中性の極性分子などの入射を制限できる良
い方法である。そのため単独で用いるより以下の方式と
の組み合わせで脱溶媒をより効率的に達成することがで
きる。
【0043】(2)マッハディスク面での断熱圧縮 大気圧から細孔を通し入射した気体分子は超音速の分子
流となる。そのため図6に示すような真空室の圧力に依
存する衝撃波17,マッハディスク18が生ずる。細孔
3の外2の圧力をP0 ,真空室4の圧力をP1 とし、細
孔直径をdとするとき、マッハディスクは細孔4からの
距離XM 上に生成する。
【0044】
【数14】
【0045】例えば0.3mm の径の細孔の前後の圧力を
105Pa(大気圧),100Paとすると、マッハディ
スクは
【0046】
【数15】
【0047】すなわち細孔から高真空部へ向かって6.
3mm の所にマッハディスクが生成する。マッハディス
ク面では断熱圧縮が行なわれるためクラスタイオンも急
激に加熱され、結果として脱溶媒が行なわれる。第1細
孔3の後方7mm以上離れた所に第2細孔5が位置するよ
うに配置すると、クラスタイオンは必ずマッハディスク
面を通過し、断熱圧縮による加熱で脱溶媒が促進され
る。この方式は外部から特別のエネルギーの供給も無く
脱溶媒が達成できる良い方法である。しかしマッハディ
スクの後では分子の流れは全く不規則となり、第2細孔
5に入射するイオンの流れが一定とならず、そのためイ
オンのサンプリング収率が上がらなくなると言う欠点が
ある。一般にイオンサンプリング収率を向上させるため
にはマッハディスクの前の方向の定まった分子流領域(S
ilent Zone)27でのサンプリングが良く行なわれてい
る。しかし、分子流領域27でサンプリングすれば、当
然ながら、マッハディスクによる断熱圧縮,脱溶媒は行
なわれない。単に方向がそろった分子流を多量にサンプ
リングしているにすぎない。
【0048】(3)加熱 大気圧から真空中に拡散した気体は断熱膨張で急激に冷
される。導入する気体をあらかじめ加熱し、更に細孔を
含むインターフェースを加熱しておくと、断熱冷却をあ
る程度カバーでき、水などの付加を防ぐことができる。
しかし完全な脱溶媒を加熱のみで達成することは困難で
ある。これは、一般にこのインターフェースを通過する
大半の有機化合物のイオンは加熱により容易に熱分解を
受けやすいからである。そのため脱溶媒のためを目的と
した高温の加熱は不可能である。 (4)イオン加速衝突 圧力が100Pa〜10Paになると気体分子の平均自
由行程も0.06mm から0.6mm 程度となる。このよう
な圧力下で電界を印加すると気体中に存在するイオンは
電界の方向へ加速され中性分子と衝突をする。イオンが
電界中を飛行する間加速,衝突を繰り返す。平均自由行
程が0.1mm(〜66Pa)のとき100V/cmの電界の
中においてイオンは約1eVの加速が行なわれる。ここ
でeはイオンの電価数である。衝突により、この運動エ
ネルギーの一部が内部エネルギー(熱エネルギー)に変
換される。この内部エネルギーの値が水分子などの付加
エネルギー(数kJ/mol〜数10kJ/mol=0.01
eV〜0.1eV)を上回れば水分子などを脱離させる
ことができる。この脱溶媒の方式で重要な要素は加速衝
突させる場合の真空度と電界強度である。一般に図8に
示すように、第1細孔3,第2細孔5間、または第2細
孔5,第三細孔7及び両者間などに電位を印加しイオン
を加速,中性分子に衝突させる。印加する電圧V1,V2
を制御することで脱溶媒の程度を変化させることができ
る。この方法は脱溶媒に対し極めて有効な方法である。
しかし、イオン加速衝突部4,6の圧力に直接影響を受
ける点が欠点といえる。また、イオンを加速するため一
部の運動エネルギーが衝突によって消費されず、そのま
まイオンに付与されてしまう危険がある。そのため、高
真空のMS部8へ入ったイオンに速度の広がりが生じて
しまう。これは直接質量分析における分解能,感度の低
下を招くことになる。速度の広がりが1eVを超えると
四重極MSの場合1試料単位以上の分解能達成が困難に
なり、またイオンの透過率も低下する。二重収束質量分
析計の場合は電場で大きくエネルギー分散が行なわれ、
感度の低下,分解能の低下を招くことになる。
【0049】大気圧(〜105Pa)から103Paまで
の窒素分子の平均自由行程それぞれ約5×10-5mm〜5
×10-3mm程度である。これら圧力下では100V/mm
の電界を印加してもイオンの受ける運動エネルギーは5
×10-3eVから5×10-1eVで1eVを大幅に下回
っている。この圧力領域では衝突が頻繁におきるため電
界を印加してもイオンの移動方向は変えられるが、イオ
ンを加速することはできない。即ちこの圧力下でイオン
を加速しても運動エネルギーの広がりを1eV以下に押
さえることができる。一方103Paから1Paにおい
ては、窒素分子の平均自由行程が約5×10-3mmから5
mmとなる。この圧力下で100V/mmの電界を印加する
とイオンが平均自由行程内で受ける運動エネルギーは5
×10-1eVから5×102eV にもなり、大きな運動
エネルギー(速度)の広がりの原因となる。一方0.1
Pa から10-4Paの真空となると平均自由行程は5
0mmから50mとなり、加速されたイオンは、加速場内
で中性分子と衝突する確率が小さくなり、運動エネルギ
ーの広がりは小さくなる。イオンを加速,衝突解離を行
なわせる際には、この運動エネルギーの広がりも併せ考
慮する必要が有る。以上イオンの加速は低真空(103
a以上)か、高真空(10-1Pa以下)で行なえば、イ
オンの速度に広がりは無視できる。大気圧下で生成した
イオンを高真空のMSに取り込むため差動排気系を利用
する方式の真空排気上の利点は前述した。この差動排気
系細孔間に電位を印加することでイオンを収束させ、効
率良くMS導入することができる。更に同時に加速衝突
解離による脱溶媒ができる。しかし、この脱溶媒の過程
でイオンの速度の広がりを作ったのでは逆効果である。
図7のような大気圧から直接イオンをMS部へ取り込む
方式の場合、イオンサンプリング細孔3からMS部8の
イオン飛行方向へ向けて真空は暫時良くなってくる。イ
オンサンプリング細孔3とイオン引き出し電極20の間
が充分ある場合、イオンはこの2つの間で加速され中間
圧力領域(103Pa〜1Pa)を必ず通過する。高圧力
部(105〜103Pa)ではイオンはエネルギーの広が
りを見せない。一方圧力が102 から1Paの領域では
イオンは加速され、エネルギーの広がりを与える。エネ
ルギー(速度)の広がりをできるだけ低く押さえるため
にはイオン引き出し電極20をイオンサンプリング細孔
3に接近させ、高圧力部(105〜103Pa)内でイオ
ンを加速することである。しかしこの領域ではクラスタ
イオンを充分に加速することができず脱溶媒に必要なエ
ネルギ−をクラスタイオンに与えることはできない。そ
のため、この領域での脱溶媒は期待できない。図3の差
動排気系の場合も同様で差動排気系部でのイオンの加速
は中間圧力領域(103〜1Pa)の加速となりエネルギ
ーの広がりを与えてしまう。このエネルギーの広がりを
避けるためには次のような施策が必要である。複数の差
動排気系を使用し、圧力差を段階的にかつ精密に制御す
る。更に102Pa 以下の真空で加速脱溶媒を行なわせ
102〜1Pa の中間圧力下ではイオン加速をできるだ
け低いレベルに押さえ、高真空で一気に加速する。これ
には圧力制御の困難さと、図8のような複雑で高価な差
動排気系が必要である。図8において、第1真空室4の
圧力を103〜102Paに保ち、イオン加速電圧V1
100〜200Vに保つ。第2真空室は10〜1Paに
保ちイオン加速電圧V2 は10〜20Vに押さえる。こ
のようにイオンの速度に影響を与えない低真空領域では
イオン加速電圧を上げて衝突解離を促進させ、イオンの
速度に影響を与える領域は、イオン加速電圧を低く押さ
えれば良い。しかし圧力とイオン加速電圧を常時制御す
ることは決して容易なことではない。また、脱溶媒を促
進するために中間圧力下(103〜1Pa)で高電圧を印
加すると、容易にグロ−放電が開始してしまう。放電が
一旦開始するとインターフェースに導入されたイオンは
消滅する。そのため、放電が起きず、脱溶媒が達成でき
る圧力は限定される。一般に5×103 Pa〜50P
aが脱溶媒に適した圧力である。
【0050】本発明は以下の技術により具現化される。
【0051】圧力が高い領域(大気圧105Pa〜103
Pa)では、電界中においてもイオンの運動は著しく制
限されている。そのためイオンの運動方向の制御は電界
によって達成でき、かつイオンの速度の広がりは生じな
い。102Pa〜1Pa の領域においては、イオンは加
速され中性分子と衝突を繰り返す。その結果イオンの速
度に大きな広がりを生ずる。また1Pa以下の高真空に
おいては、加速されたイオンと残留分子との衝突の確率
は小さくなり結果として速度の広がりも小さくなる。即
ち、圧力が高い場合と、真空が高い場合の中間領域(1
2〜1Pa)においてイオンを加速すると速度の広が
りを招くことになる。そのため、真空の中間領域と高圧
力,高真空部をオリフィス付の隔壁で物理的に分離し、
各真空室において、イオン加速に必要な電圧を印加す
る。インターフェース部を大気圧から順に圧力を下げる
よう室を設け、大気圧に隣接する室は独立のポンプによ
らずに、次段の高真空部へ開口したバイパス穴から排気
すれば、この室の圧力はこの孔のコンダクタンスにより
圧力は容易に設定できる。これにより真空ポンプ,排気
ダクト,制御電源などの簡略化が計れる。
【0052】単一ないしは共通の排気系で異なった室ご
とに異なった圧力を保つことは容易にできる。103
ら102Paの圧力に保たれた室において200から1
00V/5mm の電界によりイオンの加速を行う。これ
によりエネルギ−の広がりを1eV以下に押さえながら
脱溶媒に必要なエネルギーと衝突回数を与えることがで
きる。102 から1Paの室においてはイオンを収束さ
せるに充分な電位(10から20V/5mm程度)を与え
る。これによりこの領域でのエネルギーの広がりを1e
V以下にすることができる。
【0053】図1を参照して本発明の実施例を説明す
ESI(高電界中での液体噴霧によるイオン化すな
わちエレクトロスプレイイオン化)インターフェース
高電圧V0 が印加された噴霧ノズル1,カウンタガ
ス導入室25,第1細孔(イオンサンプリング細孔)
3,第1真空室4,第2細孔5,第2真空室6,第3細
孔7及びイオン加速電源21,ヒータ14,加熱電源1
5などで構成される。
【0054】LCから送りこまれた溶離液は噴霧ノズル
1に達し、大気中2に噴霧される。噴霧された液滴表面
には多くの電荷が滞電している。この液滴は大気中2を
飛行しながら、液滴表面から溶媒を蒸発させ小さくなっ
ていく。表面に滞電した同極性の電荷の反撥が表面張力
を上回ったとき、液滴は一気に細分化する。最終的にイ
オンが液相から大気中2(気相)に移動したことにな
る。この液滴の細分化を助けるため、及びインターフェ
ース内に中性極性分子(水など)が入射するのを防ぐた
め、カウンタガスをガスシリンダ13からニードルバル
ブ12を経て第1細孔3付近から大気中2にイオンの飛
行方向と逆に流してやる。カウンタガスは一般に60〜
70℃に加熱しておき、液滴から溶媒の蒸発を促進させ
る。イオンは電界の助けによりカウンタガスの流れに逆
らって進み、第1細孔3から第1真空室4に入る。イオ
ンは次に第1真空室の第1細孔3,第2細孔5を有する
隔壁に印加された電圧V1 で加速され、中性気体分子と
衝突し脱溶媒を受ける。イオンは更に第2細孔5を経て
第2真空室6に入る。ここでイオンは電圧V2 で加速収
束を受け第3細孔7に入る。第3細孔7を経てMS部8
に入ったイオンは第3細孔7とイオン加速電極20に印
加された加速電圧で加速され四重極MS9で質量分散を
受け、検出器10で検出され直流増幅器11を経てマス
スペクトルを与える。第1,第2,第3細孔は一般的に
スキマー構造とし、拡散した中性分子を次の真空室に入
射させないようにする。第1真空室4は独立した真空ポ
ンプを有せず、第2細孔5の下部に設けられたバイパス
孔26から第2真空室6を経て真空ポンプ1で排気され
る構造となっている。MS部は独立の真空ポンプ2で排
気されている。なお、9は四重極、21はイオン加速電
源である。
【0055】インターフェース部は加熱電源15,ヒー
タ14で加熱され断熱膨張による冷却を防いでいる。
【0056】今第1及び第2,第3細孔の径をそれぞれ
200μm,400μm,500μmとし、第2細孔下
部のバイパス孔の径を5mmとする。真空ポンプ1及び2
の排気速度を16.7リットル/S ,1000リットル
/Sとする。このときの第1,第2真空室及びMS部の
真空度をP1,P2,P3 とする。第1細孔3の排気コン
ダクタンスをC1 とすると、それは(数1)式、従って
以下のように求まる。
【0057】
【数16】
【0058】第2細孔5の排気コンダクタンスをC2
,下部バイパス孔26の排気コンダクタンスをC2
とする。C2′≪C2″であるから、第1真空室4から第
2真空室6への合計の排気コンダクタンスC2
【0059】
【数17】
【0060】と近似できる。
【0061】分子流領域のコンダクタンスC2 は以下の
ようにして求まる。
【0062】
【数18】
【0063】ここで係数0.834 は厚みのある細孔の
コンダクタンス補正項である。
【0064】第1細孔3を通して流入するガスの流量を
1 とし、第1真空室4から第2真空室6に流入するガ
スの流量Q2 とするとき両者は等しくなる。
【0065】
【数19】
【0066】
【数20】
【0067】Q1=Q2であるから第1真空室の圧力P1
【0068】
【数21】
【0069】第2真空室6の圧力P2
【0070】
【数22】
【0071】となる。
【0072】第1真空室に比して第2真空室は約1桁良
い真空が得られる。MS部の真空P3 は更に以下のよう
にして求まる。
【0073】
【数23】
【0074】この真空は質量分析に充分なものである。
【0075】この条件下での各部のパラメータを整理し
たものを以下に示す。
【0076】 第1細孔径 :200μm 第2細孔径 :400μm 第3細孔径 :500μm バイパス孔径:5mm ポンプ1(例えばメカニカルブースターポンプ)の排気
速度:16.7 リットル/s ポンプ2(例えば油拡散ポンプ)の排気速度
:1000リットル/s 第1真空室圧力 :330Pa 第2真空室圧力 :38Pa MS部真空室圧力:5.5×10-4Pa バイパス孔径を5mmから2.5mm にすると、第1真空室
の圧力P1 は330×(5/2.5)2=1320Pa、
また逆に8mmとすると、330×(5/8)2=129P
aとなるまた孔径5mmのバイパス孔を2個に増やすと
330/2=165Paとなる。この様にバイパス孔径
又はその数を変えることで簡単に第1真空室の圧力を設
定できる。この例の場合は差動排気系2段の排気システ
ム図8と同等になる。即ち、油回転ポンプ(排気速度1
20リットル/min)及びメカニカルブースターポンプ
(排気速度1000リットル/min)及び油拡散ポンプ
(排気速度1000リットル/s)の3段差動排気シス
テムと同等になる。図1に示したインターフェースは油
回転ポンプ及び配管,排気シーケンスなどが不要とな
り、機構を大幅に簡素化することが可能となる。第1細
孔3,第2細孔5間に100V,第2,第3細孔7間
に、10Vを印加したとする。第1,第2,第3細孔間
の距離をそれぞれ5mmとする。第1真空室4の圧力は3
30Pa、第2真空室6の圧力は38Paであるから第
1真空室4内で平均自由行程内で0.02×20=0.4
(eV)、第2真空室6内では0.17×2=0.34(e
V)のエネルギーでイオンは平均的に加速される。両室
間での合計でも最大0.4+0.34=0.74(eV)の
加速エネルギーの広がりが予測される。これは1eVを
下回り、四重極MS,磁場形MSでどちらでも充分な感
度,分解能が得られる範囲となる。第1真空室4では、
5/0.02=250 、即ち250回のイオンと中性分
子(窒素など)の衝突が行われる。これら多数の衝突に
より、衝突のエネルギーは振動などの内部エネルギーに
変換され(加熱されたものと同等)付加した分子を解離
するのに充分なエネルギーとなる。これにより高い効率
の脱溶媒を可能にする。一方図9に示すような一段の差
動排気系の場合、イオン加速電圧V1 100Vの加速を
行い、第1真空室4の圧力を38Paとすると最大0.
17×100/5=3.4(eV)の速度の広がりを生
ずることとなり、もはや高い分解能,感度を求めること
ができない。
【0077】図10には、第1真空室4の排気が専ら第
2細孔5を経て行われる例を示す。第2細孔は径を数mm
から5mm程度に設定すれば図1の実施例と同等となる。
【0078】図11には本発明の別の実施例を示す。イ
オンサンプリングを細孔に依らずキャピラリー(内径
0.5〜0.2m,長さ100mm〜200mm)に依るもの
である。キャピラリーは石英製でも、ステンレススチー
ルなど金属性でもかまわない。しかし石英製の場合は両
端に銀メッキなどをほどこしイオン加速電位が印加でき
るようにする必要はある。またこのキャピラリーを加熱
し脱溶媒を助けることは可能である。しかし第1真空室
はバイパス孔26を経てポンプ1で排気される点は実施
例1と同等である。
【0079】図12には図9に示した従来方式で取得し
たインシュリン(Insuline)(分子量5734.6)マス
スペクトルである。試料導入量は1μgである。マスス
ペクトル上には意味あるピーク(多価イオン)は出現し
ていない。この測定には二重収束質量分析計を用い加速
電圧は4kVであった。
【0080】図13は本発明(図1)の実施例によって
得た牛インシュリン(Insuline)のマススペクトルであ
る。試料導入料は10ngである。前述の1/100の
試料導入にもかかわらず、Insulineの多価イオン(M+
6H)6+,(M+5H)5+,(M+4H)4+ が明瞭に出現
している。これは前述の方式によれば脱溶媒が不完全
で、多価イオンはノイズとして広いマス領域に不規則に
出現したり、二重収束質量分析計の電場で補足されてし
まったと考えられる。本発明の実施例によれば多価イオ
ンの脱溶媒が充分に行われ、マススペクトル上に明瞭に
マスピークを与えている。またクラスタイオンによるマ
ススペクトル上のノイズも少なくなっている。
【0081】このように多価イオン,擬分子イオンを充
分に脱溶媒し、感度良く測定できるようにすることがで
きる。
【0082】大気圧イオン化としてエレクトロスプレイ
イオン化(ESI)で説明を行ったが、大気圧化学イオ
ン化(APCI)や、流体補助ESIなどでも同じ効果
が得られる。また本発明はLC/MSのみ適用されるの
ではなく、超臨界クロマトグラフィー(SFC)/M
S,CZE(Capillary Zone Electrophoresis)/MS
など大気圧下でイオン化する手法に適用可能である。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
イオンを加速する際に、速度分布の広がりを抑えるよう
に圧力を制御して、分析精度の向上が可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく一実施例を示す液体クロマト
グラフ/質量分析計の全体構成を示す概略図である。
【図2】従来技術によるLC/MS装置の概念図であ
る。
【図3】従来技術によるLC/MS装置の概念図であ
る。
【図4】従来技術によるLC/MS装置の概念図であ
る。
【図5】カウンタガス方式のイオン化によるLC/MS
装置の概念図である。
【図6】大気圧下から真空へ導入された超音速流体によ
る衝撃波の模式図である。
【図7】速度の広がりを押さえるためのイオン引き出し
電極を備えたLC/MS装置の概念図である。
【図8】差動排気系3段によるLC/MSの概念図であ
る。
【図9】差動排気系2段のLC/MSの概念図である。
【図10】本発明の他の実施例を示すLC/MS装置の
概念図である。
【図11】本発明の他の実施例を示すLC/MS装置の
概念図である。
【図12】従来の方式で得たInsulineのマススペクトル
を示す図である。
【図13】本発明の実施例により得られたInsulineのマ
ススペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1…噴霧ノズル、2…大気圧領域、3…イオンサンプリ
ング細孔(第1細孔)、4…第1真空室、5…第2細
孔、6…第2真空室、7…第3細孔、8…MS部、9…
四重極、10…検出器、11…直流増幅器、12…ニー
ドルバルブ、13…ガスシリンダ、14…ヒータ、15
…ヒータ電源、16…クライオポンプ冷却ファン、17
…衝撃波、18…マッハディスク、19…スキマー、2
0…イオン加速電極、21…イオン加速電源、22…イ
オンビーム、23…中性分子の流れ、24…カウンター
ガス流、25…カウンターガス室、26…バイパス孔。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気圧下でイオンを生成し、低真空室およ
    び中間真空室を前者が後者よりも低真空となるように共
    通の排気系により排気し、前記イオンを前記低真空室に
    おいて第1の加速電圧で、前記中間真空室において前記
    第1の加速電圧よりも低い加速電圧でそれぞれ加速し、
    前記大気圧下で生成したイオンを前記低真空室および中
    間真空室を介してそれらの室よりも高真空の高真空室に
    導き、この中で質量分析することを特徴とする質量分析
    法。
  2. 【請求項2】前記低真空室は前記中間真空室を介して前
    記排気装置により排気されることを特徴とする請求項1
    にもとづく質量分析法。
  3. 【請求項3】大気圧下でイオンを生成し、低真空室を前
    記大気圧より低い圧力に設定し、中間真空室を前記低真
    空室より低い圧力に設定し、高真空室を前記中間真空室
    より低い圧力に設定し、前記大気圧下で生成したイオン
    を前記低真空室及び前記中間真空室を介して前記高真空
    室に導いて質量分析し、前記低真空室を100Pa以上
    で1000Pa以下に保持することを特徴とする質量分
    析法。
  4. 【請求項4】前記低真空室を100Pa以上で330P
    a以下に保持することを特徴とする請求項3にもとづく
    質量分析法。
  5. 【請求項5】第1および第2の真空室と、これらの真空
    室を前者が後者よりも低真空となるように排気する手段
    とを有し、前記第1および第2の真空室はイオンが第1
    および第2の室を通過し得るように配置された開口を有
    し、前記排気手段は前記第1および第2の真空室に対し
    て共通であり、前記イオンを前記第1の真空室において
    第1の加速電圧で、前記第2の真空室において前記第1
    の加速電圧よりも低い第2の加速電圧で加速する手段を
    備えていることを特徴とするインターフェース。
  6. 【請求項6】前記開口はスキマー状に形成されている請
    求項5にもとづくインターフェース。
  7. 【請求項7】大気圧下でイオンを生成する手段と、その
    イオンを高真空下で質量分析する手段と、両手段を結合
    するようにその両手段間に配置されたインターフェース
    とを備え、このインターフェースは低真空室と、この低
    真空室と前記質量分析手段の間に配置された中間真空室
    と、これらの室を前者が後者よりも低真空となるように
    排気する手段とを備え、この排気手段は前記低真空室お
    よび中間真空室に対して共通であり、さらに、前記イオ
    ンを前記低真空室において第1の加速電圧で、前記中間
    真空室において前記第1の加速電圧よりも低い加速電圧
    でそれぞれ加速する手段と、前記低真空室および中間真
    空室は前記イオン生成手段により生成されたイオンが前
    記質量分析手段に向って通る開口を有することを特徴と
    する質量分析装置。
  8. 【請求項8】前記低真空室を前記中間真空室を介して前
    記排気手段により排気するように、前記低真空室を前記
    中間真空室と連通させるためのバイパス排気孔を備えて
    いる請求項にもとづく質量分析装置。
  9. 【請求項9】大気圧下でイオンを生成する手段と、その
    イオンが通るように配置された第1の真空室と、この真
    空室を通ったイオンが通るように配置された第2の真空
    室と、この真空室を通ったイオンを質量分析する手段
    と、前記第1および第2の真空室を前者が後者よりも低
    真空となるように排気する手段と、前記イオンを前記第
    1の真空室において第1の加速電圧で、前記第2の真空
    室において前記第1の加速電圧よりも低い加速電圧で加
    速する手段とを備えている質量分析装置。
  10. 【請求項10】前記第1の真空室を前記第2の真空を介
    して前記排気手段により排気するように前記第1の真空
    室を前記第2の真空室と連通させるバイパス排気孔を備
    えている請求項9にもとづく質量分析装置。
  11. 【請求項11】大気圧下でイオンを生成するイオン生成
    手段と、大気圧より低い圧力に設定された低真空室と、
    前記低真空室より低い圧力に設定した中間真空室と、前
    記中間真空室より低い圧力に設定された高真空室と、前
    記大気圧下で生成したイオンを前記低真空室及び前記中
    間真空室を介して前記高真空室に導いて質量分析する質
    量分析装置において、前記低真空室を100Pa以上で
    1000Pa以下に保持することを特徴とする質量分析
    装置。
  12. 【請求項12】前記低真空室を100Pa以上で330
    Pa以下に保持することを特徴とする請求項11に基づ
    く質量分析装置。
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