JP2882995B2 - 結晶化ガラス、磁気ディスク用結晶化ガラス基板及び結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

結晶化ガラス、磁気ディスク用結晶化ガラス基板及び結晶化ガラスの製造方法

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JP2882995B2 JP6043982A JP4398294A JP2882995B2 JP 2882995 B2 JP2882995 B2 JP 2882995B2 JP 6043982 A JP6043982 A JP 6043982A JP 4398294 A JP4398294 A JP 4398294A JP 2882995 B2 JP2882995 B2 JP 2882995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶化ガラス及びその
製造方法に関し、例えば電子部品材料、電子部品用基板
材料、磁気ディスク用基板材料、機械部品材料のように
微細加工や精密加工が必要とされる各種材料として好適
な結晶化ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】β−スポジュンメン固溶体を主結晶相と
する結晶化ガラスは、機械的強度が高く、低膨張である
ため、高強度材料として利用され、また、外観が白色で
清潔感を有し、汚れ落ちが良いため、調理具を兼ねる食
器や電磁調理器用トッププレートなどにも用いられてい
る。さらに、電子産業においては、この結晶化ガラス
は、電子部品などの焼成用セッターやヒーター保護絶縁
管などにも使用されており、近年では1μm程度の結晶
を析出させられることから、電子部品材料、基板材料と
しても使用されている。
【0003】このようなβ−スポジュンメン固溶体を主
結晶相とする結晶化ガラスは、通常、原ガラスを溶融成
形して冷却した後に、核形成熱処理を行い、続いて結晶
化熱処理を行うことにより得られる。
【0004】特公平1−57058号公報には、原ガラ
スを結晶化させる際に、β−スポジュンメン結晶ととも
にクリストバライト結晶を適切に制御して析出させるこ
とによって、強度を向上させた結晶化ガラスについて開
示されている。また、特開昭58−49633号公報に
は、F及びAs23を結晶化時の必須構成物とし、それ
ら必須構成物と結晶核形成剤とを組合わせることにより
得られる微細結晶の高強度低膨張ガラスについて開示さ
れている。さらに、米国特許第4192665号公報に
は、Li2O−Al23−SiO2−MgO−ZnO−T
iO2系原ガラスを1000℃以下の結晶化温度で結晶
化させることにより得られる結晶化ガラスについて開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公報に記載された結晶化ガラスにあっては、いずれ
も、原ガラスの溶解温度が約1500℃以上と極めて高
いので、原ガラスの溶融清澄性の低下を招くおそれがあ
るという問題点があった。また、いずれの結晶化ガラス
も、核形成温度及び結晶化温度が高く、特に結晶化温度
は900〜1100℃程度であるので、結晶粒子の粗大
化を招くおそれがあるという問題点もあった。さらに、
Fを必須構成物として得られる結晶化ガラスにあって
は、溶融時にFが揮発してしまい、ガラスの不均質性が
もたらされるなどの問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、原ガラスの溶解温度及び結
晶化させるための熱処理温度の低温化を図り、それによ
って原ガラスの溶融清澄性の向上、及びガラスの均質性
の向上、並びに結晶粒子の微細化を可能とし、加工特性
に優れるとともに良好な耐熱性及び強度を有する結晶化
ガラス及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、SiO2−A
23−LiO2系原ガラスを用いる際に、TiO2、Z
rO2及びP25を核形成剤とし、それらTiO2、Zr
2、P25の組成比を所定の割合となるように制御す
ることにより、結晶粒子の微細な結晶化ガラスが得られ
るとの知見を得た。また、MgOやBaOやZnOを上
記核形成剤と共存させることにより、原ガラスの溶融温
度が著しく低下し、そのため均質性に優れた結晶化ガラ
スが得られるとの知見も得た。
【0008】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、請求項1記載の発明は、結晶化ガラスにおい
て、少なくとも、52〜65重量%のSiO(酸化ケ
イ素)と、8〜15重量%のAl(酸化アルミニ
ウム)と、式 0.1<(P(重量%)+ZrO(重量%))
/TiO(重量%)<0.8 を満たす0〜4重量%のP(酸化リン)と3〜8
重量%のTiO(酸化チタン)と0〜4重量%のZr
(酸化ジルコニウム)と、式 3<ZnO(重量%)+MgO(重量%)+BaO(重量%)<15 を満たす0〜10重量%のZnO(酸化亜鉛)と0〜1
0重量%のMgO(酸化マグネシウム)と0〜5重量%
のBaO(酸化ホウ素)と、3〜12重量%のLi
(酸化リチウム)と、0〜4重量%のKO(酸化カリ
ウム)と、式 0<As(重量%)+Sb(重量%)<2 を満たすAs(酸化ヒ素)とSb(酸化ア
ンチモン)と、を含む組成からなる原ガラス(但し、C
aOを含まない)を溶融成形して冷却した後に熱処理す
ることにより得られ、主結晶相としてβ−スポジュンメ
ン固溶体を有し、かつ、結晶粒径が0.5μm以下のも
のである
【0009】請求項2記載の発明は、結晶化ガラスにお
いて、少なくとも、52〜65重量%のSiOと、8
〜15重量%のAlと、式 0.1<(P(重量%)+ZrO(重量%))
/TiO(重量%)<0.8 を満たす0〜4重量%のPと3〜8重量%のTi
と0〜4重量%のZrOと、2〜8重量%のZn
Oと、2〜8重量%のMgOと、0.5〜4重量%のB
aOと、3〜12重量%のLiOと、0〜4重量%の
Oと、式 0<As(重量%)+Sb(重量%)<2 を満たすAsとSbと、を含む組成からな
る原ガラス(但し、CaOを含まない)を溶融成形して
冷却した後に熱処理することにより得られ、主結晶相と
してβ−スポジュンメン固溶体を有し、かつ、結晶粒径
が0.5μm以下のものである
【0010】また、請求項3記載の発明は、表面粗度
(Ra)が6〜18の範囲にあることを特徴とする請求
項1又は2記載の結晶化ガラスである。また、請求項4
記載の発明は、ビッカース硬度(Hv)が600〜68
0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か一つに記載の結晶化ガラスである。また、請求項5記
載の発明は、請求項1〜4のいずれか一つの結晶化ガラ
スを材料としたことを特徴とする磁気ディスク用結晶化
ガラス基板である。
【0011】 請求項6記載の発明は、主結晶相としてβ
−スポジュンメン固溶体を有し、かつ、結晶粒径が0.
5μm以下である請求項1〜4のいずれか一つに記載の
結晶化ガラスを製造する結晶化ガラスの製造方法であっ
て、前記原ガラス(但し、CaOを含まない)を、溶融
成形して冷却した後に、少なくとも、核形成可能な温度
でもって一次熱処理した後に該一次熱処理温度よりも高
い結晶化可能な温度でもって二次熱処理することを特徴
とする結晶化ガラスの製造方法である。
【0012】具体的には、上記請求項6記載の発明にお
いて、請求項7記載の発明のように、上記一次熱処理に
おける温度範囲は500〜650℃であり、また請求項
8記載の発明のように、上記二次熱処理における温度範
囲は700〜900℃である。
【0013】本発明に係る結晶化ガラスの酸化物組成
は、上記原ガラスの酸化物組成によって表されるが、原
ガラスを構成する各酸化物の組成を上記範囲に限定した
理由を以下に説明する。
【0014】SiO2については、その量が52〜65
重量%であるのは、下限値未満では、得られる結晶化ガ
ラスの結晶粒径が粗大化してしまって結晶化する際に割
れなどが発生することがあるからであり、また、上限値
を超えると、原ガラスの溶融清澄が困難となって、得ら
れる結晶化ガラスの均質性が悪化してしまうからであ
る。
【0015】Al23については、その量が8〜15重
量%であるのは、下限値未満では、結晶化する際にβ−
スポジュンメン固溶体の析出が難しくなってしまうから
であり、また、上限値を超えると原ガラスの溶融性が悪
化してしまい、得られる結晶化ガラスの均質性が損なわ
れやすくなるからである。
【0016】P25、ZrO2及びTiO2は、核形成剤
として作用する成分であり、P25及び/又はZrO2
がTiO2と共存されることにより結晶化の前駆が誘発
されて低温での結晶化が可能となる。そして、それらP
25及び/又はZrO2とTiO2との比の値、即ち (P25(重量%)+ZrO2(重量%))/TiO
2(重量%) の値が0.1よりも大きく0.8よりも小さいのは、そ
の値が上限値以上の時には、析出結晶の結晶粒子は粗大
化してしまって、精密研磨等の表面特性に悪影響が及ぼ
されるからであり、また、下限値以下であると、所望の
効果、即ち低温での結晶化が可能となることによりもた
らされる結晶粒子の微細化という効果が得られないから
である。
【0017】P25及びZrO2については、それぞれ
の量が0〜4重量%であるのは、上限値を超えると、析
出結晶の結晶粒子の粗大化がもたらされるだけでなく、
ガラスの不安定化を招くからである。また、TiO2
ついては、その量が3〜8重量%であるのは、下限値未
満では、十分な核形成効果が得られず、所望の組成を有
する結晶の生成が困難となるからであり、また、上限値
を超えると、原ガラスの耐失透性が悪化してしまうから
である。
【0018】ZnO、MgO及びBaOは、原ガラスの
低温における溶融性の向上及び得られる結晶化ガラスの
均質性の向上をもたらすものである。そして、それらZ
nO、MgO及びBaOの総量が3〜15重量%である
のは、下限値以下では、原ガラスの溶融が困難となって
しまうからであり、また、上限値以上では、析出結晶相
に悪影響が及ぼされるからである。
【0019】ZnO及びMgOについては、その量が0
〜10重量%であるのは、上限値を超えると原ガラスの
耐失透性が悪化するからであり、何れも好ましくは2〜
8重量%であるのがよい。BaO成分については、その
量が0〜5重量%であるのは、上限値を超えると、原ガ
ラスの耐失透性が悪化するからであり、好ましくは0.
5〜4重量%であるのがよい。
【0020】Li2Oは、SiO2及びAl23とともに
β−スポジュンメン固溶体の主要な構成要素となるもの
であるが、その量が3〜12重量%であるのは、下限値
未満では、原ガラスの溶融性の悪化がもたらされるとと
もに、所望の組成及び結晶構造を有する結晶の析出が困
難となるからであり、また上限値を超えると、原ガラス
の耐失透性の悪化がもたらされるとともに、所望の組成
及び結晶構造を有する結晶の析出が困難となるからであ
る。
【0021】K2Oは、原ガラスの溶融性を向上させる
ものであり、その最大含有量は4重量%であるが、好ま
しくは1〜4重量%であるのがよい。
【0022】As23及びSb23については、それら
の一方又は両方を、原ガラスを溶融させる際の清澄剤と
して添加することができるが、それらの添加量が総量で
2重量%以下であれば清澄剤としての充分な効果を奏す
る。
【0023】上述した組成の原ガラスを溶融成形して冷
却した後に熱処理して結晶化ガラスを得る際の熱処理条
件は、その一例を挙げると、以下の通りである。即ち、
例えば、一次熱処理の条件は、昇温速度50℃〜300
℃/時で温度範囲500〜650℃内の所定温度まで昇
温し、その温度で1〜20時間保持するというものであ
る。また、一次熱処理に続いて行われる二次熱処理の条
件は、昇温速度5℃〜200℃/時で温度範囲700℃
〜900℃内の所定温度まで昇温し、その温度で0.5
〜20時間保持するというものである。
【0024】なお、一次熱処理及び二次熱処理の各条件
は、上記条件に限定されるものではないのはいうまでも
ない。つまり、一次熱処理については、その処理温度が
核形成可能な温度であればよく、また、二次熱処理につ
いては、その処理温度が一次熱処理温度よりも高い結晶
化可能な温度であればよい。また、一次熱処理の前に予
備的な熱処理を行ったり、一次熱処理及び二次熱処理に
続いて、三次以降の熱処理を適宜行ってもよいのはもち
ろんである。
【0025】
【作用】請求項1に記載した発明によれば、原ガラスの
組成が上述した組成であるため、原ガラスの溶解温度が
低温化されるとともに、結晶核を形成させて結晶化させ
るための熱処理温度が低温化されるので、原ガラスの溶
融清澄性が向上し、また得られる結晶化ガラスは、その
結晶粒子が微細であり、且つ均質性に優れるという特性
を有する。
【0026】請求項2に記載した発明によれば、原ガラ
スの組成が上述した組成であるため、請求項1記載の発
明と同様、原ガラスの溶解温度の低温化及び結晶化のた
めの熱処理温度の低温化がもたらされ、原ガラスの溶融
清澄性が向上し、また得られる結晶化ガラスは、その結
晶粒子が微細であり、且つ均質性に優れるという特性を
有する。
【0027】請求項6及至8記載の発明によれば、それ
ぞれ上述した組成の原ガラスを、溶融成形して冷却した
後に、例えば500〜650℃の温度範囲の核形成可能
な温度でもって一次熱処理し、続いてその一次熱処理温
度よりも高い例えば700〜900℃の温度範囲の結晶
化可能な温度でもって二次熱処理するようにしたため、
従来よりも低温で原ガラスの溶解を行うことができると
ともに、従来よりも低温で核形成及び結晶化させること
ができるので、原ガラスの溶融清澄性が向上し、均質性
に優れた微細結晶粒子の結晶化ガラスが容易に得られ
る。
【0028】
【実施例】以下に、具体的な実施例及び比較例を挙げ
て、本発明に係る結晶化ガラス及びその製造方法の特徴
とするところを明らかにする。
【0029】(実施例)先ず、2500gのガラスが得
られるように酸化物や硝酸塩などの原料を調合し、混合
して得られた組成の異なる10種の原ガラスを、組成の
相違による溶融の難易度に対応してあらかじめ温度設定
された炉内の白金製坩堝に投入した後、一定の攪拌を行
って溶解した。その際、原ガラスの融液が略脱泡状態に
あることを肉眼で確認した。その原ガラスの融液を所望
形状に成形した後、冷却し、得られたガラスを再加熱し
て熱処理することにより10種の組成の結晶化ガラスを
得た。
【0030】得られた10種の結晶化ガラス(試料N
o.1〜10)の組成を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】また、試料No.1〜10の各結晶化ガラ
スについて、原ガラスの溶解温度、核形成熱処理(一次
熱処理)における処理温度及び保持時間、結晶化熱処理
(二次熱処理)における処理温度及び保持時間は、それ
ぞれ表2に示す通りであった。なお、常温から核形成熱
処理温度までの昇温速度は114℃/時であり、その核
形成熱処理温度から結晶化熱処理温度までの昇温速度は
25℃/時であった。
【0033】
【表2】
【0034】得られた試料No.1〜10の各結晶化ガ
ラスについて、X線回析(XRD)により結晶構造の同
定を行ったところ、いずれも主結晶相としてβ−スポジ
ュンメン固溶体を有していることが確認された。また、
試料No.1〜10の結晶化ガラスの結晶粒径は、いず
れも0.5μm以下であった。
【0035】さらに、試料No.1〜10の各結晶化ガ
ラスについて、ビッカース硬度(Hv)及び表面粗度
(Ra)の測定を行った。その結果を表2に併せて示
す。なお、表面粗度の測定にあたっては、上記各結晶化
ガラス(試料No.1〜10)を、平均粒径9〜12μ
mの砥粒にて約10分〜20分間ラッピング処理した
後、平均粒径1〜2μmの酸化セリウムにて約30分〜
40分間ポリシング処理して測定用の試料とした。
【0036】(比較例)比較として、従来より知られて
いる3種の組成のβ−スポジュンメン系結晶化ガラス
を、上記実施例と同じ手順で作製した。それら3種の結
晶化ガラス(試料No.11〜13)の組成を表1に示
す。但し、試料No.11〜13の各結晶化ガラスにつ
いて、原ガラスの溶解温度、核形成熱処理における処理
温度及び保持時間、結晶化熱処理における処理温度及び
保持時間、は表2に示す通りであった。また、常温から
核形成熱処理温度までの昇温速度は120℃/時であ
り、その核形成熱処理温度から結晶化熱処理温度までの
昇温速度は25℃/時であった。その他の条件は上記実
施例と同じであった。
【0037】試料No.11〜13の各結晶化ガラスに
ついても、XRDにより主結晶相としてβ−スポジュン
メン固溶体を有することが確認された。また、試料N
o.11〜13の各結晶化ガラスについて、ビッカース
硬度(Hv)及び表面粗度(Ra)の測定結果を表2に
示す。
【0038】表1及び表2より、上記実施例の原ガラス
の溶解温度はいずれも1450℃以下であり、対する上
記比較例の原ガラスの溶解温度は1500〜1600℃
であるので、上記比較例に比べて、上記実施例において
は原ガラスの溶融時にLi2O等の揮発成分の逸散が少
ない、均質度に優れる、などの利点があることがわか
る。また、上記実施例では、核形成熱処理温度及び結晶
化熱処理温度がそれぞれ500〜650℃及び750〜
850℃であり、対する上記比較例の核形成熱処理温度
(750〜800℃)及び結晶化熱処理温度(900〜
1100℃)よりも低い。つまり、上記実施例において
は、上記比較例よりも低温域での結晶化が可能であり、
工業規模での大量生産に有利である。さらに、上記実施
例の結晶化ガラスは、微細な結晶粒子の析出により、適
切な摩耗度を有しており、硬度に準じて加工特性が良好
になる。加えて、上記実施例の結晶化ガラスは、表面粗
度(Ra)が小さく、優れた表面特性を有している。
【0039】なお、本発明は、上記実施例により何等制
限されるものではないのはいうまでもない。例えば、上
記試料No.1〜10の結晶化ガラスの組成は一例であ
り、各構成酸化物の含有量は、本発明において規定され
た範囲から適宜選択される。また、核形成熱処理及び結
晶化熱処理における各処理温度についても、上記実施例
に限定されず、本発明において規定された範囲から適宜
選択される。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る結晶化ガラスは、その製造
の際に原ガラスの溶解温度が低温化されるとともに、結
晶核を形成させて結晶化させるための熱処理温度が低温
化されるので、その結晶粒子が微細であり、且つ均質性
に優れるという特性を有する。そして、結晶化ガラス
は、微細な結晶粒子の析出により、適切な摩耗度を有し
ており、硬度に準じて加工特性が良好になる。加えて、
結晶化ガラスは、表面粗度(Ra)が小さく、優れた表
面特性を有している。従って、本発明に係る結晶化ガラ
スは、適度な磨耗度を有し、研磨加工性に優れるため、
例えば電子部品材料、電子部品用基板材料、磁気ディス
ク用基板材料、機械部品材料のように微細加工や精密加
工が必要とされる各種材料として好適である。
【0041】また、本発明に係る結晶化ガラスの製造方
法によれば、従来よりも低温で原ガラスの溶解を行うこ
とができるとともに、従来よりも低温で核形成及び結晶
化させることができるので、原ガラスの溶融清澄性が向
上し、均質性に優れた微細結晶粒子の結晶化ガラスが容
易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 10/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、52〜65重量%のSiO
    と、8〜15重量%のAlと、式 0.1<(P(重量%)+ZrO(重量%))
    /TiO(重量%)<0.8 を満たす0〜4重量%のPと3〜8重量%のTi
    と0〜4重量%のZrOと、式 3<ZnO(重量%)+MgO(重量%)+BaO(重量%)<15 を満たす0〜10重量%のZnOと0〜10重量%のM
    gOと0〜5重量%のBaOと、3〜12重量%のLi
    Oと、0〜4重量%のKOと、式 0<As(重量%)+Sb(重量%)<2 を満たすAsとSbと、を含む組成からな
    る原ガラス(但し、CaOを含まない)を溶融成形して
    冷却した後に熱処理することにより得られ、主結晶相と
    してβ−スポジュンメン固溶体を有し、かつ、結晶粒径
    が0.5μm以下であることを特徴とする結晶化ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 少なくとも、52〜65重量%のSiO
    と、8〜15重量%のAlと、式 0.1<(P(重量%)+ZrO(重量%))
    /TiO(重量%)<0.8 を満たす0〜4重量%のPと3〜8重量%のTi
    と0〜4重量%のZrOと、2〜8重量%のZn
    Oと、2〜8重量%のMgOと、0.5〜4重量%のB
    aOと、3〜12重量%のLiOと、0〜4重量%の
    Oと、式 0<As(重量%)+Sb(重量%)<2 を満たすAsとSbと、を含む組成からな
    る原ガラス(但し、CaOを含まない)を溶融成形して
    冷却した後に熱処理することにより得られ、主結晶相と
    してβ−スポジュンメン固溶体を有し、かつ、結晶粒径
    が0.5μm以下であることを特徴とする結晶化ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】 表面粗度(Ra)が6〜18の範囲にあ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の結晶化ガラ
    ス。
  4. 【請求項4】 ビッカース硬度(Hv)が600〜68
    0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載の結晶化ガラス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つの結晶化ガ
    ラスを材料としたことを特微とする磁気ディスク用結晶
    化ガラス基板。
  6. 【請求項6】 主結晶相としてβ−スポジュンメン固溶
    体を有し、かつ、結晶粒径が0.5μm以下である請求
    1〜4のいずれか一つに記載の結晶化ガラスを製造す
    る結晶化ガラスの製造方法であって、前記原ガラス(但
    し、CaOを含まない)を、溶融成形して冷却した後
    に、少なくとも、核形成可能な温度でもって一次熱処理
    した後に該一次熱処理温度よりも高い結晶化可能な温度
    でもって二次熱処理することを特徴とする結晶化ガラス
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記一次熱処理における温度範囲は50
    0〜650℃であることを特徴とする請求項6記載の結
    晶化ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記二次熱処理における温度範囲は70
    0〜900℃であることを特徴とする請求項6又は7記
    載の結晶化ガラスの製造方法。
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