JP2892339B1 - 電磁波遮蔽用スクリーン - Google Patents

電磁波遮蔽用スクリーン

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JP2892339B1
JP2892339B1 JP36861597A JP36861597A JP2892339B1 JP 2892339 B1 JP2892339 B1 JP 2892339B1 JP 36861597 A JP36861597 A JP 36861597A JP 36861597 A JP36861597 A JP 36861597A JP 2892339 B1 JP2892339 B1 JP 2892339B1
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政幸 鈴木
敏和 鈴木
勝祥 安藤
定雄 黒木
徹 横溝
栄治 川端下
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株式会社鈴寅
エヌ・ビー・シー工業株式会社
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Abstract

【要約】 【課題】 電磁波遮蔽用スクリーンの開口率を増
大し、光透過性を向上して明るい映像が得られるように
し、しかも電磁波遮蔽機能および可視光反射率を従来と
同じ程度に維持する。 【解決手段】 合成繊維のモノフィラメントを経糸お
よび緯糸に用いた薄地織物にスパッタリング加工を施す
ことにより、上記の経糸および緯糸を、導電性および軟
質磁性を備えた合金のスパッタ蒸着膜と、導電性カーボ
ンからなるスパッタ蒸着膜とで二重に被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光透過性の電磁
波遮蔽用スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル等に使用さ
れる光透過性の電磁波遮蔽用スクリーンとして、ポリエ
ステルフィラメントを経糸および緯糸として製織された
メッシュ状または紗状の薄地織物を無電解メッキ法でメ
ッキすることにより、薄地織物を構成する経緯のモノフ
ィラメントに銅製の導電性被膜およびニッケル製の透磁
性被膜を順に積層し、しかるのち上記ニッケルの透磁性
被膜上にディッピング法で導電性カーボンからなる導電
性黒色被膜を形成して映像を見易くしたものが知られて
いる。また、軟鉄またはステンレス鋼のような金属製の
フィラメントを経糸および緯糸とするネット状織物のフ
ィラメントに上記の導電性カーボンからなる導電性黒色
被膜を直接形成したものも知られている。
【0003】しかしながら、従来は、銅製の導電性被膜
およびニッケル製の透磁性被膜をそれぞれ無電解メッキ
法でメッキし、導電性カーボンの導電性黒色被膜をディ
ッピング法で形成していたので、被膜の厚さがポリエス
テルフィラメントを用いたものでは3層の合計で1.5
〜7μm程度に、また金属製のフィラメントを用いたも
のでは1層のみで0.5〜1μm程度と厚くなり、その
ためスクリーンの開口率が低下し、スクリーンを透過す
る光量が減少して画像が暗くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、被膜の形
成をスパッタリング加工で行うことにより、被膜の厚さ
を薄くして電磁波遮蔽用スクリーンの開口率を増大し、
もってこのスクリーンの光透過性を向上して映像を明る
くし、しかも電磁波シールド性能および可視光反射率を
従来程度に維持するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1の電
磁波遮蔽用スクリーンは、請求項1に記載のごとく、経
糸および緯糸が導電性および透磁性を備えた細いモノフ
ィラメントからなる多孔状の薄地織物であり、上記のフ
ィラメントにおける薄地織物の少なくとも片側部分が導
電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜で被覆された電磁
波遮蔽用スクリーンにおいて、上記のモノフィラメント
が軟鉄またはステンレス鋼からなる線径15〜500μ
mの金属線であり、導電性カーボンからなるスパッタ蒸
着膜表面の可視光反射率が10%以下であることを特徴
とする。
【0006】また、この発明に係る第2の電磁波遮蔽用
スクリーンは、請求項2に記載のごとく、経糸および緯
糸が導電性および透磁性を備えた細いモノフィラメント
からなる多孔状の薄地織物であり、上記のフィラメント
における薄地織物の少なくとも片側部分が導電性カーボ
ンからなるスパッタ蒸着膜で被覆された電磁波遮蔽用ス
クリーンにおいて、上記のモノフィラメントが線径15
〜500μmのポリエステルモノフィラメントからなる
芯線を銅・ニッケル合金またはステンレス鋼からなるス
パッタ蒸着膜で被覆したものであり、導電性カーボンか
らなるスパッタ蒸着膜表面の可視光反射率が10%以下
であることを特徴とする。
【0007】上記の金属線としては、軟鉄線やステンレ
ス鋼線が例示されるが、これらの金属線は製織し難い反
面、導電性および透磁性を付与するための被膜を設ける
必要がなく、それだけスクリーンの開口率を大きくする
ことができる。ただし、線径15μm未満では、細過ぎ
て強度が低下し、製織に際して扱い困難になり、反対に
500μmを超えると剛性の増大により製織困難にな
り、かつスクリーンとしての開口率が不足する。
【0008】一方、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル繊維からなる芯線を用いた場合は、導電性お
よび透磁性を付与するためにスパッタ蒸着膜を設ける必
要があり、被膜の合計厚みが大きくなり、スクリーンの
開口率が小さくなる反面、製織が著しく容易になる。た
だし、線径が15μm未満では、細過ぎて強度が低下し
て製織困難になり、反対に500μmを超えるとスクリ
ーンとしての開口率が不足する。なお、合成繊維の中で
特に上記ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
繊維を用いることにより、スパッタ蒸着膜の接着性が良
好になる。
【0009】この発明の薄地織物は、紗やメッシュのよ
うな多孔状のもので、好ましくは目ずれの生じ難い平織
に製織される。そして、請求項1に記載の金属線からな
る薄地織物においては、直接スパッタリング加工によ
り、その表裏両面または片面に導電性カーボンからなる
蒸着膜が形成される。この蒸着膜は、真空の密閉チャン
バー内に薄地織物を広げ、その片面に導電性カーボンを
スパッタ蒸着させることにより形成される。このスパッ
タ蒸着膜を表裏両面に設ける場合は、このスパッタ蒸着
を表面と裏面に2回に分けて行う必要があるが、片面の
みに設ける場合は、蒸着の工数が半減する。
【0010】表裏の片面に導電性カーボンをスパッタ蒸
着した電磁波遮蔽用スクリーンは、導電性カーボンのス
パッタ蒸着面がプラズマディスプレイパネルの前面を向
くように取付けることにより、美しい画面が得られ、上
記導電性カーボンのスパッタ蒸着面を設ける目的が達成
される。他方、表裏両面に導電性カーボンをスパッタ蒸
着した場合は、プラズマディスプレイパネルに取付ける
に際し、表裏のいずれを前面に向けてもよい。
【0011】なお、上記薄地織物の目の粗さは、50〜
300メッシュが好ましく、50メッシュ未満では目ず
れが生じ易く、300メッシュを超えると開口率が小さ
くなって透過光量が不足する。また、上記導電性カーボ
ンからなるスパッタ蒸着膜の厚さは、請求項4に記載の
ごとく、100〜1000Åが好ましく、これによって
膜厚を従来のディッピング膜の1/10以下に薄くし、
かつ可視光反射率を従来程度に維持することができ、し
かもスパッタ蒸着膜であるため、剥離強度に優れてい
る。ただし、上記蒸着膜の厚さが100Å未満では可視
光反射率が10%を超える結果になり、反対に1000
Åを超えると開口率が不足し、かつコスト的に不利とな
る。
【0012】上記の金属線に代えて合成繊維モノフィラ
メントからなる芯線を用いる場合は、この合成繊維モノ
フィラメントを経糸と緯糸に用いて紗やメッシュ等の多
孔状の薄地織物、好ましくは平織物を製織し、しかるの
ちその表裏両面にスパッタリングして上記芯線上に導電
性および透磁性を有する合金のスパッタ蒸着膜を形成
し、更にその少なくとも片面に導電性カーボンのスパッ
タ蒸着膜を形成する。上記の合金としては、洋白、モネ
ルメタル等の銅・ニッケル合金等が例示され、この場合
はスパッタリング加工時のターゲットを上記の銅・ニッ
ケル合金で作ることができる。また、ターゲットを銅と
ニッケルの複合形態としてもよく、この場合はターゲッ
トにおける銅とニッケルの面積比率によって蒸着膜にお
ける銅とニッケルの成分比を任意に設定できる。また、
ステンレス鋼は、スパッタ蒸着を行うと透磁性が発現す
るので、ターゲット材料として使用可能である。
【0013】次いで、上記合金のスパッタ蒸着膜を設け
た織物の少なくとも片側からスパッタリングすることに
より、薄地織物の表裏に対してモノフィラメント(上記
合金のスパッタ蒸着膜で被覆された芯線)の少なくとも
片側部分に導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜が前
記同様に形成される。得られた電磁波遮蔽用スクリーン
は、片面に導電性カーボンをスパッタ蒸着したものにあ
っては、導電性カーボンのスパッタ蒸着面がプラズマデ
ィスプレイパネルの前面を向くように取付けて使用さ
れ、表裏両面に導電性カーボンをスパッタ蒸着したもの
にあっては、表裏を考慮せずにプラズマディスプレイパ
ネルに取付けて使用される。
【0014】上記の合成繊維を用いた薄地織物の目の粗
さは、金属線を経緯とする織物と同様に50〜300メ
ッシュが好ましい。また、導電性および透磁性を有する
合金のスパッタ蒸着膜の厚さは、請求項3に記載のごと
く1000〜10000Åが好ましく、これによって上
記の合金からなる1層のスパッタ蒸着膜で導電性と透磁
性を与えることができ、従来の無電解メッキ法で形成し
た銅製の導電性被膜およびニッケル製の透磁性被膜から
なる2層構造の被膜と同等の機能を与え、しかも被膜層
数を半分にし、厚みを従来の合計厚みの1/6以下に薄
くすることができ、更にスパッタ蒸着膜であるため剥離
強度に優れる。ただし、上記合金のスパッタ蒸着膜の厚
さが1000Å未満では、電磁波シールド性が劣り、1
0000Åを超えると加工性および開口率が低下し、か
つ不経済である。なお、導電性カーボンからなるスパッ
タ蒸着膜の厚さは、前記同様に100〜1000Åが好
ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の電磁波遮蔽用
スクリーンを構成する糸の断面を示し、10Aは軟鉄か
らなる線径15〜500μmのモノフィラメント11の
全面を導電性カーボンからなる厚さ100〜1000Å
のスパッタ蒸着膜12で被覆したものである。10B
は、ポリエチレンテレフタレートからなる芯線13の全
面を導電性および透磁性を有する合金(銅・ニッケル合
金またはステンレス鋼)からなる厚さ1000〜100
00Åのスパッタ蒸着膜14で被覆してモノフィラメン
トとし、更にその全面を導電性カーボンからなる厚さ1
00〜1000Åのスパッタ蒸着膜12で被覆したもの
である。10Cは、10Bの導電性カーボンからなる厚
さ100〜1000Åのスパッタ蒸着膜12を合金から
なるスパッタ蒸着膜14の片側半分に設けたものであ
る。
【0016】実施形態1 軟鉄またはステンレス鋼からなる線径15〜500μm
のモノフィラメント11を経糸、緯糸に用い、50〜3
00メッシュの薄地織物を製織し、その表裏両面にスパ
ッタリング加工を施し、上記フィラメント11の全面に
導電性カーボンからなる厚さ100〜1000Åのスパ
ッタ蒸着膜12を形成する。図2は、用いるスパッタリ
ング装置の一例を示す縦断面図であり、密閉可能なチャ
ンバ20の下部に導電性カーボンからなる平板状のター
ゲット21が表面を上にして中空のターゲットソース2
2上に固定され、このターゲットソース22に通される
冷水によってターゲット21が下面から冷却される。こ
のターゲット21の上方左右にアノード23が水平に設
置され、このアノード23およびターゲット21間に直
流電源Eによって500〜1000Vの直流電圧が印加
される。
【0017】上記アノード23の上方に水冷シリンダー
24が水平に、かつ回転自在に設置され、その右上方に
加工前の薄地織物Fの送り出し軸25が、また左上方に
加工後の薄地織物Fの巻取り軸26がそれぞれ水平に、
かつ回転自在に設置され、送り出し軸25に巻かれた加
工前の薄地織物Fが引出され、右上部のガイドローラ2
7を経て上記水冷シリンダー24に巻回され、左上部の
ガイドローラ28を経て巻取り軸26に巻取られる。ま
た、チャンバ20に真空ポンプ29およびアルゴンガス
供給用のガスボンベ30がそれぞれ接続される。
【0018】上記の装置において、送出し軸25、巻取
り軸26および水冷シリンダー24を回転し、薄地織物
Fを時計方向に所定の速度で送りながら水冷シリンダー
24で冷却する。一方、真空ポンプ29を駆動してチャ
ンバ20内圧力を5×10-5Torr程度に減圧し、次いで
ガスボンベ30からアルゴンガスを導入してチャンバ2
0内圧力を5×10-4Torr程度に調整し、しかるのち上
記のアノード23およびターゲット21間に直流電圧を
印加してターゲット21からカーボン原子を飛び出さ
せ、薄地織物F上に付着させて導電性カーボンからなる
アモルファス構造のスパッタ蒸着膜12を形成する。こ
のとき、薄地織物Fの送り速度を調整して上記蒸着膜1
2の厚さを100〜1000Åに形成する。
【0019】このようにしてスパッタリング加工が進
み、送り出し軸25に巻かれた薄地織物Fの全体が巻取
り軸26に移行し終わると、薄地織物Fの表裏を反転
し、薄地織物Fの蒸着面が水冷シリンダー24に接する
ように取付け、しかるのち上記同様にして薄地織物Fの
反対側に導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜12を
形成して開口率40〜75%、10〜1000MHz帯の
電磁波に対するシールド率10〜100dB、可視光反射
率10%以下の電磁波遮蔽用スクリーンを得る。
【0020】実施形態2 実施形態1において、反対側のスパッタ蒸着を省略し、
薄地織物Fの片側のスパッタリング加工が終わった段
階、すなわちフィラメント11の片側半分のみにスパッ
タ蒸着膜12を形成して開口率40〜75%、10〜1
000MHz帯の電磁波に対するシールド率10〜100
dB、可視光反射率10%以下の電磁波遮蔽用スクリーン
とする。
【0021】実施形態3 実施形態1に用いた軟鉄線からなる薄地織物に図3のス
パッタリング装置で加工する。図3において、密閉可能
なチャンバ(図示されていない)の左右に導電性カーボ
ンからなる平板状のターゲット21、21がそれぞれ中
空のターゲットソース22上に固定され、前記同様に冷
却され、各ターゲット21の上方左右にアノード23が
水平に設置され、このアノード23およびターゲット2
1間に前記同様に直流電圧が印加される。
【0022】右側アノード23の上方に加工前の薄地織
物Fの送り出し軸25が、また左側アノード23の上方
に加工後の薄地織物Fの巻取り軸26がそれぞれ水平
に、かつ回転自在に設置され、送り出し軸25に巻かれ
た加工前の薄地織物Fが引出され、複数個のガイドロー
ラ27に案内され、送り出し軸25と右側アノード23
との間を通って上記送り出し軸25の回りを反時計方向
に回り、次いで送り出し軸25の左方の巻取り軸26の
回りを時計方向に回り、その間に巻取り軸26と左側ア
ノード23との間を通り、しかるのち巻取り軸26に巻
取られる。なお、薄地織物Fは、アノード23の真上を
通る際に、水冷装置(図示されていない)で冷却され
る。
【0023】上記図3の装置において、実施形態1と同
様のアルゴンガス雰囲気下で送出し軸25、巻取り軸2
6を回転し、薄地織物Fを送出し軸25から巻取り軸2
6に向かい、複数個のガイドローラ27に沿ってS字形
を描くように走行させ、その間に左右のアノード23、
ターゲット21間に直流電圧を印加すると、薄地織物F
が送出し軸25の下方を通る際に薄地織物Fの片側にス
パッタ蒸着膜12が形成され、次いで巻取り軸26の下
方を通る際に薄地織物Fの反対側にスパッタ蒸着膜12
が形成される。この場合は、1工程で薄地織物Fの表裏
両面にスパッタ蒸着膜12が形成される。
【0024】実施形態4 ポリエチレンテレフタレートのモノフィラメントからな
る線径15〜500μmの芯線13を経糸、緯糸に用
い、50〜300メッシュの薄地織物を製織し、精錬、
熱セット、乾燥の後、図3の装置を用い、薄地織物Fの
表裏両面にスパッタリング加工を施し、上記の芯線13
の全面に銅・ニッケル合金からなる導電性および透磁性
を備えた厚さ1000〜10000Åのスパッタ蒸着膜
14(図1の10B参照)を形成する。ただし、図3に
示す左右のターゲット21は、図4、5に示すように銅
およびニッケルの複合形態とする。すなわち、図4、5
において、ターゲット21は、銅板21aの表面に多数
の穴を掘り、この穴にニッケル製の栓21bを詰めて形
成される。スパッタ蒸着膜14における銅とニッケルの
成分比率は、ターゲット21の表面における銅およびニ
ッケルの表面積で設定される。次いで、上記のターゲッ
ト21を導電性カーボンと交換し、再びスパッタリング
加工を行い、上記銅・ニッケル合金からなるスパッタ蒸
着膜14の全面に導電性カーボンからなる厚さ100〜
1000Åのスパッタ蒸着膜12を形成して(図1の1
0B参照)、開口率40〜75%、10〜1000MHz
帯の電磁波に対するシールド率10〜100dB、可視光
反射率10%以下の電磁波遮蔽用スクリーンを得る。
【0025】実施形態5 上記の実施形態4において、導電性カーボンのスパッタ
リング加工を図2の装置で1回だけ行い、銅・ニッケル
合金からなるスパッタ蒸着膜14の片側半分に導電性カ
ーボンからなる厚さ100〜1000Åのスパッタ蒸着
膜12を形成する(図1の10C参照)。
【0026】実施形態6 実施形態4において、図3に示す左右のターゲット21
を洋白、モネルメタル等の銅・ニッケル合金で作る以外
は、実施形態4と同様にしてポリエチレンテレフタレー
トからなる芯線13を銅・ニッケル合金のスパッタ蒸着
膜14で被覆し、その全面を導電性カーボンのスパッタ
蒸着膜12で被覆する(図1の10B参照)。この場
合、銅・ニッケル合金製のターゲットに代えてステンレ
ス鋼製ターゲットを用いることができる。
【0027】実施形態7 実施形態6において、導電性カーボンのスパッタリング
加工を図2の装置で1回だけ行う以外は実施形態6と同
様にして、銅・ニッケル合金からなるスパッタ蒸着膜1
4の片側半分に導電性カーボンのスパッタ蒸着膜12を
形成する(図1の10C参照)。この場合、銅・ニッケ
ル合金製のターゲットに代えてステンレス鋼製ターゲッ
トを用いることができる。
【0028】
【実施例】実施例1 線径17μmの軟鉄線を経糸・緯糸に用いて300メッ
シュの平組織の薄地織物を製織し、図2のスパッタリン
グ装置を用いて上記薄地織物の片面に導電性カーボンを
スパッタリングし、この薄地織物の表裏に対して上記軟
鉄線(モノフィラメント)の片側部分を導電性カーボン
からなるスパッタ蒸着膜で800Åの厚さに被覆し、実
施例1の電磁波遮蔽用スクリーンを得た。この電磁波遮
蔽用スクリーンの開口率は57%、10〜1000MHz
帯の電磁波に対するシールド率は80dB、可視光反射率
は4%以下であった。
【0029】実施例2 ポリエチレンテレフタレートからなる線径27μmのモ
ノフィラメントを用いて250メッシュの平組織の薄地
織物を製織し、ソーダ灰の1%水溶液を用いて精錬し、
水洗、乾燥し、200℃で熱セットした後、図3のスパ
ッタリング装置を用いて上記薄地織物の両面にスパッタ
リング加工を施した。ターゲット21には、モネルメタ
ルを使用し、薄地織物の経糸および緯糸の全面を銅・ニ
ッケル合金からなる厚み5000Åのスパッタ蒸着膜で
被覆し、上記の経糸および緯糸を、導電性および透磁性
を有するモノフィラメントに形成した。
【0030】次いで、図2のスパッタリング装置を用
い、上記の導電性および透磁性を有するモノフィラメン
トからなる薄地織物に対してスパッタリング加工を施
し、この薄地織物の表裏に対して上記モノフィラメント
の片側部分を導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜で
800Åの厚さに被覆し、実施例2の電磁波遮蔽用スク
リーンを得た。この電磁波遮蔽用スクリーンの開口率は
52%、10〜1000MHz帯の電磁波に対するシール
ド率は50dB、可視光反射率は5%以下であった。
【0031】実施例3 上記の実施例2において、図3の装置によるスパッタリ
ング加工に際し、ターゲット21をステンレス鋼(SU
S33)製とする以外は実施例2と同様にして実施例3
の電磁波遮蔽用スクリーンを得た。この電磁波遮蔽用ス
クリーンの開口率は52%、10〜1000MHz帯の電
磁波に対するシールド率は50dB、可視光反射率は5%
以下であった。
【0032】
【発明の効果】上記のとおり、請求項1記載の電磁波遮
蔽用スクリーンは、導電性カーボンからなる被膜をスパ
ッタ蒸着膜とするものであるから、膜厚を従来のディッ
ピングによる被膜に比べて薄くして開口率を40〜75
%にすることが容易であり、かつ耐剥離性を向上するこ
とができ、また上記蒸着膜の可視光反射率が10%以下
であるため映像が見易くなり、しかも電磁波遮蔽機能を
従来程度に維持することができる。また、スクリーンの
構成モノフィラメントに軟鉄線を用いるので、スパッタ
蒸着膜は導電性カーボンの1層だけでよく、工数が少な
くなる。
【0033】請求項2に記載の電磁波遮蔽用スクリーン
は、スクリーンの構成モノフィラメントにポリエステル
繊維のモノフィラメントからなる芯線を用い、合金のス
パッタ蒸着膜1層で導電性および透磁性を与えたもので
あるから、従来の合成繊維モノフィラメントを用いたも
のに比べて被覆層の数を少なく、合計厚みを薄くし開口
率を大きくすることができ、かつ合金のスパッタ蒸着膜
の接着性が良い。
【0034】そして、請求項3に記載された電磁波遮蔽
用スクリーンは、導電性と透磁性を付与するための膜厚
を従来のメッキ法の1/6以下に薄くすることができ
る。また、請求項4に記載された電磁波遮蔽用スクリー
ンは、導電性カーボンの膜厚を従来のディッピング法に
比べて1/10以下に薄くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁波遮蔽用スクリーンの構成糸の断面図であ
る。
【図2】スパッタ装置の一例を示す断面図である。
【図3】スパッタ装置の他の例を示す断面図である。
【図4】複合型ターゲットの平面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【符号の説明】
F:薄地織物 10A、10B、10C:薄地織物の構成糸 11:軟鉄線(フィラメント) 12:導電性カーボンのスパッタ蒸着膜 13:合成繊維からなる芯線 14:合金のスパッタ蒸着膜 20:スパッタ用チャンバ 21:ターゲット 21a:銅板 21b:ニッケル製の栓 22:ターゲットソース 23:アノード 24:水冷シリンダー 25:送り出し軸 26:巻取り軸 29:真空ポンプ 30:ガスボンベ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 勝祥 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅 内 (72)発明者 黒木 定雄 愛知県蒲郡市浜町36番地 株式会社鈴寅 内 (72)発明者 横溝 徹 東京都日野市豊田2丁目50番地の3 エ ヌ・ビー・シー工業株式会社内 (72)発明者 川端下 栄治 東京都日野市豊田2丁目50番地の3 エ ヌ・ビー・シー工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−306366(JP,A) 特開 平8−274489(JP,A) 特開 昭62−298923(JP,A) 特開 昭60−140698(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸および緯糸が導電性および透磁性を
    備えた細いモノフィラメントからなる多孔状の薄地織物
    であり、上記のフィラメントにおける薄地織物の少なく
    とも片側部分が導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜
    で被覆された電磁波遮蔽用スクリーンにおいて、上記の
    モノフィラメントが軟鉄またはステンレス鋼からなる線
    径15〜500μmの金属線であり、導電性カーボンか
    らなるスパッタ蒸着膜表面の可視光反射率が10%以下
    であることを特徴とする電磁波遮蔽用スクリーン。
  2. 【請求項2】 経糸および緯糸が導電性および透磁性を
    備えた細いモノフィラメントからなる多孔状の薄地織物
    であり、上記のフィラメントにおける薄地織物の少なく
    とも片側部分が導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜
    で被覆された電磁波遮蔽用スクリーンにおいて、上記の
    モノフィラメントが線径15〜500μmのポリエステ
    ルモノフィラメントからなる芯線を銅・ニッケル合金ま
    たはステンレス鋼からなるスパッタ蒸着膜で被覆したも
    のであり、導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜表面
    の可視光反射率が10%以下であることを特徴とする
    磁波遮蔽用スクリーン。
  3. 【請求項3】 銅・ニッケル合金またはステンレス鋼か
    らなるスパッタ蒸着膜が1000〜10000Åの厚さ
    を有する請求項2に記載された電磁波遮蔽用スクリー
    ン。
  4. 【請求項4】 導電性カーボンからなるスパッタ蒸着膜
    が100〜1000Åの厚さを有する請求項1ないし3
    のいずれかに記載された電磁波遮蔽用スクリーン。
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