JP2899296B2 - 多焦点位相板の製造方法 - Google Patents

多焦点位相板の製造方法

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JP2899296B2 JP63286597A JP28659788A JP2899296B2 JP 2899296 B2 JP2899296 B2 JP 2899296B2 JP 63286597 A JP63286597 A JP 63286597A JP 28659788 A JP28659788 A JP 28659788A JP 2899296 B2 JP2899296 B2 JP 2899296B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一度に二つの明瞭な像が目に与えられる同
時視野の現象を用いた多焦点光学レンズの製造方法に関
し、詳述すれば、複数の像の間において任意の相対明度
を生ずる多焦点光学レンズの製造方法に関する。
(発明の背景) 二焦点眼鏡の設計では、交互視野の原理を利用してい
る。すなわち、目は二つの異なる焦点パワーの隣接した
レンズ間を交互に見つめることになる。この方法は、コ
ンタクトレンズにおいては、コンタクトレンズが目と一
緒に動く傾向があるために、うまくいかなっかった。こ
の問題を解決するために、一度に2つの明瞭な像が目に
与えられる同時視野の現象を用いた二焦点コンタクトレ
ンズが今日では数多く用いられている。このことは、例
えばデカール(DeCarle)のアメリカ合衆国特許第3,03
7,425号に開示されているように、異なるパワーの環状
レンズに囲まれた、目の瞳孔よりも直径が小さい中央レ
ンズを用いることで達成される。これは二つの像の相対
明度が一定であるときのみに有効である。残念なこと
に、このレンズ設計では、目は通常その瞳孔の直径を変
えるため、二つの同心円状レンズにより与えられる像の
相対明度は互いに変化する。
より最近の二焦点レンズ構成としては、アメリカ合衆
国特許第4,210,391号、同第4,338,005号、同第4,340,28
3号に開示されているように領域位相板を利用したもの
がある。このような二焦点レンズでは、回折効果によっ
て二つの異なる回折焦点パワーが得られるようになって
いる。ところが、これらのに焦点レンズでは目の瞳孔よ
りも直径の小さい多同心円環を利用するために、目の瞳
孔が開閉するときに、少数の環のみが関係し、二つの像
の相対明度は同じままである。
しかし、たとえこれらのレンズが入光瞳孔サイズとは
無関係に異なる焦点間の像の相対明度比を一定のまま維
持できたとしても、この一定値は常に満足のいくもので
はない。例えば第1図に、本願発明者のアメリカ合衆国
特許第4,340,283号によるブレーズ(blaze)付き二焦点
領域位相板を示すが、ここでは設計波長をλ、設計焦点
距離をdとすると、この二焦点領域位相板の領域半径r
(k)は、式r(k)=(k×λ×d)1/2で与えられ
ている。この場合、2つの像明度は等しい、即ち、1:1
の比である。なぜなら、奇数番目の領域焦点パワーFoは
1/dに等しく、一方、偶数番目の領域焦点パワーFeが0
に等しくなるように偶数番目の領域はブレーズを有しな
いようにし、奇数番目の領域ブレーズは半波長(λ/2)
に等しい深さに線形変化するように選ばれているからで
ある。これは1/d=Fo−Feを特徴とする本願発明者のア
メリカ合衆国特許に則るものである。しかし、もしブレ
ーズ深さが4分の1波長にすぎないブレーズ付き領域位
相板であって、第1図のレンズよりも製作しやすいレン
ズである第2図について考えてみると、像明度は等しく
ないので、眼科用二焦点レンズとしてこのレンズの使用
が限られている。
(発明の概要) 本発明による多焦点位相板は、次式に応じて間隔が空
けられた複数の環状同心円領域を備えている。
r(k)=(定数×k)1/2 但し、r(k)は領域半径、kは領域番号を表してい
る。本発明は、このような多焦点位相板を実現すべく、
その製造方法を提供するものであって、位相板全体に亙
っての、{位相板厚み/(n−1)}で定まる光路長の
最大変化量が前記設計波長の半分よりもほぼ大きいか、
又は、ほぼ小さいことを特徴としている。
即ち、本発明は、 (a)設計波長λと屈折率nとを選定し、 (b)式{r(k)=(定数×k)1/2}(但し、r
(k):領域半径,k:領域番号)に従って所定間隔の複
数の環状同心領域の半径を求め、 (c)二つかそれ以上の前記設計波長の焦点を定め、 (d)前記位相板の各環状領域の厚みが半径方向に同じ
ように変化するように、位相板の厚みを表す半径方向に
異なった厚みの分布を定め、 (e)一定ではあるが、少量だけ、領域番号kが奇数番
か偶数番の何れかである領域の厚みを増大させて新たな
厚み分布を形成し、 (f)前記二つかそれ以上の定めた焦点での像明度を定
め、 (g)前記像明度が前記二つかそれ以上の定めた焦点で
等しくなるまで、前記ステップ(e)とステップ(f)
を繰り返し、 (h)屈折率nの材料を用いて、前記二つかそれ以上の
定めた焦点での像明度が等しくなるような厚み分布を有
するように形成することにより前記多焦点位相板を製造
する方法において、 前記位相板全体に亙っての、{位相板厚み/(n−
1)}で定まる光路長の最大変化量が前記設計波長の半
分よりもほぼ大きいか、又は、ほぼ小さいことを特徴と
するものである。
前記設計波長が可視光帯域内にあることが望ましく、
また、前記屈折率nの材料としては、光学屈折特性を有
するものが望ましい。
本発明により製造される多焦点位相板は、コンタクト
レンズもしくは眼内レンズとして充分使用できるもので
ある。
このような構成の多焦点位相板は、回折パワーを醸し
出すように所定間隔隔てた複数の同心環状領域を有する
本体手段からなり、一部の環状領域に、段差からなりそ
れが組み入れられた全領域を横切る光路長においてほぼ
一定の位相シフトをもたらす移相手段が組み込まれてい
る。
本発明の実施例での多焦点位相板は光学屈折材料を含
む本体手段を用いている。移相手段としては、所望の移
相を得るために本体手段に埋没させた不純物、または、
本体手段の切削部で構成しても良い。移相手段は全ての
交互領域を占めていてもよい。
本発明は、上記本体手段の各焦点において等しい像明
度を呈するように調節されている移相手段の使用をその
特徴としている。移相段差は上記本体手段の各焦点にお
いて等しい像明度を呈する三焦点を生成するように調節
されている。好ましい実施例においては、レンズが幾つ
かの光波長を優先的に焦点に合焦させるように移相段差
が調節されている。移相段差はどの段差またはブレーズ
の最大の深さをも減少するように調節されていることが
好ましい。
多焦点位相板は、その形状として繰返し段差を利用
し、その段差が組み込まれているほぼ全領域を横切る光
路長中で一定の移相が起こるようにしている。位相板は
可視光領域で多焦点レンズとして作用するように設計さ
れている。本発明のこのような実施例ではコンタクトレ
ンズあるいはカメラ用レンズとして上記位相板の本体手
段を構成している。
多焦点レンズでは、種々の焦点間に入射光を分散させ
る必要がある。このとき、各焦点における強度がほぼ等
しい種々の像明度を深めることが重要である。本発明
は、回折レンズの構成を用いた多焦点レンズでは、領域
半径がほぼ式r(k)=(定数×k)1/2で表されるこ
とを利用している。即ち、環状領域は半波長の整数個の
移相をなすように間隔が空けられている。これらの場合
は、レンズ全体のための繰返しパターンを形成する少数
の領域を見つめるだけで、レンズを完全に解析できる。
例えば、第1図および第2図では、最初の2つの領域
(即ち、領域1および領域2)のみを調べる必要があ
る。
まず、単焦点レンズの位相板を考えることから始め
る。第3図に示される同心円状半波長領域に分割された
焦点パワー0の平板レンズを考察してみる。いま、奇数
番目の領域に半波長の段差を切り込み、正確に半波長だ
けこれらの奇数番目の領域を透過する光を移相させて第
4図の二焦点パワーを形成する。これは、R.W.ウッド
(R.W.Wood)により、ニューヨーク州のマクミリアン社
より1941年に出版されたかれの著作「物理光学(Physic
al Optics)」(37〜40頁、217頁および218頁)におい
て初めて提案されたものである。彼はこの技術を用い、
古典的なレイリー領域板(Rayleigh zone plate)を明
るくし、半波長の移相を考慮したのみであった。
第5図を参照して単焦点能位相板の解析を続ける。第
5図は、1波長の深さにブレーズを切り込むことで普通
の方法で構成されたジオプター+1.0の単焦点レンズで
あり、このブレーズは平段差の切り込みとは異なって角
度を付けて切り込まれている。R.W.ウッドの方法による
と、奇数番目の領域を通過する光を移相させるために、
奇数番目の各領域から半波長段差にカット(第5図の破
線部)することができる。その結果は第6図の二焦点位
相板である。しかし、半波長ではない移相段差の考察が
なんらかの価値があり、または、半波長領域位相板に適
応できる以上、この解析は、ある独自性と、この移相段
差の考察により得られる予期せぬ結果を示すものであ
る。
ジオプター0.0における像明度が、ジオプター+1.0に
おけるものよりも明るい第2図のレンズに戻る。ジオプ
ター0.0において、領域を通過した光の位相変化はブレ
ーズによってのみ引き起こされる。ジオプター1.0にお
いて、領域を通過した光の位相変化は、ブレーズによる
移相に付け加えて半波長によって起こる。最初に、ジオ
プター0.0での焦点と、領域1は4分の1波長のブレー
ズの深さを有している事実とを考慮すると、この領域を
通過する光に対する振幅ベクトルz1(0)は90度(負方
向に4分の1波長)戻る。次に、領域2はブレーズを有
していないため、この領域を通過する光に対する振幅ベ
クトルz2(0)は全く移相されない。結局、2つの結果
的な振幅ベクトルの間の位相角a(0)は、ジオプター
0.0の焦点での像明度B0 2を呈しつつ、135度になる。ジ
オプター1.0の焦点において、領域1を通過した光に対
する振幅ベクトルz1(1)は90度回転する。一方、領域
2を通過した光に対する振幅ベクトルz2(1)は180度
回転する。そうして、2つの結果的な振幅ベクトルの間
の位相角a(1)は、ジオプター1.0の焦点での像明度B
1 2を呈しつつ、45度になる。これは全て第7a図に示さ
れ、ここに像明度は結果的な振幅ベクトルz1、z2のベク
トル和として計算される。2つの領域を考えているの
で、各領域を通過する微少振幅ベクトルの全体の弧の長
さに対しては、値として1/2とすると便利である。その
ため、ジオプター0.0の焦点において、領域1を通過す
る光の結果的な光の振幅ベクトルz1(0)としては、z1
(0)=21/2/πである。同様に、z2(0)=1/2であ
り、ベクトルz1(0)、z2(0)間の位相角a(0)と
しては、a(0)=135度であり、結果的な明度はB0 2
0.77で与えられる。同じ理由により、ジオプター1.0の
焦点では、z1(1)=21/2/π、z2(1)=1/π、a
(1)=45度、B1 2=0.10である。
いま、偶数番目の領域に段差を切り込むことにより、
段差の深さに依存する量だけ偶数領域を通過する光を移
相させることができる。本発明は任意の移相効果を利用
するものであり、半波長に等しくする必要はない。第7b
図は、それぞれ領域1、領域2からの光をあらわす光の
振幅ベクトルz1,z2を示し、各焦点はb度の付加移相に
より分割されている。ジオプター1.0における結果的な
明度B0 2もまた示されている。第7b図において、位相角
bを増せば(段差の深さを増加することで)、ほの暗い
像B1は明るくなる一方、明るい像B0はほの暗くなること
がわかる。明らかに像明度が等しくなる正確な移相が存
在する。この特定の場合では、0.157波長の移相がそう
であり、第7c図はこのような結果的なレンズを示す。こ
のレンズにおける切り子面の最大の深さは0.407波長の
深さであることにもまた注目すべきである。典型的に
は、回折レンズは0.5波長あるいはそれ以上の移相を必
要とする。多くの製造技術(例えばイオン打込み法)は
それが達成できる最大移相量が制限されるために、必要
な最大移相量を減少させることが有利である。これは移
相段差の利用の特別な例の1つであり、通常は0.157波
長以外の移相段差を選択することが当然である。
本願発明者のアメリカ合衆国特許第4,338,005号にお
いて記述されたように、ジオプター0.0に関して対称的
に並ぶ焦点を用いるレンズへの本発明の応用を考えるこ
とも興味がある。第8図はこのタイプのレンズの例を示
す。この特別なレンズはそれぞれ等しくない明度の焦点
を持つ三焦点レンズの例である。この特別な例では、0.
212波長の移相段差を利用することで、第9図の等しい
明度の三焦点レンズを構成することができる。
三焦点レンズに関して、第3図に示されたパワー0の
平板レンズを、相異なる明度の焦点を持つ縮退三焦点レ
ンズとして考える。実際には、この場合の焦点のうち2
つは明度が0である。それにもかかわらず、なおも本発
明の原理を適用することができる。第10図は、その結果
の三焦点レンズを示す。この三焦点レンズの重要な利点
は、段差をエッチング形成することは多くの生産技術
(すなわち、イオン反応エッチング法)においてブレー
ズをカットするよりも簡単であるため、より簡単な製造
することができるその単純な段差の構成にある。R.W.ウ
ッドの二焦点レンズは単純な段差設計である一方、これ
は、同様に単純な設計の最初の三焦点レンズである。波
長xの移相が満足のいくレンズを生み出すときはいつで
も、波長(1−x)の移相を用いて相補的なレンズもま
た得ることができるのは、上述の解析から明らかであ
る。第11図は第10図に示されたレンズに関しての相補的
な三焦点レンズを示す。
ここまでは、単色光のみを考えていた。第10図および
第11図のレンズが、ある特定の光の波長、例えば黄色
光、の光に対して設計されていたとすれば、回折レンズ
における固有の色収差は、第10図および第11図にさらに
示したような赤(R)、黄(Y)および青(B)の光ご
とに明度分布を生む。焦点での色収差に加えて、明度に
おいても色収差を確認することができる。しかし、明度
における色収差は、通常、相補的レンズにおいては反対
となる。このことは、例えば、明度における色収差を著
しく減少させることのできる第12図のレンズのような複
合レンズを設計することを可能にする。
回折パワーを利用するレンズ固有の明度における色収
差があると、選択した特定の波長を優先的に伝達するレ
ンズもまた設計することができる。例えば、第13図のレ
ンズを見ると、ジオプター0.0の焦点では青色光、ジオ
プター+1.0および−1.0の焦点では赤色光を対象とする
三焦点レンズである。いま、ジオプター0.0の焦点をな
くすために0.5波長の移相段差を用いることもでき、赤
色光を選択的に焦点合わせする一方、青色光を減衰させ
る第14図に示される二焦点レンズもある。このことは当
然、可能な限り青色光をカットする必要のある無水晶体
症およびその他の患者にとって利点がある。
前述の観点において、本発明の主な目的は、回折多焦
点レンズの相異なる焦点における像明度の比を調整する
ことである。
本発明のいま一つの目的は、本来相異なる明度を有す
る回折多焦点レンズの異なる焦点における明度を等しく
することである。
もう一つの本発明の目的は、回折多焦点レンズを形成
するために必要とされる最大移相を減少させることであ
る。
さらにいま一つの本発明の目的および利点は、ブレー
ズを段差に置換することで、ある多焦点レンズの構造を
簡略化することである。
更に別の本発明の目的および利点は、明度の色収差を
うまく処理して、一波長のみを選択するレンズを形成す
ることである。
本発明の他の目的および利点は、添付の図面を参照し
つつ行う以下の好ましい実施例の説明からより完全に明
らかになるであろう。
(好ましい実施例の説明) 第15図に本発明の一実施例を示す。図示の多焦点位相
板は三焦点位相板であり、この三焦点位相板は、その前
面Iが半径r(1)〜r(6)により境界付けられた6
つの同心環状領域に分割されているキャリアレンズまた
は本体CLからなる。実際のいかなるレンズにおいても、
領域の数が多少違っていてもよく、6個の領域は単に一
例として選ばれただけである。キャリアレンズまたは本
体はもちろん、光学レンズの設計に関わる基本原理に従
って構成されており、前面Iおよび後面Bとしては球面
状、球面円筒状またはその他の適当なレンズ設計形状を
呈している。キャリアレンズの球面、球面円筒、また
は、非球面のパワーPは、標準レンズ公式に従いなが
ら、前面Iおよび後面Bのそれぞれの曲率、中心厚CTお
よびキャリアレンズの屈折率nに応じて定まる。これら
のパラメータはそれぞれこの三焦点位相板および得られ
る材料の用途により決定される。例えば、この三焦点位
相板を眼鏡レンズとして使用する場合では、後面Bは軸
上の色収差を最小とするように形成される。眼鏡、コン
タクトレンズその他の製造に使用されるこれらの材料を
も含む、例えばガラス、プラスティックまたはその他の
光学材料のような標準的な光学材料は、本発明のレンズ
および以下の実施例のすべてでの製造に利用できる。
この本実施例では、交互する環状領域は、キャリアレ
ンズの屈折率をnとして光波長のほぼ0.319/(n−1)
の深さに均一にエッチングされている。このことは勿
論、隣接する環状領域間で光の0.319波長の移相が起こ
る。環状領域間の間隔は勿論、r(k)についての領域
板の公式により与えられる。特に、環状領域間の境界を
決める半径r(k)は、r(k)=(k×λ/F)1/2
より決定される。ここに、k=1、2、3、…などの、
領域の番号を表す整数であり、λは考慮すべき光波長と
等しく、Fは焦点パワーをあらわす。この場合の三焦点
レンズは結果的に、ジオプターP−F、ジオプターP、
ジオプターP+Fにおいて像明度が等しい三つの焦点パ
ワーをもたらしている。
本実施例および以下の全ての実施例の新規で重要な特
徴は、レンズの表面にエッチングされた段差の特定の深
さにより決定される像明度の比にある。この場合での深
さは、移相明度をbとすると(b/360)×λ/(n−
1)で与えられる。この場合、b=114.84であり、次式
から前述の説明において示されたように決定される。
z12(0)+z22(0) −2・z1(0)・z2(0)・cos[a(0)+b] =z12(1)+z22(1) −2・z1(1)・z2(1)・cos[a(1)+b] 言うまでもないことではあるが、bの値が異なれば、本
発明の別の実施例が得られる。
イオン打込みを用いた本発明のいまひとつの実施例を
第16図に示す。ここでは、領域はキャリアレンズCLの表
面へのイオン打込みにより形成される。イオン打込みに
よってキャリアレンズの屈折率はnからn1へと変化す
る。さらに、打込みの深さは、式(b/360)×λ/(n
−n1)で与えられる。この場合、ブレーズは深さ0.5/
(n−1)の波長であり、段差は深さ0.319/(n−1)
である。ここにnはキャリアレンズCLの屈折率である。
キャリアレンズは、前面I、後面Bおよび焦点パワーP
を有するように設計される。環状領域r(k)は、式r
(k)=(k×λ/F)1/2により決定される。ここに、
λは設計上の波長である。このレンズの三つの焦点パワ
ーは、P、P+F/2およびP+Fである。
蒸着膜形成技術を用いた本発明のいまひとつの実施例
を第17図に示す。ここでは、領域は、キャリアレンズCL
の表面上に付加材料Dの膜形成により形成される。膜形
成によりキャリアレンズを通る光路は増加する。この場
合、複合レンズ−ミラー系、即ち、ミラーMに接着され
たレンズCLが得られる。膜厚は式(b/720)×λ/(n1
−1)で与えられる。ここに、n1は膜材料の屈折率であ
る。
上述の開示内容は本発明の好ましい実施例にのみ係る
ものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の意図
および範囲を逸脱することなく、多数の変形や改良が可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、典型的な二焦点位相板の横断面図の一部、お
よび、これに対応する各焦点における明度の等しい(す
なわちB0=B1)を示す明度対焦点パワーのグラフを示
す。 第2図は、いまひとつの二焦点位相板の横断面図の一
部、および、これに対応する各焦点における明度の不等
性(すなわちB0≠B1)を示す明度対焦点パワーをグラフ
を示す。 第3図は、パワー0の平板レンズの横断面図、および、
これに対応する無限大(すなわちジオプター0.0)にお
ける単一焦点を示す明度対焦点パワーのグラフを示す。 第4図は、R.W.ウッドにより変形されたパワー0の平板
レンズの横断面図、および、これに対応する明度の等し
い二焦点を示す明度対焦点パワーのグラフを示す。 第5図は、単一焦点パワーを有するブレーズ付きレンズ
の横断面図の一部、および、これに対応する単一焦点を
示す明度対焦点パワーのグラフを示す。第6図は、R.W.
ウッドにより変形された第5図のレンズの横断面図の一
部、および、これに対応する明度の等しい二焦点を示す
明度対焦点パワーのグラフを示す。 第7a図は、第2図のレンズの環状領域を通過する光の振
幅ベクトルの幾何学表現である。 第7b図は、領域1と領域2間のb度の移相の導入によっ
て、いかに明度B0 2およびB1 2が変化するかを図式的に示
す。 第7c図は、二焦点のそれぞれにおける像明度が等しくな
るように(すなわちB0=B1=0.36)した本発明に係る第
2図のレンズの変形例の横断面図を示す。 第8図〜第14図は、ブレーズおよび段差付き三焦点レン
ズの横断面図の一部、および、これに対応する明度対焦
点パワーのグラフを示す。 第15図は、イオン反応エッチングにより段差が形成され
た三焦点レンズの横断面図である。 第16図は、イオン打込みによりブレーズ付き段差が形成
された三焦点レンズの横断面図である。 第17図は、ミラー表面に膜形成により段差が形成された
三焦点ミラーの横断面図である。 CL……コンタクトレンズ I……レンズ前面 B……レンズ後面 CT……レンズの中央厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特許2768801(JP,B2) 特許2849097(JP,B2) 特公 平1−1772(JP,B2) 米国特許4338005(US,A) 米国特許4210391(US,A) 米国特許4340283(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/18 G02C 7/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多焦点位相板の製造方法であって、 (a)設計波長λと屈折率nとを選定し、 (b)式{r(k)=(定数×k)1/2}(但し、r
    (k):領域半径,k:領域番号)に従って所定間隔の複
    数の環状同心領域の半径を求め、 (c)二つかそれ以上の前記設計波長の焦点を定め、 (d)前記位相板の各環状領域の厚みが半径方向に同じ
    ように変化するように、位相板の厚みを表す半径方向に
    異なった厚みの分布を定め、 (e)一定ではあるが、少量だけ、領域番号kが奇数番
    か偶数番の何れかである領域の厚みを増大させて新たな
    厚み分布を形成し、 (f)前記二つかそれ以上の定めた焦点での像明度を定
    め、 (g)前記像明度が前記二つかそれ以上の定めた焦点で
    等しくなるまで、前記ステップ(e)とステップ(f)
    を繰り返し、 (h)屈折率nの材料を用いて、前記二つかそれ以上の
    定めた焦点での像明度が等しくなるような厚み分布を有
    するように形成することにより前記多焦点位相板を製造
    する方法において、 前記位相板全体に亙っての、{位相板厚み/(n−
    1)}で定まる光路長の最大変化量が前記設計波長の半
    分よりもほぼ大きいか、又は、ほぼ小さいことを特徴と
    する多焦点位相板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法であって、前記設計
    波長が可視光帯域内にあることを特徴とする多焦点位相
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の方法であって、前
    記屈折率nの材料が光学屈折特性を有する材料であるこ
    とを特徴とする多焦点位相板の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3に記載の方法であって、前
    記多焦点位相板がコンタクトレンズであることを特徴と
    する多焦点位相板の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2又は3に記載の方法であって、前
    記多焦点位相板が眼内レンズであることを特徴とする多
    焦点位相板の製造方法。
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