JP2885516B2 - 伸びフランジ性の優れた薄鋼板及びその製造方法 - Google Patents

伸びフランジ性の優れた薄鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は鋳造まゝの鋳造厚さが0.5〜5mmの薄鋼板に係
わり、特に優れた伸びフランジ性を有する薄鋼板及びそ
の製造方法に関するものである。
背景技術 現在、板厚が1.4〜5mmの薄鋼板は200mm超の厚みのス
ラブを出発素材とし、熱間圧延を経て熱延鋼板として製
造されている。この現状工程による材質作り込み技術、
すなわち組織制御の基本思想は、材料を熱間圧延する工
程で該材料に再結晶を生じしめて粗大なオーステナイト
組織を微細化し粒界面積を増加させるか、もしくは未再
結晶域で圧延して変形帯(転位密度の局所的に高い所)
などを導入する、などにより変態の核生成サイト数を増
加させることで冷却時に生成するフェライトなどの組織
を微細化することにある。ちなみに変態前のオーステナ
イト粒径は従来工程では20μm以下であり、変態して得
られる組織も例えばフェライト粒径で20μm以下といっ
たレベルにある。
このように、現状工程で開発されている熱延鋼板の一
つに打抜き加工後の成形性が要求される材料(この材料
はたとえば自動車の強度部材(メンバー、ホイールな
ど)に使用される)として、伸びフランジ性(穴広げ
性)の優れた高強度熱延鋼板がある。かかる鋼板は強度
部材としての強度と加工性を具備する必要があり、現在
60〜70kgf/mm2級の高強度鋼板まで開発が進められてい
る。これは例えば特開昭61−19733号公報、特開平1−1
62723号公報などに開示されているとおり、微細なフェ
ライトとパケットサイズとして微細な低温変態相(微細
なパーライトやベイナイトや焼戻しマルテンサイト) とからなる複合組織を呈する(ここでパケットとはエッ
チングなどにより識別される、似かよった結晶方位群か
らなる低温変態相の小単位群を意味する)。一般に伸び
フランジ性のような局部延性はセメンタイトやマルテン
サイトと言ったフェライトに対し極端に硬質な相が大き
く存在している場合には低下することが知られており、
特に組織を均一化かつ微細化(ほゞ20μm以下)するこ
とに注意が払われてきた。
一方、近年の鋳造技術の発達から双ロール鋳造法など
により熱延板相当厚みの薄鋳帯の製造が可能となりつつ
ある。このプロセルは従来熱延を完全に省略できるた
め、省コスト・省エネルギープロセスとして主に冷延・
焼鈍を経る冷延鋼板の素材としての検討が進められてき
た。しかし薄鋳帯そのものを熱延鋼板相当材として見た
場合、オーステナイト粒径が約1000μmと極端に粗大な
ため、一般に得られるフェライト主体の組織も極めて粗
大化する傾向があった。このため薄鋳帯そのものの特性
はほとんど検討されていなかった。
本発明者らはかゝる薄鋳帯に着目し、靱性あるいは強
度・延性バランスの優れた鋼板を該薄鋳帯より製造する
ことを研究し、オーステナイト中、すなわち、900〜140
0℃の温度範囲を1〜30℃/secの冷却速度で冷却してMnS
やTiNなどの析出物を析出せしめて、これを核として粒
内変態に利用し、次いで900〜600℃の温度範囲を10℃/s
ec以上の冷却速度で冷却して前記析出物を中心とした微
細なベイナイト又はウイッドマンシュテッテンフェライ
ト組織を形成することに成功し、これを特開平2−2362
24号公報、特開平2−236228号公報などで開示した。
上記薄鋳帯では特に、鋼中成分としてTi,Bを添加し、
TiO,Ti2O3又はTiNなどの析出物あるいはBNやFe23(C-B)6
といった析出物を形成して粒界から生成するフェライト
を制御するとともにフェライト変態の核形成に寄与せし
め、微細なフェライト又はベイナイト組織を形成するこ
とができた。
しかしながら、前述の変態核として利用される析出物
はオーステナイト域で析出するところから粗大になり易
く、これら硬質な析出物が分散した鋼板の伸びフランジ
性は一般に劣るため、上記薄鋼板における伸びフランジ
性を改良する技術について詳細に検討していなかった。
そこで本発明者らは新たに上記薄鋳帯から形成される
鋼板に伸びフランジ性を付与する研究を行った。
ところで現状工程によって製造される熱延鋼板に伸び
フランジ性を付与することは、該鋼板のオーステナイト
組織が微細なため一般にむずかしい。すなわち、熱延鋼
板はかゝる微細組織を有するので熱延後の冷却中にフェ
ライトの生成は避けられず、よって伸びフランジ性に有
利なベイナイトなどの低温変態相のみの組織を得ること
は一般に困難である。例えば前述した特開昭61−19733
号公報では、熱延仕上温度を高めにとりオーステナイト
組織を微細化しないこと、および冷却条件を厳密に管理
すること、などでようやく50%以上の低温変態相を得る
に至っている。また特開平1−162723号公報では、熱延
後二相域焼鈍を行いマルテンサイト相を得ても、フェラ
イトとの硬度差を軽減するためさらにこれを焼き戻すと
いったプロセス上負荷の高い作り込みが提案されてい
る。
本発明者らは、このような従来方法よりも少ない工程
で低温変態相のみからなる伸びフランジ性の優れた薄鋼
板を得ることを研究し、上記薄鋳帯から形成された鋼板
を特定の冷却速度で冷却することによってその目的を達
成することができたのである。
なお、上記鋼板は強度部材に供されることが前提であ
り、引張強度で35kgf/mm2以上の材料が対象である。
すなわち、本発明の目的は従来より少い工程で優れた
伸びフランジ性を有する薄鋼板を提供することにある。
又、本発明の他の目的は高強度性と伸びフランジ性を
同時に有する薄鋼板を提供することにある。
更に又、本発明の他の目的は薄鋳帯から形成された鋼
板に優れた伸びフランジ性を付与するところにある。
発明の構成 本発明は上記目的を達成するため、伸びフランジ性に
ついて種々究明したところ、優れた伸びフランジ性を与
える組織に不可欠となる低温変態相を形成するのに、従
来省みられなかった薄鋳帯まゝのオーステナイト組織が
極めて有利であることに着目した。
そして溶鋼が凝固した後、オーステナイトからフェラ
イトへの変態域における冷却を含有成分に応じた所定の
冷却速度で行うことにより、極めて均一な所望の低温変
態相、すなわち粒内針状フェライト、ベイナイトなど、
のみからなる組織が得られることを見出した。
すなわち、Tiのような炭窒化物形成元素を添加せず、
鋳造凝固まゝの粗大なオーステナイト粒をそのまゝ所定
の冷却速度で冷却することにより、粒界フェライトの生
成を抑え、析出物をなくして全面的な低温変態相の組織
を形成することに成功したものであり、この組織により
高強度の特性を有しながら伸びフランジ性が極めて良い
薄鋼板を初めて得ることができたのである。
本発明は上記の知見によって完成したものであり、そ
の要旨は次のとおりである。
本発明の薄鋼板は重量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.0
05〜1.5%、Mn:0.05〜1.5%及びS:0.030%以下を含み、
必要に応じて、Ca:0.0005〜0.0100%又はYを含むREM:
0.005〜0.050%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなる鋼で、粒内生成針状フェライト及びパケットサ
イズが30〜300μmのベイトナイトの少なくとも1種が
組織占有率で95%以上の組織からなり、かつ板厚が0.5
〜5mmの範囲にあることを特徴とする。
上記薄鋼板を製造する方法として、上記成分からなる
鋼を鋳造厚み0.5〜5mmの薄鋳帯に連続鋳造し、鋳造温度
〜900℃の温度範囲から650℃〜400℃の温度範囲まで
を、CとMnで特定される下記(1)式によって示される
V(℃/sec)以上の平均冷却速度で冷却し、650℃以下
で巻取ることを特徴とする。
logV≧0.5−0.8log Ceq(℃/sec)…(1) 但し、Ceq=C+0.2Mn なお、この際、薄鋳帯中の引け巣を潰すなどの目的で
インラインで20%以下の軽圧下を施してもよい。
図面の簡単な説明 第1図はミクロ組織の鋼成分と冷却速度との関係を示
す図である。
第2図は引張強さと穴広げ比の関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明を実施するための最良の形態について詳
述する。
まず、本発明の成分の限定理由について説明する。
Cは鋼の組織を形成する上で、また鋼の強度を決定す
る上で最も重要な元素であるが、0.01%未満(以下、成
分の%は全て重量%)では冷却速度を高めてもフェライ
トの生成は避けられず、また35kgf/mm2以上の強度を付
与することができない。また、0.2%超では延性の劣化
が著しく、また溶接性も劣化する。よってCは0.01〜0.
20%の範囲とした。
Siは鋼の強化元素として重要であるが、1.5%超では
効果が飽和することおよび酸洗性が劣化することから、
また、0.005%未満ではその添加効果がないことから0.0
05〜1.5%の範囲とした。
Mnは鋼の強度・延性を向上させる元素であるが、1.5
%超の添加はコスト高となることから、また、0.05%未
満ではその添加効果がないことから0.05〜1.5%の範囲
とした。
Sは不可避的不純物であり、硫化物系介在物を介して
伸びフランジ性を劣化させる元素である。
したがって、Sの量はできるだけ少い方がよく、その
上限を0.030%とした。
なお、伸びフランジ性を向上させるためには、Sを減
らし、硫化物系介在物を減らすとともに、該介在物を球
状化することが有効である。この球状化にはCaもしくは
REM(Yを含むランタニド系希土類)が有効である。
したがって、必要に応じて、Caを0.0005〜0.0100%、
REMを0.0050〜0.050%の範囲で添加してもよい。上記添
加量の下限未満では球状化の効果は少なく、上限超では
球状化の効果が飽和し、むしろ介在物を増加させて逆効
果となる。
なお本発明で特に限定はしないが、P,Nは不可避不純
物として鋼に混入する元素であり、本発明鋼では共に0.
02%以下とする。またAlは脱酸元素として不可避的に0.
1%以下含まれる。
一方、スクラップを主原料とした場合にはCu,Sn,Cr,N
iなどのトランプエレメントが鋼成分に混入することが
あるが、これにより本発明は何等制約を受けるものでは
ない。この際の元素含有量はCu:0.5%以下、Ni:0.3%以
下、Cr:0.3%以下、Sn:0.1%以下である。
次に本発明鋼の組織について説明する。
本発明鋼の組織はパケットサイズが30〜300μmのベ
イナイトか粒内生成針状フェライトまたはこれらの混合
組織(C,Mnの添加量と冷却速度で組織が変化する)が95
%以上の組織占有率を有するものである。
この組織はCおよびMn量が少いときにはベイナイト主
体となり、逆にこれらの量が多いときには針状フェライ
ト主体となり易い。
かゝる組織を有する鋼は後述の実施例に基づく第2図
で示すように、穴広げ性(伸びフランジ性を評価)が引
張強さ(強度)の大きさに関係なくほゞ一定した高い穴
広げ性を有するという極めて特異な機械的性質を有す
る。
以上の鋼は次の製造条件によって製造される。
本発明の組織・材質作り込み技術にとって最も重要な
ことは、鋳造(例えば、双ロール鋳造)によって得られ
る粗大なオーステナイト組織をそのままフェライト変態
域に持ちきたすことにある。すなわち現行熱延工程のよ
うにオーステナイト域で大きな圧下をかけ、再結晶など
によりオーステナイト粒が微細化することは逆に好まし
くない。このため鋳造時にすでに製品鋼板厚みを有する
必要があるが、鋳造厚みが5mm超では生産性が著しく低
下すること、また0.5mm未満では鋳造の安定性が確保で
きないことから、本発明では鋳造厚み、すなわち鋼板板
厚を0.5〜5mmに限定した。一方、本発明では上記の理由
により圧延を施す必要はないが、鋳片の表面粗度やクラ
ウンなどを整えるため、あるいは鋳造により生じた板厚
中心部の引け巣を潰すなどのためにインラインで20%以
下の軽圧下を施すことは何等本発明の効果を妨げるもの
ではない。
上述のように、鋳造オーステナイト組織をそのまゝフ
ェライト変態域に持ちきたすために、冷却条件を次の実
験結果に基づいて決定した。
C,Si,Mn量が種々異なる溶鋼を真空溶解にて溶製し、
双ロール鋳造により板厚3.2mmに鋳造後、950℃から600
℃までを種々の冷速で冷却した後の組織を調べた。得ら
れた組織の様子を第1図に示す。ここに示した組織の記
号はミクロ組織として、Fが粗大フェライト、θがセメ
ンタイト、Pがパーライト、Bがベイナイト、Iがオー
ステナイトの粒内から生成した微細針状フェライト(ア
スペクト比で1:5以上のフェライト)であり、二種類が
記されているのはそれらの混合組織であることを示して
いる。また図中ハッチングで示された領域が本発明の条
件である。
すなわち、下記(1)式によって定まる冷却速度(℃
/sec)Vで冷却した場に、得られる組織はベイナイトも
しくは粒内針状フェライトまたはそれらの混合組織であ
って、いわゆる現行熱延材に必ず含まれる粒径20μm以
下の微細フェライト(粒状のポリゴナルフェライト)は
いっさい生成せず、また粗大フェライトも生成しない。
logV=0.5−0.8log Ceq…(1) 但し、Ceq=C+0.2Mn(重量%) 上記(1)式は成分に依存し、たとえばSS400クラス
の鋼板では冷却速度が10℃/sec以下の場合でも本発明の
組織を形成することができる。
また、本発明鋼のベイナイトは従来鋼のベイナイトと
比較してパケットサイズが30μm以上と大きな単位とな
るが、マクロには極めて均一な組織であり、また粒内針
状フェライトも極めて均一な組織である。そしてこれら
二種類の低温生成相のみで組織占有率が95%以上であっ
た。すなわち本発明によれば粗大フェライトが生成しな
いある冷速以上で変態させることにより伸びフランジ性
に有利な低温変態相を全面に得ることが可能となる。
同様に第1図より、本発明以外の冷却条件で冷却され
た鋼板は全て粗大フェライトが混在した混合組織になる
ことがわかる。
したがってかゝる鋼板は第2図に示すように伸びフラ
ンジ性が特に高強度になるにつれ劣化しているのであ
る。
ところで本発明鋼の組織は前述したように極めて現状
熱延材と異なるものであり、熱延により細粒化したオー
ステナイトからフェライト変態が生ずる現行工程ではこ
のような組織を得ることはできない。むしろこのような
組織は溶接時の溶融金属部にしばしば見受けられるが、
鋼帯すべてが同組織となる製造条件は本発明によって新
規に解明されたものである。
なお本発明において冷却開始温度はフェライト変態が
開始する温度以上でなければならず、900℃以上と限定
する。また巻取温度はあまり高温であると冷却になる変
態への十分な過冷が達成されないことから650℃以下と
する。一方、巻取温度の下限については特に限定しない
が、合金元素の含有量が高い場合にはあまり低い温度ま
で冷却するとMs点(マルテンサイト生成温度)を超える
危険性があること、形状くずれが生じることなどから40
0℃以上とすることが好ましい。
実施例 第1表に示す化学成分を有する鋼を溶解し、鋼Aから
Hは双ロール鋳造により鋳造厚み2.7mmの薄鋳帯とし、
その後同表に示す冷却・巻取りを行った。ここで鋼Aか
らFまでが本発明鋼および条件であり、鋼GはC量が、
鋼Hは冷却速度が、鋼Iは冷却速度と巻取温度が本発明
の範囲外である比較鋼である。一方、従来鋼として鋼J
からLは現行連続鋳造により230mm厚みのスラブとし、
再加熱温度1100℃で現行熱延工程を経て板厚2.6mmの熱
延鋼板とした。
次いで以上の鋼帯を酸洗後、切板ラインで切板とし
た。その際圧下率1%の調質圧延を施した。その後、こ
の試料を組織観察及び材質試験に供した。
光学顕微鏡による板厚断面の組織観察の結果を第1表
の右欄に併記した。ここで用いた記号は第1図のものと
同様である。これより明らかなように本発明により製造
された鋼AからFはベイナイトもしくは粒内針状フェラ
イトといった低温変態相のみからなるのに対し、薄鋳帯
でありながら成分や冷却条件が本発明外の鋼GからIは
初析フェライトが混在した混合組織を呈していた。また
現行熱延材である鋼JからLは、粒径そのものは20μm
以下の微細なものであるが、やはり初析フェライトが混
在した組織であった。またこれら熱延材の組織は一般に
圧延方向に多少伸長したものとなるが、本発明鋼は元々
圧延を受けていないためマクロ的には等方的な組織であ
ることも特徴の一つである。
材質試験は引張試験と穴広げ試験を行った。引張試験
にはJIS Z2201、5号試験片を用いた。また穴広げ試験
は直径20mmで打ち抜いたせん断穴をバリを外にして円錐
ポンチで押し広げる方法を用い、クラックが板厚を貫通
する時点での穴径を元の穴径(20mm)で割った値をもっ
て穴広げ比とした。
材質試験の結果を第2表に示す。これより明らかなよ
うに本発明鋼である鋼AからFは従来の熱延工程を経て
製造された鋼JからLと比較して同強度レベルでの伸び
はやや劣るものの伸びフランジ性の指標となる穴広げ比
は優れていることがわかる。一方、薄鋳帯でありながら
比較鋼となる鋼GはC量が本発明の範囲から外れるため
強度が不足しており、また鋼H,Iは製造条件が本発明の
範囲外であるため、フェライトを含んでおり、この結果
穴広げ比も特に優れたものではない。第2図にこれらの
強度−穴広げ比バランスを示す。従来鋼や比較鋼が強度
の上昇とともに穴広げ比が低下するのに比して、本発明
鋼は70kgf/mm2近くまで穴広げ比2以上を保っている。
すなわちこの図より高強度鋼板になるほど本発明鋼の優
位性が顕著になることがわかる。
産業上の利用可能性 以上詳述したように、本発明によれば、現行の熱延工
程を前提として種々の成分や熱延条件の規定によって製
造されてきた伸びフランジ性に優れた熱延鋼板が、双ロ
ール鋳造法による熱延省略プロセルによって、安価にか
つ比較的容易に製造することが可能になる。また本発明
の製造方法では基本的に圧延を必要としないため、現行
プロセスで圧延に起因して生ずるヘゲや耳割れなどの表
面や端部欠陥も生じない。このことは表面きずの原因と
なるCuやSnなどのトランプエレメントが混入するスクラ
ップを主原料として薄鋼板を製造する場合、とりわけ有
利なプロセスであると考えられる。なお、本発明鋼が伸
びフランジ性を必要とする材料としてだけでなく、本発
明鋼で充足する強度を必要とする材料としても使用でき
ることは勿論である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 301 B22D 11/124,11/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.005〜1.
    5%、Mn:0.05〜1.5%及びS:0.03%以下を含み、残部がF
    e及び不可避的不純物からなる鋼で、粒内生成針状フェ
    ライト及びパケットサイズが30〜300μmのベイナイト
    の少くとも1種が組織占有率で95%以上の組織からな
    り、かつ板厚が0.5〜5mmの範囲にあることを特徴とする
    伸びフランジ性の優れた薄鋼板。
  2. 【請求項2】更に、重量%でCa:0.0005〜0.0100%また
    はREM:0.005〜0.050%を含有する請求の範囲第1項記載
    の薄鋼板。
  3. 【請求項3】重量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.005〜1.
    5%、Mn:0.05〜1.5%及びS:0.03%以下を含み、残部がF
    e及び不可避的不純物からなる鋼を鋳造厚み0.5〜5mmの
    薄鋳帯に連続鋳造し、鋳造温度〜900℃の温度範囲から6
    50℃以下の温度までを、下記(1)式で示されるV(℃
    /sec)以上の平均冷却速度で冷却し、650℃以下で巻取
    ることを特徴とする伸びフランジ性の優れた薄鋼板の製
    造方法。 logV≧0.5−0.8log Ceq(℃/sec)…(1) 但し、Ceq=C+0.2Mn
  4. 【請求項4】更に重量%でCa:0.0005〜0.0100%又はRE
    M:0.05〜0.050%を含有する請求の範囲第3項記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】鋳造後巻取りに至る迄の間に20%以下の圧
    下率で圧延を施す請求の範囲第3項又は第4項記載の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101280102B1 (ko) * 2008-07-15 2013-06-28 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 연속 주조 주조편 및 그 제조 방법
JP2018058107A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 Jfeスチール株式会社 連続鋳造スラブ、連続鋳造スラブの製造方法および高張力鋼板

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