JP2873959B1 - 撥水剤を用いた水耕栽培装置 - Google Patents

撥水剤を用いた水耕栽培装置

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JP2873959B1
JP2873959B1 JP10073919A JP7391998A JP2873959B1 JP 2873959 B1 JP2873959 B1 JP 2873959B1 JP 10073919 A JP10073919 A JP 10073919A JP 7391998 A JP7391998 A JP 7391998A JP 2873959 B1 JP2873959 B1 JP 2873959B1
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茂貴 古谷
健一郎 安場
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農林水産省 野菜・茶業試験場長
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Abstract

【要約】 【課題】 水耕栽培に使用される容器の全面に撥水剤を
塗布して養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根に酸素を
供給して成長を促進する。 【解決手段】 水耕栽培に使用され、養液を収容する容
器であって、この容器の全面に撥水性表面改質剤(撥水
剤)を塗布し、養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根に
酸素を供給して作物の成長を促進するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水耕栽培に使用さ
れる容器に関し、詳しくは、容器の全面に撥水剤を浸透
させて養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根に酸素を供
給して成長を促進するようにした撥水剤を用いた水耕栽
培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】わが国の水耕栽培の面積は年々増加して
いる。この水耕栽培に使用され、養液を収容する容器
は、一般にはコンクリートやプラスチックにより形成さ
れ、栽培中養液が外部に漏出しないように防水処置が施
されている。
【0003】一方、水耕栽培を行う際には、養液中に延
びている根に対して酸素を供給する必要があり、従来、
いくつかの手段が講じられている。例えば、エアーポン
プを用いて養液中の酸素濃度を高めたり、根が空気に触
れるようにしたりする、などの方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、栽培装置が複雑になったり、コストがか
かったりする、などの問題点があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点、課題を解
決するためになされたもので、養液を収容する容器の全
面に、予め撥水剤を浸透させておくだけで、特別の手段
を講じることなく養液中の溶存酸素濃度を高めることが
できる撥水剤を用いた水耕栽培装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、水耕栽培に使用され、養液を収容する容
器において、上記容器の全面に撥水性表面改質剤(撥水
剤)を浸透させ、養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根
に酸素を供給して作物の成長を促進するようにしたこと
を特徴としている。
【0007】
【作用】上記の手段により本発明の撥水剤を用いた水耕
栽培装置は、容器の全面に浸透させた撥水剤により、容
器全体が撥水性を持ち、容器全体が空気の層のようにな
り、養液中に酸素が溶け込み易くなり、養液の溶存酸素
濃度が高められ、作物の根に酸素が供給されて作物の成
長を促進し、作物の収量及び品質を高める。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面及び表を参照して具体的に説明する。図1は本発明に
よる撥水剤を用いた水耕栽培装置を実施するための水耕
栽培装置1を示し、この水耕栽培装置1に使用される容
器は、植木鉢と同様の素焼鉢2(a)、コンクリートま
たはプラスチックベッド3(b)により構成されてい
る。素焼鉢2の底の穴はシリコンシーラントにより塞が
れている。コンクリートまたはプラスチックベッド3
は、コンクリート板またはプラスチック板を、上面が解
放された長立方形の箱状に組み立て、各角部の内側を防
水処理したものである。
【0009】上記素焼鉢2及びコンクリートベッド3の
全面に、オルガノシラン系の化合物からなる撥水性表面
改質剤(撥水剤)4が浸透されている。そして、素焼鉢
2及びコンクリートベッド3またはプラスチックベッド
3内に所定量の養液5が収容され、この養液5の上面
に、作物の移植床となる発泡スチロール板6が浮かべら
れ、この発泡スチロール板6に、作物7がその根が下方
の養液5に浸るようにして植え付けられ、栽培されるよ
うになっている。
【0010】(実験例1)図1(a)に示す撥水剤4を
塗布し、浸透させた処理区である素焼鉢2(直径18c
m)を2個と、対照区として、素焼鉢2と同様の外観の
素焼鉢の底の穴をシリコンシーラントにより塞ぎ、外周
面に防水用のシリコンシーラントを塗布したものを2個
用いた。養液5は、O-K-F1(N:K:P=15:
8:17)の1000倍希釈液を用いた。作物7はホウ
レンソウ(品種=アクティブ)を供試し、平成9年9月
12日にセルトレイに播種し、10月15日に各発泡ス
チロール板6に4株ずつ移植(定植)した。栽培期間
中、養液5の温度、溶存酸素濃度(DO)、EC値及び
pHを測定した。11月10日に作物7(ホウレンソ
ウ)をサンプリングし、新鮮重及び乾物重を調査した結
果を表1に示す。また、栽培期間中の養液5の溶存酸素
濃度の変化を図2に示す。
【表1】
【0011】図2で明らかなように、撥水剤4を塗布
し、浸透させた処理区では、対照区に比べて栽培期間を
通して溶存酸素濃度が高くなった。EC値、pH及び水
温は処理区と対照区間に大きな差がなかった。表1で明
らかなように、作物7(ホウレンソウ)の新鮮重及び乾
物重は撥水処理を行った方が、対照区より大きくなっ
た。
【0012】(実験例2)図1(b)に示す撥水剤4を
塗布した処理区であるコンクリートベッド3とプラスチ
ックベッド3(各900×400×250mm)を各1
個と、対照区として、撥水剤4を塗布しないコンクリー
トベッドとプラスチックベッドを各1個用いた。養液5
は、実験例1と同様にO-K-F1(N:K:P=15:
8:17)の1000倍希釈液を用い、1ベッド当り2
40gのコーティング肥料(N:K:P=12:10:
11)を施用した。作物7はトマト(品種=桃太郎)を
供試し、平成9年9月12日にセルトレイに播種し、1
0月23日に各発泡スチロール板6に8株ずつ移植(定
植)した。調査項目は実験例1と同様とした。栽培期間
中の養液5の溶存酸素濃度の変化を図3に示す。
【0013】図3から明らかなように、実験例1と同様
に撥水処理を行ったときの方が撥水処理を行わない対照
区より栽培期間を通して溶存酸素濃度が高くなった。
【0014】以上の結果から、水耕栽培容器の全面に撥
水処理を施すことで養液の溶存酸素濃度を高く保つこと
ができ、作物に対する酸素の供給が円滑に行われ、作物
の成長を促進したものと考えられる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の撥水剤を
用いた水耕栽培装置によれば、水耕栽培に使用され、養
液を収容する容器の全面に撥水剤を浸透させ、養液の溶
存酸素濃度を高め、作物の根に酸素を供給して作物の成
長を促進するようにしたので、容器の全面に浸透させた
撥水剤により、容器全体が撥水性を持ち、容器全体が空
気の層のようになり、養液中に酸素が溶け込み易くな
り、養液の溶存酸素濃度が高められ、作物の根に酸素が
供給されて作物の成長を促進し、作物の収量及び品質を
高めることができる。従って、容器の全面に撥水剤を浸
透させておくだけで、水耕栽培期間中に他の手段を用い
て養液中に酸素を供給する必要がなく、余計な装置や手
間を要しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撥水剤を用いた水耕栽培装置を実
施するための水耕栽培装置を示し、(a)は素焼鉢(実
験例1に使用)、(b)はコンクリートまたはプラスチ
ックベッド(実験例2に使用)の斜視図である。
【図2】水耕栽培装置による栽培期間中の養液の溶存酸
素濃度の変化を示すグラフである(実験例1)。
【図3】水耕栽培装置の容器を変えた場合の栽培期間中
における養液の溶存酸素濃度の変化を示すグラフである
(実験例2)。
【符号の説明】
1 水耕栽培装置 2 素焼鉢(容器) 3 コンクリートまたはプラスチックベッド(容器) 4 撥水性表面改質剤(撥水剤) 5 養液 6 発泡スチロール板(移植床) 7 作物

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水耕栽培に使用され、養液を収容する容
    器において、 上記容器の全面に撥水性表面改質剤(撥水剤)を浸透さ
    せ、養液の溶存酸素濃度を高め、作物の根に酸素を供給
    して作物の成長を促進するようにしたことを特徴とする
    撥水剤を用いた水耕栽培装置。
JP10073919A 1998-03-23 1998-03-23 撥水剤を用いた水耕栽培装置 Expired - Lifetime JP2873959B1 (ja)

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