JP2912545B2 - 加圧水型原子炉および加圧水型原子炉の防御方法 - Google Patents

加圧水型原子炉および加圧水型原子炉の防御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御棒の落下に応答し
て制御棒の回収を自動的に阻止するための加圧水型原子
炉およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧水型原子炉の反応度は、炉心を介し
て循環する炉冷却材に含まれるホウ素などの中性子吸収
体の濃度を調整することや、制御棒を炉心へ挿入するこ
とによって制御される。ホウ素の濃度変化は、炉心の広
範囲に亙って影響を及ぼす。一方、制御棒の挿入による
影響は局部的なものである。制御棒は、炉心に対して段
階的に出し入れされるのが普通であるが、必要に応じ
て、炉心を閉鎖させるために炉心へ急速に落下される。
通常運転時に、一台以上の制御棒駆動機構が誤動作をし
て制御棒を炉心へ落下させてしまうことも考えられる。
これは、炉心の反応度の低下、延いては、炉心内の冷却
材の平均温度の低下につながる。炉心内の冷却材の平均
温度の低下を従来の制御装置が検出すると、実際に制御
棒が落下してから約2秒後に、この従来の制御装置は、
温度の低下に応答して特定の制御棒を回収し、炉心の平
均温度を設定点レベルへと引上げる。このため、制御装
置が炉心の反応度の低下を補償しようとすればする程、
炉心の別の部分の熱量が過度に増加する。
【0003】従来の加圧水型原子炉においては、ホウ素
濃度を調整することによって、制御棒を操作しながら出
力レベルを制御し出力分布を制御している。この制御法
に基づく負荷追従運転時においても、運転中に炉心内へ
挿入される制御棒の部分は制御棒の僅か3分の1であ
る。上記の制御法によれば、最悪の場合でも、制御棒の
落下は、炉心の別の部分に危険を伴う温度上昇を引起こ
すことはないと分析的に判断されている。制御棒の落下
は、従来の原子炉の運転に悪影響を及ぼすが安全性の脅
威とはならない。
【0004】本発明の譲り受け人は、受動式安全系で防
御された改良型の加圧水型原子炉を開発した。すなわ
ち、あらゆる種類の誤動作が発生しても、運転員の介入
を必要とせずに原子炉の安全運転状態を維持できるので
ある。この改良型の加圧水型原子炉に用いられている制
御法によれば、ホウ素の濃度の調整に基づいた負荷追従
運転ではなく、主として制御棒を用いた負荷追従運転が
実施される。従って、炉心へ挿入される制御棒の立坑口
の組合わせ方に様々な変化を加えて、負荷追従運転を実
施して炉心における出力分布を適切に維持することがで
きる。制御棒の挿入方法を組合わせても、制御棒の落下
が炉心の別の部分における燃料破損の原因にはならない
状況などないかどうかを分析的に判断することは実行不
可能である。
【0005】このように、ホウ素の濃度を調節するので
はなく制御棒を用いることで負荷追従運転を行って、制
御棒の落下が発生したかどうかを判断する確実な装置を
備えた改良型の加圧水型原子炉が求められている。防御
装置は全部が受動式のものであることとした改良型の加
圧水型原子炉としての基準を満足させるためには、制御
棒の落下を検出するための装置として安全系等級づけが
必要である。この安全系等級づけ装置は、人間の運転員
の介入がなくても自動的に運転できるという信頼度を示
す。安全系の等級づけ基準はIEEE基準603(19
80年版)に規定されている。IEEE基準603(1
980年版)は、米国原子力規制委員会(NRC)によ
って規定され、その内容の応用も規制の手引き1.15
3においてNRCによって管轄される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】制御棒の炉心に対する
段階的な出入りに追従して、制御棒の位置を示すための
制御棒位置表示器が設けられた装置は周知の通りであ
る。また、制御棒が完全に挿入された時にマイクロスイ
ッチで作動する制御棒底部灯が設けられた装置も周知の
通りである。しかし、これらの装置はどちらも安全系等
級づけ装置とは異なる。これらは、安全系等級づけ制御
棒位置表示装置なのであり、高価で保守が面倒である。
【0007】米国特許4,774,049号は、炉心の
出力分布をオンラインで実時間に表示し、基準位置に対
する二次元炉心出力分布を特に正確に算出し表示する装
置を開示している。この装置を使用すれば、熟練した人
間の観察者ならば、制御棒の落下の表示を抽出できる。
しかし、この装置も安全系等級づけ装置ではない。重要
な点は、これは受動的ではないという点である。しか
も、人間の観察者が熱電対の障害を認識できないという
問題がある。
【0008】加圧水型原子炉における制御棒の落下を確
認するための改良型の全自動装置と方法が求められてい
る。特に、安全系等級づけ装置が求められているのであ
る。しかも、制御棒の落下と装置障害とを識別できる装
置と方法とが求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の要求に応えるため
に、本発明は、加圧水型原子炉における制御棒の落下を
検出するための方法と安全系等級づけ装置を提供する。
更に具体的には、本発明は、制御棒の落下を検出し、制
御棒の落下が検出されたときに原子炉制御棒制御装置が
炉心から制御棒を回収するのを自動的に阻止するための
方法と装置とに係わる。炉心出口熱電対と、熱電対が発
生する信号を分析して制御棒の落下を確認する処理装置
とを用いて、制御棒の落下を検出する。更に具体的に
は、平均炉心入口温度と平均炉心出口温度とを測定する
温度センサ、好適には、高温/低温脚部温度センサの出
力と熱電対の信号とに基づいて、熱電対地点における燃
料集合体内の温度上昇時と原子炉容器全域の温度上昇時
との相対出力の基準状態時からの偏差を熱電対位置毎に
算出する。好適には、周知の曲面スプライン適合を使用
して、熱電対が設けられていない他の燃料集合体に対す
る相対出力偏差を外挿する。次に、相対出力分布の空間
二次導関数で示される曲率指数を燃料集合体一つ一つに
ついて算出する。その後、制御棒を備えた燃料集合体の
曲率指数と、隣接燃料集合体、好適には、横方向に隣接
した燃料集合体の曲率指数とを分析して、制御棒の落下
を検出し熱電対の故障を制御棒の落下から識別する。
【0010】
【実施例】
実施例1.図1は、典型的な加圧水型原子炉(PWR)
3を備えた核蒸気供給装置1の概略図である。この加圧
水型原子炉においては、本発明に従って、制御棒の落下
と熱電対の誤動作とが検出される。PWR3には、頭部
7によって密閉されて加圧型容器を形成する原子炉容器
5が設けられている。原子炉容器5は、燃料集合体11
の行列で構成される炉心9を収納する。また、燃料集合
体は、核***性物質が収容された燃料棒13を多数備え
ている。燃料棒13内の核***によって熱が発生する。
この熱は、炉心9を通過する軽水などの加圧型原子炉冷
却材によって吸収される。炉冷却材は、入口15から原
子炉容器5へ侵入し、環状降下管17から下方へ流入
し、その後、燃料集合体11を介して上方へ流入する。
燃料集合体で、冷却材は、核***の熱で加熱される。加
熱された炉冷却材は、炉心から出て上方へ流れ、出口1
9から一次ループ23の高温脚部21に流込む。高温脚
部21は、加熱炉冷却材を蒸気発生器25へ搬送する。
蒸気発生器25で、供給水が蒸気に変換される。蒸気
は、二次ループ27内を循環する。これによって、電力
を発生するタービン発電器29が駆動される。炉冷却材
は、炉冷却材ポンプ33によって低温脚部31を介して
入口15へ返還される。図1には一次ループ23内の蒸
気発生器25を1台のみ図示したが、公知のとおり、典
型的なPWR核蒸気供給装置1には一次ループが2〜4
台と、一台のタービン発電器29を駆動する二次ループ
27が一次ループに匹敵する台数だけ設けられる。ま
た、蒸気を発生する蒸気発生器25が一次ループ毎に設
けられている。
【0011】炉内化学体積制御装置CVCS34と、上
述の制御棒制御装置37によって炉心9に挿入されたり
炉心9から回収されたりする制御棒35とを使用して、
炉冷却材に溶解されている中性子吸収体の濃度を調整す
ることによって、炉心9の反応度を制御する。制御棒制
御装置37は、原子炉制御防御装置39の指示の下で制
御棒の立坑口を挿入し回収する。原子炉制御防御装置3
9は、RTD41と43などの温度センサによって測定
された高温脚部炉冷却材温度と低温脚部炉冷却材温度と
を入力する。原子炉制御防御装置39が監視するその他
の原子炉パラメータは、選択された燃料集合体地点で炉
心出口熱電対45によって以下に述べるように測定され
る炉心出口温度である。炉心内検出装置47は、定期的
に炉心内の出力分布をマッピングする。制御棒落下検出
装置49は、高温脚部温度センサ41と低温脚部温度セ
ンサ43および炉心出口熱電対45が発生する信号に基
づいて、制御棒の落下35を検出し制御棒制御装置37
に印加される信号を発生する。これによって、制御棒の
回収が阻止される。
【0012】PWRの具体例3は改良型の原子炉であ
り、上述の通り、炉冷却材に含まれる中性子吸収体の濃
度を調整することによってではなく主に制御棒を移動さ
せることによって負荷追従運転を実施しようとするもの
である。この種の原子炉は、中性子吸収物質を収容する
制御棒ばかりでなく、炉心9での出力分布を適切に維持
するための反応の穏やかな中性子吸収物質を収容するグ
レイ制御棒をも備えている。図2は、PWRの具体例3
における炉心9内の燃料集合体11の配置を示す。ここ
で、従来の制御棒35をCで表し、グレイ棒35’をG
で表す。説明し易いように、特に明記しない限り、制御
棒35は、従来の制御棒Cとグレイ棒Gの両方を意味す
るものとする。一台の燃料集合体における制御棒35
は、共通の機構で運転されるクラスタを形成する。一
方、クラスタ群同士は、周知の通り、電気的に結合して
制御棒の立坑口を形成する。立坑口への制御棒の割当て
については、本発明の理解には必要ないので図2には示
さない。
【0013】炉心出口熱電対45は、燃料集合体11の
約4分の1の辺りに設けられた計測指頭に搭載されてい
る。図2に示すように、炉心出口熱電対は、燃料集合体
11全域に規則的なパターンに従って配列されるので、
炉心出口熱電対45は、従来の制御棒クラスタCと2台
のグレイ棒クラスタを除いた全部のグレイ棒クラスタG
各々の横方向に隣接した燃料集合体に配置される。例外
のグレイ棒クラスタG2台は、炉心9の辺縁に位置し、
各々が、その横方向に隣接した燃料集合体内に炉心出口
熱電対1台を有する。更に、制御棒クラスタCとグレイ
棒クラスタG一つ一つの位置からチェスのナイトの動き
だけ離れた位置に存在する燃料集合体には、少なくとも
2台、より一般的には、4台の炉心出口熱電対45が設
けられる。従って、2本の完全に別個の炉心出口熱電対
列に分割された装置を支援するのはは容易である。しか
し、本発明の好的実施例では、四列装置を採用してい
る。四列装置では、演算プロセス中の一時点で列間での
情報の相互交換が必要である。PWRの具体例3では、
炉心出口熱電対を図2の熱電対45に添付された数字1
〜4で示されるパターンに従って四つの列に分割させて
いる。
【0014】本発明の制御棒落下検出装置が安全系等級
づけ装置と見なされるためには、炉心出口熱電対45を
含む装置全体がIEEE603基準に徹頭徹尾整合して
いることが保証されなければならない。熱電対45で測
定される温度は、主に、出力分布に基づいて判断され
る。熱電対の示度が突然の変動を示した場合、その原因
としては、(ア)炉心状態の突然の変化あるいは(イ)
熱電対の誤動作が考えられる。前者の場合、熱電対の示
度の変動とその空間分布とは物理的な原理に左右され
る。しかし、後者の場合、制御の物理的原理を適用する
ことはできない。両方の可能性についての評価を簡単に
できるようにするために、新たに、相対出力偏差RDと
いうパラメータを導入する。RDは次のように定義され
る。
【0015】 RD(L,M)=100[{ΔT(L,M)/ΔTO(L,M)}×{ΔTOAvt/ΔTAvg}-1.0] (等式1)
【0016】ここで、 (L,M)…熱電対地点 ΔT…燃料集合体内の温度上昇量 ΔTO …基準状態における燃料集合体内の温度上昇量 ΔTAvg …原子炉容器全域での温度上昇量 ΔTOAvt…基準状態における原子炉容器全域での温度上
昇量 ここではRD値を温度に関連づけて定義しているが、エン
タルピーに関連づけて定義してもよい。
【0017】炉心出口熱電対を備えた燃料集合体11の
RD値は、等式1に従って算出される。一方、燃料集合
体一つ一つのRD値については、従来例で知られている
ように、曲面スプライン適合を使用して補間を行うこと
によって算出される。各熱電対45は、燃料集合体出口
温度を測定する。燃料集合体出口温度は、入口温度に対
する温度上昇を規定する。RD値は、正規化出力分布の
基準分布形状からの変動を表す百分率である。重要な点
は、出力空間分布が変化しなければ、RD値は、出力レ
ベルにかかわらずゼロのままであるという点である。出
力分布が基準分布形状から変動するにつれて、RD値は
ゼロではなくなる。RD値の空間分布は、中性子拡散方
程式に左右される。例えば制御棒35が挿入されたため
に出力分布が大きく変動すると、RD値も大きく変化す
る。しかし、空間変動は、制御棒の挿入地点以外では平
滑である。これは、中性子束分布の動きと類似してい
る。分布の平滑度を測定するために、曲率指数CIなど
のパラメータが導入される。CIは、座標(i,j)で
示される燃料集合体のx−y配列に関して次のように定
義される。
【0018】 CI(i, 1j)=4×RD(i,j)−{RD(i-1,j)+RD(i+1,j)+RD(i,j-1)+RD(i,j+1)} (等式2)
【0019】数学的には、CI値は、RD値の空間二次
導関数の負数に近似する。出力分布が、制御棒の挿入に
伴い変動した場合、CI値は挿入地点でのみ大きくな
る。他の地点では、RD値が広範囲に亙って変化して
も、CI値は小さいままである。しかし、熱電対の誤動
作が原因でRD値が大きくなった場合は、周囲の燃料集
合体のCI値も大きくなる。これが、熱電対信号が変動
したときに、炉心の物理的な状態の変化を検出器の誤動
作から識別するために用いられる原理である。
【0020】「不良熱電対」の符号定数を求める際、最
も有意義なCI値は、疑わしい熱電対地点と横方向に隣
接した燃料集合体4台とで記録される値である。「不良
熱電対」符号定数の特徴を以下に記す。
【0021】熱電対地点のCI値は比較的大きな正数か
負数である。横方向に隣接した燃料集合体地点四つのほ
とんど(大抵全部)のCI値は、中心CI値よりも小さ
いが依然としてかなり大きく(中心CI値の約4分の
1)中心CI値の逆符号の値である。斜方向に隣接した
燃料集合体地点四つのCI値は、ノイズレベルの任意符
号値である。疑がわしい熱電対地点のRD値に信頼性欠
如係数が付加され(例えば、RD値が無視されると)、
RDスプライン整合が再実行され、CI値が再評価され
ると、横方向に隣接した燃料集合体地点四つのCI値
は、仮想的に比較的大きな逆符号の値ではなくなる。中
心CI値の符号は、熱電対信号の誤差方向を示す。正の
符号は、誤差が高いことを示す。中心CI値の大きさ
は、概ね、信号誤差の大きさに比例する。
【0022】制御棒の移動(落下を含む)が疑われると
き、制御棒地点を中心とした3×3配列中の9台の燃料
集合体全部のCI値から、符号定数パターンが得られ
る。「制御棒の移動」を示す符号定数の特徴は次の通り
である。
【0023】制御棒地点かグレイ棒地点のCI値は、比
較的大きな正数か負数である(具体例の原子炉において
は、熱電対は、制御棒やグレイ棒と同じ位置を占めるこ
とはない。)。横方向および斜方向に隣接した燃料集合
体地点のCI値は、中心CI値と同符号か逆符号の中心
CI値より遥かに小さい値である。(CI値の符号が同
じが逆かは、熱電対同士が近隣で動作可能かどうか、す
なわち、近くのCI値がスプライン整合アルゴリズムの
影響をどの程度受けるかによって異なる。)中心CI値
の符号は、制御棒の移動方向を反映する。負の中心CI
値は、制御棒の挿入を示す。中心CI値の大きさは、概
ね、制御棒の移動によって局所的に投入される(正か負
の)反応度に比例する。
【0024】符号定数弁別プロセスに入るのに重要な鍵
は、次の二点である。(1)最大CI値が、熱電対地点
で検出されるか、それとも、制御棒地点かグレイ棒地点
で検出されるか。制御棒地点かグレイ棒地点で検出され
る場合、制御棒が移動したのはほぼ確実である。(2)
最大CI値が熱電対地点で検出される場合、破棄された
疑わしいRD値でRD整合とCI評価とを再実行するこ
とによって、横方向に隣接した燃料集合体地点のCI値
に識別可能な変化が生じる。
【0025】制御棒の落下と熱電対の誤動作とを識別す
るための本発明に係わる機能の一例を図3、図4(a)
と(b)に示す。これらの図面には、制御棒の落下地点
の近隣および熱電対の故障地点近隣の燃料集合体のCI
値が図示されている。ーと+とは各々が一つで、CI値
の任意の一つの単位を示す。ドットは、任意符号の部分
単位を示す。図3から分かるように、太線で輪郭を示し
た燃料集合体11図形の中心部の制御棒落下地点のCI
値は大きい負の値である。横方向および斜方向に隣接し
た燃料集合体におけるCI値は、どちらかの符号の値で
あって制御棒落下地点の燃料集合体のCI値より遥かに
小さい。しかも、周囲360゜の燃料集合体のCI値と
制御棒落下が発生した燃料集合体から離れた数地点の燃
料集合体のCI値とは、制御棒落下の影響を受けてい
る。一方、図4aから明かなように、熱電対の故障が発
生した燃料集合体から主要軸に沿って横方向に間隔を置
いた地点の燃料集合体のCI値のみが、熱電対の故障の
影響を受けている。特に重要な点は、横方向に隣接した
燃料集合体のCI値は、熱電対の故障が発生した燃料集
合体のCI値とは逆の符号をもち、制御棒の落下の場合
よりも急速に機能が低下するということである。図4b
は、曲面スプライン整合で得られたRD値から算出され
たCI値の分布を示す。図4bにおいて、疑がわしい熱
電対のRD値に信頼性欠如係数が付加されている。図面
から分かるように、疑がわしい熱電対地点でさえも外乱
はごく僅かしか認められない。また、外乱は、横方向に
隣接した燃料集合体地点四つに及ぶ程度である。
【0026】図5は、制御棒落下検出装置49の四つ列
51の中の一つを示すブロック図である。制御棒落下検
出装置49の図示の列51には、前端高温脚部RTD信
号処理装置53が含まれている。この処理装置は、当該
列内の高温脚部RTD41(通常、3個)からのオーム
信号をデジタル化して、デジタルオーム信号を華氏温度
に変換する。処理装置53は、次に、当該列の平均T1
hot温度を求める。平均温度T1hotは、他の列全部へ送
出される。処理装置53は、他の列全部で求められた平
均高温脚温度T1hotを受信し、平均値すなわち平均T
hot信号を生成する。各列51には、前端低温脚部R
TD信号処理装置54も含まれる。処理装置54も、や
はり、当該列内の低温脚部RTD43からのオーム信号
をデジタル化して、それを華氏温度に変換する。処理装
置54は、次に、列平均T1cold信号を生成する。この
信号は、他の列全部へ送信される。その後、処理装置5
4は、平均値を求める、すなわち、全列からのT1cold
信号から平均低温脚部温度T2co ld信号を生成する。
【0027】計算器55は、T2hot信号とT2cold
号とからΔT2core信号を生成する。ΔTcore信号は、
炉心全域の平均温度上昇量を示す。列51には、更に、
前端熱電対(TC)信号処理装置57が設けられてい
る。当該列の作動時、処理装置57は、座標(L,M)
に位置する列内の各熱電対で発生した電圧信号をデジタ
ル化して、ミリボルトから華氏温度へ変換する。TC信
号処理装置57は、開路故障であろうと閉路故障であろ
うと、疑う余地のない熱電対の故障を確認する。どちら
の故障であっても、処理装置57は、曲面スプライン整
合で用いられる信頼性欠如係数又は容誤差C(L,M)
を大きな値(例えば、約1000)に設定する。周知の
ように、信頼性欠如係数Cのお陰で、データ地点におけ
る信頼性欠如係数Cの大きさの関数としての量だけ生成
された曲面をデータ地点から偏向させることによって、
曲面スプライン整合を平滑に実行できる。TC信号処理
装置57は、熱電対毎にΔTTC(L,M)を演算する。
ΔTTC(L,M)は、熱電対の示度と処理装置54によ
って求められた平均入口温度T2coldとの間の差異を示
す。当該列のΔTTC(L,M)値とC(L,M)値は、
他の列全部へ送信される。同様に、処理装置57は、他
の列からΔTTC(L,M)値とC(L,M)値とを受信
し、RD/CI計算器へ出力する。
【0028】列51が作動していないときは、列障害が
発生しているか、あるいは、試験モードに設定されてい
るのであり、前端TC信号処理装置57は、当該列内の
ΔT2TC(L,M)値全部をΔT2core値へ設定す
る。更に、列内のC(L,M)値全部を大きな値(およ
そ1000)に設定する。これらの値は他の列全部へ送
信され、他の列全部から対応する値が受信されて、必要
な値全部が算出される。この必要の値全部は計算器59
へ送信される。後に更に詳細に考察するが、RD/CI
計算器59は、TC信号処理装置57からのΔTTC信号
とC信号および計算器55からのΔT2core信号をΔT
TCとΔT2coreとの基準値と供に用いて、燃料集合体1
1全部のCI値を算出する。CI値は、制御棒の落下を
確認するCI評価器61に使用される。制御棒落下信号
が、当該列の制御棒停止信号を生成するための安全系等
級づけ制御棒回収停止信号発生モデュール63に印加さ
れる。
【0029】CI評価器61は、熱電対の故障を確認す
る。実質的には、前端処理装置57が、C値を大きい値
に設定することによって疑う余地のない熱電対の故障を
明示する。この結果、CI評価器は、該当する熱電対を
無視して疑わしい熱電対に専念する。疑わしい熱電対と
は、完全に故障してはいないが確実性のないものであ
る。熱電対の誤動作の確認情報は、熱電対の故障地点の
大きなC値とともにライブラリに格納される。ライブラ
リ65には、処理装置57によって検出された熱電対の
故障の確認情報も格納される。
【0030】上述のように、図5に示す構造体51は、
制御棒落下防御装置の四つの列一つ一つに対して設けら
れる。図6に示すように、四つの列一つ一つに設けられ
た停止信号発生器63−1〜63―4が発生した制御棒
停止信号は、選出論理演算機構67へ入力される。選出
論理演算機構67は、先行例で周知のように、列制御棒
停止信号四つの内の二つとか、又は、一つの列が使用さ
れていない場合には、三つの内の二つといった特定の組
合せの列制御棒停止信号を受信して、ブロック制御棒回
収信号を生成する。ブロック制御棒回収信号は、制御棒
制御装置37へ印加される。これによって、制御棒の落
下に伴い制御棒の回収が防止される。
【0031】図7に示すように、共通基準値送信器69
は、熱電対地点全部のΔT2core/REF値とΔT
TC(L,M)REF値とを制御棒落下防御装置の四つの
列の一つ一つに供給する。制御棒の立坑口が移動するに
つれて、炉心全域のCI値のマップは、基準状態が設定
されたときの制御棒構成からの現行の制御棒構成の偏差
を反映して、漸進的に大きな対称歪を示すようになる。
これは、全く正常であるが、コンピュータには非常に紛
らわしいのである。従って、ΔT2core/REF値とΔ
TC(L,M)REF値との基準値を定期的に更新する
ことが非常に望まれる。基準値の更新には、ビーコン
(BEACON)などのソフトウエアの炉心監視プログ
ラムを利用する。ビーコンは、例えば、15分間隔で走
行する。ビーコンは、ウエスチングハウス社の商業核燃
料部門の製品であり、炉心外出力範囲検出器と炉心出口
熱電対か固定炉心内検出器とを使用して炉心内の三次元
ノード型出力分布を算出するための分析ツールである。
基準値送信器69と、その基準値送信器69とインター
フェイスをとるビーコンとで、安全系等級づけ装置が形
成されるわけではないので、基準値送信器69からの基
準値信号に対して、図5のスイッチ71で機能的に図示
されるように人間の承認を与える。基準値が有効ではな
いと運転員が判断する理由がある場合、基準値承認を与
えずにおくことができる。しかも、以下に図11に関連
づけて考察するが、制御棒の誤調整が検出されたとき
に、ブロック70で基準値の更新を阻止することができ
る。
【0032】基準値の更新方法は、まず最初に、(ア)
制御群の対称に配置された制御棒地点のCI値を監視す
るというものである。最後の基準値組が設定された時の
元の位置から遠くへ制御棒を移動させるにつれて、CI
値の絶対値は着実に増加する。次に、(イ)監視CI値
が予め選択された絶対値に到達したら、現行の基準値に
対応していた立坑口位置と、その位置からの立坑口の移
動方向を示すものとを運転員に表示する。運転員は、制
御棒位置表示器を使用して、制御棒落下防御隔壁が制御
棒の立坑口の移動傾向にうまく追従したことを確認す
る。それと反対の警報が発生しなければ、また、運転員
が、防御装置は少なくとも正しい方向に向かっていると
判断したならば、運転員は、今まで使用されていた基準
値組を現行のパラメータ組に置換えることを許可する。
ここで大切な点は、装置が正しく動作しているかどうか
を運転員が確認するということである。次に、(ウ)
「変則的な列動作」すなわち変則的な制御棒/立坑口移
動警報のどれかが発生された場合、更新「ブロック」が
起動される。このため、現行の値は基準値として使用さ
れない。装置が正しい方向に向いていないと運転員が判
断した場合、運転員は、基準値の更新許可を見合わせ
る。何れの場合にも、また、装置誤動作が修正されたと
推測されれば、運転員は、ビーコン炉心監視装置は正し
く走行している、すなわち、炉心内検出器信号などの炉
心出力分布に使われる様々な測定可能な側面と同様に分
析的に推察される値との間には顕著な差異は何も存在し
ないことを確認する。ビーコンが、炉心出力分布に関す
る確実な推定値を提供しているように見える場合、運転
員は、熱電対全部に対する現行のΔT2coreとΔTTC
ビーコン推定値を制御棒落下防御装置の新しい基準値組
として設定することを許可できる。ビーコンはオンライ
ンで連続的に走行するため、常に、最新の炉心動作に合
致している。最後に、(ニ)基準値を更新する必要があ
ったのに更新できなかった場合、制御棒の落下が一度以
上発生したとしても何の損傷も受けずに炉心は残存する
ことを保証するために、状況が修正されるまで、極く保
守的な制御棒挿入限界値を設定するなどの管理制御を行
う。
【0033】図8は、RD/CI計算器59が行うRD
/CI計算の流れ図である。ΔT計算器55とTC信号
処理装置57とからの情報と基準値送信器69からの基
準値情報とに基づいて、計算器59は、ステップ71で
等式1に従って熱電対の全地点におけるRD(L,M)
値を演算する。RD値と上記の地点の信頼性欠如係数C
とに基づいて、ステップ73で曲面スプライン整合を用
いて燃料集合体全部(i,j)の相対出力偏差RDを算
出する。ステップ75で、算出された値に基づいて等式
2で全燃料集合体11の曲率指数CI(i,j)を算出
する。曲率指数は、ステップ77で大きい順に整列され
る。装置は、言うまでもなく、制御棒の正常移動をも検
出する。例えば、10分おきに、時間の経過がステップ
79で確認されると、制御棒の移動を示すフラグの状態
がステップ81で格納される。ステップ83でフラグが
リセットされ、ステップ85で期間を示すタイマがリセ
ットされる。
【0034】CI評価器61が行うCI評価の流れ図は
図9〜図11である。図12に挿入されるシーケンスを
示す。CI評価器は、ステップ87で、降順に整列され
たCI値を一通り評価する。第一限界値より大きいとス
テップ89で判断されたCI絶対値のみが検査される。
限界値1としては、予想されるノイズレベルを上回る信
号のみが検査されるようにする値が選択される。CI値
全部の検査が終了したら、CI評価から抜けて、図12
と13に示す制御棒移動分析へ進む。評価器がCI値全
部を一巡する場合、CI値全部が第一限界値より大きい
ということであり、これは、有効な状態ではないので、
「変則的な列動作」警報がステップ91で発生される。
【0035】ステップ93で熱電対地点であると判断さ
れた(i,j)地点のノイズレベルを上回るCI信号に
対して、CI評価器は図12に示すルーチンを実行す
る。このルーチンは、熱電対の示度を消去することによ
って当該地点で熱電対の故障が発生しているかどうかを
検査する。図12に示すように、問題の熱電対の現行の
信頼性欠如係数Cと、熱電対値に基づいて算出された現
行の曲率指数CI配列とが、ステップ97と99で格納
される。問題の熱電対の信頼性欠如係数Cは、ステップ
101で大きな値に設定される。ステップ103で燃料
集合体地点全部のRD値に対して曲面スプライン整合を
再実行する。ステップ105で、新しいRD値を用いて
CI値を再計算する。次に、ステップ107で、問題の
熱電対の周囲にある局部のCI値が、上述の通りに評価
される。ステップ107で不良熱電対の符号定数が検出
された場合、Cの元の格納値とCI配列とが、ステップ
109と111で再格納される。その後、図12の挿入
シーケンスの「肯定」ブランチから図9のシーケンスへ
戻る。ステップ107で不良熱電対の符号定数が検出さ
れなければ、検査対象地点のC値と元のCI配列とがス
テップ113と115で再格納される。そして、図12
の挿入シーケンスの「否定」ブランチから図9のシーケ
ンスへ戻る。
【0036】挿入シーケンスの「肯定」ブランチから図
9のシーケンスへ戻る。検査対象の地点が、当該列内の
熱電対地点であるとステップ117で判断されたら、こ
の燃料集合体の信頼性係数Cは、ライブラリ65上で1
000といった大きい値へ変更される。ステップ121
で、「列内の新しい不良熱電対」というメッセージが出
力される。ステップ117で検査対象の地点が当該列内
に存在しないと判断された場合、ステップ123で「別
の列の新しい不良熱電対」というメッセージが出力され
る。検査対象の燃料集合体に熱電対が設けられていよう
といまいと、図10のステップ125で当該地点に制御
棒が存在すると判断されたならば、ステップ127で、
当該燃料集合体の周囲の部位のCI値を検査して、制御
棒の移動を示す符号定数であるかどうかを判断する。制
御棒の移動を示す符号定数である場合、図11のステッ
プ129で、CIの絶対値を検査して正常な制御棒の動
きに一致するか制御棒の落下に一致するかを判断する。
制御棒の落下が検出されるとすぐに、安全系等級づけ制
御棒回収停止信号が、ステップ131で生成され、ステ
ップ133で制御棒装置へ送信される。また、ステップ
135で「制御棒回収停止中」警報が発生される。
【0037】ステップ129でCI値が限界値2より小
さいと判断された場合、ステップ137で座標(R,
S)地点の制御棒の制御棒移動フラグがセットされる。
このフラグには、CI値と制御棒群割当てとが設定され
る。その後、図9のループの入口に戻り、次の燃料集合
体地点を検査する。検査対象の燃料集合体のCI値が限
界値1を上回るが、その地点は熱電対地点でも制御棒地
点でもない場合、当該燃料集合体が、制御棒の移動が発
生した5×5燃料集合体配列の中の一つであるかどうか
がを図10のステップ139で判断する。当該燃料集合
体が、上記のCI値をもたらした制御棒の移動の発生地
点に近接している場合、図9のループの入口に戻って次
の燃料集合体の検査に移る。当該燃料集合体が、制御棒
の移動が確認された地点に近接していないか、制御棒の
移動を示す符号定数がステップ127で確認されなかっ
た場合、ステップ141で「変則的な列動作」警報を発
生する。その後、ステップ87へ戻る。
【0038】図13と図14は、制御棒移動分析器が行
う制御棒移動分析の流れ図である。図9に関する説明で
引用したように、重要なCI値を示す燃料集合体全部の
評価が終了すると、本ルーチンを呼出して検出された制
御棒の移動を分析する。すなわち、図13のステップ1
43で挿入順に制御棒の立坑口を一巡して、ステップ1
45で立坑口の制御棒の移動を示すフラグがどれかセッ
トされているかどうかを判断する。ステップ147で立
坑口の制御棒移動フラグが一つだけセットされていると
判断された場合、ステップ149で「立坑口Xの制御棒
(R,S)の疑いの余地のない誤調整」というメッセー
ジが出力される。ステップ151で「基準値更新」ブロ
ックが起動される。これによって、図7のステップ70
で基準値が変更されずにすむ。当該立坑口に位置する制
御棒が全部ではないが一つ以上移動したことがステップ
153で検出された場合、ステップ155で「立坑口X
の制御棒の変則的な移動」というメッセージが出力され
る。
【0039】当該立坑口の制御棒全部が移動したことが
示されたとステップ153で判断され、立坑口移動更新
を実行する時刻になると、ステップ157で、現行の制
御棒移動フラグデータと当該立坑口に対応づけて格納さ
れたデータとが制御棒毎に比較される。図14のステッ
プ159で新たな立坑口の移動が示されたかどうかが判
断される。ステップ161で移動が回収を意味すると判
断されると、ステップ163で「−−分間の立坑口Xか
らの回収」というメッセージが出力される。制御棒が挿
入された場合については、ステップ165で相応のメッ
セージが出力される。制御棒移動分析器は、制御棒の移
動に関する正確な情報を提供しない。その代わり、制御
棒が移動したことと移動方向とを示すものを提供する。
移動方向は、制御棒位置表示器の情報と比較される。制
御棒分析器は、他の装置の情報に照らし合わせて検討さ
れる制御棒の移動に関する情報を提供して、当該装置の
信頼性を示すものを提示することによって、オペレータ
の信頼を確立する役目を果たす。
【0040】本発明の特定の実施例について詳細に述べ
たが、当業者なら理解されるであろうが、開示の教示か
ら鑑み本書の詳細な内容に様々な修正や変更を加えるこ
とは可能である。従って、開示された具体的な構成は、
一例を示すためだけのものであり限定的なものではな
い。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲全体とそれ
に同等なもので規定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が実現されている加圧水型原子炉の発電
装置を示す概略図である。
【図2】図1の加圧水型原子炉の炉心の断面を概略的に
示す図である。
【図3】本発明に従って制御棒の落下に伴い生成された
曲率指数パターンを示す概略図である。
【図4】図4(a)は、熱電対の故障に伴い生成された
曲率指数パターンを示す図3に類似した概略図である。
図4(b)は、疑わしい熱電対の故障を無視して曲率指
数を再計算して求めた図4(a)と同じパターンを示す
図である。
【図5】制御棒の落下が検出されると同時に図1に示す
加圧水型原子炉からの制御棒の回収を自動的に阻止する
ための装置内の四つの列の中の一つを示すブロック図で
ある。
【図6】本発明に係わる制御棒の回収を阻止するための
多数の列の統合を示すブロック図である。
【図7】図5に示す列一つ一つに対する基準値信号の生
成を示すブロック図である。
【図8】図5に示す列の相対出力偏差(RD)/曲率指
数(CI)計算器が行う処理の流れ図である。
【図9】図5に示す列用のCI評価器が行う処理の流れ
図である。
【図10】図5に示す列用のCI評価器が行う処理の流
れ図である。
【図11】図5に示す列用のCI評価器が行う処理の流
れ図である。
【図12】図9〜11の流れ図に挿入されるシーケンス
を示す。
【図13】図5の列の一部を形成する制御棒移動分析器
が行う処理の流れ図である。
【図14】図5の列の一部を形成する制御棒移動分析器
が行う処理の流れ図である。
【符号の説明】
1 核蒸気供給装置、3 加圧水型原子炉、5 原子炉
容器、7 頭部、9炉心、11 燃料集合体、13 燃
料棒、15 入口、17 降下管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル・デイビッド・ハイベル アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ア ーウィン、リッジ・ドライブ 134 (72)発明者 トシオ・モリタ アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ピ ッツバーグ、ナンバー・913、ペン・ア バニュー 1601 (72)発明者 レイモンド・カルボ アメリカ合衆国、ペンシルベニア州、ノ ース・ハンチンドン、ラモント・ドライ ブ 91 (56)参考文献 特開 昭57−139693(JP,A) 特開 平2−82196(JP,A) 特開 昭62−245996(JP,A) 特開 昭62−245997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 7/08,17/10 G21D 3/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の燃料集合体を備えた炉心と、 前記炉心の燃料集合体を介して冷却材を循環させる手段
    と、 前記炉心に挿入可能な制御棒と、 前記制御棒の中の少なくともどれかを自動的に前記炉心
    へ挿入し前記炉心から回収するための制御棒制御手段
    と、前記炉心全域に配置された燃料集合体中で選択された燃
    料集合体に存在する前記冷却材の温度を表す温度信号を
    生成する温度センサからの温度信号に応答して制御棒の
    落下を認識し、前記温度信号に応答して、前記温度セン
    サの故障を識別する制御棒の落下を検出する手段と、 前記制御棒の落下を検出する手段による 制御棒の落下検
    出時に、前記制御棒制御手段が制御棒を前記炉心から回
    収するのを自動的に阻止する手段と、 で構成される加圧水型原子炉。
  2. 【請求項2】前記制御棒の落下を検出する手段は、前記
    炉心全域に配置された燃料集合体の中の選択された燃料
    集合体に存在する前記冷却材の温度を表す温度信号を生
    成する温度センサと、前記温度信号に応答して、制御棒
    の落下を認識して停止信号を生成する手段とで構成さ
    れ、前記制御棒制御手段は、前記炉心からの前記制御棒
    の回収を阻止するための前記停止信号に応答することを
    特徴とする請求項1の加圧水型原子炉。
  3. 【請求項3】前記温度センサは熱電対で構成され、前記
    温度信号に応答して制御棒の落下を認識する手段は、前
    記温度信号に応答して、熱電対の誤動作を制御棒の落下
    から識別し、制御棒の落下にのみ応じて前記停止信号を
    生成する手段を備えていることを特徴とする請求項2の
    加圧水型原子炉。
  4. 【請求項4】前記制御棒の落下を検出する手段は、炉心
    を通過する炉冷却材の平均温度変化を判断する手段と、
    前記温度信号と前記平均湿度変化との相対出力偏差を前
    記燃料集合体毎に判断する手段と、前記相対出力偏差を
    処理して制御棒の落下を検出する手段とを備えているこ
    とを特徴とする請求項2の加圧水型原子炉。
  5. 【請求項5】前記相対出力偏差を処理する手段は、前記
    相対温度変化の空間二次導関数として示される曲率指数
    を燃料集合体毎に算出する手段と、前記曲率指数に基づ
    いて制御棒の落下を認識する手段とで構成されることを
    特徴とする請求項4に記載の加圧水型原子炉。
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