JP2879934B2 - ステージ装置 - Google Patents

ステージ装置

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JP2879934B2
JP2879934B2 JP11461290A JP11461290A JP2879934B2 JP 2879934 B2 JP2879934 B2 JP 2879934B2 JP 11461290 A JP11461290 A JP 11461290A JP 11461290 A JP11461290 A JP 11461290A JP 2879934 B2 JP2879934 B2 JP 2879934B2
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良幸 冨田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はステージ装置に関し、特に2次元面内で対象
物を移動させるステージ装置に関する。
[従来の技術] 従来、対象物を2次元的に駆動する装置としては、ま
ず平面内の一方向であるX軸方向について駆動を行うサ
ーボモータとホールネジを備えたXステージを形成し、
その上にY軸方向の駆動を行うサーボモータとボールネ
ジを備えたYステージを重ねたXYステージ等が知られて
いる。
ボールネジはガタやバックラッシを完全に排除するこ
とはできない。また、サーボモータで発生した駆動力を
対象物に伝えるには、途中に動力伝達機構や案内機構を
介さねばならず、発生した駆動力を100%対象物に伝え
ることはできない。これは別の観点から見ると、何等か
の機構部材等に歪み、弾性変形等を生じさせていること
になる。
このような機構によっては、0.01μm程度以下の位置
決め精度を実現することは困難である。
[発明が解決しようとする課題] 以上説明したような、サーボモータとボールネジによ
るステージ装置によっては、たとえば0.01μm以下の超
精密XYステージを実現することは難しかった。
本発明の目的は、超精密精度を実現するのに適したス
テージ装置を提供することである。
本発明の他の目的は、構造が簡単で遊びがなく、位置
精度に優れたステージ装置を提供することである。
[課題を解決するための手段] ベース部材上に複数のストライプ状永久磁石をその極
性を交互に反転させながら配列する。ストライプ状永久
磁石と平行な軸の周りに巻回しされた複数の第1コイル
をステージに固定する。また、第1コイルと交差する方
向を軸とし、軸の周りに巻回しされた複数の第2コイル
をステージに固定する。ストライプ状永久磁石から発す
る磁力線は第1およぶ第2コイルの下辺において上辺よ
りも大きな密度を有するように配置する。
[作用] ストライプ状永久磁石を平行に配列するので、永久磁
石から発する磁力線は空間で弧を描いて隣接する永久磁
石に達する。コイルの一部がこの磁力線と交わると、電
流の流れる方向および磁力線の向きに対して垂直な方向
に力が発生する。コイルの残りの部分で発する力を十分
小さくしておくと、コイルには所定方向の力が作用する
ようにできる。第1のコイルと第2のコイルは巻回しの
方向が異なるので、平面内の二方向に沿った力を発生す
ることができる。このようにして2次元的に駆動できる
ステージ装置が実現される。
[実施例] 第1図は本発明の実施例によるステージ装置を示す斜
視図である。
透磁率の高い鉄等の材料で形成されたヨーク1は案内
面4の上に滑り案内、転がり案内等の案内機構を用いて
支持される。ヨーク1の上には細長いストライプ状の永
久磁石2が複数本平行に配置されている。図中、永久磁
石2は上面、下面に磁極を有し、隣接する永久磁石は交
互に磁極を反転している。すなわち、永久磁石の上面の
磁極を見ると、N極、S極、N極、S極…と交互に配置
されている。ヨーク1はマグネット部駆動用モータ3に
より、永久磁石の長さ方向と直交する方向に駆動できる
ようにされている。ヨーク1は案内面4上をY方向に移
動するための案内機構を持つ。この案内は、すべり案
内、ころがり案内等種々の方式で実現できる。案内面4
の上には、メインステージ7がエアパッド8を介して支
持される。メインステージ7の下面には、複数のX用コ
イル5がヨーク1上の永久磁石2とピッチを揃えて配列
されている。また、メインステージ7の下面にはX用コ
イルと直交する向きにY用コイル6が複数個配列されて
いる。このY用コイル6も永久磁石2とピッチを揃えて
配列されている。
X用コイルおよびY用コイルの駆動原理を、第2図
(A)、(B)を参照して説明する。簡単のためそれぞ
れコイルの1ターンを取り出して例示する。
第2図(A)は、X用コイルの1ターンを示す。永久
磁石2は上面にN極、下面にS極を有し、N極から発す
る磁力線は上方に向かい、やがて隣接する逆極性の永久
磁石に終端する。図に示すように、X用コイルが永久磁
石2の直上に配置されているとする。コイル5には矢印
で示すような電流が流れるとする。すると、コイル5の
下辺にはローレンツ力により、矢印で示すような力Fが
働く。コイル5の垂直辺は磁力線と平行な間は力が作用
しない。磁力線が曲ると左右で逆向きの力が発生する
が、複数のX用コイル5を用いることによりこれらの力
は相殺する。コイル5の上辺には下辺と逆向きの力が働
くがその絶対値は小さい。すなわち、X用コイルにはス
トライプ状永久磁石の長さ方向であるX方向に力が作用
する。
第2図(B)は、Y用コイルの1ターンを示す。Y用
コイルはX用コイルと直交する平面内にコイルが巻回し
されている。永久磁石2からは前記同様の磁力線が発生
している。Y用コイル6に矢印で示すような電流を流す
と、ローレンツ力は紙面垂直方向に発生する。図示の場
合、コイル6には紙面裏側から表側に向かう力Fが働
く。
第3図は、第2図(A)、(B)に示したようなX用
コイルとY用コイルを合わせて有する2次元ステージの
駆動を説明する概略断面図である。図において、ヨーク
1上には細長いストライプ状の永久磁石2a、2b…2fが紙
面と垂直方向に平行に配列されている。なお、表面上に
露出する磁極は、交互にN、Sを繰り返すように配列さ
れている。従って、N極から発する磁力線は隣接するS
極に終端する。図中、永久磁石2a、2b、2e、2fの上には
X用コイル5a、5b、5c、5dが配置されている。また、中
央部の永久磁石2c、2dの上にはX用コイル6a、6bが配置
されている。X用コイル5a、5cには、図の矢印で示すよ
うな、左回りの電流を与え、X用コイル5b、5dには矢印
で示すような右回りの電流を与える。永久磁石2a上の磁
力線は上向きであり、永久磁石2b上の磁力線は下向きで
あるので、電流方向を逆転させた時に働く力は同一方向
となる。図示の場合、紙面裏面から表面に向かう力が発
生する。同様に、X用コイル5c、5dにも紙面裏面から表
面に向かう力が働く。
なお、Y方向に駆動する時には、Y用コイル6a、6bに
図示の矢印のように、逆向きの電流を流すことにより共
にY方向に向かう力が発生する。
なお、それぞれの電流方向を反転させれば、反対向き
の力が生じることは当業者に自明であろう。
第4図は、ステージの移動モードを説明する平面図で
ある。第4図(A)においては、各Y用コイルに+Y方
向の力が発生する向きの電流を与えている。各Y用コイ
ルが+Y方向の力を発生するので、ステージ全体がY方
向に並進する。
第4図(B)においては、各X用コイルに−X方向の
力が発生する向きの電流を供給している。従って、各X
用コイルには−X方向の力が発生する。このためステー
ジ全体が−X方向に並進する。
第4図(C)においては、右側の2つのX用コイルに
は+X方向の力が発生する向きの電流を与え、左側の2
つのX用コイルには−X方向の力が発生する向きの電流
を与えている。従って、ステージ全体としては、右側で
下向き、左側で上向きの力が働き、XY面内の回転運動を
行う。
このように、各コイルを所望の向きに励磁することに
より、XY平面内での並進と回転を任意に行うことができ
る。
第5図は、第1図に示したエアパッドの部分拡大図を
示す。エアパッド8は中央に空気等の気体を噴出するた
めのダクトを有し、周辺部に磁気的吸引力を働かせるた
めのリング状磁石9を有している。なお、案内面4は鉄
等の磁性体で形成する。エアパッドから一定圧力の空気
が噴出している場合、エアパッド8の案内面4に対する
間隙が狭まれば、空気の押す力が強くなり、バッドは押
し上げられる。間隙が広くなると、空気の流れに対する
抵抗が減り、磁石による吸引力が勝ってパッドは引き付
けられる。すなわち、エアパッドは第1図に示すステー
ジ7を案内面4に対して吸引させ、その距離を一定に保
つ。ステージ7はその面内運動に関してはほとんど抵抗
を持たない。X用コイル5及びY用コイル6が磁場内で
力を発揮し、案内面に沿って平行に駆動力を発揮する
と、ステージ7はその面方向に沿って駆動力に従う運動
を行う。この際、エアパッドはほとんど摩擦力を示さな
いので、ステージ7が摩擦力によって歪むということは
防止される。
第6図は、SOR露光用垂直型ステージを示す。ベース2
0内にSOR光15が進行するダクト21が形成されており、窓
23を通ってSOR光が供給される。ベース20と対向するよ
うに他のベース25が形成されており、この上に案内面を
有するヨーク24が配置されている。ヨーク24上には紙面
と垂直方向にストライプ上の磁石2が複数本配列されて
いる。この永久磁石2と対向するように、X用コイル5
およびY用コイル6が配置されたステージ7がエアパッ
ド8によって保持されている。エアパッド8はベース20
に磁力によって吸い付けられている。ステージ7の左面
にはウエハチャック11が取り付けられており、半導体ウ
エハ12を保持する。ステージ7はエアパッド8によって
支持されつつ、X用コイル5およびY用コイル6によっ
て駆動されて所望の位置に移動する。なお、図示してい
ないが、ヨーク24はベース25に対して図中垂直方向に微
動する機構を備えている。
以上説明した実施例においては、X方向には任意の駆
動を行うことができるが、Y方向の駆動に関しては、Y
用コイル6が永久磁石2の上からずれるに従って駆動力
が弱まる。すなわち、Y方向の駆動はリップル的な振動
を伴う。
第7図は、Y方向の力のリップルを低減することので
きる他の実施例を示す。
第7図(A)は平面図を示す。細長い永久磁石2が複
数本平行に配置されている。その上に左側に2つのX用
コイル5a、5b、右側に2つのX用コイル5c、5dが配置さ
れ、中央部に3つの永久磁石2c、2d、2eが露出されてい
る。中央部の3つの永久磁石に対して、Y用コイル6a、
6bは永久磁石2d、2eと対向するように配置され、他の2
つのY用コイル6c、6dは永久磁石の中間に配置されてい
る。すなわち、第7図(B)に示すように、永久磁石2
d、2eの上にY用コイル6a、6bが配置されると、他のY
用コイル6c、6dは、第7図(C)に示すように、永久磁
石2cと2dの間および永久磁石2dと2eの間に配置される。
ところが、ステージ全体がY方向に移動すると、Y用コ
イル6a、6bは次第に永久磁石の上から離れ、永久磁石と
永久磁石の中間の位置に移動される。この時、他のY用
コイル6c、6dは永久磁石と永久磁石の中間領域からそれ
ぞれ永久磁石の上へと移動する。このようにして、コイ
ル6a、6bが力を失う時には、他のコイル6c、6dが力を発
揮するようになりリップルが低減される。
第7図に示すような、Y用コイルを有するステージ
を、第1図に示すステージ装置に組み込むことにより、
リップル成分の低減したステージ装置を得ることができ
る。同様に、第6図に示したような、SOR露光用垂直型
ステージに、第7図に示すような、Y用コイルを用いる
ことができる。
なお、限られた実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者
に自明であろう。
たとえば、永久磁石やコイルの数は任意に変化させる
ことができる。また、メインステージの保持はエアパッ
ド以外の形態を用いることもできる。
駆動用のコイルは、コアレスタイプのみでなく、有芯
タイプでもよい。コイルの巻線形状も図示の物に限らな
い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ステージに直
接X方向、Y方向の力を与えてステージを駆動すること
ができる。
動力伝達系を排除したことにより、高い運動精度を実
現できる。
ステージに対して直接、X、Y、θzのトルクを与え
ることができ、位置と姿勢の制御が可能である。
構成が簡単なため、小型かつ軽量のステージ装置を提
供することができる。
軽量であるため高速化に有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるステージ装置の斜視図、 第2図(A)、(B)は第1図に示したステージ装置の
X用コイルおよびY用コイル駆動原理を説明するための
概念図、 第3図はX用コイル、Y用コイルを備えた2次元ステー
ジの駆動を説明するための概念図、 第4図(A)、(B)、(C)はXYステージの移動モー
ドを説明するための平面図、 第5図はエアパッドの機能を説明するための概略断面
図、 第6図はSOR露光用垂直型ステージを説明するための断
面図、 第7図(A)、(B)、(C)は、本発明の他の実施例
を説明するための平面図および一部断面図である。 図において、 1……ヨーク 2……永久磁石 3……駆動用モータ 4……案内面 5……X用コイル 6……Y用コイル 7……メインステージ 8……エアパッド 9……永久磁石リング 11……ウエハチャック 12……ウエハ 15……SOR光 20、25……ベース 21……SOR光ダクト 23……窓 24……ヨーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−54108(JP,A) 特開 平3−178746(JP,A) 特開 平3−178747(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 41/02 H02K 41/03

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物理的支持を与える第1の表面を有し、ヨ
    ークを兼ねるベース部材と、 前記ベース部材の第1の表面上に平行に第1の方向に延
    在し、互いに隣接して配置された複数のストライプ状永
    久磁石であって、各々のストライプ状永久磁石は前記ベ
    ース部材の第1の表面の法線方向に沿って磁極を有し、
    隣接するストライプ状永久磁石の磁極は反転しているス
    トライプ状永久磁石と、 前記ベース部材の第1の表面と向かい合う第2の表面を
    有するステージと、 前記ステージの第2の表面上に固定され、前記ストライ
    プ状永久磁石の第1の方向と平行な軸の周りに巻回され
    た複数の第1コイルであって、前記ストライプ状永久磁
    石に近いコイル辺に働く力の絶対値と遠いコイル辺に働
    く力の絶対値が十分異なる複数の第1コイルと、 前記ステージの第2の表面上に固定され、第2の表面内
    で前記第1の方向と交差する第2の方向に沿った軸の周
    りに巻回された複数の第2コイルであって、前記ストラ
    イプ状永久磁石に近いコイル辺に働く力の絶対値と遠い
    コイル辺に働く力の絶対値が十分異なる複数の第2コイ
    ルと を有するステージ装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、さらに前記第2の方向
    に前記ベース部材を駆動する手段を有するステージ装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1ないし2において、前記第2コイ
    ルがその軸方向位置をずらして配置された第1群と第2
    群を含むステージ装置。
  4. 【請求項4】前記ステージが空気圧を利用したエアパッ
    ドによって浮上させられている請求項1〜3のいずれか
    に記載のステージ装置。
  5. 【請求項5】前記ベース部材の第1の表面が垂直面であ
    り、前記エアパッドが磁石を含んで磁気力によって吸引
    され、空気圧によって浮上させられている請求項4記載
    のステージ装置。
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