JP2882500B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2882500B2
JP2882500B2 JP3357709A JP35770991A JP2882500B2 JP 2882500 B2 JP2882500 B2 JP 2882500B2 JP 3357709 A JP3357709 A JP 3357709A JP 35770991 A JP35770991 A JP 35770991A JP 2882500 B2 JP2882500 B2 JP 2882500B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyol component
molecular weight
polyurethane resin
magnetic
low
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3357709A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05266458A (ja
Inventor
泰伸 須堯
春彦 成澤
剛志 八塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP3357709A priority Critical patent/JP2882500B2/ja
Publication of JPH05266458A publication Critical patent/JPH05266458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2882500B2 publication Critical patent/JP2882500B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ、磁気ディス
ク等磁気記録媒体に関するものである。更に詳しくは非
磁性支持体に設けた磁性層の結合剤として、優れた特性
を有するポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】汎用的磁気記録媒体である磁気テープ
は、長軸1μm以下の針状磁性粒子を適当な添加剤(分
散剤、潤滑剤、帯電防止剤等)と共に結合剤溶液中に分
散させて磁性塗料を作り、これをポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に塗布して作られている。
【0003】磁気記録媒体の結合剤に要求される特性と
しては、磁性粒子の分散性、充填性、配向性、磁性層の
耐久性、耐摩耗性、耐熱性、非磁性支持体との接着性等
が上げられ、結合剤は非常に重要な役割を果たしてい
る。従来より用いられている結合剤としては、塩化ビニ
ル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル・塩化ビリニデン
共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リロニトリル、ブタジエン共重合体、ニトロセルロー
ス、セルロース・アセテート・ブチレート、エポキシ樹
脂、あるいはアクリル樹脂等が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体ではS/
N比(シグナル/ノイズ比)の向上、高記録密度化のた
めに、より微粒子化した磁性粒子を磁性層中に高充填
し、高配向すること、磁性層の表面を平滑にすること、
あるいは金属粒子、バリウムフェライト粒子のように分
散性困難な磁性粒子の採用等の方策が取られている。そ
のためにより分散性の良好な結合剤が要求されている。
また磁性層の表面が平滑になることは、走行耐久性がよ
り良好な結合剤が求められている。
【0005】しかもこれらの磁気記録媒体での要求は、
近年の磁気記録技術のレベルアップにともなってますま
す厳しくなってきており従来のポリウレタン樹脂では満
足できないのが現状である。以上の状況に鑑み、本発明
の目的は磁性粒子の分散性に優れ、かつ同時走行に耐久
性の優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はポリウレタ
ン樹脂中のウレタン結合濃度を減少させるほど磁性粉の
分散性が向上し、その結果磁性層の空隙率が低下するこ
とを見いだした。しかしポリウレタン樹脂のウレタン結
合濃度の低下は、ポリウレタン樹脂に特有な強靭性、耐
摩耗性等の特性を悪化させ磁気記録媒体に要求される走
行耐久性を満足できなくなる。そこで更に鋭意検討した
結果本発明に到達した。すなわち本発明は、強磁性粉末
を結合剤中に分散させた磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布した磁気記録媒体において、前記結合剤の成分とし
て、分子量が500〜10,000の高分子量ポリオー
ル成分(A)、ジイソシアネート化合物(B)、および
必要によりイソシアネートと反応する官能基を1分子中
に2個以上有する分子量が500未満の低分子量化合物
(C)からなる水酸基末端のポリウレタン樹脂を含み、
該ポリウレタン樹脂は高分子量ポリオール成分(A)が
ガラス転移温度が−20℃以下の低Tgポリオール成分
(a1 )とガラス転移温度が20℃以上の高Tgポリオ
ール成分(a2 )からなり、低Tgポリオール成分(a
1 )と高Tgポリオール成分(a2 )の重量比が10:
90〜70:30の範囲にあり、該ポリウレタン樹脂中
のウレタン結合濃度が樹脂1トン当り500〜1,50
0当量の範囲にあり、該樹脂の末端は低Tgポリオール
成分(a1 )あるいは低分子量化合物(C)であり、該
末端が低分子量化合物(C)の場合には、低分子量化合
物(C)が前記ジイソシアネート化合物(B)を介して
低Tgポリオール成分(a1 )と結合していることを特
徴とする磁気記録媒体である。
【0007】本発明のポリウレタン樹脂はウレタン結合
濃度の低下に起因する走行耐久性の低下を特定の高分子
ポリオール成分の使用とポリウレタン樹脂の構造により
改善するものである。
【0008】本発明で用いるポリウレタン樹脂は、高分
子量ポリオール成分(A)としてガラス転移温度が−2
0℃以下の低Tgポリオール成分(a1 )とガラス転移
温度が20℃以上の高Tgポリオール成分(a2 )とを
併用する。使用する低Tgポリオール成分(a1 )のガ
ラス転移温度が−20℃を超えるとポリウレタン樹脂末
端部の汎用硬化剤との反応性が不足し本明の効果が得ら
れなくなり、また使用する高Tgポリオール成分(a2
)のガラス転移温度が20℃未満になるとポリウレタ
ン樹脂特有の強靭性、耐摩耗性等の特性が悪くなる。
【0009】本発明で用いられるポリウレタン樹脂の製
造において使用されるガラス転移温度が−20℃以下の
高分子量ポリオール成分(a1 )としては、脂肪族ジカ
ルボン酸成分を主体とする脂肪族ポリエステル・ポリオ
ール、あるいはポリカプロラクトン・ポリオール、ポリ
エーテル・ポリオール等があげられ、ガラス転移温度が
20℃以上の高分子量ポリオール成分(a2 )として
は、芳香族ジカルボン酸成分を主体とした芳香族ポリエ
ステル・ポリオール、芳香族と脂肪族のジカルボン酸成
分を併用したポリエステル・ポリオール、芳香族ポリエ
ステル・ポリオールにラクトン成分を付加した芳香族ラ
クトン付加ポリエステル・ポリオール等があげられる。
【0010】具体的には、芳香族ポリエステル・ポリオ
ールはジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6
−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキ
シエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸等
があげられる。また脂肪族ポリエステル・ポリオールは
ジカルボン酸成分として、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪
族ジカルボン酸があげられ、ガラス転移温度が−20℃
を超えない範囲で上記芳香族ジカルボン酸、芳香族オキ
シカルボン酸等を使用してもよい。
【0011】また上記双方のポリエステル・ポリオール
のグリコール成分としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプ
ロピレンオキサイド付加物等がある。
【0012】上記以外のジカルボン酸成分、グリコール
成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5
−カリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレ
フタル酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオ
ール、2,5−ジメチル−3−ナトリウムスルホ−2,
5−ヘキサンジオール等のスルホン酸金属塩を含有する
ものが上げら、これらを共重合したポリエステルポリオ
ールを原料とするポリウレタン樹脂のスルホン酸金属塩
基は磁製粉・研磨剤・カーボンブラック等の無機粒子の
分散性を著しく改善する効果がある。
【0013】スルホン酸金属塩基以外にポリウレタン樹
脂に導入できる親水性極性基としては、−COOM基、
−OH基、−P=O(OM')2 基、第3アミノ基、第4
アンモニウム基、スルホベタイン基等(Mは水素又はア
ルカリ金属、M’は水素、アルカリ金属又は炭化水素基
である)を挙げることができる。
【0014】また上記双方のポリエステル・ポリオール
の原料の一部には無水トリメリット酸、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三官
能以上の化合物を、ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶解
性、塗布作業性等の特性を損なわない範囲で使用しても
よい。
【0015】またポリカプロラクトン・ポリオール成分
としては、εーカプロラクトン重付加物など、ポリエー
テル・ポリオール成分としては、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどがあげられる。
【0016】本発明で用いるポリウレタン樹脂の高分子
量ポリオール成分(A)の分子量は500〜10,00
0の範囲のものであり、好ましくは500〜5,000
である。分子量が500未満ではウレタン結合濃度が高
くなりすぎ磁性粉の分散性、低温特性等が悪化し、分子
量が10,000を超えるとポリウレタン樹脂に特有な
強靭性、耐摩耗性等の特性が悪くなる。また本発明で用
いるポリウレタン樹脂の高分子量ポリオール成分(A)
はガラス転移温度が−20℃以下の低Tgポリオール成
分(a1 )とガラス転移温度が20℃以上の高Tgポリ
オール成分(a2 )とを重量比で10:90〜70:3
0、望ましくは15:85〜60:40の範囲で使用す
る。高Tgポリオール成分(a2 )が30%未満ではポ
リウレタン樹脂の機械的物性が低下し強靭性、耐摩耗性
等の特性が悪化し、また高Tgポリオール成分(a2 )
が90%を超えると末端部に使用される低Tgポリオー
ル成分(a1 )が不足し本発明の効果を得ることができ
なくなる。
【0017】本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造に
おいて使用されるジイソシアネート化合物(B)として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、3,3’−ジメ
トキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、
2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、
1,3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,
4−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4’
−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等があげられる。
【0018】本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造時
に必要により使用する分子量500未満のイソシアネー
トと反応する官能基を1分子中2個以上有する低分子量
化合物(C)はポリウレタン中のウレタン基濃度等の調
節に利用できる。またイソシアネートと反応する官能基
を1分子中3個以上有する低分子量化合物は汎用硬化剤
との反応性の向上に有効である。具体的な化合物として
は、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物等の直鎖グリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、ビスフェノールA
のプロピレンオキサイド付加物等の分岐グリコール、N
−メチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等のアミノアルコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール等のポリオールあるいはこれらポリ
オールのうちの一種へのε−カプロラクトン付加物等が
あげられる。
【0019】本発明で用いるポリウレタン樹脂はウレタ
ン結合濃度(ウレタン結合の含有量)が樹脂1トン当り
500〜1500当量の範囲にあることを特徴とする。
好ましくは樹脂1トン当り800〜1200当量の範囲
である。ウレタン結合はその水素結合により樹脂間に強
い相互作用を生じさせウレタン結合濃度が高くなるほど
樹脂の強靭性、耐摩耗性等が向上するが一方磁性粒子の
分散性が低下する傾向がある。ウレタン結合濃度が50
0未満では、本発明で用いる特定の原料と構造でも走行
耐久性の低下が顕著であり、また1500を超えると磁
性粉の分散性が低下する。
【0020】本発明で用いるポリウレタン樹脂の末端は
低Tgポリオール成分(a1 )あるいは低分子量化合物
(C)であり、該末端が低分子量化合物(C)の場合に
は低分子量化合物(C)は、ジイソシアネート化合物を
介して低Tgポリオール成分(a1 )と結合している。
ポリウレタン樹脂をこの末端にすることにより磁気記録
媒体に用いられる汎用的硬化剤との反応性を高め架橋密
度を上げウレタン基濃度調節によるポリウレタン樹脂の
強靭性低下を防ぎ磁気記録媒体として十分な耐久性をも
たせることができる。
【0021】本発明で用いるポリウレタン樹脂をこのよ
うな構造とする重付加反応方法としては、 低Tgポ
リオール成分(a1 )を除く成分をまずジイソシアネー
ト化合物と反応させイソシアネート末端プレポリマーと
した後、低Tgポリオール成分(a1 )を更に反応させ
る。 高Tgポリオール成分(a2 )の水酸基が消失
するまでジイソシアネート化合物と反応させてイソシア
ネート基末端とした後、該イソシアネート基が未反応で
残る所定量の低Tgポリオール成分(a1 )を仕込みイ
ソシアネート末端プレポリマーとした後、該残存イソシ
アネート基に低分子量化合物(C)を反応させる。
低Tgポリオール成分(a1 )とジイソシアネート化合
物からイソシアネート末端プレポリマーを得た後、該イ
ソシアネート末端プレポリマー中のNCO基に対して高
Tgポリオール成分(a2 )の水酸基が少ない条件下で
高Tgポリオール成分(a2 )中にイソシアネート末端
プレポリマーを仕込み反応後、更に低分子量化合物
(C)あるいは低Tgポリオール成分(a1 )を反応さ
せる方法があげられる。これらの方法のうちとの方
法が作業性が良い点で望ましい。
【0022】反応方法は原料を溶融状態で行う方法、溶
液中で溶解して行う方法のどちらで行ってもかまわな
い。本発明で用いるポリウレタン樹脂の分子量は数平均
分子量で5,000〜50、000の範囲が好ましい。
分子量5,000未満ではポリウレタン樹脂の機械的強
度が低下し、また50,000を超えると溶液粘度が高
くなりすぎ、取扱上困難になることがある。反応触媒と
してオクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、トリ
エチルアミン等を用いてもよい。また紫外線吸収剤、加
水分解防止剤、酸化防止剤等をポリウレタン樹脂の製造
前、製造中あるいは製造後に添加してもよい。
【0023】本発明においては、本発明で用いるポリウ
レタン樹脂以外に、可撓性の調節、耐寒性、耐久性向上
等の目的のために、他の樹脂を添加するか、および/ま
たはポリウレタン樹脂と反応して架橋する化合物を混合
することが望ましい。他の樹脂としては塩化ビニル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、アクリ
ロニトリル・ブタジエン共重合体等があげられる。
【0024】一方、ポリウレタン樹脂と反応して架橋す
る化合物である硬化剤としては、ポリイソシアネート化
合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等があ
り、特にこれらの中でポリイソシアネート化合物が特に
望ましい。本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用される
磁性粒子としては、γ−Fe2 3 、γ−Fe2 3
Fe3 4 の結晶、CrO2 、コバルトを被着したγ−
Fe2 3 またはFe3 4 、バリウムフェライト炭化
鉄、純鉄およびFe−Co、Fe−Co−Ni等の強磁
性合金粉末などをあげることができる。特に、表面積が
BET40m2 /g以上の微粒子化した磁性粉、合金粉
末、あるいはバリウムフェライト等の分散性が困難な磁
性粉で、本発明のポリウレタン樹脂は特に有効である。
【0025】本発明の磁気記録媒体には必要に応じてジ
ブチルフタレート、トリフェニルホスフェートのような
可塑剤、ジオクチルスルホナトリウムサクシネート、t
−ブチルフェノール・ポリエチレンエーテル、エチルナ
フタレン・スルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネー
ト、ステアリン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーンオ
イルのような潤滑剤や種々の帯電防止材を添加すること
もできる。
【0026】本発明で用いるポリウレタン樹脂は原料高
分子ポリオール成分(A)として、ガラス転移温度がー
20℃以下の低Tgポリオール成分(a1 )とガラス転
移温度が20℃以上の高Tgポリオール成分(a2 )を
含有し、ウレタン結合濃度が樹脂1トン当り500当量
〜1500当量の範囲にあり、該樹脂の末端は低Tgポ
リオール成分(a1 )あるいは低分子量化合物(C)で
あり、該末端が低分子量化合物(C)の場合には低分子
量化合物(C)がジイソシアネート化合物を介して低T
gポリオール成分(a1 )と結合していることを特徴と
するものである。
【0027】この場合、ポリウレタン中のウレタン結合
濃度を限定された範囲とすることにより磁性粒子の分散
性が向上し、また高分子量ポリオール成分(A)のうち
ガラス転移温度がー20℃以下の低Tgポリオール成分
(a1 )を末端部に配することでポリウレタン樹脂と磁
気記録媒体に用いられる汎用的硬化剤との反応性が高ま
り、架橋密度が上がるので、ウレタン結合濃度調節によ
るポリウレタン樹脂の強靭性低下を防ぎ磁気記録媒体と
して十分な耐久性が発揮できると考えられる。
【0028】実施例 以下、実施例により本発明を具体的に例示する。実施例
中単に部とあるのは重量部を示す。ポリウレタン樹脂の
溶液粘度の測定は固形分濃度30%、溶剤としてMEK
/トルエン=1/1(重量比)を用いて25℃にて行っ
た。また数平均分子量はTHFを溶媒としてゲル浸透ク
ロマトグラフィーにより、標準ポリスチレン換算の値を
測定した。また高分子量ポリオール成分のガラス転移温
度は示差走査熱量計により昇温速度20℃/分で測定し
た。
【0029】磁気テープの磁性層の光沢は60度光沢を
測定した。磁性層耐摩耗性は、市販のS−VHSビデオ
デッキにかけ、走行時の温度10℃と40℃で100回
走行後の磁性層傷付きを観察し、その程度を以下の6段
階で評価した。 6:傷つきほとんどなし 5:傷つきわずかにあり 4:傷つきやや目だつ 3:傷つき顕著に目だつ、PETフィルムまで達してい
ない 2: 〃 PETフィルム面がわずかに
見える 1: 〃 PETフィルム面が多く見え
る また磁気テープの走行耐久性の指標として磁性層の硬化
性を測定した。磁性層の硬化性は磁気テープをMEKに
25℃で24時間浸積したときの抽出率で示した。抽出
率は磁気テープを浸積したMEKをGPCで測定し、抽
出された重量と磁気テープ上の樹脂との比で表した。
【0030】合成例 1 充分に乾燥させたポリエステルa60部とNPG1部を
トルエン133部に溶解し、MDI13部を加えて90
℃で4時間反応させてイソシアネート基末端プレポリマ
ーとした。そこへ乾燥させたポリエステルb40部を投
入し、さらに3時間反応させてMEK133部で希釈
し、ポリウレタン樹脂を得た。ポリウレタン樹脂の
特性値を表1に示す。尚、ポリエステルb仕込前のイソ
シアネート基末端プレポリマーが有するイソシアネート
基(NCO基)の量は、前記仕込量のMDIの全NCO
基量に対して20.9%であり、GPCの分析から未反
応のポリエステルaは検出されなかった。
【0031】合成例 2 充分に乾燥させたポリエステルc60部をトルエン13
5部に溶解し、MDI15.5部を加えて90℃で5時
間反応させてイソシアネート基末端プレポリマーとし
た。そこへ乾燥させたポリエステル樹脂d40部を投入
し、さらに3時間反応させ、MEK135部で希釈し、
ポリウレタン樹脂を得た。ポリウレタン樹脂の特性
値を表1に示す。尚、ポリエステルc仕込前のイソシア
ネート基末端プレポリマーが有するイソシアネート基
(NCO基)の量は、前記仕込量のMDIの全NCO基
量に対して31.7%であり、GPCの分析から未反応
のポリステルcは検出されなかった。
【0032】合成例 3 充分に乾燥させたポリエステルa50部をトルエン13
7部に溶解し、MDI15.5部を加えて100℃で3
時間反応させてイソシアネート基末端プレポリマーとし
た。そこへ乾燥させたポリエステルb50部を加えて、
さらに2時間反応させた後、TMP2部を加えてさらに
2時間反応させ、MEK137部で希釈し、ポリウレタ
ン樹脂を得た。ポリウレタン樹脂の特性値を表1に
示す。尚、ポリエステルb投入前のイソシアネート基末
端プレポリマーが有するイソシアネート基(NCO基)
の量は、前記仕込量のMDIの全NCO基量に対して6
5%であり、TMP投入前は8.4%であった。
【0033】合成例 4〜7 表1に示した原料組成で合成例1〜3の製造方法同様に
ポリウレタン樹脂〜を得た。各ポリウレタン樹脂
、の特性値を表1にポリウレタン樹脂、の特性
値を表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】比較合成例 1 合成例1で使用したポリエステル、NPG、MDIを一
括してトルエン133部に溶解して、90℃で5時間反
応させてMEK133部で希釈し、ポリウレタン樹脂
を得た。ポリウレタン樹脂の特性値を表2に示す。こ
の例ではポリウレタン樹脂の構造が特許請求の範囲外で
ある。
【0037】比較合成例 2 ポリエステルdのかわりにポリエステルgを用いる以外
は合成例2と同様にしてポリウレタン樹脂を得た。ポ
リウレタン樹脂の特性値を表2に示す。この例ではウ
レタン結合濃度が特許請求の範囲外である。
【0038】比較合成例 3 NPG1部を10部に変える以外は合成例1と同様にし
て、ポリウレタン樹脂10を得た。ポリウレタン樹脂1
0の特性値を表2に示す。この例ではウレタン結合濃度
が特許請求の範囲外である。
【0039】比較合成例 4 ポリエステルaのかわりにポリエステルb、ポリエステ
ルbのかわりにポリエステルaを用いる以外は合成例1
と同様にしてポリウレタン樹脂11を得た。ポリウレタ
ン樹脂11の特性値を表3に示す。この例ではポリウレ
タン樹脂の構造が特許請求の範囲外である。
【0040】
【表3】
【0041】表3に示した原料組成で合成例1〜3の製
造方法同様にポリウレタン樹脂12〜14を得た。各ポ
リウレタン樹脂の特性値を表3に示す。比較合成例
(ポリウレタン樹脂12)では低Tgポリオール成分
(a1 )と高Tgポリオール成分(a2 )の重量比が特
許請求の範囲外であり、比較合成例6、7(ポリウレタ
ン樹脂13、14)では低Tgポリオール成分(a1 )
と高Tgポリオール成分(a2 )のガラス転移温度が特
許請求の範囲外である。
【0042】実施例 1 表1に記載したポリウレタン樹脂を用いて、下記の配
合割合の組成物をボールミルにいれて24時間分散して
から、滑剤としてステアリン酸1部、ステアリンサン酸
ブチル1部、イソシアネート化合物のコロネートL(日
本ポリウレタン工業株製)6部を硬化剤として加え、更
に1時間分散をつづけて磁性塗料を得た。これを厚み1
2μのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥
後の厚みが4μになるように2,000ガウスの磁場を
印加しつつ塗布した。50℃で48時間エージング後、
1/2インチ幅にスリットし、磁気テープを得た。得ら
れた磁気テープの特性を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】なお磁気テープの磁性粉と結合剤の割合は
重量比で4対1、結合剤と硬化剤の割合は重量比で5対
1である。 ポリウレタン樹脂の30%溶液 100部 強磁性酸化鉄粉末(Co- γ- Fe2 3 系BET45m2 /g) 120部 酸化アルミナ粉末(平均粒径0.2μm) 5部 シクロヘキサノン 100部 MEK 50部 トルエン 50部
【0045】実施例2〜8 表1及び表2に示した結合剤〜を用いて実施例1と
同様にして磁気テープを得た。各々の磁気テープの特性
を表4に示す。
【0046】比較例1〜8 表2および表3に示した結合剤を用いて実施例1と同様
にして磁気テープを得た。各々の磁気テープの特性を表
5に示す。
【0047】
【表5】 なお、表中の略号は以下の通りである。
【0048】 原料組成 a:テレフタル酸/イソフタル酸/5ーナトリウムスルホイソフタル酸/ ネオペンチルグリコール/エチレングリコール =49/49/2/60/40(モル比)、 分子量=2,500、Tg=47℃ b:2官能ポリ−ε−カプロラクトン、分子量=2,000、Tg=−35℃ c:テレフタル酸/イソフタル酸/5−スルホナトリウムイソフタル酸/ ネオペンチルグリコール/ヘキサンジオール= 50/47/3/40/60(モル比)、 分子量=4000、Tg=25℃) d:トリメチロールプロパンのε−カプロラクトン付加物、 分子量=800、Tg=−39℃ e:アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ヘキサンジオール= 100/40/60(モル比)、 分子量=2,000、Tg=−29℃ f:テレフタル酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/ エチレングリコール=40/60/50/50(モル比)、 分子量=2,000、Tg=50℃ g:アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ヘキサンジオール =100/30/70(モル比)、 分子量=4,000、Tg=−40℃ h:テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール /ブタンジオール=25/25/50/40/60(モル比)、 分子量=2,000、Tg=−18℃ NPG:ネオペンチルグリコール HPN:ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート TMP:トリメチロールプロパン MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート TDI:1,4−トリレンジイソシアネート 塩ビ系共重合体:塩化ビニル・酢酸ビニル・グリシジルメタクリレート 共重合体(日本ゼオン株製 MR−110 30%溶液)
【0049】
【発明の効果】本発明の特定のポリウレタン樹脂を用い
た磁気記録媒体は、磁性層の平滑性、磁気特性が優れ、
かつ磁性層の耐摩耗性が優れたものとなり、結果として
分散性と耐久性の両方を兼ね備えた磁気記録媒体を供給
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−127616(JP,A) 特開 昭62−248127(JP,A) 特開 昭64−89020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/702 C09D 5/23 C09D 175/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性粉末を結合剤中に分散させ、かつ
    結合剤と反応する硬化剤を含有する磁性塗料を非磁性支
    持体上に塗布した磁気記録媒体において、前記結合剤の
    成分として、分子量が500〜10,000の高分子量
    ポリオール成分(A)、ジイソシアネート化合物
    (B)、および必要によりイソシアネートと反応する官
    能基を1分子中に2個以上有する分子量が500未満の
    低分子量化合物(C)からなる水酸基末端のポリウレタ
    ン樹脂を含み、該ポリウレタン樹脂は高分子量ポリオー
    ル成分(A)がガラス転移温度が−20℃以下のポリオ
    ール成分(a1 )とガラス転移温度が20℃以上のポリ
    オール成分(a2 )からなり、ポリオール成分(a1 )
    とポリオール成分(a2 )の重量比が10:90〜7
    0:30の範囲にあり、該ポリウレタン樹脂中のウレタ
    ン結合濃度が樹脂1トン当り500〜1,500当量の
    範囲にあり、該ポリウレタン樹脂の末端はポリオール成
    分(a1 )あるいは低分子量化合物(C)であり、該末
    端が低分子量化合物(C)の場合には、低分子量化合物
    (C)が前記ジイソシアネート化合物(B)を介して低
    Tgポリオール成分(a1 )と結合していることを特徴
    とする磁気記録媒体。
JP3357709A 1990-12-25 1991-12-25 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2882500B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3357709A JP2882500B2 (ja) 1990-12-25 1991-12-25 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41419690 1990-12-25
JP2-414196 1990-12-25
JP3357709A JP2882500B2 (ja) 1990-12-25 1991-12-25 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05266458A JPH05266458A (ja) 1993-10-15
JP2882500B2 true JP2882500B2 (ja) 1999-04-12

Family

ID=26580650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3357709A Expired - Fee Related JP2882500B2 (ja) 1990-12-25 1991-12-25 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2882500B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56127616A (en) * 1980-03-12 1981-10-06 Mitui Toatsu Chem Inc Preparation of thermoplastic polyurethane resin
JPH077497B2 (ja) * 1986-04-21 1995-01-30 花王株式会社 磁気記録媒体用結合剤
JPH0799573B2 (ja) * 1987-09-30 1995-10-25 富士写真フイルム株式会社 磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05266458A (ja) 1993-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE2833845A1 (de) Magnetisches aufzeichnungsmaterial
JPH0458834B2 (ja)
US5081213A (en) Heterocyclic thione functional polyurethane polymers and their use in magnetic recording media
US5415941A (en) Magnetic recording medium comprising magnetic particles and a specified polyurethane resin
JP2882500B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3085408B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0256729B2 (ja)
JP3424759B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3097115B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3997446B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3496353B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH048856B2 (ja)
JP3250631B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH10320749A (ja) 磁気記録媒体
JPS6234326A (ja) 磁気記録媒体
JP3049762B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2000322729A (ja) 磁気記録媒体
JP2001131258A (ja) 磁気記録媒体用熱可塑性ポリウレタン樹脂
JP3097100B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH05307733A (ja) 磁気記録媒体
JPH038013B2 (ja)
JPH07262548A (ja) 磁気記録媒体
JPH09138939A (ja) 磁気記録媒体
JPH09138938A (ja) 磁気記録媒体
JPH0363124B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080205

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100205

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100205

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110205

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees