JP2891054B2 - 溶融型熱転写プリントシステム - Google Patents

溶融型熱転写プリントシステム

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JP2891054B2
JP2891054B2 JP22943693A JP22943693A JP2891054B2 JP 2891054 B2 JP2891054 B2 JP 2891054B2 JP 22943693 A JP22943693 A JP 22943693A JP 22943693 A JP22943693 A JP 22943693A JP 2891054 B2 JP2891054 B2 JP 2891054B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱溶融性のインクを用
いて多階調表現を行う溶融型熱転写プリントシステムに
関する。
【0002】
【従来の技術】熱溶融性のインクを用いて多階調表現を
行う場合には、一般に、複数画素(マトリクス)を用い
るディザ法によって多階調画像を得るか、あるいは、発
熱抵抗体の小さい特殊なサーマルヘッドを用いる熱集中
法によって多階調画像を得ている(例えば、写真工業出
版社,イメージングPart1,p103〜p108参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の溶融型熱転写プ
リントシステムにおいて、複数画素を用いると解像度が
劣化して画質が著しく低下するという問題点があり、特
殊なサーマルヘッドを用いるとコストが高いという問題
点がある。そこで、本発明はこのような問題点に鑑みな
されたものであり、通常の熱転写印刷装置に使用されて
いるサーマルヘッドを用い、高解像度・高画質の多階調
画像を得ることができる溶融型熱転写プリントシステム
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
の技術の課題を解決するため、薄膜フィルム上に粒子径
φの塗料と熱溶融性バインダとを混合した熱溶融性のイ
ンクが2.5g/m2以下の塗布量で厚さTに塗布され
たインクリボンと、基材上に孔直径kの多数の細孔を有
する表面多孔性層が形成された表面多孔性記録媒体と、
加熱時に中央部で温度が最も高く周辺部ほど温度が低い
温度勾配を有する複数の発熱抵抗体がライン状に形成さ
れたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドへの通電量
を制御することにより前記発熱抵抗体による前記インク
の溶融面積を制御する階調制御回路とを備え、前記表面
多孔性記録媒体の前記表面多孔性層に前記インクリボン
の前記インクを密着させて前記サーマルヘッドを前記イ
ンクリボンの前記薄膜フィルム側より押圧すると共に、
前記階調制御回路によって前記インクの溶融面積を制御
することにより、前記表面多孔性記録媒体上に多階調画
像を得る溶融型熱転写プリントシステムであって、前記
表面多孔性記録媒体における前記表面多孔性層の細孔の
孔直径kと前記インクリボンにおける前記塗料の粒子径
φと前記インクリボンにおけるインクの塗布厚Tとの関
係を、φ≦k≦4Tとしたことを特徴とする溶融型熱転
写プリントシステムを提供するものである。
【0005】
【実施例】以下、本発明の溶融型熱転写プリントシステ
ムについて、添付図面を参照して説明する。図1は本発
明の溶融型熱転写プリントシステムの要部拡大図、図2
は本発明の溶融型熱転写プリントシステムで用いるイン
クリボンのインクの温度と粘度との関係を示す図、図3
は本発明の溶融型熱転写プリントシステムで用いるイン
クリボンを示す図、図4はインク塗布量を変化させた時
のインクリボンの加熱時間とインク濃度との関係を示す
図、図5は表面多孔性記録媒体を説明するための断面
図、図6は表面多孔性記録媒体における表面多孔性層の
細孔の孔直径kとインクリボンにおける塗料の粒子径φ
とインクリボンにおけるインクの塗布厚Tとの関係を説
明するための図、図7は押圧手段を備えた本発明の溶融
型熱転写プリントシステムの要部の一例の構成を示す側
面図、図8は押圧手段による押圧力と表面多孔性記録媒
体への浸透率の関係を示す図、図9は本発明の溶融型熱
転写プリントシステムで用いる階調制御回路の一例の構
成を示すブロック図、図10及び図11は図9に示す階
調制御回路の動作を説明するための図である。
【0006】本発明は、サーマルヘッド,インクリボ
ン,記録紙,加熱制御方法等のさまざまな角度から検討
を行うことにより、通常の熱転写印刷装置に使用されて
いるサーマルヘッドを用いて極めて高解像度・高画質な
多階調画像を得ることができる溶融型熱転写プリントシ
ステムを提供するものである。本発明の溶融型熱転写プ
リントシステムは、図1に示すように、プラテンローラ
3とサーマルヘッド18との間に、後に詳述する表面多
孔性記録媒体2とインクリボン1とを重ね合わせて搬送
し、サーマルヘッド18をプラテンローラ3に対して押
圧すると共にサーマルヘッド18の発熱抵抗体を加熱し
てインクリボン1のインク1aを表面多孔性記録媒体2
に転写する。
【0007】ここで、サーマルヘッド18の発熱抵抗体
は、周知のように矩形状に形成されていることが多い。
そして、発熱抵抗体の温度分布は発熱抵抗体の中央部が
最も高く、周辺になるに従って低くなる温度勾配を持っ
ており、インクの溶融温度以上の部分が溶融することに
なる。この温度勾配を利用してインクの溶融面積を制御
することができる。また、インクリボン1のインク1a
として、図2に示すように、溶融点以上の温度では温度
が高いほどインクの粘度が下がるものを用いると、発熱
抵抗体の温度分布により中央部のインク粘度が低く周辺
ほど高い粘度となり、表面多孔性記録媒体2へのインク
浸透量はこれに応じて中央部が多く周辺ほど少なくな
る。よって、発熱抵抗体に流す電流を表現階調に応じて
変化させると、インクの浸透量と浸透面積が同時に制御
され、多階調表現が容易となる。
【0008】ところで、記録媒体の表面温度はインクリ
ボンの厚さにより変動し、薄いほど発熱抵抗体の温度分
布に近付き温度勾配が急になるので、インク溶融面積の
制御が容易となる。従って、インクリボンの厚さは薄い
ほうがよい。インクリボンのフィルムの実用上の薄さの
限界は3.5μm程度であるので、一般的に、インクリ
ボンには厚さ3.5μmの薄膜フィルムが用いられてい
る。インクリボンの厚さは、フィルムとこのフィルム上
に塗布されたインクとにより決まる。従って、インクの
塗布量が少ないほど記録紙の表面温度分布を発熱抵抗体
の温度分布に近付けることができる。
【0009】図3は本発明の溶融型熱転写プリントシス
テムに用いるインクリボン1を示す図であり、(A)は
その斜視図、(B)はその断面図である。このインクリ
ボン1は、図3(A)に示すように、複数色(例えば、
イエロ(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラッ
ク(K))を1組としたインク1a(塗料と熱溶融性バ
インダとを混合して形成したもの)をその長手方向に連
続して塗布したものであり、また、図3(B)に示すよ
うに、例えばバックコート1c(0.05μm)を有す
る厚さ3.5μmの薄膜フィルム1b上に熱溶融性のイ
ンク1aを塗布したものである。また、図4は厚さは
3.5μmのフィルムにインクを塗布したインクリボン
の加熱時間と記録紙上のインクの濃度(OD)との関係
を、インク塗布量2.0g/m2 ,2.5g/m2
3.0g/m2 の場合について示している。従来のイン
クリボンでは、例えば3.5μmのフィルムに3.0g
/m2以上のインクを塗布していたが、図4より、フィ
ルムに塗布するインクの塗布量を2.5g/m2 以下と
することにより、多階調表現ができることが分かった。
また、ここではフィルムの厚さを3.5μmとしたが、
4.5μm以下であれば問題がないことも確かめられ
た。
【0010】次に、印刷に用いる記録媒体を表面多孔性
記録媒体とし、インクの転写特性を検討した。本発明で
用いる表面多孔性記録媒体2(表面多孔性プラスチック
シート)は図5に示すように、例えば厚さ約10数μm
の表面多孔性層2aを基材2b上に形成したものであ
る。そして、この表面多孔性記録媒体2に熱溶融性のイ
ンク1aを転写すると、表面多孔性層2aの表面粗さ
(孔直径)が所定の条件のとき、インク1aは表面多孔
性層2aの孔の部分に転写・吸収され、多階調表現に最
適であることが確かめられた。なお、表面多孔性記録媒
体(表面多孔性プラスチックシート)はピーチコートと
いう名称で日清紡績(株)より実用化・販売されてい
る。
【0011】ここで、表面多孔性記録媒体2における表
面多孔性層2aの孔直径について検討する。表面多孔性
層2aの細孔の孔直径をkとし、インクリボン1におけ
るインク1aの塗料の粒子径をφ、インクリボン1にお
けるインク1aの塗布厚をTとする。図6(A)に示す
ように、孔直径kがインク塗布厚Tと等しく、表面多孔
性層2aの細孔が規則正しく同一間隔で並んでいたとす
ると、インク1aが溶融し表面多孔性層2aの細孔内に
毛細管現象により全て浸透した状態では、それぞれの細
孔に2Tの深さのインク柱ができる。インク塗布量を
2.0g/m2 (=約2.0μm)とすれば、約4μm
のインク柱となる。この時、細孔に浸透したインク1a
はそれぞれ孔直径k=Tの範囲で薄膜フィルム1bに接
触し、薄膜フィルム1bに接触するインク1aに対して
両側に細孔の内壁が存在するので、インク1aの薄膜フ
ィルム1bに対する付着力:インク1aの細孔の内壁に
対する付着力は、1:4となる。従って、インク1aは
薄膜フィルム1bから剥がされて表面多孔性層2aの細
孔に転写される。
【0012】図6(B)に示すように、孔直径kがイン
ク塗布厚Tの4倍であり、表面多孔性層2aの細孔が規
則正しく同一間隔で並んでいる場合にも、インク1aが
溶融し表面多孔性層2aの細孔内に毛細管現象により全
て浸透した状態では、それぞれの細孔に2Tの深さのイ
ンク柱ができる。インク塗布量を2.0g/m2 (=約
2.0μm)とすれば、約4μmのインク柱となる。し
かし、この時、細孔に浸透したインク1aはそれぞれ孔
直径k=4Tの範囲で薄膜フィルム1bに接触し、薄膜
フィルム1bに接触するインク1aに対して両側に細孔
の内壁が存在するので、インク1aの薄膜フィルム1b
に対する付着力:インク1aの細孔の内壁に対する付着
力は、1:1となる。ところが、インク溶融後の冷却は
発熱源から離れた表面多孔性記録媒体2側から始まるた
め、サーマルヘッド18による加熱終了後直ちにインク
リボン1と表面多孔性記録媒体2とを離反させれば付着
力は細孔側の方が強いので、インク1aは薄膜フィルム
1bから剥がされて表面多孔性層2aの細孔に転写され
る。
【0013】そして、インクリボン1におけるインク1
aの塗料の粒子径φより小さい孔直径kの細孔には溶融
したインク1aであっても浸透しないこと、及び上記し
た検討を考慮すれば、表面多孔性記録媒体2における表
面多孔性層2aの細孔の孔直径kとインクリボン1にお
ける塗料の粒子径φとインクリボン1におけるインク1
aの塗布厚Tとの関係を、φ≦k≦4Tと設定すれば加
熱量に応じたインク浸透を無駄なく良好に行うことがで
きる。
【0014】このような状態の表面多孔性記録媒体2を
用い、表面多孔性記録媒体2の表面多孔性層2aにイン
クリボン1のインク1aを密着させてサーマルヘッド1
8をインクリボン1のフィルム1b側よりプラテンロー
ラ18に押圧し、さらに、サーマルヘッド18への通電
量を制御して前述した発熱抵抗体の温度勾配を利用する
ことにより、この発熱抵抗体によるインク1aの溶融面
積を制御すれば、インク1aはその溶融時にサーマルヘ
ッド18の加熱量に応じて容易かつ即座にインクリボン
1から記録媒体表面及び内部に転写・吸収され、高解像
度・高画質な多階調画像を得ることができることを実験
により見いだした。
【0015】なお、サーマルヘッド18のプラテンロー
ラ3に対する押圧力が小さいと、インク1aは表面多孔
性記録媒体2の孔部分に十分転写・吸収されず、その表
面にとどまってしまうことがある。図7はこのような場
合の問題点を改良したものである。図7において、1は
インクリボン、2は表面多孔性記録媒体、3はプラテン
ローラ、4は押圧手段であるプランジャ、18はサーマ
ルヘッドである。プランジャ4に電圧を加えることによ
り軸は矢印方向に引き上げられ、サーマルヘッド18は
インクリボン1及び表面多孔性記録媒体2を介してプラ
テンローラ3に押圧される。このように、表面多孔性記
録媒体にインクを転写する際、押圧手段によって所定の
圧力をかけることにより、インクは表面多孔性記録媒体
の孔部分に浸透し、極めて高解像度・高画質な多階調画
像を得ることができることを実験により見いだした。
【0016】図8には押圧手段による押圧力(kg)と
表面多孔性記録媒体への浸透率(%)の関係について示
している。なお、ここでは、インクリボンのフィルム厚
を3.5μm、インク塗布量を2.0g/m2 、表面多
孔性記録媒体の孔直径を1〜10μm、サーマルヘッド
の印字長を260mm(26cm)、サーマルヘッドの
発熱抵抗体間隔84.5μm(12ドット/mm)、発
熱抵抗体形状を部分グレーズとして実験した場合の結果
である。なお、例えばファクシミリで使用されているサ
ーマルヘッドの発熱抵抗体間隔は略8ドット/mmであ
り、視覚上十分な高解像度・高画質の多階調画像を得る
ためには、発熱抵抗体間隔を8ドット/mm以下の間隔
が必要となる。従来においては上記の印字長のサーマル
ヘッドの押圧力は通常4〜6kgであった。実験によ
り、8kg以下ではインクの転写は不安定であり、表面
のみの転写となることが多く、9kgでやや浸透し、1
0kg以上では必ず良好にインクが浸透することが確か
められた。9kg/26cm=0.346…より、サー
マルヘッドの印字長の単位長さ当たりでは、0.35k
g/cm以上で良好な結果を示すことが考えられる。
【0017】次に、本発明の溶融型熱転写プリントシス
テムに用いられる、サーマルヘッドへの通電量を制御す
ることによりインクの溶融面積を制御するための階調制
御回路の一例の構成及び動作について説明する。図9に
おいて、インターフェイス回路11には、テレビカメラ
等の画像入力装置により得られた画像データをパソコン
等で処理した入力データIdが入力される。この入力デ
ータIdは画像データに印刷装置で必要な制御データを
付加したものであり、印刷する画像に対応した階調数を
表すものである。インターフェイス回路11に入力され
た入力データIdの内、画像データはバッファメモリ1
2に入力され、制御データは印刷制御回路13に入力さ
れる。印刷制御回路13は印刷装置の動作に従って種々
の制御信号を発生する。ここで、印刷装置とはサーマル
ヘッド18及びインクリボン等より構成される印刷手段
をいう。
【0018】印刷制御回路13は印刷装置の動作に合わ
せてアドレスカウンタ14に開始信号を供給し、印刷装
置の動作状態、即ち、インクリボンのインクの色、いず
れの加熱パターンで印刷するか等に応じた選択信号TC
を直線性変換テーブル17に供給する。アドレスカウン
タ14はその開始信号によってアドレスADを生成し、
バッファメモリ12に供給する。バッファメモリ12は
そのアドレスADに従って、入力された画像データか
ら、図10及び図11に示すように、サーマルヘッド1
8の1ライン分のデータDi(D1〜Dn)を並列/直
列変換回路15に順次出力する。なお、図10は図11
の一部分を拡大して示すものである。
【0019】ここで、バッファメモリ12より出力され
るサーマルヘッド18の1ライン分のデータDiについ
て説明する。上記のように、ライン状に形成された発熱
抵抗体(R1〜Rn)を有するサーマルヘッド18を用
いて階調数mを表現する場合を考える。階調数mを表現
する場合には、それぞれの発熱抵抗体R1〜Rnには加
熱量(加熱パルス)がm段階で与えられることになる。
従って、バッファメモリ12より出力される1ライン分
のデータDiは、図11に示すように、それぞれの発熱
抵抗体R1〜Rnに対応したデータD1〜Dnが、第1
階調から第m階調まで順次出力されることになる。そし
て、これらのデータDiがそれぞれのライン(L1,L
2,…)毎に順次出力される。なお、表現階調数mは一
般的に256がよく用いられ、本実施例でも0〜255
の256階調である。
【0020】また、アドレスカウンタ14は、バッファ
メモリ12からサーマルヘッド18の1ライン分のデー
タDiが読み出される毎に、階調カウンタ16にパルス
を出力する。階調カウンタ16は入力されたパルスを基
に、図10及び図11に示すように、階調信号STを発
生し、並列/直列変換回路15及び直線性変換テーブル
17に供給する。この階調信号STは、図10より分か
るように、第1階調のデータDiであれば1、第2階調
のデータDiであれば2、第m階調のデータDiであれ
ばmという数を表す信号である。
【0021】そして、並列/直列変換回路15は、デー
タDi(D1〜Dn)のそれぞれのデータと階調信号S
Tとを比較し、図10及び図11に示すように、D1〜
Dnが階調信号STより大きいか等しければ(Di≧S
T)1、データDiが階調信号STより小さければ(D
i<ST)0なる比較信号Ciを発生し、サーマルヘッ
ド18内のシフトレジスタ19に入力する。シフトレジ
スタ19にはアドレスカウンタ14から図10に示すよ
うなクロックCKが入力されており、シフトレジスタ1
9に入力された比較信号CiはこのクロックCKにより
シフトされ、シフトレジスタ19には1ライン分の比較
信号Ciが配列される。図10及び図11においては、
それぞれの階調数を、D1=m,D2=3,D3=2,
D4=1,…,Dn−1=m−2,Dn=m−3とした
場合の例である。第4階調ではD1〜Dnの階調数列と
“4”とを比較するので、第4階調での比較信号Ci
は、図10に示すように、“1000…11”となる。
【0022】また、アドレスカウンタ14は、図10及
び図11に示すように、バッファメモリ12からサーマ
ルヘッド18の1ライン分のデータDiが読み出される
毎に、ラッチ回路20及び直線性変換テーブル17にロ
ードパルスLDを出力する。シフトレジスタ19に配列
された1ライン分の比較信号CiはこのロードパルスL
Dによりラッチ回路20に記憶される。ラッチ回路20
より出力された比較信号Ciはゲート回路21に入力さ
れる。
【0023】ところで、ゲート回路21はこの比較信号
Ciによって発熱抵抗体R1〜Rnを加熱する(オン)
か加熱しない(オフ)かを表す信号を生成する。即ち、
比較信号Ciが1の時はオン、0の時はオフである。図
11に示す第1階調から第m階調までの発熱抵抗体R1
〜Rnそれぞれに対応した比較信号Ciにより、それぞ
れの発熱抵抗体R1〜Rnの加熱状態が決定される。図
11には、発熱抵抗体R1,R2,R3,R4,Rn−
1,Rnそれぞれの加熱期間tR1,tR2,tR3,
tR4,tRn−1,tRnを示している。発熱抵抗体
R1〜Rnに加熱が開始されるのは、次の階調のデータ
Diが出力される時点であるので、第1階調による加熱
は第2階調から始まっている。例えば、発熱抵抗体R1
では比較信号Ciが“1111…11”であるので、発
熱抵抗体R1は第1階調〜第4階調、第m−1階調及び
第m階調で加熱(オン)、発熱抵抗体R2では比較信号
Ciが“1110…00”であるので、発熱抵抗体R2
は第1階調から第3階調までは加熱(オン)、第m−1
階調及び第m階調では非加熱(オフ)である。
【0024】一方、直線性変換テーブル17には選択信
号TC,アドレスAD,階調信号ST,ロードパルスL
Dが入力され、図10に示すような加熱時間設定信号S
Bを出力する。この加熱時間設定信号SBのオン期間は
それぞれの階調毎に応じた期間で設定される。それゆ
え、前述の発熱抵抗体R1〜Rnそれぞれの加熱期間t
R1〜tRnは、それぞれの階調内で加熱時間設定信号
SBのオン・オフによりゲートされ、発熱抵抗体R1〜
Rnが実際に加熱されるのは、比較信号Ciにより決定
される加熱期間内の加熱時間設定信号SBがオンの期間
である。例えば、発熱抵抗体R1の加熱期間は、図11
に破線で示す如く設定される。このように、発熱抵抗体
R1〜Rnそれぞれの加熱期間は、第1階調〜第m階調
それぞれで加熱時間設定信号SBにより細かく設定され
る。
【0025】そして、ゲート回路21は、上記のよう
に、ラッチ回路20より入力された比較信号Ciと直線
性変換テーブル17より入力された加熱時間設定信号S
Bとにより決定されるそれぞれの発熱抵抗体の加熱期間
でオンのパルスを発生し、このパルスをドライバ回路2
2に供給する。従って、シフトレジスタ19,ラッチ回
路20,ゲート回路21は、サーマルヘッド18の発熱
抵抗体を加熱するためのパルスを出力するパルス出力手
段として動作する。ドライバ回路22はこのパルスに基
づいて発熱抵抗体R1〜Rnに電流を流し、インクリボ
ンを加熱して塗布されたインクを記録媒体に転写して画
像を印刷する。これにより、インクリボンに加える加熱
量を細かく設定でき、熱溶融性インクを用いて多階調表
現が実現できる。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の溶
融型熱転写プリントシステムは、薄膜フィルム上に粒子
径φの塗料と熱溶融性バインダとを混合した熱溶融性の
インクが2.5g/m2 以下で厚さTに塗布されたイン
クリボンと、基材上に孔直径kの多数の細孔を有する表
面多孔性層が形成された表面多孔性記録媒体と、加熱時
に中央部で温度が最も高く周辺部ほど温度が低い温度勾
配を有する複数の発熱抵抗体がライン状に形成されたサ
ーマルヘッドと、サーマルヘッドへの通電量を制御する
ことにより発熱抵抗体によるインクの溶融面積を制御す
る階調制御回路とを備えてなるものであるので、特殊な
サーマルヘッドを用いることなく通常の熱転写印刷装置
に使用されているサーマルヘッドを用い、極めて高解像
度・高画質の多階調画像を得ることができ、さらに、表
面多孔性記録媒体における表面多孔性層の細孔の孔直径
kとインクリボンにおける塗料の粒子径φとインクリボ
ンにおけるインクの塗布厚Tとの関係を、φ≦k≦4T
としたので、加熱量に応じたインク浸透を無駄なく良好
に行うことができるという特長を有する。
【0027】さらに、サーマルヘッドを印字長の単位長
さ当たり0.35kg/cm以上で押圧する押圧手段を
設ければ、インクは表面多孔性記録媒体における表面多
孔性層の孔部分に十分浸透し、より安定した極めて高解
像度・高画質の多階調画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要部拡大図である。
【図2】本発明で用いるインクリボンのインクの温度と
粘度との関係を示す図である。
【図3】本発明で用いるインクリボンを示す図である。
【図4】インク塗布量を変化させた時のインクリボンの
加熱時間とインク濃度との関係を示す図である。
【図5】表面多孔性記録媒体を説明するための断面図で
ある。
【図6】表面多孔性記録媒体における表面多孔性層の細
孔の孔直径kとインクリボンにおける塗料の粒子径φと
インクリボンにおけるインクの塗布厚Tとの関係を説明
するための図である。
【図7】押圧手段を備えた本発明の要部の一例の構成を
示す側面図である。
【図8】押圧手段による押圧力と表面多孔性記録媒体へ
の浸透率の関係を示す図である。
【図9】本発明で用いる階調制御回路の一例の構成を示
すブロック図である。
【図10】図9に示す階調制御回路の動作を説明するた
めの図である。
【図11】図9に示す階調制御回路の動作を説明するた
めの図である。
【符号の説明】 1 インクリボン 1a インク 1b 薄膜フィルム 2 表面多孔性記録媒体 2a 表面多孔性層 2b 基材 3 プラテンローラ 4 プランジャ(押圧手段) 18 サーマルヘッド

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜フィルム上に粒子径φの塗料と熱溶融
    性バインダとを混合した熱溶融性のインクが2.5g/
    2 以下の塗布量で厚さTに塗布されたインクリボン
    と、 基材上に孔直径kの多数の細孔を有する表面多孔性層が
    形成された表面多孔性記録媒体と、 加熱時に中央部で温度が最も高く周辺部ほど温度が低い
    温度勾配を有する複数の発熱抵抗体がライン状に形成さ
    れたサーマルヘッドと、 前記サーマルヘッドへの通電量を制御することにより前
    記発熱抵抗体による前記インクの溶融面積を制御する階
    調制御回路とを備え、 前記表面多孔性記録媒体の前記表面多孔性層に前記イン
    クリボンの前記インクを密着させて前記サーマルヘッド
    を前記インクリボンの前記薄膜フィルム側より押圧する
    と共に、前記階調制御回路によって前記インクの溶融面
    積を制御することにより、前記表面多孔性記録媒体上に
    多階調画像を得る溶融型熱転写プリントシステムであっ
    て、 前記表面多孔性記録媒体における前記表面多孔性層の細
    孔の孔直径kと前記インクリボンにおける前記塗料の粒
    子径φと前記インクリボンにおけるインクの塗布厚Tと
    の関係を、φ≦k≦4Tとしたことを特徴とする溶融型
    熱転写プリントシステム。
  2. 【請求項2】前記サーマルヘッドを印字長の単位長さ当
    たり0.35kg/cm以上の押圧力で押圧することを
    特徴とする請求項1記載の溶融型熱転写プリントシステ
    ム。
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