JP2892478B2 - 抗菌性吸水シート又はフイルム - Google Patents

抗菌性吸水シート又はフイルム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は抗菌性を有する吸水性シートまたはフイルム
に関するものである。
(従来の技術) 有機高分子体に抗菌性を付与する方法として、各種の
方法が検討されている。それらの中で、特開昭58−7361
号公報は、抗菌作用を有する金属を保持させたゼオライ
トを有機高分子体に練り込んで成形する方法を、特開昭
63−139556号公報は、抗菌作用を有する金属イオンをイ
オン交換して保持しているゼオライト、吸水性樹脂及び
皮膜成形性樹脂よりなる抗菌吸水性シート又はフイルム
を開示している。これらの方法はいずれもゼオライトの
すぐれた付着能、吸着能及びイオン交換能を利用し、抗
菌性金属イオンをゼオライトに付着、吸着又はイオン交
換により保持させ、それを有機高分子体に練り込んで使
用するものである。抗菌性金属イオンを付着又は吸着に
よりゼオライトに保持させる方法は、簡単な方法で金属
イオンが保持でき、その保持量も広範囲に変化させえる
という利点を有するが、多量に保持させるとゼオライト
の構造が損われ、その多孔性、比表面積が小さくなり、
保持力が弱まり、高分子体に練り込んで成形すると、場
合によってはそれらの金属イオンが経時的にゼオライト
より遊離し、抗菌効果及びその持続性が劣化するととも
に、遊離した金属イオンにより思わぬ変質及び薬害をこ
うむることがあるなどの欠点を有している。一方吸水性
シートはシートが吸水するので、付着又は吸着により金
属イオンを保持させたゼオライトを抗菌性材料として使
用すると、前記した金属イオン保持ゼオライトの欠点が
よりあらわれ易くなる。従って吸水性シート又はフイル
ムを目的とした特開昭63−139556号公報では、これらの
欠点を消去するため、使用するゼオライトの種類及び保
持させる金属イオンの量を限定し、金属イオンの保持法
をイオン交換法に限定する旨規定している。このため特
開昭63−139556号公報による抗菌吸水性シート又はフイ
ルムは、比較的安全に長時間使用できるが、それでも使
用中に金属イオンが極く微量ながらシート又はフイルム
から溶出することは避けられない。従って抗菌性金属と
して銀を使用した場合には、時間と共に変色を生じ抗菌
性も低下する。又かかるイオン交換ゼオライトの製造も
手間のかかる問題である。
(本発明が解決しようとする課題) 前記したように特開昭63−139556号公報による抗菌吸
水性シート又はフイルムは、材料として使用する抗菌性
ゼオライトの製法が複雑である上、抗菌性金属イオンの
溶出が極微量であるが、経時的に溶出イオンによる変質
を生じ抗菌性が僅かながら低下する。例えば抗菌金属と
して銀を使用すると長時間の間に変色して抗菌力を低下
させる。本発明はかかる欠点を示さない、例えば銀を使
用しても変色を生ぜず、抗菌力の低下が殆んど認められ
ない、抗菌吸水性シート又はフイルムを提供することを
目的とし、具体的には、簡単に製造でき、抗菌性金属の
溶出がイオン交換ゼオライトより著しく少く、抗菌力も
強い抗菌性金属保持物を特開昭63−139556号公報におけ
る抗菌性ゼオライトの代りに使用した抗菌吸水性シート
又はフイルムを提供するものである。
(課題を解決するための手段及び作用) 前記の目的を達成するため、本発明では特開昭63−13
9556号公報において使用されている抗菌性イオン交換ゼ
オライトの代りに、抗菌性金属又は金属イオンを担持さ
せたカルシウム系セラミックスの焼成物を使用する。本
発明に使用するカルシウム系セラミックスはリン酸カル
シウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム及びハイドロ
キシアパタイトより、抗菌性金属又は金属イオンは銀、
銅及び亜鉛より選ばれた金属又はそのイオンより選択さ
れるが、セラミックスとしては、ハイドロキシアパタイ
ト、抗菌性金属又は金属イオンとしては、銀及び亜鉛
が、特に好ましいと云える。ハイドロキシアパタイトは
Ga10(PO4)6(OH)2なる組成を有し、骨の主成分であり、
生体成分及び有機物との親和性が良く、各種の有機物を
強く吸着し、イオン交換能を有しているので、本発明に
使用するセラミックスとして最適であるが、化学量論的
Ca/Pモル比を有するハイドロキシアパタイトの合成はあ
る種の困難を伴う。然しながらCa/Pモル比1.4〜1.8を有
するハイドロキシアパタイト混合物を容易に合成され、
かかる合成品もハイドロキシアパタイト同様セラミック
スとして本発明で使用可能である。本発明に使用する抗
菌性セラミックスは常法によるセラミックスの製造時抗
菌性金属の水溶性塩を共存させるか、或はセラミックス
を抗菌性金属塩の水溶液で処理してえられた固体を充分
水洗後乾燥し、高温、好ましくは800℃以上で焼成後微
粉砕してえることができる。例えば常法により水酸化カ
ルシウム溶液とリン酸とよりハイドロキシアパタイトを
合成する過程において、抗菌金属の水溶性塩を共存させ
ることによりえられた固体を水洗、乾燥、焼成後、微粉
砕して抗菌性ハイドロキシアパタイトをえる。或はハイ
ドロキシアパタイトを抗菌性金属塩の水溶液に添加し撹
拌後固体を採取し、水洗、乾燥、焼成、微粉砕して抗菌
性ハイドロキシアパタイトをえる。他の抗菌性カルシウ
ム系セラミックスも同様にして容易にえることができ
る。これらセラミックスに担持させる金属又は金属イオ
ンの量は任意に選択することが可能であるが、その量が
多いと、使用するセラミックスの構造が変化し、担持力
が弱くなり、担持された金属又は金属イオンがセラミッ
クスより遊離し、思わぬ薬害を示すことがあるので、多
量の担持は避けるべきである。セラミックスの構造保持
及び抗菌性の問題より、担持量は50重量%以下、好まし
くは30〜0.001重量%である。
えられた抗菌性セラミックスは用途に応じて、例えば
数ミクロン〜数10ミクロン、或は数100ミクロンなどの
微粒子に粉砕して使用される。かかる抗菌性セラミック
スに混合される吸水性樹脂は、デンプン・アクリル酸塩
のグラフト重合体、カルボキシメチルセルロース架橋
体、ビニルアルコール・アクリル酸塩共重合体、ポリア
クリロニトリル加水分解物、架橋ポリアクリル酸塩、変
性ポリビニルアルコール、アクリル酸塩重合体、アクリ
ル酸塩・アクリルアミド共重合体又はイソブチレン・無
水マレイン酸共重合体、その他吸水性を有する樹脂より
任意に選択するが、抗菌性セラミックス及び吸水性樹脂
の混合量は得られるシート又はフイルム重量に対し、抗
菌性セラミックス0.01〜50重量%、吸水性樹脂10〜80重
量%であり、とくに抗菌性セラミックス0.1〜10重量
%、吸水性樹脂10〜60重量%が好ましいと云える。これ
ら成分以外、シート又はフイルムを作るために通常用い
られている任意の皮膜形成樹脂、例えば塩ビ樹脂、エチ
レン酢ビ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコン
樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどが添加使用される。
本発明の抗菌性セラミックスは抗菌性金属塩をセラミ
ックスに担持させた後、高温、好ましくは800℃以上で
焼成されているので、セラミックスが収縮するととも
に、担持させた金属塩は金属又は金属イオンに変化し、
そのセラミックスへの結合力が強化され、吸水時、金属
又は金属イオンの水相への遊離を生じない。このため吸
水シート又はフイルムは長期間にわたり変質を生ぜず、
当初の抗菌力を保持するとともに、使用中薬害を及ぼす
ことがない。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
例1 使用した抗菌性カルシウム系セラミックスの製造例1−
1.抗菌性ハイドロキシアパタイトの製造 10lの蒸留水にハイドロキシアパタイト1.0kg、硝酸銀
32g、硝酸亜鉛69gを加え、撹拌する。生成物を蒸留水で
良く洗い、乾燥、1,200℃で焼成し、粉砕して銀を約2
%、亜鉛を約1.5%担持した抗菌性ハイドロキシアパタ
イトを得た(1−1)。
例1−2.抗菌性リン酸三カルシウムの製造 10lの蒸留水にリン酸三カルシウム1.0kg、硝酸銀30
g、硝酸亜鉛45gを加え、撹拌する。生成物を蒸留水で良
く洗い、乾燥、1,100℃で焼成し、粉砕して銀を約0.5
%、亜鉛を約1%担持した抗菌性リン酸三カルシウムを
得た(1−2)。
例1−3.抗菌性炭酸カルシウムの製造 10lの蒸留水に炭酸カルシウム1.0kg、硝酸銀0.01gを
加え、撹拌する。生成物を蒸留水で良く洗い、乾燥、80
0℃で焼成し、粉砕して銀を約0.0001%担持した抗菌性
炭酸カルシウムを得た(1−3)。
例1−4.抗菌性珪酸カルシウムの製造 10lの蒸留水に珪酸カルシウム1.0kg、硝酸銀180g、硝
酸銅200gを加え、煮沸しながら撹拌する。生成物を蒸留
水で良く洗い、乾燥、1,200℃で焼成し、粉砕して銀を
約10%、銅を約5%担持した抗菌性珪酸カルシウムを得
た(1−4)。
例2 アクリル酸・ビニルアルコール共重合体30重量
%、エチレン酢ビ共重合体65重量%及び例1で製造した
抗菌性カルシウム系セラミックス5重量%を混合し、加
工温度120℃でミキサーで練り込み、熱プレス機によ
り、夫々の抗菌性カルシウムセラミックスを含有する厚
さ1mmのシート4枚をえた。
比較例 抗菌性カルシウム系セラミックスの代りに市販の抗菌
性ゼオライト(ゼオミック,銀2%)を使用した以外は
例2と同様に行い抗菌性ゼオライト含有の厚さ1mmのシ
ートをえた。
例3 金属イオン溶出試験 例1−1〜1−4でえられた抗菌性カルシウムセラミ
ックス及び前記市販抗菌性ゼオライト(Aと記す)の夫
々1gを蒸留水100ml中に加え、30分撹拌した後、原子吸
光分光々度計を用いて溶液中の金属イオンを測定し、そ
の溶出量を求めた。
焼成抗菌性カルシウム系セラミックスの金属溶出量は
抗菌性ゼオライトに比し著しく少いことを示している。
例4 変色試験 (1)銀を1重量%担持させた焼成抗菌性ゼオライト及
び担体ゼオライト;銀を1重量%イオン交換したゼオラ
イト及び担体ゼオライトを夫々6ヶ月室内に放置し、そ
の白色の変化を測定した。
以上の結果より、銀含有ハイドロキシアパタイト
(銀、1%含有)を6カ月間室内放置した場合でも、全
く変色しないことがわかる。なお、Agイオンをわずかに
溶出する銀含有ゼオライトにおいては変色が激しく、白
色度の大きな低下が見られた。
(2)例2で作成した例1−1によりえられた抗菌性ハ
イドロキシアパタイト含有シート及び比較例でえられた
抗菌性ゼオライト含有シートを室内に放置した。抗菌性
ゼオライト含有シートは半年後若干の変色及び1年後に
は相当の変色を認めたが、抗菌性ゼオライト含有シート
は1年後も変色を認めなかった。
例5 抗菌力試験 例2において作成した4種類のシートを5×5cmに切
断し、吸水させた後大腸菌菌液を噴霧し、大腸菌に対す
る抗菌力を測定した。
試料1−1とは例1−1により製造した抗菌性カルシ
ウム系セラミックス含有のシートであることを意味して
いる。
(発明の効果) 吸水シート又はフイルムに使用された抗菌性カルシウ
ム系セラミックスは、吸水時担持した金属又は金属イオ
ンを溶出することがないので、溶出した金属イオンによ
る変質を、本発明による吸水シート又はフイルムをこう
むらない上、従来の抗菌性吸水シート又はフイルムと同
等の抗菌力を有している。
フロントページの続き (72)発明者 光山 秀男 東京都中央区築地2丁目11番10号 (築 地中央ビル)株式会社サンギ内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 2/16 A01N 59/00 - 59/26 C08J 5/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀、銅及び亜鉛からなる群から選ばれた少
    くとも1つの金属及び/又は金属イオンを担持させた抗
    菌性カルシウム系セラミックス化合物の焼成物、吸水性
    樹脂及び皮膜形成樹脂よりなる抗菌性吸水シート又はフ
    イルム。
  2. 【請求項2】抗菌性カルシウム系セラミックス及び吸水
    性樹脂の含量が吸水性シート又はフイルムの重量に対し
    0.01〜50%及び1〜80%である請求項(1)の吸水シー
    ト又はフイルム。
  3. 【請求項3】カルシウム系セラミックスがハイドロキシ
    アパタイトである請求項(1)又は(2)の吸水性シー
    ト又はフイルム。
  4. 【請求項4】焼成温度が800℃以上である請求項(1)
    乃至(3)いずれか1項の吸水性シート又はフイルム。
  5. 【請求項5】金属及び/又は金属イオンが銀及び亜鉛で
    ある請求項(2)乃至(4)いずれか1項の吸水性シー
    ト又はフイルム。
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