JP2881850B2 - インクジェット染色用布帛の製造方法 - Google Patents

インクジェット染色用布帛の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はインクジェット染色に際し、布帛に良好な品
位の画像を付与するための、インクジェット用布帛の製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、布帛に図柄を形成する方法として、手捺染、ロ
ール捺染、スクリーン捺染、転写捺染などが利用されて
いるが、いずれもあらかじめ図柄を形成したスクリー
ン、彫刻ローラ及び転写紙を用意して行う方法である。
また、近年紙の印写分野では、インクジェットによる
印写方式が発達し、既に実用化されている。
インクジェット方式による図柄形成は、図柄読取機や
コンピュータと組合わせることにより、時間と費用をか
けることなく作製可能であるため、繊維分野において
も、注目を集め、そのまま布帛類に適用する試みがなさ
れている。
このインクジェット染色を布帛類に適用する場合、重
要なことは (1)布帛に繊細な画像を得るために滲み防止処理を行
う。
(2)少量のインク付与で高発色性が得られること。
(3)少量のインク付与で均染性が得られること。
(4)インク吐出が安定であること。
等である。
本明者らも、インクジェットの滲み防止に関し、すで
に下記の方法を提案している。
(A)布帛に特殊な前処理を用いる方法。
(B)特殊なインクを用いる方法。
(C)特殊な前処理と特殊なインクの両者を用いる方
法。
(A)については、インクの移動を防ぐための撥水処
理(特開昭60−99081号公報)布帛の保水性向上を目的
とした水溶性高分子の処理(特公昭63−31592号公報)
等がある。
(B)については、特定粘性挙動インクによる滲み防
止(特開昭62−101669号公報)。
(C)については、布帛とインクの両者から、インク
の移動を少なくしたもので、例えばゲル化法として(特
開昭60−81379号公報、特開昭61−231287号公報)等が
あげられる。
これらの中でインクに何らかの添加剤を必要とする場
合は、滲み防止の効果が大きくても、インクの吐出性能
を悪化させる場合が多い。すなわち添加剤はインク粘度
の増大、粘着性アップ、不溶成分の増大などから、イン
クの吐出性および信頼性の低下を招く。
一方、布帛の前処理のみではこれまで十分な滲み防止
効果と高発色性の両者が満足されていない。本発明者ら
の検討によれば、濃色を得ようとすればインク付与量を
増大するかまたは、インク中の染料濃度を増大するかの
どちらかである。インク付与量が増大すると滲みが大き
くなり、またインク中の染料濃度が増大すると吐出性能
が低下する。
従って、インクジェットの滲み防止、高染色性、均染
性およびインクの吐出性能において、各要因単独では満
足できても、全ての要因を満足するに至っていないのが
現状である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らはこれらの問題点、特にインクジェットの
滲み防止、高発色性、均染性を解決するため、種々鋭意
検討した結果、水溶性高分子を含む水溶液を布帛に付与
し、流動性を失わせる処理を行い、その状態を保ったま
まで乾燥させた布帛にインクジェットするということに
より、前記問題がなく全ての要因を満足させる事を見出
し、本発明に到った。
本発明の目的は、インクに特殊な薬剤を添加していな
い吐出安定性に優れたインクを使用するにもかかわら
ず、滲み防止された、高発色性でかつ、高品位の画像を
得るためのインクジェット染色用布帛の製造方法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は前記の目的を達成するため、次の構成を有す
る。
(1)インクジェット染色するに際し、水溶性高分子を
含む溶液を布帛に付与し、該溶液の流動性を失わせる処
理を行なって非流動化させ、次いで布帛中で非流動化状
態を保ったまま乾燥させることを特徴とするインクジェ
ット染色用布帛の製造方法。
(2)水溶性高分子を含む溶液が、熱ゲル化の性質を持
つ(1)に記載のインクジェット染色用布帛の製造方
法。
(3)水溶性高分子を含む溶液が、低温ゲル化の性質を
持つ(1)に記載のインクジェット染色用布帛の製造方
法。
(4)水溶性高分子を含む溶液が、メチルセルロースの
水溶液である(1)または(2)に記載のインクジェッ
ト染色用布帛の製造方法。
(5)水溶性高分子を含む溶液が、ゼラチンを含む水溶
液である(1)または(3)に記載のインクジェット染
色用布帛の製造方法。
(6)水溶性高分子を含む溶液が、寒天を含む水溶液で
ある(1)または(3)に記載のインクジェット染色用
布帛の製造方法。
(7)流動性を失わせる処理が、マイクロ波照射または
水蒸気加熱である(1),(2),(4)のいずれかに
記載のインクジェット染色用布帛の製造方法。
(8)流動性を失わせる処理が、冷却である(1),
(3),(5),(6)のいずれかに記載のインクジェ
ット染色用布帛の製造方法。
(9)流動性を失わせる処理が、水溶性高分子を含む溶
液の凍結である(1)に記載のインクジェット染色用布
帛の製造方法。
以下本発明を詳細に説明する。
通常、水溶性高分子の水溶液を付与した布帛をマング
ルで絞ると、絞られた瞬間は水溶性高分子が布帛の全
体、すなわち表面、内部および空隙に一定の割合でほぼ
均一に分布する。その後、通常の工程では布帛中の水溶
性高分子は乾燥工程で加熱され乾燥固化される。この場
合、布帛に付与された水溶液は、表面から水分が蒸発す
るにしたがって粘度が増加して体積が減り、表面張力に
より除々に繊維同志を引き寄せながら内部へ後退し、つ
いには繊維同志を接着するかたちで繊維束内部を充填す
る固形物となる。このような乾燥工程中の移動はマイグ
レーションとよばれているものである。この結果、乾燥
後は水溶性高分子が繊維束の表面および内部に多量に付
着されているが、編織物組織の空隙にはほとんど存在し
ない状態となる。このような布帛にインクジェットした
場合、水溶性高分子がインクを吸収するより速く、束に
固まった繊維表面をインクが拡散し糸間を走って広がる
ため多量の水溶性高分子を付与しても滲みが止まりにく
く、満足のいく品位が得られない。
本発明者らはこれらの問題点を解決するため、滲み防
止の点から水溶性高分子を好ましい付着状態とすべく種
々検討した結果、本発明に到達したのである。すなわち
水溶性高分子の好ましい付着状態とは、布帛の表面、内
部および空隙に均一に、表面積の大きい形状で存在し
て、インクをすばやく吸収し、増粘させる事である。
そのために本発明者らは水溶性高分子を含む溶液を布
帛上で非流動化させてから乾燥させると、単にそのまま
乾燥させるのに比べ、滲み防止効果が高くなる事を見出
した。
本発明によると水溶性高分子を含む溶液を、布帛に付
与し、ゲル化や凍結などの手段で繊維間で流動性を失わ
せると、前記のような繊維束内部への移動がなく、均一
な状態のままで乾燥することができる。この場合水溶性
高分子は繊維束内部に固められることなく、繊維間隙に
スポンジ構造に近い形で薄片状として多く存在し、表面
積が大きいためインクが付与されたとき溶けやすく滲み
が止まりやすい。
また布帛を構成する繊維は、乾燥後も水溶性高分子に
より束に接着されることがなく繊維間の空隙が多いため
インク滴を吸収保持しやすいと考えられる。
すなわち、従来法のように前処理剤を液体のまま加熱
等により乾燥させる処理と、本発明法のように前処理剤
の流動性を失わせてから乾燥させる処理を比較した場
合、両者は同量の水溶性高分子が付与されているにもか
かわらず、滲み防止性は本発明法が著しく良好となる。
本発明法で得られた布帛は、下記の特徴を有する。
(1)繊維同志が束状にかたまらず、繊維間の空隙が多
く存在するためインク滴を吸収保持しやすく均染性も向
上する。
(2)水溶性高分子の乾燥物が、繊維表面が被膜するだ
けでなく、繊維間の空隙および編織物組織の空隙に、ス
ポンジ構造をなして非常に表面積の大きい解けやすい形
で存在するため、インクを速く吸収して増粘することに
より滲み防止性が高くなると推定される。
またさらに本発明は、インクに滲み防止のための特定
の添加剤を加えないので、吐出性を悪化させる事がな
く、かつインクや素材の限定がなく非常に汎用的である
特徴を有する。
すなわち本発明は水主媒体のインク系であれば分散染
料のような水不溶性染料が分散されたインクおよび反応
性染料、酸性染料などのような水溶性染料インク全てに
適用可能であり、適応素材も限定されず、合成繊維(ポ
リエステル、ナイロン、アクリル等)、天然植物繊維
(木綿、麻等)、動物繊維(絹、羊毛等)などに利用で
き、合理的かつ汎用的な方法である。
布帛としては特に限定されず織物、編物、不織布など
があげられる。
本発明において、流動性を失わせる処理とは、液状の
前処理剤を、著しく増粘または固化させることをいい、
その手段は特に限定されないが、ゲル化や凍結などがあ
げられる。
ゲルとは、溶質が相互作用のために独立した運動性を
失った固化した状態をいい、ゲル化を引き起こす要因
は、温度変化、濃度やpHの変化、共存物質との反応な
ど、様々であるが、本発明においては、布帛に付与して
からゲル化される都合上、温度変化を利用するのが望ま
しい。
これには、単に温度変化だけでそれ自体がゲル化する
水溶性高分子を利用するほかに、加熱により初めて反応
を起こす物質を添加したり、薬剤を中に詰め温度変化で
破壊するマイクロカプセルを添加しておく方法もあげら
れる。
本発明でいうゲル化の性質を持つ溶液とゲル化条件
は、次のようなものがあげられる。
常温では水に易溶であるが、加熱によりゲル化する水
溶性高分子としては、メチルセルロースがある。
本発明でいうメチルセルロースとは、メチルセルロー
スの他にヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルメチルセルロースなどを含む。
このような物質の溶液を付与した布帛はマイクロ波照
射または水蒸気加熱した後、転移点温度以上を保ったま
ま乾燥させる。
留意しなければならないのは、特にこのように加熱に
よりゲル化を起こさせる場合に、溶液がゲル化するより
早く水分が蒸発して乾燥してしまうのを防ぐ必要がある
ことである。そのために、マイクロ波で瞬間的に内部か
ら昇温させたり、水蒸気で保湿しながら加熱すると良い
のである。
また、逆にゼラチン、寒天等は低温でゲル化する。こ
のような水溶液は熱溶液として付与し、冷却、低温乾燥
させればよい。
前処理液としては、ゲル化物質の他に、滲み防止性、
発色性向上のため、ゲル化を損なわない範囲で他の水溶
性高分子、酸、アルカリ、塩類、還元防止剤等の染色助
剤などを加えても良い。
また、流動性を失わせる手段として前処理液を凍結さ
せる場合は、水溶性高分子の性質は問わず利用できる。
溶媒は多くの場合溶解度や価格から水が適しており、凍
結とは、その溶媒が固体化する温度以下に冷却する事を
いう。
この場合もやはり、2種以上の水溶性高分子を併用し
ても良いし、酸、アルカリ、塩類、還元防止剤等の染色
助剤などを加えても良い。
水溶性高分子は、天然糊料、合成水溶性高分子に分類
できる。
天然糊料としては澱粉系、メチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等
のセルロース系、ローカストビーン、グアー、タマリン
ド等のガム系、その他、アルギン酸ソーダがある。
合成水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、
ポリビニルメチルエーテル等のビニル系、ポリ(メタ)
アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩、およびこれら
の水溶性共重合物、ポリアクリルアマイド等のアクリル
系、マレイン酸共重合物としてたとえばスチロール、酢
酸ビニルとの共重合物、その他ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンオキサイド等を挙げられる。
一般的には発色性や脱糊性の面より、使用染料により
水溶性高分子はほぼ決定される。たとえば反応性染料を
使用する場合、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸ソーダ、ポリ(メタ)アクリル酸塩が好ましく用いら
れる。
ゲル化物質を含めた水溶性高分子の付与量は布帛に対
して0.1〜10重量%であり、0.1重量%未満では滲み防止
性が小さく、10重量%を越えると処理液の粘度が上昇し
すぎ、付与方法が限定されたり、脱糊性や発色性が不良
となる。
好ましくは、0.5〜5重量%である。
前処理液を付与する方法はパッド法、スプレー法、コ
ーティング法およびプリント法等いずれの方法でも良い
が、滲み防止の点で、前処理剤は繊維構造内部まで含浸
させるのが好ましく、この点および処理の均一性の点
で、パッド法が最も優れている。
その後、布帛に前処理液が流動性を失う処理を行い、
乾燥させた後、インクジェット染色を行うのである。
本発明法でいうインクジェット染色とはインク等の液
体をノズルから吐出させ、吐出した液を液滴化して、制
御し利用するものであり、その方法としては(1)連続
吐出方式(偏向型、発散型)(2)オンデマンド型(圧
力パルス式、バブルジェット式、静電吐出式)に分類さ
れ、いずれの方法を用いても良い。
最適インク付与量は、布帛構造にもよるが通常布帛の
目付が60〜200/m2の場合、15〜60g/m2付与するのが良
い。インク付与量が少ない場合、白場が残り発色性が低
下し、インク付与量が多い場合、滲みが大きくなるた
め、布帛により最適の付与量を設定する必要がある。
本発明の方法により製造された布帛は、インクジェッ
ト染色し、次いで、スチーミング等の固着処理を行い、
最後に水溶性高分子や未固着染料を除去するためソーピ
ング処理および仕上げ処理を行ない製品化される。
スチーミング処理,ソーピング処理および仕上げ処理
は、通常公知の設備、方法でよい。
以下、本発明により本発明を更に詳細に説明する。
[実施例] 実施例1〜2 比較例1〜3 漂白、精練した絹織物(羽二重:目付 68g/m2)にメ
チルセルロース(メトローズ SM−15、信越科学社製)
5%をパディング付与し、引き続き下記の処理を行っ
た。(付与なし未処理は比較例1とする)。
実施例1 上記布帛を濡れたままの状態で1分間マイクロ波照射
し、非流動化した。処理後の布帛は水分が蒸発し、十分
な乾燥状態であった。
実施例2 上記布帛を濡れたままの状態で3分間100℃の蒸気加
熱し、非流動化した。さらに、保温して非流動化状態を
保持したまま、引き続き130℃のピンテンターで乾燥さ
せた。
比較例2 上記布帛を130℃のピンテンターで乾燥させた。
比較例3 上記布帛を濡れたままの状態で3分間100℃の蒸気加
熱し、非流動化した。次いで室温まで冷却して逆に流動
化した後、130℃のピンテンターで乾燥させた。
(1) インク組成 染料 30% エチレングリコール 20% イオン交換水 50% 染料としては a.レマゾール ターキスブルー G リキッド(Remazo
l Turquoise Blue G Liquid)(ヘキスト社製) b.シバクロン レッド 6B リキッド(Cibacron Red
6B Liquid)(チバ.ガイギー社製) いずれも1ミクロンのフィルターで濾過後、減圧下で脱
気を行い使用した。
(2) インクジェット条件 インクジェット方式:オンデマンド型 ノズル径 : 75ミクロン 印加電圧 : 60V 駆動周波数 : 4000Hz 解像度 : 8ドット/mm 得られたインクジェット用の前処理布および未処理布
(比較例1)にインクジェットプリントを行った。次
に、固着−ソーピングを行った。
(3) 固着−ソーピング 飽和水蒸気100℃で15分間スチーミング処理。次いで
水洗し、80℃で5分間ソーピング処理し、乾燥した。測
定結果を第1表に示した。
(4)測定 a.発色性 下記の式よりK/Sを求めた。
K/S=(1−R)2/2R K/Sは値が大きいものほど発色性が高い。(Rはブル
ーを測定し、670nmでの最大吸収波長の反射率を示す) b.滲みは隣り合った色へのインクの移動距離(mm)を測
定したものであり、数字が小さいほどインクの移動距離
が少なく、したがって、滲みが小さいことを示すのであ
る。
第1表に示した様に、比較例1は未処理であり滲みが
最も大きい。実施例1、2と比較例2、3は比較後の付
着量は実質的に同じであったが、ゲル化状態で乾燥させ
た、実施例の方が滲み防止性に優れているのが認められ
た。特に実施例2と比較例3では、熱処理条件は同じで
あるが、実施例2がゲル化状態のまま乾燥に移ったのに
対し、比較例2は乾燥前に室温まで冷却したため、熱可
逆性であるメチルセルロースのゲルが溶解して、滲み防
止効果が得られないのである。
実施例3〜4 比較例4〜5 漂白、精練した絹織物(サテン:目付 95g/m2)に、
60℃に保温した下記の前処理液を付与し下記条件で処理
した。
実施例3 ゼラチン 5% イオン交換水 95% 濡れたままの状態で、5℃の冷却室にいれ冷却して、
非流動化し、その温度を保ったまま送風乾燥した。
実施例4 アルギン酸ナトリウム 2% (君津化学工業社製) ゼラチン 3% イオン交換水 95% 実施例3と同じく冷却して非流動化した後、乾燥し
た。
比較例4 実施例3と同じ前処理液を付与したのち、130℃のピ
ンテンターで乾燥した。
比較例5 実施例4と同じ前処理液を付与した後、130℃のピン
テンターで乾燥した。
これらの前処理布帛は、実施例1〜2、比較例1〜3
と同様の条件でインクジェットプリント、発色、後処理
を行った。
滲みの測定結果を第2表に示した。
第2表に示されるとおりゼラチンも、ゲル化により滲
み防止効果を発揮し、また、アルギン酸ナトリウムのよ
うにゲル化の性質を持たない水溶性高分子を添加しても
良いことがわかる。
実施例5 比較例6〜7 漂白、精練した木綿織物(ツイル:目付 125g/m2
を下記条件で処理した。(未処理を比較例6とする。) 実施例5 アルギン酸ナトリムウ 2% 炭酸ナトリウム 3% イオン交換水 95% 濡れたままの状態で、−5℃の冷凍室にいれ凍結させ
て非流動化し、その温度を保ったまま減圧乾燥した。
比較例7 実施例5と同じ前処理液を付与し、130℃のピンテン
ターで乾燥した。
これらの前処理布帛は、実施例1〜2、比較例1〜3
と同様の条件でインクジェットプリント、発色、後処理
を行った。ただし、洗浄は、80℃で5分間行った。
結果を第3表に示した。
実施例5と比較例7は同量の前処理剤が付与されたに
もかかわらず、凍結乾燥した実施例5のほうが、滲み防
止性が高いことが判る。
(発明の効果) 本発明により得られたインクジェット染色用布帛は発
色性に優れ、かつインクの滲み防止性が良好であるた
め、濃色で繊細な画像が得られる。
また、本発明はインク成分に特別な添加剤を必要とし
ないため、吐出性能を損なうことなく、布帛の前処理の
みでにじみ防止が達成でき、しかも天然繊維、合成繊維
いずれにも用いる事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−59177(JP,A) 特開 昭61−55277(JP,A) 特開 昭64−5882(JP,A) 特開 昭61−231287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06P 5/00 111

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット染色するに際し、水溶性高
    分子を含む溶液を布帛に付与し、該溶液の流動性を失わ
    せる処理を行なって非流動化させ、次いで布帛中で非流
    動化状態を保ったまま乾燥させることを特徴とするイン
    クジェット染色用布帛の製造方法。
  2. 【請求項2】水溶性高分子を含む溶液が、熱ゲル化の性
    質を持つ請求項(1)に記載のインクジェット染色用布
    帛の製造方法。
  3. 【請求項3】水溶性高分子を含む溶液が、低温ゲル化の
    性質を持つ請求項(1)に記載のインクジェット染色用
    布帛の製造方法。
  4. 【請求項4】水溶性高分子を含む溶液が、メチルセルロ
    ースの水溶液である請求項(1)または(2)に記載の
    インクジェット染色用布帛の製造方法。
  5. 【請求項5】水溶性高分子を含む溶液が、ゼラチンを含
    む水溶液である請求項(1)または(3)に記載のイン
    クジェット染色用布帛の製造方法。
  6. 【請求項6】水溶性高分子を含む溶液が、寒天を含む水
    溶液である請求項(1)または(3)に記載のインクジ
    ェット染色用布帛の製造方法。
  7. 【請求項7】流動性を失わせる処理が、マイクロ波照射
    または水蒸気加熱である請求項(1),(2),(4)
    のいずれかに記載のインクジェット染色用布帛の製造方
    法。
  8. 【請求項8】流動性を失わせる処理が、冷却である請求
    項(1),(3),(5),(6)のいずれかに記載の
    インクジェット染色用布帛の製造方法。
  9. 【請求項9】流動性を失わせる処理が、水溶性高分子を
    含む溶液の凍結である請求項(1)に記載のインクジェ
    ット染色用布帛の製造方法。
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