JP2907726B2 - 反応性乳化剤および水性組成物 - Google Patents

反応性乳化剤および水性組成物

Info

Publication number
JP2907726B2
JP2907726B2 JP6168382A JP16838294A JP2907726B2 JP 2907726 B2 JP2907726 B2 JP 2907726B2 JP 6168382 A JP6168382 A JP 6168382A JP 16838294 A JP16838294 A JP 16838294A JP 2907726 B2 JP2907726 B2 JP 2907726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
compound
aqueous composition
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6168382A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0827166A (ja
Inventor
成史 倉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP6168382A priority Critical patent/JP2907726B2/ja
Publication of JPH0827166A publication Critical patent/JPH0827166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2907726B2 publication Critical patent/JP2907726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性乳化剤および水
性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を使用しない水系の吸水防止剤
として、加水分解・重縮合性官能基を有する有機珪素化
合物や有機珪素樹脂の安定な水性エマルジョンが開発さ
れ、一部はすでに実用に供されている。有機珪素化合物
の水性エマルジョンとしては、例えば、ノニオン性乳化
剤を用いた水性エマルジョンが知られている(特開昭6
2−197369、特開平1−292089、特開平3
−174378、特開平3−188086号公報)。ま
た、撥水性や吸水防止性を向上させるために、乳化剤と
してシリコーン系やフッ素系の乳化剤を用いた例も知ら
れている(特開平3−115485号公報)。さらに、
アルコキシ基とともに第四級アンモニウム塩基をも含有
する珪素化合物や、ノニオン性またはアニオン性の乳化
能を有する珪素化合物のような、アルコキシシランや土
木建築材料に対し反応性を有する乳化剤を使用した例も
知られている(特開平3−159975、特開平3−2
00793、特開平4−164877、特開平5−22
1748号公報)。
【0003】一方、有機珪素樹脂の水性エマルジョンと
しては、メチルメトキシシリコーン樹脂やアルキルトリ
アルコキシシランの加水分解・重縮合物を水性乳化した
ものが知られている(特開昭57−92561、特開昭
58−213046、特開昭60−20959、特開昭
63−305132、特開平4−255759号公
報)。また、前記シリコーン系乳化剤のほか、アルコキ
シ基とともに塩基性窒素をも有するオルガノポリシロキ
サンと酸からなる反応性乳化剤を使用した例も知られて
いる(特開平5−156164号公報)。
【0004】しかし、前記各公知文献で開示されている
有機珪素化合物や有機珪素樹脂の水性エマルジョンで
は、乳化時の安定性や経時的安定性を得るために乳化剤
を多量に用いる必要がある。そのために土木建築材料の
撥水性や吸水防止性の効果が低くなるという問題があ
る。撥水性や吸水防止性を向上させるために乳化剤の使
用量を少なくすると、有機珪素化合物や有機珪素樹脂が
時間の経過とともに次第に縮合することで、経時安定性
および乳化安定性が劣化するという問題が生じる。
【0005】乳化剤としてシリコーン系やフッ素系の乳
化剤を用いた水性マエルジョンでは、シリコーンやフッ
素に起因して撥水性が増大するため、通常の乳化剤を使
用した水性エマルジョンに比較して撥水性や吸水防止性
は向上するが、それでもいまだ不充分であり、しかも、
乳化安定性や経時安定性は悪い。アルコキシシリル基を
有する上記反応性乳化剤を用いた水性エマルジョンにつ
いては、撥水性および吸水防止性と乳化安定性および経
時安定性との両方を同時に満足するようなものは得られ
ていない。例えば、特開平5−221748号公報に記
載されている界面活性能を有するシラン化合物を乳化剤
として使用すると、以下のおよびに示すような問題
点があり、得られる水性エマルジョンは乳化安定性およ
び経時安定性が劣る。 シラン化合物中のアルコキシシリル基が親水性のポリ
エチレンオキシド末端に結合していたり、アルコキシシ
リル基とポリエチレンオキシドとの結合がSi−O−C
結合であるため、加水分解性が高く、水に対して不安定
である。 アルコキシシリル基が容易に加水分解・重縮合するた
め、このようなシラン化合物を含む有機珪素化合物の水
性エマルジョンは、増粘ゲル化する。
【0006】また、前記各公知文献で開示されている有
機珪素化合物や有機珪素樹脂の水性エマルジョンを土木
建築材料用の吸水防止剤に使用した場合、耐久性が悪
く、撥水性や吸水防止性が早期に低下するという問題が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、界面活性能を有する新規なアルコキシシラ
ン化合物を提供し、容易に且つ再現性良く製造すること
である。本発明が解決しようとする別の課題は、有機珪
素化合物や有機珪素樹脂を含む水性組成物において、乳
化安定性、経時安定性、撥水性および吸水防止性のすべ
てを高く維持しつつ、耐久性を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】アルコキシシラン化合物およびその製造方法 本発明のアルコキシシラン化合物(A)は、下記の一般
式(1)に示す構造を有する。
【0009】
【化6】
【0010】(但し、R1 :Hまたは炭素数6〜18の
アルキル基、R2 :炭素数1〜6のアルキル基、R3
炭素数1〜6のアルキル基、A:炭素数2〜4のアルキ
レン基、B:H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2
4 またはCO2 Na、m:1〜200の整数、n:0
〜2の整数)前記一般式(1)において、B:H、SO
3 NH4 またはSO3 Na、m:1〜100の整数、で
あるのが好ましい。
【0011】本発明のアルコキシシラン化合物(A)の
製造方法は、下記の一般式(3)で示される化合物
(B)と、下記の一般式(4)で示される化合物(C)
とを用いてヒトロシリル化反応することを特徴とする。
【0012】
【化7】
【0013】(但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭
素数1〜20の炭化水素基、A:炭素数2〜4の置換し
てもよいアルキレン基、B:H、SO3 NH4 、SO3
Na、CO2 NH4 またはCO2 Na、m:1〜200
の整数である。)
【0014】
【化8】
【0015】(但し、R2 :炭素数1〜10の炭化水素
基、R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアルキル
基、n:0〜2の整数である。) 以下に、本発明のアルコキシシラン化合物(A)および
その製造方法を詳細に説明する。本発明のアルコキシシ
ラン化合物(A)は、主として疎水性を有するフェニル
基またはアルキルフェニル基、親水性を有する(ポリ)
アルキレンオキシド基、(ポリ)アルキレンオキシドの
スルホン酸アンモニウム塩基、(ポリ)アルキレンオキ
シドのスルホン酸ナトリウム塩基、(ポリ)アルキレン
オキシドのカルボン酸アンモニウム塩基または(ポリ)
アルキレンオキシドのカルボン酸ナトリウム塩基、各種
材料と結合可能な反応性を有するアルコキシシリル基か
らなっている。特に、アルコキシシリル基が(ポリ)ア
ルキレンオキシド基と直接には結合していないため、フ
ェニル基またはアルキルフェニル基のような疎水性基に
保護される。このため、水中でも加水分解・重縮合性が
抑制され、前述のポリエチレンオキシド末端にアルコキ
シシリル基が結合したシラン化合物よりも安定である。
【0016】フェニル基またはアルキルフェニル基は、
疎水性を示す部分であり、アルコキシシラン化合物
(A)を反応性乳化剤として使用する場合には、親油基
として作用する。また、フェニル基またはアルキルフェ
ニル基は、後述するアルコキシシリル基を水から保護す
る基であると共に、本発明の水性組成物の1成分として
アルコキシシラン化合物(A)を使用する場合には、撥
水性や吸水防止性を付与する基である。
【0017】ここでR1 、疎水性の観点からHまたは
炭素数6〜18から選ばれるアルキル基であり、好まし
くは炭素数6〜18のアルキル基、さらに好ましくは
素数9〜18のアルキル基である。炭素数6〜18のア
ルキル基の具体例としては、ヘキシル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル
基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基が挙げられる。
【0018】(ポリ)アルキレンオキシド基、(ポリ)
アルキレンオキシドのスルホン酸アンモニウム塩基、
(ポリ)アルキレンオキシドのスルホン酸ナトリウム塩
基、(ポリ)アルキレンオキシドのカルボン酸アンモニ
ウム塩基または(ポリ)アルキレンオキシドのカルボン
酸ナトリウム塩基は、親水性を示す部分であり、アルコ
キシシラン化合物(A)を反応性乳化剤として使用する
場合には、親水基として使用する。ここでAは、親水性
の観点から、炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ま
しくは炭素数2〜3のアルキレン基、さらに好ましくは
エチレン基である
【0019】BはH、SO3 NH4 、SO3 Na、CO
2 NH4 またはCO2 Naであり、本発明の水性組成物
の1成分としてアルコキシシラン化合物(A)を使用す
る場合には、後述するアルコキシシリル基の加水分解・
重縮合性の抑制の観点からHであるのが好ましい。アル
コキシシリル基は、各種材料、特に無機素材と結合し得
る反応性を示す部分であり、本発明の水性組成物の1成
分としてアルコキシシラン化合物(A)を反応性乳化剤
として使用する場合には、各種材料と反応するため、前
記乳化剤のブリードが抑制される結果、撥水性や吸水防
止性を向上させる基である。
【0020】ここでR2 、後述するアルコキシシリル
基、すわなちR3 O基の加水分解性を極端に低下させな
い点で炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは
炭素数1〜3のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1
〜2のアルキル基、最も好ましくはメチル基である
【0021】炭素数1〜6のアルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基等が挙げられる。R3 は、アルコキ
シシリル基、すなわちR3 O基の加水分解性が高く無機
素材との結合性が大きい点で、炭素数1〜6のアルキル
であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、さら
に好ましくは炭素数1〜2のアルキル基、最も好ましく
エチル基である。メチル基では、メトキシ基の加水分
解性が非常に高いため、本発明の水性組成物の1成分と
してアルコキシシラン化合物(A)を使用する場合に
は、前記組成物の乳化安定性および経時安定性が低下す
る場合がある。
【0022】R3 の具体例としては、前記R2 で例示さ
れた基と同じものが挙げられる。mは1〜200の整数
であれば特に限定されないが、本発明の水性組成物の1
成分として、アルコキシシラン化合物(A)を使用する
場合には、前記水性組成物の乳化安定性および経時安定
性の観点からは、1〜100の整数であるのが好まし
く、mは2〜50の整数であるのがさらに好ましく、m
は4〜30の整数であるのが一層好ましく、mは5〜2
0の整数であるのがより一層好ましい。mは7〜15の
整数であるのが最も好ましい。
【0023】nは0〜2の整数であれば特に限定されな
いが、上述したアルコキシシリル基の加水分解性が高
く、無機素材との結合性の観点からは、nは0または1
であるのが好ましく、0であるのが最も好ましい。本発
明のアルコキシシラン化合物(A)は、水中でも、アル
コキシシリル基の加水分解・重縮合、特に重縮合しにく
く安定である。これは前述したように、水中において、
(ポリ)アルキレンオキシド基、(ポリ)アルキレンオ
キシドのスルホン酸アンモニウム塩基または(ポリ)ア
ルキレンオキシドのスルホン酸ナトリウム塩基が水に相
溶し、フェニル基またはアルキルフェニル基は、アルコ
キシシリル基の加水分解・重縮合、特に重縮合を抑制
し、安定化させるためである。このような理由から、ア
ルコキシシラン化合物(A)を水と混合した場合、水中
で均一に分散することができる。
【0024】本発明のアルコキシシラン化合物(A)を
製造する方法は、特に限定されないが、例えば、ヒドロ
シリル化反応触媒の存在下、下記一般式(3)で示され
る化合物(B)と下記一般式(4)で示される化合物
(C)とをヒドロシリル化反応させる方法がある。この
方法ではアルコキシシラン化合物(A)を容易に且つ再
現性良く得ることができる。
【0025】
【化9】
【0026】(但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭
素数1〜20の炭化水素基、A:炭素数2〜4の置換し
てもよいアルキレン基、B:H、SO3 NH4 、SO3
Na、CO2 NH4 またはCO2 Na、m:1〜200
の整数。)
【0027】
【化10】
【0028】(但し、R2 :炭素数1〜10の炭化水素
基、R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアルキル
基、n:0〜2の整数。) ここで、一般式(3)で示される化合物(B)の具体例
としては、オキシエチレンの繰り返し単位数が1〜10
0の範囲にあるポリオキシエチレンアリルグリシジルフ
ェニルエーテル、オキシエチレンの繰り返し単位数が1
〜100の範囲にあるポリオキシエチレンアリルグリシ
ジルオクチルフェニルエーテル、オキシエチレンの繰り
返し単位数が1〜100の範囲にあるポリオキシエチレ
ンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル、オキシエ
チレンの繰り返し単位数が1〜100の範囲にあるポリ
オキシエチレンアリルグリシジルデシルフェニルエーテ
ル、オキシエチレンの繰り返し単位数が1〜100の範
囲にあるポリオキシエチレンアリルグリシジルドデシル
フェニルエーテル、オキシエチレンの繰り返し単位数が
1〜100の範囲にあるポリオキシエチレンアリルグリ
シジルトリデシルフェニルエーテル、オキシエチレンの
繰り返し単位数が1〜100の範囲にあるポリオキシエ
チレンアリルグリシジルテトラデシルフェニルエーテ
ル、オキシエチレンの繰り返し単位数が1〜100の範
囲にあるポリオキシエチレンアリルグリシジルヘキサデ
シルフェニルエーテル、オキシエチレンの繰り返し単位
数が1〜100の範囲にあるポリオキシエチレンアリル
グリシジルオクタデシルフェニルエーテル、オキシエチ
レンの繰り返し単位数が1〜100の範囲にあるポリオ
キシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル
のスルホン酸アンモニウム塩、オキシエチレンの繰り返
し単位数が1〜100の範囲にあるポリオキシエチレン
アリルグリシジルノニルフェニルエーテルのスルホン酸
ナトリウム塩、上記オキシエチレンの繰り返し単位数が
1〜100の範囲にあるポリオキシエチレン基の代わり
に、オキシプロピレンの繰り返し単位数が1〜100の
範囲にあるポリオキシプロピレン基、オキシブチレンの
繰り返し単位数が1〜100の範囲にあるポリオキシブ
チレン基、あるいは、オキシエチレン−オキシプロピレ
ンの繰り返し単位数の合計が1〜100の範囲にあるポ
リ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基、オキシエ
チレンとオキシブチレンの繰り返し単位数の合計が1〜
100の範囲にあるポリ(オキシエチレン−オキシブチ
レン)基、オキシプロピレンとオキシブチレンの繰り返
し単位数の合計が1〜100の範囲にあるポリ(オキシ
プロピレン−オキシブチレン)基を有する化合物が挙げ
られる。
【0029】ここで、R1 、A、Bおよびmは、それぞ
れについて、上述したような理由から、R1 はHまたは
炭素数6〜18のアルキル基が好ましく、炭素数6〜1
8のアルキル基がさらに好ましく、炭素数9〜18のア
ルキル基が最も好ましい。また、Aは炭素数2〜4のア
ルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基が
さらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。また、B
はHが好ましい。また、mは1〜100の整数であるの
が好ましく、mは2〜50の整数であるのがさらに好ま
しく、mは4〜30の整数であるのが一層好ましく、m
は5〜20の整数であるのがより一層好ましい。mは7
〜15の整数であるのが最も好ましい。
【0030】一般式(4)で示される化合物(C)は分
子内にSi−H結合を有するシラン化合物であれば、特
に限定はなく、化合物(C)の具体例としては、トリメ
トキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシエ
チルシラン、ジメトキシプロピルシラン、ジメトキシブ
チルシラン、ジメチルメトキシシラン、トリエトキシシ
ラン、ジエトキシメチルシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、トリプロポキシシラン、ジプロポキシメチルシラ
ン、ジメチルプロポキシラン、トリブトキシシラン、ジ
ブトキシメチルシラン、ジメチルブトキシシラン、ジメ
トキシエトキシシラン、ジエトキシメトキシシランが挙
げられる。
【0031】ここで、R2 、R3 およびnは、それぞれ
について、上述したような理由から、R2 は炭素数1〜
6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基
がさらに好ましく、炭素数1〜2のアルキル基が一層好
ましく、メチル基が最も好ましい。R3 は、炭素数1〜
6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基
がさらに好ましく、炭素数1〜2のアルキル基が一層好
ましく、エチル基が最も好ましい。
【0032】また、nは、0または1が好ましく、0が
最も好ましい。化合物(B)と化合物(C)の使用量
は、それぞれ任意の量を使用することができるが、化合
物(B)1モルに対して、化合物(C)を1〜3モル使
用するのが好ましい。これ以上使用すると、未反応の化
合物(C)が増加する。次に、ヒドロシリル化反応触媒
としては、従来公知のものであれば特に限定されない
が、具体的には、過酸化物系触媒;アゾ化合物系触媒;
2 PtCl6 ,PtCl2 (C2 4 2 ,PtCl
2 (py)(C2 4 )(但し、py=ピリジン),P
tCl2 〔P(C2 5 3 2 、Pt〔P(C
6 5 3 4 ,Pt〔P(C6 5 3 2 (C2
4 ),PtClH〔P(C2 5 3 2,PtH(S
iCH3 Cl2 )〔P(C6 5 3 2 等の白金系触
媒;RhCl〔P(C6 5 3 3 ,PhH(CO)
〔P(C6 5 3 2 ,〔PhCl(CO)2 2
のロジウム系触媒;Co2 (CO)8 ,HCo(CO)
4 等のコバルト系触媒;Pd〔P(C6 5 3 3
2 (但し、Lは無水マレイン酸あるいはP−ベンゾキノ
ン等の配位子),Pd〔P(C6 5 3 4 ,PdC
2 〔P(C6 5 3 2 等のパラジウム系触媒;各
種ニッケル−ホスフィン錯体等のニッケル系触媒;トリ
アルキルアミンが挙げられる。中でも、白金系触媒が好
ましく、ヒドロシリル化反応を促進させ、アルコキシシ
ラン化合物(A)を収率良く製造することができるた
め、塩化白金酸がさらに好ましい。
【0033】ヒドロシリル化触媒の使用量は、特に限定
はないが、化合物(B)1モルに対して10-2〜10
-10 モル、好ましくは10-3〜10-7モルである。使用
量が少ないと反応が進行しにくくなり、使用量が多いと
触媒が高価であるため好ましくない。次に、ヒドロシリ
ル化反応は、無機溶媒下または有機溶媒中で、上記化合
物(B)、化合物(C)およびヒドロシリル化触媒を混
合して行われる。有機溶媒としては、アルコール類、ケ
トン類、エーテル類、エステル類、セロリルブ類、脂肪
族炭化水素類、芳香族炭化水素類が挙げられる。
【0034】ヒドロシリル化反応する際の反応温度およ
び反応時間は、特に限定されない。しかしながら、化合
物(B)、化合物(C)およびヒドロシリル化反応触媒
の種類によって異なるが、反応温度は、通常、室温〜2
00℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。反応
時間は、10分間〜50時間、好ましくは1時間〜20
時間の範囲である。また、反応圧力は、常圧、減圧およ
び加圧のいずれでも良い。
【0035】また、本発明のアルコキシシラン化合物
(A)を製造する他の方法としては、例えば、上記一般
式(3)で示される化合物(B)を、下記一般式(5)
で示されるハロゲン化シラン化合物(D)とヒドロシリ
ル化反応触媒の存在下でヒドロシリル化反応した後、ハ
ロゲン化シリル基をアルコキシシリル基に変換する方
法。
【0036】
【化11】
【0037】(但し、X:ハロゲン原子、R2 :炭素数
1〜10の炭化水素基、n:0〜2の整数。) 本発明のアルコキシシラン化合物(A)を製造するさら
に他の方法としては、例えば、下記一般式(6)で示さ
れる化合物(E)と、下記一般式(7)で示される化合
物(F)および下記一般式(8)で示される化合物
(G)とを反応する方法等が挙げられる。
【0038】
【化12】
【0039】(但し、R2 :炭素数1〜10の炭化水素
基、R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアルキル
基、n:0〜2の整数。)
【0040】
【化13】
【0041】(但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭
素数6〜18の炭化水素基。)
【0042】
【化14】
【0043】(但し、A:炭素数2〜4の置換してもよ
いアルキレン基、B:H、SO3 NH 4 、SO3 Na、
CO2 NH4 またはCO2 Na、m:1〜200の整
数。) **********反応性乳化剤 本発明の反応性乳化剤は、下記の一般式(1)で示され
るアルコキシシラン化合物(A)、その加水分解物およ
びその重縮合物から選ばれる少なくとも1種を含む。
【0044】
【化15】
【0045】(但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭
素数1〜20の炭化水素基、R2 :炭素数1〜10の炭
化水素基、R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアル
キル基、A:炭素数2〜4の置換してもよいアルキレン
基、B:H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2 NH4
またはCO2 Na、m:1〜200の整数、n:0〜2
の整数。) 前記一般式(1)において、R1 :Hまたは炭素数6〜
18のアルキル基、R 2 :炭素数1〜6のアルキル基、
3 :炭素数1〜6のアルキル基、A:炭素数2〜4の
アルキレン基、B:H、SO3 NH4 またはSO3
a、m:1〜100の整数、であるのが好ましい。
【0046】以下に、本発明の反応性乳化剤を詳細に説
明する。本発明での反応性とは、アルコキシシリル基や
シラノール基によって、各種材料、特に無機素材と結合
可能なことを意味する。アルコキシシラン化合物(A)
は親油性を示す部分および親水性を示す部分を有してい
るため、乳化剤として作用する。
【0047】アルコキシシラン化合物(A)は、水中で
もアルコキシシリル基の加水分解・重縮合、特に重縮合
しにくいため比較的安定であるが、加水分解したもの、
あるいは重縮合したものであっても、界面活性能を有
し、乳化剤として作用する。但し、重縮合が進行してア
ルコキシシリル基やシラノール基が、全く存在しなくな
ると反応性を示さなくなる。
【0048】アルコキシシラン化合物(A)の加水分解
物およびその重縮合物は、アルコキシシラン化合物
(A)を従来公知の方法で、加水分解・重縮合すること
によって得られる。例えば、無溶媒中、または、アルコ
キシシラン化合物(A)および水とを溶解できるような
有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、アルコー
ル類、ケトン類、エーテル類、セルソロブ類が挙げられ
る。水の量は、特に限定されないが、水の量が多すぎる
と得られる重縮合物が高分子量体となるため、乳化剤と
しての作用が低下する場合がある。また、重縮合させる
際に、従来公知の酸触媒または塩基触媒を使用しても良
い。
【0049】重縮合物の分子量は、上述の理由から、好
ましくは数平均分子量が20000以下、さらに好まし
くは10000以下、より一層好ましくは5000以下
である。本発明の反応性乳化剤を無機素材に使用すると
耐水性が向上する。また、反応性乳化剤を有機ケイ素化
合物や有機ケイ素樹脂を含む水性組成物に使用すると、
乳化安定性、経時安定性、撥水性および吸水防止性のす
べてを高く維持しつつ、耐久性が改善される。
【0050】本発明の反応性乳化剤に含まれるアルコキ
シシラン化合物(A)が、一般式(1)で、R1 :Hま
たは炭素数6〜18のアルキル基、R2 :炭素数1〜6
のアルキル基、R3 :炭素数1〜6のアルキル基、A:
炭素数2〜4のアルキレン基、B:H、SO3 NH4
たはSO3 Na、m:1〜100の整数であると、アル
コキシシラン化合物(A)の疎水性および加水分解性が
高くなるため、本発明の反応性乳化剤を無機素材に使用
すると耐水性がさらに向上する。また、有機ケイ素化合
物や有機ケイ素樹脂を含む水性組成物に使用すると、乳
化安定性、経時安定性、撥水性および吸水防止性のすべ
てをより高く維持しつつ、耐久性がさらに改善される。
【0051】本発明の反応性乳化剤は、各種エマルジョ
ン、塗料、コーティング剤の添加剤として有用であり、
特に素材が無機素材からなる材料に使用する場合には、
本発明の反応性乳化剤が材料と結合し固定化されるた
め、乳化剤のブリードが抑制され、耐水性が向上する。
また、以下に述べる水性組成物に使用する場合には、特
に有用なものである。
【0052】**********水性組成物 本発明の水性組成物は、下記(a)、(b)および
(c)を含む。
【0053】(a)一般式(2)で示されるシラン化合
物(S)、その加水分解物およびその重縮合物から選ば
れる少なくとも1種からなる有機ケイ素成分。
【0054】
【化16】
【0055】(但し、R4 は炭素数1〜20の1価炭化
水素基、R5 は炭素数1〜6のアルキル基、lは1また
は2である。) (b)前記反応性乳化剤。 (c)水。 前記有機ケイ素成分が前記水性組成物全体に対して1〜
60wt%であり、前記反応性乳化剤が前記有機ケイ素
成分に対して0.01〜20wt%であると好ましい。
【0056】前記R4 が炭素数4〜18の飽和アルキル
基、アリール基、アラルキル基からなる群より選ばれる
少なくとも1種、前記R5 がメチル基またはエチル基、
前記lが1であると好ましい。以下に、本発明の水性組
成物を詳細に説明する。有機ケイ素成分は、撥水性およ
び吸水防止性を有し、かつ各種材料、特に無機材料と結
合したり、それ自身で加水分解・重縮合して材料に撥水
層や吸水防止層を生成することのできる成分である。
【0057】前記一般式(2)中、R4 は撥水性や吸水
防止性を示す基であり、炭素数1〜20の1価炭化水素
基ならば特に限定されないが、飽和アルキル基、アリー
ル基およびアラルキル基から選ばれる少なくとも1種が
好ましく、撥水性、吸水防止性、濾塩性および耐アルカ
リ性を著しく向上させれる点で炭素数4〜18のこれら
の基がより一層好ましい。中でも耐候性に優れる点で炭
素数4〜18の飽和アルキル基が最も好ましい。R4
複数である場合は、複数のR4 は互いに同一であっても
良く、異なっていても良い。
【0058】R4 の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の飽和ア
ルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベ
ンジル基等のアラルキル基;ビニル基、ヘキセニル基、
オクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。
【0059】前記一般式(2)中、R5 は各種材料、特
に無機材料と結合したり、それ自身で加水分解・重縮合
できる基であり、水素原子または炭素数1〜6のアルキ
ル基であれば特に限定はなく、炭素数1〜6のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基が挙げられる。中でも加水分解・重縮合
性が高い点でメチル基またはエチル基が好ましく、エチ
ル基が最も好ましい。メチル基では加水分解・重縮合性
が高すぎるため、本発明の水性組成物が経時的に増粘・
ゲル化する等の保存安定性に問題がある場合がある。ま
た、複数のR5 は互いに同一であっても良く、異なって
いても良い。lは1または2であり、加水分解・重縮合
性官能基を多く含有できる点でlが1であるのが好まし
い。
【0060】シラン化合物(S)の具体例としては、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシ
ラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリ
エトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリ
プロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシ
ルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラ
ン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルト
リメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、
オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベ
ンジルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ジフェニルシランジオール、ビニルト
リメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、オ
クテニルトリメトキシシランが挙げられる。これらシラ
ン化合物(S)は1種または2種以上を使用しても良
い。
【0061】一般式(2)において、R4 が炭素数4〜
18の飽和アルキル基、アリール基、アラルキル基から
選ばれる少なくとも1種、R5 がメチル基またはエチル
基、lが1であるトリアルコキシシラン化合物が好まし
い。特に、一般式(2)において、R4 が炭素数4〜1
8の飽和アルキル基、R5 がエチル基、lが1であるト
リアルコキシシラン化合物がさらに好ましい。これは、
加水分解・重縮合性官能基を多く含有でき、撥水性、吸
水防止性、遮塩性、耐アルカリ性および耐候性に優れた
水性組成物となるからである。
【0062】シラン化合物(S)の加水分解物およびそ
の重縮合物は、アルコキシシラン化合物(A)の加水分
解物およびその重縮合物と同じ方法によって得ることが
できる。本発明の水性組成物を土木建築材料用の吸水防
止剤として使用する場合には、土木建築材料への浸透性
が悪くなることがあるので、好ましくは有機ケイ素成分
の数平均分子量は5000以下、さらに好ましくは20
00以下、より一層好ましくは1000以下である。
【0063】反応性乳化剤は水中で有機ケイ素成分を乳
化すると共に、各種材料、特に無機材料と結合すること
ができる。特に反応性乳化剤を含む本発明の水性組成物
を、土木建築材料用の吸水防止剤として使用した場合に
は、土木建築材料への浸透性が、従来開示されている有
機珪素化合物や有機珪素樹脂の水性エマルジョンに比較
して、格段に向上するため、経時的な吸水防止性や撥水
性の低下の程度が小さく、耐久性に優れたものとなる。
【0064】前記有機ケイ素成分は前記水性組成物全体
に対して1〜60wt%であり、好ましくは5〜50w
t%であり、さらに好ましくは10〜40wt%であ
る。有機ケイ素成分が少なすぎると材料に撥水性や吸水
防止性を付与するためには、塗布して使用する場合に1
回の塗布では不充分な場合があり、塗布回数を増やす必
要がある。また多すぎると、粘度が高くなって、材料へ
の浸透性が悪くなる傾向があったり、乳化状態が油中水
滴型になる場合がある。
【0065】前記反応性乳化剤は前記有機ケイ素成分に
対して0.01〜20wt%であり、好ましくは0.0
1〜10wt%であり、さらに好ましくは0.03〜5
wt%であり、最も好ましくは0.05wt%以上、
0.5wt%未満の範囲である。本発明の水性組成物中
に反応性乳化剤が少なすぎると、有機ケイ素成分の乳化
が不充分となり、乳化安定性や経時安定性が低下する場
合があり、一方多すぎると撥水性や吸水防止性が低下し
たり、耐久性が悪い場合がある。
【0066】本発明の水性組成物中に通常の乳化剤等を
含まなくても乳化安定性および経時安定性は十分に良好
であるが、通常の乳化剤を使用してさらに乳化安定性お
よび経時安定性を高めても良い。通常の乳化剤として
は、ノニオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、カチオン性
乳化剤のいずれの乳化剤でも使用できるが、乳化安定性
および経時安定性を特に向上できる点で、ノニオン性乳
化剤が好ましい。
【0067】ノニオン性乳化剤は、特に限定はなく、従
来公知のものが使用できる。その具体例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステ
ル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル
類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル類、ジメチルシロキサンの側鎖や末端を
ポリアルキレンオキサイドで編成したジメチルシロキサ
ン共重合体類、セルロース類が挙げられる。これらノニ
オン性乳化剤の1種または2種以上を使用しても良い。
これら通常の乳化剤の配合量は、反応性乳化剤に対して
40wt%以下であり、好ましくは30wt%以下であ
る。
【0068】本発明の水性組成物のpHを3〜12にす
ると、経時安定性に優れる。好ましくは4〜10、さら
に好ましくは5〜9である。また、本発明の水性組成物
中に、従来公知の乳化剤、増粘剤、pH緩衝剤、シリカ
ゾル、アルミナゾル、セリアゾル、紫外線吸収剤、水溶
性ポリマー、有機系乳化重合物を添加しても良く、これ
らに限定されない。本発明の水性組成物中には、防カビ
剤、防藻剤、防蟻剤の添加剤を混合しても良く、これら
に限定されない。
【0069】本発明の水性組成物を得るために、反応性
乳化剤を用いて有機ケイ素成分を水中に乳化する方法と
しては、一般の混合や乳化する方法が用いられ、特に限
定はない。例えば、スターラー、ホモミキサー、ウルト
ラディスパーサー、高圧ホモジナイザー等で高速攪拌し
ながら、有機ケイ素成分と反応性乳化剤とを別々または
混合した液を水に少しずつ添加したり、反応性乳化剤と
水の混合液に有機ケイ素成分を少しずつ添加したり、あ
るいはこれらの逆を行うことにより水性組成物が得られ
る。
【0070】本発明の水性組成物は土木建築材料用吸水
防止剤として好適に使用される。土木建築材料としては
特に限定されないが、打放しコンクリート、プレキャス
トコンクリート、軽量気泡コンクリート(ALC)、軽
量コンクリート、セメント板、押出しセメント板、石綿
セメント板、パルプセメント板、木毛セメント板、ガラ
ス繊維入りセメント板、カーボン繊維入りセメント板、
モルタル、目地モルタル、石膏ボード、石膏プラスタ
ー、ドロマイトプラスター、ハードボード、珪酸カルシ
ウム板、しっくい、ブロック、レンガ、タイル、瓦、ス
レート、天然石、人工石、ガラスウール、ロックウー
ル、セラミックファイバー、木材、合板が挙げられる。
【0071】土木建築材料に使用する方法としては特に
限定されないが、好ましい使用する方法として、例え
ば、上記材料へローラー、刷毛、スプレー等を用い塗布
したり、場合によっては上記材料を含浸、浸漬すること
が挙げられる。この際、本発明の水性組成物は、有機ケ
イ素成分の量が、水性組成物全体に対して好ましくは3
〜50wt%、さらに好ましくは10〜40wt%の範
囲に水で希釈して使用される。有機ケイ素成分が少なす
ぎると塗布、含浸あるいは浸漬等の回数を増やす必要が
あり、多すぎると材料への浸透性が悪くなる。また、土
木建築材料に使用する他の好ましい例としては、例えば
上記材料を製造する際に添加することが挙げられる。例
えば、モルタルではセメント、砂、水等を混和調製する
際に本発明の水性組成物を添加した後成形したり、コン
クリートではセメント、細骨材、減水材、水等を混練す
る際に、本発明の水性組成物を添加した後成形すること
が挙げられ、他の材料でもこれらと同様に成形する前や
成形する際に添加することが挙げられる。
【0072】本発明の水性組成物は、さらに加水分解・
重縮合反応により材料表面および内部において強固に且
つ優れた吸水防止層や撥水層を形成し、雨水、汚水、酸
性雨による材料の劣化や汚れのしみこみ、海(塩)水に
よる被害、寒冷地における凍結融解作用によるひび割
れ、材料からの塩の溶出による白華等の解決に有用であ
る。水蒸気を放出する機能も有するため炭酸ガスによる
中性化、骨材に含まれるシリカとアルカリによるアルカ
リ骨材反応の防止等にも優れている。また、吸水防止層
や撥水層が厚く、本発明の水性組成物の浸透性が良いた
め、耐久性の向上が図れる。さらに種々の塗料やコーテ
ィング剤や仕上げ材の防水プライマーとしても有用であ
る。
【0073】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。「%」
は特に限定のない限り「wt%」を示す。 〔実施例1〕オキシエチレンの繰り返し単位数が10で
あるポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニ
ルエーテル30g、トリメトキシシラン9.5g、0.
5wt%塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液0.
2gを混合し、80℃で10時間加熱してヒドロシリル
化反応を行った。次に、未反応のトリメトキシシランお
よびイソプロピルアルコールを加熱減圧蒸留して除去
し、オキシエチレンの繰り返し単位数が10であるポリ
オキシエチレントリメトキシシリルプロピルグリシジル
ノニルフェニルエーテル(A−1)を製造した。
【0074】蒸留後の生成物をガスクロマトグラフィー
で分析すると、トリメトキシシランおよびイソプロピル
アルコールは痕跡量しか検出されなかった。また、(A
−1)のH−NMR分析(内部標準物質:TMS、溶
媒:CDCl3 )、IR分析および元素分析の結果を下
記に示す。H−NMR分析から、ポリオキシエチレンア
リルグリシジルノニルフェニルエーテルのアリル基に帰
属されるプロトンのスペクトル(δ値で5.1〜5.3
ppm,5.8〜6.0ppm)は消失しているのを確
認した。
【0075】H−NMR分析結果
【0076】
【化17】
【0077】 0.4〜1.8ppm 23H 6.7〜7.3ppm 4H 3.6〜4.0ppm 48H 3.55〜3.6ppm 9H (以上δ
値)IR分析結果 −CH3 ,−CH2 −:2800〜3000cm-1 −OH :3200〜3600cm-1 −Si−O− :1000〜1100cm-1 −C−O−C− :1100〜1150cm-1 元素分析結果 C :58.8% (理論値 58.9%) H : 9.3% (理論値 9.4%) 0 :28.5% (理論値 28.6%) Si: 3.4% (理論値 3.1%) 〔実施例2〕実施例1において、オキシエチレンの繰り
返し単位数が10であるポリオキシエチレンアリルグリ
シジルノニルフェニルエーテル(以下これを「X成分」
と略す)およびトリメトキシシラン(以下これを「Y成
分」と略す)の代わりに、オキシエチレンの繰り返し単
位数が平均して7.5であるポリオキシエチレンアリル
グリシジルノニルフェニルエーテルおよびトリエトキシ
シランを使用した以外は、実施例1と同様にしてオキシ
エチレンの繰り返し単位数が平均して7.5であるポリ
オキシエチレントリエトキシシリルプロピルグリシジル
ノニルフェニルエーテル(A−2)を製造した。蒸留後
の生成物をガスクロマトグラフィーで分析すると、トリ
エトキシシランおよびイソプロピルアルコールは、痕跡
しか検出されなかった。また、(A−2)のH−NMR
分析、IR分析および元素分析の結果を下記に示す。H
−NMR分析から、実施例1と同様にして原料のアリル
基が消失しているのを確認した。
【0078】H−NMR分析結果
【0079】
【化18】
【0080】 0.4〜1.8ppm 32H 6.7〜7.3ppm 4H 3.6〜4.0ppm 44H (以上δ
値)IR分析結果 −CH3 ,−CH2 −:2800〜3000cm-1 −OH :3200〜3600cm-1 −Si−O− :1000〜1100cm-1 −C−O−C− :1100〜1150cm-1 元素分析結果 C :60.7% (理論値 60.9%) H : 9.9% (理論値 9.7%) 0 :25.9% (理論値 26.0%) Si: 3.5% (理論値 3.4%) 〔実施例3〕実施例1において、X成分の代わりにオキ
シエチレンの繰り返し単位数が5であるポリオキシエチ
レンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルを使用
し、Y成分の代わりにジエトキシメチルシランを使用し
た以外は実施例1と同様にして、オキシエチレンの繰り
返し単位数が5であるポリオキシエチレンジエトキシメ
チルシリルプロピルグリシジルノニルフェニルエーテル
(A−3)を製造した。蒸留後の生成物をガスクロマト
グラフィーで分析すると、ジエトキシメチルシランおよ
びイソプロピルアルコールは、痕跡しか検出されなかっ
た。また、(A−3)のH−NMR分析、IR分析およ
び元素分析の結果を下記に示す。H−NMR分析から、
実施例1と同様にして原料のアリル基が消失しているの
を確認した。
【0081】H−NMR分析結果
【0082】
【化19】
【0083】 0.4〜1.8ppm 29H 6.7〜7.3ppm 4H 3.6〜4.0ppm 32H 0 〜0.2ppm 3H (以上δ
値)IR分析結果 −CH3 ,−CH2 −:2800〜3000cm-1 −OH :3200〜3600cm-1 −Si−O− :1000〜1100cm-1 −C−O−C− :1100〜1150cm-1 Si−CH3 :1200〜1300cm-1 元素分析結果 C :63.0% (理論値 62.8%) H : 9.8% (理論値 9.9%) 0 :22.9% (理論値 23.2%) Si: 4.3% (理論値 4.1%) 〔実施例4〕実施例1において、X成分の代わりにオキ
シエチレンの繰り返し単位数が20であるポリオキシエ
チレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテルを使用
し、Y成分の代わりにジメトキシメチルシランを使用し
た以外は実施例1と同様にして、オキシエチレンの繰り
返し単位数が20であるポリオキシエチレンジメトキシ
メチルシリルプロピルグリシジルノニルフェニルエーテ
ル(A−4)を製造した。蒸留後の生成物をガスクロマ
トグラフィーで分析すると、ジメトキシメチルシランお
よびイソプロピルアルコールは、痕跡しか検出されなか
った。また、(A−4)のH−NMR分析、IR分析お
よび元素分析の結果を下記に示す。H−NMR分析か
ら、実施例1と同様にして原料のアリル基が消失してい
るのを確認した。
【0084】H−NMR分析結果
【0085】
【化20】
【0086】 0.4〜1.8ppm 23H 6.7〜7.3ppm 4H 3.6〜4.0ppm 88H 0 〜0.2ppm 3H 3.55〜3.6ppm 6H (以上δ
値)IR分析結果 −CH3 ,−CH2 −:2800〜3000cm-1 −OH :3200〜3600cm-1 −Si−O− :1000〜1100cm-1 −C−O−C− :1100〜1150cm-1 Si−CH3 :1200〜1300cm-1 元素分析結果 C :57.9% (理論値 58.2%) H : 9.6% (理論値 9.4%) 0 :30.5% (理論値 30.3%) Si: 2.3% (理論値 2.1%) 〔実施例5〜10〕実施例1のX成分およびY成分をそ
れぞれ表1に示したオレフィンおよびヒドロシランに代
えた以外は、実施例1と同様にしてアルコキシシラン化
合物(A−5)〜(A−10)を製造した。アルコキシ
シラン化合物(A−5)〜(A−10)は、実施例1と
同様にしてガスクロマトグラフィー分析、H−NMR分
析、IR分析および元素分析を行った。蒸留後の生成物
のガスクロマトグラフィー分析ではいずれの実施例にお
いても、原料であるヒドロシランおよびイソプロピルア
ルコールは、痕跡しか検出されなかった。H−NMR分
析から、実施例1と同様にして原料のアリル基が消失し
ているのを確認した。また、いずれの実施例において
も、生成物のH−NMR分析、IR分析および元素分析
から、表1に示すアルコキシシラン化合物が得られたこ
とを確認した。
【0087】また、実施例10においてイオウの定量は
イオンクロマトグラフ分析を行って確認した。
【0088】
【表1】
【0089】実施例5〜10で得られたアルコキシシラ
ン化合物(A−5)〜(A−10)の化学式を以下に示
す。
【0090】
【化21】
【0091】
【化22】
【0092】
【化23】
【0093】
【化24】
【0094】
【化25】
【0095】
【化26】
【0096】〔実施例11〕実施例1で得られたオキシ
エチレンの繰り返し単位数が10であるポリオキシエチ
レントリメトキシシリルプロピルグリシジルノニルフェ
ニルエーテル(A−1)10gを、イソプロピルアルコ
ール85gおよび水2g中に溶解させ、10時間加熱還
流して(A−1)の加水分解・重縮合を行った。冷却
後、加熱減圧留去してイソプロピルアルコールおよび水
を留去して、(A−1)の加水分解・重縮合物(A−1
1)を製造した。(A−11)をゲルパーミエーション
クロマトグラフィーで分析(GPC分析)すると、その
数平均分子量は1800であった。 〔実施例12〕反応性乳化剤として、実施例1で得られ
た(A−1)0.80gと、シラン化合物(S)として
イソブチルトリメトキシシラン80gとを混合した液を
ホモジナイザーを用いて高速攪拌しながら、水119.
20gを徐々に滴下、混合して乳化を行った。そのまま
1時間高速攪拌を続けて、水性組成物(1)(乳白色の
エマルジョン)を製造した。
【0097】なお、水性組成物(1)を、50℃、24
時間保存しても増粘ゲル化等は生じなかった。水性組成
物(1)の吸水防止性、浸透性、乳化安定性および耐久
性の評価結果を表3に示す。なお評価方法は以下の通り
である。 (モルタルサンプルの調製)シラン化合物(S)、反応
性乳化剤、水の合計量に対して、シラン化合物(S)の
濃度が30wt%になるように水性組成物を純水で希釈
して塗布液とした。モルタル(5cm×5cm×1.5
cm)の全面を300g/m2 となるように塗布した
後、23℃、60%RH下で1週間養生してモルタルサ
ンプルとし下記各種試験に供した。 (吸水防止性)モルタルサンプルを水200g中に浸漬
し、7時間後に取り出し、余剰水を乾いた布で拭き取っ
た後に重量測定を行い、下式により吸水率を算出した。
【0098】吸水率(wt%)=〔(浸漬後の重量−浸
漬前の重量)/浸漬前の重量〕×100 評価基準は以下の通りである。 ◎:吸水率が0.5wt%未満 ○:吸水率が0.5wt%以上1.0wt%未満 △:吸水率が1.0wt%以上2.0wt%未満 ×:吸水率が2.0wt%以上 なお、未処理モルタルの吸水率を同様にして測定する
と、7.5wt%であった。 (浸透性)モルタルサンプルを切断しその断面に水を吹
き付け、撥水層の厚みにより浸透深さを測定した。評価
基準は以下の通りである。
【0099】◎:3mm以上 ○:2mm以上3mm未満 △:1mm以上2mm未満 ×:1mm未満 (乳化安定性)得られた組成物を常温で静置し二層分離
の有無を観察した。評価基準は以下の通りである。
【0100】◎:24時間以上二層分離無し ○:7時間以上二層分離無いが、24時間までには二層
分離する △:1時間以上二層分離無いが、7時間までには二層分
離する ×:1時間未満で二層分離する (耐久性)モルタルサンプルをサンシャインウェザーメ
ーター型促進耐候試験機を用い、1000時間紫外線を
照射して吸水防止性を評価した。評価基準は(吸水防止
性)と同様である。 〔実施例13〜18〕実施例12において、アルコキシ
シラン化合物(A)の種類および量、シラン化合物
(S)の種類および量、水の量を表2に示した以外は実
施例12と同様にして、水性組成物(2)〜(7)(乳
白色エマルジョン)を製造した。水性組成物(2)〜
(7)について、水性組成物(1)と同様に、吸水防止
性、浸透性、乳化安定性および耐久性を評価した。評価
結果を表3に示す。
【0101】なお、水性組成物(2)〜(7)を、50
℃、24時間保存しても増粘ゲル化等は生じなかった。
【0102】
【表2】
【0103】〔実施例19〕ヘキシルトリエトキシシラ
ン248g(1.0モル)、エタノール200g、水1
2.6g(0.7モル)および塩酸性陽イオン交換樹
脂、アンバーリスト15(ローム&−ハース社製)6.
8g混合し、還流下2時間加熱し、ヘキシルトリエトキ
シシランの重縮合を行った。次にエタノールを加熱下で
減圧しながら留去した。冷却後、濾過によりアンバーリ
スト15を除去し、ヘキシルトリエトキシシランの加水
分解・重縮合物を得た。この加水分解・重縮合物の数平
均分子量は800であった。
【0104】次に、この加水分解・重縮合物60g、実
施例3で得られた(Aー3)0.20gおよび実施例1
0で得られた(A−10)0.40gを混合した液をウ
ルトラディスパーサーを用いて高速攪拌しながら、水1
39.40gを徐々に添加混合して乳化を行った。その
まま1時間高速攪拌を続け、水性組成物(8)(乳白色
エマルジョン)を製造した。水性組成物(8)につい
て、水性組成物(1)と同様に、吸水防止性、浸透性、
乳化安定性および耐久性を評価した。評価結果を表3に
示す。
【0105】なお、水性組成物(8)を、50℃、24
時間保存しても増粘ゲル化等は生じなかった。
【0106】
【表3】
【0107】〔比較例1〕実施例15において、(A−
1)の代わりに、ソルビタンモノラウレートを用いた以
外は、実施例15と同様にして、比較用水性組成物(1
1)(乳白色エマルジョン)を得た。比較用水性組成物
(11)について、水性組成物(1)と同様に、吸水防
止性、浸透性、乳化安定性および耐久性を評価した。評
価結果を表4に示す。 〔比較例2〕実施例15において、(A−1)の代わり
に、ソルヒタンモノラウレート1.2gを用いた以外
は、実施例15と同様にして比較用水性組成物(12)
(乳白色エマルジョン)を得た。比較用水性組成物(1
2)について、水性組成物(1)と同様に、吸水防止
性、浸透性、乳化安定性および耐久性を評価した。評価
結果を表4に示す。 〔比較例3〕実施例1において、(A−1)の代わりに
下記化合物(T)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、比較用水性組成物(13)(乳白色エマルジョン)
を得た。比較用水性組成物(13)について、水性組成
物(1)と同様に、吸水防止性、浸透性、乳化安定性お
よび耐久性を評価した。評価結果を表4に示す。
【0108】
【化27】
【0109】またこの比較用水性組成物(13)を、5
0℃、24時間保存すると二層分離し、その上層がゲル
化した。
【0110】
【表4】
【0111】
【発明の効果】本発明の反応性乳化剤は、アルコキシシ
ラン化合物(A)、その加水分解物およびその重縮合物
からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいるた
め、本発明の反応性乳化剤を無機素材に使用すると耐水
性が向上する。また、反応性乳化剤を有機ケイ素化合物
や有機ケイ素樹脂を含む水性組成物に使用すると、乳化
安定性、経時安定性、撥水性および吸水防止性のすべて
を高く維持しつつ、耐久性が改善される。
【0112】本発明の反応性乳化剤に含まれるアルコキ
シシラン化合物(A)が、一般式(1)で、R1 :Hま
たは炭素数6〜18のアルキル基、R2 :炭素数1〜6
のアルキル基、R3 :炭素数1〜6のアルキル基、A:
炭素数2〜4のアルキレン基、B:H、SO3 NH4
たはSO3 Na、m:1〜100の整数であると、アル
コキシシラン化合物(A)の疎水性および加水分解性が
高くなるため、本発明の反応性乳化剤を無機素材に使用
すると耐水性がさらに向上する。また、有機ケイ素化合
物や有機ケイ素樹脂を含む水性組成物に使用すると、乳
化安定性、経時安定性、撥水性および吸水防止性のすべ
てをより高く維持しつつ、耐久性がさらに改善される。
【0113】本発明の水性組成物は、乳化安定性、経時
安定性、撥水性および吸水防止性のすべてについて高い
能力を発揮し、しかも、耐久性が高い。有機ケイ素成分
が水性組成物全体に対して1〜60wt%であり、か
つ、反応性乳化剤が有機ケイ素成分に対して0.01〜
20wt%であると、材料への浸透性がよく、乳化安定
性、経時安定性、撥水性および吸水防止性が向上し、耐
久性もさらに高くなる。
【0114】一般式(2)で示されるシラン化合物
(S)において、R4 が炭素数4〜18の飽和アルキル
基、アリール基、アラルキル基からなる群より選ばれる
少なくとも1種、R5 がメチル基またはエチル基、lが
1であると、水性組成物は、遮塩性、耐アルカリ性およ
び耐候性にも優れるようになる。本発明のアルコキシシ
ラン化合物(A)は界面活性能を有する新規な化合物で
ある。たとえば、このアルコキシシラン化合物を用い
て、有機ケイ素化合物や有機ケイ素樹脂を含む水性組成
物において、乳化安定性、経時安定性、撥水性および吸
水防止性のすべてを高く維持しつつ、耐久性を改善する
ことができる。
【0115】ルコキシシラン化合物(A)を含む水性
組成物は、無機素材との結合性が向上し、乳化安定性お
よび経時安定性と撥水性および吸水防止性との両方が高
くなると共に、耐久性も向上する。
【0116】本発明のアルコキシシラン化合物(A)の
製造方法によって、界面活性能を有する新規な化合物で
あるアルコキシシラン化合物(A)を容易に且つ再現性
良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01F 17/54 B01F 17/54 C08G 77/14 C08G 77/14 77/46 77/46 // C09K 3/18 104 C09K 3/18 104

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)で示されるアルコキシ
    シラン化合物(A)、その加水分解物およびその重縮合
    物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む反応性
    乳化剤。 【化1】 但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭素数1〜20の
    炭化水素基 R2 :炭素数1〜10の炭化水素基 R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアルキル基 A :炭素数2〜4の置換してもよいアルキレン基 B :H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2 NH4
    たはCO2 Na m :1〜200の整数 n :0〜2の整数
  2. 【請求項2】前記一般式(1)において、 R1 :Hまたは炭素数6〜18のアルキル基 R2 :炭素数1〜6のアルキル基 R3 :炭素数1〜6のアルキル基 A :炭素数2〜4のアルキレン基 B :H、SO3 NH4 またはSO3 Na m :1〜100の整数 である、請求項1に記載の反応性乳化剤。
  3. 【請求項3】下記(a)、(b)および(c)を含む水
    性組成物。 (a)一般式(2)で示されるシラン化合物(S)、そ
    の加水分解物およびその重縮合物から選ばれる少なくと
    も1種からなる有機ケイ素成分。 【化2】 (但し、R4 は炭素数1〜20の1価炭化水素基、R5
    は炭素数1〜6のアルキル基、lは1または2であ
    る。) (b)請求項1または2に記載の反応性乳化剤。 (c)水。
  4. 【請求項4】前記有機ケイ素成分が前記水性組成物全体
    に対して1〜60wt%であり、前記反応性乳化剤が前
    記有機ケイ素成分に対して0.01〜20wt%であ
    る、請求項3に記載の水性組成物。
  5. 【請求項5】前記R4 が炭素数4〜18の飽和アルキル
    基、アリール基、アラルキル基からなる群より選ばれる
    少なくとも1種、前記R5 がメチル基またはエチル基、
    前記lが1である、請求項3または4に記載の水性組成
    物。
  6. 【請求項6】下記の一般式(1)で示されるアルコキシ
    シラン化合物(A)。 【化3】 但し、R1 :Hまたは炭素数6〜18のアルキル基 R2 :炭素数1〜6のアルキル基 R3 :炭素数1〜6のアルキル基 A :炭素数2〜4のアルキレン基 B :H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2 NH4 またはCO2 Na m :1〜200の整数 n :0〜2の整数
  7. 【請求項7】前記一般式(1)において :H、SO3 NH4 またはSO3 Na m :1〜100の整数 である、請求項6に記載のアルコキシシラン化合物
    (A)。
  8. 【請求項8】下記の一般式(3)で示される化合物
    (B)と、下記の一般式(4)で示される化合物(C)
    とを用いてヒトロシリル化反応することを特徴とするア
    ルコキシシラン化合物(A)の製造方法。 【化4】 (但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭素数1〜20
    の炭化水素基、A:炭素数2〜4の置換してもよいアル
    キレン基、B:H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2
    NH4 またはCO2 Na、m:1〜200の整数であ
    る。) 【化5】 (但し、R2 :炭素数1〜10の炭化水素基、R3 :炭
    素数1〜10の置換してもよいアルキル基、n:0〜2
    の整数である。)
JP6168382A 1994-07-20 1994-07-20 反応性乳化剤および水性組成物 Expired - Fee Related JP2907726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6168382A JP2907726B2 (ja) 1994-07-20 1994-07-20 反応性乳化剤および水性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6168382A JP2907726B2 (ja) 1994-07-20 1994-07-20 反応性乳化剤および水性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0827166A JPH0827166A (ja) 1996-01-30
JP2907726B2 true JP2907726B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=15867073

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6168382A Expired - Fee Related JP2907726B2 (ja) 1994-07-20 1994-07-20 反応性乳化剤および水性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2907726B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2500199B2 (ja) * 1995-01-25 1996-05-29 松下電工株式会社 往復式電気かみそり
DE102009022630A1 (de) 2009-05-25 2010-12-02 Evonik Goldschmidt Gmbh Emulsionen auf Basis Silylgruppen tragender Hydroxylverbindungen
DE102009022631A1 (de) * 2009-05-25 2010-12-16 Evonik Goldschmidt Gmbh Härtbare Silylgruppen enthaltende Zusammensetzungen und deren Verwendung
JP6674558B2 (ja) 2016-04-20 2020-04-01 ダウ シリコーンズ コーポレーション リチウムアルキルシリコネート組成物、塗膜、及びその作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0827166A (ja) 1996-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2054138C (en) Masonry water repellent compositions comprising methylhydrogen siloxanes
JP6087929B2 (ja) コンクリート用撥水剤
JP2004502017A (ja) 有機ケイ素撥水剤組成物
EP0761675A2 (en) Preparation of water-soluble organic silicon compounds
MXPA97005242A (en) Aqueous creams of compounds organosilicicos for the hydrofuel of construction materials
KR20110079845A (ko) 실리콘-함유 화합물을 함유하는 조성물
KR970005892B1 (ko) 무기질건재의 함침용 조성물
JP3403217B2 (ja) 有機ケイ素化合物系エマルジョン組成物
JPH05156164A (ja) 吸水防止剤組成物およびそれを用いる吸水防止方法
JP2907726B2 (ja) 反応性乳化剤および水性組成物
US7026013B2 (en) Use of an epoxy-and/or carboxy-functionalised polyorganosiloxane, as active material in a liquid silicone composition for water repellency treatment of building materials
JP6081533B2 (ja) 水分散性のシリコーン樹脂
JPH101610A (ja) 水性有機ケイ素系組成物および土木建築材料
JPH08155287A (ja) 反応性乳化剤の製造方法および水性有機ケイ素系組成物
JP2802221B2 (ja) アルコキシシリル基含有樹脂、これを含む水性組成物および土木建築材料用吸水防止剤
JPH07258549A (ja) 水性有機珪素樹脂組成物およびこれを含む土木建築材料用吸水防止剤
KR100952755B1 (ko) 발수용 조성물
JP3301699B2 (ja) セメント混和剤およびセメント組成物
JPH04114979A (ja) 水性有機珪素系組成物
JPH0971724A (ja) 吸水防止剤
JPH0959604A (ja) 土木建築用施工方法
JP3531948B2 (ja) 浸透性防水剤組成物
JP3631322B2 (ja) 無機系屋根材の処理方法
JPH03232527A (ja) 水性有機珪素系組成物
JP2001206888A (ja) 水性有機ケイ素エマルションおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees