JP2872317B2 - アファノマイセスに対して有効な生物学的接種原 - Google Patents

アファノマイセスに対して有効な生物学的接種原

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JP2872317B2 JP50880589A JP50880589A JP2872317B2 JP 2872317 B2 JP2872317 B2 JP 2872317B2 JP 50880589 A JP50880589 A JP 50880589A JP 50880589 A JP50880589 A JP 50880589A JP 2872317 B2 JP2872317 B2 JP 2872317B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (関連出願) 本出願は1983年8月3日に登録された出願番号第07/2
27,810号の継続出願である。
(関連分野) 本発明は一般的に植物の接種原に関し、特に菌類アフ
ァノマイセス エウテイチェス(Aphanomyces euteiche
s)によって引き起こされるエンドゥなどの植物の根腐
れを抑制するのに有効な生物学的接種原に関する。
(発明の背景) 農場穀物は常に穀物の生育を妨げ、もしくは阻害し得
るかもしくは穀物を完全に破壊し得る数々の悪疫に悩ま
されている。この悪疫の1つは所望される植物と同様に
生育しかつ土壌および水によって提供される栄養源を争
う雑草である。またもう1つの悪疫は多くの植物と共に
発見される菌類および細菌などの病原体である。
植物における菌類病原体に関するより深刻な問題の1
つは根腐れである。たとえば菌類アファノマイセス エ
ウテイチェス(Aphanomyces euteiches)により引き起
こされる豆の根腐れは特にウイスコンシンや他の五大湖
周辺の州などの豆栽培地域の深刻な問題となっている。
アファノマイセス菌は豆ばかりでなくスナップビーンや
アルファルファに感染し10〜15%の収穫の損失を招く。
極端な場合、該菌類が数年間成育してきた畑は基本的に
これらの穀物には使用できない。
抗菌剤や本病原体に耐性のある市販の豆の栽培変種植
物(cultivar)を開発する努力にもかかわらず、現在ア
ファノマイセス(Aphanomyces)を抑制し得る市販の産
物ではない。現在この病気の損失を回避する最も良い方
法は高密度のアファノマイセス菌を含む土壌に感受性の
ある穀物を移植するのを避けることである。不幸なこと
にこの菌類は畑地に何年間も生存し得、かつ他の穀物に
対する長い輪作期間は実際的ではない。結果的にアファ
ノマイセスや他の菌類により引き起こされる根腐れを除
外する病気抑制代替策を見つける必要がある。
これらの病気を抑制するために生物を使うことへの興
味が増している。微生物は土壌中土壌1立方インチ当り
およそ10億個の密度で生存する。これらの微生物のある
ものは病気を引き起こし、またあるものは有益である。
この有益な微生物には大変興味が持たれる。農業ではこ
れらの微生物接種原のあるものが特定の植物種の生育を
容易にし、もしくは特定の病原体生物を抑制してその植
物を助けるのに用い得ることが長年知られてきた。たと
えば大豆や他のまめ科植物の栽培時にリゾビウム(Rhiz
obium)属の細菌培養物を接種することが一般的に行な
われており、その結果植物−細菌共生により窒素固定根
りゅうが形成される。
現在きゅうりや豆のピシウム(Pythium)病の抑制に
有効な特定のシュードモナス セパシア(Pseudomonas
cepacia)種を公開したラムスデン(Lumsden)等の米国
特許第4,588,584号が参照される。また種々の植物病の
生物的抑制剤としてのシュードモナス フルオレセンス
(Pseudomonas fluorescens)の使用に関する多くの文
献があるがアファノマイセス菌に関するものはまだな
い。本明細書で使用している“生物的抑制剤”という語
句は病気を抑制する生物を意味している。
(本発明の概要) したがって本発明の目的は畑において豆の根腐れを生
物学的に抑制するのに有効な生物的抑制剤を提供するこ
とである。
また本発明の目的は豆やその他の野菜および畑穀物の
死亡率を減少するのに有効な生物的抑制物を提供するこ
とである。
さらに本発明の目的はアファノマイセスがはびこる土
壌における穀物収穫量を増加する方法を提供することで
ある。
これらの目的はアファノマイセスを抑制するため植物
にAMMA,AMMD,PRA25,5A,AM,CRK419およびこれらの混合物
からなる群から選ばれ細菌株の基本的に生物学的に純粋
な培養物の有効量を接種することにより植物のアファノ
マイセス菌病を抑制する方法に関する本発明により達成
される。
また本発明はシュードモナス セパシアおよびシュー
ドモナス フルオレセンスからなる群から選ばれる細菌
株の基本的に生物学的に純粋な培養物の生育促進効果量
を豆植物に接種することによる豆植物の発芽の増加、植
物死亡率の減少および収穫量の増加の方法に関する。
また本発明はAMMA,AMMD,PRAZ5,5A,AM,CRK419、および
これらの混合物からなる群から選ばれる細菌の基本的に
生物学的に純粋な培養物を含む、植物のアファノマイセ
ス菌病を抑制するための生物学的接種物に関する。
また本発明はシュードモナス セパシアまたはシュー
ドモナス フルオレセンスの接種原で接種した豆の種を
含む農業的に有効な組成物に関する。
また本発明は豆などの畑穀物に関するアファノマイセ
スを抑制する接種原を公開している。本明細書で使用し
ている“接種原”という語句は宿主基質または土壌に導
入される生物学的抑制剤を意味する。この接種原の先の
段落で述べた細菌の基本的に生物学的に純粋な培養物を
含む。
本発明で公開している細菌株およびその使用法はアフ
ァノマイセスの抑制に有意な進歩を示している。この細
菌株は天然の生物の生物学的に純粋な培養物であり、環
境汚染の危険がほとんどないので大量の接種原をアファ
ノマイセスがはびこる地域に適用することができる。除
草剤に由来する地下水汚染および大気汚染に対する大衆
の関心の観点から本発明に公開されている抑制法は化学
的除草剤およびその他の抑制法に対する魅力的でかつ経
済的な代替法である。
本発明のその他の目的、利点および特性は添付した図
式と合せて以下に示す明細から明白となろう。
(図の簡単な説明) 第1図はシュードモナス セパシアAMMAの脂肪酸の質
量スペクトル分析パターンを示すグラフである。
第2図はシュードモナス セパシアAMMDの脂肪酸の質
量スペクトル分析パターンを示すグラフである。
第3図はシュードモナス フルオレセンスPRA25の脂
肪酸の質量スペクトル分析パターンを示すグラフであ
る。
第4図は生物的抑制活性を観測するのに有用な植物バ
イオアッセイを図式的に説明している。
第5図はコリネバクテリウム フルカム フェイシャ
ンス(Corynebacterium flaccum faciens)5Aの脂肪酸
の質量スペクトル分析パターンを示すグラフである。
第6図は細菌AM株の脂肪酸の質量スペクトル分析パタ
ーンを示すグラフである。
第7図は細菌CRK419株の脂肪酸の質量スペクトル分析
パターンを示すグラフである。
(発明の詳細な説明) 本発明は畑穀物をシュードモナス セパシア(Pseudo
monas cepaci)種株、シュードモナス フルオレセンス
(Pseudomonas fluorescens)種株、コリネバクテリウ
ム フラカム フェイシャンス(Corynebacterium flac
cum faciens)種株およびバチルス(Bacillus)株から
選ばれる生物学的に純粋な細菌接種原で接種することに
よりアファノマイセス菌、特にアファノマイセスエウテ
イチェスが蔓延する畑穀物の生育および生存率の改善に
関する。
本発明に関する細菌の特定の株が本発明者により発見
され、かつ現在知られている以下の名称により表わされ
ている。
シュードモナス セパシアAMMA シュードモナス セパシアAMMD シュードモナス フルオレ センスPRA25 コリネバクテリウム フラカムフェイシャンス5A バチルス/コリネバクテリウム sp AM バチルスCRK419 当初上述の細菌株は畑の豆植物と共存する200株以上
の細菌から単離した。細菌シュードモナス フルオレセ
ンスPRA25株および5A株およびAM株は当初、自然に蔓延
した豆根腐れ地帯であるウイスコンシン大学−アーリン
トン試験農場豆根腐れ苗床の土壌に生育する健康そうな
豆植物の根圏から単離した。細菌シュードモナス セパ
シアAMMA株およびシュードモナス セパシアAMMD株は当
初ウイスコンシン大学−アーリントン試験農場由来のア
ファノマイセス菌が蔓延していることが知られている土
壌だげで生育している健康そうに見える豆植物の根圏か
ら単離した。CRK419と称する不明確な分類による株(お
そらくバチルス)を以前に豆を栽培したウイスコンシン
州オザウキー地方フレドニア近郊のトウモロコシ畑から
単離した。
目的とする細菌株は以下の方法で集菌した。豆植物の
根系を取り、揺り動かして過剰の土壌を振り落とした。
この根の胚軸およびエピコチルセグメントを蒸留水に入
れ、超音波処理後TSAC(トリプシン処理大豆寒天シクロ
ヘキサミド)培地中従来のプレート希釈工程で単離し
た。シクロヘキサミドは抗菌剤である。その後コロニー
を従来法に従って選択およびスクリーニングした。該細
菌株は使用する前およそ−80℃でDMSO溶液中に保存す
る。
該細菌株は比較的簡単に大量に培養できることが分っ
た。該株は市販のブイヨンイースト(NBY)抽出物など
の適当な培養培地で培養する。細菌が生育してから増殖
して、該株の基本的に生物学的に純粋な培養物が生成し
これを収穫する。“生物学的に純粋な培養物”という語
句は基本的に他の細菌株を有さない細菌培養物を意味す
る。
その後この細菌株をアファノマイセス菌が自然に、も
しくは人工的に蔓延する土壌における生物学的抑制活性
についてスクリーニングし、どの細菌株が有効な生物学
的抑制剤であるかを決定する。
選択した生物学的抑制剤を植え付け前に植物種子たと
えば豆の種子にコーティングした。種子のコーティング
の好ましい方法はその種子に適用する生物学的阻害のな
い“キャリヤーと該細菌株を組合せるものである。キャ
リヤーが該細菌株の生育を阻害せず、かつ該細菌の非存
在下アファノマイセスに影響を与えない場合、これを
“生物学的に阻害しない”と考える。細菌を培養した栄
養培地は十分満足できる培地であることが分った。適当
な細菌剤すなわちカプタンも種子にコートし得る。該培
養物は種子コート後の空気乾燥によっても生残してい
る。好ましいキャリヤーは水性液体であり、特に無菌蒸
留水が望ましい。該細菌株による種子のコーティングが
好ましいが、アファノマイセス菌に該細菌株を分散させ
る簡便な方法を提供する他の工程も本発明の範囲および
精神に含まれる。たとえば細菌株を種子の植え付け前直
接土壌に適用することもできる。
接種原を実際に植物種子にコーティングするにして
も、また種子を植え付けるあぜ溝に挿入するにしても該
接種源は適当なキャリヤーまたは希釈剤で希釈し、取扱
いが容易となりかつ操作するのに適した十分な量とする
ことが好ましい。適当なキャリヤーの例には水、ベルミ
キュライトなどの顆粒状鉱物、土壌または泥が含まれ
る。
他の人々がこれらの株の培養物を入手し得るように、
これらのサンプルをアメリカンカイプカルチャーコレク
ション(ATCC)に保管した。これらのサンプルは以下の
受理番号および登録期日により同定し得る。
さらに細菌株を同定するため各根圏培養物の脂肪酸プ
ロフィールを質量スペクトル分析で測定した。本明細書
の“根圏”という言葉は植物の根に影響を与える土壌圏
を意味する。
第1図を参照したシュードモナスセ パシアAMMAの脂
肪酸プロフィールを測定したテスト結果を以下の第1表
に示す。
第2図を参照してシュードモナス セパシアAMMDの脂
肪酸プロフィールの結果を以下の第2表に示した。
第3図を参照したシュードモナスフルオレセンスPRA2
5の脂肪酸プロフィールの測定結果を以下の第3表に示
す。
第5図は5A株の質量スペクトル分析で測定した脂肪酸
プロフィールを示している。5A株はコリネバクテリウム
またはバチルス類であるにもかかわらず該株の正確な系
統的分類は明確ではなく、現在はコリネバクテリウムフ
ラカムフェイシャンスに分類されると信じられている。
これはグラム陽性の非運動生桿状体細胞であり、NBY上
で回りに縁をもつなめらかな明黄色コロニーを形成す
る。該細菌は好気性、カタラーゼ陽性、オキシダーゼ陰
性であり、TTC寒天上で増殖する。さらに該種の分類を
確定するため全生体のメタノール分解物の薄層クロマト
グラフィー分析を行う必要がある。脂肪酸の分析結果を
以下の第4表に要約した。
AM株も明確に分類されていない。これはバチルスポリ
ミクサ(Bacillus polymyxa)/サーキュランス(circu
lans)/マセランス(macerans)類に属するように思わ
れる。しかしこれはまたコリネバクテリウムにも属し得
る。第6図を参照したAM株の脂肪酸プロフィールの結果
を以下の第5表に示す。
CRK419株はバチルス株でおそらくバチルス ファーマ
ス(firms)である。第7図を参照したバチルスCRK419
株の脂肪酸プロフィールの結果を以下の第6表に示す。
例 (例1) 例1ではアファノマイセス菌に対する有効な生物的抑
制剤である特定の細菌株の単離および測定を行ってい
る。アファノマイセスが蔓延するウィスコンシンの土壌
で生育する豆の根からおよそ200個の細菌株を単離し
た。各単離物をブイヨン(NBY)中で増殖し、これをカ
プタン処理した豆種子(パーフェクション8221)にコー
トした。“カプタン”という語は化学名N−(トリクロ
ロメチルチオ)テトラヒドロフタルイミドを有する殺菌
剤を意味する。該コート化種子を植え付け前に空気乾燥
した。
その後、該コート化種子およびコントロール種子を第
4図に示したような滅菌土壌または自然に細菌(アファ
ノマイセスが蔓延する畑土壌を60ccのトウモロコシ型容
器中に植えつけた。他言しないかぎり各実験のコントロ
ールにはカプタン処理した豆種子を用いた。滅菌土壌に
植えつけ6日後2×104個のアファノマイセスを接種し
た。それからこの植物を温室条件下およそ3週間生育さ
せた。その後その病状および若芽乾燥重量を測定した。
第7表にリストした細菌株は制限条件下における若芽
乾燥重量の改良および病状軽減に関し最良の株であるこ
とを確認した。
根腐れおよび病気の重度の軽減並びに若芽乾燥重量の
増加に関し最も大きい可能性を示す細菌株を畑の条件下
でテストした(例2および3) (例2) 例2は生物的抑制活性に関し例1で最も大きい可能性
を示した12種の細菌株をテストするために計画した。該
細菌株を培養後例1に従って豆種子にコーティングし
た。その後種子を各100個づつ17列からなる畑に植え、
その各々を無作為に5回反復した。この植物を1シーズ
ン(8週間)生育させた。週毎に植物の死亡率を評価
し、かつ植物収率を測定した豆植物の乾燥重量を用いて
決定した。その病気は本実験で豆さやが形成されないほ
ど流行しているものであったことが注目される。例2の
結果を以下の第8表に示した。
(例3) 例2と同様に本例はある密度範囲のアファノマイセス
を有する場所で行なわれる畑試験を含む。例3は5種の
細菌株とコントロールをテストするよう計画した。方法
および材料は例2と同様のものを用いて行った。アファ
ノマイセスによる植物死亡率は週毎に評価した。植物収
量は種子乾燥期の豆の乾燥重量を使用して測定した。こ
の実験結果を第9表に示す。
第 9 表 細菌株 豆の平均乾燥重量,g 収量変化率
(%) コントロール 175 − AM 158 −10 5A 189 8 PRA25 210 12 CRK419 215 23 AMMD 282 61 第3表から細菌AMMD株は非コート化コントロールと比
べ平均種子収量が61%も増加していることが分る。
(例4) 例3と同様に、例4は畑において細菌株をテストする
よう計画した。6種の細菌株およびコントロールを例2
と同様の条件下でテストした。例2とは異なり、収量は
生豆の重量を用いて測定した。例4の結果を以下の第10
表に示す。
第 10 表 細菌株 平均生豆重量,g 収量変化率(%) コントロール 105 − UW85 119 13 CRK419 155 41 PRA25 166 58 5A 177 69 AMMD 188 79 AM 209 * 99 * ダネットテスト値P 0.5以下 いくつかの細菌株は13〜99%豆収量を増加した。シュ
ードモナスセ パシアAMMD株は79%増加し、またシュー
ドモナス フルオレセンスPRA25株は58%増加した。ど
の細菌株も土壌1グラム当りアファノマイセス増殖物を
含まない畑では豆収量を増加しなかったことが注目され
る。
以下の実験、例5〜13は細菌がどのように働いている
かに関する情報を提供するよう計画した。細菌による生
物的抑制のメカニズムは知られていないが、ペトリ皿で
行ったテストから生物的抑制を行う細菌は菌類の増殖を
制限する物質を産生することが示唆されている。この物
質は土壌中の菌類の増殖を減少させる抗生物質として作
用している可能性がある。
(例5) 例5はアファノマイセスの遊走子に関する細菌培養物
の影響をテストした。テストを行う前に生育培地、NBY
ブイヨンの1%溶液はアファノマイセス遊走子の死亡率
に影響しないことが測定された。細菌シュードモナス
セパシアAMMD株およびバチルス セレウス(Bacillus c
ereus)(UW85)株を細菌培養に関し以前に説明した条
件下NBY生育培地中で生育させた。その後この細菌株を
原液の1%となるように希釈し、ついでアファノマイセ
ス菌の遊走子を含むペトリ皿に入れた。細菌株添加後30
分にアファノマイセス遊走子の死亡率を測定し、ついで
細菌株添加後6時間に包嚢(のう)の発芽を定量した。
包のう発芽は菌類生存率のテストである。
運動性のランクを以下に示す。
0=運動性なし 1=若干の運動性 2=およそ半分の運動性 3=一般的運動性 4=チェック時の放出初期にみられる最高の運動
性 細菌およびコントロール(湖水および1%NBYブイヨ
ン)で、30分間処理した後の遊走子運動性に関する影響
を第11表に示す。
第 11 表 細菌株 運動性 湖水 * 3.0 NBY * 3.0 バチルス セレウス 1.6 AMMD 0.2 * コントロール 以下の第12表はアファノマイセス菌における包のう発
生に対する細菌およびコントロール処理の6時間後の影
響を示している。
第 12 表 細菌株 発芽率% NBY 58.6 AMMD 22.6 湖水 17.4 バチルスセレウス 13.6 * コントロール これらの操作の再現テストもAMMAが10分間で運動性を
除去し、ならびに包のう発芽を遅延することを示した。
(例6) 例6はアファノマイセス菌の遊走子運動性に関する特
定の細菌株の効果とコントロールとの比較を行ったもの
である。実験操作は例5で述べたものに従った。アファ
ノマイセスに細菌株(またはコントロール)を添加して
から10分後、遊走子の運動性に関する効果を観察した。
この結果を以下の第13表に示す。
第 13 表 処理物 運動性 ブイヨンのみ 2.0 AM 2.0 PRA25 1.9 CRK419 1.9 BC 1.8 5A 1.4 AMMA 0.0 AMMD 0.0 * 値は5回の実験の平均値である。
(例7) 例7ではアファノマイセスの菌糸体増殖、遊走子運動
性および包のう発芽に関する種々の細菌株の効果を比較
した。例7の実験操作は例5に従った。例7の結果は以
下の第14表に示した。
第 14 表 細菌株 菌糸体増殖 遊走子運動性 包のう発芽 AMMA +++ +++ +++ AMMD +++ +++ +++ PRA25 +++ − − AM +++ − − CRK419 − ** − − 5A − + − UW85 + *** − − *活性の停止,**活性変化なし,***活性のわずか
な減少 (例8) 例8では包のう発芽に関し細菌シュードモナス セパ
シアAMMD株の効果をコントロール(NBYブイヨン)と比
較したものである。例8の操作は例5と同様に行った。
本実験の結果を以下の第15表に示す。
第 15 表 処理 包のう発芽率(%) ブイヨンのみ 58.6 AMMD 22.6 (例9) 例9はアファノマイセス遊走子に関するシュードモナ
ス セパシアAMMDのインビトロにおける効果をテストし
たものである。細菌シュードモナス セパシアAMMD株を
3種;(1)湖水、(2)NBY−AMMD培養物の無細胞濾
液および(3)NBYブイヨン生育培地のみ、に対して比
較した。溶液はすべてミリ−Q水で原液の1%濃度にま
で希釈した。遊走子の運動性は第5図に示した表に従っ
て分類した。以下の第16表は次に示す処理、 処理1−湖水コントロール 処理2−NBYブイヨン中のAMMD 処理3−NBY−AMMD培養物の無細胞濾液 処理4−NBYブイヨンのみ による10分および30分時の5回の反復実験の平均値を示
している。
第16表に示されているように、10分後NBYブイヨン中
のシュードモナス セパシアAMMDは遊走子運動性を除去
した。しかしNBYブイヨンのみおよびAMMDの無細胞培養
物は遊走子運動性に影響しなかった。
(例10) 例10では、アファノマイセス コクリオイデス(coch
lioides)遊走子に関する特定の細菌株でコートした砂
糖大根種子の効果をテストした。砂糖大根種子を細菌で
コートし、これを例1と同様の条件下の生育チャンバー
に植え付けた。6週間後その土壌にアファノマイセス
コクリオイデス遊走子をミリリットル当り103個含む溶
液20mlを用いて接種した。およそ6週間後この植物を収
穫し、その若芽を乾燥して重量を測定した。この若芽乾
燥重量の結果を以下の第17表に示した。
第 17 表 処理 若芽乾燥重量(mg) コントロール 5330 BC 4804 5A 5716 AMMD 9199 AM 11533 AMMA 11742 値は処理当り15回の再現実験結果の平均値である。
アステリスクを付けた値はコントロールと有意に異なる
ものである(ダネットテスト値P=0.05) 細菌シュードモナス セパシアAMMA,AM,およびAMMD株
は、細菌を用いないコントロール処理と比べ有意に砂糖
大根若芽乾燥重量を増加させた。
(例11) 例11では豆若芽の出現に関するカプタン添加有無条件
下での種々の細菌の効果を比較した。このテストは自然
にアファノマイセス エウテイチェスが蔓延する土壌を
用いて行った。例1と同様の操作で豆種子を細菌でコー
ティングした。1つの実験では処理した種子を温室の平
地に植えた。次の実験では細菌のうちの3種のみを用い
畑で行った。両方の場合細菌を含まない種子をコントロ
ールとして用いた。例11の結果を以下の第18表に示し
た。
同じ文字が付いていない各実験の処理は、最小有意差
テストを用いたP=0.05のレベルで有意に異なる。
第18表に示されているように、細菌シュードモナス
セパシアAMMA株およびシュードモナス フルオレセンス
PRA25株は温室実験でカプタン処理していない種子から
の豆発芽を有意に改良した。畑実験におけるカプタンな
しの種子を比較してみると、シュードモナス セパシア
AMMD株およびシュードモナス フルオレセンスPRA25株
は細菌なしのものと比較して豆発芽を有意に増加した。
テストしたどの細菌もカプタンで処理した種子の発芽を
改良した。
(例12) 本例では病原菌ピシウム(Pythium)によって引き起
こされる発芽前の立枯れに関するPRA25株およびAMMD株
の効果を試験した。自然にピシウム種が蔓延する4種の
土壌を本温室実験に用いた。各再現実験は4種の土壌の
各々に植えられた25個の豆植物が用いられている。カプ
タンを用いていない豆種子を先に述べた方法によりPRA2
5またはAMMDでコートし、細菌が蔓延する土壌を含む平
地に植えた。細菌またはカプタンを含まない未処理種子
およびカプタンで処理した種子をコントロールとして用
いた。処理当り3回の再現実験を行ない、その操作を3
回反復した。豆種子発芽率は植え付けから8日後に測定
した。これらの実験結果を以下の第19表にまとめた。
(例13) 本例はきゅうりのピシウムアルチマム(Pythium ulti
mum)病に関する豆畑由来の細菌接種原の有効性のテス
トである。きゅうり変種“ストレートエッジ”の種子を
病原性ピシウムが蔓延する鉢植え土に植え、これにテス
トする菌株の一晩液体培養物を接種した。きゅうり種子
を市販の殺菌剤“アプロン”または“標準”と命名した
標準的に移入してくる根細菌で処理しコントロールとし
た。さらに未処理種子をコントロールとしてピシウムが
蔓延する、または蔓延しない土壌の両方に植えた。発芽
および、発芽後の立枯れは以下の第20表および第21表に
おいて割合として表わした。生存率は植えた植物のうち
の生存する全植物の割合を示し、また成長力はコントロ
ールと比べた最初の葉までの平均距離に基づいて計算し
た。
本発明は本明細書に記述されている特定の構築物およ
び手順に制限されず、以下の請求の範囲内に入るそれら
の修正形を包含することが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/20 C12R 1:15) (C12N 1/20 C12R 1:07) (56)参考文献 Phytopathology, 1987,Vol.77,No.12,p.1688 日本植物病理学会報(1986),第52 巻,p.175−183 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 63/00 - 63/02

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アファノマイセスに対して生物学的抑制活
    性を有する、シュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受理
    番号第53796号)、シュードモナス・セパシアAMMD(ATC
    C受理番号第53795号)及びそれらの混合物から成る群か
    ら選ばれる細菌株の基本的に生物学的に純粋な培養物の
    アファノマイセス病抑制効果量を植物に接種する事を特
    徴とする、植物のアファノマイセス菌病の抑制方法。
  2. 【請求項2】前記植物が豆植物である、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】シュードモナス・セパシアを、キャリヤー
    により、丁度効果を示す濃度に希釈する、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】アファノマイセスに対して生物学的抑制活
    性を有する、シュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受理
    番号第53796号)、シュードモナス・セパシアAMMD(ATC
    C受理番号第53795号)及びそれらの混合物から成る群か
    ら選ばれる細菌株の基本的に生物学的に純粋な培養物の
    生育促進効果量を豆植物に接種する事を特徴とする、豆
    植物の発芽増進、死亡率低下及び収量増加方法。
  5. 【請求項5】前記培養物を、キャリヤーにより、丁度効
    果を示す濃度に希釈する、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】アファノマイセスに対して生物学的抑制活
    性を有するシュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受理番
    号第53796号)の生物学的に純粋な培養物を含む事を特
    徴とする、植物に対する生物学的接種原。
  7. 【請求項7】アファノマイセスに対して生物学的抑制活
    性を有するシュードモナス・セパシアAMMD(ATCC受理番
    号第53795号)の生物学的に純粋な培養物を含む事を特
    徴とする、植物に対する生物学的接種原。
  8. 【請求項8】シュードモナス・セパシアを、キャリヤー
    により、丁度効果を示す濃度に希釈する、請求項7記載
    の生物学的接種原。
  9. 【請求項9】アファノマイセスに対して生物学的抑制活
    性を有するコリネバクテリウム・フラカム・フェイシャ
    ンス5A(ATCC受理番号第53934号)の生物学的に純粋な
    培養物を含む事を特徴とする、植物に対する生物学的接
    種原。
  10. 【請求項10】アファノマイセスに対して生物学的抑制
    活性を有する、シュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受
    理番号第53796号)及びシュードモマス・セパシアAMMD
    (ATCC受理番号第53795号)から成る群から選ばれるシ
    ュードモナス・セパシア培養物の接種原を接種した豆種
    子を含む事を特徴とする、農業的に有効な組成物。
  11. 【請求項11】シュードモナス・セパシアを、キャリヤ
    ーにより、丁度効果を示す濃度に希釈する、請求項10記
    載の農業的に有効な組成物。
  12. 【請求項12】アファノマイセスに対して生物学的抑制
    活性を有するシュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受理
    番号第53796号)の生物学的に純粋な培養物。
  13. 【請求項13】アファノマイセスに対して生物学的抑制
    活性を有するシュードモマス・セパシアAMMD(ATCC受理
    番号第53795号)の生物学的に純粋な培養物。
  14. 【請求項14】アファノマイセスに対して生物学的抑制
    活性を有するコリネバクテリウム・フラカム・フェイシ
    ャンス5A(ATCC受理番号第53934号)の生物学的に純粋
    な培養物。
  15. 【請求項15】アファノマイセスに対して生物学的抑制
    活性を有する、シュードモナス・セパシアAMMA(ATCC受
    理番号第53796号)、シュードモマス・セパシアAMMD(A
    TCC受理番号第53795号)、コリネバクテリウム・フラカ
    ム・フェイシャンス5A(ATCC受理番号第53934号)及び
    これらの組合せから成る群から選ばれる細菌株の基本的
    に生物学的に純粋な培養物を含む事を特徴とする、植物
    に対する生物学的接種物。
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Phytopathology,1987,Vol.77,No.12,p.1688
日本植物病理学会報(1986),第52巻,p.175−183

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