JP2886155B1 - 型紙作成方法及び型紙作成装置 - Google Patents

型紙作成方法及び型紙作成装置

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Abstract

【要約】 【課題】 基準の型紙の型紙形状から身体サイズに合っ
た型紙を簡単かつ自動的に作成すること。 【解決手段】 型紙作成装置の記憶手段M1に、基準の
型紙の型紙形状を形成するパターンポイント及び線分の
データ、入力された身体サイズに基づいてパターンポイ
ントの移動量を算出する計算式、型紙を作成する際の型
紙形状の制約条件及びこの制約条件が満足されない場合
の修正手順を記憶し、入力手段M2にて身体サイズを入
力する。そして、型紙形状変更手段M3にて、入力され
た身体サイズと計算式に基づいてパターンポイントの移
動量を求め、その求めた移動量に基づいて基準の型紙の
型紙形状を変更し、変更後の型紙形状が制約条件を満足
するまで修正を繰り返す。制約条件を満足するように変
更された型紙形状は出力手段M4から出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型紙作成方法及び
装置に関し、詳しくは、基準となる身体サイズの基準型
紙のデータを身体サイズ等に応じて自動的にグレーディ
ング(拡大・縮小)する型紙作成方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】衣服を制作する場合には、通常、基準と
なる身体サイズに基づいて作成された基準の型紙が提供
されており、この基準の型紙を、採寸した身体サイズに
基づいてグレーディングして型紙を作成している。基本
の型紙をグレーディングする際には、基本の型紙上の各
点(パターンポイント)の移動量を、図8中に例示した
ような計算式(例えば、B差/6とかW差/12など)
で求める方法が知られている。同図において、10は後
ろ身頃の型紙形状を表し、B差というのは採寸した身体
サイズのバスト寸法と、基準となる身体サイズのバスト
寸法との差分であり、W差というのは採寸した身体サイ
ズのウエスト寸法と基準となる身体サイズのウエスト寸
法との差分であり、背丈差というのは採寸した身体サイ
ズの背丈寸法と、基準となる身体サイズの背丈寸法との
差分である。このような計算式で求めた移動量だけ基準
の型紙上の各点(パターンポイント)を、求めた移動量
の極性に応じて矢印の方向あるいは矢印と反対の方向へ
移動させる。そして、移動させた各点を結んで型紙形状
を描く。ところが、上記の計算式は目安にすぎず、上記
計算式で求めた移動量だけ各点を移動させて型紙形状を
描いても正確な型紙を作成することはできないので、そ
の型紙形状に修正を加える必要がある。
【0003】従来の型紙作成方法を、袖繰りと袖つけ線
の関係を例にとって説明する。今、図9に示すように、
後見頃の基準の型紙形状(輪郭線)10上の各点を、図
8に示した計算式で求めた移動量によって移動させてグ
レーディングした型紙の形状(輪郭線)11を求めると
ともに、袖ぐり線12を描いたとする。次に、この後見
頃の型紙形状11に合わせて、縫い合わせるパーツ(本
例では、二枚袖とする。)の型紙形状を次のようにして
調整する。
【0004】図10において、20は基準の型紙の袖の
形状であり、21はグレーディングした型紙の袖の形状
である。 1-1.先ず、袖部分の基本の型紙の袖山の高さ寸法を所定
の計算式に代入して袖山の高さ寸法hを求めて袖山の頂
点22を決める。 1-2.新たな袖山の頂点22から後見頃の袖ぐり寸法(袖
ぐり線12の長さ)sを半径とする円弧23を描き、そ
の円弧23と袖幅線(基本の型紙の袖下点を結ぶ線)2
4との交点を袖下点25とする。 1-3.袖下点25から袖山の頂点22を結ぶ袖山線26を
描く。そして、描いた袖山線26の長さと後見頃の袖ぐ
り寸法sが同じ長さになるように、形状のバランスを考
えながら、例えば、下記の方法で再調整を行う。
【0005】2-1.袖山の頂点22を上下に移動させて高
さ寸法hを変える。 2-2.袖山線26を描き直す。 2-3.袖下点25を左右に移動する。 上記の修正手順2-1.〜2-3.を、袖山線26の長さと後見
頃の袖ぐり寸法sが等しくなるまで繰り返し、最終的に
破線で示した袖山線26’を得る。このように修正に大
変手間がかかる。また、袖山線26’の長さと後見頃の
袖ぐり寸法sが等しくても、直し方が間違っていると、
袖の付き具合がねじれたり、袖にしわが入ったりする。
このように、基準の型紙をグレーディングするには、熟
練が必要であった。一方、このような煩雑なグレーディ
ング作業を回避するために、種々の身体サイズの型紙を
用意する方法が考えられるが、膨大な量となってしま
う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
手作業によるグレーディングでは、作業がすこぶる煩雑
で工数がかかっている。また、人体の全ての部位が平均
的に大きくなったり小さくなったりするのではなく、衣
服デザインや体型も千差万別であるから、デザインのフ
ィーリングを損なうことなくグレーディングするには経
験とノウハウが要り、熟練技能者の技量に依存するとこ
ろが大である。
【0007】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
ので、基準の型紙の型紙形状から身体サイズに合った型
紙を容易に作成する方法、及び装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、図1に模式的に示される型紙作成方法を創案し
た。すなわち、基準の型紙の型紙形状を身体サイズに基
づいて変更する型紙作成方法であって、予め設定されて
いる計算式と入力された身体サイズに基づいて、基準の
型紙の型紙形状を形成するパターンポイントの移動量を
求める工程K1と、求めた移動量だけ前記パターンポイ
ントを移動させる工程K2と、前記移動させたパターン
ポイントを結ぶ線分を結んだ型紙形状が、予め設定され
ている制約条件を満足するか否かを判断し、満足してい
ない場合には予め設定されている修正手順に従って型紙
形状を変更し、この変更処理を変更後の型紙形状が前記
制約条件を満足するまで繰り返す工程K3とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】この方法によれば、身体サイズと計算式か
ら基準の型紙のパターンポイントの移動量を算出し、求
めた移動量だけパターンポイントを移動させ、さらに、
移動後のパターンポイントを結ぶ線分が表す型紙形状
が、制約条件を満足するか否かを判断し、満足していな
い場合には修正手順に従って型紙形状を変更する。そし
て、この変更処理を変更後の型紙形状が前記制約条件を
満足するまで繰り返すことにより、身体サイズに合った
型紙を容易かつ自動的に作成することが可能になる。
【0010】また、図2に模式的に示される型紙作成装
置を開発した。すなわち、基準の型紙の型紙形状を身体
サイズに基づいて変更する型紙作成装置であって、基準
の型紙の型紙形状を形成するパターンポイント及び線分
のデータ、入力された身体サイズに基づいて前記パター
ンポイントの移動量を算出する計算式、型紙を作成する
際の型紙形状の制約条件及びこの制約条件が満足されな
い場合の修正手順を記憶する記憶手段M1と、身体サイ
ズを入力する入力手段M2と、前記入力手段から入力さ
れた身体サイズと前記計算式に基づいて前記パターンポ
イントの移動量を求め、前記求めた移動量に基づいて前
記基準の型紙の型紙形状を変更し、変更後の型紙形状が
前記制約条件を満足するまで前記修正方法により修正を
行う形状変更手段M3と、前記型紙形状変更手段を介し
て前記制約条件を満足するように変更された型紙形状を
出力する出力手段M4とを備えることを特徴とする。こ
こでいう型紙形状の出力は、用紙にプロットアウトした
り、ディスプレイに表示する例の他、型紙形状を形成す
るパターンポイント及び線分のデータを出力するもので
あっても良い。
【0011】この型紙作成装置によれば、基準の型紙の
形状が、身体サイズと移動量計算式とにより算出された
パターンポイントの移動量に基づいて変更され、さら
に、変更後の型紙形状が制約条件を満足するまで所定の
修正手順に従って繰り返し変更される。この型紙形状の
グレーディングに際し、パターンポイントの相対的な移
動量を決める計算式に加えて、型紙形状に関する制約条
件と修正手順を入力することができるから、グレーディ
ングした型紙形状の良否の判定と修正作業の機械化が可
能になる。したがって、身体サイズに合った型紙を容易
かつ自動的に作成することが可能になる。
【0012】また、上記の型紙作成装置において、前記
記憶手段に記憶される基準の型紙の型紙形状を形成する
パターンポイント及び線分のデータ、入力された身体サ
イズに基づいて前記パターンポイントの移動量を算出す
る計算式、前記型紙を作成する際の型紙形状の制約条件
及び制約条件が満足されない場合の修正手順は、前記入
力手段により変更可能であることを特徴とする型紙作成
装置を開発した。
【0013】この型紙作成装置では、計算式、制約条件
及び修正手順を入力手段により自由に変更することがで
きるから、顧客の身体サイズに合わせたきめ細かなグレ
ーディングをすることが容易にできる。また、基準の型
紙の形状データを変更することによって、デザインの異
なる衣服の型紙を作成することができる。
【0014】なお、この型紙作成装置は、コンピュータ
に適宜な入出力装置を備えた、いわゆるCADシステム
として構成するのが好ましい。この装置を熟練技能者
(パタナ)が操作することにより、衣服のデザインや身
体サイズに即した好ましいグレーディング手法が、計算
式、制約条件及び修正手順(修正の仕方)という形でコ
ンピュータの記憶装置に入力されて蓄積される。つま
り、熟練技能者の経験とノウハウを学習する学習手段を
有することになるから、同じようなデザインの衣服や類
似する体型であれば、オリジナルデザインのフィーリン
グを損なうことなく、簡単かつ高精度に型紙をグレーデ
ィングすることが誰にでも可能になる。したがって、顧
客の満足を得易い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図に
基づいて説明する。図2に模式的に示した型紙作成装置
は、コンピュータ(本例ではパソコン)に適宜な入出力
装置を備えたいわゆるCADシステムとして構成されて
いる。同図において、記憶手段M1は型紙の形状データ
等を記憶するもので、ディスク装置、メモリ、CD−R
OM等で構成される。入力手段M2は、詳しくは後述す
るが、身体サイズ、計算式、制約条件、修正手順等を対
話形式で入力するためのものであり、マウス、ディジタ
イザ、キーボード等で構成される。型紙形状変更手段M
3は型紙形状をグレーディングするコンピュータ本体で
ある。また、出力手段M4は型紙形状を出力(表示)す
るプロッタ、ディスプレイ等で構成される。この装置に
より、図3に概念的に示した処理を行う。すなわち、基
準の型紙の形状データと、身体サイズと、パターンポイ
ントの移動量計算式とに基づいて基準の型紙の型紙形状
を変更する基本的なグレーディングを行い(N4)、さ
らに、変更されたその型紙形状について、設定された制
約条件を満足するように修正手順に基づいた修正をする
(N6)。
【0016】上記の型紙作成装置を用いた型紙作成方法
について、図4に示すフローチャート図を参照しながら
説明する。以下に述べる例では、初めに後見頃の型紙形
状をグレーディングし、引き続いて、この後見頃の袖繰
りに適合させるように袖をグレーディングする。
【0017】〔データの入力〕 先ず、基準の型紙の形
状データをパソコンの記憶装置に入力する(ステップS
1)。この形状データは、予め用意した基準の型紙(通
常は、標準体型の型紙である。)の各パターンポイント
Pi (P1,P2 ・・・)の座標値(x−y座標値群)及
び各パターンポイントPi を結ぶ線分の情報であり、さ
らに、その型紙が適合する基準身体サイズ(バストB0
,ウエストW0 ,ヒップH0 ,背丈SET0 ,背肩幅
BKH0 等)、型紙が表す部位の名称、パーツナンバー
等の付随情報が含まれる。実際には、複数の衣服デザイ
ンの画像データ、それらの衣服の型紙の形状データ等を
納めたフロッピーディスクやCD−ROMから必要な形
状データを適宜に読み込むが、型紙形状をディジタイザ
等で入力しても構わない。
【0018】〔身体サイズの入力〕 次に、グレーディ
ングの目標となる採寸した顧客の身体サイズを入力する
(ステップS2)。例えば、バストB1 ,ウエストW1
,ヒップH1 ,背丈SET1 ,背肩幅BKH1 の測定
値を入力する。必要があれば、この他の採寸項目につい
ても測定値を入力する。
【0019】〔パーツの選択〕 次に、グレーディング
する部位(パーツ)を選択する(ステップS3)。ここ
で、例えば後見頃を選ぶと、記憶した基準の型紙の形状
データの中から後見頃のデータが検索され、ディスプレ
イに型紙形状とパターンポイントPi がナンバー付きで
表示される。
【0020】〔移動量計算式の入力〕 次に、各パター
ンポイントPi の移動量を、採寸した身体サイズと基準
身体サイズの差分に基づいて計算する計算式を入力する
(ステップS4)。なお、前記の形状データと同様に、
予め準備したものをフロッピーディスク等から読み込ん
でも良いが、ここでは、対話形式で逐一入力することに
する。具体的には、図5参照、ディスプレイに表示され
ている後見頃の型紙形状1に含まれるパターンポイント
Pi のいずれかをマウスで選択し、そのパターンポイン
トPi について定義する移動量計算式を式入力窓2に入
力する。同様に、他のパターンポイントPi についても
移動量計算式を入力する。図示の例では、パターンポイ
ントP9 をマウス等のポインティングデバイスで選択
し、式入力窓2の「上」の欄にY軸方向の移動量計算式
として「Y移動,−SET/3」を、「右」の欄にX軸
方向の移動量計算式として「X移動,B/4」を入力し
てある。ここで、B及びSETは、採寸した身体サイズ
と基準身体サイズの差分を意味しており、SET=SE
T1 −SET0 ,B=B1 −B0 である。なお、移動量
計算式は、選択した点からX及びY軸方向に移動量を規
定するようにした上記の単純移動に限るものではなく、
様々な種類の計算式を設定できる仕様となっている。例
えば、指定した基準点からの相対座標で移動先を規定で
きる相対移動、線分の伸縮量を規定して端点を移動する
線分伸縮、基準点を中心とする規定した半径の円弧上に
移動させるコンパス点などである。
【0021】〔制約条件等の入力〕 型紙形状の制約条
件及びこの制約条件が満足されない場合の修正手順(修
正の仕方)を入力する(ステップS5)。操作手順とし
ては、図5参照、ディスプレイに表示されているパター
ンポイントPi をマウスのクリックで選択し、式入力窓
2に、型紙形状に関する制約条件と、この制約条件が満
足されない場合に当該パターンポイントPi を移動させ
る移動量を計算するための(移動量計算式)修正式とを
入力する。いま仮に、「パターンポイントP10はパター
ンポイントP9 より左になければならない。」という制
約条件があり、その条件が満たされない場合の修正手順
として、「P9をP10 の真上にくるように右へ動かす。」
を設定するものとする。この場合は、先ず、パターンポ
イントP9 をマウスのクリックで選択し、その状態で式
入力窓2の「上」の欄にY軸方向には移動させないよう
にするための「0」を入力し、式入力窓2の「右」の欄
には、「条件式:移動量計算式」という書式で次式を入
力する。「?(P10>P9 ):X移動,P10,0」この
式は、左の条件式を評価した結果が真であれば右の移動
量計算式を実行するものであり、具体的には「P10の座
標値(この場合はX座標になる)がP9 のX座標値より
大きければ、選択されているP9 のX座標値を、P10の
X座標値に増分(上式では0を指定)を加えたものに変
更する。」ことを意味している。つまり、パターンポイ
ントP9 に対するこの修正式が実行されたときに、パタ
ーンポイントP9 のY座標は変わらず、X座標はパター
ンポイントP10と同じになる。なお、条件式や修正式に
は、上記の他に、線分の長さの比較とか2直線のなす角
度とかいった種々の表現を記述することができる。
【0022】〔基本的なグレーディング〕 ステップS
4において設定された移動量計算式に基づいて各パター
ンポイントPi の移動量を算出し、図6参照、算出した
移動量だけ各パターンポイントPi を移動させるととも
に移動後の各パターンポイントPi とそれらのパターン
ポイントPi を結んだ型紙形状3をディスプレイに表示
する(ステップS6)。こうして、基準の型紙の形状1
を移動量計算式によって変更するという基本的なグレー
ディングがなされる。このとき、型紙形状3の袖繰り線
C9 については、移動後のサンプル点P91〜P94を基に
してP8 及びP9 を通るスプライン曲線を描いてなめら
かな曲線に仕上げる。
【0023】〔形状修正〕 ステップS5において設定
された制約条件を設定順に評価するとともに、その結果
に基づいて該当パターンポイントを移動(修正手順通り
に型紙形状を修正)し、修正した後の型紙形状に描画し
直す(ステップS7)。前述した設定例は、「パターン
ポイントP10はパターンポイントP9 より左になければ
ならない。」という制約条件であったので、P10がP9
より右にあるときには、「P9をP10 の真上にくるように
右へ動かす。」という修正手順がここで実行される。す
なわち、この例では、後見頃の下端部が必要以上に広が
って衣服のデザインを損なうのが防がれる。
【0024】〔条件分岐〕 そして、制約条件式を全て
満足しているか否かを調べ、そうでなければステップS
7に戻して、全ての制約条件式に関する形状変更処理が
終わるまでこのループを繰り返す(ステップS8)。形
状変更処理が終わったら、次に、ステップS9におい
て、他のパーツをグレーディングするかどうかをたず
ね、しない場合はステップS10の出力処理へ移る。出
力処理については後述する。他方、上記のステップS9
において、「他のパーツをグレーディングする」を選ん
だ場合は、パーツ選択(ステップS3)に戻る。
【0025】〔次のパーツの処理〕 後見頃のグレーデ
ィングを終えて、処理がステップS3に戻ったら、次に
グレーディングするパーツを選択する。その後のステッ
プS4からステップS9までの処理手順は前述したのと
同様である。ここでは、ステップS3で袖を選択するも
のとし、以下、グレーディングを終えた後見頃の型紙形
状を参照して袖山の形状を変更する例について説明す
る。
【0026】〔袖のグレーディング〕 さて、ステップ
S6において、図7に実線で示す袖の型紙形状6が求ま
ったとする。図中のP11〜P15はパターンポイントを示
し、C12とC13は袖山線である。なお、参考に基準の型
紙の形状5を示す。そして、その前のステップS5にお
いて、例えば、次の制約条件が入力されていたとする。
「もし、後見頃の型紙形状3の袖繰り線C9 の長さと袖
の型紙形状6の袖山線C13の長さの差が1mm以上あれ
ば、パターンポイントP13(袖下)を指定距離だけ左右
方向に動かして修正せよ。」この場合、制約条件の具体
的な表現(端末からの式の入力)方法の説明は省略する
が、ステップS7における形状修正の処理としては、先
ず、袖山線C13の長さを計算し、次に、求めた袖山線C
13の長さと記憶しておいた後見頃の袖繰り線C9 の長さ
とを比較し、その結果によってパターンポイントP13の
X座標を指定移動量だけ変える、というものである。
【0027】次に、ステップS8において、上記の制約
条件を満足するか否かが判断され、満足しないときには
ステップS7に戻って形状修正が実行され、満足する場
合はステップS9へ進む。最終的に、図7に示した袖の
型紙形状7がきまり、袖山の形状が袖繰りに良く一致す
る好ましい型紙を自動的に得ることができる。なお、ス
テップS9において、グレーディング処理の終了を選択
すれば、次のステップS10の出力処理へ移る。
【0028】〔出力処理〕 ここでは、グレーディング
した型紙形状をプロッタを介して用紙にプロットアウト
したり、ディスプレイに表示する(ステップS10)。
このほか、型紙形状を形成するパターンポイント及び線
分のデータをファイル形式で出力しても良い。
【0029】以上のようにして、基準の型紙の型紙形状
から身体サイズに合った型紙がほぼ自動的に作成され
る。型紙形状に関する制約条件及び修正手順を予め設定
しておくことにより、何度も修正を繰り返すグレーディ
ング作業の煩わしさがなくなり、特に、例えば袖繰りと
袖山線を相互に調整するといったような複数のパーツ間
にわたる修正作業が簡単かつ高精度にできる。この型紙
作成装置では、パターンポイントの相対的な移動量を決
める移動量計算式に加えて、型紙形状に関する制約条件
及び修正手順を入力することによって熟練技能者の経験
とノウハウを型紙作成装置に取り込んで(学習して)再
現することができる。また、ディスプレイでグレーディ
ングの途中の状態を確認しながら処理を行うことができ
るので、より適正な移動量計算式や制約条件等を設定/
変更することができる。
【0030】ところで、はじめに衣服の特徴に合った計
算式、制約条件及び修正手順などを熟練作業者(パタナ
ー)が設定しておけば、通常、ほとんどの顧客に対して
これらの式を設定し直す必要がない。すなわち、身体サ
イズ以外の入力項目は、一度設定されて記憶したデータ
を流用することにすれば、図4のフローチャート図のス
テップS3以降はパソコンが自動的に処理を進めること
ができるので、入力された身体サイズ用の型紙を誰でも
簡単に作成することができる。
【0031】このように、身体サイズに良く合った型紙
を容易かつ自動的に作成することが可能になり、作業者
(パタナー)は煩雑な繰り返し作業(例えば、袖繰りと
袖山線の調整作業)から解放されるとともに、経験の浅
い者でもデザインのもつフィーリングを害することのな
い高品質な型紙を製造できる。また、基準の型紙の形状
データを変更することによって、デザインの異なる衣服
の型紙を簡単に作成することができる。なお、基準の型
紙の形状データ、移動量計算式、制約条件等を任意に変
更することが可能であるので、基準の型紙の型紙形状に
とらわれない形状の型紙を作成する際にも利用すること
ができる。
【0032】なお、本発明の型紙作成方法のコンピュー
タプログラムをCD−ROM等の媒体に記録して提供す
ることもできる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、基準の型紙の型紙形状
から身体サイズに合った型紙を簡易迅速に作成すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型紙作成方法を模式的に示す図であ
る。
【図2】本発明の型紙作成装置の構成を説明する図であ
る。
【図3】型紙作成装置による処理を説明するブロック図
である。
【図4】型紙作成装置による処理を説明するフローチャ
ート図である。
【図5】ディスプレイ上で移動量計算式を設定する様子
を説明する図である。
【図6】後見頃のグレーディングを説明する図である。
【図7】袖山の形状変更を説明する図である。
【図8】従来のグレーディングの移動量の計算式を示す
図である。
【図9】従来の後見頃のグレーディングを説明する図で
ある。
【図10】従来の袖山のグレーディングを説明する図で
ある。
【符号の説明】
M1 記憶手段 M2 入力手段 M3 形状変更手段 M4 出力手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準の型紙の型紙形状を身体サイズに基
    づいて変更する型紙作成方法であって、 予め設定されている計算式と入力された身体サイズに基
    づいて、基準の型紙の型紙形状を形成するパターンポイ
    ントの移動量を求める工程と、 求めた移動量だけ前記パターンポイントを移動させる工
    程と、 前記移動させたパターンポイントを結ぶ線分を結んだ型
    紙形状が、予め設定されている制約条件を満足するか否
    かを判断し、満足していない場合には予め設定されてい
    る修正手順に従って型紙形状を変更し、この変更処理を
    変更後の型紙形状が前記制約条件を満足するまで繰り返
    す工程とを備える型紙作成方法。
  2. 【請求項2】 基準の型紙の型紙形状を身体サイズに基
    づいて変更する型紙作成装置であって、 基準の型紙の型紙形状を形成するパターンポイント及び
    線分のデータ、入力された身体サイズに基づいて前記パ
    ターンポイントの移動量を算出する計算式、型紙を作成
    する際の型紙形状の制約条件及びこの制約条件が満足さ
    れない場合の修正手順を記憶する記憶手段と、 身体サイズを入力する入力手段と、 前記入力手段から入力された身体サイズと前記計算式に
    基づいて前記パターンポイントの移動量を求め、前記求
    めた移動量に基づいて前記基準の型紙の型紙形状を変更
    し、変更後の型紙形状が前記制約条件を満足するまで前
    記修正方法により修正を行う形状変更手段と、 前記型紙形状変更手段を介して前記制約条件を満足する
    ように変更された型紙形状を出力する出力手段とを備え
    る型紙作成装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段に記憶される基準の型紙の
    型紙形状を形成するパターンポイント及び線分のデー
    タ、入力された身体サイズに基づいて前記パターンポイ
    ントの移動量を算出する計算式、前記型紙を作成する際
    の型紙形状の制約条件及び制約条件が満足されない場合
    の修正手順は、前記入力手段により変更可能である請求
    項2に記載の型紙作成装置。
JP8698098A 1998-03-31 1998-03-31 型紙作成方法及び型紙作成装置 Expired - Fee Related JP2886155B1 (ja)

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