JP2870971B2 - アルケニルフェノールの製造方法 - Google Patents

アルケニルフェノールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルケニルフェノールの製造方法に関す
る。
更に詳しくは、塩基性触媒の存在下にジヒドロキシジ
アリールアルカンを加熱してアルケニルフェノールを製
造する方法における、塩基性触媒の反応系への装入方法
を改善したアルケニルフェノールの製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
ジヒドロキシジアリールアルカンを塩基性触媒の存在
下に加熱することにより、対応するフェノール類とこれ
に対応するアルケニルフェノールが生成することは良く
知られている。この反応を利用してアルケニルフェノー
ルを製造する方法も種々提案されている(例えば、特公
昭38−1368号公報、特開昭50−13341号公報、特開昭55
−27108号公報、特公昭49−48319号公報、特開昭62−14
8441号公報等)。
これらの方法において、塩基性触媒としては、アルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物ま
たは炭酸塩、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウム等
が用いられている。その他、アルコレート、フェノレー
ト、アルキルカルボキシレート等が使用できるとされて
いる。しかし、これらの方法において、実際には塩基性
触媒は全て固体状で原料物質と混合して使用するもので
ある。
このような方法を工業的に実施するには、塩基性触媒
の反応系への供給量を一定化するのが非常に繁雑であ
る。
即ち、すでに知られている、ジヒドロキシジアリール
アルカンを塩基性触媒の存在下にアルケニルフェノール
を製造する方法においては、これを工業的に連続的方法
で実施しようとするには、塩基性触媒の反応系への装入
方法を改善する必要がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、アルケニルフェノールの連続的製造に
おける触媒の連続装入法について、数多くの検討を行っ
てきた。その結果、反応系へ水溶液で連続して供給する
ことにより、系内の触媒が一定温度に保たれ、反応が一
定して、一定の流量で生成物が取り出せることを見出し
た。しかしながら、一般に、反応温度が150〜300℃の高
温で、またアルケニルフェノールをモノマーとして取り
出すためには、5〜100mmHgの減圧下で反応が行われる
ので、水の揮散が激しく、継続して反応を行っている
と、装入口付近に触媒が固結するなどの問題が生じてい
た。しかも装入量が少ないため、流量に比較して水分の
蒸発量が多いため、かなりの頻度で閉塞現象が発生し問
題となっていた。
この問題を解決するため特開昭62−148441号公報では
塩基性触媒を水溶液として、ジヒドロキシジアリールア
ルカンと混合して反応系に装入することが提案されてい
る。この方法で塩基性触媒を装入することにより、装入
口付近に触媒が固結する問題は解決できたが、塩基性触
媒とジヒドロキシジアリールアルカンを混合する操作が
必要になり、またアルケニルフェノールを公知の方法で
取り出す時に後の操作が繁雑になったりする。
本発明の目的は、このような問題点を解決し、安定し
た操作が可能で、塩基性触媒水溶液を他の物質と混合す
る操作の必要のないアルケニルフェノールの連続的製造
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、このように連続的にジヒドロキシジア
リールアルカンを加熱して対応するアルケニルフェノー
ルを連続的に製造する方法において、触媒の連続供給方
法を、更に鋭意検討し本発明を完成させるに至ったもの
である。
即ち、ジヒドロキシジアリールアルカンを塩基性触媒
の存在下に加熱して対応するアルケニルフェノールを製
造する方法において、塩基性触媒水溶液を装入するに際
し、微量の蒸気を同時に吹き込むことを特徴とするアル
ケニルフェノールの製造方法である。
本発明の方法に用いるジヒドロキシジアリールアルカ
ンは、フェニル基で置換されていてもよく、炭素数2〜
7の脂肪族炭化水素または脂環式炭化水素のgem−ジフ
ェニロール化物であり、そのフェニロール基はそれぞれ
炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルコキシ基または
ハロゲン原子等で置換されていてもよい。これらのジフ
ェニロールアルカンの例としては、2,2−(4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニル)プロパン、2,−(4,−ヒドロキシ
フェニル)−2−(2′−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−(4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジ
フェニル)プロパン、2,2−(4,4′−ジヒドロキシ−3
−メチルジフェニル)プロパン、1,1−(4,4′−ジヒド
ロキシジフェニル)エタン、1,1−(4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル)プロパン、1,1−(4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル)ブタン、2,2(4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニル)−3−メチルブタン、1,1−(4,4′−ジヒドロキ
シジフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−(4,4′−
ジヒドロキシジフェニル)シクロヘキサン、1,1,1−
(4,4′−ジヒドロキシトリフェニル)エタン、2,2−
(2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ−t−ブチルジフェ
ニル)プロパン等が挙げられる。
これらのジヒドロキシジアリールアルカンはフェノー
ル類とカルボニル化合物を反応させて得られる。使用す
るジヒドロキシジアリールアルカンは純度の高いものの
みならず、該ジヒドロキシジアリールアルカンを製造す
る際の反応生成物であって、ジヒドロキシジアリールア
ルカンの外に副生する主としてフェノール類とカルボニ
ル化合物が縮合して生成したタール状物質を含有してい
るものを使用してもよい、これらの副生物を含む、ジヒ
ドロキシジアリールアルカンを精製する工程の蒸留残
渣、結晶化母液濃縮液等もそのまま本発明の方法に適用
できる。
上述したジヒドロキシジアリールアルカンまたはその
製造、精製時の副生物は本発明の方法により、それぞれ
対応するフェノール類とアルケニルフェノール類とを生
成する。
本発明の方法で使用される塩基性触媒としては、アル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物
または炭酸塩、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム等が用いられる。その他、フェノ
ラート、アルコラート、有機酸塩等も用いうるが、水溶
液で用いるのが好ましい。
触媒の使用量は反応媒体に対して0.01〜5重量%の範
囲が適当である。ここでいう水溶液とは、塩基性触媒が
完全に溶解した溶液ないしは一部未溶解のものを懸濁状
態で含む水溶液であっても差し支えない。
水の使用量は特に限定されない。しかし、あまり多す
ぎると、反応操作、特に減圧操作が困難となるため、反
応媒体に対して、0.01〜5重量%の範囲が好ましい。
本発明に使用する微量の蒸気は、特に制限はないが、
塩基性触媒水溶液の濃度を大幅に低下させる程の量では
なく、極少量でよい。多量に蒸気を装入すると、反応操
作、特に減圧操作が困難となる。蒸気を吹き込む位置
は、できるだけ装入口に近い方が望ましい。
本発明の方法は、回分式でも、連続式でも実施できる
が、とくに連続反応方式で大きな効果が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 反応器にフェノールとアセトンとからビスフェノール
Aを製造する工程のビスフェノールAの蒸留残渣を1000
kg/hrで連続的に装入し、別の装入口より25%水酸化ナ
トリウム水溶液を5kg/hrで装入する際に、2kg/cm2の蒸
気2kg/hrを装入配管の装入口近傍で加えて該水溶液と蒸
気を同時に装入した。200℃、50mmHgで連続運転して反
応器上部から607kg/hrで留出物を、又下部からは400kg/
hrでタール状物質を連続して抜き出した。
この条件で継続して6ヵ月の運転が可能であった。
蒸留残渣組成:ビスフェノールA30%、トリスフェノー
ル15%、その他高沸点物55% 留出物組成 :フェノール41%、p−イソプロペニルフ
ェノール27%、p−イソプロペニルフェノールダイマ31
%、その他1% 実施例2 実施例1のフェノールとアセトンとからビスフェノー
ルAを製造する工程のビスフェノールAの蒸留残渣をビ
スフェノールAに変えて同様に分解反応を行った。反応
器上部から951kg/hrで留出物を、又下部からは49kg/hr
でタール状物質を連続して抜き出した。
得られた留出物の組成は、フェノール43%、p−イソ
プロペニルフェノール13%、p−イソプロペニルフェノ
ールダイマ6%、ビスフェノールA2%、p−イソプロペ
ニルフェノールの三量体以上のオリゴマーが34%、その
他2%であった。
この条件で継続して1ヵ月の運転が可能であった。
比較例1 実施例1と同様の条件で25%水酸化ナトリウム水溶液
を装入する際に、蒸気を加えなかった。1週間の運転で
水酸化ナトリウム水溶液の装入口が固結して運転不能と
なった。
〔発明の効果〕
本発明は、アルケニルフェノールの製造方法におい
て、反応に不可欠な塩基性触媒を安定して反応系に供給
し、反応操作上や反応装置等へのトラブルがなく、継続
して安定に製造する方法を提供するものである。その産
業上寄与するところは非常に大きい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジヒドロキシジアリールアルカンを塩基性
    触媒の存在下に加熱して対応するアルケニルフェノール
    を製造する方法において、塩基性触媒水溶液を装入する
    に際し、微量の蒸気を同時に吹き込むことを特徴とする
    アルケニルフェノールの製造方法。
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