JP2905834B2 - 地中埋設管の損傷監視方法 - Google Patents

地中埋設管の損傷監視方法

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JP2905834B2 JP32669090A JP32669090A JP2905834B2 JP 2905834 B2 JP2905834 B2 JP 2905834B2 JP 32669090 A JP32669090 A JP 32669090A JP 32669090 A JP32669090 A JP 32669090A JP 2905834 B2 JP2905834 B2 JP 2905834B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、地中埋設管の損傷監視方法に関するもの
で、さらに詳言すれば、地中埋設管に掘削機械工具等の
導電性物体による損傷が発生した場合に、この損傷が発
生したことを即座に検知するものである。
〔従来の技術〕
掘削工事時に、掘削機械工具の掘削刃等の導電性物体
による地中埋設管の損傷発生を検知する従来の方法とし
ては、地中埋設管に交流電源を接続して大地との間に交
流電圧をかけ、導電性物体の接触による塗覆装の損傷部
から大地に漏れる交流電流による交番磁界の発生を利用
し、この交番磁界が消滅する地点を地上から検知して、
地中埋設管に発生した損傷部を検知する方法(特開昭53
−44074号公報)とか、地上から検知用の各種センサー
により損傷部を検知する方法等が知られているが、これ
らの方法では、地中埋設管の損傷部を検知するだけであ
り、損傷発生を常時監視することは不可能であった。
地中埋設管の損傷発生を常時監視する方法としては、
地中埋設管を介して損傷の検知する音波もしくは直流バ
イアスにて検知する方法とか、地中埋設管に交流信号電
圧を印加して送信し、遠隔地である受信点でのこの交流
信号電圧を監視し、導電性物体との接触による地中埋設
管の接地抵抗の減少、すなわち損傷部の発生による接地
抵抗の減少によって生じる受信点での交流信号電位変化
を検知して地中埋設管に損傷が発生したことを検知する
方法(特開昭62−81557号公報)とかが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、地中埋設管の損傷発生を、音波もしく
は直流バイアスで監視する方法は、地中埋設管内を伝搬
する音波が短距離で急激に減衰し、かつ他のノイズとの
判別が難しく、このため確実で正確な損傷の検知を達成
できないと云う問題点があった。
また、送信基地で地中埋設管に印加された交流信号電
位は、この送信基地との距離が大きくなるに従って減衰
し、受信基地では微小な交流信号電位となってしまうの
で、特開昭62−81557号公報に示された方法では、 受信電位が微小なため、地中埋設管に現存する交流ノ
イズ電位と混同し、使用送信交流信号分を選択するのが
難しい。
地中埋設管の損傷部における導電性物体接触時の交流
信号電位の変化量も、受信点においては減衰して僅かな
値となり、このため確実な損傷検知が達成できない。
受信点における交流信号電位の環境変化による変動が
大きく、損傷による変化との識別が難しい。
通電用電極の施設工事が必要であり、実施に手間がか
かる。
地中埋設管に電気防食施設等の低接地物が設けられて
いると、地中埋設管に送信された交流信号がこの低接地
物を通して地中に漏れ、このため受信基地で交流信号を
受信することが不可能となる。
等の問題点があった。
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点
を解消すべく創案されたもので、送信基地で地中埋設管
に印加された交流信号を、その電位を減衰させることな
しに受信基地まで伝搬させることを技術的課題とし、も
って正確で確実な損傷監視を達成することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記技術的課題を解決する本発明の手段は、地中埋設
管を媒体として送信基地から受信基地に交流信号を伝送
するに際して、交流信号の周波数fを、 但し、lは送信基地(1)から受信基地(2)までの距
離、Lは地中埋設管(3)の誘導分、Cは地中埋設管
(3)の静電容量分、kは補正値(0.88〜0.95) に設定すること、受信基地における受信交流信号の電位
変化により地中埋設管の損傷発生の有無を監視するこ
と、 にある。
上記手段に加えて、防食施設等の低接地物が地中埋設
管に接続されている場合には、交流信号の周波数fにて
最大の交流抵抗値を示すLC並列共振フィルタを介して低
接地物を地中埋設管に接続するのが良い。
また、交流信号の周波数fとして、(1)式で求めら
れる周波数を使用することができない場合には、受信基
地付近の地中埋設管に、調整コンデンサを介して低接地
物を接続することにより、交流信号の周波数fを所望値
に変更設定するのが良い。
そして、受信交流信号電位の環境変化による変化と損
傷発生による変化との識別を確実にするために、受信基
地における受信交流信号電位を、予め設定された単位時
間毎にサンプリングし、この隣接サンプリング電位の差
が予め設定された値を越えたならば、地中埋設管に損傷
が発生したと判断するのが良い。
さらに、送信基地における通電用電極の設置工事を省
略することができるようにするために、送信基地付近の
地中埋設管に取付けられた防食用外部電源装置の通電用
電極に、一方の出力端子を地中埋設管に接続した信号送
信装置の他方の出力端子を結合コンデンサを介して接続
し、防食用外部電源装置に対する通電用電極の接続を、
交流信号の周波数fにて最大の交流抵抗値を示すLC並列
共振フィルタを介して行うのが良い。
〔作用〕
地中埋設管の電気的特性を調査して解析したところ、
地中埋設管に交流信号電位を印加した場合には、交流信
号の印加点である送信基地1と受信基地2との間の地中
埋設管は第2図に示す等価回路に置き換えることができ
る結果を得た。
すなわち、管路側KのインダクタンスLと抵抗Rとの
直列回路と、管路側Kと大地側Aとの間の静電容量Cと
漏れコンダクタンスGとの並列回路とから成る分布定数
回路が、地中埋設管の単位距離毎に分布する等価回路と
なった。
この等価回路における分布定数回路の各素子の定数
は、600mmφの地中埋設管に交流信号電位を印加した場
合、抵抗Rは0.8Ω/km、インダクタンスLは1mH/Km、静
電容量Cは7.2μF/Km、漏れコンダクタンスGは1/1000S
/Kmとして求められた。
このことから、地中埋設管に、一端の送信基地から交
流信号電位を印加すると、送信基地と受信基地との距離
に従った特定の周波数において、受信基地における交流
信号電位は波動現象により増加することが予測され、多
くの実験によっても、この受信基地での交流信号電位の
増加を確認することができた。
この受信基地における交流信号電位を増加させる送信
基地と受信基地との間の距離と、交流信号の周波数との
関係は、多くの実験により次のようにして求められる。
交流信号を地中埋設管に印加した時の交流信号電位分
布は、正弦波に似た波状に分布し、交流信号電位波の1
波長は、 の一般公式で決定される。
この1波長λ中における交流信号電位は、送信基地か
らの距離の増加に従って変化し、1/4λの地点までは上
昇し、2/4λの地点で送信基地と同電位まで下降し、3/4
λの地点で最小値まで下降し、そしてλの地点で送信基
地と同電位まで上昇復帰すると云う推移を示す。従っ
て、最大の交流信号電位の受信点は、送信基地から1/4
λの地点となるので、受信基地で最大の交流信号電位を
得るための送信基地から受信基地までの理論最適受信距
離l0は、 l0=λ/4 ・・・・(3) となる。
この(3)式に(2)式を代入すると、 が得られる。
この理論最適受信距離l0に、実現場における補正を加
えると、最適受信距離lは、 但し、kは、0.88〜0.95の範囲内の値となる補正値で、
実測により求める。
となり、受信基地が決まって最適受信距離lが決定され
た状況で、この(5)式から(1)式で示される交流信
号の周波数fが算出される。
このように、送信基地からの交流信号電位を、地中埋
設管に分布する静電容量成分Cおよび誘導成分Lの作用
による波動現象を利用して、受信基地で増幅し受信する
ことができるのであるが、この地中埋設管における交流
信号電位に対する波動現象は、送信基地と受信基地との
間の地中埋設管に対する導電性物体による損傷発生時に
おける、この損傷箇所での導電性物体を介しての地中埋
設管の接地抵抗減少により発生する電位変化量に対して
も等しく作用し、地中埋設管に導電性物体による損傷が
発生した時には、この損傷部における電位変化量が増幅
されて受信基地で大きな電位変化として観察されるの
で、この電位の大きな変化を知ることにより、地中埋設
管に損傷が発生したことを検知することができる。
送信基地と受信基地との間の地中埋設管に、防食施設
等の低接地物が設けられていると、送信基地から送信さ
れた交流信号電圧が、この低接地物を通して大地に漏洩
するので、この漏洩した分、受信基地での受信交流信号
電位の増幅程度は小さくなる。この作用は、導電性物体
により地中埋設管に損傷が発生した場合における受信基
地で受信される損傷箇所での電位変化量の増幅程度にも
同じく作用するので、地中埋設管に低接地物が設けられ
ている場合には、受信基地では、この損傷箇所での電位
変化量を損傷検知可能な程度の値として検知できるもの
の、その値は小さく、損傷検知の確実性が低下する。
そこで、地中埋設管と低接地物との間に、交流信号電
圧の周波数fで最大の抵抗値を示し、直流電圧(電気防
食用電圧)に対してほとんど抵抗値がない周波数対応型
のLC並列共振フィルタを挿入接続する。
このように、地中埋設管と低接地物との間にLC並列共
振フィルタを挿入接続することにより、電気防食効果へ
の悪影響を発生させることなく、この低接地物を介して
交流信号電位が大地に漏洩するのを防止することがで
き、低接地物による交流信号電位の急激な減衰の発生を
確実に阻止し、もって送信交流信号に対する波動現象を
効果的に発揮させる。
送信基地と受信基地との距離lに従って(1)式によ
り交流信号電位周波数fが決定されるのであるが、例え
ば(1)式から算出された最適周波数fが、電鉄等で使
用している交流周波数に干渉を及ぼす場合には、交流信
号電位の周波数を、この(1)式から算出される最適周
波数fとすることはできない。
そこで、受信基地付近にて、地中埋設者と地中に別途
設けたまたは防食施設等の低接地物との間に、調整コン
デンサを挿入接続する。調整コンデンサを接続すること
により、(1)式の静電容量分Cが変化することになる
ので、調整コンデンサの値を適当な値に調整設定するこ
とにより、充分な波動現象を得ることができる状態で、
最適周波数fを、他の交流周波数に干渉しない値に設定
することができる。
受信基地において検出される交流信号電位は、環境か
らの影響により緩慢に変化しているため、この環境から
の影響による検出電位の緩慢な変化のために、損傷発生
に伴う電位変化が、損傷発生と判定するために予め設定
した電位変化量または電位レベルに到達せず、このため
地中埋設管の損傷発生を検知できないと云う不都合が生
じる。
そこで、受信基地での受信交流信号電位を、予め設定
された単位時間毎にサンプリングし、この隣接サンプリ
ング電位の差が予め設定された値を越えたならば、地中
埋設管に損傷が発生したと判断する。このように、受信
基地での受信交流信号電位を単位時間毎にサンプリング
して、隣接したサンプリング電位を比較することによ
り、環境からの影響による緩慢な検出電位の変化は極め
て小さく、このため電位変化として検出されずに無視さ
れるが、損傷発生による急激な電位の変化は大きいの
で、電位変化として検出され、もって環境による電位変
化の影響を受けることなしに、損傷による電位変化を確
実に検出する。
送信基地から交流信号電位を地中埋設管に印加するに
は、送信基地の信号送信装置に、地中埋設管に電圧をか
けるために地中に設けた通電用電極を接続する必要があ
るが、地中埋設管に交流信号を与えるためだけに専用の
通電用電極を設けることは、設備費および工事費を増大
させることになるので、送信基地付近の地中埋設管に防
食用外部電源装置が設置されている場合には、この防食
用外部電源装置の通電用電極を、交流信号電圧を地中埋
設管に印加するための通電用電極として共用させるのが
良い。
すなわち、送信基地付近の地中埋設管に取付けられた
防食用外部電源装置の通電用電極に、一方の出力端子を
地中埋設管に接続した信号送信装置の他方の出力端子を
結合コンデンサを介して接続し、防食用外部電源装置に
対する通電用電極の接続を、交流信号の周波数fにて最
大の交流抵抗値を示すLC並列共振フィルタを介して行う
ことにより、防食用外部電源装置の直流通電電流は、結
合コンデンサにより遮断されて、送信基地の信号送信装
置に影響を与えることがなく、また信号送信装置の交流
信号電位は、LC並列共振フィルタにより遮断されて、防
食用外部電源装置に影響を与えない。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明す
る。
第1図は、本発明方法の地中埋設管に対する一実施例
の電気回路構成図で、図中1は信号源と増幅器とから構
成される信号送信装置5を有する交流信号電位の送信基
地、2は測定器7とデジタル論理解析装置8とから構成
され、地中に測定用電極14を設けた損傷検知装置6を有
する交流信号電位の受信基地、そして3は地中埋設管で
ある。
本実施例において、地中埋設管3は600mmφの径を有
しており、送信基地1と受信基地2との距離は13Kmとし
た。この地中埋設管3は、前記したように、第2図に示
した等価回路として見倣すことができ、各回路定数は、
抵抗Rが0.8Ω/Km、インダクタンスLが1mH/Km、静電容
量Cが7.2μF/Km、漏れコンダクタンスGが1/1000S/Km
と実測された。
一般的に、地中埋設管3上でのノイズは、そのほとん
どが1000Hz以下の周波数であるので、計測上のノイズ対
策のため、従来の地中埋設管3に交流信号電位を印加す
る地中埋設管3の損傷監視方法にあっては、この交流信
号電位の周波数は3000Hzに設定されていた。
この従来方法と本発明方法との実測比較を、第3図に
示す地中埋設管3における受信交流信号電位特性線図を
参照して説明する。
従来方法に従って、周波数3000Hzで交流信号電位を地
中埋設管3を介して送信基地1から受信基地2に送信
(1V送信)したところ、地中埋設管3における交流信号
電位特性は曲線cとなり、受信基地2での受信交流信号
電位は0.025Vとなったのに対して、本発明方法に従っ
て、周波数fを200Hzに設定して、交流信号電位を送信
(1V送信)したところ、地中埋設管3における交流信号
電位特性は曲線aとなり、受信基地2での受信交流信号
電位は1.81Vであった。すなわち、同一条件で本発明方
法を実施することにより、受信基地2での受信交流信号
電位を、従来方法の場合の72倍も高い電位で受信するこ
とができ、これにより受信精度の飛躍的な向上が可能と
なった。
この本発明方法の受信精度の向上を確認するために、
送信基地1から5Kmの地中埋設管3の箇所に導電性物体
4により損傷を与えると、従来方法の場合の交流信号電
位特性は曲線dとなり、損傷点Sを過ぎてもその電位降
下は継続し、受信基地2での受信交流信号電位は0.024V
で、その変化量は0.001Vであるのに対して、本発明方法
の場合の交流信号電位特性は曲線bとなり、損傷点Sま
では電位が低下するものの、この損傷点Sを過ぎてから
徐々に電位が上がって、受信基地2での受信交流信号電
位は1Vで、その変化量は0.81Vとなって、従来方法に比
べて810倍もの変化量が生じた。
このことから、本発明方法の受信精度の向上、すなわ
ち本発明方法による高い損傷検知能力および精度が確認
された。
次に、第3図における本発明方法の実施条件のまま、
地中埋設管3に防食施設等の低接地物10を接続した場合
の実測例を、第1図と第4図と第5図そして第6図を参
照して説明する。
低接地物10は、第4図に示すように、63.3μFの静電
容量Cと10mHのインダクタンスLとを並列接続して構成
されるLC並列共振フィルタ9を介して地中埋設管3に接
続され、このLC並列共振フィルタ9のインピーダンス−
周波数特性は、第6図に示すように、交流信号電位に対
して、周波数200Hzで最大の抵抗値(8850Ω)を示し、
防食施設の直流電圧に対しては0.3Ωとほとんど抵抗値
を示さないものとなっている。
低接地物10は直接地中埋設管3に接続した状態で交流
信号電位を送信した場合、第5図に示すように、交流信
号電位特性は曲線fとなり、受信基地2での受信交流信
号電位が1.1Vであるのに対して、LC並列共振フィルタ9
を介して低接地物10を地中埋設管3に接続した状態で交
流信号電位を送信した場合、交流信号電位特性は曲線e
となり、受信基地2での受信交流信号電位は1.8Vであっ
た。
このことから、LC並列共振フィルタ9が、低接地物10
を通して地中埋設管3からの交流信号電位を漏れを効果
的に軽減させていることが確認できる。
この状態で、送信基地1から5Kmの地点の地中埋設管
3の箇所に損傷点Sを発生させると、LC並列共振フィル
タ9未装備の場合、交流信号電位特性は曲線gとなり、
受信基地2での受信交流信号電位は1Vとなって、その変
化量が0.1Vであるのに対して、LC並列共振フィルタ9を
装備した場合、交流信号電位特性は曲線hとなり、受信
基地2での受信交流信号電位は1Vとなって、その変化量
は0.81Vであった。
このことから、地中埋設管3に低接地物10を接続する
場合、この低接地物10をLC並列共振フィルタ9を介して
地中埋設管3に接続することにより、低接地物10による
本発明方法の損傷検知精度の低下はほぼ完全に防止する
ことができ、高い損傷検知能力と損傷検知精度を維持す
ることができる。
なお、第4図において、LC並列共振フィルタ9と並列
に避雷装置16を接続したのは、地中埋設管3に対するサ
ージ対策である。
上記実施例における交流信号電位の最適周波数fは20
0Hzであったが、この周波数200Hzが電鉄等で使用してい
る信号の周波数に干渉を及ぼすため使用できない場合を
想定し、第1図に示すように、受信基地2近傍の地中埋
設管3に調整コンデンサ11を介して低接地物10を接続
し、最適周波数fを100Hzとすべく、調整コンデンサ11
の静電容量Cを80μFに調整設定した。
第7図に示すように、交流信号電位の周波数fを100H
zに設定し、調整コンデンサ11と低接地物10との組合せ
物を地中埋設管3に接続しない場合(調整コンデンサ未
装備)、交流信号電位特性は曲線kとなり、受信基地2
での受信交流信号電位が1.14Vであるのに対して、調整
コンデンサ装備の場合、交流信号電位特性は曲線jとな
り、受信基地2での受信交流信号電位は1.4Vである。
このことから、交流信号電位の(1)式から求められ
る最適周波数f以外の周波数でも、調整コンデンサ装備
により、(1)式の静電容量Cを調整すれば、受信基地
2にて高い受信交流信号電位を得ることができるのを確
認できた。
この状態から、送信基地1から5Kmの地点の地中埋設
管3の箇所に損傷点Sを与えると、調整コンデンサ未装
備の場合、交流信号電位特性は曲線nとなり、受信基地
2における受信交流信号電位は1.0Vで、その変化量は0.
14Vであるのに対して、調整コンデンサ装備の場合、交
流信号電位特性は曲線mとなり、受信基地2における受
信交流信号電位は1.01Vで、その変化量は0.39Vとなっ
た。
このことから、調整コンデンサ未装備の場合でも、損
傷検知可能ではあるが、調整コンデンサ11を装備するこ
とにより、損傷検知能力を充分に高めることができ、損
傷検知精度のかなりの向上を得ることができる。
受信基地2における受信交流電位の長時間にわたる電
位変動を、実際に測定すると、第8図の曲線oに示すよ
うに、環境の影響により緩慢な変化を示している。この
緩慢に変化する受信交流信号電位の値をそのままフィル
タ付き交流電圧計等の測定器7の測定値により、予め設
定されている評価基準値qと比較する絶対値評価で損傷
の監視をしていたので、受信交流信号電位の環境の影響
による変化によっては損傷を検知できず、損傷検知精度
が低下する。
すなわち、第8図に示すように、受信交流信号電位
が、地中埋設管3の接地抵抗の変化等による環境変化の
影響により高くなっている状態で、損傷発生による電位
変化(電位が低下する)パルスpが入力しても、この電
位変化パルスによる低下電位は評価基準値qよりも低下
せず、このため損傷発生を検知することができない。
そこで、第1図に示すように、受信基地2に設置され
た損傷検知装置6を、測定器7と、この測定器7の測定
値を設定された単位時間毎にサンプリングし、直前のサ
ンプリング値と比較し、その差が設定値を越えなければ
出力変化がなく、その差が設定値を越えると出力を変化
させるデジタル論理解析装置8とから構成する。
損傷検知装置6にデジタル論理解析装置8を設けるこ
とにより、損傷検知装置6が検知する受信交流信号電位
は、例え環境の変化の影響を受けたとしても、その変化
が緩慢であるので、第9図の曲線oで示すように、評価
基準値qに対してほぼ一定の電位差を有する一定値とな
る。また、地中埋設管3の損傷発生による電位変化パル
スpは、短時間の内にデジタル論理解析装置8の設定値
以上の電位上昇を生じる電位パルス波であるので、デジ
タル論理解析装置8は、電位変化パルスpが入力される
と、評価基準値qよりも高い電位までパルス状に上昇す
る検知パルスp′を出力する。
このため、例え受信交流信号電位が、環境の影響を受
けて緩慢に変化していたとしても、この環境の影響によ
る受信交流信号電位の緩慢な変化を無視して損傷発生に
伴う電位変化パルスpを確実に検知することができ、も
って本発明方法の高い検知精度を確実に維持することが
できる。
第1図に示すように、送信基地1の近傍に防食用外部
電源装置12が設置されている場合には、信号送信装置5
の一方の出力端子を結合コンデンサ15を介して防食用外
部電源装置12の通電用電極13に接続すると共に、防食用
外部電源装置12と通電用電極13との間に、第4図に示し
たLC並列共振フィルタ9を挿入接続し、もって防食用外
部電源装置12の通電用電極13を、信号送信装置5の通電
用電極として機能させ、信号送信装置5専用の通電用電
極を設けるための施工費および設備費の削減を達成して
いる。
〔発明の効果〕
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示
す効果を奏する。
受信基地における受信交流信号電位を充分に高くする
ことができ、かつ通常時と損傷発生時との受信交流信号
電位の変化量が大きいので、地中埋設管の損傷発生の検
知を確実に達成できると共に誤検知の発生する恐れがな
く、もって地中埋設管の損傷発生の検知を極めて高い精
度で達成することができる。
送信交流信号電位の最適周波数は、送信基地と受信基
地との間の地中埋設管長と、この地中埋設管の等価回路
におけるインダクタンスおよび静電容量と、そして補正
値とから簡単に求めることができるので、その設定が容
易であり、もって本発明方法を簡単に実施することがで
きる。
地中埋設管に防食施設等の低接地物が接続されていて
も、この低接地物の本来の機能を低下させることなし
に、低接地物を通しての交流信号電位の漏れを極めて効
果的に防止することができ、もって高い精度での損傷検
知能力を維持することができる。
交流信号電位の周波数を、送信基地から受信基地まで
の距離と、地中埋設管の等価回路の回路定数から設定さ
れる最適周波数に限定されることなく、必要に応じて調
整コンデンサを接続することにより、地中埋設管の損傷
検知能力を低下させることなしに、所望する周波数に設
定することができ、もって地中埋設管の敷設環境条件に
適合させて地中埋設管の損傷検知能力の高い精度を維持
することができる。
受信基地における受信交流信号電位が、地中埋設管の
環境の影響に伴って緩慢に変化する場合であっても、こ
の環境の影響による受信交流信号電位の緩慢な変化を検
出信号として無視するようにし、もって地中埋設管の損
傷検知能力の高い精度を確実に維持することができる。
送信基地の近傍に防食用外部電源装置が設けられてい
る場合には、この防食用外部電源の通電用電極を交流信
号電位の送信用電極として兼用することができるので、
本発明方法の実施に要する設備費および手間を大幅に削
減することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の一実施例における地中埋設管に
対する各電気施設の接続形態を示す説明図である。 第2図は、送信基地と受信基地との間の地中埋設管の電
気的等価回路図である。 第3図は、本発明方法を実施した場合と、従来方法を実
施した場合の地中埋設管における交流信号電位特性図で
ある。 第4図は、本発明方法に使用されるLC並列共振フィルタ
の回路構成を示す図である。 第5図は、本発明方法において、低接地物を、LC並列共
振フィルタを介して地中埋設管に接続した場合と、直接
地中埋設管に接続した場合とにおける交流信号電位特性
図である。 第6図は、本発明方法に使用されるLC並列共振フィルタ
のインピーダンス−周波数特性線図である。 第7図は、交流信号電位の最適周波数を変更した場合、
受信基地付近の地中埋設管に、この新たに設定された周
波数に適合する調整コンデンサを接続した場合と、接続
しない場合との地中埋設管における交流信号電位特性図
である。 第8図は、受信基地で受信される交流信号電位をそのま
ま検出出力とした場合における、環境の影響により検出
電位が緩慢に変化した状態での、損傷発生により生じる
電位変化パルスとの関係を示す説明線図である。 第9図は、受信基地で受信された交流信号電位をサンプ
リング処理して環境の影響を除去した本発明方法実施の
場合における検出電位と損傷検知パルスとの関係を示す
説明線図である。 符号の説明 1;送信基地、2;受信基地、3;地中埋設管、4;導電性物
体、5;信号送信装置、6;損傷検知装置、7;測定器、8;デ
ジタル論理解析装置、9;LC並列共振フィルタ、10;低接
地物、11;調整コンデンサ、12;防食用外部電源装置、1
3;通電用電極、14;測定用電極、15;結合コンデンサ、1
6;避雷装置、S;損傷点、p;電位変化パルス、p′;検知
パルス、q;評価基準値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢口 輝実 東京都町田市高ケ坂1819―1 (72)発明者 大境 彰 東京都東村山市美住町2―15―40 (56)参考文献 特開 昭62−81555(JP,A) 特開 昭61−83951(JP,A) 特開 昭53−44074(JP,A) 特開 平2−203263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中埋設管(3)を媒体として送信基地
    (1)から受信基地(2)に交流信号を伝送するに際し
    て、前記交流信号の周波数fを、 但し、lは送信基地(1)から受信基地(2)までの距
    離、Lは地中埋設管(3)の誘導分、Cは地中埋設管
    (3)の静電容量分、kは補正値(0.88〜0.95) に設定し、受信基地(2)における受信交流信号の電位
    変化により地中埋設管(3)の損傷発生の有無を監視す
    る地中埋設管の損傷監視方法。
  2. 【請求項2】防食施設等の低接地物(10)が接続された
    地中埋設管(3)において、交流信号の周波数fにて最
    大の交流抵抗値を示すLC並列共振フィルタ(9)を介し
    て前記低接地物(10)を前記地中埋設管(3)に接続す
    る請求項1に記載の地中埋設管の損傷監視方法。
  3. 【請求項3】受信基地(2)付近の地中埋設管(3)
    に、調整コンデンサ(11)を介して低接地物(10)を接
    続することにより、交流信号の周波数fを所望値に変更
    設定する請求項1または2に記載の地中埋設管の損傷監
    視方法。
  4. 【請求項4】受信基地(2)における受信交流信号電位
    を、予め設定された単位時間毎にサンプリングし、該隣
    接サンプリング電位の差が予め設定された値を越えたな
    らば、地中埋設管(3)に損傷が発生したと判断する請
    求項1または2または3に記載の地中埋設管の損傷監視
    方法。
  5. 【請求項5】送信基地(1)付近の地中埋設管(3)に
    取付けられた防食用外部電源装置(12)の通電用電極
    (13)に、一方の出力端子を地中埋設管(3)に接続し
    た信号送信装置(5)の他方の出力端子を結合コンデン
    サ(15)を介して接続し、前記防食用外部電源装置(1
    2)に対する前記通電用電極(13)の接続を、交流信号
    の周波数fにて最大の交流抵抗値を示すLC並列共振フィ
    ルタ(9)を介して行う請求項1または2または3また
    は4に記載の地中埋設管の損傷監視方法。
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