JP2875360B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2875360B2
JP2875360B2 JP2184194A JP18419490A JP2875360B2 JP 2875360 B2 JP2875360 B2 JP 2875360B2 JP 2184194 A JP2184194 A JP 2184194A JP 18419490 A JP18419490 A JP 18419490A JP 2875360 B2 JP2875360 B2 JP 2875360B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体レーザー発振領域である800nm前後の
長波長光に対して高感度を有する電子写真感光体に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の電子写真感光体としては、アルミニウム等の導
電性基板の上に50μm程度のセレン(Se)膜を真空蒸着
法により形成したものがある。
しかし、このSe感光体は、波長500nm付近までしか感
度を有していない等の問題がある。
また導電性基板の上に50μm程度のSe層を形成し、こ
の上に更に数μmのセレン−テルル(Se−Te)合金層を
形成した感光体があるが、この感光体は上記Se−Te合金
のTeの含有率が高い程、分光感度が長波長にまで伸びる
半面、Teの添加量が増加するにつれて、表面電荷の保持
特性が不良となり、事実上、感光体として使用できなく
なるという重大な問題がある。
またアルミニウム基板の上に1μm程度のクロロジア
ンブルー又はスクアリリウム酸誘導体をコーティングし
て電荷発生層を形成し、この上に絶縁抵抗の高いポリビ
ニルカルバゾール又はピラゾリン誘導体とポリカーボネ
ート樹脂との混合物を10〜20μmコーティングして電荷
輸送層を形成した所謂複合二層型の感光体もあるが、こ
の感光体は700nm以上の波長の光に対して感度を有して
いないのが実情である。
更に、この複合二層型の感光体において、上記欠点を
改善した、即ち、半導体レーザー発振領域800nm前後に
感度を有する感光体もあるが、これらのうち多くのもの
が真空蒸着法によって周期律表のIII族もしくはIV族の
金属を中心金属に持つ金属フタロシアニンの膜厚1μm
程度の薄膜を形成した後、シフト化剤溶液中に浸漬する
か、もしくはその蒸気に接触させることによって本来70
0nm前後の吸収帯を800nm前後にシフトさせ、長波長感度
を発現させている。
この膜の上に絶縁抵抗の高いポリビニルカルバゾール
又はピラゾリン誘導体とポリカーボネート樹脂もしくは
ポリエステル樹脂との混合物を10〜20μmコーティング
して電荷輸送層を形成して複合二層型の感光体を形成し
ている。しかしながら、この場合、電荷発生層として用
いられている周期律表のIII族もしくはIV族の金属を中
心金属に持つ、金属フタロシアニン薄膜は、本質的に半
導体レーザー発振領域800nm前後に吸収がなく、シフト
化剤で処理しない限り、この薄膜を用いて形成した感光
体は800nm前後の光に対して感度を有しないか、又は低
感度であるという重大な問題がある(特開昭58−158649
号公報参照)。
又特開昭63−55556号公報又は特開昭63−141070号公
報記載の化合物は、それ自身油溶性であるがため、塗布
が難しく、かつ、電荷輸送層の塗布時に溶出するため安
定した生産が困難であった。特開昭63−186251号公報記
載のナフタロシアニン類はレーザープリンターに必要と
される感度(cm2/μJ)に達していなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
レーザー光を光源とし、電子写真感光体を用いたレー
ザービームプリンタ等では、近年、半導体レーザーを光
源に用いることが種々試みられており、この場合、該光
源の波長は800nm前後であることから、800nm前後の長波
長光に対して高感度な特性を有する電子写真感光体が強
く要求されている。
本発明の目的は、シフト化剤で処理する等の特別な処
理をすることなく、780〜830nmの近赤外領域の長波長の
光に対して高い感度を有する電子写真感光体を提供する
ことである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、導電性支持体上に有機光導電性物質を含有
する光導電層を有する電子写真感光体において、 前記有機光導電性物質が一般式(I) 〔式(I)中、nは1≦n≦16である〕で表わされる化
合物を含む電子写真感光体である。
本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持体の上に
光導電層を設けたものである。
本発明において、光導電層は有機光導電性物質を含む
層であり、有機光導電性物質の皮膜、有機光導電性物質
と結合剤とを含む皮膜、電荷発生層及び電荷輸送層から
なる複合型皮膜等がある。
前記有機光導電性物質としては、前記一般式(I)で
表わされるフタロシアニンが必須成分として用いられる
が、さらに公知の光導電性物質を併用してもよい。一般
式(I)において、フタロシアニンのベンゼン環にクロ
ロメチル基が必ず置換し、最大16個まで導入された構造
を持つことを特徴とするチタニルフタロシアニンであ
る。
前記電荷輸送物質としては、高分子化合物のもので
は、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェ
ン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、
ポリビニルピラゾリン等が挙げられる。低分子化合物の
ものではフルオレノン、フルオレン、2,7−ジニトロ−
9−フルオレノン、4H−インデノ(1,2,6)チオフェン
−4−オン、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフェン−5
−オキサイド、1−ブロムピレン、2−フェニルピレ
ン、カルバゾール、N−エチルカルバゾール、3−フェ
ニルカルバゾール、3−(N−メチル−N−フェニルヒ
ドラゾン)メチル−9−エチルカルバゾール、2−フェ
ニルインドール、2−フェニルナフタレン、オキサジア
ゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−3−(4−
ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノ
スチリル−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾ
リン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、p−(ジメチルアミノ)スチルベン、
2−(4−ジプロピルアミノフェニル)−4−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)
−1,3−オキサゾール、2−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−
(2−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾール、2−
(4−ジエチルアミノフェニル)−4−(4−ジメチル
アミノフェニル)−5−(2−フルオロフェニル)−1,
3−オキサゾール、2−(4−ジプロピルアミノフェニ
ル)−4−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(2
−フルオロフェニル)−1,3−オキサゾール、イミダゾ
ール、クリセン、テトラフェン、アクリデン、トリフェ
ニルアミン、これらの誘導体が例示できる。
しかし、特に好ましい電荷輸送物質としては、下記一
般式(II)、(III)、(IV)及び(V)で表わされる
化合物である。
〔式中、Ar1及びAr2は置換又は非置換のアリール基を表
わし、R1は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表
わし、R2及びR3は各々独立に置換又は非置換のアルキル
基、置換又は非置換のアリール基を表わす。〕 〔式中、k、l、m、nは0又は1を表わし、R4、R5
R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立にアルキル基、
置換又は非置換のアリール基を表わす。〕 〔式中、R12、R13、R16及びR17は各々独立に水素原子、
アルキル基、置換又は非置換のアリール基、複素環基を
表わし、R14、R15、R18及びR19は各々独立にアルキル
基、アラルキル基、置換又は非置換のアリール基を表わ
す。〕 〔式中、R20及びR21は置換又は非置換のアリール基を表
わし、R20とR21は直接もしくは連結基を介して結合して
もよく、R22は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基も
しくは置換又は非置換のフェニル基を表わし、R23及びR
24はアルキル基、アラルキル基もしくは置換又は非置換
のアリール基を表わし、少なくとも一方は置換又は非置
換のアリール基である。〕 前記、フタロシアニンと電荷輸送物質を混合して使用
する場合は、電荷輸送物質/フタロシアニンが重量比で
10/1〜2/1の割合で配合するのが好ましい。このとき電
荷輸送物質が高分子化合物のものであれば、後記の結合
剤を使用しなくてもよいが、この場合でも、又、電荷輸
送物質が低分子化合物の場合でも、結合剤をこれらの化
合物全量に対して、500重量%以下で使用するのが好ま
しい。
又、電荷輸送物質として、低分子化合物を使用する場
合には、結合剤を30重量%以上使用するのが好ましい。
また電荷輸送物質を用いない場合でも、同様の量で結合
剤を使用してもよい。
これらの結合剤を使用する場合、さらに、可塑剤、流
動性付与剤、ピンホール抑制剤等の添加剤を必要に応じ
て添加することができる。
このように混合型でもよいが、下記に述べる2層複合
型とすることが好ましい。
電荷発生層及び電荷輸送層からなる複合型の光導電層
を形成する場合、電荷発生層中には、前記したフタロシ
アニン又はこれと電荷を発生する有機顔料が含有させら
れ、結合剤を該有機顔料に対して500重量%以下の量で
含有させてもよく、又、前記した添加剤を該フタロシア
ニン又はこれと有機顔料との総量に対して、5重量%以
下で添加してもよい。
又電荷輸送層には、前記した電荷輸送物質が含有させ
られ、結合剤を該電荷輸送物質に対して500重量%以下
で含有させてもよい。電荷輸送物質が低分子化合物の場
合は、結合剤を該化合物に対して、50重量%以上含有さ
せるのが好ましい。
電荷輸送層には、前記した添加剤を電荷輸送物質に対
して5重量%以下で含有させてもよい。
前記した場合すべてに使用し得る結合剤としては、シ
リコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリメタクリル酸
メチル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリ
ルアミド樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピ
ラゾリン、ポリビニルピレン等が挙げられる。
又、熱及び/又は光によって架橋される熱硬化型樹脂
及び光硬化型樹脂も使用できる。
いずれにしても、絶縁性で、通常の状態で皮膜を形成
しうる樹脂、並びに熱及び/又は光によって硬化し、皮
膜を形成する樹脂であれば特に制限はない。可塑剤とし
ては、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタリン、ジ
ブチルフタレート等が挙げられる。
流動性付与剤としては、モダフロー(モンサントケミ
カル社製)、アクロナール4F(バスフ社製)等が挙げら
れ、ピンホール抑制剤としては、ベンゾイン、シメチル
フタレート等が挙げられる。
これらは適宜選択して使用され、その量も適宜決定さ
れればよい。
本発明において導電層とは、導電処理した紙又はプラ
スチックフィルム、アルミニウムのような金属箔を積層
したプラスチックフィルム、金属板等の導電体である。
本発明の電子写真感光体は、導電層の上に光導電層を
形成したものである。光導電層の厚さは5〜50μmが好
ましい。
光導電層として電荷発生層及び電荷輸送層の複合型を
使用する場合、電荷発生層は好ましくは0.001〜10μ
m、特に好ましくは0.2〜5μmの厚さにする。0.001μ
m未満では、電荷発生層を均一に形成するのが困難にな
り、10μmを越えると電子写真特性が低下する傾向にあ
る。
電荷輸送層の厚さは好ましくは5〜50μm、特に好ま
しくは8〜20μmである。5μm未満の厚さでは、初期
電位が低くなり、50μmを越えると、感度が低下する傾
向がある。
導電層上に、光導電層を形成するには、有機光導電性
物質を導電層に蒸着する方法、有機光導電性物質及び必
要に応じ、その他の成分をアセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル
系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、塩化メ
チレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、メ
タノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系
溶剤に均一に溶解又は分散させて導電層上に塗布し、乾
燥する方法などがある。塗布法としては、スピンコート
法、浸漬法等を採用できる。
電荷発生層及び電荷輸送層を形成する場合も同様に行
うことができるが、この場合、電荷発生層と電荷輸送層
は、どちらかを上層としてもよく、電荷発生層を二層の
電荷輸送層ではさむようにしてもよい。
浸漬法によって塗布する場合には、一般式(I)で表
わされるフタロシアニン化合物をメタノール、シメチル
ホルムアミド等の極性溶剤にボールミル、超音波等を用
いて分散させた塗液に導電性基板を浸漬するのが好まし
い。
保護層の形成は、光導電層の形成における塗布、乾燥
する方法と同様にすればよい。
本発明に係る電子写真感光体は、更に導電層のすぐ上
に薄い接着層又はバリア層を有してもよく、表面に保護
層を有していてもよい。
本発明に係る電子写真感光体に使用する一般式(I)
で表わされるフタロシアニン化合物は、光の照射により
電荷を発生する。
このフタロシアニン化合物は、次の方法で製造するこ
とができる。
まずo−フタロニトリルと四塩化チタンを200〜280℃
で3〜10時間反応させ、次に、このフタロシアニンを純
水中90℃で攪拌し、このフタロシアニンを硫酸中クロロ
スルホン酸とパラホルムアルデヒドと50〜100℃で10〜2
0時間反応させ、反応液を氷中に排出することによっ
て、ベンゼン環にクロロメチル基が導入されたチタニル
フタロシアニンを得ることができる。この時、クロロス
ルホン酸とパラホルムアルデヒドの量、および反応時間
を変化させて、クロロメチル基の導入量の異なるフタロ
シアニンを製造することができる。
本願発明の電荷発生物質の具体例と、特に好ましい電
荷輸送物質の具体例を表1〜5に示す。
CGは電荷発生物質を、CTは電荷輸送物質を示す。
一般式(II)で表わされるスチルベン化合物は、例え
ば特開昭58−198043号公報に開示された方法に準じて合
成できる。また一般式(III)、(IV)及び(V)で表
わされる化合物はそれぞれ以下の方法で合成できる。代
表的合成例を具体的に示す。
(製造例1)例示化合物CT−(III)−7の合成 2,5−ビス(4−ヨードフェニル)−3,4−ジフェニル
チオフェン12g、N−フェニル−2−ナフチルアミン10
g、無水炭酸カリウム10gおよび電解銅8gをスルホラン50
mlに分散し、190℃で40時間攪拌した。放冷後、水100ml
に排出し、生じた沈澱をし分け、水、メタノールの順
に洗浄後、乾燥した。得られた粗生成物をベンゼンで抽
出し、抽出液をベンゼン:ヘキサン(1/1)混合溶媒を
展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトにより精製し
た。ベンゼン−アセトニトリル混合溶媒より再結晶し、
淡黄色結晶(融点145〜146℃)の例示化合物CT−(II
I)−7 15gを得た。
(製造例2)例示化合物CT−IV−1の合成 下記構造式 で表わされる化合物3.3gと1,1−ジフェニルヒドラジン
塩酸塩4.0gをN,N−ジメチルホルムアミド100mlに混合、
溶解し、室温で2時間攪拌した。原料のアルデヒド化合
物の消失を確認した後、水100mlを加え、生じた沈澱を
別、乾燥した。クロロホルム−エタノールより再結晶
して黄色結晶(融点218〜220.5℃の例示化合物CT−IV−
1 2.8gを得た。
(製造例3)例示化合物CT−V−1の合成 M,N−ジメチルホルムアミド200mlに下式 で表わされるトリフェニルアミン化合物28.7gを分散
し、0〜5℃でオキシ塩化リン15.6gを滴下した。同温
度で1時間攪拌した後、70〜75℃まで昇温し、3時間攪
拌した。室温まで冷却した後、反応液を氷水800mlに注
ぎ、水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性とし
た。さらに室温で1時間攪拌した後、沈殿物を取、乾
燥した。
含水エタノールより再結晶して黄色結晶(65℃よりシ
ンター)の下記構造式 で表わされるアルデヒド化合物20.5gを得た。このアル
デヒド化合物2.7gと1,1−ジフェニルヒドラジン塩酸塩
1.5gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに混合溶解し、
室温で3時間攪拌した。原料のアルデヒド化合物の消失
を確認した後、水50mlを加え、生じた沈澱を別、乾燥
した。粗生成物を少量の酢酸エチルに溶解し、エタノー
ルを加え生じた沈澱を別、乾燥し、黄色粉体(92℃よ
りシンター)の例示化合物CT−V−1 2.5gを得た。
(実施例1) ポリエステル樹脂(東洋紡製、商品名「バイロン20
0」)0.5g、次記構造式で表わされるフタロシアニン0.5
g(CG−1) 及びテトラヒドロフラン50gをボールミルで粉砕、混合
し、得られた分散液をアルミニウム板にワイヤーバーを
用いて塗布、80℃で20分乾燥して約0.5μmの電荷発生
層を形成した。
この電荷発生層上に化合物(表2 CT−II−1)1g、ポ
リカーボネート樹脂(商品名「パンライトK−1300」帝
人化成製)1gをクロロホルム10gに溶解した溶液をワイ
ヤーバーを用いて塗布、80℃で30分乾燥して厚さ約18μ
mの電荷輸送層を形成して、積層型感光体を作製した。
静電複写紙試験装置((株)川口電機製作所製モデル
EPA−8100)を用いて感光体を印加電圧−6KVのコロナ
放電により帯電させ、その時の表面電位V0を測定し、2
秒間暗所に放置しその時の表面電位V2を測定し、続いて
感光体の表面光強度が1μW/cm2となる状態で780nm又は
830nmの光を照射して表面電位がV2の1/2になる時間を測
定し、半減露光量の逆数1/E1/2(cm2/μJ)を計算し
た。また光照射10秒後の表面電位V12即ち、残留電位を
測定した。
又、可視光での性能評価は同様の測定機器を用いて、ハ
ロゲンランプ(色温度 2856゜K)を用いて、感光体の表
面の照度が5luxとなるようにして測定した。半減露光量
E1/2は(lux sec)の単位で測定した。
(実施例2) ポリエステル樹脂(商品名「バイロン200」東洋紡
製)0.5部、CG−1 0.25部と下記式フタロシアニン(CG
−4)0.25部の混合物(nは平均して1.5)及び シクロヘキサノン50部をボールミルで粉砕混合し、得
られた分散液をアルミニウム板にワイヤーバーを用いて
塗布、80℃で20分乾燥して約1μmの電荷発生層を形成
した。この電荷発生層上に下式(CT−III−1) で表わされる化合物1部、ポリカーボネート樹脂(商品
名「パンライトK−1300」帝人化成製)1部をクロロホ
ルム10部に溶解した溶液をワイヤーバーを用いて塗布、
80℃で30分乾燥して厚さ約18μmの電荷輸送層を形成し
て、積層型感光体を作製した。
静電複写紙試験装置((株)川口電機製作所製モデル
EPA−8100)を用いて感光体を印加電圧−6KVのコロナ
放電により帯電させ、その時の表面電位V0を測定し、そ
の後2秒間暗所に放置しその時の表面電位V2を測定し、
続いて感光体の表面の光強度が1μW/cm2となる状態で7
80nm又は830nmの光を照射して表面電位がV2の1/2になる
時間を測定し、 1/E1/2(cm2/μJ)を計算した。また光照射10秒後の
表面電位V12、即ち、残留電位を測定した。又、実施例
1と同様にして、可視光でE1/2(lux−sec)を測定し
た。
(実施例3〜20) 電荷発生物質として表−1に例示した本発明の化合物
の内、表−6に掲げた化合物を夫々使用し、電荷輸送物
質として、表2〜5に例示した化合物の内、表−6に掲
げた化合物をそれぞれ使用し、実施例1と同様に感光体
を作製し、1/E1/2(cm2/μJ)及びE1/2(lux−sec)
を求めた。使用した電荷発生物質、電荷輸送物質および
1/E1/2(cm2/μJ)、E1/2(lux−sec)を実施例1及
び2と共に表−6に示す。
(比較例−1) α型無金属フタロシアニンを電荷発生物質として用い
た以外は実施例−1と同様にし、積層型感光体を作製し
た。実施例1と同様に測定した結果を表−6に示す。
(比較例−2) 下記化合物を電荷発生物質として用いた以外は実施例
−1と同様にして、積層型感光体を作製した。実施例1
と同様に測定した結果を表−6に示す。
〔発明の効果〕 実施例、比較例より明らかなように、比較例の電荷発
生物質であるα−フタロシアニン、ケイ素ナフタロシア
ニンの場合、波長780nm、830nmにおける感度(cm2/μ
J)が著しく悪く、かつ、光照射10秒後の表面電位V12
即ち残留電位も高い、これは可視光においても同様に感
度を表わす半減露光量(lux・sec)が大きく即ち感度が
悪く、かつ残留電位が大きいことが判る。
これに対し、本発明の電荷発生物質及び電荷輸送物質
を使用すると感度、残留電位共に良好な値となってい
る。
即ち本発明の電子写真感光体は、半導体レーザー発振
領域である波長800nm前後の光に対して高感度な特性を
有しており、シフト化剤で特別な処理をする必要がない
という優れた特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に有機光導電性物質を含有
    する光導電層を有する電子写真感光体において、前記光
    導電性物質が一般式(I) 〔式(I)中、nは1≦n≦16である。〕で表わされる
    化合物を含む電子写真感光体。
  2. 【請求項2】光導電層が電荷発生層と電荷輸送層より構
    成されており、かつ電荷発生層中に一般式(I)の有機
    光導電性物質を含有している請求項1記載の電子写真感
    光体。
  3. 【請求項3】電荷輸送層中に下記一般式(II) 〔式中、Ar1及びAr2は置換又は非置換のアリール基を表
    わし、R1は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表
    わし、R2及びR3は各々独立に置換又は非置換のアルキル
    基、置換又は非置換のアリール基を表わす。〕 で示される電荷輸送物質を含む請求項2記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】電荷輸送層中に下記一般式(III) 〔式中、k、l、m、nは0又は1を表わし、R4、R5
    R6、R7、R8、R9、R10及びR11は各々独立にアルキル基、
    置換又は非置換のアリール基を表わす。〕 で示される電荷輸送物質を含む請求項2記載の電子写真
    感光体。
  5. 【請求項5】電荷輸送層中に下記一般式(IV) 〔式中、R12、R13、R16及びR17は各々独立に水素原子、
    アルキル基、置換又は非置換のアリール基、複素環基を
    表わし、R14、R15、R18及びR19は各々独立にアルキル
    基、アラルキル基、置換又は非置換のアリール基を表わ
    す。〕 で示される電荷輸送物質を含む請求項2記載の電子写真
    感光体。
  6. 【請求項6】電荷輸送層中に下記一般式(V) 〔式中、R20及びR21は置換又は非置換のアリール基を表
    わし、R20とR21は直接もしくは連結基を介して結合して
    もよく、R22は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基も
    しくは置換又は非置換のフェニル基を表わし、R23及びR
    24はアルキル基、アラルキル基もしくは置換又は非置換
    のアリール基を表わし、少なくとも一方は置換又は非置
    換のアリール基である。〕 で示される電荷輸送物質を含む請求項2記載の電子写真
    感光体。
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