JP2890103B2

JP2890103B2 - 使い捨て簡易手動消火ガス噴射器具

Info

Publication number: JP2890103B2
Application number: JP2478195A
Authority: JP
Inventors: 茂幸白石
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-01-19
Filing date: 1995-01-19
Publication date: 1999-05-10
Anticipated expiration: 2014-05-10
Also published as: JPH08191900A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使い捨て簡易手動消火
ガス噴射器具の分野に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の簡易手動消火ガス噴射器具とし
て、特願平６−１３３８１１号がある。この消火ガス噴
射器具は、ボンベの頭部サイドを手で叩き、叩くことに
よって撃針がボンベの頭部の封板を打ち破り、ボンベ内
に充填中の消火ガスを噴射せしめ、噴射したガスが、ボ
ンベの底部サイドに形成されているカバーの噴射孔より
噴射し火災の元火を消火せしめる機構であった。

【０００３】そのため、ボンベの封板が打ち破られて消
火ガスが噴射し、噴射した消火ガスがパイプ体内の空隙
部よりパイプ体の底部に到達し、到達した消火ガスがカ
バーの底部に形成されている噴射孔より噴射するまで
に、高圧充填されていた消火ガスの圧力が減じられ消火
能力が比例して減じられていた。

【０００４】さらに従来の簡易手動消火ガス噴射器具
は、ボンベを被覆しているパイプ体やカバーの構成が、
高圧消火ガスの圧力に十分耐え得ることと、握持してい
る手指を高圧ガスによる冷却から保護するために、２重
方式を採用しており、従って製作費の昂騰を惹起してい
た。

【０００５】

【本発明が解決しようとする課題】しかるに本発明は、
第１に下方カバーから突出しているボンベの底部サイド
を金槌と同じような感じで、カバーを握持したまゝ壁又
は床に叩きつけたり、あるいは手でボンベの底部を叩く
だけで、ボンベの封板が打ち破られ、直ちに高圧消火ガ
スがボンベからの噴射方向と直進方向で外部に噴射する
ようにして、高圧消火ガスの圧力を減ずることなく、噴
射して元火の消火活動を確実になさしめたこと、第２に
本発明の消火ガス噴射器具は、高圧消火ガスの噴射に伴
って発生する−４５℃前後の冷却熱が発生しても、ボン
ベと下方カバーとの間隙部から、ボンベの底部方向に逃
がし、下方カバーを握持していても、やけど等が生じな
いようにしたこと、第３にボンベ以外の構成部材を合成
樹脂製にして、製品単価を安価にすることができるよう
にしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、消火ガスを充
填したボンベのネジ付き頭部と肩部とが嵌挿可能な内径
を有する外側固定部と、前記外側固定部と螺着するボン
ベの胴部を被覆する下方カバーと、前記ボンベの頭部が
螺着可能な雌ネジを設けた嵌挿孔を底部より上方部に形
成し、且前記嵌挿孔と連通する垂直状の貫通孔を形成
し、側面にセフティプレートの脚部の挿入用凹部を有す
るボンベ支持部と、前記外側固定部と下方部が螺着し、
且前記ボンベ支持部の貫通孔に嵌挿する噴射孔付き突起
部を有し、且突起部内に撃針を固着すると共に、囲繞壁
部に孔部を有する上方カバー部と、内側に前記ボンベの
頭部が嵌挿する嵌挿孔を有し、且前記上方カバー部と螺
着するネジ部を有する内側固定部とを夫々別設し、

【０００７】前記ボンベの封板付き頭部を内側固定部の
嵌挿孔より突出せしめ、突出したボンベの頭部をボンベ
支持部のＯリングを挿入した嵌挿孔内に螺入してボンベ
とボンベ支持部とを螺着し、前記ボンベ支持部の垂直状
貫通孔に上方カバー部の突起部を嵌着し、且内側固定部
と上方カバー部とを螺着し、セフティプレートの脚部を
上方カバー部の孔部からボンベ支持部の凹部に挿込み、
上方カバー部と外側固定部とを螺着すると共に、外側固
定部と下方カバーとを螺着せしめ下方カバーの下方開口
部よりボンベの底部を突出させ組立てたことを特徴とす
る使い捨て簡易手動消火ガス噴射器具である。

【０００８】

【作用】本発明の作用を説明すると以下のとおりであ
る。

【０００９】本発明の使い捨て手動消火ガス噴射器具
は、コンピューター室、エンジンルーム、船舶、車両の
原動室、配電室、電源庫、ボイラー室、発火物のコンテ
ナ、自動発電室、暖房機器室、重要品の保管庫、書庫、
美術品庫、発火性電化製品、ガス製品のキャビネット等
の出火に備えて防災装備するものである。

【００１０】そして前記室内、庫内、キャビネット内で
発火、又は引火の場合は当ガス噴射器具を作動させて火
元又は引火を防ぐものである。

【００１１】室内に火災の元火が発生したら、片手で本
発明の消火ガス噴射器具の下方カバーをしっかりつか
み、片手でセフティプレートを引抜いてやる。

【００１２】上述のようにセフティプレートを引抜いた
後、ノズルの前方部を火災発生個所に向け、ボンベの底
面部を手の平で叩くか、又はボンベの底部を柱、床面等
に金槌を叩くようにして打ち付けると、ボンベ全体とボ
ンベを支持しているボンベ支持部とが前進する。上記の
ようにボンベが前進すると封板を撃針が打ち破り、封板
の打ち破りによって、高圧消火ガスが噴射し、噴射孔か
ら噴射される。

【００１３】上記のようにボンベの底部を叩くと、ボン
ベとボンベ支持部との両構成部材だけが動くだけで、他
の構成部材は静止している。

【００１４】さらに上述のように、ボンベから消火ガス
が噴射すると、−４５℃前後の冷却熱がボンベの外部に
発生しても、ボンベと下方カバーとの間に形成されてい
る間隙部から下方カバーの下方開口部より放出される。
従って下方カバーを握持している手指がやけどすること
がない。

【００１５】本発明の消火ガス噴射器具は、ボンベに充
填されている液体ガスの量にもよるが、火災発生個所と
の距離が２ｍ以下ならば、広い室内でも、直接火災の火
元の個所に噴射させて消火が可能である。

【００１６】本発明の噴射器具は、初期消火を目的とし
ているもので、構造簡単で、操作が何人でも十分可能で
ある。

【００１７】噴射されたガスは噴射孔より強力に噴射さ
れ、燃焼物の元火を急速に冷却して冷却消火を行う。

【００１８】さらにボンベから噴射された液体ガスが気
化して気化ガスとなり、その気化ガスが爆発的な拡大量
となって、室内又は庫内等を酸欠状態にする。その酸欠
は、酸欠消火に必要な、いわゆる消火目的の室内の２１
％の酸素を１５％以下に減少できる計算の室内又は庫内
を計算とするものであり、そのリューベー計算にともな
った本数の打ち込みを行うものとする。

【００１９】また本発明の液体ガス手動噴射器具は、封
板が打ち破られてから前記ガスが噴射するまでの時間
は、従来の消火器の機構と全く異なり、きわめて強圧の
ためスピードと拡散が計られ、さらに最後まで圧力も減
ぜずに噴射気化し、冷却消火活動をすると同時に、気化
ガスの爆発的な大量化によって酸欠状態を作って消火活
動をなさしめる機能を有している。

【００２０】さらに本発明の液体ガスの噴射に伴う気化
ガスによって、室内の各種設備や重要品、書類等を水び
だしにして汚損するようなことが全く存しないものであ
る。

【００２１】

【実施例】本発明の実施例を説明する。ａは本発明の使
い捨て簡易手動消火ガス噴射器具である。

【００２２】１は上方に封板２を設け、内部に開封して
気化すると超マイナス温度（−４５℃）になる炭酸系又
は窒素系の液体ガスを充填したボンベである。この液体
ガスは、気化直時前記のように超マイナス温度に冷却す
るし、液化の６０ｃｃ量×５００倍の気化量であるこ
と、さらに酸欠状態にするには、２１％の酸素を１５％
に減少すれば消火されることになっているので、気化量
が室内等の広さに応じて約４分の１になるように計算し
て、数量装備を計る。３は頭部４の外周に設けたネジ、
５はボンベ１の底部であり、以上をもってボンベ１を構
成する。

【００２３】６はボンベ１の頭部４と肩部７とが嵌挿可
能な内径を有する外側固定部である。８は前記外側固定
部６と螺着するボンベ１の胴部１’を被覆する下方カバ
ー、９は前記ボンベ１の頭部４が螺着可能な雌ネジ１０
を設けた嵌挿孔１１を底部１２より上方部に形成し、且
前記嵌挿孔１１と連通する垂直状の貫通孔１３を形成
し、側面にセフティプレート１４の脚部１５の挿入用凹
部１６を有するボンベ支持部である。１７は外側固定部
６と下方部が螺着し、且前記ボンベ支持部９の貫通孔１
３に嵌挿する噴射孔１８付き突起部１９を有し、且突起
部１９内に撃針２０を固着し、囲繞壁部２１に孔部２２
を有する上方カバー部である。２３は内側に前記ボンベ
１の頭部４が嵌挿する嵌挿孔２４を有し、且前記上方カ
バー部１７と螺着するネジ部２５を有する内側固定部で
ある。

【００２４】８’は下方開口部、２６はボンベ支持部９
の嵌挿孔１１内に嵌挿したＯリング、２７は撃針２０に
嵌挿したＯリングである。

【００２５】２８はボンベ１と下方カバー８との間に形
成した間隙部である。

【００２６】そして前記のような構成部材をつぎのよう
にして組立てる。

【００２７】前記ボンベ１の頭部４を内側固定部２３の
嵌挿孔２４より突出せしめ、突出したボンベ１の頭部４
をボンベ支持部９のＯリング２６を挿入した嵌挿孔１１
内に螺入してボンベ１とボンベ支持部９とを螺着する。
前記ボンベ支持部９の垂直状貫通孔１３に上方カバー部
１７の突起部１９を嵌着し、且内側固定部２３と上方カ
バー部１７とを螺着する。そして、セフティプレート１
４の脚部１５を上方カバー部１７の孔部２２からボンベ
支持部９の凹部１６に挿込んでやる。さらに上方カバー
部１７と外側固定部６とを螺着し、外側固定部６と下方
カバー８とを螺着し、下方カバー８の下方開口部８’よ
りボンベ１の底部５を突出させ組立てる。

【００２８】本発明の使い捨て消火ガス噴射器具は、以
上のような構成部材をもって構成されている。さらに上
述の各構成部材を組立てると、図面図示のとおりとな
る。

【００２９】

【効果】本発明は以下に示す効果を奏する。

【００３０】本発明は、片手で本発明の使い捨て消火噴
射器具を握持し、しかる後差込んでいたセフティプレー
トを抜きとり、上方カバー部の噴射孔を火災発生個所の
方向に向け、ボンベの底部を手のひらで叩くか、あるい
は片手で握持したまゝ床面又は柱等に叩くと、一体とな
っているボンベとボンベ支持部とが上方へ持ち上げられ
て、撃針が封板を打ち破り、打ち破られると同時にボン
ベに高圧で充填中の消火ガスが、突起部の噴射孔より直
ちに噴射し、ボンベと下方カバーとの間の間隙部に流出
することがなく、高圧のまゝ噴射するので、従来の同種
の消火ガス噴射器具に比し消火能力を著しく増大するに
至った。

【００３１】さらに本発明の使い捨て消火ガスの噴射器
具は、消火ガスの噴射時に生ずる冷却熱が、ボンベと下
方カバーとの間の間隙部より下方開口部に放出されるの
で、握持中にやけどのおそれが全くなく、安全使用がで
きる利点を有している。

【００３２】また本発明の上記器具は、ボンベイ以外の
構成部材を合成樹脂製にして形成できるので、従来品に
比し、安価で、しかも軽量化をはかることができるに至
った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明使い捨て簡易手動消火ガス噴射器具の一
部切欠縦断正面図である。

【符号の説明】

ａ・・・使い捨て簡易手動消火ガス噴射器具１・・
・ボンベ１’・・・胴部２・・・封板３・
・・ネジ４・・・頭部５、１２・・・底部
６・・・外側固定部７・・・肩部８・・・下方
カバー８’・・・下方開口部９・・・ボンベ支
持部１０・・・雌ネジ１１、２４・・・嵌挿孔
１３・・・貫通孔１４・・・セフティプレート
１５・・・脚部１６・・・挿入用凹部１７
・・・上方カバー部１８・・・噴射孔１９・・
・突起部２０・・・撃針２１・・・囲繞壁部
２２・・・孔部２３・・・内側固定部２５・
・・ネジ部２６、２７・・・Ｏリング２８・・
・間隙部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】消火ガスを充填したボンベのネジ付き頭部
と肩部とが嵌挿可能な内径を有する外側固定部と、前記
外側固定部と螺着するボンベの胴部を被覆する下方カバ
ーと、前記ボンベの頭部が螺着可能な雌ネジを設けた嵌
挿孔を底部より上方部に形成し、且前記嵌挿孔と連通す
る垂直状の貫通孔を形成し、側面にセフティプレートの
脚部の挿入用凹部を有するボンベ支持部と、前記外側固
定部と下方部が螺着し、且前記ボンベ支持部の貫通孔に
嵌挿する噴射孔付き突起部を有し、且突起部内に撃針を
固着すると共に、囲繞壁部に孔部を有する上方カバー部
と、内側に前記ボンベの頭部が嵌挿する嵌挿孔を有し、
且前記上方カバー部と螺着するネジ部を有する内側固定
部とを夫々別設し、前記ボンベの封板付き頭部を内側固定部の嵌挿孔より突
出せしめ、突出したボンベの頭部をボンベ支持部のＯリ
ングを挿入した嵌挿孔内に螺入してボンベとボンベ支持
部とを螺着し、前記ボンベ支持部の垂直状貫通孔に上方
カバー部の突起部を嵌着し、且内側固定部と上方カバー
部とを螺着し、セフティプレートの脚部を上方カバー部
の孔部からボンベ支持部の凹部に挿込み、上方カバー部
と外側固定部とを螺着すると共に、外側固定部と下方カ
バーとを螺着せしめ下方カバーの下方開口部よりボンベ
の底部を突出させ組立てたことを特徴とする使い捨て簡
易手動消火ガス噴射器具。