JP2902085B2 - 切削工具システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、工具ブロックと、工具ブロックに解放可能
に固定され、かつ切削インサートが解放可能に締結され
る交換可能なアダプターとを具備する金属切削工具組立
体に関する。

従来技術及びその課題 そのような金属切削工具組立体の使用は、特に分断、
溝付け及び丸削り作業に関連して、しばらく公知であっ
た。そのような組立体の使用は、特に容易に交換又は置
換可能な組立体により、同工具ブロックが種々の形式の
切削インサートに対して使用される時都合が良く、そし
て取り付けられた機械工具からブロックを除去すること
なしに、切削インサートを交換することができること
が、望ましい。代替的に、特定形式の切削作業が、同一
形式の切削インサートに対してでありながら、種々の形
式の工具ブロックの使用を必要とする状況が生ずる。そ
れらの状況において、切削インサートが締結される標準
アダプターの使用は、種々の形式の工具ブロックへの標
準アダプターを介する切削インサートの容易な結合を許
容するために、特に都合が良い。

この種類の公知のアダプターは、一対の一体的なあご
を形成され、切削インサートを収容するためのインサー
ト収容スロットをそれらの間に規定し、切削インサート
を作業位置において締結するために、互いの方にあごを
偏向させるための手段が設けられる。

本発明は、上記の種類の新しくかつ改良された金属切
削工具組立体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本発明に従うと、上記のとおりの課題を解決するため
に、 工具ブロックと、 工具ブロックにねじ締結される平坦なアダプターと、 アダプターと一体的に形成され、かつ切削インサート
を収容するためのインサート収容スロットをそれらの間
に規定する第１及び第２インサート締結あごと、 アダプターと一体的に形成され、第１あごとアダプタ
ーの他の部分とを結合する狭いネック部分と、 アダプターを工具ブロックに締結するためのねじ結合
手段とを具備する金属切削工具組立体において、 ねじ結合手段が、アダプターとブロックにおいてそれ
ぞれ形成されたねじ収容ボアを有し、 アダプターに形成されたねじ収容ボア及びブロックに
形成されたねじ収容ボアが、互いに整列されて、共通軸
を有し、 該共通軸が、工具ブロックの前面と側面との交差軸に
関してそれぞれ一次角度と二次角度を規定し、 上記のとおりに整列しているボアへの締結ねじのねじ
挿入が、工具ブロックに対してアダプターを締結し、且
つ、合力を第１あごに及ぼし、第１あごをネック部分の
回りで旋回させて、第２あごに対してインサートを締結
する ことを特徴とする金属切削工具組他体 が提供される。

好ましくは、アダプターにおけるボアは、アダプター
において形成され、かつアダプターの縁部分から該イン
サート収容スロットの内側端部に隣接して位置する内側
端部に延びている細長いスリットの隣接縁において形成
され、該ボアは、スリットの縁において形成された対向
した適切な形状の凹部によって規定される。そのような
好ましい実施態様により、狭いネック部分は、スリット
の内側端部とインサート収容スロットの内側端部の間に
規定される。テーパ頭を有する締結ねじは、スリット縁
の対向凹部の間に規定されたボアを介して工具ブロック
において形成されたボアにねじ込められる時、ねじのテ
ーパ頭は、第１あごに作用し、狭いネック部分の回りに
弾力的にそれを旋回させ、インサートを位置において締
結する。

発明による金属切削工具組立体のいろいろな実施態様
が、添付の図面を参照して、実施例により、以下に記載
される。

実施例 図面の第１図、第２図と第３図に示された実施態様に
おいて、実質的にく形断面形状の細長い工具ブロック１
が、前端部において、後壁３、側部縁４と基部縁５によ
って規定されたく形凹部２を形成される。次の説明にお
いて、ブロックに関連した幾つかの構成要素の空間位置
が、ブロックの直交して配置された縁1a、1bと1cにそれ
ぞれ平行なブロックの３つの直交軸を参照して規定され
る。

一対のねじ付きボア６と７が、縁1aに平行な方向にお
いて内側のブロックに延びており、ボア６は、後壁３か
らブロックに延びており、一方、ボア７は、側面８から
ブロックに延びている。

ねじ対きボア９は、後壁３からブロックに延びてお
り、その結果側面８から見た時、それは、縁1bに平行な
ブロックの軸に関して角度α（第２図参照）を見込み、
そしてブロックの前面10から見た時、それは、角度β
（第３図参照）を見込む。

アダプター11は、実質的に平面の部分12と、一体的に
形成された後方に突出する突起13と、後方部分14とから
形成される。アダプターは、上方締め付けあご16と下方
締め付けあご17の間に規定されたインサート収容凹部15
を形成される。インサート収容凹部15は、アダプターに
おいて形成された細長いスリット18と連通し、スリット
18の端部は、後方部分14の後方端部により、アダプター
の弾性ネック部分19を規定する。

あご16と17の対向縁は、Ｖ形状であり、インサート凹
部15内に収容されるために適合された細長い切削インサ
ート20において形成された対応するＶ形状溝内にはまり
合う。

締結用ねじ穴21、22と23は、アダプター11において形
成され、その結果アダプターが、突起13を凹部２内には
め込み工具ブロック８において組み立てられる時、穴2
1、22と23は、それぞれ、工具ブロックに形成されたボ
ア６、７と８に整列される。

図面の第２図に見られた如く、アダプターと工具ブロ
ックが締結ねじ24、25と26により一緒に締結されると、
ねじ24と25の効果は、単に、凹部付きブロック１の後壁
３に対してアダプターを締結することである。しかし、
締結ねじ26の効果は、一方において、凹部の縁５に対し
てアダプター11の下方表面を締結し、かつ凹部の縁４に
対してアダプターの側面を締結すると共に、後壁３に対
するアダプターの締結を補強することであり、そして他
方において、あご16において下方向きの旋回力を及ぼ
し、その結果それは狭いネック部分19の回りで旋回し、
下方あご17に対してインサート20を確実に締結すること
である。

こうして、整列したボア９と23の傾斜が、側面８と前
面10からそれぞれ見た時、２つの異なる方向にあること
を保証することにより、アダプター11は、工具ブロック
１に有効かつ確実に締結され、かつインサート20は、ア
ダプター11の弾性ネック部分19に不当な応力を課するこ
となしに、あご16と17の間で確実に締結されることが保
証される。

本発明による切削工具組立体の修正形式の説明のため
に、図面の第４図、第５図、第６図と第９図が今参照さ
れる。組立体は、頂面32と、側面33と前面34を有する細
長い工具ブロック31を具備する。工具ブロック31の直交
した縁35、36と37が基準にされ、そして工具ブロックに
関連した構成要素の方向を規定するために以後参照され
る。

く形凹部38は、工具ブロック31の前端部において形成
され、かつ後壁39と、側部縁40と基部縁41によって規定
される。３つのねじ付きボア42、43と44が、工具ブロッ
クの縁35に平行な方向において後壁39から工具ブロック
に延びている。第４のねじ付きボア45は、工具ブロック
の側壁33から見た時（第５図参照）、縁37に平行な工具
ブロックの軸に関して角度α’を規定し、一方、前面34
から見た時（第６図参照）、縁37に平行な軸に関して角
度β’を規定する方向において、工具ブロックに延びて
いる。

実質的に平面のアダプター51が、上方締め付けあご52
と下方締め付けあご53を形成され、インサート収容凹部
54をそれらの間に規定する。

細長いスロット55は、アダプター51において形成さ
れ、そして保持器の上方縁56に関して角度を為して方向
付けられ、このスロットは、保持器の狭いたわみネック
部分57を規定するために、縁56から凹部54の内側端部に
隣接した領域に延びている。

一対の成型凹部58aと58bが、スロット55の対向縁にお
いて形成される。

アダプター51は、凹部38において位置に配置され、か
つ締結ねじ61、62と63によって初期的に締め付けられる
ことにより、工具ブロックに固定される。

細長い切削インサート64は、今、インサート収容凹部
54内の位置に置かれ、そしてテーパ頭65a（第６図参
照）を有する締結ねじ65が、成型凹部58aと58bを介して
傾いたボア45にねじ込められ、そしてねじ65が締められ
る時、それは、たわみネック部分57の回りであご52を旋
回可能に変位させる際に有効であり、あご52と53の間で
インサート64を締め付け、そして同時に、工具ブロック
に対するアダプター51の有効な締結を完了する。

狭いネック部分57の回りのあご52の旋回変位を保証す
るために上記の方法によるテーパ頭ねじ65の使用は、そ
れ自身公知である。また、この目的のために、成型凹部
58aと58bは、テーパ頭65aの形状に正確に順応しない
が、領域の間げきと領域の接触点を許容するために、公
知の形式において形状からそれる。これらの接触点の特
定位置と、傾いたボア45の方向に関する方位は、あご52
の方向とそれに作用する力を決定し、あご52と53の間の
インサート64の確実な締め付けを保証する。

今図面の第７図が参照されるが、この場合傾いたボア
45（結果としてねじ65）の軸72が位置する仮想平面71が
概略的に示される。平面71は、縦縁73aと73bが、工具ブ
ロック31の縦縁36に平行に位置する如く位置する。今締
結ねじ65のテーパ頭が、それぞれの位置ＡとＢにおいて
凹部58aと58bに対して保持されると考えるならば、位置
ＡとＢを通過する平面74は、角度δにおいて平面71に交
差し、そしてこの角度の大きさは、アダプター51を工具
ブロック31に締結するために役立つ力の大きさと、この
ため、インサート収容凹部54内でインサート64を締結す
るためにあご52を偏向させる力の大きさとに影響を与え
る。

図面の第４図、第５図、第６図と第７図を参照して記
載された種類の切削工具組立体の一つの特定の実施例に
おいて、角度δが15°であった場合に、保持器に作用す
る力の角度方向は、工具ブロックの前面34から見た時、
Ffとして表現され、一方、工具ブロックの側面33から見
た時、この力の角度方向は、Fsとして表現される。

α、βに対する種々の値とねじ頭テーパに対するFfと
Fsの値は、次の如くである。

上記の具体的に延べられた実施態様において、締め付
けあごは、インサートにおいて形成された対応するＶ形
状溝内にはまり合うために適合された細長いＶ形状リブ
を形成され、インサート凹部内のインサートの有効で確
実な位置を保証するが、第8a図は、傾斜した上方及び下
方縁81aと81bを有するインサート81が、発明によるアダ
プターを使用して有効に締結される方法を示し、一方、
第8b図は、上方及び下方のこ歯形縁82aと82bを有するイ
ンサート82が締結される方法を示す。

さらに、第9a図と第9b図は、アダプターが、後方に延
びている突起85を設けられることにより（第8a図におい
て下方末端部において形成され、かつ第8b図において突
起86が中間位置において形成される）、工具ブロック内
に付加的に支持される方法を示し、この突起は、工具ブ
ロックにおいて形成された適切な凹部内に適切に位置す
る。等価的に、アダプターは、第9c図に示された如く、
工具ブロックから延びている突起が位置する適切な凹部
87を形成される。

本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。

1.工具ブロックと、 工具ブロックにねじ締結される平坦なアダプターと、 アダプターと一体的に形成され、かつ切削インサート
を収容するためのインサート収容スロットをそれらの間
に規定する第１及び第２インサート締結あごと、 アダプターと一体的に形成され、第１あごとアダプタ
ーの他の部分とを結合する狭いネック部分と、 アダプターを工具ブロックに締結するためのねじ結合
手段とを具備する金属切削工具組立体において、 ねじ結合手段が、アダプターとブロックにおいてそれ
ぞれ形成されたねじ収容ボアを有し、 アダプターに形成されたねじ収容ボア及びブロックに
形成されたねじ収容ボアが、互いに整列されて、共通軸
を有し、 該共通軸が、工具ブロックの前面と側面との交差軸に
関してそれぞれ一次角度と二次角度を規定し、 上記のとおりに整列しているボアへの締結ねじのねじ
挿入が、工具ブロックに対してアダプターを締結し、且
つ、合力を第１あごに及ぼし、第１あごをネック部分の
回りで旋回させて、第２あごに対してインサート締結す
る ことを特徴とする金属切削工具組立体。

2.該インサート収容スロット（15）が、端部において、
細長いスリット（18）の一方の端部と連通し、該スリッ
ト（18）の対向端部が、該アダプターの縁部分により、
該ネック部分（19）を規定することを特徴とする上記１
に記載の組立体。

3.該アダプター（11）が、比較的厚い後方に延びている
部分（13）を形成され、該工具ブロック（１）の端部に
おいて形成された対応する凹部（２）においてはまるよ
うに適合され、そしてこの場合該ねじ収容ボア（23）
が、該比較的厚い部分（13）において形成されることを
特徴とする上記１又は２に記載の組立体。

4.該アダプター（51）が、アダプター（51）の縁部分
（56）から該インサート収容スロット（54）の内側端部
に隣接して位置する内側端部分に延びている細長いスリ
ット（55）を形成され、該ネック部分（57）が、該スリ
ット（55）の該内側端部分と該インサート収容スロット
（54）の該内側端部の間に規定され、成型凹部（58a、5
8b）が、該スリット（55）の隣接縁において形成され、
アダプター（51）におけるボアをそれらの間に規定し、
該締結ねじ（65）が、該成型凹部（58a、58b）に対して
保持されるために適合されたテーパ頭（65a）を形成さ
れることを特徴とする上記１に記載の組立体。

5.該アダプター（51）が、実質的に平面の形状であり、
そして該工具ブロック（31）が、該アダプターがはめ込
まれる凹部を端部において形成することを特徴とする上
記４に記載の組立体。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による金属切削工具組立体の一つの実
施態様の分解された斜視図。 第２図は、組み立てられた時の第１図に示された金属切
削工具組立体の側面図。 第３図は、第１図と第２図に示された金属切削工具組立
体の部分的に断面の前面図。 第４図は、発明による金属切削工具組立体の第２実施態
様の分解された斜視図。 第５図は、第４図に示された組み立てられた金属切削工
具組立体の側面図。 第６図は、第４図と第５図に示された金属切削工具組立
体の部分的に断面の前面図。 第７図は、第４図と第５図に示された切削工具組立体の
結合構成要素の角度方向を示す概略図。 第8a図と第8b図は、種々の形状のインサートを備えた切
削工具組立体の使用の概略図。 第9a図、第9b図と第9c図は、切削工具組立体の構成要素
の相互係合と支持のモードの種々の修正をそれぞれ概略
的に示す図。 1,31……工具ブロック 8,33……側面 9,34……前面 11,51……アダプター 15,54……インサート収容スロット 16,52……第１あご 17,53……第２あご 19,57……ネック部分 20,64……切削インサート 26,65……ねじ結合手段 9,23,58,45……ねじ収容ボア

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】工具ブロックと、 工具ブロックにねじ締結される平坦なアダプターと、 アダプターと一体的に形成され、かつ切削インサートを
   収容するためのインサート収容スロットをそれらの間に
   規定する第１及び第２インサート締結あごと、 アダプターと一体的に形成され、第１あごとアダプター
   の他の部分とを結合する狭いネック部分と、 アダプターを工具ブロックに締結するためのねじ結合手
   段とを具備する金属切削工具組立体において、 ねじ結合手段が、アダプターとブロックにおいてそれぞ
   れ形成されたねじ収容ボアを有し、 アダプターに形成されたねじ収容ボア及びブロックに形
   成されたねじ収容ボアが、互いに整列されて、共通軸を
   有し、 該共通軸が、工具ブロックの前面と側面との交差軸に関
   してそれぞれ一次角度と二次角度を規定し、 上記のとおりに整列しているボアへの締結ねじのねじ挿
   入が、工具ブロックに対してアダプターを締結し、且
   つ、合力を第１あごに及ぼし、第１あごをネック部分の
   回りで旋回させて、第２あごに対してインサートを締結
   する ことを特徴とする金属切削工具組立体。