JP2886621B2 - エレベータ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、そのいずれもがエレベータのかどと重なり
合っていない頭上綱車装置を有するエレベータ装置に関
する。特に、本発明は、その原動力をエレベータの釣合
重りに設けられたリニアモータから導くようなエレベー
タ装置に関する。

〔従来の技術〕

米国特許第4,402,386号には、エレベータの釣合重り
に設けられたリニアモータによって駆動されるエレベー
タ装置が開示されている。そのモータの電機子は、エレ
ベータ昇降路に固定された極である。釣合重り及びエレ
ベータかごを接続しているロープを支えている綱車は、
けん引綱車ではなく、単なる案内綱車である。従って、
上述のエレベータシステムにおける綱車は駆動モータに
接続されていない。さらに、かごの下方あるいは上方の
いずれにも機械室を持つ必要がない。

〔発明が解決すべき課題〕

世界の幾つかの地域では、安全規約によって、頭上綱
車をかごルーフ真上の昇降路に設置してはならないこと
になっている。これらの規約との適合を図ることは、非
常に複雑なローピング装置を必要とする。その代表的な
ものは、かごの床下方のかごフレームに、２個の綱車を
設けることである。その場合、2/1ローピング比が用い
られる。この装置は、複雑である上、余分な綱車と余分
なロープを必要とするので、高価となる欠点がある。

本発明の目的は、昇降路内の頭上綱車がかごのルーフ
から横方向にオフセットされているエレベータ装置を提
供することにある。

本発明の他の目的は、ロープがビームを介してかごに
接続され、そのビームの両端がかご側壁の外側にあるよ
うなエレベータ装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、ロープをかごガイドレー
ルから遠ざけるように頭上綱車が配置されているエレベ
ータ装置を提供することにある。

本発明のさらに他の目的は、ロープに対する張力補償
を自動的に与えるために、ビームをかごに関節的に、例
えばピボット自在に取り付けることのできるエレベータ
装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

本発明は、かごのルーフ真上に頭上綱車を使用しない
エレベータかごのローピングシステムに関するものであ
る。このエレベータは、エレベータ装置の釣合重りに設
けられたリニアモータによって、駆動されるリニアモー
タエレベータである。ロープは、釣り合い重りの両側部
に締結され、かごのルーフ上方のかごフレームに設けら
れたビーム（梁）両端で、そのかごに締結されている。
ビームの両端は、昇降路内のかごの側壁の外側に存在す
る。それによって、ロープの進行路はかご側壁の外側に
なっている。ビームは、かごの対称横断垂直面に対して
傾けられて配置されている。それによってビームは、か
ごの重力軸の中心を通過する。そのビームの外側端の一
方は、上述の対称面の前部であり、その他方は、後部で
ある。従って、昇降路内の側面かごガイドレールの通路
は、ロープと接触することはない。かごの各側に１対
の、併せて２対の頭上綱車がある。かごロープがその上
を通る一方の綱車は、一方のかごガイドレールの後部に
あり、他方は、他方のかごガイドレールと同一平面にあ
る軸回りに回転するように取り付けられている。ロープ
ビームは、かごと釣合重りを接続している一組のロープ
間のロープ張力を自動的に調節するように、かご上部に
関節で取り付けることもできる。従って、綱車は、かご
ルーフから横方向にオフセットされている。また、昇降
路の両側が、かごガイドレールと干渉せずにロープが進
行するように用いられている。

〔実施例〕

第１図を参照する。第１図には、本発明に係るローピ
ングシステムを用いている昇降路、かご、及び釣合重り
の概略構成が示されている。昇降路は、符号２によって
示されている。ホールドアは符号４によって、かごは符
号６、そしてかごドアは符号８によってそれぞれ示され
ている。エレベータに対して駆動力を与えるリニアモー
タ12を有している釣合重り10は、昇降路内の極11（第２
図参照）上を、ホールドア４から最も離れた昇降路内に
対抗して上方及び下方移動する様に、取付けられてい
る。中心線14は、かご２の重心を含む、かご６の対称横
断面を示している。ガイドレール16は、昇降路内でのか
ごの動きを案内するために、対称面14内にある昇降路側
壁に設けられている。ビーム（梁）18は、かご６のルー
フまたはその上方に取付けられ、対称面14に関して傾け
られてルーフ上に配置されている。ビーム18の一端20
は、対称面14の一方側に存在し、左手側ロープアレイを
かご６に取付けるための手段を与えている。一方、ビー
ム18の他端22は、対称面14の反対側に存在し、右手側ロ
ープアレイをかご６に取付けるための手段を与えてい
る。左手側ロープアレイは、24の位置で、釣合重り10に
取付けられ、右手側ロープアレイは、26の位置で、釣合
重り10に取付けられている。ビーム18は、ブラケット28
等の手段によってかご６に固定されている。また、ロー
プの張力を自動的に調整したい場合には、ビーム18をブ
ラケット28に屈曲自在、例えばピボット自在に取付ける
こともできる。

第２図は、昇降路２内の左右綱車対の配置を示してい
る。左手側で、綱車30及び32は、昇降路の上方に取付け
られている。綱車30は、ロープアレイをビーム端20から
直接上方に案内するようになっていて、左手かごガイド
レール上方でロープアレイを綱車32に供給している。そ
のロープは、綱車32から釣合重り取付け点24へ、直接下
方に供給されている。従って、ロープは、第３図に示さ
れている様に、ガイドレールとかごの係合と干渉するこ
となく、左側かごガイドレールを通過する。

昇降路の右手側では、綱車34は、右手ロープアレイを
ビーム端22から直接上方に持って行き、それを第２綱車
36上に供給している。そのロープアレイは、綱車36から
釣合重り10の端部26に向かって直接下降している。綱車
34は、昇降路の右手側で、対称面14の後部方向に取付け
られている。従って、右手ロープアレイは、対称面14か
ら後方にオフセットされる空間エンベロープ内で、かご
６から釣合重り10に供給される。それによって、右手ロ
ープアレイは、第４図に示されている様に、右手かごガ
イドレールとかご６の係合と干渉することがない。

本発明のローピングシステムは、複雑ではなく、最短
のロープを使用していることが容易に理解されよう。綱
車は、昇降路上方に取付けられているが、かごルーフの
する上方ではない。ロープは、かごと昇降路ガイドレー
ル間の係合と干渉することなく、かごと釣合重りを相互
接続するように、左右に配置されている。曲がりかごビ
ームを使用することによって、綱車によってロープをか
ご前部からかごガイドレールの後部に持ち上げさせてい
る。また、ビームが対称面の中心軸すなわち重心に沿っ
てかごに接続されるようにしている。必要な場合には、
ロープアレイに対する張力が自動的に調節さるように、
かごビームがかごに屈曲自在、例えばピボット自在に取
り付けられる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、極めて簡単な機構で、昇降路内の頭
上綱車がかごルーフから横方向にオフセットされている
ので、余分な綱車と余分なロープを必要とせず、安価な
エレベータ装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、かご及び釣合重りの上部から昇降路を通して
見下したエレベータシステム上部の平面図、第２図は、
第１図と同様の図であって、昇降路内の高架シーブの配
置を示す図、第３図は、第２図の右側から左方向を見た
昇降路、かご、及び釣合重りの側面図、第４図は、第３
図と同様の図であって、第２図の左側から右方向を見た
側面図である。 ２…昇降路、４…ホールドア ６…かご、８…かごのドア 10…釣合重り、12…リニアモータ 16…ガイドレール、18…ビーム（梁） 30,32…綱車

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】側壁とドアを有するかごと、釣合重りと、
   かごと釣合重りを相互接続しているロープと、装置に原
   動力を与えるために、かご及び釣合重りの一方に設けら
   れたリニアモータと、昇降路の上部端に設けられた綱車
   すべてを構成する第１及び第２の綱車セットと、上記か
   ごに重ならない位置で上記ロープを上記かごに締結させ
   るために上記かごに取り付けられた手段と、を有し、上
   記各綱車セットは、上記かごに対し、上記かごのルーフ
   上に上記綱車が全く重ならないようにしてそれぞれ横方
   向に配置され、上記各綱車セットは、かごが移動する間
   中昇降路内のかご及び釣合重りを案内するよう上記ロー
   プと係合していて、上記締結手段は、上記かご側壁に直
   角でかつかごの重心を含む想像的垂直面に対し、かごの
   ドア側で、かつ、上記かごの側壁の一方の外側に配置さ
   れた第１ロープ締結区域を形成し、さらに上記締結手段
   は、上記想像的垂直面に対して上記かごのドアから離れ
   た側で、かつ、上記かごの側壁の反対側の外側に配置さ
   れた第２ロープ締結区域を形成していて、上記ロープ
   が、上記仮想的垂直面の空間的に前後に離間した通路に
   沿って昇降路内を運動するようにかごから延ばされてい
   ることを特徴とするエレベータ装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載のエレベータ装置におい
   て、上記ロープは、上記かごの反対側で上記釣合重りに
   取り付けられていることを特徴とするエレベータ装置。
3. 【請求項３】請求項２に記載のエレベータ装置におい
   て、上記ロープを締結するため上記かごに取り付けられ
   た手段は、上記かごに取り付けられ、かつ、上記想像的
   垂直面に対して傾けられて配置されたビームから構成さ
   れ、上記ビームの一端は、上記想像的垂直面に対して上
   記釣合重りから離れた側において、上記かごの側壁の外
   側に配置されていて、上記ビームの他端は、上記想像的
   垂直面に対し、上記釣合重りに近い側において、上記か
   ごの反対側の側壁外側に配置されていることを特徴とす
   るエレベータ装置。
4. 【請求項４】請求項３に記載のエレベータ装置におい
   て、上記ビームは、上記かごの重心と整列した位置で上
   記かごに締結されていることを特徴とするエレベータ装
   置。
5. 【請求項５】請求項４に記載のエレベータ装置におい
   て、上記ビームは、上記ロープの張力を自動的に調節す
   るように作用するピボット結合によって上記かごに取付
   けられていることを特徴とするエレベータ装置。
6. 【請求項６】側壁及びドアとルーフを有するかごと、上
   記かごルーフの上方に配置され、かつ、上記かごの重心
   と垂直方向に整列した位置で上記かごに接続されたビー
   ムと、上記かごに隣接している上記昇降路内の釣合重り
   と、上記ビームの両端部及び上記釣合重りに接続された
   ロープと、上記かご及び上記釣合重りに対して原動力を
   与えるために上記釣合重りに設けられたリニアモータ
   と、上記かごのルーフの上方でかつ上記かごの側壁の一
   方から外側方向にオフセットして上記昇降路内に設けら
   れた第１の対のガイド綱車と、上記かごのルーフの上方
   で、かつ、上記かご側壁の反対側の一方から外側方向に
   オフセットして上記昇降路内に設けられた第２の対のガ
   イド綱車と、を有し、上記ビームの両端は上記かごの側
   壁の外側にまで延在配置され、上記第１の対の綱車の一
   方は、上記ロープの一端を上記ビームの一端から直接上
   方に案内するように配置され、上記第２の対の綱車の他
   方は、上記綱車の一方からのロープを受け取って、該ロ
   ープを上記釣合重りの一端まで直下方向に案内するよう
   に配置され、上記第２の対の綱車の一方は、上記ロープ
   の他端を上記ビームの反対側の一端から直上方向に案内
   するように配置されており、上記第２の対の綱車の他方
   は、上記綱車の一方からのロープを受け取って、該ロー
   プを上記釣合重りの一端まで直下方向に案内するように
   配置されていて、上記各綱車及びロープが、双方とも上
   記かごのルーフ真上に配置されないようにして昇降路の
   領域内に配置されていることを特徴とするエレベータ装
   置。
7. 【請求項７】請求項６に記載のエレベータ装置におい
   て、上記ビームの一端が、上記かごの重心を含む上記か
   ごの上記対称想像的垂直面のドア側に存在し、上記ビー
   ムの他端が、上記想像的垂直面の釣合重り側に存在する
   ことを特徴とするエレベータ装置。
8. 【請求項８】請求項７に記載のエレベータ装置におい
   て、さらに、かごガイドレールが、上記昇降路内におい
   て上記想像的垂直面に沿って設けられていることを特徴
   とするエレベータ装置。
9. 【請求項９】請求項７に記載のエレベータ装置におい
   て、自動的にロープ張力を調整するために、上記ビーム
   をピボット可能としていることを特徴とするエレベータ
   装置。