JP2893884B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2893884B2
JP2893884B2 JP2193474A JP19347490A JP2893884B2 JP 2893884 B2 JP2893884 B2 JP 2893884B2 JP 2193474 A JP2193474 A JP 2193474A JP 19347490 A JP19347490 A JP 19347490A JP 2893884 B2 JP2893884 B2 JP 2893884B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に
おいて、現像に使用されるトナーの製造方法に係り、特
に、小粒径であってもクリーニング性が良好でかつ安定
した帯電性が得られるトナーの製造方法に関するもので
ある。
[従来技術及びその問題点] 従来より、複写機やプリンター等の画像形成装置にお
いては、現像を行うのにトナーが使用されており、近年
においては、これらの画像形成装置によって形成される
画像の高画質化を図るため、粒径の小さなトナーを使用
することが検討されるようになった。
ここで、このようなトナーを製造するにあたり、従来
においては、熱可塑性樹脂、顔料・染料等の着色剤、ワ
ックス,可塑剤,荷電制御剤等の各種の添加剤を加熱・
溶融させて混練した後、これを冷却させて粉砕し、分級
する方法が一般に採用されていた。
しかし、このように粉砕によってトナーを製造する場
合、平均粒径が2〜6μm程度の小粒径のトナーを得る
ことは非常に困難であり、また製造されたトナーにおけ
る粒径のばらつきも大きくなり、小粒径のトナーの生産
効率や収率が著しく悪くなるという問題があった。
また、トナーを製造する方法としては、上記のような
粉砕法の他に、特公昭38-2095号公報等に示されるよう
に、適当な溶媒にトナーを構成する結着樹脂及び必要に
応じて着色剤等を溶解あるいは分散させ、この溶液を適
当な分散媒体液中で分散させて造粒させ、これを乾燥さ
せてトナーを製造する懸濁造粒法が従来より知られてお
り、このようにしてトナーを製造すると、トナーを造粒
させる際の条件等を調整することによって、小粒径のト
ナーを効率良く製造することができた。
しかし、このような懸濁造粒法によってトナーを製造
した場合、製造されたトナーは真球に近い形状のものに
なってしまい、このため、このトナーをキャリアとの摩
擦によって帯電させようとした場合に、キャリアとの摩
擦がうまく行われなくて、トナーが十分に帯電されず、
トナーの飛散が生じやすくなるという問題があった。
さらに、上記のような画像形成装置において一般に使
用されているブレードクリーニング方式により、感光体
に残留するトナーを除去する場合においても、トナーが
真球に近い形状であるため、トナーがブレードクリーナ
ーをすり抜けてしまい、感光体に残留するトナーが十分
に除去されず、このトナーが感光体の表面に融着してし
まい、形成される画像に黒筋状のノイズが発生する等の
問題があった。
そこで、上記のような懸濁造粒法によってトナーを製
造するにあたり、近年においては、特開平1-195460号公
報,特開平1-302270号公報等に示されるようにして、製
造されるトナーの表面に凹凸を設け、上記のようにして
製造されるトナーの帯電性やクリーニング性を向上させ
ることが試みられるようになった。
しかし、上記の各公報に示される方法では、懸濁造粒
法によって製造されるトナーの表面に十分な凹凸を設け
ることが困難であり、トナーの帯電性やクリーニング性
を十分に向上させることができず、実用化されるには至
っていないのが現状である。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置に
おいて、その現像に使用されるトナーの製造する場合に
おける上記のような問題を解決することを課題とするも
のである。
すなわち、この発明は、従来の粉砕法では生産が困難
であった平均粒径が2〜6μm程度の小粒径のトナーを
効率良く生産できるようにすると共に、従来の懸濁造粒
法によって製造されるトナーのように、製造されるトナ
ーが真球に近い形状にものになって、トナーの帯電性や
クリーニング性が低下するということがなく、表面に十
分な凹凸を有する不定形のものになって十分な帯電性や
クリーニング性をもつトナーが得られるようにすること
を課題とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用] この発明においては、上記のような課題を解決するた
め、トナーを製造するにあたり、有機溶媒に少なくとも
結着樹脂とビニル系単量体と重合開始剤とを溶解させ、
この溶液を分散媒体液中で分散させて造粒した後、上記
の有機溶媒を蒸発させると共に上記のビニル系単量体を
重合させるようにしたのである。
このように有機溶媒に少なくとも結着樹脂とビニル系
単量体と重合開始剤とを溶解させた溶液を、分散媒体液
中で分散させて造粒した後、有機溶媒を蒸発させると共
にビニル系単量体を重合させるようにすると、造粒時に
真球に近い形状になっていても、ビニル系単量体が重合
する際の収縮等によって、その表面に十分な凹凸が形成
された不定形のトナーが得られるようになる。
このため、このようにして製造されたトナーを前記の
ような画像形成装置に使用すると、キャリアとの摩擦等
がうまく行われ、トナーが十分に帯電されるようになる
と共に、ブレードクリーナー等によって感光体の表面か
ら確実に除去されるようになって、そのクリーニング性
も向上する。
また、この発明においては、上記のように有機溶媒に
少なくとも結着樹脂とビニル系単量体と重合開始剤とを
溶解させた溶液を、分散媒体液中で分散させて造粒させ
るようにしているため、造粒させる条件等を調整するこ
とによって、小造径のトナーであっても効率よく製造さ
れるようになる。
ここで、この発明において使用する有機溶剤は、上記
のように結着樹脂とビニル系単量体と重合開始剤とを溶
解させることができるものであればどのようなものであ
ってもよく、特に、その種類は限定されない。
また、この有機溶剤に溶解させる結着樹脂は、通常の
トナーにおいて結着剤として汎用されているものであれ
ばよく、例えば、以下に示すようなモノマーを重合させ
ることによって得られるスチレン系樹脂、(メタ)アク
リル系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂、カーボ
ネート樹脂、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエス
テル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、尿素樹脂、ウレタン
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂並びにこれらの
共重合体およびポリマーブレンドなどを用いることがで
きる。
ここで、上記結着樹脂は有機溶剤に対して5〜50重量
%、好ましくは10〜40重量%溶解させるようにする。こ
れは、結着樹脂の量が上記の範囲外であると、製造され
るトナーの粒径の制御が困難になるためである。
また、この発明において使用される上記のような結着
樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂のように完全なポリマー
の状態になっているものに限られず、熱硬化性樹脂にお
けるオリゴマーやプレポリマーの状態のもの、さらにポ
リマーに一部プレポオリマー、架橋剤などを含んだもの
も使用することができる。
ここで、この発明において結着樹脂として使用される
上記のような各樹脂に用いられる具体的なモノマーとし
ては、以下に挙げるようなものを使用することができ
る。
先ず、ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p-tert−ブチルスチ
レン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルス
チレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチ
レン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4
−ジクロルスチレン等のスチレンおよびその誘導体を使
用することができる。
また、他のビニル系モノマーとしては、例えば、エチ
レン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチ
レン系不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニ
ル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビ
ニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリ酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの(メ
タ)アクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニ
ルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケ
トン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−
ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビ
ニル化合物;ビニルナフタリン類等を用いることができ
る。
また、アミド樹脂を得るモノマーにおいては、例え
ば、カプロラクタム、さらに二塩基性酸として、テレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、コハ
ク酸、セバチン酸、チオグリコール酸などを用いること
ができ、ジアミン類としては、エチレンジアミン、ジア
ミノエチルエーテル、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジ
アミノブタンなどを用いることができる。
また、ウレタン樹脂を得るモノマーにおいては、ジイ
ソジアネート類として、p−フェニレンジイソシアネー
ト、p−キシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチ
レンジイソシアネートなどを用いることができ、グリコ
ール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどを用いることができる。
また、尿素樹脂を得るモノマーにおいては、ジイソシ
アネート類として、o−フェニレンジイソシアネート、
p−キシレンジイソアネート、1,4−テトラメチレンジ
イソシアネートなどを用いることができ、ジアミン類と
しては、エチレンジアミン、ジアミノエチルエーテル、
1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノブタンなどを用
いることができる。
また、エポキシ樹脂を得るモノマーにおいては、アミ
ン類として、エチルアミン、ブチルアミン、エチレンジ
アミン、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノブタ
ン、モノエタノールアミンなどを用いることができ、ジ
エポキシ類としては、ジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエー
テルなどを用いることができる。
また、ポリエステル系樹脂を得るモノマーにおいて
は、ポリオール成分として、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、1,4−ビス(2−ヒドロキシメチル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノ
ールA、ポリオキシエチレ化ビスフェノールA等を用い
ることができ、多塩基酸成分としては、マレイン酸、フ
マル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グル
タコン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベ
ンゼントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸類、フタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピ
ン酸、マロン酸、セバシン酸、1,2,4−シクロヘキサン
トリカルボン酸、1,2,5−シクロヘキサントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ
−2−メチル−2−メチルカルボキシプロパン、テトラ
(メチルカルボキシ)メタンなどの飽和カルボン酸類等
を用いることができ、さらにこれらの酸無水物や低級ア
ルコールとのエステルなどを用いることもでき、具体的
には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無
水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、ジメチルテレ
フタレートなどを用いることができる。
なお、この発明において使用する上記のポリエステル
系樹脂は、上記のようなポリオール成分と他塩基酸成分
とをそれぞれ1種づつ組み合わせて重合したものに限ら
れず、それぞれ複数種づつ用いて重合したものであって
もよく、特に、多塩基酸成分としては、不飽和カルボン
酸と飽和カルボン酸、あるいはポリカルボン酸とポリカ
ルボン酸無水物を組み合わせることが多く行われる。
また、この発明に係るトナーとして、フルカラー用の
透光性カラートナーを製造する場合には、上記結着樹脂
として、透光性のよいポリエステル系樹脂を使用するこ
とが好ましい。
ここで、前記の各結着樹脂においては、その溶融粘度
が低くすぎると、製造されたトナーが軟らかくなりすぎ
て、その流動性が悪くなる一方、溶融粘度が高すぎる
と、製造されたトナーの定着性が悪くなるため、通常
は、100℃の溶融粘度が1.0×103〜1.0×1011ポアズ程度
のものを用いるようにし、特に、透光性を必要とする場
合には、1.0×104〜1.0×106ポアズ程度のものを用いる
ようにすることが好ましい。
また、前記の各結着樹脂においては、その重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子
量分布(Mw/Mn)の値が、あまり小さいとトナーの定着
性が悪くなる一方、あまり高いとトナーの透光性が悪く
なるため、通常は、その値が2〜100のものを用いるよ
うにし、特に透光性を必要とする場合には、分子量分布
(Mw/Mn)の値が2〜5程度のものを使用することが好
ましい。
さらに、前記のような各結着樹脂にゲル化成分を含有
させて、トナーの定着性を高めるようにしてもよい。
また、この発明において、有機溶剤に溶解させるビニ
ル系単量体については、特にその種類は限定されず、例
えば、ラジカル重合可能なモノマーとして、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2
−クロルエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、α−ク
ロル(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ジ
メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミ
ノエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アミドなど
の(メタ)アクリル酸誘導体を含むアクリル系モノマ
ー;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなど炭素数1〜8の低級アルコ
ールのビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトン、メチルイソブチロフェニルケトンなどの
ビニルケトン、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバ
ゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン
などN−ビニル化合物、臭化ビニル、弗化ビニルなどの
ハロゲン化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
酪酸ビニルなどのビニルエステルを含むビニル系モノマ
ー;スチレン、o−,m−又はp−メチルスチレン、o
−,m−又はp−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−,n−ブチルスチレン、p-tert−ブチルスチレ
ン、p−,n−ヘキシルスチレン、p−,n−オクチルスチ
レンなどのC1〜C10の低級アルキルスチレン、p−クロ
ルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどを含むスチレ
ン系モノマーなどを使用することができるが、これらの
ものに限定されるものではない。なお、上記のアクリル
系モノマーについては、(メタ)アクリル酸以外の不飽
和カルボン酸を用いたものであってもよい。
そして、前記のモノマーを単独あるいは二種以上を併
用して、ラジカル重合開始剤の存在下で重合させるよう
にする。
また、前記のモノマーを重合させるにあたっては、必
要に応じて、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸など炭素数3〜5の不飽和カルボ
ン酸の少なくとも一種を副成分として他のモノマーと併
用させることも可能であり、この場合には、ビニル系単
量体として添加させる全モノマー中に占める不飽和カル
ボン酸の量が0.1〜2.0重量%の範囲にすることが好まし
い。
さらに、前記のモノマーを重合させる際、必要に応じ
て架橋剤を加えて架橋重合体を生成させるようにするこ
とも可能である。
ここで、架橋剤としては、重合体二重結合を2個以上
有する化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナ
フタレンおよびそれらの誘導体、エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレー
ト、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエ
チレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、n,n−ジビニルアニリン、ジビ
ニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホ
ン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノール
Aなどを単独でまたは二種以上併用することができる。
なお、上記のようなビニル系単量体を有機溶媒に溶解
させる場合、その量が少なすぎると、トナー表面に十分
な凹凸が形成されなくなる一方、その量が多すぎると、
トナーとしての定着性が悪くなるため、通常は、ビニル
系単量体を前記の結着樹脂に対して30〜70重量%加える
ようにする。
また、この発明において使用する重合開始剤は、前記
の有機溶剤に溶解されるものであればよく、例えば、過
酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、
オルソクロル過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化
ベンゾイルなどの過酸化ジアシル、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリルなどのアゾ化合物等を使用することができ
る。
さらに、上記の有機溶媒中に前記のような結着樹脂、
ビニル系単量体、重合開始剤の他に、顔料・染料等の着
色剤、荷電制御剤、磁性粉、オフセット防止剤、樹脂微
粒子等を添加させることも可能である。
ここで、顔料・染料等の着色剤としては、以下に示す
ような、有機もしくは無機の各種,各色の顔料や染料を
使用することができる。
例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化
銅、二酸化マンガン、アニリンブラックなどを使用する
ことができる。
また黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイ
エロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッ
ケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトール
イエローS、バンザーイエローG、バンザーイエロー10
G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キ
ノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タ
ートラジンレーキなどを使用することができる。
また橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレン
ジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、
バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジ
RK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアント
オレンジGKなどを使用することができる。
また赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッ
ド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド
4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチング
レッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアント
カーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ア
リザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを使用す
ることができる。
また紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオ
レットB、ネチルバイオレットレーキなどを使用するこ
とができる。
また青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アル
カリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシ
アニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシ
アニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、
インダスレンブルーBCなどを使用することができる。
また緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロ
ム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレー
キ、ファイナルイエローグリーンGなどを使用すること
ができる。
また白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチ
モン白、硫化亜鉛などを使用することができる。
また体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、
クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナ
ホワイトなどを使用することができる。
また塩基性,酸性,分散及び直接染料などの各種染料
としては、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガ
ル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどを使
用することができる。
なお、これらの着色剤は、単独であるいは複数組合わ
せて用いることもできる。
また、これらの着色剤をトナー粒子中に含有させる量
については、トナー粒子中に含まれる樹脂100重量部に
対して1〜20重量部、より好ましくは2〜10重量部用い
るようにする。
これは、着色剤が20重量部より多くなると、トナーの
定着性が低下する一方、着色剤が1重量部より少ない
と、所望の画像濃度が得られなくなるためである。
また、この発明に係るトナーとして、透光性カラート
ナーを製造する場合には、着色剤として以下に示すよう
な各種,各色の顔料や染料を使用することができる。
例えば、透光性カラートナー用の黄色顔料としては、
C.I.10316(ナフトールイエローS)、C.I.11710(ハン
ザイエロー10G)、C.I.1166(ハンザイエロー5G)、C.
I.11670(ハンザイエロー3G)、C.I.11680(ハンザイエ
ローG)、C.I.11730(ハンザイエローGR)、C.I.11735
(ハンザイエローA)、C.I.11740(ハンザイエローR
N)、C.I.12710(ハンザイエローR)、C.I.12720(ピ
グメントイエローL)、C.I.21090(ベンジジンイエロ
ー)、C.I.21095(ベンジジンイエローG)、C.I.21100
(ベンジジンイエローGR)、C.I.20040(パーマネント
イエローNCG)、C.I.21220(バルカンファストイエロー
5)、C.I.21135(バルカンファストイエローR)など
を使用することができる。
また、赤色系顔料としては、C.I.12055(スターリン
I)、C.I.12075(パーマネントオレンジ)、C.I.12175
(リソールファストオレンジ3GL)、C.I.12305(パーマ
ネントオレンジGTR)、C.I.11725(ハンザイエロー3
R)、C.I.21165(バルカンファストオレンジGG)、C.I.
21110(ベンジジンオレンジG)、C.I.12120(パーマネ
レッド4R)、C.I.1270(パラレッド)、C.I.12085(フ
ァイヤーレッド)、C.I.12315(ブリリアントファスト
スカーレット)、C.I.12310(パーマネントレッドF2
R)、C.I.12335(パーマネントレッドF4R)、C.I.12440
(パーマネントレッドFRL)、C.I.12460(パーマネント
レッドFRLL)、C.I.12420(パーマネントレッドF4R
H)、C.I.12450(ライトファストレッドトーナーB)、
C.I.12490(パーマネントカーミンFB)、C.I.15850(プ
リリアントカーミン6B)などを使用することができる。
また、青色顔料としては、C.I.74100(無金属フタロ
シアニンブルー)、C.I.74160(フタロシアニンブル
ー)、C.I.74180(ファーストスカイブルー)などを使
用することができる。
これらの着色剤も、前記の場合と同様に単独であるい
は複数組合わせて用いることができる。
なお、これらの着色剤の場合、トナー粒子中に含まれ
る樹脂100重量部に対して1〜10重量部、より好ましく
は2〜5重量部使用することが望ましい。
これは、着色剤の量が10重量部より多くなると、トナ
ーの定着性および透光性が低下する一方、1重量部より
少ないと所望の画像濃度が得られなくなるおそれが生じ
るためである。
また、この発明において使用する前記の荷電制御剤と
しては、例えば、ニグロシン系染料、モノアゾ染料、含
クロムモノアゾ錯体、含クロルモノアゾ染料、亜鉛ヘキ
サデシルサクシネート、ナフトエ酸のアルキルエステル
またはアルキルアミド、アルコキシ化アミン、アルキル
アミド、モリブテン酸キレート顔料、ニトロフミン酸、
N−N′−テトラメチルジアミンベンゾフェノン、N−
N′−テトラメチルベンジジン、トリアジン、サリチル
酸金属錯体、含クロムサリチル酸化合物錯体、銅フタロ
シアニングリーン、銅フタロシアニンのスルホニルアミ
ン誘導体、親水性あるいは疎水性シリカ、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ニトロセルロース、チオインジゴ系顔
料、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業(株)
製)第四級アンモニウム塩P-51(オリエント化学工業
(株)製)、グロシンボントロンN-01(オリエント化学
工業(株)製)、スーダンチ−フシュバルツBB(ソルベ
ントブラック3:COLOR INDEX No.26150)、フェットシュ
バルツHBN(COLOR INDEX No.26150)、ブリリアントス
ピリッツシュバルツTN(ファルベン・ファブリッケン・
バイヤ社製)、ザボンシュバルツX(ファルベンケ・ヘ
キスト社製)、オイルブラック(COLOR INDEX No.2615
0)、オイルブラックBY(オリエント化学工業(株)
製)、ボントロンS-22(オリエント化学工業(株)
製)、ボントロンS-34(オリエント化学工業(株)
製)、ニグロシンSO(オリエント化学工業(株)製)、
サリチル酸金属錯体F-81(オリエント化学工業(株)
製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業(株)
製)、セレスシュバルツ(R)G(ファルベン・ファブ
リッケン・バイヤ社製)、クロモーゲンシュバルツETOO
(COLOR INDEX No.14645)、アゾオイルラック(R)
(ナショナル・アニリン社製)、イミダゾール系化合
物、ルナベール912(荒川化学社製)等を使用すること
ができるが、特にこれらのものに限定されるものではな
い。
なお、これらの荷電制御剤は、単独もしくは複数混合
させて使用することかできる。
また、前記の磁性微粉末としては、鉄粉その他の強磁
性金属粉、マグネタイト、γ−酸化第2鉄、フェライト
などを使用することができる。
また、前記のオフセット防止剤としては、各種のワッ
クス、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、あ
るいは酸化型のポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン系ワックスを好適に使用することができる。
一方、前記のように有機溶媒に少なくとも結着樹脂と
ビニル系単量体と重合開始剤とを溶解させた溶液を分散
させる分散媒体液には、上記の有機溶媒と相溶しない液
体であり、造粒後において有機溶媒を蒸発させる際に、
この分散媒体液があまり蒸発しないようにするため、有
機溶媒により沸点の高い液体を使用するようにし、好ま
しくは沸点が100℃の蒸発水を用いるようにする。
そして、この分散媒体液中において、前記の溶液を分
散させて造粒させるにあたっては、前記の溶液の分散及
び造粒がうまく行えるようにするため、この分散媒体液
に適当な分散安定剤及び/又は界面活性剤を添加させて
もよく、またシリカ等の親水性無機粒子を添加させても
よい。
さらに、この発明によって製造されるトナーの流動性
を向上させるため、後処理剤として、無機微粒子を添加
させることも可能であり、このような無機微粒子として
は、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、
シリカ・酸化アルミニウム混合物、シリカ・酸化チタン
混合物等を用いることができる。
また、この発明に係る方法で製造されたトナーは、二
成分系現像剤、一成分系現像剤(磁性および非磁性)の
いずれにも使用することができる。
ここで、このトナーを二成分系現像剤として使用する
場合には、キャリア粉、例えば、フェライトキャリア、
コーティングキャリア、鉄粉キャリア・複合荷電面を有
するキャリア等の公知のものと一緒に用いることができ
る。
[実施例] 以下、この発明の実施例に係るトナーの製造方法を具
体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施
例に係る方法で製造されたトナーが、比較例の方法で製
造されたトナーに比べて、クリーニング性等の点におい
て優れていることを明らかにする。
(実施例1) この実施例においては、有機溶剤としてジクロルメタ
ンを使用すると共に、結着樹脂としてガラス転移点58℃
のポリエステル樹脂(花王(株)製,NE-382)を、ビニ
ル系単量体としてスチレンとブチルメタクリレートとの
混合物(重量比7:3)を、重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチルニトリルを使用した。
そして、上記の有機溶剤ジクロルメタン500ml(663重
量部)中に、上記の結着樹脂100重量部と、上記のビニ
ル系単量体50重量部と、上記の重合開始剤と、さらに顔
料(Lionol Red FG 4213)3重量部と、荷電制御剤(オ
リエント化学(株)製,E-81)4重量部とを加えた溶液
を調製した。
一方、分散媒体液としては、蒸留水を用いた5%アラ
ビアゴム水溶液を使用するようにした。
そして、上記の溶液をこの5%アラビアゴム水溶液中
に投入し、これを特殊機化工業(株)製のT.K AUTO HOM
O MIXER(商品名)によって7000rpmで30分間攪拌させ
て、分散液を調製した。
次いで、この分散液を50℃に昇温させ、これを攪拌し
ながら8時間で有機溶媒のジクロルメタンを蒸発させる
と共に、造粒された粒子中における上記のビニル系単量
体を重合させた。
その後は、上記の分散液を濾過し、得られた粒子を蒸
留水5lで水洗した後、この粒子を乾燥させた。
そして、このように乾燥された粒子を風力分級機によ
って分級し、平均粒径4.2μmになったトナーを製造し
た。
このようにして製造されたトナーは、その表面に凹凸
が形成された不定形のものになっていた。
(比較例1) この比較例のものにおいては、上記実施例1のものに
おいて、上記のビニル系単量体と重合開始剤とを用いな
いようにすると共に、分散液を昇温させる温度を90℃に
し、それ以外については、上記実施例1の場合と同様に
して、平均粒径が4.3μmになったトナーを製造した。
なお、このようにして製造されたトナーは、上記実施
例1で製造されたトナーと異なり、真球に近い形状にな
っていた。
(実施例2) この実施例のものにおいては、有機溶剤に上記実施例
1と同じジクロルメタンを使用する一方、結着樹脂には
ガラス転移点68℃のポリエステル−スチレン−アクリル
樹脂(三洋化成(株)製,ハイマーCE202B)を、ビニル
系単量体にはスチレンとブチルメタクリレートとメタク
リル酸との混合物(重量比7:2:1)を使用し、また重合
開始剤にはアゾビスイソブチルニトリルを用いるように
した。
そして、有機溶剤のジクロルメタン500ml(663重量
部)中に、上記の結着樹脂100重量部と、上記のビニル
系単量体70重量部と、上記の重合開始剤と、顔料(Lion
ol Red FG 4213)とを加えた溶液を調製した。
そして、この溶液を分散媒体液である5%アラビアゴ
ム水溶液中に投入し、これらの溶液を特殊機化工業
(株)製のT.K AUTO HOMO MIXER(商品名)によって700
0rpmで30分間攪拌させて、分散液を調製した。
次いで、この分散液を50℃に昇温させ、これを攪拌し
ながら8時間で有機溶媒のジクロルメタンを蒸発させる
と共に、造粒された粒子中における上記のビニル系単量
体を重合させた。
そして、上記の分散液を濾過し、得られた粒子を蒸留
水5lで水洗した後、この粒子を乾燥させ、このように乾
燥された粒子を風力分級機により分級して、平均粒径が
約4μmになった粒子を得た。
次いで、この実施例のものにおいては、上記のように
して得られた粒子100重量部に対して、荷電制御剤(オ
リエント化学(株)製,E-81)1重量部を混合させ、こ
の混合物をバイブリダイゼーションシステム(奈良機械
(株)製)により70m/secで3分間処理して、平均粒径
が4.2μmになったトナーを製造した。
なお、このようにして製造されたトナーも、上記実施
例1で製造されたトナーと同様に、その表面に凹凸が形
成された不定形のものになっていた。
(実施例3) この実施例のものにおいては、有機溶剤に上記の各実
施例と同じジクロルメタンを使用する一方、結着樹脂に
はガラス転移点63℃,数平均分子量Mn8000,分子量分布
(Mw/Mn)3.0のスチレン−アクリル樹脂を、ビニル系単
量体にはスチレンとブチルメタクリレートとの混合物
(重量比7:3)を、重合開始剤には和光純薬(株)製のV
-65(商品名)を用いるようにした。
そして、有機溶剤のジクロルメタン500ml(663重量
部)中に、上記の結着樹脂100重量部と、上記のビニル
系単量体30重量部と、上記の重合開始剤と、さらに顔料
(Lionol Red FG 4213)3重量部と、荷電制御剤(オリ
エント化学(株)製,E-81)4重量部とを加えた溶液を
調製した。
そして、この溶液を分散媒体液である5%アラビアゴ
ム水溶液中に投入し、これらの溶液を特殊機化工業
(株)製のT.K AUTO HOMO MIXER(商品名)によって700
0rpmで30分間攪拌させて、分散液を調製した。
次いで、この分散液を50℃に昇温させ、これを攪拌し
ながら8時間で有機溶媒のジクロルメタンを蒸発させる
と共に、造粒された粒子中における上記のビニル系単量
体を重合させた。
その後は、上記の分散液を濾過し、得られた粒子を蒸
留水5lで水洗した後、この粒子を乾燥させた。
そして、このように乾燥された粒子を風力分級機によ
って分級し、平均粒径が4.1μmになったトナーを製造
した。
なお、このようにして製造されたトナーも、上記実施
例1,2で製造された各トナーと同様に、その表面に凹凸
が形成された不定形のものになっていた。
次に、上記のようにして製造した実施例1〜3及び比
較例1の各トナーについて、そのクリーニング性及び透
光性を評価した。
先ず、クリーニング性を評価するにあたっては、実施
例1〜3及び比較例1の各トナーを、市販の有機感光体
に対して常時0.8mg/cm2の量で静電的に付着させ、この
ようにトナーが付着された感光体を、周速350mm/secで
回転させると共に、この感光体の表面に、ブレードを常
時圧接させて、感光体表面に付着されたトナーをクリー
ニングするようにした。
なお、感光体に圧接させる上記のブレードには、ショ
アー硬度が70度,エッジ精度が20μmのものを使用し、
このブレードを上記の感光体に対して、圧接角16度,圧
接力2〜2.5g/mmで圧接させるようにした。
そして、このように感光体表面に付着されたトナーを
ブレードによってクリーニングし、3時間経過後におい
て、この感光体表面におけるトナーのフィルミングの状
況を顕微鏡で観察して、トナーのクリーニング性を評価
した。
その結果は、下記の第1表に示す通りであった。
なお、同表におけるクリーニング性の評価について
は、フィルミングが全くない場合を3、若干のフィルミ
ングは発生しているが、その感光体を用いて画像形成を
行っても画像上問題ない場合を2、フィルミングが発生
して画像上も問題がある場合を1で表示した。
また、透光性を評価するにあたっては、オーバーヘッ
ドプロジェクター(OHP)シート上に、上記の実施例1
〜3及び比較例1の各トナーを0.6mg/cm2で一様に載
せ、市販の複写機(ミノルタカメラ(株)製,EP570Z)
に搭載されている定着器をオイル塗布型に改良した定着
器に、これらのシートを通した後、これらのシートに定
着された各トナーの透光性を評価し、その結果を上記の
クリーニング性と合わせて、下記の第1表に示した。
なお、透光性の評価については、にごりがなくて完全
に透光性がある場合を3、若干暗く感じられるが実用上
は全く問題がない場合を2、実用不可能な場合を1で表
示した。
この結果から明らかなように、この発明の実施例1〜
3において製造された各トナーは、トナーの透光性が低
下することなく、そのクリーニング性が比較例1のもの
に比べて著しく向上していた。
また、上記実施例1〜3のようにしてトナーを製造し
た場合には、平均粒径が約4μm程度のトナーを85%以
上の高い収率で製造することができ、従来の粉砕法に比
べて、粒径の小さいトナーを高い収率で得ることができ
た。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明に係るトナーの製造方
法においては、有機溶媒に少なくとも結着樹脂とビニル
系単量体と重合開始剤とを溶解させた溶液を、分散媒体
液中で分散させて造粒した後、有機溶媒を蒸発させると
共にビニル系単量体を重合させてトナーを製造するよう
にしたため、造粒させる条件等を調整することによっ
て、平均粒径が2〜6μm程度になった小粒径のトナー
を、従来の粉砕法に比べて高収率で製造することができ
た。
また、この発明に係る方法でトナーを製造すると、そ
の造粒時にトナー粒子が真球に近い形状になっていて
も、その後、ビニル系単量体がトナー粒子中で重合する
際の収縮等によって、そのトナー粒子表面に十分な凹凸
が形成されて不定形になったトナーが得られるようにな
った。
この結果、この発明に係る方法で製造されたトナーを
画像形成装置に使用し、このトナーを感光体の表面から
ブレードクリーニング方式等によって除去する場合、従
来の懸濁造粒法によって製造された真球に近い形状のト
ナーのように、トナーがブレードクリーナーをすり抜け
てしまうということがなく、トナーが感光体の表面から
確実に除去されるようになり、従来のように、トナーが
感光体の表面に融着して形成される画像に黒筋状のノイ
ズが発生するということもなくなり、高品位な画像が安
定して得られるようになった。
さらに、この発明に係る方法で製造されたトナーは、
上記のようにその表面に十分な凹凸が形成された不定形
になっているため、従来の懸濁造粒法によって製造され
た真球に近い形状のトナーに比べて、キャリアとの摩擦
がうまく行われ、トナーがキャリアとの摩擦によって十
分に帯電されるようになり、従来のように、画像形成を
行う際に、トナーが飛散するということもなくなった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−309070(JP,A) 特開 平1−102471(JP,A) 特開 平1−252976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒に少なくとも結着樹脂とビニル系
    単量体と重合開始剤とを溶解させ、この溶液を分散媒体
    液中で分散させて造粒した後、上記の有機溶媒を蒸発さ
    せると共に上記のビニル系単量体を重合させるようにし
    たことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】前記結着樹脂がポリエステル系樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載したトナーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記有機溶媒に溶解させる結着樹脂の量
    が、有機溶媒に対して5〜50重量%であることを特徴と
    する請求項1に記載したトナー製造方法。
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