JP2886201B2 - ユズ抽出エキスを配合した脱毛剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱毛剤に係り、特に通常の除毛用製剤にユ
ズ抽出エキスを配合した脱毛剤に関する。

本発明において除毛用製剤とは、除毛クリーム、除毛
ローション、除毛スプレーなどの通常、皮膚表面の余剰
毛、特に手足の余剰毛を除去するための除毛用製剤をい
う。

〔従来の技術〕

従来、化粧品には、一般の化粧品原料基剤のほか、皮
膚の保護の目的で美容添加剤が用いられ、特に自然化粧
品と称するものは、生薬のほか果実、野菜などの抽出エ
キスが皮膚の保護剤、栄養剤または賦活剤として広く用
いられている。

しかしユズについては、従来からユズの果実をそのま
ま保温、芳香剤の目的で香料として浴用剤に用いるのみ
で、除毛用製剤を含めて一般の化粧品への使用前例は見
当たらない。

そのため、除毛用製剤を含めて化粧品についての使用
前例を調査したところ、日本汎用化粧品原料集（日本化
粧品工業連合会編:1985.11.15）には収載されておら
ず、また厚生省における化粧品への使用許可前例もな
い。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、従来除毛用製剤を含めて化粧品には使用さ
れていなかったユズの果実からの抽出液を、除毛用製剤
に配合した皮膚に対して秀れた保護効果のある脱毛剤を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、ユズの果実からの抽出エ
キスの除毛用製剤への配合を試み研究した結果、該エキ
スは皮膚に対して秀れた保護効果があり、除毛成分とも
反応せずにその効果が維持されることが解った。

すなわち、本発明は、ユズの果実を、20〜40％エタノ
ール水溶液にて抽出したエキス固形物含有量が2.0〜3.0
％の抽出液を、通常の除毛用製剤に配合するもので、ア
ルコール含有エキとして２〜25％の割合で配合する。

本発明で使用する％はすべて重量％である。

次に、本発明を詳細に説明する。

本発明において、抽出溶液としてはエタノール水溶液
を用い、特に20〜40％のエタノール水溶液がよい。それ
は、この範囲内が一番抽出効果がよく、また、40％以上
のエタノール溶液は取扱いが困難なためである。しか
し、取扱上の困難性とか、抽出効率等を考慮しなけれ
ば、この範囲外のエタノール水溶液すなわち、40％以上
とか20％以下のエタノール水溶液も使用できることは当
然のことである。この20〜40％のエタノール水溶液で抽
出した抽出液は、エキス固形物含有量が2.0〜3.0％であ
るので、そのまま用いるか、または抽出液から一旦エタ
ノール溶液を蒸発し、固形分とし、この固形分をそのま
まあるいは濃縮液の形で、20〜40％エタノール溶液で希
釈して前記の割合となるように配合して用いることもで
きる。

また、本発明のユズの果実を20〜40％エタノール溶液
で抽出した抽出液は、そのまま保存する場合防腐剤を加
えなくても保存可能であるし、そして、この程度のアル
コール含有量では脱毛剤に配合した場合でも、皮膚に対
する有害な作用はないから、そのまま使用できる。但
し、抽出液を一旦アルコールを蒸発して固形分とした場
合は防腐剤が必要となる。

〔実施例〕

以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されない。ここで、％は
すべて重量％である。

参考例 本発明に係るユズ抽出液の製法を述べる。

まず、ミカン科の植物として古くからよく知られてい
るユズ（Citrus Junos Siebold）の新鮮な果実を細切し
たのち、その一例としてその250gに25％エタノール水溶
液750gを加え、よく攪拌し、すりつぶしたのち、冷暗所
に約20〜30日間保存する。その後、再びよく攪拌し、遠
心分離または圧搾法（冷圧法）にて抽出液を採取する。
抽出液をろ過し25％エタノール溶液を加えて全量を1000
gとする。果実の成熟度により果皮が硬い場合または果
皮が緑色がかり、その成熟度が不足の場合は、エタノー
ルの濃度を30〜40％として抽出することが好ましい。

以上の工程を経たユズ抽出エキスは、次ぎのごとき性
状を有する。

外観；淡黄色〜黄褐色の透明な液体で柑橘系芳香を有す
る。

比重；▲ｄ²⁰ ₂₀▼:0.950〜1.050 pH;3.5〜4.5 蒸発残留物（エキス固形物）;2.0〜3.0％ 本発明による脱毛剤は、上記の製造法により得たユズ
抽出エキスを、そのまゝ除毛クリーム、除毛ローション
等の除毛用製剤に、２〜25％特に５〜20％の割合となる
ように配合することにより得られる。次に、その実施例
を示す。

実施例１ （製法） 上記（１）及び（２）の成分を別々に混合し
て、70℃に加温し溶解する。溶解した（１）に攪拌しな
がら（２）を加えて乳化後、室温まで冷却する。55〜58
℃で香料を加えのち室温まで冷却して除毛クリームを得
た。

実施例２ （製法） 上記（１）及び（２）の各成分を別々に室温
にて混合し溶解する。溶解した（１）及び（２）を混合
して除毛ローションを得た。

実施例３ （製法） 上記（１）及び（２）の各成分を別々に混合
し、70℃に加温して溶解する。次いで、（１）を攪拌し
ながら（２）を加えて乳化し、55〜58℃で香料を加え
て、室温まで冷却する。

得られた乳化ローション90にたいし、プロパン又はブ
タンなどの液化石油ガス10を混合して、常法により加圧
充填又は低温充填して除毛スプレーを得た。

〔発明の効果〕

このようにして得たユズ抽出エキス２〜25％を含む脱
毛剤は、除毛効果を維持したままで皮膚に対して秀れた
保護効果がある。したがって、この脱毛剤を用いて除毛
すれば、皮膚の表面の状態が改善されて美しい肌が形成
される。

また、ユズ抽出エキスは皮膚刺激反応及び接触アレル
ギー反応を起こすこともない。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ユズの果実を20〜40％エタノール水溶液に
   て抽出したエキス固形物含有量が2.0〜3.0％の抽出液
   を、通常の除毛用製剤に２〜25％配合することを特徴と
   する脱毛剤。