JP2903407B2 - 骨の成長を促進するための生体刺激装置 - Google Patents

骨の成長を促進するための生体刺激装置

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JP2903407B2 JP2712789A JP2712789A JP2903407B2 JP 2903407 B2 JP2903407 B2 JP 2903407B2 JP 2712789 A JP2712789 A JP 2712789A JP 2712789 A JP2712789 A JP 2712789A JP 2903407 B2 JP2903407 B2 JP 2903407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は生体刺激装置、殊に、生体に低周波電流を通
電して骨の成長を促進するための生体刺激装置に関す
る。
〔従来の技術〕
骨組織が生物電気特性を有し、圧力を加えて刺激する
と一時的に形状を変え、骨の成長の要因である直流電位
を発生することが知られている。
この直流電位の発生並びにその直流電位が骨の成長を
促進する機作については現在でもよく解明が為されてい
ない。しかし、骨に於ける成長乃至回復部分が電気的に
陰性になる傾向があることから、電気的方法により骨に
負電圧を印加してその成長を促進したり損傷部分に治療
しようとする試みが従来より数多く為されている。
このような電気的方法は二種類に大別することがで
き、一つは、例えば、ジェー・エー・スパダロ(J.A.Sp
adaro)、「クリニカル・オルトピーディスク・アンド
・リサーチ(Clinical Orthopaedics and Researc
h)」、第122号、第325〜332頁(1977年)などに記載さ
れているように、白金或は金などの貴金属による一対の
電極を骨の周囲の生体内に埋設乃至刺入するとともに、
その一対の電極にパルス電圧を印加することにより、骨
の成長を促進しようというものである。
他の一つは、例えば、エー・エル・バセット等(A.L.
Bassett et al)、「サイエンス(Science)」、第184
巻、第575〜580頁(1974年)などに記載されているよう
に、骨を取り巻く生体外の適所にコイル手段を当接する
とともに、そのコイル手段にパルス電圧を印加して骨内
にパルス波形の誘導電流を印加することにより、骨の成
長を促進しようというものである。
このうち前者の方法は、その実施の前後に出血を伴う
外科術により電極を生体内に埋設したり抜き取ったりし
なければならず、患者に多大の肉体的苦痛を与えたり、
外科術自体が生体の活力を低下させ、却って骨の成長を
遅らせかねないという重大な欠点がある。また、この方
法により、例えば、骨折の治療を行う場合、患者は1乃
至2カ月間にも亙って1日に10時間前後にも及ぶ通電を
受けなければならない。この全期間に渡って患者の不自
由な身体に直接刺激装置を取りつけて生活させることは
患者は言うに及ばず、治療者や看護者にとっても多大の
負担となる。さらに、電極の埋設や抜取の際に患部が細
菌感染したり、電極中の重金属が酸化され、生体に有害
な重金属イオンが体内に放出されかねないという危険も
ある。
一方、後者の方法は実施に際して外科的処置を必要と
しないという利点はあるものの、生体内に有効量の誘導
電流を発生させること自体が困難なことから、簡単な装
置では全く治効がないか却って治療期間が長引き、必然
的に大型のコイル手段と発振器が必要とされ一般的でな
いという欠点がある。
〔発明により解決すべき課題〕
斯かる状況に鑑み、本発明者は通電治療に於ける刺激
電圧の正電圧成分と負電圧成分との比に着目して組織培
養実験、動物実験、臨床実験を繰り返し、生体内に電極
を埋設することなく骨の成長を効果的に促進することの
できる生体刺激装置について鋭意検討した。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、正電圧成分と負電圧成分との比が約0.1:1
乃至0.5:1、望ましくは、約0.2:1乃至0.3:1の範囲にあ
る刺激電圧は、生体に通電して顕著な骨成長促進作用を
発揮することが判明した。
また、斯かる刺激電圧は低通電量でも極めて効果的で
あることから、電極を生体内に埋設することなく、骨を
取り巻く皮膚に当接した状態で通電することにより所期
の目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、正電圧成分と負電圧成分との比
が約0.1:1乃至0.5:1の範囲にある刺激電圧を発生する刺
激電圧発生手段と、その刺激電圧を生体に通電するため
の通電手段からなる骨の成長を促進するための生体刺激
装置の構造を要旨とするものである。
〔発明の作用〕
本発明でいう刺激電圧発生手段とは、例えば、第2図
に示すように、正負に交番する刺激電圧の一波に於ける
正電圧成分epと負電圧成分enとの比が約0.1:1乃至0.5:
1、望ましくは、約0.2:1乃至0.3:1の範囲にある刺激電
圧、通常、パルス波形の刺激電圧を発生する電気的手段
を意味する。
とりわけ、刺激電圧がパルス波形の刺激電圧であっ
て、そのパルスの一波に於ける負電圧成分enの持続時間
τが約0.001乃至0.1秒、望ましくは約0.002乃至0.05
秒に、また正電圧成分epの持続時間τが持続時間τ
の約1.1乃至2.0倍、望ましくは、約1.4乃至1.6倍の二相
性活動電位波形を有するときには、生体に通電して極め
て高い骨成長促進効果が達成されることが判明した。
二相性活動電位とは、通常、刺激を受けた神経に観察
され、第2図に示すように一波が一対の正電圧成分と負
電圧成分とからなり、両電圧成分とも急峻なスパイク部
分を有するパルス性の電圧波形である。本発明者が、例
えば、特開平1−56060号公報に記載した低周波治療器
は本発明の刺激電圧発生手段として好適である。
ところで、一般に、神経に刺激を与え興奮させると、
それらから一定時間(不応期)は次の刺激に対して興奮
を示さない。従って、生体に通電して刺激となり得る刺
激電圧の周波数はこの不応期に左右され、通常の通電治
療の場合、生体に通電して刺激となり得る周波数は約40
0乃至1,000ヘルツを上限とすると言われている。また、
斯かる周波数範囲の刺激電圧であっても、通電開始から
短時間は良好な応答が示されるものの、次第に生体が順
応して刺激に対する応答が減弱し、所期の骨成長促進効
果が達成され難くなる。斯かる順応は一種の麻酔作用を
発揮し、筋肉のこりや神経痛などに基づく疼痛の軽減に
は効果があっても、骨組織は一定刺激に対しては成長を
示さない。これらの知見に基づき、正電圧成分と負電圧
成分との比が約0.1:1乃至0.5:1の範囲にあるさまざまな
周波数の刺激電圧を生体に通電して骨の成長に及ぼす影
響について検討したところ、通常、約1/400乃至10秒、
望ましくは、約1/100乃至1秒の範囲に於て極めて顕著
な骨成長促進が認められ、また、上記範囲内で刺激電圧
の周波数を周期的若しくはランダムに、より好ましく
は、周期的に変化させるときにはより顕著な骨成長促進
効果が認められた。また、周波数と同様に、刺激電圧の
大きさ及び/又は発生頻度も周期的若しくはランダムに
変化させるのが望ましいことも判明した。
刺激電圧の周波数を周期的に変化させるには、刺激電
圧を発振するための発振回路として、例えば、ブロッキ
ング発振回路のように発振周波数がベースバイアス電圧
に依って変化する発振回路を用いるとともに、例えば、
マルチバイブレータなどの適宜発振回路に、必要に応じ
て、例えば、時定数回路、濾波回路、変調回路、クラン
プ回路などを組み合わせて矩形波、正弦波、漸増派、半
月波などの電圧が周期的に変化する電圧を発生させ、こ
の電圧を前記発振回路のベースバイアス電圧或は電源電
圧として供給することにより、パルス間隔及び/又は刺
激電圧の大きさが一定周期で段階乃至連続的に増減する
パルス列を得ることができる。
また、例えば、品川正春等、「佐世保工業高等専門学
校研究報告」、第19巻、第37〜40頁(1982年)などに記
載されているようなパルスの出現頻度を区分毎に変化さ
せ、その頻度の系列及び同一頻度の持続時間の系列が近
似的に所謂「1/fゆらぎ則」に従うようにするときに
は、刺激電圧に対する生体の応答低下を著しく小さくす
ることができる。この場合、頻度系列、持続系列とも
に、例えば、古今の名曲の長期的周波数変動から採取し
た1/fゆらぎを持つ系列をもとにして一定の頻度幅及び
持続時間幅を適当段階に等比的に分割してそれぞれ頻度
系列記憶部及び保持時間記憶部に記憶させ、マイクロプ
ロセッサに両者の記憶を参照させ、クロック発振器より
の信号を制御して正負の電圧成分を有する交番パルスを
逐次発生させればよい。そして、この交番パルスをイン
ターフェイス、出力調整器を経て電圧電流変換器に印加
し、高圧電源の出力を制御して、一対の電極間にパルス
電流が供給されるようにすればよい。
なお、二相性活動電位を始め、矩形波、半月波、三角
波、指数関数波、漸増波、刺状波などのパルス電圧につ
き、その一波に於ける正電圧成分と負電圧成分の比とそ
の骨成長促進作用について検討したところ、比が約0.1:
1に満たない場合や約0.5:1を越える場合には、生体に通
電しても所期の骨成長促進効果が達成されないばかり
か、疼痛や皮膚の乾燥といった好ましくない副作用をも
たらすことが判明した。
また、繰り返すパネル波の一波における正方向のエネ
ルギーを、負方向のエネルギーとの比と骨成長促進効
果、副作用との関係について、さらに検討したところ、
正方向のエネルギーが負方向のエネルギーと等しいか、
少なくなるように、望ましくは、正方向のエネルギーと
負方向のエネルギーとの比が、約0.1:1乃至1:1、さらに
望ましくは、約0.2:1乃至0.6:1になるように設定すると
きには、通電に基づく疼痛や炎症などの副作用が実質的
に皆無となり、極めて快適に治療を実施し得ることが判
定した。
斯くして得られる刺激電圧は通常の通電手段により生
体に通電すればよく、斯かる通電手段としては低周波治
療一般に用いられる電極導子を用いることができる。
すなわち、前記の刺激電圧発生手段の出力端に、必要
に応じて、出力トランス、カップリングコンデンサ、ク
ランク回路、増幅回路、低電圧回路、定電流回路、緩衝
回路、過電流防止回路などを介して一対の電極導子を接
続し、これら導子のうち通電に際して関導子として機能
する側を生体に於ける所定の部位に、また、通電に際し
て不関導子として機能する側をそれ以外の適所に当接し
た状態で両導子間に刺激電圧を印加すればよい。
本発明の生体刺激装置は低通電量でも極めて顕著な骨
成長促進効果を発揮して、従来公知の生体刺激装置のよ
うに電極を骨周囲の生体内に埋設する必要がないことか
ら、当接すべき部位の形状、面積、状態などに応じた、
例えば、帯状、パッド状、ローラ状、平板状、棒状、球
状、刷毛状、針状の電極導子を生体に於ける皮膚に対し
て、必要に応じて、ベルト、バンド、紐、吸盤、吸引ス
ポイトなどの取り付け手段を設けて着脱自在に形成する
ことができるので極めて好都合である。
通電の仕方は通電の目的、成長を促進すべき骨の状
態、生体の個体差に依るけれども、通常、約0.00001乃
至10ミリアンペア、望ましくは、約0.0001乃至5ミリア
ンペアの刺激電流を連続若しくは間欠的に通電すればよ
い。例えば、成長期の生体に通電して四肢の発育を促進
する場合には、一部位につき毎日約0.1乃至5時間、望
ましくは、約10分間乃至2時間程度とし、骨折、骨萎縮
症、骨疾患、偽関節のトラブルを治療する場合には、毎
日約1乃至15時間、望ましくは、約8乃至12時間に亙っ
て連続若しくは間欠的に通電すればよい。
しかして、本発明の生体刺激装置を使用することによ
り、骨折に加えて、打撲、捻挫、老人性骨萎縮症、廃用
性骨萎縮症、神経性骨萎縮症などの骨萎縮症、くる病、
骨化不全症、関節炎、骨髄炎、骨結核、骨梅毒、線維性
骨炎、骨腫瘍などの骨疾患、歯槽膿漏などの歯周病、偽
関節のトラブルなどに基づく骨の損傷、疼痛、炎症の修
復及び/又は軽減に著効が達成される。
さらには、本発明の生体刺激装置は、成長期の動物や
人体に通電して四肢の発育を促進することができる。例
えば、柔道、空手、相撲、レスリング、ラグビーなどの
競技選手の場合、筋肉の発達が骨組織の成長を妨げ、身
長が思うように伸びないという事例が認められる。斯か
る事例に於ては、成長期の生体に本発明の生体刺激装置
を常用することにより、バランスのとれた四肢の発育を
促すことができる。また、本発明の生体刺激装置を乳幼
児に常用するときには、骨の発育不全を予防することが
できる。
上記の何れの場合にも、本発明の生体刺激装置による
通電に、例えば、温水浴或はスチームサウナなどによる
温浴や、例えば、骨成長促進因子、成長ホルモン、カル
シトニン、ビタミンなどのリンホカイン剤、ホルモン
剤、化学療法剤を併用することにより、著しく高い骨成
長促進効果が達成されることが判明した。
本発明の装置を使用することにより、従来公知の通電
生体刺激装置のように電極を骨周囲の生体内に埋設する
ことなく顕著な骨成長促進効果を達成することができる
のは、当該刺激電圧が骨の成長を極めて効果的に促進す
るからであると推定される。
また、斯界の技術水準にあっては、本発明のような生
体刺激装置は極めてコンパクトに作ることができるもの
であり、生体内に誘導電流を誘起して骨の成長を促進す
る従来生体刺激装置のように装置自体が嵩張ることがな
い。
以下、本発明を図示実施例により説明する。
〔実施例〕
第1図は本発明で用いる刺激電圧発生手段の一例の回
路図を示す。
図中のトランジスタTr1及びトランスTなどからなる
ブロッキング発振回路は第2図に示すような二相性活動
電位波形のパルス性電圧を発生するためのものである。
一対の導子P、Eに直列接続されたダイオードD1及び抵
抗R1は、このブロッキング発振回路の発振する刺激電圧
に於ける正電圧成分epの大きさを調節して、正電圧成分
epと負電圧成分enとの比が約0.1:1乃至0.5:1、望ましく
は、約0.2:1乃至0.3:1の範囲とするためのものである。
トランジスタTr2及びトランジスタTr3などからなり、
前記刺激電圧より周波数の低い第3図に示すような矩形
波を発振するマルチバイブレータの出力端は、トランジ
スタTr4などからなり時定数を有するエミッタ・フォロ
ワーの入力端に接続され、また、エミッタ・フォロワー
の出力端は前記ブロッキング発振回路に於けるトランジ
スタTr1のベースに接続されていることから、トランジ
スタTr1には第3図に示すような正電圧領域と零電圧領
域とが時間間隔τ、τを置いて出現する矩形波がベ
ースバイアス電圧として供給される。一般に、ブロッキ
ング発振回路の発振周波数はベースバイアス電圧に依存
し、ベースバイアス電圧が高くなると発振周波数も高く
なることから、ベースに第3図に示すような矩形波を印
加すると、一対の導子P、E間には第4図に示すような
パルス間隔の相違する二相性活動電位波形のパルス列が
時間間隔τ、τを置いて交互に供給されることにな
る。
第5図、第6図及び第7図に示すのは、第1図に示す
刺激電圧発生手段と組み合わせて用いる一対の導子を示
す。
第5図及び第6図に示すのはパッド導子(1)であっ
て、通常、通電に際しては関導子として機能する。本パ
ッド導子(1)は、その上部に手を入れて操作するため
のベルト部材(2)、ベルト部材(2)と反対側に湾曲
形成したプラスチックなどの非電導性材料によるカバー
部材(3)、カバー部材(3)に於けるベルト部材
(2)と反対面に取り付けられたステンレスなどの導電
性材料を板状に形成してなる電極(4)、及び電極
(4)を覆ってカバー部材(3)に着脱自在に取りつけ
られた、通常、含水布或はスポンジなどの含水性材料に
よるスポンジ部材(5)からなる。スポンジ部材(5)
には、パッド導子(1)を浴槽などに浸して使用する
際、水又は電解質溶液などの電導性液体が電極(4)部
分に自由に侵入できるように、例えば、円形或は短冊型
などの適宜形状の透孔を設けてもよい。(6)は導子を
刺激電圧発生手段に接続するためのリードであり、電極
(4)に電気的に接続されている。
第7図に示すのは握り導子(7)であり、通常、通電
に際しては不関導子として機能する。
図中、(4)はステンレスなどの電導性材料を中空円
柱状に形成した電極であり、リード(6)を取り付けた
その先端の一部を残して袋状に形成されたスポンジ部材
(5)内に嵌入されている。
本例の生体刺激装置の使用方法について第8図を参照
しながら説明すると、まず、パッド導子(1)と握り導
子(7)を刺激電圧発生手段を内装した装置本体(8)
に於ける出力端子P、Eにそれぞれ接続し、次いで、パ
ッド導子(1)及び握り導子(7)に於けるスポンジ部
材(5)に水或は電解質溶液などの電導性液体を含浸せ
しめた後、片手に握り導子(7)を握って支えつつ、も
う一方の手をパッド導子(1)に於けるベルト部材
(2)に挿入した状態で身体に於ける適宜部位に当接し
て通電すればよい。通電中は電源スイッチSWと可変抵抗
VRに連動するツマミ(9)を回して、パッド導子(1)
に印加される刺激電圧を適宜調節すればよい。
次に、本発明の生体刺激装置の有効性について前記実
施例の生体刺激装置を使用して行った臨床実験に基づい
て説明する。
前腕、助骨、下髄骨、鎖骨、手、上腕骨、大腿骨、
足、膝蓋骨、胸骨、肩甲骨、脊椎、骨盤に完全若しくは
不完全骨折をした患者121人に対して通常の整復、固定
をした後、マッサージ、温浴、自動運動などの後治療を
実施しつつ、第1図及び第5〜7図に示す本発明の生体
刺激装置によりτが約0.0035乃至0.0041秒、ep/en
約0.35乃至0.42秒、パルス間隔が約3乃至8ヘルツの範
囲で二段階に変化する二相性活動電位波形のパルス性刺
激電圧を印加して通電治療を並行実施し、本発明の生体
刺激装置の骨折患者に対する治療効果を調べた。
通電は、医師又は医師の指導のもとに物理療法士、看
護人若しくは患者本人が行ない、患部の状態に注意しな
がら毎日約1乃至8時間通電し、治癒率(=治癒患者数
/全患者数)を求めた。
その結果、本発明の生体刺激装置により通電治療を実
施した場合、全患者数121人に対し、109人(90.0%)は
1回の成形手術後に治癒し、10人(8.3%)は2回の手
術後に治癒し、2人(1.7%)は3回の手術後に治癒
し、総合的には平均1.1回の手術によって100%の治癒率
が達成された。また、治療中、X線透視術により骨折部
分を透視観察したところ、骨折からごく短時間で顕著な
仮骨の形成が見られ、治癒後の癒合状態は極めて良好で
あった。患部切断した事例は皆無であった。
一方、通電治療を実施しない場合には、全患者数97人
に対して、26人(26.8%)は1回の成形手術後に治癒
し、31人(32.0%)は2回の手術後に治癒し、18人(1
8.5%)は3回の手術後に治癒し、この18人に残りの22
人(22.7%)を加えた約41%が3乃至8回の手術を受け
て73.2%が治癒、7.1%が治癒見込みとなった。また、
患部切断を要した事例が約9%であった。
上記結果の単純な比較によっても、本発明の生体刺激
装置による通電治療により顕著な治効が達成されること
が推定される。
また、骨折患者以外に、打撲、捻挫、老人性骨萎縮、
廃用性骨萎縮、神経性骨萎縮などの骨萎縮症、くる病、
骨化不全症、関節炎、骨髄炎、骨結核、骨梅毒、線維性
骨炎、骨腫瘍などの骨疾患、偽関節のトラブルに基づく
炎症や疼痛の軽減にも著効を示すことが判明した。
〔発明の効果〕
上記の通り、本発明の生体刺激装置は、正電圧成分と
負電圧成分との比が約0.1:1乃至0.5:1の範囲の刺激電圧
を用いているので、生体に通電刺激して極めて効果的に
骨成長を促進することができる。
また、当該刺激電圧は生体に通電して極めて効果的に
骨成長を促進することから、従来生体刺激装置のように
電極を骨の周囲の生体内に埋設する必要がない。従っ
て、本発明の生体刺激装置によるときには、通電すると
きのみ通電手段を皮膚に当接すれば足り、従来生体刺激
装置のように治療の全期間に亙って刺激装置を取り付け
て生活する煩しさがないばかりか、白金や金などの貴金
属による高価な電極を必ずしも使用する必要がない。
加えて、本発明で使用される刺激電圧は生体に通電し
ても疼痛、火傷、皮膚の乾燥などの副作用を起し難いの
で、比較的長時間の通電でも極めて快適に実施すること
ができる。
従って、本発明の装置は成長期にある生体の四肢の発
育の促進、骨の発育不全に基づく骨損傷の予防、さらに
は、骨折、打撲、捻挫、老人性骨萎縮、廃用性骨萎縮、
神経性骨萎縮などの骨萎縮症、くる病、骨化不全症、関
節炎、骨髄炎、骨結核、骨梅毒、線維性骨炎、骨腫瘍な
どの骨疾患に基づく骨損傷、炎症及び/又は疼痛の修復
や軽減に極めて有利に使用することができる。
本発明はかくも顕著な効果を奏するものであって、斯
界に貢献することに誠に多大な発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の回路図を示す。 第2図はブロッキング発振回路により発生する二相性活
動電位波の波形図、第3図はマルチバイブレータより発
振されるベースバイアス電圧の波形図、第4図は導子間
に発生する刺激電圧の波形図である。 第5〜7図は本発明で使用する導子を示し、第5図はパ
ッド導子の平面図、第6図はパッド導子の側面図を示
し、第7図は握り導子の一部切欠側面図を示す。 第8図は、本発明の生体刺激装置の使用状態を示す斜視
図である。 図中の符合並びに記号について説明すると、Rは抵抗、
Cはコンデンサ、Trはトランジスタ、Tはトランス、D
はダイオード、VRは可変抵抗、SWはスイッチ、Bは電
池、(1)はパッド導子、(2)はベルト部材、(3)
はカバー部材、(4)は電極、(5)はスポンジ部材、
(6)はリード、(7)は握り導子、(8)は刺激電圧
発生手段を内装した装置本体、(9)はツマミを示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1パルスにおける正電圧成分と負電圧成分
    との比が約0.1:1乃至0.5:1の範囲にあるパルス列からな
    る刺激電圧であって、負電圧成分の持続時間が約0.001
    乃至0.1秒の範囲にあり、かつ、正電圧成分の持続時間
    が負電圧成分の持続時間の約1.1乃至2.0倍の範囲にある
    刺激電圧を発生する刺激電圧発生手段と、その刺激電圧
    を生体に通電するための通電手段とを備えた骨の成長を
    促進するための生体刺激装置。
  2. 【請求項2】刺激電圧のパルス間隔が周期的に変化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の骨の成長を促進する
    ための生体刺激装置。
  3. 【請求項3】刺激電圧発生手段が、刺激電圧を発生する
    第一の発振回路と、刺激電圧より低周波数のパルス電圧
    を発生する発振回路であって、その出力端が時定数回路
    を介して第一の発振回路の入力端に接続されている第二
    の発振回路とを備えている請求項2に記載の骨の成長を
    促進するための生体刺激装置。
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