JP2878391B2 - 空気調和機の風向変更ルーバ - Google Patents
空気調和機の風向変更ルーバInfo
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- JP2878391B2 JP2878391B2 JP2130330A JP13033090A JP2878391B2 JP 2878391 B2 JP2878391 B2 JP 2878391B2 JP 2130330 A JP2130330 A JP 2130330A JP 13033090 A JP13033090 A JP 13033090A JP 2878391 B2 JP2878391 B2 JP 2878391B2
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- Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
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Description
この発明は、冷房する空気調和機の空気吹出し口部の
風向変更ルーバに関する。
風向変更ルーバに関する。
空気調和機の空気吹出し口部は、低温空気を吹出させ
て冷房している時、風向変更ルーバも冷却されているた
め、そこに吹出し口部での空気の巻込みによる周囲の暖
かい湿った空気が触れると結露し、その露が付着し、つ
いにはこれが表面張力により水滴となって落下するとい
う問題がある。この問題を解決するため、例えば実公昭
59−14667号、或いは実開昭61−130824号等の公報に開
示されているような空気吹出し口部の表面に繊維を植毛
して結露水を保有し落下を防止することが提案されてい
る。
て冷房している時、風向変更ルーバも冷却されているた
め、そこに吹出し口部での空気の巻込みによる周囲の暖
かい湿った空気が触れると結露し、その露が付着し、つ
いにはこれが表面張力により水滴となって落下するとい
う問題がある。この問題を解決するため、例えば実公昭
59−14667号、或いは実開昭61−130824号等の公報に開
示されているような空気吹出し口部の表面に繊維を植毛
して結露水を保有し落下を防止することが提案されてい
る。
しかしながら、これらの繊維植毛法は、植毛部材にナ
イロン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の非常
に高価な短繊維を使用しなければならないこと、及び植
毛する場合、接着剤をスプレーや刷毛塗りで塗布した
り、熱可塑性樹脂をコーティングした後、その硬化前に
植毛部材を接着する必要があり、行程が繁雑で、特殊高
度な施行技術を必要とし、且つ植毛したルーバに埃が付
着しやすい等の問題点を有していた。
イロン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の非常
に高価な短繊維を使用しなければならないこと、及び植
毛する場合、接着剤をスプレーや刷毛塗りで塗布した
り、熱可塑性樹脂をコーティングした後、その硬化前に
植毛部材を接着する必要があり、行程が繁雑で、特殊高
度な施行技術を必要とし、且つ植毛したルーバに埃が付
着しやすい等の問題点を有していた。
【問題点を解決するための手段】 本発明者らはかかる現状に鑑み、安価で容易にできる
結露防止の被覆方法を鋭意研究した結果、親水性樹脂を
用いて多孔質の焼結状被膜で被覆することによって目的
を達成できることを見出し、本発明を完成した。 即ちこの発明は、ルーバの表面を空孔率が8〜80%で
水滴吸収時間が300秒以下である親水性樹脂の多孔質焼
結状被膜で全面または一部を被覆したことを特徴とする
空気調和機の空気吹出し口部の風向変更ルーバを提供す
るものである。 この発明において、風向変更ルーバとは、空気調和機
本体の吹出し口部あるいは、ダクトを通じて取付けた低
温空気の吹出し口部に位置し、風向きを調整する上下風
向変更羽根のことをいう。 この発明で用いられる親水性樹脂の多孔質焼結状被膜
とは、連続空孔で表面が水に親和性のある構造を持ち、
多孔質の空孔の中に水を吸収し、また発散させる性能を
有する親水性樹脂被膜のことをいう。 用いられる親水性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリメ
タクリル酸メチル、アクリロニトリル系樹脂であり、吸
水性能の低い樹脂は、別途、親水化処理を行って用い
る。好ましくは、例えば特公昭63−7211号公報に示され
るアクリロニトリル系樹脂やポリオレフィンである。こ
のうちポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、オレフィンと極性ビニルモノマーとの共重合
体、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸またはこれの無
水物でグラフト変性処理したもの等、及びこれらを2種
以上組合わせたものの粉末状態のものを用い、これを親
水化して用いる。粉末状態にする原料としては、上記各
種ポリオレフィンの重合体やペレットの粉砕品が使用さ
れる。粉末の粒径は、多孔質焼結状被膜の空孔径を決め
る因子となるので重要であり、平均粒径が10〜1000μ、
好ましくは50〜700μ、特に好ましくは70〜350μの範囲
がよい。粒径が大きい場合は、多孔質焼結状被膜の空孔
径が大きくなり、平滑性に劣り外観が悪くなり、粒径が
小さい場合は、作業環境が悪くなり好ましくない。 親水化する方法としては、特開昭57−167330号公報に
記載されているポリオレフィン粉末をスルフォン化する
方法、特開平1−65142号公報、特開平1−242639号公
報に記載のポリオレフィン粉末にHLB価が1.5〜12である
多価アルコール・脂肪酸エステルまたはポリエーテルポ
リオールを配合する方法などが採用される。 親水性は、多孔質焼結状被膜表面に水滴を滴下した時
の吸収時間で表され、時間が短いほど親水性の性能が高
いことを示す。多孔質焼結状被膜表面に約0.3ccの水滴
を滴下し焼結状被膜表面内に吸収されるまでの時間(以
下、水滴吸収時間と称する)が300秒以下であることが
望ましい。好ましくは、240秒以下、更に好ましくは180
秒以下である。 この発明で親水性樹脂の多孔質焼結状被膜でルーバの
全面または一部を被覆する方法は、親水性樹脂粉末を用
い、公知の粉体塗装加工技術である流動浸漬法、静電
法、溶射法等により行うことができる。特に流動浸漬塗
装法は、複雑な形状にも容易に塗装が可能であり好まし
い被覆方法である。尚、親水性樹脂の多孔質焼結状被膜
でルーバの全面または一部を被覆したとき、被膜が該風
向変更ルーバに密着していることが肝要であり、そのた
め予め風向変更ルーバに熱可塑性樹脂をコーティング
し、その上に親水性樹脂の多孔質焼結状被膜で全面また
は一部被覆(いわゆる、2層コーティング)してもよ
い。 このような流動浸漬塗装法は、例えば金属製の風向変
更ルーバを予め親水性樹脂の融点より20℃以上、好まし
くは140〜400℃、更に好ましくは200〜350℃に加熱し
(前加熱)、これを流動槽中で流動している親水性樹脂
の粉末中に浸漬して粉末を付着させ、多孔質な焼結状被
膜を生成することができる。 この場合、金属製の風向変更ルーバの熱容量が十分で
あればこのまま冷却してもよいし、粉末が十分な多孔質
の焼結状被膜に至らない場合は、更に100〜350℃、好ま
しくは150〜300℃の雰囲気温度で後加熱を行うのがよ
い。 多孔質焼結状被膜の空孔径は、1〜500μ、好ましく
は5〜300μの範囲が推奨される。また、空孔率は8〜8
0%、好ましくは20〜70%で、多孔質焼結状被膜の厚み
は0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmの範囲で使用される。
結露防止の被覆方法を鋭意研究した結果、親水性樹脂を
用いて多孔質の焼結状被膜で被覆することによって目的
を達成できることを見出し、本発明を完成した。 即ちこの発明は、ルーバの表面を空孔率が8〜80%で
水滴吸収時間が300秒以下である親水性樹脂の多孔質焼
結状被膜で全面または一部を被覆したことを特徴とする
空気調和機の空気吹出し口部の風向変更ルーバを提供す
るものである。 この発明において、風向変更ルーバとは、空気調和機
本体の吹出し口部あるいは、ダクトを通じて取付けた低
温空気の吹出し口部に位置し、風向きを調整する上下風
向変更羽根のことをいう。 この発明で用いられる親水性樹脂の多孔質焼結状被膜
とは、連続空孔で表面が水に親和性のある構造を持ち、
多孔質の空孔の中に水を吸収し、また発散させる性能を
有する親水性樹脂被膜のことをいう。 用いられる親水性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリメ
タクリル酸メチル、アクリロニトリル系樹脂であり、吸
水性能の低い樹脂は、別途、親水化処理を行って用い
る。好ましくは、例えば特公昭63−7211号公報に示され
るアクリロニトリル系樹脂やポリオレフィンである。こ
のうちポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、オレフィンと極性ビニルモノマーとの共重合
体、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸またはこれの無
水物でグラフト変性処理したもの等、及びこれらを2種
以上組合わせたものの粉末状態のものを用い、これを親
水化して用いる。粉末状態にする原料としては、上記各
種ポリオレフィンの重合体やペレットの粉砕品が使用さ
れる。粉末の粒径は、多孔質焼結状被膜の空孔径を決め
る因子となるので重要であり、平均粒径が10〜1000μ、
好ましくは50〜700μ、特に好ましくは70〜350μの範囲
がよい。粒径が大きい場合は、多孔質焼結状被膜の空孔
径が大きくなり、平滑性に劣り外観が悪くなり、粒径が
小さい場合は、作業環境が悪くなり好ましくない。 親水化する方法としては、特開昭57−167330号公報に
記載されているポリオレフィン粉末をスルフォン化する
方法、特開平1−65142号公報、特開平1−242639号公
報に記載のポリオレフィン粉末にHLB価が1.5〜12である
多価アルコール・脂肪酸エステルまたはポリエーテルポ
リオールを配合する方法などが採用される。 親水性は、多孔質焼結状被膜表面に水滴を滴下した時
の吸収時間で表され、時間が短いほど親水性の性能が高
いことを示す。多孔質焼結状被膜表面に約0.3ccの水滴
を滴下し焼結状被膜表面内に吸収されるまでの時間(以
下、水滴吸収時間と称する)が300秒以下であることが
望ましい。好ましくは、240秒以下、更に好ましくは180
秒以下である。 この発明で親水性樹脂の多孔質焼結状被膜でルーバの
全面または一部を被覆する方法は、親水性樹脂粉末を用
い、公知の粉体塗装加工技術である流動浸漬法、静電
法、溶射法等により行うことができる。特に流動浸漬塗
装法は、複雑な形状にも容易に塗装が可能であり好まし
い被覆方法である。尚、親水性樹脂の多孔質焼結状被膜
でルーバの全面または一部を被覆したとき、被膜が該風
向変更ルーバに密着していることが肝要であり、そのた
め予め風向変更ルーバに熱可塑性樹脂をコーティング
し、その上に親水性樹脂の多孔質焼結状被膜で全面また
は一部被覆(いわゆる、2層コーティング)してもよ
い。 このような流動浸漬塗装法は、例えば金属製の風向変
更ルーバを予め親水性樹脂の融点より20℃以上、好まし
くは140〜400℃、更に好ましくは200〜350℃に加熱し
(前加熱)、これを流動槽中で流動している親水性樹脂
の粉末中に浸漬して粉末を付着させ、多孔質な焼結状被
膜を生成することができる。 この場合、金属製の風向変更ルーバの熱容量が十分で
あればこのまま冷却してもよいし、粉末が十分な多孔質
の焼結状被膜に至らない場合は、更に100〜350℃、好ま
しくは150〜300℃の雰囲気温度で後加熱を行うのがよ
い。 多孔質焼結状被膜の空孔径は、1〜500μ、好ましく
は5〜300μの範囲が推奨される。また、空孔率は8〜8
0%、好ましくは20〜70%で、多孔質焼結状被膜の厚み
は0.1〜5mm、好ましくは0.2〜3mmの範囲で使用される。
以下、本発明を実施例でもって具体的に説明する。 尚、本発明で言う空孔率、熱伝導率、保水量は下記の
方法によって求められる。 空孔率(%)=(ρ0−ρ1)×102×1/ρ0 上記式に於いて ρ0=親水性樹脂の密度 ρ1=多孔質焼結状被膜の見掛け密度 熱伝導率(W/mk)は、京都電子工業(製)迅速熱伝導
率計QTM−D3型により測定。 保水量は、多孔質焼結状被膜を水中に浸漬し、取出し
た後1分間放置し余分な水を滴下して、水中に浸漬する
前後の重量を測定して求める。 保水量(g)= =(浸漬した後の重量)−(浸漬する前の重量) 実施例 1 低密度ポリエチレンのペレットを機械粉砕し、平均粒
径250μの粉末100重量部にヘキサグリセロールモノステ
アレート0.35重量部を高速ミキサーにて85℃に加温しつ
つ混合、親水化し、親水性ポリエチレン粉末を得た。こ
の粉末を流動槽中で流動させ、この中に310℃に加熱し
た厚さ1.6mm、大きさ50×1315mmのアルミニウム製風向
変更ルーバ(第1図に示すもの)を10秒間浸漬した後、
自然冷却し、全面を多孔質焼結状被膜で被覆した。被覆
した多孔質焼結状被膜は、厚さ0.8mm、水滴吸収時間3
秒、空孔率50%、熱伝導率0.89W/mk、保水量45gであっ
た。 この全面を多孔質焼結状被膜で被覆した風向変更ルー
バを、23℃で湿度80%の雰囲気に設置し、風向変更ルー
バの片面に5℃の冷却パイプを当て反対面の結露開始時
間、結露水の滴下を評価した結果、結露開示時間が30分
で結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の中に吸収され水滴
の落下が認められなかった。 実施例 2 実施例1で用いたものと同一のアルミニウム製風向変
更ルーバに、予めポリエチレンの発泡塗装を流動浸漬塗
装法で実施し、ポリエチレンがまだ溶融状態のときに、
実施例1で用いた親水性ポリエチレン粉末の流動する流
動槽中に15秒間浸漬し、次いで180℃の加熱炉に3分間
入れた後、自然冷却し、2層コーティングで外面全面を
多孔質焼結状被膜で被覆した。発泡塗装被膜は、厚さ0.
8mmで、被覆した多孔質焼結状被膜は、厚さ0.4mm、水滴
吸収時間3秒、空孔率50%、熱伝導率0.31W/mk、保水量
25gであった。 この風向変更ルーバを23℃で湿度80%の雰囲気に設置
し、風向変更ルーバの片面に5℃の冷却パイプを当て反
対面の結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、結
露開始時間が45分で結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の
中に吸収され水滴の落下が認められなかった。発泡塗装
被膜の上に多孔質焼結状被膜で被覆することにより被膜
の密着性が良く、熱伝導性が大幅に低下し結露しにくく
なっていることが確認された。 実施例 3 実施例2に於いて、2層コーティングで外面全面をコ
ーティングする代わりに、風向変更ルーバの一部(第4
図)を多孔質焼結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼
結状被膜は、厚さ0.4mmで、水滴吸収時間3秒、保水量1
0gのものであった。この風向変更ルーバを、実施例2と
同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、発
泡塗装被膜上の結露開始時間が30分で、約1時間経過す
ると結露水が流れ結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の中
に吸収され水滴の落下が防止され、水滴の落下が認めら
れなかった。 実施例 4 実施例1の親水性ポリエチレン粉末の代わりに、ポリ
プロピレンを粉砕し、平均粒径500μの粉末100重量部に
ソルビタンモノラウレート3重量部を高速ミキサーにて
90℃に加温しつつ混合、親水化して得た親水性ポリプロ
ピレン粉末を用い実施例1と同一条件で全面を多孔質焼
結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼結状被膜は、厚
さ0.6mm、水滴吸収時間2秒、空孔率40%、熱伝導率0.1
2W/mk、保水量38gであった。この風向変更ルーバを実施
例1と同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結
果、結露開始時間が25分で結露水は多孔質焼結状被膜の
空孔の中に吸収され水滴の落下が認められなかった。 比較例 1 実施例1の親水性ポリエチレン粉末の代わりに、流動
浸漬塗装用粉末ポリエチレンを用いた以外、実施例1と
同一条件で加熱し、アルミニウム製風向変更ルーバを10
秒間浸漬した後、次いで180℃の加熱炉に3分間入れ、
自然冷却し、全面を平滑な被膜で被覆した。被膜は厚み
が0.8mmで、空孔率0%、熱伝導率3.5W/mkであった。 実施例1と同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価
した結果、結露開始時間が3分で、結露水は被膜に吸収
されず、30分後には水滴となって落下が認められた。 比較例 2 実施例1で使用する低密度ポリエチレン粉末を、親水
化せずに使用し、実施例1と同一条件で全面を多孔質焼
結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼結状被膜は、厚
さ0.8mm、空孔率50%、熱伝導率0.89W/mk、水滴吸収時
間は300秒以上で保水量も0gであった。実施例1と同様
に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、結露開
始時間が15分で、結露水は被膜に吸収されず、60分後に
は水滴となって落下が認められた。
方法によって求められる。 空孔率(%)=(ρ0−ρ1)×102×1/ρ0 上記式に於いて ρ0=親水性樹脂の密度 ρ1=多孔質焼結状被膜の見掛け密度 熱伝導率(W/mk)は、京都電子工業(製)迅速熱伝導
率計QTM−D3型により測定。 保水量は、多孔質焼結状被膜を水中に浸漬し、取出し
た後1分間放置し余分な水を滴下して、水中に浸漬する
前後の重量を測定して求める。 保水量(g)= =(浸漬した後の重量)−(浸漬する前の重量) 実施例 1 低密度ポリエチレンのペレットを機械粉砕し、平均粒
径250μの粉末100重量部にヘキサグリセロールモノステ
アレート0.35重量部を高速ミキサーにて85℃に加温しつ
つ混合、親水化し、親水性ポリエチレン粉末を得た。こ
の粉末を流動槽中で流動させ、この中に310℃に加熱し
た厚さ1.6mm、大きさ50×1315mmのアルミニウム製風向
変更ルーバ(第1図に示すもの)を10秒間浸漬した後、
自然冷却し、全面を多孔質焼結状被膜で被覆した。被覆
した多孔質焼結状被膜は、厚さ0.8mm、水滴吸収時間3
秒、空孔率50%、熱伝導率0.89W/mk、保水量45gであっ
た。 この全面を多孔質焼結状被膜で被覆した風向変更ルー
バを、23℃で湿度80%の雰囲気に設置し、風向変更ルー
バの片面に5℃の冷却パイプを当て反対面の結露開始時
間、結露水の滴下を評価した結果、結露開示時間が30分
で結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の中に吸収され水滴
の落下が認められなかった。 実施例 2 実施例1で用いたものと同一のアルミニウム製風向変
更ルーバに、予めポリエチレンの発泡塗装を流動浸漬塗
装法で実施し、ポリエチレンがまだ溶融状態のときに、
実施例1で用いた親水性ポリエチレン粉末の流動する流
動槽中に15秒間浸漬し、次いで180℃の加熱炉に3分間
入れた後、自然冷却し、2層コーティングで外面全面を
多孔質焼結状被膜で被覆した。発泡塗装被膜は、厚さ0.
8mmで、被覆した多孔質焼結状被膜は、厚さ0.4mm、水滴
吸収時間3秒、空孔率50%、熱伝導率0.31W/mk、保水量
25gであった。 この風向変更ルーバを23℃で湿度80%の雰囲気に設置
し、風向変更ルーバの片面に5℃の冷却パイプを当て反
対面の結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、結
露開始時間が45分で結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の
中に吸収され水滴の落下が認められなかった。発泡塗装
被膜の上に多孔質焼結状被膜で被覆することにより被膜
の密着性が良く、熱伝導性が大幅に低下し結露しにくく
なっていることが確認された。 実施例 3 実施例2に於いて、2層コーティングで外面全面をコ
ーティングする代わりに、風向変更ルーバの一部(第4
図)を多孔質焼結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼
結状被膜は、厚さ0.4mmで、水滴吸収時間3秒、保水量1
0gのものであった。この風向変更ルーバを、実施例2と
同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、発
泡塗装被膜上の結露開始時間が30分で、約1時間経過す
ると結露水が流れ結露水は多孔質焼結状被膜の空孔の中
に吸収され水滴の落下が防止され、水滴の落下が認めら
れなかった。 実施例 4 実施例1の親水性ポリエチレン粉末の代わりに、ポリ
プロピレンを粉砕し、平均粒径500μの粉末100重量部に
ソルビタンモノラウレート3重量部を高速ミキサーにて
90℃に加温しつつ混合、親水化して得た親水性ポリプロ
ピレン粉末を用い実施例1と同一条件で全面を多孔質焼
結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼結状被膜は、厚
さ0.6mm、水滴吸収時間2秒、空孔率40%、熱伝導率0.1
2W/mk、保水量38gであった。この風向変更ルーバを実施
例1と同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結
果、結露開始時間が25分で結露水は多孔質焼結状被膜の
空孔の中に吸収され水滴の落下が認められなかった。 比較例 1 実施例1の親水性ポリエチレン粉末の代わりに、流動
浸漬塗装用粉末ポリエチレンを用いた以外、実施例1と
同一条件で加熱し、アルミニウム製風向変更ルーバを10
秒間浸漬した後、次いで180℃の加熱炉に3分間入れ、
自然冷却し、全面を平滑な被膜で被覆した。被膜は厚み
が0.8mmで、空孔率0%、熱伝導率3.5W/mkであった。 実施例1と同様に結露開始時間、結露水の滴下を評価
した結果、結露開始時間が3分で、結露水は被膜に吸収
されず、30分後には水滴となって落下が認められた。 比較例 2 実施例1で使用する低密度ポリエチレン粉末を、親水
化せずに使用し、実施例1と同一条件で全面を多孔質焼
結状被膜で被覆した。被覆した多孔質焼結状被膜は、厚
さ0.8mm、空孔率50%、熱伝導率0.89W/mk、水滴吸収時
間は300秒以上で保水量も0gであった。実施例1と同様
に結露開始時間、結露水の滴下を評価した結果、結露開
始時間が15分で、結露水は被膜に吸収されず、60分後に
は水滴となって落下が認められた。
本発明によれば、空気調和機の空気吹出し口部の風向
変更ルーバ表面に親水性樹脂の多孔質焼結状被膜で全面
または一部を被覆することにより、該ルーバ表面の熱伝
導性が大幅に低下し、冷房時に結露しにくくなるととも
に結露しても露が多孔質の空孔の中に吸収され且つ、そ
のものの水の保有量が大きいので水滴の落下が防止され
るという効果を有する。
変更ルーバ表面に親水性樹脂の多孔質焼結状被膜で全面
または一部を被覆することにより、該ルーバ表面の熱伝
導性が大幅に低下し、冷房時に結露しにくくなるととも
に結露しても露が多孔質の空孔の中に吸収され且つ、そ
のものの水の保有量が大きいので水滴の落下が防止され
るという効果を有する。
第1図は一般的な空気調和機の風向変更ルーバの一例を
示す斜視図、第2図は第1図のI−I線による親水性樹
脂の多孔質焼結状被膜で全面被覆した実施例の拡大断面
図、第3図は第1図のI−I線による2層コーティング
の全面被覆した実施例の拡大断面図、第4図は第1図の
I−I線による2層コーティングの一部を被覆した実施
例の拡大断面図、第5図は第1図のI−I線による参考
例である従来品の植毛による拡大断面図である。 1……風向変更ルーバ、2……軸部 3……親水性樹脂の多孔質焼結状被膜 4……熱可塑性樹脂のコーティング被膜 5……植毛部材、6……接着剤
示す斜視図、第2図は第1図のI−I線による親水性樹
脂の多孔質焼結状被膜で全面被覆した実施例の拡大断面
図、第3図は第1図のI−I線による2層コーティング
の全面被覆した実施例の拡大断面図、第4図は第1図の
I−I線による2層コーティングの一部を被覆した実施
例の拡大断面図、第5図は第1図のI−I線による参考
例である従来品の植毛による拡大断面図である。 1……風向変更ルーバ、2……軸部 3……親水性樹脂の多孔質焼結状被膜 4……熱可塑性樹脂のコーティング被膜 5……植毛部材、6……接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 13/14 F24F 1/00
Claims (1)
- 【請求項1】ルーバの表面を空孔率が8〜80%で水滴吸
収時間が300秒以下である親水性樹脂の多孔質焼結状被
膜で全面または一部を被覆したことを特徴とする空気調
和機の空気吹出し口部の風向変更ルーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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