JP2874258B2 - 多連ピストンポンプ - Google Patents

多連ピストンポンプ

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JP2874258B2
JP2874258B2 JP2062416A JP6241690A JP2874258B2 JP 2874258 B2 JP2874258 B2 JP 2874258B2 JP 2062416 A JP2062416 A JP 2062416A JP 6241690 A JP6241690 A JP 6241690A JP 2874258 B2 JP2874258 B2 JP 2874258B2
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順 中辻
一徳 川舟
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多連ピストンポンプ、詳しくは、一つのポン
プにより複数の独立した吐出流量を取り出し可能とした
多連ピストンポンプに関する。
(従来の技術) 従来、此種多連ピストンポンプとして、特開昭52−35
304号公報に見られ、第5、6図に示している通り、シ
リンダブロック(A)の同心円上に、同じ内径の複数の
シリンダ(B)(C)を2組配設すると共に、これら2
組のシリンダ(B)(C)に連通する内側キドニー
(D)と外側キドニー(E)とを前記シリンダブロック
(A)に設ける一方、前記各シリンダ(B)(C)のう
ち、一つとび位置のシリンダ(B)を前記内側キドニー
(D)に、また残りのシリンダ(C)を前記外側キドニ
ー(E)にそれぞれ連通させると共に、前記シリンダブ
ロック(A)の一端面に対接するバルブプレート(F)
に、前記内側及び外側キドニー(D)(E)に連通する
一つの吸入ポート(G)と、前記内側キドニー(D)と
外側キドニー(E)とに個別に連通する二つの吐出ポー
ト(H)(I)とを設けて、前記シリンダ(B)(C)
に往復動自由に内装するピストン(図示せず)の往復動
により前記各吐出ポート(H)(I)から二つの独立し
た吐出流量を取り出す如く成したものが提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 所で、前記した如く複数のシリンダ(B)(C)にピ
ストンを往復動自由に内装し、これらピストンの往復動
により流体を吐出するようにしたピストンポンプにおい
ては、吐出流量の脈動を少なくするには、前記シリンダ
(B)(C)を多数(通常はそれぞれ5〜9個)設ける
必要があるが、前記した従来例では、2系統の吐出ライ
ンに対しては、前記シリンダ(B)(C)をそれぞれ3
個としているため、各吐出ラインにおける吐出流量に脈
動が生ずる問題を有している。
しかして、この脈動を少なくするには、前記シリンダ
(B)(C)の個数を、前記したように5〜9個にすれ
ばよいが、前記各シリンダ(B)(C)は、同心円上に
配置しているため、脈動を解消できる個数とした場合、
ピストン径に比してシリンダ(B)(C)のピッチ径が
非常に大きくなって、ポンプ全体が大型となる問題が生
ずる。また、一般に、前記ピストンポンプにおいては、
前記バルブプレート(F)の吐出ポートから前記シリン
ダブロック(A)に、該シリンダブロック(A)を前記
バルブプレート(F)から離反させようとする乖離力が
作用し、また、各シリンダ内に作用する吐出反力によ
り、前記シリンダブロック(A)をバルブプレート
(F)に押しつけようとする押付力とが作用するのであ
って、流体漏れ及びシリダブロック(A)の駆動負荷と
の関係から前記乖離力に対して押付力が2%程度大きく
なり、その差により前記シリンダブロック(A)をバル
ブプレート(F)に押しつけるように設計しているので
ある。
しかして、前記押付力は、前記シリンダ(B)(C)
の径、即ち、ピストンの断面積により決まり、これらシ
リンダ(B)(C)の往方向位置、即ち、シリンダブロ
ック(A)の回転中心に対する径方向位置は影響しない
のに対して、前記乖離力は、前記キドニー(D)(E)
を設けるキドニー部の大きさと径方向位置によって決ま
り、前記キドニー部の面積が大きく、また、前記キドニ
ー部の径方向位置が、径方向外方に位置する程乖離力も
大きくなるのである。従って、前記したごとく、同心円
上に設けるシリンダ(B)(C)の個数を増大する場
合、前記シリンダ(B)(C)のピッチ径が大きくなる
のに対し、シリンダ(B)(C)の径は大きくできない
(大きくすればよけいピッチ径が大きくなる)ことか
ら、前記キドニー部の面積は、前記シリンダ(B)
(C)の内径(ピストン径)とピッチ径とからあまり大
きくできないのである。
以上のように、キドニー部の面積を大きくできないこ
とから、吸入時、キドニー(D)(E)を流れる流体の
流速が増加すると共に、圧力低下が生じ、自吸性能(吸
込み性能)が悪くなると共に、前記シリンダ(B)
(C)のピッチ径が大きくなるため、前記シリンダブロ
ック(A)を回動させる駆動軸の回転数(角速度)の割
に前記外側キドニー(E)部の周速が大きくなり、この
周速の増加により吸入行程時における外側キドニー
(E)部の合成流速、即ち、ピストンの復動による軸方
向の流速(F1)とシリンダブロック(A)の回転による
周方向の流速(F2)との合成流速(F)が大きくなるた
め自吸性能(吸込み性能)が悪くなる問題があり、従っ
て、自吸性能を考慮した場合、前記シリンダブロック
(A)を高速駆動させられず、ポンプ性能に支障を来す
のである。
本発明は以上の問題点に鑑み発明したもので、目的
は、2つの独立した吐出流量をほぼ同じにできながら、
しかも、全体をコンパクトに形成できると共に、自給性
能を良好にすることができるようにする点にある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、シリンダブロック(3)の内周側と外周側
とに、複数の内側シリンダ(6)と外側シリンダ(7)
とを同心円上に設けて、これら各シリンダ(6)(7)
にそれぞれピストン(8)(9)を往復動自由に内装す
ると共に、内側キドニー(11)と外側キドニー(12)と
を同心円上に設け、これらキドニー(11)(12)に連通
する1対の吐出ポート(51)(53)を介して吸入ポート
(52)(54)から吸入する流体を独立して吐出するごと
く成す一方、前記内側シリンダ(6)の内径を外側シリ
ンダ(7)の内径より大径にすると共に、前記内側シリ
ンダ(6)を前記外側キドニー(12)に、また、前記外
側シリンダ(7)を前記内側キドニー(11)に連通させ
たものである。
しかして、内側シリンダ(6)の内径が外側シリンダ
(7)の内径より大径であるから、内側シリンダ内ピス
トン(8)のストロークと、外側シリンダ内ピストン
(9)のストロークとの違いにより2つの独立した吐出
流量をほぼ同一にできるのであり、又、外側キドニー
(12)を、内側シリンダ(6)内の断面積の大きいピス
トン(8)に対応して、大きく形成することができるの
で、この外側キドニー(12)部での自吸性能を良好にで
き、又、内側キドニー(11)は、外側シリンダ(7)よ
りも内方にあって吸入行程時における周速が小さいの
で、これら内側及び外側キドニー(11)(12)の自吸性
能を良好にできるのであって、前記シリンダブロック
(3)を、自吸性能を考慮して高速駆動させることがで
き、ポンプ性能を向上できるのである。
(実施例) 第1図に示した多連ピストンポンプは、斜板式アキシ
ァルピストンポンプであって、ポンプハウジング(1)
内に駆動軸(2)を介してシリンダブロック(3)を回
転自由に支持すると共に、このシリンダブロック(3)
に対し傾動可能な斜板(4)を設ける一方、前記シリン
ダブロック(3)の一端面と対接するバルブプレート
(5)を前記ポンプハウジング(1)内に取付けてい
る。そして、前記シリンダブロック(3)には、その内
周側と外周側とに、複数(図面では7個)の内側シリン
ダ(6)と複数(図面では7個)の外側シリンダ(7)
とを同心円上に設けて、これら各シリンダ(6)(7)
にそれぞれ内側及び外側ピストン(8)(9)を往復動
自由に内装し、これら各ピストン(8)(9)の一端を
前記斜板(4)に対接させると共に、前記各シリンダ
(6)(7)内に、前記各ピストン(8)(9)を前記
斜板(4)方向に付勢するコイルスプリング(10)(1
0)を内装する一方、前記シリンダブロック(3)のバ
ルブプレート(5)との対向面に、前記各内側シリンダ
(6)及び外側シリンダ(7)に連通する内側キドニー
(11)と外側キドニー(12)とを同心円上に設けてい
る。又、前記バルブプレート(5)には、その内周側と
外周側とに、前記内側キドニー(11)と連通する内側吸
入ポート(52)及び内側吐出ポート(51)と、前記外側
キドニー(12)に連通する外側吸入ポート(54)及び外
側吐出ポート(53)とを同心円上に設けている。そし
て、前記シリンダブロック(3)の駆動軸(2)による
回転により前記各ピストン(8)(9)を往復動させ
て、その復動による吸入行程時、前記内側及び外側吸入
ポート(52)(54)から内側及び外側キドニー(11)
(12)を介して内側及び外側シリンダ(6)(7)内に
流体を吸入し、往動による吐出行程時、前記内側及び外
側シリンダ(6)(7)内の流体を、内側及び外側キド
ニー(11)(12)を介して内側及び外側吐出ポート(5
1)(53)に吐出するようにしており、又、前記斜板
(4)の傾斜角を調整することにより、前記内側ピスト
ン(8)のストロークと、外側ピストン(9)のストロ
ークとを任意に調整できるようにしている。又、前記ポ
ンプハウジング(1)には、前記各吸入ポート(52)
(54)に連通する一つの吸入通路(13)と、前記吐出ポ
ート(51)(53)と各別に連通する二つの吐出通路(1
4)(15)とを設けている。尚、以上の如くシリンダブ
ロック(3)の内周側と外周側とに内側シリンダ(6)
と外側シリンダ(7)とを設けた場合、内側シリンダ
(6)のピッチ径は、外側シリンダ(7)のピッチ径よ
り小さいので、内側ピストン(8)のストロークは、外
側ピストン(9)のストロークより短いのである。
しかして、第1〜4図に示した実施例では、前記各内
側シリンダ(6)の内径(D1)を各外側シリンダ(7)
の内側(D2)より大径に形成すると共に、前記各内側シ
リンダ(6)を前記各外側キドニー(12)に、また、前
記各外側シリンダ(7)を前記各内側キドニー(11)に
それぞれ連通させたのである。
以上の如く内側シリンダ(6)の内径(D1)を各外側
シリンダ(7)の内径(D2)より大径に形成することに
より、内側シリンダ(6)からの吐出流量[内側ピスト
ン(8)の断面積×ストローク]と、外側シリンダ
(7)からの吐出流量[外側ピストン(9)の断面積×
ストローク]とをほぼ同一にできるのである。しかも、
内径を大径に形成した内側シリンダ(6)を外側キドニ
ー(12)に連通させることにより、この外側キドニー
(12)を、断面積の大きい内側ピストン(8)に対応し
て、大きく形成することができるので、この外側キドニ
ー(12)部での周速が大きくても、キドニーの大きな面
積によって合成流速を小さくでき、自吸性能を良好にで
きるのである。又、内側キドニー(11)は、内側シリン
ダ(6)の内径より小さい内径の外側シリンダ(7)に
連通しているため、キドニー面積は小さくなるが、ピッ
チ径が小さくなる内方位置にあるため、この内側キドニ
ー(11)部での周速を小さくでき、自吸性能を良好にで
きるのである。何れにしても内側キドニー(11)部及び
外側キドニー(12)部での自吸性能を良好にできるので
ある。因に、前記内側シリンダ(6)を内側キドニー
(11)に、また、外側シリンダ(7)を外側キドニー
(12)に連通した場合、外側キドニー(12)の面積は、
プレッシャバランス上、小さくする必要があるため、外
側キドニー(12)部の周速は、内側キドニー(11)部の
周速に比べて大きくなり、それだけ外側キドニー(12)
部の自吸性能が内側キドニー(11)部の自吸性能に比し
て悪くなるのである。従って、自吸性能を考慮してポン
プを運転する場合、前記シリンダブロック(3)は、自
吸性能の悪い外側キドニー(12)部の自吸性能に基づい
た回転数で駆動する必要があり、それだけ高速回転がで
きなくなるのである。所が、本発明によれば、前記した
如く内側キドニー(11)部及び外側キドニー(12)部で
の自吸性能を共に良好にできるから、外側キドニー(1
2)部の自吸性能に基づいた回転数で駆動する場合で
も、外側キドニー(12)部の自吸性能に基づいた回転数
で駆動する場合でも、前記シリンダブロック(3)を、
内側及び外側シリンダの内径を同径に形成する場合に比
して高速回転することができるのである。
尚、以上の実施例では、斜板式アキシァルピストンポ
ンプについて説明したが、その他斜軸式アキシァルピス
トンポンプであってもよいし、又、他の構造のピストン
ポンプであってもよい。
(発明の効果) 以上の如く本発明は、シリンダブロック(3)の内周
側と外周側とに、複数の内側シリンダ(6)と外側シリ
ンダ(7)とを同心円上に設けて、これら各シリンダ
(6)(7)にそれぞれピストン(8)(9)を往復動
自由に内装すると共に、内側キドニー(11)と外側キド
ニー(12)とを同心円上に設け、これらキドニー(11)
(12)に連通する1対の吐出ポート(51)(53)を介し
て吸入ポート(52)(54)から吸入する流体を独立して
吐出するごとく成す一方、前記内側シリンダ(6)の内
径を外側シリンダ(7)の内径より大径にすると共に、
前記内側シリンダ(6)を前記外側キドニー(12)に、
また、前記外側シリンダ(7)を前記内側キドニー(1
1)に連通させたから、2つの独立した吐出流量をほぼ
同じにでき、かつ、吐出流量の脈動を少なくできなが
ら、しかも、全体をコンパクトに形成することができる
のである。その上、外側キドニー(12)を、断面積の大
きい内側ピストン(8)に対応して、大きく形成するこ
とができるので、この外側キドニー(12)部での周速が
大きくても、キドニーの大きな面積によって流速を小さ
くでき、自吸性能を良好にできるのであり、又、内側キ
ドニー(11)は、ピッチ径が小さくなる内方位置にある
ため、この内側キドニー(11)部での周速を小さくで
き、自吸性能を良好にできるのである。従って、外側キ
ドニー(12)部の自吸性能に基づいた回転数で駆動する
場合でも、外側キドニー(12)部の自吸性能に基づいた
回転数で駆動する場合でも、前記シリンダブロック
(3)を高速回転することができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明ポンプの一実施例を示す一端部を省略し
た断面図、第2図はシリンダブロック部分のみの断面
図、第3図は第2図における左側面図、第4図は第2図
IV−IV線断面図、第5図は従来例の断面図、第6図は同
シリンダブロックのみの側面図である。 (3)……シリンダブロック (5)……バルブプレート (51)(53)……吐出ポート (52)(54)……吸入ポート (6)……内側シリンダ (7)……外側シリンダ (8)(9)……ピストン (11)……内側キドニー (12)……外側キドニー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロック(3)の内周側と外周側
    とに、複数の内側シリンダ(6)と外側シリンダ(7)
    とを同心円上に設けて、これら各シリンダ(6)(7)
    にそれぞれピストン(8)(9)を往復動自由に内装す
    ると共に、内側キドニー(11)と外側キドニー(12)と
    を同心円上に設け、これらキドニー(11)(12)に連通
    する1対の吐出ポート(51)(53)を介して吸入ポート
    (52)(54)から吸入する流体を独立して吐出するごと
    く成す一方、前記内側シリンダ(6)の内径を外側シリ
    ンダ(7)の内径より大径にすると共に、前記内側シリ
    ンダ(6)を前記外側キドニー(12)に、また、前記外
    側シリンダ(7)を前記内側キドニー(11)に連通させ
    たことを特徴とする多連ピストンポンプ。
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CN103899512A (zh) * 2014-02-13 2014-07-02 吴先亮 一种气室转换周复式两用泵

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