JP2913017B2 - 澱粉粒からのサイクロデキストリン類の製造方法 - Google Patents

澱粉粒からのサイクロデキストリン類の製造方法

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JP2913017B2
JP2913017B2 JP8097409A JP9740996A JP2913017B2 JP 2913017 B2 JP2913017 B2 JP 2913017B2 JP 8097409 A JP8097409 A JP 8097409A JP 9740996 A JP9740996 A JP 9740996A JP 2913017 B2 JP2913017 B2 JP 2913017B2
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和貴 山本
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NORINSUISANSHO SHOKUHIN SOGO KENKYUSHOCHO
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、生澱粉粒及び/又
は損傷澱粉粒からのサイクロデキストリン類(以下、C
Dsと略記することがある。)の製造方法に関する。よ
り詳細には、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、甘藷澱
粉、小麦澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、ア
マランス澱粉などの澱粉粒を液化することなく用い、こ
の澱粉粒にサイクロデキストリン合成酵素(以下、CG
Taseと略記することがある。)を作用させてCDs
を生成させ、さらに生成したCDsを連続的に反応系外
に取り出してCDsを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】澱粉からCDsを製造する方法として
は、澱粉を水に懸濁させて澱粉乳を作り、この澱粉乳を
耐熱性α−アミラーゼなどの液化用酵素とともに澱粉糊
化温度以上の高温に加熱して糊化−液化した後に、CG
Taseを加える方法が古くから用いられている。しか
し、CDsの収率低下を防止するために、澱粉を糊化−
液化するときには、CGTaseを液化用酵素として用
いるのが一般的である。
【0003】CDsを製造する方法としては、約10%
(w/v)濃度の澱粉乳に液化用酵素として耐熱性α−
アミラーゼもしくはCGTaseを加え、高温に加熱し
て酵素を失活させながら糊化−液化した後に、CDs生
産用のCGTaseを加えてCDsを生産する方法が実
用化されている。
【0004】また、澱粉粒が糊化する程度に加熱を抑
え、CGTaseの失活を抑制することにより、再びC
GTaseを加えることなくCDsを生産する方法も知
られている。
【0005】これらCDsの製造法においては、6、
7、8グルコース環のそれぞれα−、β−、γ−CDの
他に、9グルコース環以上の大環状CDs、さらにはこ
れらに糖質が付加した分岐CDsの他に単糖、二糖、オ
リゴ糖が生産される。
【0006】これらCDs等の糖質は、澱粉液化工程、
液化澱粉からのCDs製造工程、液体クロマトグラフィ
によるカラム分離、限外濾過膜等による膜分離などによ
る精製工程を経て製造される。
【0007】しかし、澱粉乳を糊化−液化してからCG
Taseを作用させる従来の製造方法では、糊化−液化
のための澱粉糊化温度以上の高温への加熱操作、及びそ
れに続くCDs合成反応のための冷却操作を必要とす
る。この際、加熱及び冷却エネルギーの使用が、CDs
の製造上不利となる。また、糊化−液化しながらCGT
aseを加える従来のCDs製造方法においても、高温
加熱操作のためのエネルギーが必要である。
【0008】CGTaseにより製造されたCDsを、
膜により未反応液澱粉糊化−液化液から分離する操作の
際、一般的には限外濾過膜を用いるが、糊化−液化した
澱粉液が高粘度であるため、圧力をかけて膜分離を行う
必要があり、しかも透過流束が上がらず膜が目詰まりし
やすいなどの問題がある。
【0009】また、糊化−液化した澱粉液は高粘度であ
ることなどの製造工程における操作性及び反応収率の問
題から、従来法では反応液中の澱粉濃度は重量濃度にし
て約10%程度までしか上昇させることができない。
【0010】最近、CDsを廉価で製造する必要性が増
加し、安価なCDsを製造する方法の開発が強く求めら
れてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
要求を満たすCDsの製造方法として、エネルギー消費
を抑え、液化せずに直接、澱粉粒にCGTaseを作用
させ、CDsを効率的に製造する方法を提供するもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、生澱粉粒及び
/又は損傷澱粉粒を液化することなく、サイクロデキス
トリン合成酵素を作用させることを特徴とするCDsの
製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によれば、澱粉粒を液化す
ることなく、サイクロデキストリン合成酵素を作用させ
てCDsを製造することができる。ここで、澱粉粒は固
体のものであればよく、生澱粉粒や物理的外力により損
傷を受けたもの等を用いることができる。本発明の方法
は、基質が固体、生成物が液体であるので、分離が容易
であり、CDsを連続的に反応系外に取り出し、効率よ
く製造することができる。本発明の方法では、糊化−液
化することなく澱粉粒に直接酵素を作用させてCDsを
製造することができるので、従来の方法よりも効率よく
CDsを製造することができる。
【0014】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明で用いる基質である澱粉としては、馬鈴薯澱粉、ト
ウモロコシ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、コメ澱粉、タピ
オカ澱粉、サゴ澱粉、アマランサス澱粉などの生澱粉粒
物理的処理した損傷澱粉粒が用いられる。損傷澱粉粒
は、粉砕、磨砕等の圧力、せん断力を伴う物理的処理
より得られる。これら澱粉粒は、2種類以上を組み合わ
せて用いることができる。さらに、本発明によれば、最
大50重量%程度、通常は10〜30重量%用いて反応
を行うことができる。
【0015】次に、本発明で用いることのできるCGT
aseとしては各種由来のものがあり、例えばバチルス
・マセランス由来のCGTaseがあげられる。本酵素
の他にも、澱粉粒分解性(もしくは生澱粉分解性)を有
するCGTaseであれば、本発明に使用することがで
きる。
【0016】固体基質である澱粉粒にCGTaseを作
用させる場合、CGTaseはグラムあたり5〜50T
HU(単位)用いる。また、この反応はpH5〜10.
5、好ましくは6〜8にて、40〜65℃、好ましくは
50〜60℃で6〜48時間程度行う。
【0017】固体基質にCGTaseを作用させると、
CDsは反応溶液に移るので、反応溶液を取り出し、膜
処理により酵素と生成物を分離し、酵素を循環させれ
ば、連続的な生産が可能となる。また、膜におけるCD
sなどの糖質の分離操作においても、反応基質である澱
粉が固体のままであるので、澱粉乳の液部の粘度上昇が
少ないという操作上の利点もある。
【0018】さらに、糊化−液化による高分子デキスト
リンの生成がなく、未反応澱粉は固体のまま残ることか
ら、本発明の方法は膜の目詰まりの軽減、洗浄操作の軽
減などの利点も有している。
【0019】未反応の澱粉粒は、糊化−液化されていな
いので、そのまま或いは保存後、再び反応基質として用
いることができる。
【0020】本発明における連続的なCDsの製造工程
においては、従来必須であった液化工程を省略すること
ができる。すなわち、澱粉粒を液化することなくそのま
まCGTaseを作用させ、CDsを生産させ、限外濾
過膜等の膜による反応生成物の分離操作、逆浸透膜によ
る反応生成物の濃縮・晶析操作を経て最終製品を得るこ
とができる。
【0021】また、本発明における連続的なCDsの製
造工程においては、限外濾過膜よりも孔径が大きい精密
濾過膜や粒子濾過膜等を、CGTase反応容器の直後
に設備することにより、澱粉粒の除去及び再利用が可能
になるのみならず、引き続く限外濾過膜による分離操作
において、膜の目詰まりの軽減等、製造工程の操作性を
効率的に向上させることが可能である。
【0022】本発明においては澱粉を糊化−液化する操
作を省くことができることから、従来約10重量%の濃
度以下でしか用いられなかった澱粉を、約30重量%以
上でも用いることができる。つまり、連続的に大量のC
Dsを製造すること可能となり、実用上の価値が大き
い。
【0023】反応系にCDsの生産を促進する物質、例
えば澱粉鎖に特定の立体構造を形成させて螺旋等を形成
させると言われるエタノール、SDS(ドデシル硫酸ナ
トリウム)、脂肪酸等の物質の他に、澱粉の溶解性を向
上させると言われるDMSO(ジメチルスルホキシド)
等の物質、pHを調整するための酸性物質もしくは塩基
性物質を加えてもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳述するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】実施例1 市販馬鈴薯澱粉10.0g(最終濃度10.0重量%)
をpH5.5のリン酸緩衝液(NaH2PO4-Na2HPO4)89.
0gに懸濁させ、50℃に保ち、攪拌しつつバチルス・
マセランス由来のCGTase液100μL(酵素単位
6THU/g 澱粉)を添加して反応を開始した。その結果、
図1に示すように、CDsの生産量は経時的に増加し、
最大で約24%の収率でCDsが得られた。
【0026】実施例2 市販馬鈴薯澱粉の最終重量濃度、該CGTase液添加
量、反応時間が異なる以外は実施例1と同様にして市販
馬鈴薯澱粉濃度20.0g(最終濃度20.0重量%)
または30.0g(最終濃度30.0重量%)にCGT
ase液の酵素単位6THU/g 澱粉(それぞれ200μ
L、300μL)を加えて反応を開始したところ、図2
に示すように、120時間後に、約18%または約16
%の収率でCDsが得られた。
【0027】実施例3 馬鈴薯澱粉は市販馬鈴薯澱粉を1時間自動乳鉢で磨砕し
たものを用いたこと、攪拌をしなかったこと、及び反応
時間を24時間としたこと以外は実施例1と同様にして
実施したところ、図3に示すように、磨砕澱粉粒を用い
ることで、攪拌しなくてもCDsが約23%の収率で得
られた。
【0028】実施例4 反応液のpHを変えたこと以外は実施例1と同様にして
実施したところ、図4に示すように、pHを調整する物
質(この場合は酸性物質としてNaH2PO4 、塩基性物質と
してNa2HPO4)の量を加減することにより、pH8におい
てCDsが約30%の収率で得られた。なお、通常のC
GTase安定領域以外でも、酵素は澱粉粒に吸着され
ることにより安定化され、例えばpH10でもCDsの
収率は20%であり、反応が進行することが示された。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法では、澱粉粒を液化するこ
となく、澱粉粒分解性を有するCGTaseで分解し、
高濃度の澱粉粒からCDsを得ることができる。また、
本発明の方法では、澱粉粒を糊化−液化するための加熱
操作を、完全に或いは一部省略できるので、CDsを極
めて効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 馬鈴薯澱粉(重量濃度10%)に、攪拌条件
下、バチルス・マセランス由来のCGTaseを澱粉1
グラムあたり6単位量作用させたときのCDsの生成量
の経時変化を示すものである。
【図2】 重量濃度5、10、20、30%の馬鈴薯澱
粉に、攪拌条件下、バチルス・マセランス由来のCGT
aseを澱粉1グラムあたり6単位量作用させたときの
120時間後のCDsの生成量を示したものである。
【図3】 磨砕処理或いは未処理、それぞれの馬鈴薯澱
粉(重量濃度10%)に、静置条件下、バチルス・マセ
ランス由来のCGTaseを澱粉1グラムあたり6単位
量作用させたときのCDsの生成量を示したものであ
る。
【図4】 異なるpH条件下において、馬鈴薯澱粉(重
量濃度10%)に、攪拌条件下、バチルス・マセランス
由来のCGTaseを澱粉1グラムあたり6単位量作用
させたときのCDsの生成量を示したものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生澱粉粒及び/又は損傷澱粉粒を液化す
    ることなく、サイクロデキストリン合成酵素を作用させ
    ることを特徴とするサイクロデキストリン類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 澱粉が、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱
    粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、コメ澱粉、タピオカ澱粉、サ
    ゴ澱粉及びアマランサス澱粉のいずれかである請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 生成したサイクロデキストリン類を連続
    的に反応系外に取り出してサイクロデキストリン類の製
    造を行う請求項1記載の方法。
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JP2782077B2 (ja) * 1989-02-28 1998-07-30 王子コーンスターチ株式会社 サイクロデキストリンの製造方法

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