JP2911661B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2911661B2
JP2911661B2 JP25189591A JP25189591A JP2911661B2 JP 2911661 B2 JP2911661 B2 JP 2911661B2 JP 25189591 A JP25189591 A JP 25189591A JP 25189591 A JP25189591 A JP 25189591A JP 2911661 B2 JP2911661 B2 JP 2911661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録装置に関し、その
駆動方法に特徴を有する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタは、印字方式の違いにより大き
く2種類に分類できる。1つはLBP(レーザビームプ
リンタ)に代表されるような、1画素ずつ記録する方式
であり、もう1つはシリアルプリンタに代表されるよう
な、複数の画素を同時に印字する方式である。このよう
なプリンタにおいて、印字データは印字装置の解像度に
応じて1文字をn行×n列のマトリックス状に分割され
たn2個のドットに分割されており、通常、縦方向にn
ドット分のn個の記録素子を備えた記録ヘッドを横方向
に走査して印字は行われる。
【0003】各列のnドットの印字制御においては、記
録ヘッドの記録素子列のすべてに同時に制御して印字を
行うのが望ましいが、実際には実現回路規模や電源容量
の関係上、幾つかのブロック(コモン、又はセグメント
と言う)に分割して時分割印字を行うのが一般的であ
る。つまり、記録ヘッドのn個の記録素子をN個のコモ
ンに分け、同じコモン内にn/N個のノズルについては
同時に印字制御し、これをコモン間で微小時間ずらして
N回行うことによって記録ヘッドすべての記録素子に印
字制御している。このように、各コモン間で印字タイミ
ングが異なるため、実際の印字は、各コモンごとに微小
距離だけ位置がずれることになり、縦罫線等はN−1段
の段階状の線となる。
【0004】しかし実際にはコモン間のずれは微小なた
め見た目には、やや傾いた直線に見える。例えば、n=
16、N=4の場合、幅1ドットの縦の直線の印字は図
2のようになる。つまり同図で直線は見かけ上θ傾いて
見える。
【0005】そこで、記録ヘッド自身に対し垂直にかつ
一直線に記録素子を備えた記録ヘッドを、記録ヘッドを
走査動作させるキャリッジに傾斜して搭載し、そのとき
の、記録素子の走査方向に対する傾きαを α=θ…(1) となるように構成することにより、実際の印字の傾きを
なくすことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
では記録ヘッドの走査速度に対してヘッドの傾ける角度
を一義的に決めているため、複数の印字速度(例えば、
ノーマル印字とドラフト印字)を備える記録装置におい
ては、傾きを0に補正できず、罫線などの印字において
ずれが生じる等の欠点があった。具体的に述べると、各
記録素子に印加される電気信号(パルス)の周期をT
(秒/ドット)、解像度をn(ドット/文字)、隣接コ
モン間の印字制御のタイミングのずれ時間をt(秒)、
記録ヘッドの記録素子列のピッチをPとすると、傾きθ
は図2よりθ=tan-1(X/Y)なので、
【0007】
【外1】 となる。また、印字速度をS(文字/秒)とすると、 T=1/(S・n) …(3) の関係がいえるため(1)は θ=tan-1(N・S・t) …(4) となる。つまり、(3)式より、印字速度Sが変化する
と、図2における傾きθが変わってしまうため、一つの
速度の場合にしか、傾きをなくすことができないという
欠点があった。
【0008】そこで、本発明は上述の問題を解決するた
めになされたもので、複数の印字速度においても、印字
のずれのない記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、記録ヘッドの
記録素子を、制御上で複数のブロックに分割し、隣接ブ
ロック間の記録制御タイミングをずらして記録制御を行
う記録方式において、異なる記録速度に応じて隣接ブロ
ック間の記録制御タイミングのずらし時間を変更可能と
することにより、記録速度が変更可能な記録装置におい
ても、上記記録タイミングのずれによる記録の傾きを0
にする、あるいは小さくすることを可能としたものであ
る。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0011】(実施例1)本実施例では、電気熱変換体
が発生する熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を発
生させることにより記録を行うインクジェット記録方式
を例に説明する。
【0012】図3はインクジェット記録ヘッドの構造を
模式的に示すものである。
【0013】図中201、204はインクを吐出させる
ためのヒータであり、図2に表記する同様の四角形は全
てヒータを示している。ヒータは一方の端子を8個単位
でCOMON(コモン)信号に接続された8ブロックか
らなり、他方の端子はSEGMENT(セグメント)信
号に接続されており、全部で64個ある。各ヒータのセ
グメント側端子付近に設けられた202は、ヒート電流
逆流防止用のダイオードであり、64個でダイオードマ
トリクスを構成している。203は8個単位のヒータに
コモン電流を供給するトランジスタ、205は電源であ
る。206、207、208は各々トランジスタ203
のプリドライバーであり、209、210、211はセ
グメントのドライバーである。
【0014】図4は図3で示したインクジェット記録ヘ
ッドの駆動タイミングを示しており、以下、図4に従っ
て図3の動作の説明を行う。
【0015】本実施例の記録ヘッドにおいては、図3に
示したようにコモン信号304、305各々に同期して
ON状態になっているセグメント信号307、308に
対応する各々のヒータに電流が流れ、インクを吐出させ
印字するものである。
【0016】図4中302はヒートトリガ信号303に
対してコモン信号304をHighにするまでの時間を
示しており、図5中のラッチ102とカウンタ104に
よって実現するものであり、301はヒートトリガ信号
303に対して、コモン信号304をLowにするまで
の時間を示す。よって301と302の差がコモン信号
304のパルス幅を示す。
【0017】図中305、306は304同様、各々、
第2番目、第8番目のコモン信号を示すものである。
又、図中307、308、309は各々第1、第2、第
8番目のセグメント信号を示し、各セグメント信号の数
字は、コモン信号との同期関係を示す。このセグメント
信号がHighであれば対応するヒータ201、204
等に電流が流れ印字されるものである。
【0018】図5は、本実施例の印字タイミングを制御
可能とする回路を示すブロック図である。
【0019】図中101は中央制御回路、102、10
3は印字ヘッドのヒートパルスを発生する際のタイミン
グデータを保持するためのデータレジスタ、104、1
05はデータレジスタ102又は103により与えられ
たデータに従ってタイミングを取るカウンタであり、1
06はカウンター104及び105からの出力に基づい
てヒートパルスを発生するJK型フリップフロップであ
る。107は中央制御回路101からデータレジスタ1
02及び103にタイミングデータを与えるためのデー
タバス、108、109はデータレジスタ102及び1
03にデータをラッチするためのラッチ信号、110は
クロック、111はカウンター104及び105にデー
タレジスタ102及び103からのタイミングデータを
ロードするためのロード信号であり、113は出力ヒー
トパスル信号の一つであるところのCOMON1信号で
ある。
【0020】112は、以上をまとめた1ブロックを表
しており、114、115は112と同一のブロックを
示しており全部で8ブロックある。尚、ヒートパルス発
生ブロック114、115の内部は略して表記してい
る。また、中央制御回路101から114、115へ与
えるラッチ信号は、図中では一本に略して示している
が、112内のデータレジスタ102、103へ与える
ラッチ信号同様に、114、115内に2つずつ置かれ
たデータレジスタへ一本ずつつながっている。各ヒート
パルス発生ブロック112、114、115へ与えるロ
ード信号は、図中では中央制御回路101から別々に与
えられるよう示されているが、実際は、各ヒートパルス
発生回路8ケ全てに同じタイミングで同じ信号を与え
る。
【0021】116、117は各々のブロックからの出
力信号である。118は印字のタイミングを取るための
エンコーダであり、通常はキャリッジを移動させるモー
タに搭載したロータリー方式のタイプやキャリッジの移
動を直接的に検出できるリニアタイプの物がある。11
9はエンコーダ118の出力信号を基に印字のタイミン
グを与えるヒートトリガ信号を発するヒートトリガ信号
発生部である。
【0022】以下、図に従って動作説明を行う。
【0023】図示していないキャリッジ移動手段により
キャリッジが移動するに従ってエンコーダ118から印
字密度(一般的には180ドット/インチ、又は360
ドット/インチ)に対応したパルスが発せられると、ヒ
ートトリガ信号発生部119よりヒートトリガ303が
発せられる。そこで、中央制御回路101では、先に説
明した通り印字に必要な信号であるコモン信号を発生す
るために必要なパラメータをデータバスを介して内部ラ
ッチに与えるものである。つまり、コモン信号1を発生
する回路112においては、データバス107を介し
て、内部ラッチ102、103にそれぞれ図4中のT1
タイミング302、T2タイミング301に相当する値
が与えられる。
【0024】また、コモン信号2を発生する回路114
においては、内部のラッチT3,T4の値が与えられ
る。その他のコモン信号を発生する回路においても同様
に各データバスを介して、ヒートトリガ信号から各コモ
ン信号がHighになるまでの時間と、ヒートトリガ信
号から各コモン信号がLowになるまでの時間が、それ
ぞれのラッチに与えられる。
【0025】T1,T2,T3,T4などの、各コモン
信号発生回路のラッチに与える値を変えることにより、
隣接するコモン間の記録制御タイミングが変更可能とな
る。
【0026】次に、このラッチに与えたデータはロード
信号により内部カウンタ104、105にロードされる
とカウントダウンを開始する。先にカウントダウンを終
了した104からJKフリップフロップ106へ信号が
送られてから、次にカウントダウン終了した105から
JKフリップフロップ106へ信号が送られるまでの間
コモン信号がHighとなり、その時間がパルス幅とな
る。
【0027】図6、図7は本発明の作用を図式的に示す
ものであり、ヒートトリガ信号の位置は印字位置に相当
している。又、図6に示すようにヒートトリガ信号間間
隔の狭い方がキャリッジの移動速度は速く、図7に示す
ようなヒートトリガ信号間間隔の広い方がキャリッジの
移動速度は遅いことを示している。ここで注意すべきこ
とは、COMON信号のパルス幅は一定でその間隔が図
4の方が広くなっていることであり、結果紙上に印字さ
れたドットは相対的に変わらない。
【0028】つまり、内部ラッチにキャリッジの移動速
度に応じて、適時最適な値を設定することにより、記録
ヘッドの記録素子を制御上で複数のブロックに分割した
ときの、隣接ブロック間の記録タイミングを制御可能と
し、印字速度が変更可能な記録装置において、記録タイ
ミングのずれによる印字の傾きをなくすことができる。
【0029】また、高速印字の際には、インク吐出の周
波数が高くなり、ノズルへのインク供給(リフィル)が
間に合わなくなるという問題が起り得るが、高速印字の
際にはインク滴が集中して打たれる部分を間引いて印字
するため、一吐出口のインク吐出の周波数は変化しない
ので、安定した印字が可能である。
【0030】尚、設定するパラメータ値に関しては、印
字速度から算出されるものであり、次に、与えるパラメ
ータ値の算出方法について説明する。
【0031】印字速度を低速(例えばノーマル印字)の
1(文字/秒)と、高速(例えばドラフト印字)のS2
(文字/秒)の二つの速度を持つ記録装置について考え
る。
【0032】先に述べたように、記録ヘッドの記録素子
列を分割したときの隣接コモン間の印字制御タイミング
のずれによる印字の傾きをなくすには、記録素子列を走
査方向に垂直に設けた記録ヘッドを、ヘッド走査方向に
垂直方向に対して傾けることが必要とされる。傾ける角
度をαとすると(1),(4)式よりαは、 α=tan-1(N・S・t) …(5) となる。記録ヘッドの傾ける角度αは一定であり、記録
素子列を制御上で分割したコモンの数の変更は、ヘッド
駆動の構造を大きく変える必要があり困難である。よっ
て、低速S1、高速S2の各印字に対する、隣接コモン間
の印字制御タイミングのずれ時間をそれぞれt1,t2
とすると、(5)式より、 S1・t1=S22 …(6) を満たすt1,t2が存在すれば、低速、高速の両方で、
タイミングのずれによる印字の傾きを0にすることがで
きる。
【0033】このとき、tには次のような制約がある。
図8に各セグメント間の印字制御パルスのタイミングを
示す。印字制御パルスの通電時間がt0秒であるとする
と、まず、各コモン間で印字制御パルスの重複を許容し
ない場合は、 t≧t0 …(7) の条件が必要になる。次に、第Nコモンの印字制御パル
スが次列の第1セグメントの印字制御パルスと重なるこ
とは不可であるため、
【0034】
【外2】 の条件が必要になる。(8)式の右辺は印字速度Sの関
数なので、説明上、次のように式をたてる。
【0035】
【外3】 (7),(8),(9)式より t0≦t≦f(S) …(10) のようにtの制約条件が決まる。
【0036】また、記録ヘッドの記録素子列の傾きαに
は次のような制約がある。(5)式でαはS,tの増加
関数なので印字速度の最低速度をSminとすると、次
式(11)が成り立つ。
【0037】 α≧tan-1(N・Smin・t0) …(11)
【0038】次に、傾きαが大きすぎると第Nコモンの
印字制御パルスが、次列の第1コモンの印字制御パルス
と重なるため、図2でXの最大値はPであるため、
(2)式より、 α≦tan-1(N/n・(N−1)) …(12) が成立する。(11),(12)式をまとめると、
【0039】
【外4】 と、記録ヘッドを傾ける角度αの制約条件が決まる。
【0040】ここで先の(6)式を満たすt1,t2が存
在するためのS1とS2の関係について考える。(6)よ
り、 t1/t2=S2/S1 …(14)
【0041】また、(10)式より、t1,t2は次の範
囲に制限される。
【0042】 t0≦t1≦f(S1) t0≦t2≦f(S2
【0043】上の2式より、下の式が導き出される。
【0044】 t0/f(S2)≦t1/t2≦f(S1)/t0 …(15) (14)式を(15)式に代入すると、 t0/f(S2)≦S2/S1≦f(S1)/t0 …(16)
【0045】(16)式の左半分の式は、(10)式及
びS1<S2の条件から常に成立するため、結局(16)
式の右半分の式より、次の関係が導かれる。
【0046】S2/S1=f(S1)/t0…(17)
【0047】つまり、低速S1と高速S2が(15)式の
関係を満たす場合、(6)式で定まるt1,t2を使うこ
とによって、記録ヘッドの記録素子列の傾きを(5)式
の値に設定すれば、低速と高速の両方で印字の傾きをな
くすことができる。
【0048】(15)式の条件を満たすS1,S2におい
て、両方の印字速度で印字の傾きをなくすためのt1
2の決定方法については、まず、低速S1での隣接コモ
ン間のずれ時間を(10)式を満たすように適当な値t
1とする。すると、高速での隣接コモン間のずれ時間を
(6)式から、t2=t1(S1/S2)とする。このと
き、S1,S2は先の(17)式を満たすためt2は(1
0)式を満たしている。このときの記録ヘッドの傾き
は、(5)式α=tan4-1(N・S1・t1)により角
度が求められる。ヘッドの傾き角が決まっている場合は
(5),(6)式によって求められたS1,S2,t1
2が(17)式の条件を満たせばよい。その際の傾き
角αは(13)式の条件を満たすことが必要である。
【0049】尚、低速S1と高速S2との間に第3速度S
3(S1<S3<S2)を設定する場合も、同様にしてS3
での隣接コモン間のずれ時間をt3=S1・t1/S3とす
ることによって、S1,S2,S3のすべての速度で印字
の傾きを0にすることができる。
【0050】低速S1と高速S2の2つの印字速度を設定
する場合と、S1とS2の間に第3速度S3を設定する場
合の制御フローチャートを、それぞれ図9、図10に示
す。
【0051】次に、速度とその速度に対応する隣接コモ
ン間のタイミングのずれ間が決定したときの制御を図
4、図5、図8を用いて説明する。
【0052】前述した算出方法で求められるタイミング
のずれ時間は、図8に示すtであり、実際は図4に示す
ようにヒートトリガ信号の発生からコモン1の発生まで
の時間を考慮する必要がる。従って、コモン1の発生条
件T1(図4)が決定すれば、その他のコモン信号の制
御タイミングずれ時間は、前述した算出方法によって求
められる。算出によって得た値より、ヒートトリガ信号
の発生から、各コモン信号がHighになるまでの時間
とLowになるまでの時間を出し、図5中の各コモン信
号発生ブロックのラッチに入れることにより、印字速度
に対応した各ブロック間の印字の時間間隔が決定し、記
録制御タイミングのずれによる印字の傾きをなくすこと
ができる。
【0053】なお、低速S1を64cps(chara
cter per second)、高速S2を120
cps、それぞれの印字速度に対応するコモン信号の制
御タイミングずれ時間をt1=19μsec、t2=10
μsecとし、実施したところ、前記値は計算上、式
(6)を満たさないが、印字結果においては印字のずれ
は確認できないほど微小なものであった。このことよ
り、印字速度Sや時間t等の値は、式(6)を完全に満
たすものではなくても、上記効果を奏する程度の許容範
囲内であればよい。
【0054】(実施例2)次に、本発明の実施例2を説
明する。
【0055】先の実施例1では、2つの印字速度、低速
1、高速S2が先の(17)式を満たす場合について説
明したが、本実施例では(17)式を満たさない場合に
ついて述べる。
【0056】2つの印字速度S1とS2が先の(15)式
を満たさない場合、(6)式を満たすt1,t2は存在し
ないため低速と高速の両方で印字の傾きを0にすること
は不可能になる。しかし、t1,t2を次のように決める
ことによって、印字の傾きをできるだけ小さくすること
が可能になる。
【0057】以下、低速S1での印字の傾きを0にし
て、高速S2での印字の傾きがなるべく小さくなるよう
にt1,t2を決める方法を述べる。
【0058】t1を(10)式を満たすように決めたと
き、S1,S2は(17)式を満たさないので、(1
4),(17)式から、 t1/t2>f(S1)/t0 …(18) (18)式を変形して、 t2<t0・t1/f(S1) …(19) t1は(10)式を満たすように決めたので、 t1/f(S1)<1 …(20) (19),(20)より t2<t0 …(21)
【0059】つまり、この場合、高速S2での隣接コモ
ン間のずれ時間t2は、計算上パルス幅t0より小さくな
り、(10)式の条件を満たさない。よって高速での印
字の傾きをなるべく小さくするには、(10)式を満た
すようになるべく小さな値を選びt2=t0にすればよ
い。また(6)式よりt1が大きいほどt2も大きくなる
のでt1は(10)式を満たすべくなるべく大きな値に
する。つまりt1=f(S1)とし、このときヘッドの傾
きは、低速S1で印字の傾きを0にするので(5)式よ
り、α=tan-1(N・S2・f(S1))に設定してお
く。このときの制御フローチャートを図11に示す。
【0060】上記のようにして得たt1,t2より、実施
例1同様に、図5に示す各コモン信号発生回路の各ラッ
チに入れる値が決まり、印字速度が低速S1のとき印字
の傾きをなくし、高速S2のときは印字の傾きを可能な
限りなく小さくした印字が可能となる。
【0061】次に、印字速度が高速S2の場合を基準
に、低速S1での印字の傾きをなるべく小さくするよう
に、それぞれに対応する印字制御タイミングのずれ時間
1,t2を決める方法について述べる。
【0062】本実施例で用いるヘッド、回路等について
は実施例1と同一であるため、その説明については省略
する。
【0063】印字速度が高速S2のときの隣接コモン間
のずれ時間t2を(10)式を満たすように決め、(1
6)式を変形すると、 t1>f(S1)・t2/t0 …(22) t2は(11)式を満たすため、 t2/t0>1 …(23) (22),(23)式より t1>f(S1) …(24)
【0064】つまり、この場合、低速S1での隣接コモ
ン間のずれ時間t1は、計算上f(S1)より大きくな
り、(10)式の条件を満たさない。ここで低速での印
字の傾きをなるべく小さくするには、(10)式を満た
すなるべく大きな値、すなわちt1=f(S1)とするの
がよい。また(6)式よりt2が小さいほどt1を小さく
できるので、t2は(10)式を満たすなるべく小さな
値にする。つまり、t2=t0とする。このときヘッドの
ノズル列の傾きは、高速S2での印字の傾きを0にする
ので、(5)式より、α=tan-1(N・S2・t0)に
設定しておく。このときの制御フローチャートは先の図
6と同じである。
【0065】上記のようにして得た、各印字速度に対応
する隣接コモン間の印字制御タイミングのずれ時間
1,t2より、図5に示す各コモン信号発生回路の各ラ
ッチに入れる値が決まり、印字速度が高速S2のとき印
字の傾きをなくし、低速S1のときは印字の傾きをでき
る限り小さくした印字が可能となる。
【0066】(実施例3) 先の実施例では、記録ヘッドの信号回路、消費電力など
の制約から、各コモンの記録制御印加パルスが重ならな
いことを条件とした場合について説明した。本実施例で
は、各コモン信号発生回路から発生するパルスを図12
に示すようにtAだけ重ねることが可能なヘッドにおけ
る本発明の構成について説明する
【0067】上記のような場合、各コモン信号の印字制
御タイミングのずれ時間は(7)式に対応して、 t≧t0−tA …(7)′ となる。他の式と同様に(8)式に対応して、
【0068】
【外5】 (9)式に対応して、
【0069】
【外6】 (10)式に対応して、 t0−tA≦t≦f(S) …(10)′ (11)式に対応して、 α≧tan-1{N・Smin・(t0−tA)} …(11)′ (13)式に対応して、
【0070】
【外7】 (17)式に対応して、
【0071】
【外8】
【0072】以上のように式を変更することにより、先
の実施例同様に各印字速度に対応する隣接コモン間の印
字制御タイミングのずれ時間が決定し、隣接する各コモ
ン信号発生回路から発生させるパルスを重ねることが可
能なヘッドにおいても、印字の傾きをなくす、あるいは
小さくすることができる。
【0073】(その他の実施例)本実施例においては、
シリアル方式のプリンタについて説明したが、これに限
定することはなく、時分割印字を行う形式であればフル
ライン方式のプリンタにも応用可能である。
【0074】また、本実施例図5においては、ヒートパ
ルス手段をラッチ、カウンタ、フリップフロップにより
構成したが、これに限定することはなくカウンタ、コン
パレータ等の組み合わせによっても実現可能である。
【0075】また、本実施例では、熱エネルギーを用い
たインクジェット記録方式を例に説明したが、本発明の
印字手段はインクジェットタイプのものに限らず、サー
マルヘッド等他の一般的な記録ヘッドであっても適用で
きる。
【0076】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘッド、記録
装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0077】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡
を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるの
で、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0078】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、記録ヘッドの記録
素子をブロックに分割して時分割印字を行う記録装置に
おいて、隣接するブロック間の印字制御を行う時間間隔
を、印字速度に応じて変更可能とすることにより、印字
速度の違いによって起こる印字のずれを解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録ヘッドを傾けた場合の実際の印字結果であ
る。
【図2】記録ヘッドを、ヘッド走査方向と垂直方向にし
た場合の印字結果。
【図3】本実施例で用いる記録ヘッドの構成図である。
【図4】本実施例の記録ヘッドのヒートタイミング図で
ある。
【図5】本実施例の印字制御パルス発生回路の構成であ
る。
【図6】印字速度が高速の場合における、記録ヘッドの
ヒートタイミング図である。
【図7】印字速度が低速の場合における、記録ヘッドの
ヒートタイミング図である。
【図8】各コモン間の印字制御パルスの印加タイミング
を示す図である。
【図9】実施例1の印字速度が2速の場合の印字制御フ
ローチャートである。
【図10】実施例1の印字速度が3速ある場合の印字制
御フローチャートである。
【図11】実施例2の印字制御フローチャートである。
【図12】実施例3における印字制御パルスの印加タイ
ミングを示す図である。
【符号の説明】
α 記録素子列が走査方向に対する垂直な向きとなす角
度 201 本実施例で用いる記録ヘッド内に設けられたヒ
ータ 204 本実施例で用いる記録ヘッド内に設けられたヒ
ータ T1 ヒートトリガ信号からコモン信号1がHighに
なるまでの時間 T2 ヒートトリガ信号からコモン信号1がLowにな
るまでの時間 T3 ヒートトリガ信号からコモン信号2がHighに
なるまでの時間 T4 ヒートトリガ信号からコモン信号2がLowにな
るまでの時間 t 隣接するブロックの印字制御タイミングのずれ時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/01 B41J 2/05 B41J 2/07

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一列に配列された複数の記録素子を有す
    る記録ヘッドを搭載して前記複数の記録素子の配列方向
    を記録ヘッドの走査方向と垂直な方向に対して所定の角
    度傾斜させて走査する記録装置において、 該記録装置は、 異なる走査速度で記録を行うことが可能であると共に、 前記複数の記録素子を、同時駆動可能な複数の記録素子
    からなる複数のブロックに分割し、先行して走査される
    ブロックから所定の時間間隔で順次選択する選択手段
    と、 前記ブロックを順次選択する前記時間間隔を前記記録ヘ
    ッドの異なる走査速度に応じて変更する変更手段とを具
    備することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、前記多数の記録素子
    の配列方向が前記走査方向と垂直にならないように傾斜
    して前記走査手段に搭載される請求項1に記載の記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記多数の記録素子列が前記走査方向の
    垂直な向きとなす角度をα、記録速度をS(単位長さ/
    秒)、前記ブロックが順次選択される前記時間間隔をt
    (秒)、解像度をn(ドット/単位長さ)、前記駆動信
    号の駆動時間をt0秒、順次選択される前記ブロック間
    における前記駆動信号が重なる時間をtA(秒)、前記
    分割してなるブロックの数をNとしたとき、 t0−tA≦t≦((1/n・S)−t0−tA)/(N−1) を満たす請求項1に記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの記録速度に対して、前
    記分割されるブロックの数をN、記録速度をS(単位長
    さ/秒)、前記ブロックが順次選択される前記時間間隔
    をt(秒)としたとき、 α=tan-1(N・S・t) を満たす請求項1に記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記異なる走査速度Sのそれぞれと、そ
    れに対応する時間間隔tのそれぞれとの積がほぼ等しい
    請求項1に記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録素子は、インクを吐出する複数
    の吐出口と、対応する吐出口毎に設けられ、インクに熱
    による状態変化を生起させ該状態変化に基づいてインク
    を前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エ
    ネルギー発生手段とを有したことを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の記録装置。
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