JP2887057B2 - 電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体及びこの
電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
電子写真感光体を用いた電子写真装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】電子写真感光体は基本的には支持体と、
支持体上に形成された光導電層とから成っている。しか
し、支持体の欠陥の被覆、光導電層の塗工性向上、光導
電層と支持体との接着性改良、光導電層の電気的破壊に
対する保護、帯電性の向上、支持体から光導電層への電
荷注入性の改良などのために光導電層と支持体との間に
中間層を設けることが有効である。したがって、電子写
真感光体における中間層は被覆性、接着性、機械的強
度、適当な導電性と電気的バリア性などの多くの機能が
要求される。
支持体上に形成された光導電層とから成っている。しか
し、支持体の欠陥の被覆、光導電層の塗工性向上、光導
電層と支持体との接着性改良、光導電層の電気的破壊に
対する保護、帯電性の向上、支持体から光導電層への電
荷注入性の改良などのために光導電層と支持体との間に
中間層を設けることが有効である。したがって、電子写
真感光体における中間層は被覆性、接着性、機械的強
度、適当な導電性と電気的バリア性などの多くの機能が
要求される。
【０００３】従来から中間層としては、以下のタイプの
ものが提案されている。
ものが提案されている。
【０００４】（ｉ）導電性フィラーの含有しない樹脂薄
膜 （ｉｉ）導電性フィラーの含有した樹脂薄膜 （ｉｉｉ）上記（ｉｉ）の薄膜の上に、上記（ｉ）の薄
膜を積層したもの 上記（ｉ）の薄膜は導電性フィラーを含有しないため膜
の抵抗が高く、しかも支持体上の欠陥を被覆するために
厚膜にして用いなければならない。そのために、初期お
よび繰り返し使用時の残留電位が高くなるという欠点を
もっており、上記（ｉ）の薄膜の実用化のためには支持
体上の欠陥を小さくし、中間層の膜厚を非常に薄くする
必要がある。
膜 （ｉｉ）導電性フィラーの含有した樹脂薄膜 （ｉｉｉ）上記（ｉｉ）の薄膜の上に、上記（ｉ）の薄
膜を積層したもの 上記（ｉ）の薄膜は導電性フィラーを含有しないため膜
の抵抗が高く、しかも支持体上の欠陥を被覆するために
厚膜にして用いなければならない。そのために、初期お
よび繰り返し使用時の残留電位が高くなるという欠点を
もっており、上記（ｉ）の薄膜の実用化のためには支持
体上の欠陥を小さくし、中間層の膜厚を非常に薄くする
必要がある。
【０００５】一方、上記（ｉｉ）及び（ｉｉｉ）の薄膜
は、導電性フィラーを分散することによって適当な導電
性を付与できる利点はあるが、導電性フィラーの分散性
が悪いと、中間層の抵抗や誘電率などの電気特性が変化
し、電位特性や画像性に大きな影響を与える。また、フ
ィラーの分散性が悪いと、膜の表面平滑性が悪くなり、
塗工欠陥の原因になる。さらに、フィラーの分散が悪い
と支持体との密着性や機械的強度も低下する。
は、導電性フィラーを分散することによって適当な導電
性を付与できる利点はあるが、導電性フィラーの分散性
が悪いと、中間層の抵抗や誘電率などの電気特性が変化
し、電位特性や画像性に大きな影響を与える。また、フ
ィラーの分散性が悪いと、膜の表面平滑性が悪くなり、
塗工欠陥の原因になる。さらに、フィラーの分散が悪い
と支持体との密着性や機械的強度も低下する。
【０００６】これまでに中間層の導電性フィラーとし
て、金属（特開昭５８−１８１０５４号公報）や金属酸
化物（特開昭５４−１５１８４３号公報）、金属窒化物
（特開平１−１１８８４８号公報）などが報告されてい
る。
て、金属（特開昭５８−１８１０５４号公報）や金属酸
化物（特開昭５４−１５１８４３号公報）、金属窒化物
（特開平１−１１８８４８号公報）などが報告されてい
る。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
導電性フィラーを中間層のフィラーとして用いた電子写
真感光体では、温度、湿度などの環境依存性が大きく、
低温低湿から高温高湿下での全環境に対して常に安定し
た電位特性および画像特性を有する感光体を作成するこ
とが困難であった。たとえば、中間層の抵抗の増大を招
く低温低湿下では、感光体を繰り返し使用した場合、中
間層に電荷が蓄積され残留電位および明部電位が上昇し
た。一方、中間層の抵抗低下を招く高温高湿下において
は、中間層の電気的バリア能が低下し、支持体からのキ
ャリア注入が加速され、繰り返し使用時における暗部電
位の低下が観測された。その結果、高温高湿下で画像濃
度の低下が起こる他に、反転現像を行う電子写真方式の
プリンターの場合は、画像に不要な黒点（黒ポチ）が発
生したり、カブリを生じやすくなった。
導電性フィラーを中間層のフィラーとして用いた電子写
真感光体では、温度、湿度などの環境依存性が大きく、
低温低湿から高温高湿下での全環境に対して常に安定し
た電位特性および画像特性を有する感光体を作成するこ
とが困難であった。たとえば、中間層の抵抗の増大を招
く低温低湿下では、感光体を繰り返し使用した場合、中
間層に電荷が蓄積され残留電位および明部電位が上昇し
た。一方、中間層の抵抗低下を招く高温高湿下において
は、中間層の電気的バリア能が低下し、支持体からのキ
ャリア注入が加速され、繰り返し使用時における暗部電
位の低下が観測された。その結果、高温高湿下で画像濃
度の低下が起こる他に、反転現像を行う電子写真方式の
プリンターの場合は、画像に不要な黒点（黒ポチ）が発
生したり、カブリを生じやすくなった。
【０００８】このように、環境の変化によって感光体の
特性が変化してしまうのは、導電性フィラーの分散性が
悪いためと考えられる。すなわち、中間層内部における
導電性フィラーの分散性低下によって局所的な抵抗変化
が生じ、そのために電位特性や画像特性が環境変化を受
けやすくなるものと考えられる。
特性が変化してしまうのは、導電性フィラーの分散性が
悪いためと考えられる。すなわち、中間層内部における
導電性フィラーの分散性低下によって局所的な抵抗変化
が生じ、そのために電位特性や画像特性が環境変化を受
けやすくなるものと考えられる。
【０００９】本発明の目的は低温低湿から高温高湿に至
る全環境下で安定した電位特性と画像特性を有する電子
写真感光体を提供すること、及びこの電子写真感光体を
用いた電子写真装置を提供することである。
る全環境下で安定した電位特性と画像特性を有する電子
写真感光体を提供すること、及びこの電子写真感光体を
用いた電子写真装置を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
は、支持体と、前記支持体側から順に中間層と光導電層
とを有し、リン含有の酸化スズ微粒子からなる粉体を、
前記中間層に含有したものである。
は、支持体と、前記支持体側から順に中間層と光導電層
とを有し、リン含有の酸化スズ微粒子からなる粉体を、
前記中間層に含有したものである。
【００１１】本発明の電子写真装置は、上記の電子写真
感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段
と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行な
い、静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成
された前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段
とを有するものである。
感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段
と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行な
い、静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成
された前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段
とを有するものである。
【００１２】本発明の電子写真感光体は、支持体上に支
持体側から順に中間層と光導電層とを有する。中間層に
はフィラーとして、リン含有の酸化スズ微粒子からなる
粉体を含有する。
持体側から順に中間層と光導電層とを有する。中間層に
はフィラーとして、リン含有の酸化スズ微粒子からなる
粉体を含有する。
【００１３】本発明で使用する、リンの含有した酸化ス
ズ微粒子は、酸化スズの結晶格子にリン原子がとり込ま
れた固溶体である。リンの含有した酸化スズ微粒子は、
リンの含有しない酸化スズ微粒子に比べて電気抵抗が低
い。
ズ微粒子は、酸化スズの結晶格子にリン原子がとり込ま
れた固溶体である。リンの含有した酸化スズ微粒子は、
リンの含有しない酸化スズ微粒子に比べて電気抵抗が低
い。
【００１４】本発明において、粉体の比抵抗は１０〜１
００Ωｃｍが好ましい。本発明において、粉体比抵抗は
三菱油化製の抵抗測定装置ロレスタＡＰ（Ｌｏｒｅｓｔ
ａＡＰ）を用いて測定した。測定対象の粉体は、５００
ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でかためてコイン状のサンプルとし
て上記測定装置に装着した。
００Ωｃｍが好ましい。本発明において、粉体比抵抗は
三菱油化製の抵抗測定装置ロレスタＡＰ（Ｌｏｒｅｓｔ
ａＡＰ）を用いて測定した。測定対象の粉体は、５００
ｋｇ／ｃｍ2 の圧力でかためてコイン状のサンプルとし
て上記測定装置に装着した。
【００１５】リンの含有量は、酸化スズ微粒子に対して
０．０１〜３０重量％、更には０．１０〜１０重量％が
好ましい。リンの含有した酸化スズ微粒子の平均粒径は
０．０２〜０．２μｍ、更には０．０２〜０．１μｍが
好ましい。本発明において、微粒子の平均粒径は遠心沈
降法により測定した値である。
０．０１〜３０重量％、更には０．１０〜１０重量％が
好ましい。リンの含有した酸化スズ微粒子の平均粒径は
０．０２〜０．２μｍ、更には０．０２〜０．１μｍが
好ましい。本発明において、微粒子の平均粒径は遠心沈
降法により測定した値である。
【００１６】一般に、フィラーの平均粒径が小さくなる
と、分散が難しくなり再凝集しやすくなるが、本発明で
使用するフィラーは、分散性に優れるものである。フィ
ラーの含有量は、中間層に対して１．０〜９０重量％、
更には５．０〜８０重量％が好ましい。
と、分散が難しくなり再凝集しやすくなるが、本発明で
使用するフィラーは、分散性に優れるものである。フィ
ラーの含有量は、中間層に対して１．０〜９０重量％、
更には５．０〜８０重量％が好ましい。
【００１７】本発明の中間層に用いられる結着樹脂とし
ては、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポ
リビニールアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
メラミン樹脂あるいはポリエステルなどが好ましい。こ
れらの樹脂は、単独でも、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの樹脂は、支持体に対する接着性が良
好であると共に、本発明で使用するフィラーの分散性を
向上させ、かつ成膜後の耐溶剤性が良好である。上記樹
脂の中でも特にフェノール樹脂、ポリウレタン及びポリ
アミド酸が好ましい。
ては、例えばフェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポ
リビニールアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
メラミン樹脂あるいはポリエステルなどが好ましい。こ
れらの樹脂は、単独でも、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの樹脂は、支持体に対する接着性が良
好であると共に、本発明で使用するフィラーの分散性を
向上させ、かつ成膜後の耐溶剤性が良好である。上記樹
脂の中でも特にフェノール樹脂、ポリウレタン及びポリ
アミド酸が好ましい。
【００１８】フィラーの分散性を向上させるために、フ
ィラー表面をカップリング剤（シランカップリング剤や
チタンカップリング剤など）あるいはシリコンオイルな
どの処理剤で処理してもよい。また、上記処理剤を中間
層のバインダー中に含有させてもよい。
ィラー表面をカップリング剤（シランカップリング剤や
チタンカップリング剤など）あるいはシリコンオイルな
どの処理剤で処理してもよい。また、上記処理剤を中間
層のバインダー中に含有させてもよい。
【００１９】中間層の厚みは０．１〜３０μｍ、更には
０．５〜１０μｍが好ましい。また、中間層の体積抵抗
率は１０13Ωｃｍ以下、更には１０12Ωｃｍ以下１０Ω
ｃｍ以上が好ましい。本発明において、体積抵抗率はア
ルミニウム板上に測定対象の中間層を塗布し、更にこの
中間層上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄
膜の両電極間を流れる電流値をｐＡメーターで測定して
求めた。
０．５〜１０μｍが好ましい。また、中間層の体積抵抗
率は１０13Ωｃｍ以下、更には１０12Ωｃｍ以下１０Ω
ｃｍ以上が好ましい。本発明において、体積抵抗率はア
ルミニウム板上に測定対象の中間層を塗布し、更にこの
中間層上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄
膜の両電極間を流れる電流値をｐＡメーターで測定して
求めた。
【００２０】中間層には、リン含有の酸化スズ微粒子か
らなる粉体以外に、酸化亜鉛や酸化チタン等の粉体から
なるフィラーを含有してもよい。更に、中間層の表面性
を高めるためにレベリング剤を添加してもよい。
らなる粉体以外に、酸化亜鉛や酸化チタン等の粉体から
なるフィラーを含有してもよい。更に、中間層の表面性
を高めるためにレベリング剤を添加してもよい。
【００２１】本発明の光導電層は単一層でもよいし、少
なくとも電荷発生層及び電荷輸送層で構成される積層構
造でもよい。
なくとも電荷発生層及び電荷輸送層で構成される積層構
造でもよい。
【００２２】光導電層が単一層の場合、電荷発生物質、
電荷輸送物質を同一層に含有して、同一層内で光キャリ
アの生成および移動を行う。
電荷輸送物質を同一層に含有して、同一層内で光キャリ
アの生成および移動を行う。
【００２３】光導電層が積層構造の場合、電荷発生物質
を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸
送層との積層順は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送
層の順でもよいし、その逆でもよい。
を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸
送層との積層順は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送
層の順でもよいし、その逆でもよい。
【００２４】電荷発生物質としては、例えばアゾ系顔料
（例えばモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなど）、金属
および無金属フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料
（例えばインジゴ、チオインジゴなど）、キノン系顔料
（例えばアントアントロン、ピレンキノンなど）、ペリ
レン系顔料（例えばペリレン酸無水物、ペリレン酸イミ
ドなど）、スクワリウム系色素、ピリリウム、チアピリ
リウム塩類、トリフェニルメタン系色素などが挙げられ
る。また、セレン、セレン−テルルあるいはアモルファ
スシリコンなどの無機材料も、発荷発生物質として使用
することができる。
（例えばモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなど）、金属
および無金属フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料
（例えばインジゴ、チオインジゴなど）、キノン系顔料
（例えばアントアントロン、ピレンキノンなど）、ペリ
レン系顔料（例えばペリレン酸無水物、ペリレン酸イミ
ドなど）、スクワリウム系色素、ピリリウム、チアピリ
リウム塩類、トリフェニルメタン系色素などが挙げられ
る。また、セレン、セレン−テルルあるいはアモルファ
スシリコンなどの無機材料も、発荷発生物質として使用
することができる。
【００２５】電荷輸送物質としては、電子輸送物質と正
孔輸送物質がある。電子輸送物質としては、たとえば
２，４，７−トリニトロフルオレノン、２，４，５，７
−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシア
ノキノジメタンなどが挙げられる。正孔輸送物質として
は、たとえば多環芳香族化合物（例えばピレン、アント
ラセンなど）、複素環化合物（例えばカルバゾール、イ
ンドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、
オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジア
ゾール、トリアゾールなど）、ヒドラゾン系化合物（例
えばｐ−ジエチルアミノベンズアルデヒド−Ｎ，Ｎ−ジ
フェニルヒドラゾン、Ｎ，Ｎ−ジフェニルヒドラジノ−
３−メチリデン−９−エチルカルバゾールなど）、スチ
リル系化合物（例えばα−フェニル−４′−Ｎ，Ｎ−ジ
アミノスチルベン、５−［４−ジ−ｐ−トリルアミノ）
ベンジリデン］−５Ｈ−ジベンゾ［ａ，ｄ］ジシクロヘ
プテンなど）、ベンジジン系化合物、トリアリールアミ
ン系化合物などが挙げられる。
孔輸送物質がある。電子輸送物質としては、たとえば
２，４，７−トリニトロフルオレノン、２，４，５，７
−テトラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシア
ノキノジメタンなどが挙げられる。正孔輸送物質として
は、たとえば多環芳香族化合物（例えばピレン、アント
ラセンなど）、複素環化合物（例えばカルバゾール、イ
ンドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、
オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジア
ゾール、トリアゾールなど）、ヒドラゾン系化合物（例
えばｐ−ジエチルアミノベンズアルデヒド−Ｎ，Ｎ−ジ
フェニルヒドラゾン、Ｎ，Ｎ−ジフェニルヒドラジノ−
３−メチリデン−９−エチルカルバゾールなど）、スチ
リル系化合物（例えばα−フェニル−４′−Ｎ，Ｎ−ジ
アミノスチルベン、５−［４−ジ−ｐ−トリルアミノ）
ベンジリデン］−５Ｈ−ジベンゾ［ａ，ｄ］ジシクロヘ
プテンなど）、ベンジジン系化合物、トリアリールアミ
ン系化合物などが挙げられる。
【００２６】光導電層が単一層の場合、光導電層の厚み
は５〜１００μｍが好ましく、更には１０〜６０μｍが
好ましい。単一層の光導電層には、電荷発生物質及び電
荷輸送物質を各々の１０〜７０重量％、更には２０〜７
０重量％含有するのが好ましい。
は５〜１００μｍが好ましく、更には１０〜６０μｍが
好ましい。単一層の光導電層には、電荷発生物質及び電
荷輸送物質を各々の１０〜７０重量％、更には２０〜７
０重量％含有するのが好ましい。
【００２７】光導電層が積層構造の場合、電荷発生層の
厚みは０．００１〜５μｍ、更には０．０５〜２μｍが
好ましく、電荷輸送層の厚みは１〜４０μｍ、更には１
０〜３０μｍが好ましい。電荷発生層には、電荷発生物
質を１０〜１００重量％、更には４０〜１００重量％含
有するのが好ましい。電荷輸送層には、電荷輸送物質を
２０〜８０重量％、更には３０〜７０重量％含有するの
が好ましい。
厚みは０．００１〜５μｍ、更には０．０５〜２μｍが
好ましく、電荷輸送層の厚みは１〜４０μｍ、更には１
０〜３０μｍが好ましい。電荷発生層には、電荷発生物
質を１０〜１００重量％、更には４０〜１００重量％含
有するのが好ましい。電荷輸送層には、電荷輸送物質を
２０〜８０重量％、更には３０〜７０重量％含有するの
が好ましい。
【００２８】本発明の電子写真感光体は、光導電層に使
用する材料を真空蒸着あるいは適当な結着樹脂を組み合
わせて支持体上に成膜して得られる。
用する材料を真空蒸着あるいは適当な結着樹脂を組み合
わせて支持体上に成膜して得られる。
【００２９】光導電層の結着樹脂としては、例えばポリ
ビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリ酢酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂などが好まし
く用いられる。
ビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリ酢酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル、アクリル樹脂、セルロース系樹脂などが好まし
く用いられる。
【００３０】光導電層の材料の種類によっては中間層か
ら光導電層にフリーキャリアが注入されることがあり、
感光体の帯電能が低下し、画像特性に大きな影響を及ぼ
す。この様な場合には、必要に応じて中間層と光導電層
との間に電気的バリア性を有するバリア層（たとえば適
当な樹脂薄膜）を設けることによってこのフリーキャリ
アの注入を効果的に抑制することができる。バリア層と
しては、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルメ
チルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、
エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でん
ぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタンやポリグルタミン酸エステルなど
の樹脂を用いることができる。特に、塗工性、密着性、
耐溶剤性および電気的バリア性、抵抗などの点でポリア
ミドがバリア層として好ましい。ポリアミドとしては、
溶液状態で塗布できるような低結晶性もしくは非結晶性
の共重合ナイロンなどが適当である。バリア層の厚み
は、０．１〜２μｍが好ましい。
ら光導電層にフリーキャリアが注入されることがあり、
感光体の帯電能が低下し、画像特性に大きな影響を及ぼ
す。この様な場合には、必要に応じて中間層と光導電層
との間に電気的バリア性を有するバリア層（たとえば適
当な樹脂薄膜）を設けることによってこのフリーキャリ
アの注入を効果的に抑制することができる。バリア層と
しては、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルメ
チルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、
エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でん
ぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリアミド酸、メラミン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタンやポリグルタミン酸エステルなど
の樹脂を用いることができる。特に、塗工性、密着性、
耐溶剤性および電気的バリア性、抵抗などの点でポリア
ミドがバリア層として好ましい。ポリアミドとしては、
溶液状態で塗布できるような低結晶性もしくは非結晶性
の共重合ナイロンなどが適当である。バリア層の厚み
は、０．１〜２μｍが好ましい。
【００３１】本発明の電子写真感光体においては、光導
電層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構
成される。保護層を構成する材料としては、例えば、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリ
アセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などが挙げら
れる。保護層の膜厚は０．０５〜１５μｍ、更には１〜
１０μｍが好ましい。
電層上に保護層を設けてもよい。保護層は主に樹脂で構
成される。保護層を構成する材料としては、例えば、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチ
レン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリ
アセタール、ナイロン、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂などが挙げら
れる。保護層の膜厚は０．０５〜１５μｍ、更には１〜
１０μｍが好ましい。
【００３２】支持体は、アルミニウム、アルミニウム合
金、銅、チタン、ステンレスなどの金属や合金、また
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなどの高分子材料、更には、硬質紙などの材料を用
いて製造することができる。支持体の形状は、円筒状、
ベルト状あるいはシート状が好ましい。支持体を構成す
る材料の体積抵抗が高い場合には、導電処理をする必要
がある。導電処理は支持体上に導電性薄膜を形成した
り、あるいは支持体内に導電性物質を分散させて行なう
ことができる。
金、銅、チタン、ステンレスなどの金属や合金、また
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなどの高分子材料、更には、硬質紙などの材料を用
いて製造することができる。支持体の形状は、円筒状、
ベルト状あるいはシート状が好ましい。支持体を構成す
る材料の体積抵抗が高い場合には、導電処理をする必要
がある。導電処理は支持体上に導電性薄膜を形成した
り、あるいは支持体内に導電性物質を分散させて行なう
ことができる。
【００３３】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用されるだけでなく、レーザービームプリンタ
ー、ＣＲＴプリンター、ＬＥＤプリンター、液晶プリン
ター、ファクシミリ、レーザー製版などの電子写真応用
技術に広く用いることができる。
機に利用されるだけでなく、レーザービームプリンタ
ー、ＣＲＴプリンター、ＬＥＤプリンター、液晶プリン
ター、ファクシミリ、レーザー製版などの電子写真応用
技術に広く用いることができる。
【００３４】本発明による電子写真感光体は、低温低湿
から高温高湿に至る全環境下に対して、安定した電位特
性と良好な画像形成を実現することができる。
から高温高湿に至る全環境下に対して、安定した電位特
性と良好な画像形成を実現することができる。
【００３５】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置について説明する。図１に本発明のドラム型
感光体を用いた転写式電子写真装置の概略構成を示し
た。図において、１は本発明のドラム型感光体であり軸
１ａを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。
該感光体１はその回転過程で帯電手段２によりその周面
に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光
部３にて不図示の像露光手段により光像露光Ｌ（スリッ
ト露光あるいはレーザービーム走査露光など）を受け
る。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像
が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手
段４でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段５
により不図示の給紙部から感光体１と転写手段５との間
に感光体１の回転と同期取りされて給送された記録材Ｐ
の面に順次転写されていく。像転写を受けた記録材Ｐは
感光体面から分離されて像定着手段８へ導入されて像定
着を受けて複写物（コピー）として機外へプリントアウ
トされる。像転写後の感光体１の表面はクリーニング手
段６にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、
前露光手段７により除電処理がされて繰り返して像形成
に使用される。感光体１の均一帯電手段２としてはコロ
ナ帯電装置が一般に広く使用されている。また、転写装
置５もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電
子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニ
ング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニ
ットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置
本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光
体１とクリーニング手段６とを一体化してひとつの装置
ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用い
て着脱自在の構成にしてもよい。このとき上記の装置ユ
ニットのほうに帯電手段および／または現像手段を伴っ
て構成してもよい。また、光像露光Ｌは、電子写真装置
を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿か
らの反射光や透過光を用いる、あるいは、原稿を読み取
り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、
発光ダイオードアレイの駆動、または液晶シャッターア
レイの駆動などを行うことにより行われる。
子写真装置について説明する。図１に本発明のドラム型
感光体を用いた転写式電子写真装置の概略構成を示し
た。図において、１は本発明のドラム型感光体であり軸
１ａを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。
該感光体１はその回転過程で帯電手段２によりその周面
に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光
部３にて不図示の像露光手段により光像露光Ｌ（スリッ
ト露光あるいはレーザービーム走査露光など）を受け
る。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像
が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手
段４でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段５
により不図示の給紙部から感光体１と転写手段５との間
に感光体１の回転と同期取りされて給送された記録材Ｐ
の面に順次転写されていく。像転写を受けた記録材Ｐは
感光体面から分離されて像定着手段８へ導入されて像定
着を受けて複写物（コピー）として機外へプリントアウ
トされる。像転写後の感光体１の表面はクリーニング手
段６にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、
前露光手段７により除電処理がされて繰り返して像形成
に使用される。感光体１の均一帯電手段２としてはコロ
ナ帯電装置が一般に広く使用されている。また、転写装
置５もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。電
子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニ
ング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニ
ットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置
本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、感光
体１とクリーニング手段６とを一体化してひとつの装置
ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用い
て着脱自在の構成にしてもよい。このとき上記の装置ユ
ニットのほうに帯電手段および／または現像手段を伴っ
て構成してもよい。また、光像露光Ｌは、電子写真装置
を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿か
らの反射光や透過光を用いる、あるいは、原稿を読み取
り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、
発光ダイオードアレイの駆動、または液晶シャッターア
レイの駆動などを行うことにより行われる。
【００３６】
実施例１ リン含有の酸化スズ微粒子からなるフィラー（粉体比抵
抗２５Ωｃｍ）１４０重量部と、レゾール型フェノール
樹脂（商品名プライオーフェンＪ−３２５、大日本イン
キ化学工業（株）製、固形分７０％）７０重量部と、２
−メトキシ−１−プロパノール１００重量部とからなる
溶液を約３０時間ボールミルで分散した。この分散液に
含有するフィラーの平均粒径を粒度測定機（商品名ＣＡ
ＰＡ−７００、堀場製作所製）を用いて遠心沈降法によ
り測定したところ０．０８μｍであった。また、微粒子
中のリン含有量は１重量％であった。
抗２５Ωｃｍ）１４０重量部と、レゾール型フェノール
樹脂（商品名プライオーフェンＪ−３２５、大日本イン
キ化学工業（株）製、固形分７０％）７０重量部と、２
−メトキシ−１−プロパノール１００重量部とからなる
溶液を約３０時間ボールミルで分散した。この分散液に
含有するフィラーの平均粒径を粒度測定機（商品名ＣＡ
ＰＡ−７００、堀場製作所製）を用いて遠心沈降法によ
り測定したところ０．０８μｍであった。また、微粒子
中のリン含有量は１重量％であった。
【００３７】このようにして調製した分散液を外径３０
ｍｍ、長さ３６０ｍｍのアルミニウムシリンダー（表面
の粗さＲｍａｘ５μｍ）上に浸漬法によって塗布し、１
４０℃で３０分間加熱硬化し、厚み１５μｍの中間層を
形成した。この時の表面粗さＲｍａｘを測定したとこ
ろ、０．４μｍであった。尚、粗さＲｍａｘはＪＩＳＢ
０６０１によるものである。
ｍｍ、長さ３６０ｍｍのアルミニウムシリンダー（表面
の粗さＲｍａｘ５μｍ）上に浸漬法によって塗布し、１
４０℃で３０分間加熱硬化し、厚み１５μｍの中間層を
形成した。この時の表面粗さＲｍａｘを測定したとこ
ろ、０．４μｍであった。尚、粗さＲｍａｘはＪＩＳＢ
０６０１によるものである。
【００３８】次に、共重合ナイロン（商品名アミランＣ
Ｍ８０００、東レ（株）製）１０重量部を、メタノール
６０重量部及びブタノール４０重量部の混合液に溶解さ
せて、前記中間層の上に浸漬塗布し、９０℃で１０分間
加熱乾燥して厚み０．５μｍのバリア層を形成した。
Ｍ８０００、東レ（株）製）１０重量部を、メタノール
６０重量部及びブタノール４０重量部の混合液に溶解さ
せて、前記中間層の上に浸漬塗布し、９０℃で１０分間
加熱乾燥して厚み０．５μｍのバリア層を形成した。
【００３９】次に、チタニルオキシフタロシアニン顔料
４重量部、ポリビニルブチラール（商品名ＢＸ−１、積
水化学工業（株）製）２重量部、シクロヘキサノン３４
重量部からなる溶液をサンドミルで８時間分散した後、
テトラヒドロフラン６０重量部を加えて電荷発生層用の
分散液を調製した。この分散液を上記のバリア層の上に
浸漬塗布し、８０℃で１０分間加熱乾燥して電荷発生層
を形成させた。電荷発生層の膜厚は約０．２μｍであっ
た。
４重量部、ポリビニルブチラール（商品名ＢＸ−１、積
水化学工業（株）製）２重量部、シクロヘキサノン３４
重量部からなる溶液をサンドミルで８時間分散した後、
テトラヒドロフラン６０重量部を加えて電荷発生層用の
分散液を調製した。この分散液を上記のバリア層の上に
浸漬塗布し、８０℃で１０分間加熱乾燥して電荷発生層
を形成させた。電荷発生層の膜厚は約０．２μｍであっ
た。
【００４０】次いで、下記構造式で示されるトリアリー
ルアミン化合物５０重量部と
ルアミン化合物５０重量部と
【００４１】
【外１】
【００４２】ポリカーボネート（商品名ユーピロンＺ−
２００、三菱瓦斯化学（株）製）５０重量部とをモノク
ロベンゼン４００重量部に溶解し、これを前記電荷発生
層の上に浸漬塗布し、１２０℃で１時間加熱乾燥して厚
み２０μｍの電荷輸送層を形成した。
２００、三菱瓦斯化学（株）製）５０重量部とをモノク
ロベンゼン４００重量部に溶解し、これを前記電荷発生
層の上に浸漬塗布し、１２０℃で１時間加熱乾燥して厚
み２０μｍの電荷輸送層を形成した。
【００４３】このようにして作成した本発明の電子写真
感光体を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して、
帯電−露光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒
サイクルで繰り返した。この感光体について低温低湿
（１５℃、１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性を評価
した。その結果、表１に示すように、この感光体では暗
部電位（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を
形成させることができて十分なコントラストを得ること
ができた。さらに、連続して１００００枚の記録紙に画
像を出したところ、暗部電位も明部電位もほとんど変化
せず、非常に安定した画質の画像が得られた。
感光体を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して、
帯電−露光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒
サイクルで繰り返した。この感光体について低温低湿
（１５℃、１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性を評価
した。その結果、表１に示すように、この感光体では暗
部電位（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を
形成させることができて十分なコントラストを得ること
ができた。さらに、連続して１００００枚の記録紙に画
像を出したところ、暗部電位も明部電位もほとんど変化
せず、非常に安定した画質の画像が得られた。
【００４４】
【表１】
【００４５】実施例２ アルミニウムシリンダーを外径３０ｍｍ、長さ２６０ｍ
ｍのものに代え、その他は、実施例１と同様にして本発
明の電子写真感光体を作成した。このようにして作成し
た電子写真感光体を、反転現像方式のプリンターに装着
して帯電−露光−転写−クリーニングのプロセスを６秒
サイクルで繰り返した。この感光体に対して高温高湿
（３０℃、８５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価
を行った。その結果、表２に示すように、この感光体で
は暗部電位（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな
差を形成させることができて十分なコントラストを得る
ことができた。さらに、連続して５０００枚の記録紙に
画像を出したところ、暗部電位も明部電位も変化せず、
また、黒点状欠陥やカブリもなく、非常に安定した画質
の画像が得られた。
ｍのものに代え、その他は、実施例１と同様にして本発
明の電子写真感光体を作成した。このようにして作成し
た電子写真感光体を、反転現像方式のプリンターに装着
して帯電−露光−転写−クリーニングのプロセスを６秒
サイクルで繰り返した。この感光体に対して高温高湿
（３０℃、８５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価
を行った。その結果、表２に示すように、この感光体で
は暗部電位（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな
差を形成させることができて十分なコントラストを得る
ことができた。さらに、連続して５０００枚の記録紙に
画像を出したところ、暗部電位も明部電位も変化せず、
また、黒点状欠陥やカブリもなく、非常に安定した画質
の画像が得られた。
【００４６】
【表２】
【００４７】実施例３ フィラーを、微粒子中のリン含有量が５重量％の酸化ス
ズ微粒子からなる粉体（粉体比抵抗１２Ωｃｍ）にか
え、中間層の結着樹脂をポリウレタン（商品名ニッポラ
ン２３０４、日本ポリウレタン（株）製）に代え、その
他は、実施例１と同様にして本発明の電子写真感光体を
作成した。この時中間層用の分散液に含有するフィラー
の平均粒径は、実施例１と同様の方法で測定した結果、
０．１０μｍであった。
ズ微粒子からなる粉体（粉体比抵抗１２Ωｃｍ）にか
え、中間層の結着樹脂をポリウレタン（商品名ニッポラ
ン２３０４、日本ポリウレタン（株）製）に代え、その
他は、実施例１と同様にして本発明の電子写真感光体を
作成した。この時中間層用の分散液に含有するフィラー
の平均粒径は、実施例１と同様の方法で測定した結果、
０．１０μｍであった。
【００４８】このようにして作成した電子写真感光体
を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して帯電−露
光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒サイクル
で繰り返した。この感光体に対して低温低湿（１５℃、
１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価を行った。
その結果、表３に示すように、この感光体では暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得ることができ
た。また、連続して１００００枚の記録紙に画像を形成
したところ、電位の変動がなく非常に安定した画像特性
を示した。
を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して帯電−露
光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒サイクル
で繰り返した。この感光体に対して低温低湿（１５℃、
１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価を行った。
その結果、表３に示すように、この感光体では暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得ることができ
た。また、連続して１００００枚の記録紙に画像を形成
したところ、電位の変動がなく非常に安定した画像特性
を示した。
【００４９】
【表３】
【００５０】実施例４ フィラーを、微粒子中のリン含有量が１０重量％の酸化
スズ微粒子からなる粉体（粉体比抵抗１０Ωｃｍ）にか
え、中間層の結着樹脂を下記構造のポリアミド酸にか
え、その他は実施例１と同様にして本発明の電子写真感
光体を作成した。
スズ微粒子からなる粉体（粉体比抵抗１０Ωｃｍ）にか
え、中間層の結着樹脂を下記構造のポリアミド酸にか
え、その他は実施例１と同様にして本発明の電子写真感
光体を作成した。
【００５１】
【外２】 この時、中間層用の分散液に含有するフィラーの平均粒
径は、実施例１と同様の方法で測定した結果、０．０９
μｍであった。
径は、実施例１と同様の方法で測定した結果、０．０９
μｍであった。
【００５２】このようにして作成した電子写真感光体
を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して帯電−露
光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒サイクル
で繰り返した。この感光体に対して低温低湿（１５℃、
１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価を行った。
その結果、表４に示すように、この感光体では暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得ることができ
た。また、連続して１００００枚の記録紙に画像形成し
たところ、電位の変動がなく非常に安定した画像特性を
示した。
を、正規現像方式の電子写真複写機に装着して帯電−露
光−転写−クリーニングのプロセスを０．８秒サイクル
で繰り返した。この感光体に対して低温低湿（１５℃、
１５％ＲＨ）の環境下で電子写真特性の評価を行った。
その結果、表４に示すように、この感光体では暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得ることができ
た。また、連続して１００００枚の記録紙に画像形成し
たところ、電位の変動がなく非常に安定した画像特性を
示した。
【００５３】
【表４】
【００５４】比較例１および２ 実施例１の中間層を、下記の塗工液を用いて形成した中
間層にかえ、その他は実施例１と同様にして、比較例１
および２のそれぞれの電子写真感光体を作成した。この
ようにして作成した各電子写真感光体を、正規現像方式
の電子写真複写機に装着して帯電−露光−転写−クリー
ニングのプロセスを０．８秒サイクルで繰り返した。こ
れらの感光体に対して低温低湿（１５℃、１５％ＲＨ）
の環境下で電子写真特性を評価をした。その結果、表５
に示すように、いずれの場合も初期において暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得られた。しか
し、連続して１００００枚の記録紙に画像形成したとこ
ろ、いずれの電子写真感光体についても暗部電位の減少
および明部電位の上昇が見られた。
間層にかえ、その他は実施例１と同様にして、比較例１
および２のそれぞれの電子写真感光体を作成した。この
ようにして作成した各電子写真感光体を、正規現像方式
の電子写真複写機に装着して帯電−露光−転写−クリー
ニングのプロセスを０．８秒サイクルで繰り返した。こ
れらの感光体に対して低温低湿（１５℃、１５％ＲＨ）
の環境下で電子写真特性を評価をした。その結果、表５
に示すように、いずれの場合も初期において暗部電位
（ＶD ）と明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成さ
せることができて十分なコントラストを得られた。しか
し、連続して１００００枚の記録紙に画像形成したとこ
ろ、いずれの電子写真感光体についても暗部電位の減少
および明部電位の上昇が見られた。
【００５５】比較例１の場合の処方 ・アンチモン含有の酸化スズ被覆層を有する酸化チタン
微粒子からなる粉体 １００重量部（商品名ＥＣＴＴ−
１、チタン工業（株）製） ・レゾール型フェノール樹脂 ７０重量部（商品名プラ
イオーフェンＪ−３２５） ・メチルセロソルブ ８０重量部
微粒子からなる粉体 １００重量部（商品名ＥＣＴＴ−
１、チタン工業（株）製） ・レゾール型フェノール樹脂 ７０重量部（商品名プラ
イオーフェンＪ−３２５） ・メチルセロソルブ ８０重量部
【００５６】比較例２の場合の処方 ・アンチモン含有の酸化スズ微粒子からなる粉体 １２
０重量部（商品名Ｔ−１、三菱マテリアル（株）製） ・ポリエステルポリウレタン ７０重量部（商品名ニッ
ポラン２３０４） ・２−メトキシ−１−プロパノール ８０重量部
０重量部（商品名Ｔ−１、三菱マテリアル（株）製） ・ポリエステルポリウレタン ７０重量部（商品名ニッ
ポラン２３０４） ・２−メトキシ−１−プロパノール ８０重量部
【００５７】
【表５】
【００５８】実施例５および６ アルミニウムシリンダーを外径３０ｍｍ、長さ２６０ｍ
ｍのものに代え、その他は、実施例３および４と同様に
して実施例５および６の電子写真感光体を作成した。こ
れらの本発明の電子写真感光体を反転現像の電子写真方
式のプリンターに装着して帯電−露光−転写−クリーニ
ングのプロセスを６秒サイクルで繰り返した。これらの
感光体に対して高温高湿（３０℃、８５％ＲＨ）の環境
下で電子写真特性の評価を行った。その結果、表６に示
すように、これらの感光体では暗部電位（ＶD ）と明部
電位（ＶL ）との間に大きな差を形成させることができ
て十分なコントラストを得ることができた。さらに、連
続して５０００枚の記録紙に画像を出したところ、いず
れの電子写真感光体についても暗部電位及び明部電位の
変動がほとんど見られず、また不要な黒点の発生やカブ
リもなく、非常に安定した画質の画像が得られた。
ｍのものに代え、その他は、実施例３および４と同様に
して実施例５および６の電子写真感光体を作成した。こ
れらの本発明の電子写真感光体を反転現像の電子写真方
式のプリンターに装着して帯電−露光−転写−クリーニ
ングのプロセスを６秒サイクルで繰り返した。これらの
感光体に対して高温高湿（３０℃、８５％ＲＨ）の環境
下で電子写真特性の評価を行った。その結果、表６に示
すように、これらの感光体では暗部電位（ＶD ）と明部
電位（ＶL ）との間に大きな差を形成させることができ
て十分なコントラストを得ることができた。さらに、連
続して５０００枚の記録紙に画像を出したところ、いず
れの電子写真感光体についても暗部電位及び明部電位の
変動がほとんど見られず、また不要な黒点の発生やカブ
リもなく、非常に安定した画質の画像が得られた。
【００５９】
【表６】
【００６０】比較例３および４ アルミニウムシリンダーを外径３０ｍｍ、長さ２６０ｍ
ｍのものに代え、その他は、比較例１および２と同様に
して比較例３及び４の電子写真感光体を作成した。これ
らの電子写真感光体を反転現像の電子写真方式のプリン
ターに装着して帯電−露光−転写−クリーニングのプロ
セスを６秒サイクルで繰り返した。これらの感光体に対
して高温高湿（３０℃、８５％ＲＨ）の環境下で電子写
真特性の評価を行った。その結果、表７に示すように、
これらの感光体では初期においては暗部電位（ＶD ）と
明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成させることが
できて十分なコントラストを得ることができた。しか
し、連続して５０００枚の記録紙に画像を出したとこ
ろ、暗部電位の減少が見られ、また、初期から画像上に
不要な黒点の発生が顕著に認められた。
ｍのものに代え、その他は、比較例１および２と同様に
して比較例３及び４の電子写真感光体を作成した。これ
らの電子写真感光体を反転現像の電子写真方式のプリン
ターに装着して帯電−露光−転写−クリーニングのプロ
セスを６秒サイクルで繰り返した。これらの感光体に対
して高温高湿（３０℃、８５％ＲＨ）の環境下で電子写
真特性の評価を行った。その結果、表７に示すように、
これらの感光体では初期においては暗部電位（ＶD ）と
明部電位（ＶL ）との間に大きな差を形成させることが
できて十分なコントラストを得ることができた。しか
し、連続して５０００枚の記録紙に画像を出したとこ
ろ、暗部電位の減少が見られ、また、初期から画像上に
不要な黒点の発生が顕著に認められた。
【００６１】
【表７】
【００６２】実施例７ 縦２５０ｍｍ、横１５０ｍｍ、厚み０．５ｍｍのアルミ
ニウム板上に、実施例１と同様の中間層用分散液をマイ
ヤーバーで塗布し、１４０℃で３０分間乾燥硬化後厚さ
５μｍの中間層を形成した。
ニウム板上に、実施例１と同様の中間層用分散液をマイ
ヤーバーで塗布し、１４０℃で３０分間乾燥硬化後厚さ
５μｍの中間層を形成した。
【００６３】次に、下記構造式のビスアゾ顔料５重量部
に
に
【００６４】
【外３】 テトラヒドロフラン９０重量部を加えて２０時間サンド
ミルで分散した。さらにこの液に、ブチラール樹脂（商
品名ＢＬＳ、積水化学工業（株）製）２．５重量部をテ
トラヒドロフラン２０重量部に溶かした溶液を加えて更
に２時間分散した。この分散液にシクロヘキサノン１０
０重量部とテトラヒドロフラン１００重量部を加えて希
釈し、前記の中間層の上に膜厚が０．２μｍになるよう
にマイヤーバーで塗布して電荷発生層を形成した。
ミルで分散した。さらにこの液に、ブチラール樹脂（商
品名ＢＬＳ、積水化学工業（株）製）２．５重量部をテ
トラヒドロフラン２０重量部に溶かした溶液を加えて更
に２時間分散した。この分散液にシクロヘキサノン１０
０重量部とテトラヒドロフラン１００重量部を加えて希
釈し、前記の中間層の上に膜厚が０．２μｍになるよう
にマイヤーバーで塗布して電荷発生層を形成した。
【００６５】次いで、下記構造式のスチリル化合物５０
重量部と
重量部と
【００６６】
【外４】 ポリカーボネート（商品名ユーピロン Ｚ−２００、三
菱瓦斯化学（株）製）５０重量部をモノクロルベンゼン
４００重量部に溶解させて、これを前記電荷発生層の上
に浸漬塗布し、１２０℃で１時間加熱乾燥して膜厚が２
０μｍの電荷輸送層を形成して本発明の電子写真感光体
を作成した。
菱瓦斯化学（株）製）５０重量部をモノクロルベンゼン
４００重量部に溶解させて、これを前記電荷発生層の上
に浸漬塗布し、１２０℃で１時間加熱乾燥して膜厚が２
０μｍの電荷輸送層を形成して本発明の電子写真感光体
を作成した。
【００６７】このようにして作成した電子写真感光体に
ついて、静電複写機試験装置（商品名Ｍｏｄｅｌ ＳＰ
−４２８、川口電気（株）製）を用いて帯電特性を評価
した。帯電特性の評価は、電子写真感光体を−５ｋＶの
コロナ放電で負に帯電し、１秒間暗所に放置後ハロゲン
ランプを用いて照度１０ルックスの光で露光して、この
ときの初期表面電位（Ｖ0 ）、暗所放置後の表面電位を
１／２に減衰するのに必要な露光量（Ｅ1/2 ）および残
留電位（Ｖr ）を測定することによって行なった。評価
結果を表８に示した。
ついて、静電複写機試験装置（商品名Ｍｏｄｅｌ ＳＰ
−４２８、川口電気（株）製）を用いて帯電特性を評価
した。帯電特性の評価は、電子写真感光体を−５ｋＶの
コロナ放電で負に帯電し、１秒間暗所に放置後ハロゲン
ランプを用いて照度１０ルックスの光で露光して、この
ときの初期表面電位（Ｖ0 ）、暗所放置後の表面電位を
１／２に減衰するのに必要な露光量（Ｅ1/2 ）および残
留電位（Ｖr ）を測定することによって行なった。評価
結果を表８に示した。
【００６８】実施例８および９ 中間層として、実施例３および４と同様のものを用い、
中間層上にバリア層を設け、その他は、実施例７と同様
にして実施例８および９の電子写真感光体を作成し、実
施例７と同様な方法でそれぞれの電子写真感光体の帯電
特性を評価した。バリア層は厚さ１μｍで、実施例１と
同様のバリア層用分散液を用いて形成したものである。
中間層上にバリア層を設け、その他は、実施例７と同様
にして実施例８および９の電子写真感光体を作成し、実
施例７と同様な方法でそれぞれの電子写真感光体の帯電
特性を評価した。バリア層は厚さ１μｍで、実施例１と
同様のバリア層用分散液を用いて形成したものである。
【００６９】評価結果を表８にした。
【００７０】
【表８】
【００７１】比較例５および６ 中間層を比較例１および２と同様の中間層にかえ、その
他は、実施例８と同様にして比較例５および６の電子写
真感光体を作成し、実施例７と同様な方法でそれぞれの
電子写真感光体の帯電特性を評価した。評価結果を表９
に示した。これらの感光体では実施例７〜９で作成した
感光体に比べて、明らかに電子写真感度が低下してい
た。
他は、実施例８と同様にして比較例５および６の電子写
真感光体を作成し、実施例７と同様な方法でそれぞれの
電子写真感光体の帯電特性を評価した。評価結果を表９
に示した。これらの感光体では実施例７〜９で作成した
感光体に比べて、明らかに電子写真感度が低下してい
た。
【００７２】
【表９】
【００７３】
【発明の効果】本発明による電子写真感光体によれば、
低温低湿から高温高湿下に至る全環境下に対して、安定
した電位特性と良好な画像形成を実現することができ
る。
低温低湿から高温高湿下に至る全環境下に対して、安定
した電位特性と良好な画像形成を実現することができ
る。
【図１】本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装置
の一例を示す側面図である。
の一例を示す側面図である。
１ 電子写真感光体 ２ 帯電手段 ３ 露光部 ４ 現像手段 ５ 転写手段 ６ クリーニング手段 ７ 前露光手段 ８ 像定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 明 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 一馬 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−275468（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) G03G 5/00 - 5/16
Claims (9)
- 【請求項１】 支持体と、前記支持体側から順に中間層
と光導電層とを有し、リン含有の酸化スズ微粒子からな
る粉体を、前記中間層に含有したことを特徴とする電子
写真感光体。 - 【請求項２】 前記微粒子の平均粒径が０．０２〜０．
２μｍである請求項１記載の電子写真感光体。 - 【請求項３】 前記平均粒径が、０．０２〜０．１μｍ
である請求項２記載の電子写真感光体。 - 【請求項４】 前記リンの含有量が、前記微粒子に対し
て０．０１〜３０重量％である請求項１記載の電子写真
感光体。 - 【請求項５】 前記含有量が、０．１０〜１０重量％で
ある請求項４記載の電子写真感光体。 - 【請求項６】 前記中間層の結着樹脂として、フェノー
ル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリアミド酸、ポリビニールアセター
ル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂および
ポリエステルからなる群から選ばれたものを用いる請求
項１記載の電子写真感光体。 - 【請求項７】 前記結着樹脂として、フェノール樹脂、
ポリウレタン及びポリアミド酸のうちから選ばれたもの
を用いる請求項６記載の電子写真感光体。 - 【請求項８】 前記中間層と前記光導電層との間にバリ
ア層を有する請求項１記載の電子写真感光体。 - 【請求項９】 請求項１記載の電子写真感光体と、前記
電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記
電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成す
る像露光手段と、静電潜像の形成された前記電子写真感
光体をトナーで現像する現像手段とを有することを特徴
とする電子写真装置。
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| JP4-343598 | 1992-12-01 | ||
| JP34359892 | 1992-12-01 | ||
| JP28687993A JP2887057B2 (ja) | 1992-12-01 | 1993-11-16 | 電子写真感光体及びこの電子写真感光体を用いた電子写真装置 |
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-
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- 1993-11-16 JP JP28687993A patent/JP2887057B2/ja not_active Expired - Fee Related
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