JP2890633B2 - 脱酸素剤包装体 - Google Patents

脱酸素剤包装体

Info

Publication number
JP2890633B2
JP2890633B2 JP7573390A JP7573390A JP2890633B2 JP 2890633 B2 JP2890633 B2 JP 2890633B2 JP 7573390 A JP7573390 A JP 7573390A JP 7573390 A JP7573390 A JP 7573390A JP 2890633 B2 JP2890633 B2 JP 2890633B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
resin
oxygen
paper
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7573390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03275467A (ja
Inventor
清 尾崎
洋一 山川
政一 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON SOODA KK
Original Assignee
NIPPON SOODA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON SOODA KK filed Critical NIPPON SOODA KK
Priority to JP7573390A priority Critical patent/JP2890633B2/ja
Publication of JPH03275467A publication Critical patent/JPH03275467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2890633B2 publication Critical patent/JP2890633B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Packages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱酸素剤包装体に係わり、さらに詳しくは
不織布、微多孔膜もしくは、耐水耐油性加工紙を用いた
包装材料のシール層に、樹脂を押出ラミネート加工、塗
布などの方法により、多数の筋状又は、微細な網目状に
形成した包装材料を脱酸素剤の全部または一部に用いた
脱酸素剤包装体に関する。
本発明は、構成の主要部をなす脱酸素剤用包装材料の
製造及び、製袋が容易であるだけでなく、脱酸素剤用包
装材料が安定した透気性、ラミネート強度、シール強度
を有し、かつ、耐水性、耐油性などの耐久性に優れるこ
とから、安定した脱酸素性能を発揮し、加工食品の保存
剤として広い範囲で使用することができる。
〔従来の技術〕
脱酸素剤は、酸素を吸収する性質を有する組成物であ
り、通常、通気性の小袋に封通して用いられる。一般
に、脱酸素剤を封入する通気性小袋を構成する包装材料
(以下「包材」と記す)には、例えば、紙と有孔ポリエ
チレンフィルムをラミネートした包材、穿孔プラスチッ
クフィルムと紙と有孔ポリエチレンフィルムを積層接着
した包材、不織布や微多孔膜などを使用した包材等が用
いられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
脱酸素剤を用いた食品保存技術上の問題点として、脱
酸素剤は、乾燥食品、高水分食品、酸性食品、油加工食
品、アルコール含有食品等の種々の食品に使用するた
め、脱酸素剤組成物中に含まれる水分が乾燥食品に移行
し脱酸素性能が損われたり、高水分食品の水分が、脱酸
素剤組成物に移行するため、包材の表面に染みが発生し
外観を損なったり、食品の油が包材にしみ込み、包材の
透気性が損なわれて、脱酸素性能が損われるなどがあげ
られる。かかる欠点のために、脱酸素剤を使用する状況
に応じて、包材の材質、構成等をかえて対応している
が、完全な脱酸素剤用包材とはなっていない。
近年は、脱酸素剤の適用分野が多岐にわたり、使用条
件が過酷となる傾向にあるため、微多孔膜などを用いた
耐久性の優れた包材が多用されている。
一方、フィルムラミネートには、ポリエチレン、ポリ
エチレン酢ビ共重合体、アイオノマー樹脂等からなる低
融点のシーラントフィルムを接着層として熱ラミネート
するのが、一般的であるが、この方法を本発明で採用す
ると、熱ラミネート加工の際に低融点フィルムが熔融
し、有孔プラスチック積層フィルム(A)の、開孔され
た径の小さい孔が塞がり、透気性が低下したり、安定し
た透気度を付与する事は困難である。
又、透気度を確保するために、低温のラミネート条件
を採用すると十分なラミネート強度を得る事ができな
い。したがって、開孔径の小さいラミネートフィルムを
従来の熱ラミネート加工で積層加工する事は困難であ
る。
さらに、従来の不織布、微多孔膜もしくは、耐水耐油
性加工紙を用いた包材として、不織布、微多孔膜もしく
は、耐水耐油性加工紙に、ポリエチレン、ポリエチレン
酢ビ共重合体、アイオノマー樹脂等からなる低融点のシ
ーラントフィルムを熱ラミネートしたものが多く使用さ
れているが、熱ラミネート加工の際に低融点フィルムが
熔融し、有孔プラスチックフィルムの、開孔された径の
小さい孔が塞がり、透気性が低下することにより安定し
た透気度を確保する事は困難であることなどから、脱酸
素剤用包材としては、不満足な点が多々認められる。
本発明は、製造及び製袋が容易で、かつ、安定した透
気性、シール強度、ラミネート強度を有するだけでな
く、耐水性、耐油性などの耐久性に優れ、安定した脱酸
素性能を発揮することのできる脱酸素剤用包材を用いた
脱酸素剤包装体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意研究した結
果、有孔プラスチック積層フィルム(A)と、常圧で水
を通さない不織布、微多孔膜であるプラスチックフィル
ムあるいは、耐水耐油性加工紙よりなる群から選ばれた
一種の微細孔を有するフィルム(B)からなる脱酸素剤
用包材において、(B)の片面に、(B)と同等以下の
軟化点を有する樹脂を多数の筋状又は、微細な網目状に
形成し、更に、(B)の他の面と(A)を構成するフィ
ルムの低い軟化点を有する樹脂のフィルム層を合わせ、
該包装材料の(A)を外側にして脱酸素剤を包装しシー
ルする際に、(B)の片面に、(B)と同等以下の軟化
点を有する樹脂を多数の筋状又は、微細な網目状に形成
された樹脂層をシール層として、かつ、(A)を構成す
るフィルムの低い軟化点を有する樹脂のフィルム層のシ
ール部のみをラミネート層とした包材が優れた透気性を
有し、脱酸素剤用の包材として好適であることを見出
し、本発明を完成した。
本発明は、有孔プラスチック積層フィルム(A)と、
常圧で水を通さない不織布、微多孔膜であるプラスチッ
クフィルムあるいは、耐水耐油性加工紙よりなる群から
選ばれた一種の微細孔を有するフィルム(B)とが、
(B)の片面に、(B)と同等以下の軟化点を有する樹
脂を多数の筋状又は、微細な網目状に形成され、更に、
(B)の他の面と(A)を構成するフィルムの低い軟化
点を有する樹脂のフィルム層を合わせてなる、ガーレー
式透気度が1〜10,000秒/100mlである包装材料を、脱酸
素剤の全部もしくは一部として用い、上記(A)を外側
にして脱酸素剤を包装しシールする際に、かつ、(A)
を構成するフィルムの低い軟化点を有する樹脂のフィル
ム層のシール部のみをラミネート層としたことを特徴と
する脱酸素剤包装体である。(第3図参照) 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、有孔プラスチック積層フィルム
(A)とは、二層以上の積層フィルムであって、孔径:1
0〜500μm、好ましくは50〜250μmの微細孔を有す
る、厚さ:10〜200μm、好ましくは12〜50μmの透気性
のプラスチックフィルムである。
たとえば、積層フィルムの一層目のフィルムは、他の
層より、通常10℃以上高い軟化点を有するものが用いら
れる。この場合、一層目は、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン、ポリプロピレン等であり、他の層は、LL
DPE、ポリプロピレン、ナイロン等である。また、他の
層として、LDPE、EVAコポリマー、アイオノマー等の低
温ヒートシール性の良好なシーラントフィルムも使用可
能である。
フィルムの積層は、融着、接着、圧着、ドライラミネ
ート法又は押出しラミネート等によって製造する事が可
能である。
フィルムの孔径が10μm以下だと透気度が不足し、50
0μm以上だと外部から、水、油、酸、アルコールなど
の液体が浸入しやすく、耐久性に劣り望しくない。
一方、フィルムの厚さが10μm以下では、薄すぎて加
工が困難であるのみならず耐久性に劣り、500μm以上
ではフィルムのフレキシビリティにかけて望しくない。
微多孔膜であるプラスチックフィルムは、孔径が、0.
01〜50μmの微細孔を有し、ガーレー式透気度が、通
常、約0.01〜1,000秒/100mlであって常圧で水を通さな
いものである。微多孔膜はポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの合成樹脂フィルムを延伸して製造されるが、そ
の際、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の微粉末を添
加してフィルムを延伸し、微粉末を含有するフィルムか
ら微粉末を抽出するなどの方法により製造したものであ
る。
たとえば、NFシート(徳山曹達(株)製)、ポーラム
(徳山曹達(株)製)、セルポアー(積水化学工業
(株)製)、FP−2(旭化成工業(株)製)、NOP(日
本石油化学(株)製)ニトフロンNTF(日東電気工業
(株)製)、ポリフロンペーパー(ダイキン工業(株)
製)、ジェラガード(セラニーズ社製)、ゴーアテック
ス(ゴア社製)等が知られている。
不織布は、ポリオレフィン、ポリエステル等からなる
不織布であり、ガーレー式透気度が、通常、約0.01〜1,
000秒/100mlであって、常圧で水を通さないものであ
る。たとえばタイベック(デュポン社製)、ルクサー
(旭化成工業(株)製)などが知られている。
耐水耐油性加工紙は、一般に、耐油紙、耐潤紙、耐湿
紙、耐水撥水紙などといわれているものである。具体的
には、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙、グラビア紙
など)、情報記録紙、電気絶縁紙、剥離紙、離型紙、段
ボール紙、紙器用板紙、化粧板原紙、食品包装用加工
紙、食品包装用カートン紙等の種々の紙のうち、主とし
て、食品包装用の加工紙に属するもの、及び、紙とプラ
スチックの混抄紙が適当である。又、加工紙には硫酸紙
などの酸処理をした化学処理紙、WS紙、MC紙、フィルタ
紙、グラシン紙、WOP紙などの抄紙工程で合成樹脂など
を抄き込んだ紙、及び、塗工紙(ワックス紙、フッ素加
工紙、塩化ビニリデン加工紙、PVC加工紙、PE加工紙、
ラッカーコート紙など)、ラミネート紙等の抄紙後に物
理的処理を施して加工した紙などであり、これらも使用
することができる。
好適な加工紙は、坪量が10〜100g/m2、好ましくは20
〜60g/m2の厚紙で、先に示した方法で、耐水耐油加工し
たものである。
坪量が小さすぎると加工性、耐久性などに欠け、大き
すぎると包材のコシが強く、脱酸素剤の充填が困難であ
る。
(B)の片面に、多数の筋状又は、微細な網目状に形
成された(B)と同等以下の軟化点を有する樹脂とし
て、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、アイオノマー樹脂、ポリプロピレンなど挙げら
れ、これらの一種又は、二種以上が使用される。
通常、これらの樹脂は300℃程度に熔融しての押出し
ラミネート加工や200℃程度に熔融しての塗布などの方
法により、上記(B)の片面上に、多数の筋状又は、微
細な網面状に施す。(第1及び第2図参照) このようにして形成された多数の筋状又は、微細な網
目状に形成された樹脂部は包装材料の補強、透気度の調
節と共に、製袋する際のシール層としても機能する。シ
ール方法としては、ヒートシール、接着剤によるシール
などがある。
本発明における脱酸素剤用包材の製袋時の接着強度
は、多数の筋状又は、微細な網目状に形成された樹脂の
種類及び樹脂量又は、ヒートシール条件などにより異な
る。特に、樹脂量の極端に少ない場合は、接着強度が不
足して使用に耐え得ない。一方、多すぎる場合には、透
気度の確保が困難である。
本発明において使用される脱酸素剤用包材のガーレー
式透気度は1〜10,000秒/100mlの範囲である。透気度
は、まず、有孔プラスチック積層フィルム(A)の孔径
の大小、使用される(B)の種類及び、多数の筋状又
は、微細な網目状に形成された樹脂の形状で決まる。特
に、樹脂を施こしてない部分の面積の大小で決まる。多
数の筋状又は、微細な網目状に形成された樹脂の種類、
形状及び、パターンは、脱酸素剤用包材の透気度、接着
強度、製袋の容易さ、包装密封された脱酸素剤がこぼれ
ないなどの諸因子を考慮して決められる。
すなわち、樹脂量は、7〜70g/m2、好ましくは10〜50
g/m2で、多数の筋状に形成された樹脂部の面積は全体の
30〜90%で、多数の筋状に形成された樹脂間の未施用部
の幅は、20〜1,000μm、好ましくは50〜800μmである
事が望ましい。微細な網目状に形成された樹脂部の面積
は全体の60〜90%で、網目状に形成された樹脂間の未施
用部の網目は、500μm以下である事が望ましい。
樹脂量が過少であると接着強度が劣り、多数の筋状又
は、微細な網目状に形成された樹脂部の面積が、過少で
あったり、樹脂の未施用部の網目が過大であるとシール
部から充填された脱酸素剤がこぼれたり、外部から液体
が流入するなどのおそれがある。
また、樹脂量が過大であったり、多数の筋状に形成さ
れた樹脂の未施用部の巾が過少であったりすると、透気
度が低下するのみでなく、均一な筋状もしくは、均一な
網目状に施こす事は困難となり、透気度が不安定となり
本発明の脱酸素剤用包材としては不適当である。
本発明は、前記脱酸素剤用包材を脱酸素剤の包装材料
の全部もしくは一部として用い、該包装材料の(A)と
(B)とを予め、貼り合わせず、該包装材料の(A)を
外側にして(A)と(B)とを合わせて脱酸素剤を包装
しシールする際に、(B)の片面に、(B)と同等以下
の軟化点を有する樹脂を多数の筋状又は、微細な網目状
に形成された樹脂層をシール層としてシールすると同時
に、(A)を構成するフィルムの低い軟化点を有する樹
脂のフィルム層のシール部のみをラミネートした脱酸素
剤包装体である。
これらの脱酸素剤として、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、
亜ニチオン酸塩、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシ
ン、ピリガロール、没食子酸、鉄粉等の金属粉、アルコ
ルビン酸等を含有するものが使用される。
〔実施例〕
本発明を、実施例及び比較例により、さらに詳しく説
明する。
但し、本発明の範囲は、以下の実施例により何等の制
限を受けるものではない。
(1)試料及び比較試料 (a)試料−1 微細孔を有するフィルム(B)であるWOP紙(坪量40g
/m2)上い、(B)と同等以下の軟化点を有する樹脂で
ある低密度ポリエチレンを約260℃に加熱熔融して、押
出加工装置の細孔から約100m/分の速度で多数の筋状に
押し出し、ラミネートした。
このWOP紙の樹脂未施用面と有孔プラスチック積層フ
ィルム(A)である有孔(PET/PE)フィルム〔厚み:37
μm(PET;12μm、PE;25μm)のフィルムで、孔径100
μmで2×2m/mの格子状に開孔〕とをあわせた積層フィ
ルム:試料−1を作った。
(b)試料−2、3 前記、試料−1の調整において、塗布速度、細孔の口
径と間隔、溶融温度等の加工条件を変えて、低密度ポリ
エチレンの施用量、筋状に形成される樹脂の巾、厚みの
異なる積層フィルム:試料−2、3を作った。
(c)試料−4、5 前記、試料−1の調整において、微細孔を有するフィ
ルム(B)として使用したWOP紙(前出)をタイベック1
059B(デュポン社製、ポリエチレン不織布)及び、厚み
140μmのNFシートS−140(徳山曹達(株)製、PP微多
孔膜)にかえて使用する以外は試料−1と、全く同様の
方法でラミネートして、積層フィルム:試料−4、5を
作った。
(d)試料−6 前記、試料−1の調整において、樹脂を多数の筋状に
押し出し、ラミネートする工程に代えて、WOP紙(前
出)上に、約150℃に加熱熔融した低密度ポリエチレン
を、グラビヤコートロールを使用して、約100m/分の速
度で網目状に転写する以外は試料−1と、全く同様の方
法でラミネートして、積層フィルム:試料−6を作っ
た。
(e)比較試料−1 試料−2、3と、全く同様の方法でラミネートして、
積層フィルム:比較試料−1を作った。
(f)比較試料−2、3 WOP紙(前出)に、有孔低密度ポリエチレン(B穴)
を、90〜100℃で熱ラミネートし、比較試料−2とし
た。
また、比較試料−2の有孔低密度ポリエチレン(B
穴)を有孔低密度ポリエチレン(D穴)に代えて比較試
料−3を、WOP紙(前出)をタイベック1059B(前出)及
び、NFシートS−140(前出)に代えて、熱ラミネート
し、比較試料−4、5とした。
(2)包装材料試験 前記第(1)項で調整した各試料及び比較試料につい
て、透気度、接着強度、ヒートシール強度、製袋性、加
工性及び耐久性の測定を行った。
測定結果を第1表に示す。
(3)脱酸素剤包装体 前記第(1)項で調整した各試料及び比較試料を用
い、有孔プラスチック積層フィルム(A)を外側にし
て、50×50mmの包材に製袋し、鉄粉を主剤とする酸素吸
収能力が500mlの脱酸素剤組成物を充填した脱酸素剤包
装体とした。
これらの脱酸素剤包装体及び500mlの空気を酸素バリ
ヤー性包材(KON/PE)の袋に入れて密封し、25℃に放置
した酸素濃度が零になる時間を測定した。
サンプル数は各実施例とも10点で行った。
測定結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 微多孔膜又は、不織布を用いた従来の脱酸素剤包装体
は、微多孔膜又は、不織布に有孔の低融点のシーラント
フィルムをラミネート加工した包装材料を使用するのが
一般的であるが、これらにおいては、包装材料のラミネ
ート加工条件の設定が難しく、高価格であるだけでな
く、透気度を自由に調整する事は不可能であった。
つまり、孔径の小さい有孔プラスチック積層フィルム
(A)と微細孔を有するフィルム(B)を(A)の低い
軟化点を有する樹脂のフィルム層を接着層として積層し
て後、更に、(B)の別の片面に有孔の低融点のシーラ
ントフィルムをラミネート加工すると、ラミネート加工
時に、(A)の低い軟化点を有するフィルム層の樹脂が
熔融し、孔径の小さな孔が塞がって、安定した透気度が
得られない。または、加工順序を変えて、(B)に有孔
の低融点のシーラントフィルムをラミネート加工後、
(A)をラミネートすると、ラミネート加工時の熱によ
り有孔の低融点のシーラントフィルムが熔溶して加工が
困難であり本発明の包装材料は得られない。
一方、本発明においては、樹脂を多数の筋状又は、微
細な網目状に施用してシール層としていることから包装
材料の製造条件が容易であるばかりでなく、その透気度
を自由に調整する事ができる。
また、このようにして施用された樹脂層は包装材料の
補強、透気度の調整と共に、製袋する際のシール層とし
ても機能する。
つまり、孔径の小さい有孔プラスチック積層フィルム
(A)と、微細孔を有するフィルム(B)とを合わせて
使用する事を特徴とする本発明は、包装材料の(A)と
(B)とを予め、貼り合わせず、該包装材料の(A)を
外側にして(A)と(B)とを合わせて脱酸素剤を包装
しシールする際に、(B)の片面に、(B)と同様以下
の軟化点を有する樹脂を多数の筋状又は、微細な網目状
に形成された樹脂層をシール層としてシールすると同時
に、(A)を構成するフィルムの低い軟化点を有する樹
脂のフィルム層のシール部のみをラミネートした脱酸素
剤包装体である為、有孔プラスチック積層フィルム
(A)の孔径の小さな孔が塞がって透気性が低下する事
もなく、また有孔フィルムに代えて樹脂を多数の筋状又
は、微細な網目状に形成してシール層としている為、包
材加工時の透気性の低下の心配がない。
また、(B)と同等以下の軟化点を有する樹脂は、
(B)の一部にのみ形成されているので、(B)の未施
用部を通して、包装材料の透気性は保持したままで加工
が可能である。
更に、本発明においては、不織布、微多孔膜もしく
は、耐水耐油性加工紙を用いた包装材料を用いることに
より、不織布、微多孔膜もしくは、耐水耐油性加工紙の
特徴はそのまま生かされ、更に、多数の筋状又は、微細
な網目状に施用された樹脂が接着層と包装材料の補強材
としての働きを併せ持つことから、その接着強度と製袋
性に起因する使い易さは、不織布、微多孔膜もしくは、
耐水耐油性加工紙の種類及び、厚みを調整する事で制御
可能である。
その結果、不織布、微多孔膜もしくは、耐水耐油性加
工紙が、本来、有している透気性を大巾に低下すること
なく安定した透気度を付与する事ができるため、脱酸素
剤包装体は安定した脱酸素性能を発揮する事ができ、同
時に好適な製袋性と十分な接着強度を持った脱酸素剤包
装体が得られる。
本発明は、安定した脱酸素性能を有し、かつ、耐水
性、耐油性に優れた脱酸素剤包装体を提供するものであ
り、その食品保存分野を始めとする産業上の意義は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は不織布、微多孔膜もしくは、耐水耐油性加工紙
上に形成した本発明の包装材料の実施態様の第2図の下
側から見た正面図を示す。 第2図は同包装材料の断面図を示す。 第3図は、同包装材料に脱酸素剤を充填して包装し、シ
ールした本発明の脱酸素剤包装体の実施態様の断面図を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−33272(JP,A) 実開 昭58−96937(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 77/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有孔プラスチック積層フィルム(A)と、
    常圧で水を通さない不織布、微多孔膜であるプラスチッ
    クフィルムおよび、耐水耐油性加工紙よりなる群から選
    ばれた一種の微細孔を有するフィルム(B)を貼り合わ
    せてなる脱酸素剤用包装材料において、前記微細孔を有
    するフィルム(B)の片面に、前記微細孔を有するフィ
    ルム(B)と同等以下の軟化点を有する樹脂を7〜70g/
    m2を用い筋状に形成された樹脂間の未施用部の幅が20〜
    1,000μmである多数の筋状又は、網目状に形成された
    樹脂間の未施用部が500μm以下である網目状に形成
    し、更に、前記微細孔を有するフィルム(B)の他の面
    と有孔プラスチック積層フィルム(A)を構成するフィ
    ルムの低い軟化点を有する樹脂のフィルム層を合わせた
    ガーレー式透気度が1〜10,000秒/100mlである包装材料
    を、脱酸素剤の包装材料の全部もしくは一部として用
    い、有孔プラスチック積層フィルム(A)を外側にして
    脱酸素剤を包装しシールする際に、前記微細孔を有する
    フィルム(B)の片面に、前記微細孔を有するフィルム
    (B)と同等以下の軟化点を有する樹脂を7〜70g/m2
    用い筋状に形成された樹脂間の未施用部の幅が20〜1,00
    0μmである多数の筋状又は、網目状に形成された樹脂
    間の未施用部が500μm以下である網目状に形成された
    樹脂層をシール層として、かつ、有孔プラスチック積層
    フィルム(A)を構成するフィルムの低い軟化点を有す
    る樹脂のフィルム層のシール部のみをラミネート層とし
    た事を特徴とする脱酸素剤包装体
  2. 【請求項2】請求項第(1)において、有孔プラスチッ
    ク積層フィルム(A)の孔径が10〜500μmであること
    を特徴とする脱酸素剤包装体。
  3. 【請求項3】請求項第(1)において、有孔プラスチッ
    ク積層フィルム(A)の低い軟化点を有するフィルム層
    が常圧で水を通さない不織布、微多孔膜であるプラスチ
    ックフィルムおよび、耐水耐油性加工紙よりなる群から
    選ばれた一種の微細孔を有するフィルム(B)との熱接
    着層であることを特徴とする脱酸素剤包装体
JP7573390A 1990-03-27 1990-03-27 脱酸素剤包装体 Expired - Lifetime JP2890633B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7573390A JP2890633B2 (ja) 1990-03-27 1990-03-27 脱酸素剤包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7573390A JP2890633B2 (ja) 1990-03-27 1990-03-27 脱酸素剤包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03275467A JPH03275467A (ja) 1991-12-06
JP2890633B2 true JP2890633B2 (ja) 1999-05-17

Family

ID=13584771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7573390A Expired - Lifetime JP2890633B2 (ja) 1990-03-27 1990-03-27 脱酸素剤包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2890633B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03275467A (ja) 1991-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2782727B2 (ja) フィルム状脱酸素剤
EP0366254B1 (en) Deoxidizer sheet
JPS6254705B2 (ja)
JPS61202843A (ja) 通気性包装材料の製造方法
JP5174476B2 (ja) アルコール揮散剤
JP2890633B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP3049720B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP2001354274A (ja) 透湿防水包装用材料および包装体
JP3186185B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP2961796B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP3111574B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JPH0329751A (ja) 脱酸素剤包装体
JP2986479B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP2676407B2 (ja) 脱酸素剤用包装材料
JP3110440B2 (ja) 新規なる通気性かつヒートシール性を有する積層シート
JPH044225B2 (ja)
JP3033259B2 (ja) 脱酸素剤包装体
JP3633651B2 (ja) 脱酸素剤包装材料
JP2995341B2 (ja) 新規なる通気性かつヒートシール性を有する積層シートを用いた鮮度保持用具
JPH04279468A (ja) 脱酸素剤包装体
JPH03289460A (ja) 脱酸素剤包装体
JPH03238043A (ja) 脱酸素剤包装体
JP3913554B2 (ja) 包装シート、アルコール蒸散剤用包装袋および食品用包装袋
JPH03238045A (ja) 脱酸素剤包装体
JP3923579B2 (ja) 包装袋