JP2905226B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、中空成形性が優れたポリフェニレンエーテ
ル樹脂組成物及びそれから製造された成形体に関するも
のである。
(従来の技術) ポリフェニレンエーテルはガラス転移温度が210〜220
℃と高く耐熱性があり、一旦溶融すると非晶性となるの
で、寸法精度が良好であるという特徴を有する。しかし
ながら、成形加工性及び耐薬品性が劣ることから、単独
での射出成形品及び中空成形製品の製造には適当でな
い。
一方、ポリアミドは高い融点及び高いガラス転移温度
を有しているうえに、溶融粘度が低くかつ耐薬品性が良
好であるので、射出成形に広く使用されている。しかし
ながら、ポリアミドは溶融張力が低いために中空成形時
のパリソンドローダウンが激しく、単独での大型中空製
品を得ることは困難である。僅かに、溶融張力の大きな
高密度ポリエチレンとの多層押出に利用して、製品のガ
スバリヤー性の付与に使用されているのが現状である。
近年、ポリフェニレンエーテルのもつ特徴とポリアミ
ドのもつ特徴とを合わせもつ、ポリマーアロイを得る試
みが多くなされている。例えば、特開昭56−47432号、
特開昭56−49753号、特開昭57−36150号各公報などに記
載されているように、両者の機械的性質、耐熱性、耐薬
品性が改良された射出成形用ポリマーアロイが提供され
ている。しかしながら、これらを中空成形用途に使用し
ても前述のようにドローダウンが大きく、偏肉が大きい
製品となって実用的でないことが判明した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、機械的性質、耐熱性、耐薬品性に関しては
これらのポリマーアロイと同様に良好な品質を有しなが
ら、中空成形におけるパリソンドローダウン特性を大幅
に改善することを目的としたものである。これにより、
自動車外板の一部、燃料タンク、オイルタンク、ラジエ
ーター、ダクトホース、ハーネスチューブ、エアースポ
イラー、バンパー、サイドプロテクター、シート、リア
シェルフ等のハウジング又は薬品びんなどに効果的に使
用される、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の提供
を目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、下記成分からなり、メルトフローレート
(MFR)が0.01〜5dg/min、溶融張力(MT)が4g以上であ
るポリフェニレンエーテル樹脂組成物である。
(A)30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度[η]
が、0.35〜0.75dl/gの範囲からポリフェニレンエーテル (B)相対粘度ηr(JIS K6810,98%硫酸中で測定)
が、2.5以上であるポリアミド (C)耐衝撃性改良剤 (D)相溶化剤及び (E)エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレフィ
ン重合体 <構成成分> (A)ポリフェニレンエーテル 本発明で使用されるポリフェニレンエーテルは一般
式: で示される繰り返し構造単位を有し、式中、Qはそれぞ
れ独立に水素、ハロゲン、三級α−炭素原子を有しない
炭化水素基、ハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子
を介して置換したハロ炭化水素基、炭化水素オキシ基及
びハロゲン原子が少なくとも2個の炭素原子を介して置
換したハロ炭化水素オキシ基からなる群より選択した一
価置換基を示し、それぞれのQは互いに同じであっても
異なっていてもよい。
また、2,6−ジエチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと
2,3,5,6−テトラメチルフェノールとの共重合体、2,6−
ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールと
の共重合体などの共重合体を挙げることもできる。
更に、本発明で使用されるポリフェニレンエーテルに
は、スチレン系モノマー(例えば、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレンなど)をグラフトした
もの等の変性されたポリフェニレンエーテルをも包含す
る。
上記に相当するポリフェニレンエーテルの製造方法
は、公知であり、例えば米国特許第3306874号、第33068
75号、第3257357号及び第3257358号の各明細書及び特公
昭52−17880号及び特開昭50−51197号の各公報に記載さ
れている。
本発明に使用されるポリフェニレンエーテルは、30℃
のクロロホルム中で測定した固有粘度[η]が0.35〜0.
75dl/gの範囲のものが好ましい。固有粘度が0.35dl/g未
満の場合は組成物の衝撃強度が乏しく好ましくない。ま
た、固有粘度が0.75dl/gを越えるものは、ゲル分が多
く、成形品の外観が悪化するので好ましくない。
(B)ポリアミド 本発明に使用されるポリアミドは、ヘキサメチレンジ
アミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ン、2,2,4−又は、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミン、1,3−又は、1,4−ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタン)、
m−又はp−キシリレンジアミン等の脂肪族、脂環式、
芳香族等のジアミンとアジピン酸、スベリン酸、セバシ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸等の脂肪族、脂環式、芳香族等のジカルボン
酸との重縮合によって得られるポリアミド、ε−アミノ
カプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボ
ン酸等の縮合によって得られるポリアミド、ε−カプロ
ラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムから得られ
るポリアミドあるいは、これらの成分からなる共重合ポ
リアミド又はこれらのポリアミドの混合物等が例示され
る。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/6
6、ナイロン66/610、ナイロン6/11等が挙げられる。こ
れらの中では、融点が比較的高く剛性等が優れ、かつ比
較的経済的なナイロン6、ナイロン66が使用される。ま
た重合度は、通常、相対粘度(η)(JISK6810、98%硫
酸中で測定)が、2.5以上のポリアミドが用いられる。
2.5以下であるとメルトフローレート(MFR)が5dg/分以
上になり成形生が低下するので好ましくない。相対粘度
が4.0以上のものは溶融パリソンのドローダウンが小さ
く、パリソン長さが1mを越えるような中・大型製品も安
定して成形可能であり好ましい。
本発明の組成物におけるポリアミドの配合量はとくに
限定されるものではないが、ポリフェニレンエーテル
(A)と相俟って本発明を構成する基本材料であり、好
ましい配合量は、ポリフェニレンエーテル(A)10〜60
重量部に対しポリアミド(B)90〜40重量部である。
(C)耐衝撃性改良剤 本発明に使用される耐衝撃性改良剤(C)は、天然又
は合成のゴム状物質を用いることができる。例として
は、天然ゴム及び合成ゴム例えばポリブタジエン、ポリ
イソプレン、又はこのようなジエン類とビニル単量体例
えばスチレンのようなビニル芳香族単量体との共重合体
がある。
ゴム又はゴム状重合体の好適な例としては、天然ゴ
ム;ブタジエンとアクリロニトリルを含有するGR−N型
ゴム;スチレンとブタジエン又はイソプレンとの合成ゴ
ム;ポリクロロブタジエン例えばネオプレン;ポリイソ
ブチレン及びイソブチレンとブタジエン又はイソプレン
との共重合体;ポリイソプレン;エチレンとプロピレン
の共重合体又はこれらとブタジエンの共重合体;チオコ
ールゴム;アクリルゴム;ポリウレタンゴム;ジエン例
えばブタジエン及びイソプレンと各種の単量体例えばメ
チルメタクリレートのような不飽和脂肪酸アルキルエス
テル、不飽和ケトン例えばメチルイソプロペニルケト
ン、ビニル複素環例えばビニルピリジンとの共重合体;
ポリエーテルゴム;エピクロロヒドリンゴム等がある。
好ましいゴムはポリブタジエン及びブタジエンとスチレ
ンのゴム状共重合体である。
とくに好ましくは、スチレン含量が10重量%以上のス
チレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体又
はその水素化物、あるいは、α,β不飽和カルボン酸で
変性されたエチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテ
ンゴムの少なくとも1種若しくは2種以上の組み合わせ
が用いられる。スチレン−ブタジエン−スチレントリブ
ロック共重合体のスチレン含量は10重量%以上であり、
それ以上であるとポリフェニレンエーテルとの相溶生が
低下するので好ましくない。
耐衝撃性改良剤(C)の配合量は、とくに限定するも
のではないが、通常、(A)ポリフェニレンエーテル及
び(B)ポリアミドの合計量100重量部に対し、0.1〜30
重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。この量があ
まり過大になると、溶融張力が低下して好ましくない。
(D)相溶化剤 相溶化剤(D)は、ポリフェニレンエーテルとポリア
ミドとを相溶化し得るものであればよく、特公昭60−11
966号又は特開昭56−49753号公報に記載されているもの
が好ましい。
具体的には(a)炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素
三重結合及び(b)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミ
ド基、イミド基、カルボン酸エステル基、アミノ基又は
水酸基を同時に有する特定の構造を有する化合物が好ま
しく、その具体例としては、無水マレイン酸、マレイン
酸、フマール酸、マレインイミド、マレイン酸ヒドラジ
ド、無水マレイン酸とジアミンとの反応物、例えば次
式: (但し、Rは脂肪族、芳香族基を表わす) で示される構造を有するもの、無水メチルナジック酸、
無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド;大豆油、
キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴム
油、菜種油、落花性油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イ
ワシ油などの天然油脂類;エポキシ化大豆油などのエポ
キシ化天然油脂類;アクリル酸、ブテン酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリ
カ酸、チブリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペ
ンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2,2ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン酸、2
−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン酸、10−
ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセン酸、4−
テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−ヘキサデセ
ン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセン酸、アイ
コセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、マ
イコリペン酸、2,4−ペンタジエン酸、2,4−ヘキサジエ
ン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、2,4−デカジエン
酸、2,4−ドデカジエン酸、9,12−ヘキサデカジエン
酸、9,12−オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン
酸、リノール酸、リノレン酸、オクタデカトリエン酸、
アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテト
ラエン酸、リシノール酸、エレオステアリン酸、オレイ
ン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸など
の不飽和カルボン酸;あるいはこれら不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、無水物、あるいはアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノー
ル、アリルカルビノール、メチルプロペニルカルビノー
ル、4−ペンテン−1−オール、10−ウンデセン−1−
オール、プロパルギルアルコール、1,4−ペンタジエン
−3−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3,5−
ヘキサジエン−2−オール、2,4−ヘキサジエン−1−
オール、一般式CnH2n-5OH、CnH2n-7OH、CnH2n-9OH(た
だし、nは正の整数)で示されるアルコール、2−ブテ
ン−1,2−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,
5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、2,6
−オクタジエン−4,5−ジオールなどの不飽和アルコー
ル;あるいはこのような不飽和アルコールのOH基が、−
NH2基に置き換わった不飽和アミン;あるいはブタジエ
ン、イソプレンなどの低重合体(例えば平均分子量が50
0から10,000ぐらいのもの)又は高分子量体(例えば平
均分子量が10,000以上のもの)に無水マレイン酸、フェ
ノール類を付加したもの、あるいはアミン基、カルボキ
シル基、水酸基などを導入したものなどが挙げられる。
本発明に用いられる相溶化剤(D)は、1種若しく
は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
相溶化剤(D)の配合量は、とくに限定するものでは
ないが、通常、(A)ポリフェニレンエーテル、(B)
ポリアミド及び(C)耐衝撃性改良剤の合計量100重量
部に対し、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量部
である。この量があまり過大になると、耐熱性が低下し
好ましくない。
(E)エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレフィ
ン 本発明に使用されるエチレン性不飽和シラン化合物変
性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンにエチレン
性不飽和シラン化合物をラジカル発生剤の存在下でグラ
フト共重合して得られたグラフト共重合体、あるいはエ
チレンとエチレン性不飽和シラン化合物とをランダム共
重合して得られたランダム共重合体をいう。
前記ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリ
エチレン又はエチレンと少量割合(一般に、0.1〜15重
量%、好ましくは0.5〜6重量%)のプロピレン及び/
又はブチレンとの共重合体であるエチレン共重合体など
のエチレン系樹脂、具体的には、密度が0.862〜0.965g/
cm3で、メルトフローレートが0.1〜60dg/min、好ましく
は0.2〜25dg/minの超低密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂や、酢
酸ビニル含量が0.1〜25重量%、好ましくは0.2〜20重量
%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸含量が
0.1〜25重量%、好ましくは0.2〜20重量%のエチレン−
アクリル酸共重合体やポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン(プロピレン:99〜99.5重量%)共重合体、プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−
1共重合体などのプロピレン系樹脂、ポリブテン、エチ
レン−プロピレンラバー、エチレン−プロピレン−ジエ
ンタ−ポリマーなどがある。
これらポリオレフィンの中でも、組成物の耐熱性の低
下が小さい高融点のプロピレン系樹脂を使用することが
好ましく、メルトフローレート(230℃測定)が0.8dg/m
in以下のホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン
(プロピレン:94〜99.5重量%)ブロック共重合体、プ
ロピレン−4−メチルペンテン−1ランダム共重合体、
プロピレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン系樹
脂を使用することが好ましい。
前記エチレン性不飽和シラン化合物とは、一般式: R・Si・R′・Y3-n (ここで、Rはエチレン性不飽和炭化水素基又は炭化水
素オキシ基、R′はアルキル基、Yは加水分解可能な有
機基を表わし、nは0、1又は2を表わす)で示される
シラン化合物をいい、例えば、Rがビニル基、アリル
基、イソプロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル
基又はγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、
R′がメチル基、エチル基、プロピル基;デシル基又は
フェニル基;Yがメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキ
シ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキル
基又はアリールアミノ基であるものをいう。特に好まし
くは、 CH2=CHSi(OA) (ここで、Aは炭素数が1〜8のアルキル基を表わす)
で示される化合物、具体的には、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシランの外、また、ビニルト
リアセトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルトリメトキシシランが挙げられる。
また、ラジカル発生剤としては、グラフト反応条件下
で前記プロピレン系樹脂に遊離ラジカル部位を発生させ
ることのできる任意の化合物を使用することができ、特
公昭48−1711号公報などに記載されている全ての化合物
が適用される。代表的なラジカル発生剤としては、ジク
ミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシオクテート、
ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物、アゾイソ
ブチロニトリル、メチルアゾイソブチレートなどのアゾ
化合物などが挙げられる。
なお、前記エチレン性不飽和シラン化合物の使用量
は、前記樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部であ
り、好ましくは0.1〜10重量部であり、前記ラジカル発
生剤の使用量は、0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2
重量部である。
グラフト変性樹脂の製造においては、グラフト反応時
に樹脂の分子切断による劣化を抑制するために、酸化防
止剤を反応系内に存在させることが好ましい。このよう
な酸化防止剤としては、一般にプラスチックの酸化防止
剤として使用されているのが使用可能であり、代表例と
しては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクダデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]メタン、6−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチ
オ)−1,3,5−トリアジン、トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどの
ラジカル連鎖禁止剤、ジラウリルチオプロピオネート、
ジステアリルチオジプロピオネート、トリスノニルフェ
ニルホスファイトなどの過酸化物分解剤などが挙げられ
る。
前記酸化防止剤の使用量は、前記ポリオレフィン100
重量部に対して0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5
重量部であり、かつ前記ラジカル発生剤の使用量に対す
る量比として0.05〜50、特に0.05〜5の範囲とするのが
好ましい。
ポリオレフィンへの前記エチレン性不飽和シラン化合
物のグラフト反応は、、ポリオレフィンに前記シラン化
合物を0.1〜10重量部、前記ラジカル発生剤を0.01〜2.0
重量部及び前記酸化防止剤0〜5重量部加えて、例えば
押出機、バンバリーミキサーなどを用いて、該ラジカル
発生剤の分解温度以上の温度において反応させる公知の
方法で実施することができる。
また、エチレン性不飽和シラン化合物−エチレンラン
ダム共重合体は、エチレン85〜99.999重量%とエチレン
性不飽和シラン化合物0.001〜15重量%とを圧力500〜40
00基kg/cm2、好ましくは1000〜4000kg/cm2、温度100〜4
00℃、好ましくは150〜350℃の条件下、ラジカル重合開
始剤及び必要であれば連鎖移動剤の存在下に、槽型又は
管型反応器、好ましくは槽型反応器内で両単量体を同時
にあるいは段階的に接触させて製造する。
これらのシラン化合物変性ポリオレフィンは、前記エ
チレン性不飽和シラン化合物単位の含有量が0.0001〜10
重量%、好ましくは0.01〜7.5重量%、特に好ましくは
0.5〜5重量%のものである。
このようなエチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオ
レフィンは、必要に応じて安定剤、滑剤、着色剤、発泡
剤などが添加され、無機充填剤との混合複合剤及び金属
との積層複合化材などとして使用される。
エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレフィン
(E)は、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用し
てもよい。エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレ
フィン(E)の配合量は、特に制限するものではない
が、通常ポリフェニレンエーテル(A)、ポリアミド
(B)及び耐衝撃改良剤(C)の合計量100重量部に対
して0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜10重量部であ
る。この量があまり過大になると、製品外観が悪くなり
好ましくない。
以上を総合して、本発明の成分の配合比は好ましく
は、(A)ポリフェニレンエーテルが10〜60重量部、
(B)ポリアミドが90〜40重量部を基本成分とし、この
(A)+(B)合計100重量部に対して(C)耐衝撃改
良剤が0.1〜30重量部、(A)+(B)+(C)の合計1
00重量部に対して(D)相溶化剤が0.01〜30重量%、
(E)エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレフィ
ン重合体が0.01〜30重量%である。
この範囲を越えるとメルトフローレートが0.01〜5dg/
minの範囲に入らず、成形性に劣るので好ましくない。
本発明の組成物は、目的に応じてさらに酸化防止剤、
紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、着
色剤、多官能架橋剤、酸化チタン、タルク等の各種フィ
ラーなどを配合することができる。
(発明の効果) 本発明の樹脂組成物はポリフェニレンエーテルの機械
的特性、耐熱性及び成形品外観を保持しながら、耐薬品
性を改良すると共に、耐衝撃性及び中空成形特性を大巾
に改良し、これによって自動車外板の一部、燃料タン
ク、オイルタンク、ラジエーター、ダクトホース、ハー
ネスチューブ、エアースポイラー、バンパー、サイドプ
ロテクター、シート、リアシェルフ等の自動車部品の他
薬品びんなどの中空成形用に広く応用することができ
る。
(実施例) 以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1 30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度[η]が、
0.5dl/gのポリ2,6−ジメチルフェノール(PPE)、98%
硫酸中で測定した相対粘度(ηr)がそれぞれ6.8のナ
イロン6と4.0のナイロン66(PA)、スチレン含量が15
重量%のスチレン−ブタジエン−スチレントリブロック
共重合体(SBS)、無水マレイン酸及びビニルトリメト
キシシラン含量が約3重量%のビニルトリメトキシシラ
ン変性ポリプロピレンを表に示した配合量で均一に混合
し、二軸押出機を用いて設定温度280℃で溶融混練を行
ない、ペレット状の試料を得た。これを乾燥後、表中の
各項目について評価した。その結果を表に示す。
なお、評価は下記の方法によった。
(1)メルトフローレート JIS K7210に準拠。
ただし、温度は280℃、荷重は5kgで測定した。
(2)溶融張力 東洋精機製作所製の、メルトテンションテスターを使
用した。約6gのサンプルを270℃で5分間予熱し、押出
速度10mm/min、引取速度1.3mm/minで測定した。ノズル
は、メルトフローレート測定用ノズルを使用した。
(3)パリソンドローダウン特性 石川島播磨重工業製、小型ブロー成形機IPB−10Aを用
いて設定温度250℃、押出圧力50kg/cm2において60cmの
パリソンを押出して静止してパリソンの長さの変化から
ドローダウン特性を評価した。
(4)衝撃試験 石川島播磨重工業製、小型ブロー成形機IPB−10Aを用
いて設定温度250℃、押出圧力50kg/cm2において400ccの
小型びんを成形して満水にし、高さ2mから落下させた。
製品外観及び耐衝撃性の表示は下記の通りである。
製品外観 耐衝撃性 ◎:極めて良好 ○:良好 ○:良好 △:やや劣る △:不良 ×:劣る ×:著しく不良 比較例1及び2 実施例1で使用したポリフェニレンエーテルの代わり
に30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度[η]が、
それぞれ0.3と0.9dl/gのポリ2,6−ジメチルフェノール
を表に示した配合量で用いて実施例1と同様に実施し
た。得られた結果を表に示す。
実施例2 実施例1で使用したポリアミドの代わりに98%硫酸中
で測定した相対粘度(ηr)がそれぞれ4.0のナイロン
6と4.0のナイロン66を表に示した配合量で使用して実
施例1と同様に実施した。得られた結果を表に示す。
比較例3 実施例1で使用したポリアミドの代わりに98%硫酸中
で測定した相対粘度(ηr)がそれぞれ2.3ナイロン6
と2.5のナイロン66を表に示した配合量で使用して実施
例1と同様に実施した。得られた結果を表に示す。
実施例3 実施例1で使用したポリアミドの代わりに98%硫酸中
で測定した相対粘度(ηr)6.8のナイロン6を表に示
した配合量で使用して、実施例1と同様に実施した。得
られた結果を表に示す。
比較例4 実施例1で使用したポリアミドの代わりに98%硫酸中
で測定される相対粘度(ηr)2.3のナイロン6を表に
示した配合量で使用して、実施例1と同様に実施した。
得られた結果を表に示す。
比較例5 実施例1で使用したスチレン−ブタジエン−スチレン
トリブロック共重合体を用いなかった以外は実施例1と
同様に実施した。得られた結果を表に示す。
比較例6 実施例1で使用した無水マレイン酸を用いなかった以
外は実施例1と同様に実施した。得られた結果を表に示
す。
比較例7 実施例1で使用したビニルトリメトキシシラン変性ポ
リプロピレンを用いなかった以外は実施例1と同様に実
施した。得られた結果を表に示す。
比較例8,9 実施例1で使用したポリフェニレンエーテルとポリア
ミドの組成比を表に示した配合量で混合し、実施例1と
同様に実施した。得られた結果を表に示す。
比較例10 実施例1で使用したビニルトリメトキシシラン変性ポ
リプロピレンを表に示すように、過剰に使用した以外は
実施例1と同様に実施した、結果を表に示す。
比較例11 実施例1で使用した無水マレイン酸を表に示すよう
に、過剰に使用した以外は実施例1と同様に実施した。
結果を表に示す。
比較例12 実施例1で使用したスチレン−ブタジエン−スチレン
トリブロック共重合体を表に示すように、過剰に使用し
た以外は実施例1と同様に実施した。結果を表に示す。
実施例4 実施例1で使用したスチレン−ブタジエン−スチレン
トリブロック共重合体の代わりに水素化スチレン−ブタ
ジエン−スチレントリブロック共重合体(水素化SBS)
を表に示した配合量で使用して、実施例1と同様に実施
した。得られた結果を表に示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/12 C08L 77/00 - 77/12 C08L 51/04 C08L 53/00 - 53/02 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分よりなり、JIS K7210に準じて、
    温度280℃、荷重5kgの条件で測定したメルトフローレー
    ト(MFR)が0.01〜5dg/min;温度270℃、押出速度10mm/m
    in、引取速度1.3mm/minの条件で測定した溶融張力(M
    T)が4g以上であるポリフェニレンエーテル樹脂組成
    物。 (A)30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度[η]
    が0.35〜0.75dl/gの範囲であるポリフェニレンエーテル
    を、(A)と(B)の合計量に対して10〜60重量%;及
    び (B)相対粘度ηr(JIS K6810、98%硫酸中で測定)
    が2.5以上であるポリアミドを、(A)と(B)の合計
    量に対して90〜40重量%; からなる樹脂を、(A)と(B)の合計量として100重
    量部;並びに (C)耐衝撃性改良剤を、0.1〜30重量部;さらに (A)、(B)及び(C)の合計量に対して (D)相溶化剤を、0.01〜30重量%;及び (E)エチレン性不飽和シラン化合物変性ポリオレフィ
    ン重合体を、0.01〜30重量%
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