JP2877398B2 - ドライエッチング装置 - Google Patents

ドライエッチング装置

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JP2877398B2 JP31255289A JP31255289A JP2877398B2 JP 2877398 B2 JP2877398 B2 JP 2877398B2 JP 31255289 A JP31255289 A JP 31255289A JP 31255289 A JP31255289 A JP 31255289A JP 2877398 B2 JP2877398 B2 JP 2877398B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、ドライエッチング装置に係わり、特にマグ
ネトロン放電を利用したドライエッチング装置に関す
る。
(従来の技術) 高集積LSIデバイスの製造のための微細加工には、主
として反応性イオンエッチング(RIE)法が用いられて
いる。RIE法とは、一対の対向する電極を有する真空チ
ャンバ内の片方の電極上に被処理基板を置き、例えばCF
4等のハロゲンや酸素等をエッチャントとして真空容器
内に導入し、上記一対の電極の間に高周波電力を印加し
て放電を起こし、放電中で発生したイオンやラジカルを
利用して、被処理基板の表面を加工する方法である。
上記方法を利用したエッチング装置には、大型の反応
容器中に複数の被エッチング基体を一度に入れて処理す
るバッチ式と、一枚ずつ被処理基板を処理する枚葉式と
の2つの方式がある。大面積のウェハの全面にわたり精
度の高い加工を行うには、バッチ式に比べ一枚ずつ処理
する枚葉式のほうが適しており、徐々に枚葉式が主流に
なりつつある。枚葉式のエッチング装置には、バッチ式
と遜色のない処理能力を維持するため、より速いエッチ
ング速度が要求される。このため、磁場を利用してマグ
ネトロン放電を発生したり、狭い空間に放電を閉じ込め
る工夫をする等、放電の効率を高めて高密度のプラズマ
を発生する試みがなされている。
第12図は、マグネトロン放電を用いた従来の高速ドラ
イエッチング装置を示す断面図である。図中80は真空容
器、81は被処理基板、82は陰極、83はインピーダンス整
合器、84は高周波電源、85は棒状の磁石85aをN−S−
N−S−の順に並べた磁場発生器、86は磁場発生器85を
陰極82と平行に移動する移動機構をそれぞれ示してい
る。
この装置を用いると、陰極82の表面とプラズマ中のシ
ースに発生するバイアス電圧とに伴う電界と、磁場発生
器85によって発生した磁界がほぼ直交するため、プラズ
マ中の電子はサイクロイド運動し、電界と磁界に対して
それぞれ直交する方式にドリフト運動を行う。その結
果、電子とガス分子の衝突確率が増し、密度の高いマグ
ネトロンプラズマが形成される。そして、この高密度プ
ラズマからバイアス電圧によって引き出されたイオンが
被処理基板81に衝突することにより、高速エッチングが
達成される。
この装置においては、高密度なプラズマが形成される
領域は、磁場発生器85の、N−S磁極の間の水平磁界の
強い部分に限られており、この部分でエッチング速度も
最大となる。そこで、ウェハ全体を均一な速度でエッチ
ングするため、磁場発生器85を往復運動して、高密度プ
ラズマがウェハ全体に行き渡るよう工夫されている。し
かし、電極の間に密度の異なるプラズマが発生している
場合、エッチング速度の不均一以上に、加工形状に悪影
響があることが明らかになった。
即ち、マグネットの磁極間のプラズマ密度の高い部分
と、その他の密度の低い部分とでは、プラズマ電位及び
陰極に発生する自己バイアス電圧が異なるため、電極に
対して水平方向にも電位差が発生する。この水平方向の
電界は、荷電粒子を横方向に加速するため、本来基板に
対して垂直に入射すべきイオン87が、第13図(a)に示
すように斜めに入射する。RIE法の最大の特色は、基板
に入射するイオンの方向性を反映した第13図(b)のよ
うな異方性の加工形状にあるが、イオンが基板に対して
傾いて入射すると、本来垂直に加工されるべき被エッチ
ング物の側壁が斜めに傾いてしまう問題があった。ま
た、磁場発生器を移動すると、高密度プラズマ部分もウ
ェハの上部で移動するため、イオンはそれに応じて左右
から交互に斜めに側壁に衝突する。その結果、第13
(c)図に示すように左右の側壁がえぐられた形状にな
る問題があった。なお、第13図において、91は基板、92
はエッチングマスクとなるレジストを示している。
この問題を低減する提案として、一対の電極のうち陽
極となるウェハの載置されていない側の第2の電極の裏
面に、磁界印加手段を置くようにし、ウェハ近傍の磁界
を弱くすることによって、マグネット磁極間の高密度部
分とその他の部分のプラズマ密度の差を緩和する方法が
ある。しかしながら、この方法を用いても、依然として
被処理基板の上部で放電の密度の差が存在し、加工形状
の異常を完全に克服するには至っていない。
また、第14図に示すように、一対の電極を持つ反応容
器80の左右に一組のソレノイド状のコイル(電磁石)88
を配置する方法も提案されている。この方法において、
全体にほぼ均一な磁界89を供給できるため、比較的均一
な放電分布が得られる特徴がある。しかしながらこの方
法においては、均一性のよい磁界を得るためには、容器
80の径に対して、コイル88を充分に大きくする必要があ
り、被処理基体81と共に容器80を大きくすると、コイル
88が巨大化する問題がある。それと共にコイル88に大電
流を流す必要が生じる他、容器80の不必要な部分にまで
磁界が及ぶため、磁気に敏感な機械−電子部品が使用で
きない等、装置の設計が困難となる問題があった。
さらに、ウェハが載置されている電極以外の部分にも
強い磁界が供給されるため、高密度の放電が不必要な部
分にまで広がる問題がある。これは、エッチングの効率
が低下することに加え、容器の内壁がエッチングされた
り、堆積物が生じる等の問題を引き起こす。また、陰極
に発生する自己バイアス電圧は、陰極に対する陽極の面
積比が大きいほど大きくなる。放電が反応容器内全体に
広がると、容器の内壁も陰極として働くため、この自己
バイアス電圧が大きくなり過ぎる問題がある。自己バイ
アス電圧が大きいと、基板に入射するイオンのエネルギ
ーが高くなり、エッチングの選択性が低下したり、基板
に対するダメージが大きくなる問題があった。
(発明が解決しようとする課題) このように、従来のマグネトロン放電型のドライエッ
チング装置では、第2の電極側から磁界を供給する方式
においては、放電密度の疎密が緩和されたとはいえまだ
残っており、その密度の差に伴ってイオンが基板に対し
て斜めに入射するため、加工形状が悪化する問題があっ
た。また、反応容器の横方向から磁界を供給する方式に
おいては、均一な磁界を得るために容器に対してコイル
を充分大きく設計する必要があり、装置が大型化する問
題があった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その
目的とするところは、被処理基体の近くにのみ均一な放
電を発生させ、均一で且つ方向性の良いエッチングを行
い得るドライエッチング装置を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、放電領域を最小限ウェハの周
辺に限定することによって、安定性が高く選択性に優
れ、且つダメージの少ないエッチングを行い得るドライ
エッチング装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の骨子は、高周波電力の印加される一対の電極
間の被処理基体の周囲のみに、均一な水平磁界を供給す
ることにある。
即ち本発明(請求項1)は、マグネトロン放電を利用
したドライエッチング装置において、被処理基体が載置
される第1の電極及び該電極に対向して配置された第2
の電極を有する反応容器と、この容器内に反応ガスを供
給するためのガス供給手段と、容器内のガスを排気する
ためのガス排気手段と、第1の電極又は第1,第2の電極
の双方に高周波電力を印加するための高周波電力印加手
段と、第2の電極の第1の電極と反対側面に回転自在に
配設され、被処理基体の径よりも大なる間隔で第2の電
極の対向面に対し相互にNSが逆極となるように配置され
た一対の棒状磁石を有する磁界印加手段と、この磁界印
加手段の棒状磁石間に配置され、該磁石により発生する
磁界の第1の電極と平行な成分を均一化するための磁界
補正手段とを具備してなるものである。
また本発明(請求項5)は、上記磁界補正手段の代わ
りに、第1及び第2の電極側の少なくとも一方に磁界反
射板を設置するようにしたものである。
また本発明(請求項2)は、マグネトロン放電を利用
したドライエッチング装置において、被処理基体が載置
される第1の電極,該電極に対向して配置される第2の
電極及び接地された第3の電極を有する反応容器と、こ
の容器内に反応ガスを供給するためのガス供給手段と、
容器内のガスを排気するためのガス排気手段と、第1の
電極に高周波電力を印加するための高周波電力印加手段
と、第2の電極に一端が接続されると共に他端が接地さ
れ、第1及び第2の電極間に発生するプラズマと第2の
電極との間に生じるバイアス電圧を調整する可変インピ
ーダンスと、第2の電極の第1の電極と反対側面に回転
自在に配設され、被処理基体の径よりも大なる間隔で第
2の電極の対向面に対し相互にNSが逆極となるように配
置された一対の棒状磁石を有する磁界印加手段とを具備
してなるものである。
また本発明(請求項3)は上記可変インピーダンスを
用いる代わりに、第1及び第2の電極の双方に高周波電
力を印加するようにしたものである。
また本発明(請求項4)は、請求項1と請求項3とを
組み合わせたものである。
(作用) 本発明によれば、被処理基体のエッチングすべき面に
対向した第2の電極の裏面に被処理基体の径より大きな
間隔で設けられた一対の棒状磁石によって、被処理基体
の近傍にのみ均一な磁界を供給することができる。さら
に、磁界補正手段又は磁界反射板を設けることにより、
被処理基体近傍の磁界をより均一にすることができる。
そして、反応容器中に所定のエッチングガスを供給し、
圧力を調整した上で、第1の電極又は第1及び第2の電
極に高周波電力を印加することにより発生する電界と、
これにほぼ直交する磁界の相互作用によって被処理基体
の近傍に均一かつ高密度な放電が誘起される。その結
果、異方性の高い高精度かつ高速のドライエッチングが
可能となる。
(実施例) 以下、本発明の詳細を図示の実施例を参照して説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例に係わるドライエッチン
グ装置の概略構成を示す断面図である。図中10は反応容
器であり、この容器10にはガス導入口11及びガス排気口
12が設けられている。容器10内には、ガス導入口11から
Cl2,CF4等のハロゲンを含むガスやO2等のエッチングガ
スが導入される。そして、容器10内のガスはガス排気口
12から排気される。ここで、ガス排気口12は例えばター
ボ分子ポンプに接続されており、これにより容器10内が
10-3〜10-1Torr程度のガス圧力に保持できるようになっ
ている。
容器10は接地されており、第2の電極を兼ねている。
容器10内の底部には、被処理基体としてのシリコンウェ
ハ20が載置される第1の電極21が、厚さ約50mmの絶縁環
13を介して設置されている。この第1の電極21は、イン
ピーダンス整合器22を介して、13.56MHzの高周波電源23
に接続されている。なお、電極21は水冷水パイプ(図示
せず)等の冷却機構により冷却されるものとなってい
る。
容器10の上部には、一対の棒状の磁石31,32からなる
磁界印加機構30が設置されている。磁石31,32は電極面
に対して垂直の方向にそれぞれ逆の極性で着磁され、そ
の中心の距離は、8インチ(20cm)のウェハ径より大き
い250mmに設定されている。また、磁石31,32の内側に
は、後述する補正用の磁石33,34が設置されている。
このような構成において、容器10内に所定の圧力のガ
スを満たした後、第1の電極21に高周波電力を印加する
と、第2の電極を兼ねた容器10との間に放電が誘起され
る。放電によりガス分子は、正の電荷を持つイオンと負
の電荷を持つ電子に解離し、プラズマが発生する。これ
らの荷電粒子のうち、移動度の大きい電子は容易に電極
表面に到達できるのに対し、質量の大きいイオンは高周
波に追随できず、電極に到達できない。このため、プラ
ズマと電極の間には整流作用が働き、各電極の電位に対
しプラズマは正の電位を持つ。その結果、電極とプラズ
マの間のシースには高周波の電界に加えて、直流の電界
が発生する。
そして、これらの電界とこの直交する電界の効果によ
って、シースの近傍に存在する電子はサイクロイド運動
を行い、全体としては電界と磁界に対してそれぞれ直交
する方向にドリフト運動を行う。その運動の過程で、新
たにガス分子と衝突し、これを電離させる結果、高密度
なマグネトロン放電が誘起される。
本実施例では、容器10全体が第2の電極、即ち陽極と
なっているため、第1の電極21、即ち陰極に対して約5
倍の面積を有する。このような条件では、高周波電界は
プラズマと第1の電極21との間で最も強くなる。直流的
にもプラズマの電位は、第2の電極の電位に近く10〜数
10Vの正の値を持つに過ぎないのに対し、第1の電極21
との間には数100〜1kVの比較的大きい陰極降下電圧が発
生する。従って、主としてプラズマと第1の電極21との
間に発生する電界と、第1の電極21付近に供給される水
平磁界の相互作用によって、マグネトロン放電が維持さ
れる。従って、第1の電極21付近の磁界の強度分布が放
電の均一性を最も影響する。
第2の電極の上面に磁石31,32を配置した場合、磁石3
1,32の真下では、水平磁界が0となってしまい不均一が
顕著となる。本実施例では、この部分が、ウェハの上を
よぎるのを避け、磁極間隔を広げることによって、放電
の均一性向上を行ったのである。
この装置を用いて、単結晶Si基板のエッチングを試み
た。Cl2をエッチングガスとして用い、圧力10-3Torr
で、第1の電極21に対して0.5W/cm2密度で高周波電力を
印加した。その結果、1.2μm/分の高速でエッチングが
進むことが確認された。また、加工形状はウェハ内の位
置にかかわらず垂直であることを確認した。
また、容器10全体が接地された電極を兼ねているとは
言え、高密度なマグネトロンは、水平磁界の強いウェハ
周辺部のみに形成され、容器10の側壁から離れている。
このため、側壁部分は、電極としては、副次的にしか働
かない。このため、側壁のエッチングや堆積は比較的軽
微であった。また、自己バイアス電圧は、100〜200Vと
比較的小さくSi基板へのダメージは軽微であった。
第2図(a)(b)は、ウェハ面上でのエッチング速
度の分布を示す。第2図(a)は、磁石に対して直交す
る方向の分布である。ウェハの中央部では、極小値を示
しその両側に極大が現れており、均一性は完全ではな
い。第3図中Bは幅25mmの棒状磁石31,32を磁極間隔250
mmに配置して得た水平磁界の強度分布を示す。二つの図
の比較より、エッチング速度分布は水平磁界の強度分布
をほぼ反映していることは明らかである。
そこで次に、この磁界分布を改善する方法について述
べる。中央部で磁界の強度が弱くなる現象を補正するに
は、磁石31,32間の距離より短い間隔に補正用の磁石33,
34を設置する方法が有力である。第4図に、この補正を
施した磁界印加手段の断面図を示す。一対の棒状の永久
磁石31,32と常磁性材料でできたヨーク35と一対の補正
用の小さな磁石33,34からなっている。第3図中Aは、
この補正を施した磁界印加手段により得られる水平磁界
の分布を示す。AはBにおいて現れていた磁極間中央部
の磁界の極小部が盛り上がり、均一性が向上しているこ
とが判る。また、この補正を行うことによりエッチング
速度の均一性が向上することも確認された。このよう
に、棒状の磁石31,32に対して直交する方向の磁界分布
を改善するには、小さな補正用の磁石33,34を設けるこ
とが有力な方法である。
また、より簡単に、棒状磁石の幅を磁極の間隔に対し
て充分に大きくすることによって、均一な磁界を得る方
法もある。しかし、同時に、電極面に対して直交する垂
直磁界の強度も大きくなる。極端に大きい垂直磁界は、
放電の均一性に好ましくない悪影響を与える。水平磁界
を均一化すると同時に、放電に対して悪影響を与えない
程度に垂直磁界を制御するには、磁極の間隔すなわち棒
状磁石の中心軸間の距離に対し、磁石の幅を8分の1な
いし4分の1に設定することが望ましい。
次に、向かい合った一対の磁石に対し平行な方向の分
布について述べる。第2図(b)は、磁石31,32に平行
な方向のウェハ中心軸上のエッチング速度の分布を示し
ている。全体として上に凸、かつ右上がり分布となって
いる。また、第5図中のBは、この方向の水平磁界の分
布を示している。磁界は中心部で最も強く、端に行くほ
ど小さくなる。この分布を改善するには、第6図(a)
に示す如く磁石31,32を直線状に配置するのではなく、
同図(b)に示す如く磁石31,32を内側に向かって湾曲
させることが有効である。第5図中Aは、この補正を施
した磁石31,32による水平磁界の分布を示す。端の部分
の磁界が強められ均一な磁界分布が得られているのが判
る。補正した磁石31,32を用いるとエッチング速度は、
直線的な右上がりの分布となり均一性は向上した。
上記の互いに直交する方向の補正を組み合わせると、
さらに均一性は改善される。しかし、第2図(b)に現
れた右上がりの速度分布は、磁界の均一化だけでは解消
しない。これは、陰極の上部の電子が、磁界と電界の直
流成分の効果によって全体に左から右方向にドリフト運
動するため、電子の溜まる右の方の電子密度が高いこと
が原因である。電気中性を維持するため、電子密度とイ
オン密度はほぼ等しいので、右が高く左が低いプラズマ
密度の勾配が生じる。本実施例のように、棒状の磁石
と、電極面積比の大きい平板型電極との組み合わせでは
この様プラズマ密度の勾配を避けることは難しい。そこ
で、ウェハ全体を一定の速度でエッチングするには、磁
石を回転したり移動することが有効である。
かくして本実施例によれば、ウェハ20に対向した第2
の電極(容器)10の裏面にウェハ20の径より大きな間隔
で設けられた一対の棒状磁石31,32によってウェハ20の
近傍にのみ均一な磁界を供給することにより、均一性の
よいプラズマを形成することができる。その結果、精度
の高い異方性のエッチングが実現される。
第7図は本発明の第2の実施例の概略構成を示す断面
図である。なお、先に説明した第1の実施例と同一部分
には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
この実施例が先の第1の実施例と異なる点は、容器10
が第2の電極を兼ねるのではなく、容器10と第2の電極
25との間に絶縁環14が挿入され独立していることであ
る。容器10は、接地された第3の電極として働き、第2
の電極25とは可変型のインダクタンス26とコンデンサ27
を介して接続されている。
このような構成であれば、第1の電極21に高周波電力
を印加し、容器10内にプラズマが発生した場合、可変型
のインダクタンス26を調節することにより、第2の電極
25の電位を可変することができる。コンデンサ27は、第
2の電極25とアースを直流的に絶縁する効果がある。こ
の場合、第1の実施例で現れた非対称性は、第2の電極
25に適切な値の電圧を発生させることにより低減するこ
とができる。
第8図は、可変インダクタンス26によって第2の電圧
25とアースの間のインピーダンスを調節して、第2の電
圧25に発生した直流電圧とエッチング速度の非対称性と
の関係を示す。図から明らかなように、第2の電極25に
発生する負の電圧が大きいほど非対称性が緩和され、−
100Vではほぼ対称な分布が得られた。
第9図は本発明の第3の実施例の概略構成を示す断面
図である。なお、第1図と同一部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
この装置では先の第2の実施例と同様に、容器10と第
2の電極25との間に絶縁環14が挿入されている。第1の
電極21及び第2の電極25の双方に高周波を印加できるも
のとなっている。第1の電極21に対しては、発振器41の
出力信号を増幅器42で増幅した後、インピーダンス整合
器43を介して高周波電力が供給される。第2の電極25に
対しては、発振器41の出力信号を位相調整器44を経て増
幅器45で増幅した後、インピーダンス整合器46を介して
高周波電力が供給される。電極1及び第2の電極に対し
て同一の発振器41を用いているため、両者に印加される
高周波電圧は、常に位相調整器44によって設定される一
定の位相関係に保たれ、これにより安定した放電が維持
される。
この実施例では、増幅器42,45を調整することによっ
て、それぞれの電極に発生する電圧を最適値に設定する
ことができ、先の第2の実施例と同様に電極の間に発生
する電圧を適切に選ぶことによって、エッチング速度の
非対称性を解消することが可能である。また、本実施例
の構成を用いれば、被エッチング材料や、要求される加
工特性に応じて両電極に発生する電圧をそれぞれ独立に
自由に設定できる特徴があり、より高精度で選択性の高
いエッチングが可能となる。
また、第1及び第2の電極に対して、それぞれ異なる
周波数の電圧を印加することも可能である。例えば、第
2の電極25に対してイオンが追随できないほど周波数の
高い電圧を印加し、第1の電極21には低周波数の電圧を
印加すれば、第2の電極25上ではエッチングされない
で、第1の電極21の上の被エッチング物を選択的にエッ
チングすることもできる。また、先の第1の実施例と同
様に磁石31,32間に補正用の磁石33,34を設けることによ
り、磁界のより一層の均一化をはかることが可能であ
る。
このように第2及び第3の実施例においては、新たに
接地された第3の電極(容器)10を設け、第2の電極25
に電圧を誘起させるか、又は高周波電圧を印加すること
により、第2の電極25とプラズマの間に電位差が発生
し、第1の電極21の近傍と第2の電極25の近傍の両方で
マグネトロン放電が維持される。その際、両側でそれぞ
れ逆方向の電界が発生するため、電子のドリフト運動の
向きが逆になり、プラズマ密度の勾配がうち消されて、
さらにプラズマの均一性が向上する。その結果、加工精
度が向上する。
なお、上述した第1〜第3の実施例においては、磁界
印加機構として永久磁石以外に電磁石を用いてもよい。
また、着磁又は励磁の方向は必ずしも電極に対して垂直
である必要はなく、異なる極が向き合うよう互いに対称
の関係で内側に傾けたり、水平に配置してもよい。ま
た、第2及び第3の実施例で示した第2の電極上に強い
電界を発生し、プラズマの勾配を緩和する方法は、閉回
路状の電子ドリフト回路を持たないあらゆる有磁場ドラ
イエッチング装置に応用することができる。
第10図は、本発明の第4の実施例の概略構成を示す断
面図である。基本構成は第1の実施例に準じており、番
号も同じものを用いている。第1の実施例の装置に対し
て、第2の電極(容器)10の裏面、即ち磁界印加機構30
の下面にビスマスを主成分とする超電導材料の磁界反射
板51と、これを冷却するための冷却パイプ52が設けられ
ている。また、第1の電極21の内部に、上記と同じ材料
の磁界反射板53及び冷却パイプ54が設けられている。磁
界反射板51,53はそれぞれ、臨界温度105K以下で超電導
性を示し、完全反磁性となるものである。冷却パイプ5
2,54にそれぞれ液体窒素を流して冷却とすると、マイス
ナー効果によって磁力線は磁界反射板51,53の内部に入
り込めなくなる。その結果、磁力線は2枚の反射板51,5
3に挟まれた領域では、外部に広がらず閉じ込められる
ため、より一様な水平磁界が得られる。このため、放電
の均一性が向上する。
かくして本実施例によれば、第1及び第2の電極に対
して平行に超電導材料で作成した磁界反射板51,53を取
り付けることによって、電極間の水平磁界の強度を高め
ると共に、均一性を向上させることができる。従って、
よりプラズマの均一性が向上することにより、加工精度
の向上をはかることができる。
第11図は、本実施例の第5の実施例の概略構成を示す
断面図である。基本構成は第4の実施例に準じており、
番号も同じものを用いている。この実施例が第4の実施
例と異なる点は、磁界印加機構として永久磁石31,32の
代わりに、ソレノイドコイル57を用いたことにある。即
ち、電極の横にソレノイドコイル57が設けられている。
より具体的には、容器10の外部で磁界反射板51,52の内
側に位置する領域にソレノイドコイル57が設けられてい
る。なお、このソレノイドコイル57は、連続して巻かれ
たものではなく、図中に示すように容器10の右側及び左
側にそれぞれ1ターンで設けられたものである。
この例では、電極の横に配置したソレノイドコイル57
の磁界を2枚の超電導材料による磁界反射板51,53によ
り閉じ込めることによって、磁極間に強く均一な水平磁
界を得ることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、高周波電力の印
加される一対の電極間の被処理基体の周囲のみに、均一
な水平磁界を供給することにより、被処理基体の近くに
のみ均一な放電を発生させ、均一で且つ方向性の良いエ
ッチングを行うことができる。また、放電領域を被処理
基体の周辺に限定することによって、安定性が高く選択
性に優れ、且つダメージの少ないエッチングを行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に係わるドライエッチン
グ装置の概略構成を示す断面図、第2図乃至第6図は上
記実施例の作用を説明するためのもので、第2図は測定
位置とエッチング速度との関係を示す特性図、第3図は
測定位置と磁束密度との関係を示す特性図、第4図は補
正磁石の配置例を示す断面図、第5図は測定位置と磁束
密度との関係を示す特性図、第6図は磁石の配置例を示
す平面図、第7図は本発明の第2の実施例の概略構成を
示す断面図、第8図は上記第2の実施例の作用を説明す
るためのもので電位とエッチング速度の非対称性との関
係を示す特性図、第9図は本発明の第3の実施例の概略
構成を示す断面図、第10図は本発明の第4の実施例の概
略構成を示す断面図、第11図は本発明の第5の実施例の
概略構成を示す断面図、第12図乃至第14図は従来装置の
問題点を説明するためのもので、第12図は装置構成を示
す断面図、第13図はエッチング形状を示す断面図、第14
図は装置構成を示す断面図である。 10……反応容器、11……ガス導入口、12……ガス排気
口、20……被処理基体、21……第1の電極、22……イン
ピーダンス整合器、23……高周波電源、25……第2の電
極、26……可変インピーダンス、30……磁場発生機、3
1,32……永久磁石、33,34……補正磁石、35……ヨー
ク、51,53……磁界反射板、57……ソレノイドコイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23F 4/00 H01L 21/3065

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被処理基体が載置される第1の電極及び該
    電極に対向して配置された第2の電極を有する反応容器
    と、この容器内に反応ガスを供給するためのガス供給手
    段と、前記容器内のガスを排気するためのガス排気手段
    と、前記第1の電極又は第1,第2の電極の双方に高周波
    電力を印加するための高周波電力印加手段と、前記第2
    の電極の前記第1の電極と反対側面に回転自在に配設さ
    れ、前記被処理基体の径よりも大なる間隔で前記第2の
    電極の対向面に対し相互にNSが逆極となるように配置さ
    れた一対の棒状磁石を有する磁界印加手段と、この磁界
    印加手段の棒状磁石間に配置され、該磁石により発生す
    る磁界の前記第1の電極と平行な成分を均一化するため
    の磁界補正手段とを具備してなることを特徴とするドラ
    イエッチング装置。
  2. 【請求項2】被処理基体が載置される第1の電極,該電
    極に対向して配置される第2の電極及び接地された第3
    の電極を有する反応容器と、この容器内に反応ガスを供
    給するためのガス供給手段と、前記容器内のガスを排気
    するためのガス排気手段と、前記第1の電極に高周波電
    力を印加するための高周波電力印加手段と、前記第2の
    電極に一端が接続されると共に他端が接地され、前記第
    1及び第2の電極間に発生するプラズマと前記第2の電
    極との間に生じるバイアス電圧を調整する可変インピー
    ダンスと、前記第2の電極の前記第1の電極と反対側面
    に回転自在に配設され、前記被処理基体の径よりも大な
    る間隔で前記第2の電極の対向面に対し相互にNSが逆極
    となるように配置された一対の棒状磁石を有する磁界印
    加手段とを具備してなることを特徴とするドライエッチ
    ング装置。
  3. 【請求項3】被処理基体が載置される第1の電極,該電
    極に対向して配置される第2の電極及び接地された第3
    の電極を有する反応容器と、この容器内に反応ガスを供
    給するためのガス供給手段と、前記容器内のガスを排気
    するためのガス排気手段と、前記第1及び第2の電極の
    双方に高周波電力を印加するための高周波電力印加手段
    と、前記第2の電極の前記第1の電極と反対側面に回転
    自在に配設され、前記被処理基体の径よりも大なる間隔
    で前記第2の電極の対向面に対し相互にNSが逆極となる
    ように配置された一対の棒状磁石を有する磁界印加手段
    とを具備してなることを特徴とするドライエッチング装
    置。
  4. 【請求項4】被処理基体が載置される第1の電極,該電
    極に対向して配置される第2の電極及び接地された第3
    の電極を有する反応容器と、この容器内に反応ガスを供
    給するためのガス供給手段と、前記容器内のガスを排気
    するためのガス排気手段と、前記第1及び第2の電極の
    双方に高周波電力を印加するための高周波電力印加手段
    と、前記第2の電極の前記第1の電極と反対側面に回転
    自在に配設され、前記被処理基体の径よりも大なる間隔
    で前記第2の電極の対向面に対し相互にNSが逆極となる
    ように配置された一対の棒状磁石を有する磁界印加手段
    と、この磁界印加手段の棒状磁石間に配置され、該磁石
    により発生する磁界の前記第1の電極と平行な成分を均
    一化するための磁界補正手段とを具備してなることを特
    徴とするドライエッチング装置。
  5. 【請求項5】被処理基体が載置される第1の電極及び該
    電極に対向して配置された第2の電極を有する反応容器
    と、この容器内に反応ガスを供給するためのガス供給手
    段と、前記容器内のガスを排気するためのガス排気手段
    と、前記第1の電極又は第1,第2の電極の双方に高周波
    電力を印加するための高周波電力印加手段と、前記第1
    及び第2の電極間にこれらと平行な方式に磁界を印加す
    るための磁界印加手段と、前記第1及び第2の電極側の
    少なくとも一方に配置された磁界反射板とを具備してな
    ることを特徴とするドライエッチング装置。
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