JP2870355B2 - 内燃機関の排気ガス再循環装置 - Google Patents

内燃機関の排気ガス再循環装置

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JP2870355B2
JP2870355B2 JP5105671A JP10567193A JP2870355B2 JP 2870355 B2 JP2870355 B2 JP 2870355B2 JP 5105671 A JP5105671 A JP 5105671A JP 10567193 A JP10567193 A JP 10567193A JP 2870355 B2 JP2870355 B2 JP 2870355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気ガス再循
環装置に係り、特に負圧駆動されるダイアフラム式の制
御弁を排気還流通路中に有し、接点式弁開度センサの検
出結果を基に制御弁に供給する負圧をフィードバック制
御して排気ガスの還流流量を制御する内燃機関の排気ガ
ス再循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気エミッションを向上させ
る有効な手段として、従来より排気ガスを吸気通路内に
再循環させる手段が知られており、かかる処理を実現す
べく排気通路と吸気通路とを排気還流通路で連通した内
燃機関が広く普及している。
【0003】すなわち、内燃機関においては混合気が燃
料リーンとなり、過剰酸素を含む状況では、排気ガス中
に多量の窒素酸化物NOxが含有されることが知られて
いる。この場合、燃焼室内における燃焼速度が早いほ
ど、また燃焼温度が高いほど多量のNOxが発生する。
従って、かかる場合においても、燃焼速度を遅く、また
燃焼温度を低くすることができれば、NOxの排出量を
低減することが可能である。
【0004】ところで、内燃機関から排出される排気ガ
ス中には、上記したNOxの他にも、水蒸気(H2 O)
や二酸化炭素(CO2 )のような不活性ガスが多量に含
まれている。このため、排気ガスは空気に比べて安定
で、自ら燃焼して熱源となることがない。
【0005】従って、排気ガスを混合気の一部として含
有させた場合、燃焼室内における燃焼速度及び燃焼温度
は共に低下することになり、排気ガスに含有されるNO
x量は著しく低減されることとなる。上記した排気ガス
再循環装置は、燃焼速度や燃焼温度と生成されるNOx
量とのかかる特性に鑑みたものである。
【0006】一方、内燃機関に供給される混合気中に過
剰な排気ガスが還流されると、燃焼室内における燃焼速
度が不当に鈍化して出力特性が悪化することになる。ま
た、過剰な排気ガスの混入は、燃焼温度の不当な低下を
招き、COやHC等の未燃成分の生成を促進させること
になる。
【0007】このため、排気ガスの再循環装置において
は、還流させる排気ガス量を精度良く所望の流量に制御
し得ることが要求され、一般に排気還流通路中にその導
通を制御する排気還流制御弁を設け、かつその制御弁を
フィードバック制御して要求される精度を確保する手法
が用いられている。
【0008】特開昭59−136553号公報は、かか
る要求を満たす装置として、負圧駆動によるダイアフラ
ム式排気還流制御弁に接点式弁開度センサを設置し、か
つ一方の導入孔が負圧供給源に連通し、他方の導入孔が
大気に開放された3方弁を適当にデューティ駆動して得
られた負圧をその制御弁に供給する装置を開示してい
る。
【0009】つまり、上記公報記載の装置においては、
3方弁を駆動するデューティ比を変更することによって
排気還流制御弁に供給する負圧を適当に大気圧から負圧
供給源で発生される負圧までの幅で変更することができ
る。更に、供給された負圧に対してどれだけの弁開度が
確保されているかを弁開度センサによって検出すること
ができる。
【0010】上記公報記載の装置は、この弁開度センサ
の検出結果と目標の弁開度とを比較し、その比較結果に
基づいてそれらを一致させるべく3方弁の駆動デューテ
ィ比をフィードバック補正して排気還流制御弁の弁開度
を目標弁開度に制御するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
装置において用いられる接点式弁開度センサは、排気還
流制御弁の弁体と共に移動するブラシと、所定電圧の印
加された抵抗体とからなるポテンショメータで構成され
る。このポテンショメータにおいては、一般にその摺動
に伴う抵抗体の摩耗に起因して出力特性が経時変化する
ことが問題とされるが、上記従来の装置においてもその
摩耗が制御上大きな問題となる場合がある。
【0012】つまり、上記装置における弁開度センサ
は、排気還流制御弁の弁開度を検出する目的で設置され
たものであるため、当然にブラシが抵抗体表面に接触す
る位置は弁開度によって一義的に決定する。この場合に
おいて、排気還流制御弁の弁開度は、その全ての開度領
域が均一に用いられるわけではなく、内燃機関の運転領
域中、頻繁に使用される領域に相当する開度が同様に頻
繁に設定される。従って、弁体と一体となって移動する
ブラシも、頻繁に用いられる弁開度に対応する部位の近
傍に頻繁に位置されることになる。
【0013】ここで、上記従来の装置においては、排気
還流制御弁の弁体は供給される負圧を受けてダイアフラ
ムが変位することに起因して弁体が開弁される構成であ
る。また、ダイアフラムを変位させる負圧は、負圧供給
源から導かれる負圧と大気圧とを所定のデューティ比で
混合して設定した負圧である。
【0014】従って、ダイアフラムを変位させるべく供
給される負圧は厳密には一定圧力ではなく、デューティ
信号と同周期で脈動する負圧である。このため、動作中
における排気還流制御弁の弁体、ダイアフラム、及び弁
開度センサのブラシは厳密に一定の変位位置に保持され
ているものではなく、制御目標値を中心に振動した状態
に維持される。
【0015】この結果、上記従来の装置の如くダイアフ
ラム式排気還流制御弁をデューティ駆動する装置におい
ては、接点式弁開度センサの接触部が局部的に摩耗する
場合が生じ、経時変化による早期の特性変化や耐久性不
足等の問題が発生する場合があった。
【0016】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、内燃機関の運転状態に応じて排気還流制御弁を駆
動するデューティ信号の周波数を適当に制御して、摺動
回数の低減による局部的摩耗の抑制を図ることにより上
記の課題を解決する内燃機関の排気ガス再循環装置を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図1は、上記の目的を達
成する内燃機関の排気ガス再循環装置の原理構成図を示
す。すなわち上記の目的は、図1(A)に示すように、
内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通する排気還流通
路1の途中に、供給される負圧に応じた開度を示すダイ
アフラム式排気還流制御弁2を備え、該排気還流制御弁
2の開度を検出する接点式弁開度センサ3の検出信号を
基に、デューティ比設定手段4において行われるフィー
ドバック制御によって決定されるデューティ比で、負圧
と大気圧とを前記排気還流制御弁に導入する電磁弁5を
駆動することにより所望の弁開度を確保して排気ガスの
還流流量を制御する内燃機関の排気ガス再循環装置にお
いて、内燃機関の運転状態に応じて、排気ガスの還流流
量が内燃機関に与える影響度を検出する影響度検出手段
6と、該影響度検出手段6の検出結果に基づいて、還流
流量が内燃機関に与える影響度が小さいほど前記排気還
流制御弁2に供給する負圧と大気圧とを切り換えるデュ
ーティ信号の発生周波数を低周波に設定する駆動周波数
設定手段7とを有する内燃機関の排気ガス再循環装置に
より達成される。
【0018】この場合において、図1(B)に示すよう
に前記影響度検出手段6に代えて、前記排気還流制御弁
の弁開度について、内燃機関の運転に際して用いられる
頻度分布を予め記憶すると共に、現実の弁開度がいかな
る頻度領域に制御されているかを検出する頻度領域検出
手段8を設け、駆動周波数設定手段9において、前記頻
度領域検出手段8の検出結果に基づいて、前記排気還流
制御弁2の弁開度が高頻度領域に制御されているほど該
排気還流制御弁2に供給する負圧と大気圧とを切り換え
るデューティ信号の発生周波数を低周波に設定する構成
も有効である。
【0019】
【作用】上記図1(A)に示す内燃機関の排気ガス再循
環装置において、前記影響度検出手段6によって排気ガ
スの還流流量が内燃機関に与える影響が小さいことが検
出された場合は、必ずしも前記排気還流制御弁2の弁開
度を目標開度に一致させる必要がない。
【0020】一方、前記影響度検出手段6によってその
影響が大きいことが検出された場合は、前記排気還流制
御弁2の弁開度を精度良く目標開度に一致させる必要が
ある。この場合、前記排気還流制御弁2の弁開度精度
は、導かれる負圧の脈動の大きさに多大な影響を受け、
前記電磁弁5の駆動周波数が早いほど高精度となる。
【0021】ところで、前記駆動周波数設定手段7は、
排気ガスの還流流量が内燃機関に大きな影響を与える場
合には、電磁弁5を駆動するデューティ信号の周波数を
速く設定する。従って、かかる場合には、前記排気還流
制御弁2の弁開度は高精度に制御される。
【0022】一方、排気ガスの還流流量が内燃機関に与
える影響が小さい場合には、前記駆動周波数設定手段7
は、比較的遅い周波数を設定する。この場合、前記排気
還流制御弁2の弁開度精度は悪化する傾向となるが、そ
の反面前記弁開度センサ3の局部的な摺動回数が低減さ
れ、局部的摩耗が抑制される。
【0023】また、上記図1(B)に示す内燃機関の排
気ガス再循環装置においては、前記弁開度センサ3の接
触部が、前記排気還流制御弁の弁開度に従って頻繁に摺
動される部位に位置しているときには、前記頻度領域検
出手段8によって、弁開度が高頻度領域であることが検
出される。
【0024】従って、この場合には、前記駆動周波数設
定手段9によって、デューティ信号の周波数として比較
的低い周波数が設定される。このため、前記弁開度セン
サ3の接触部の局部的摩耗が抑制される。一方、前記弁
開度センサ3の接触部が稀にしか摺動されない部位に位
置している場合には、電磁弁5が高周波のデューティ信
号で駆動されても、局部的摩耗が問題となることはな
い。
【0025】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である内燃機関の
排気ガス再循環装置の構成図を示す。以下、同図を参照
して本実施例装置の構成及び動作について詳細に説明す
るが、それに先立って図3を参照して、排気ガス再循環
装置(EGR装置)の概要について簡単に説明する。
【0026】図3中、符号11は内燃機関を示す。内燃
機関11の吸気ポートは、吸気バルブ12を介して吸気
通路13と連通している。また、その排気ポートは、吸
気バルブ14を介して排気通路15と連通している。
【0027】内燃機関11の燃焼室16内には、ピスト
ン17が配設されている。このピストン17は、コンロ
ッド18により、図示されないクランクシャフトに連結
されている。このため、燃焼室16内での爆発力はクラ
ンクシャフトで回転力に変換されて取り出される。
【0028】排気通路15は、排気ガス中のNOx、H
C、COといった酸化物、及び未燃成分を浄化する三元
触媒コンバータ19に連接されている。この触媒コンバ
ータ19は、理想空燃比の燃料が燃焼した場合に最も効
率良く上記の未燃成分等を浄化する特性を有している。
【0029】排気通路15中、内燃機関11と触媒コン
バータ19との間には、排気還流通路20が連通してい
る。また、排気還流通路20の他方の端部は、吸気通路
13に連通している。更に、この排気還流通路20の途
中には、排気還流制御弁(EGR弁)21が設けられて
おり、これにより通路20の導通が制御される。
【0030】EGR弁21は、ダイアフラム21a、ス
プリング21b、弁体21cで構成される。ダイアフラ
ム21aは、EGR弁21内部を2つの空間に仕切り、
スプリング21bにより常に下向きに付勢されている。
また、弁体21cはダイアフラム21aに固定されてお
り、通常の状態においては、排気還流通路20の導通を
遮断するように作用する。
【0031】ダイアフラム21aの上部空間は、負圧通
路22aを介して電磁弁23に連通している。この電磁
弁23は、フィルタ23a、大気孔23b、切替弁23
c、スプリング23d、ソレノイド23e、負圧孔23
fで構成されている。ここで、フィルタ23aと大気孔
23bとは互いに連通しており、大気孔23bの内部は
常に大気圧に保たれている。
【0032】また、切替弁23cは、大気孔23bまた
は負圧孔23fの何れかを閉塞するように動作し、ソレ
ノイド23eが通電されていない場合にはスプリング2
3dの作用で負圧孔23fを閉塞するように作用する。
そして、ソレノイド23eに所定の電流が通電される
と、発生する電磁力に従って大気孔23bを閉塞するよ
うに変位する。
【0033】ところで、この負圧孔23fは負圧通路2
2bを介して内燃機関11の吸気通路13と連通してい
る。従って、内燃機関11が運転している間は、吸気通
路13内に発生する吸気負圧が電磁弁23の負圧孔23
fまで伝えられることになる。
【0034】従って、ソレノイド23eへの通電をオン
として切替弁23dにより大気孔23bを閉塞した状態
とすれば、負圧通路22aには内燃機関11の吸気負圧
が導かれ、EGR弁21のダイアフラム21aには、ス
プリング21bの付勢力に抗う方向(図3中上向き)の
力が作用する。
【0035】また、ソレノイド23eへの通電をオフと
して切替弁23cを負圧孔23fを閉塞するように変位
させると、負圧通路22aの内圧がフィルタ23aを介
して大気に開放され、EGR弁21のダイアフラム21
aには、スプリング21bの付勢力のみが加わった状態
となる。
【0036】従って、ソレノイド23eへの通電を適宜
オン・オフすることによって、ダイアフラム21aに対
してスプリング21bの付勢力に抗う方向の力を適宜作
用させることができ、特に、ソレノイド23eへの通電
をデューティ制御する場合には、任意の負圧をダイアフ
ラム21a上に導くことができる。
【0037】ところで、本実施例装置のEGR弁21b
は、弁開度センサ24を備えている。この弁開度センサ
24は、後述の如く接点式の弁開度センサで、ダイアフ
ラム21aの上下動に応じた、すなわち弁体21cの開
度に応じた信号を発生する。従って、弁開度センサ24
の出力信号を基に電磁弁23のソレノイド23eを適当
なデューティ比で駆動することとすれば、EGR弁21
の弁開度を高精度にフィードバック制御することが可能
である。
【0038】かかる構成のEGR装置において、内燃機
関11の動作中にEGR弁21が開弁されると、内燃機
関11の吸気通路13と排気通路15とが、排気還流通
路20を介して導通した状態となる。このため、内燃機
関11で発生した吸気負圧の一部が排気通路15へ導か
れ、排気通路15中の排気ガスが排気還流通路20を通
って吸気通路13内へと吸入される。
【0039】この様な処理が成された場合、燃焼室16
に供給される混合気中には、排気ガス中に含まれるCO
2 やH2 O等の不活性ガスが混入する。この結果、燃焼
室16内における混合気の燃焼速度及び燃焼温度が低下
し、排気ガス中のNOx含有量が低下されることにな
る。
【0040】この際、燃焼室16内での燃焼速度や燃焼
温度が過度に低下すると、今度は排気ガス中のCO,H
C濃度が過剰となって排気エミッションが悪化する。つ
まり、良好な排気エミッションを確保するためには、燃
焼速度や燃焼温度を適値に制御する必要があり、EGR
装置によってかかる要求を満たそうとする場合には、排
気ガスの還流流量を精度良く制御する必要が生ずる。
【0041】ところで、燃焼室16内における混合気の
燃焼速度や燃焼温度は、内燃機関11の運転状態、負荷
等によってある程度決まる値である。従って、それらを
適値とし得る排気ガス還流流量は、内燃機関11の運転
状態等に対応して予め設定することが可能である。この
ため本実施例装置においては、後述の如く、かかる観点
から設定したマップを基にして上記したEGR弁21の
フィードバック制御を実行することとしている。
【0042】以下、図2を参照して本実施例装置の要部
について、すなわち前記した影響度検出手段6,駆動周
波数設定手段7,9及び頻度領域検出手段8に相当する
機構、及びその動作について、更に詳細な説明を行う。
尚、図2及び図3において同一の構成部分については同
一の符号を付している。この際、図2中、電磁弁23に
ついては理解の容易のため3方向弁の記号を用いて表し
ている。
【0043】図2に示すように、本実施例装置の弁開度
センサ24は、所定電圧の印加された抵抗体24a,抵
抗体24a上を摺動するブラシ24b,ブラシ24bを
EGR弁21のダイアフラム21aと連結するシャフト
24cとで構成される。
【0044】すなわち、ブラシ24bは、ダイアフラム
21aの上下動に伴って上下に変位し、ブラシ24bと
抵抗体24aとの接触位置に応じてブラシ24bの電位
が変動する。従って、ブラシ24bの電位を検出すれ
ば、ダイアフラム21bの変位位置、すなわちEGR弁
21の弁開度を検知することができる。
【0045】制御装置30は、前記したデューティ比設
定手段4,影響度検出手段6,駆動周波数設定手段7,
9,頻度領域検出手段8を構成する本実施例装置の要部
で、中央処理装置(CPU)31,メモリ32,出力ポ
ート33,入力ポート34及びそれらを互いに接続する
共通バス35を有している。
【0046】出力ポート33は、各種センサ等から入力
されたデータに基づき、CPU31がメモリ32内に格
納されるプログラムに従って演算した結果を出力するポ
ートであり、駆動回路36を介して電磁弁23のソレノ
イド23eに接続されている。また、入力ポート34
は、A/Dコンバータを内蔵し、各種センサ等から供給
される検出信号をディジタル化して共通バスへと転送す
る。
【0047】ここで、本実施例装置における入力ポート
34には、上記した弁開度センサ24の他、内燃機関1
1の運転状態を検出するセンサとして例えば冷却水温を
検出する水温センサ37,吸入空気量を検出する吸入空
気量センサ38,スロットル弁全閉を表すアイドルスイ
ッチ39及び機関回転数を表すクランク角センサ40等
が接続されている。
【0048】すなわち、制御装置30は、水温センサ3
7や吸入空気量センサ38等から供給される信号から内
燃機関11の運転状態を検出し、その状態に適した排気
ガス還流流量を実現すべくソレノイド23eをデューテ
ィー制御する。そして、その際に弁開度センサ24から
供給される実開度検出信号に基づいて、実開度と設定開
度とを整合させるため、そのデューティ比をフィードバ
ック制御によって補正する。
【0049】ところで、上記したように本実施例装置の
弁開度センサ24は、ダイアフラム21aと一体となっ
て移動するブラシ24bが抵抗体24a表面を摺動する
接点式のセンサである。この際、上記の如くEGR弁2
1をデューティ制御する構成では、そのデューティ制御
に起因する負圧の脈動に伴って弁開度センサ24の抵抗
体24aとブラシ24bとが局部的な摺動を繰り返すこ
とになる。
【0050】この局部的な摺動の振幅、すなわち弁体2
1cのリフト振幅は、図4に示すようにEGR弁21を
駆動するデューティ信号の周波数(以下、デューティ周
波数と称す)の関数であり、デューティ周波数が高いほ
ど小さい幅となる。従って、内燃機関11における排気
ガスの還流流量を精度良く制御するためには、脈動の影
響が少ない高周波デューティ信号で電磁弁23を駆動す
る必要がある。
【0051】ところが、EGR弁21を駆動する信号の
デューティ周波数が高いと、制御精度が向上する反面ブ
ラシ24bによる抵抗体24aの摺動回数が増加し、摩
耗によるダメージが増長される。つまり、車両の耐久性
として10万km走行を想定して抵抗体24aとブラシ24
bとの生涯摺動回数を試算した場合、図5に示す如くデ
ューティ周波数10Hzにおける摺動回数が0.5億回で
あるとすれば、デューティ周波数30Hzではその3倍に
あたる1.5億回となる。
【0052】従って、デューティ周波数が30Hzとされ
た場合、抵抗体24aは、デューティ周波数が10Hzの
場合と比べて明らかに大きなダメージを受けることにな
る。このように、接点式弁開度センサ24を用いたフィ
ードバック系を有するEGR装置においては、良好な排
気エミッションを確保するため弁開度精度を向上すべく
高いデューティ周波数を設定すると、弁開度センサ24
に耐久性上の問題が生ずる場合があった。
【0053】ところが、良好な排気エミッションを確保
するために必要な弁開度精度は、内燃機関の全運転領域
において等しく要求されるものではない。つまり、例え
ば内燃機関11の吸入空気量が大きい領域では、ある程
度排気ガスの還流流量が変動しても、その影響で排気エ
ミッションが大きく悪化することがない。従って、この
ような状況下では、弁開度センサ24に大きなダメージ
を与えてまで高精度に弁開度を制御する必要はない。
【0054】そこで、本実施例装置においては、排気ガ
スの還流流量が内燃機関の運転状況や排気エミッション
に与える影響度合いを考慮し、その影響度合いが大きい
場合には高いデューティ周波数で、また影響度合いが小
さい場合には低いデューティ周波数でEGR弁21、す
なわち電磁弁23を駆動することとした。
【0055】かかる構成によれば、排気エミッションを
適切に確保し得る制御精度が確保でき、かつ抵抗体24
aとブラシ24bとの摺動回数を効果的に低減すること
が可能だからである。以下、図6,図7を参照して、本
実施例装置において、上記影響度に従ってデューティ周
波数を切替える動作について詳細に説明する。
【0056】図6は、本実施例装置において制御装置3
0内に記憶されているマップを示し、排気ガスの還流流
量が内燃機関11の排気特性に与える影響度合いを表し
ている。尚、同図において横軸は内燃機関11の機関回
転数Neを、縦軸は機関1回転当たりの吸入空気量G/
Nを示し、WOT曲線は、スロットル弁全開時における
上限値を示す曲線である。
【0057】この場合において図6中“A”の領域は、
内燃機関11の常用領域のうち、比較的吸入空気量Q/
Nが小さい領域である。つまり、排気ガスの還流流量が
変動した場合、その変動が混合気中に占める排気ガスの
割合に大きく影響し、かつ内燃機関として総合的に適切
な排気特性を得るためには、良好な排気エミッションを
確保する必要のある領域として定めた領域である。
【0058】また、図6中“B”領域は、内燃機関11
の常用領域のうち、比較的多量の吸入空気量Q/Nが供
給される領域である。従って、内燃機関11として適切
な排気特性を得るためには良好な排気エミッションを確
保する必要はあるものの、排気ガスの還流流量の多少の
変動は混合気中に占める排気ガスの割合にはさほど影響
しない領域である。
【0059】そして、高回転・高負荷領域である“C”
領域は、内燃機関11において常用される領域ではな
く、主に運転者が高出力を欲した際に使用される領域で
ある。つまり、その排気エミッションが悪化したとして
も、その悪化は一時的であって総合的な排気特性にはさ
ほど影響しない領域である。
【0060】従って、本実施例装置において内燃機関1
1が図6中“A”領域にある場合には、排気ガスの還流
によりNOxの低減を図るためEGR弁21を高精度に
制御すべくデューティ周波数を高周波に設定し、内燃機
関11が“B”領域、“C”領域へと移行するにつれて
その周波数を低下させる構成とすれば、常時要求される
精度を確保しつつ、適宜比較的低周波のデューティ周波
数を採用することが可能となる。
【0061】尚、本実施例において、上記“A”領域
は、弁体21cのリフトストロークが、混合気中に含ま
れる排気ガスの還流流量の割合(EGR率)に与える影
響度合いが所定水準を越える領域として、下記の式が成
立する領域に設定している。
【0062】
【数1】
【0063】ここで、式中“α”は、目標とする排気エ
ミッションとの関係から実験的に決定した値である。ま
た、図6において“B”領域と“C”領域とは、車両が
通常の環境下で運転された場合に使用される常用領域
と、非常用領域とで分けたもので、経験則により分別し
ている。
【0064】図7は、上記の処理を実現すべく制御装置
30が実行するルーチン処理の一例のフローチャートを
示す。以下、同図に沿って本実施例装置の動作について
説明する。
【0065】図7に示すルーチンが起動すると、先ずス
テップ100において内燃機関11の運転状態を検出す
るため、水温センサ37,吸入空気量センサ38,アイ
ドルスイッチ39及びクランク角センサ40等の検出信
号を取り込む。
【0066】そして、これらの信号を取り込んだら、ス
テップ102へ進んで排気ガスの還流処理を実行する条
件(EGR条件)が成立しているか否かを見る。ここ
で、本実施例装置においては、上記ステップ100で取
り込んだ信号のうち水温センサ37とアイドルスイッチ
39とに基づいてEGR条件を判定する。
【0067】すなわち、アイドルスイッチ37がオンと
なる状況下では、吸入空気量Q/Nが少ないため排気ガ
スの還流は行わないこととし、また内燃機関11の冷却
水温が所定温度に達していない状況下では、その運転状
態が不安定であることを考慮して同様に排気ガスの還流
処理を行わないこととしている。
【0068】このため、上記ステップ102においてE
GR条件が“不成立”と判別された場合は、電磁弁23
を駆動する信号のデューティ周波数について何らの処理
を行うことなく、ステップ104でデューティ比を
“0”とした後ステップ106へ進み、デューティ比
“0”の駆動信号を出力して今回の処理を終了する。
【0069】従って、この場合は電磁弁23を介してE
GR弁21のダイアフラム21aが大気に開放され、ス
プリング21bに付勢された弁体21cが排気還流通路
20を閉塞し、排気ガスの還流が阻止されることにな
る。
【0070】これに対して、上記ステップ102におい
てEGR条件が成立すると判別された場合は、内燃機関
11の運転状態に応じて適切なデューティ周波数を設定
すべくステップ108以下の処理を実行する。
【0071】ステップ108は、上記ステップ100に
おいて読み込んだ吸入空気量センサ38及びクランク角
センサ40の検出信号に基づいて、機関1回転当たりの
吸入空気量G/N、及び機関回転数Neを算出し、内燃
機関11が上記図6に示すマップ中、“A”の領域にあ
るか否かを判別するステップである。
【0072】また、ステップ108において“A”領域
ではないと判別された場合に実行するステップ110
は、内燃機関11の運転状態が、上記図6に示すマップ
中、“B”の領域にあるか否かを判別するステップであ
る。つまり、これらステップ108,110は、内燃機
関11が図6に示すマップにおいて“A”〜“C”何れ
の運転領域にあるかを特定するためのステップである。
【0073】この場合において、これらの領域は上記し
たように排気ガスの還流流量が内燃機関11の排気特性
に与える影響度合いに対応している。従って、上記ステ
ップ108,110は、前記した影響度検出手段6に相
当し、これらの処理を実行することにより、EGR弁2
1の弁開度に要求される精度の水準を判断することがで
きる。
【0074】すなわち、上記ステップ108において
“A”領域であると判別された場合は、良好な排気エミ
ッションを確保するために高い精度でEGR弁21を制
御する必要があると判断してステップ112へ進み、必
要な精度を確保すべくデューティ周波数を30Hzに設定
する。
【0075】また、上記ステップ108,110を実行
した結果“B”領域であると判別された場合は、多少の
誤差は排気エミッションに影響しないと判断してステッ
プ114へ進み、抵抗体24aの摩耗に有利なデューテ
ィ周波数として20Hzを設定する。そして、ステップ1
10において“B”領域ではないと判別された場合は、
最もEGR弁21の精度の要求されていない“C”領域
で運転中であると判断し、ステップ116においてデュ
ーティ周波数を10Hzに設定する。
【0076】このように、本実施例装置によれば、内燃
機関11の運転状態に応じてEGR弁21に供給される
負圧を制御するデューティ信号の周波数が3つの水準に
切り換えられ、EGR弁21の弁開度に比較的精度が要
求されない状況下では、低いデューティ周波数が設定さ
れることになる。ここで、上記ステップ112〜116
は前記したデューティ比設定手段4に相当している。
【0077】従って、電磁弁23を介してEGR弁21
に供給される負圧の脈動は、内燃機関11が“A”領域
にある場合には比較的小さく、内燃機関11が“B”、
“C”領域へと移行するに従って段階的大きくなる。こ
のため、弁開度センサ24においては、常時30Hzの周
波数で摺動される場合に比べて抵抗体24aの摩耗環境
が改善され、結果として耐久性が向上されることにな
る。
【0078】尚、上記ステップ112〜116において
デューティ周波数を算出したら、以下、ステップ118
及び120において、EGR弁21に要求される弁開度
を確保するためのデューティ比を算出し、所望のデュー
ティ周波数及びデューティ比を満たす駆動信号を、ステ
ップ106において電磁弁23へ向けて出力する。
【0079】以下、上記ステップ118及び120の処
理内容について簡単に説明すると、上記ステップ118
においては、内燃機関の運転状態に応じて、適量の排気
ガスを還流し得る目標のリフト量を算出する。つまり、
排気ガス中のNOxを適切に低減させるための排気ガス
の還流流量は、内燃機関11の運転状態によって決定さ
れ、機関回転数Neと吸入空気量G/Nとの関数として
決まる。
【0080】そこで、本実施例装置においては、所望の
還流流量を確保し得る弁体21cのリフト量を、予め機
関回転数Neと吸入空気量G/Nの2次元マップとして
設定し、ステップ118ではそのマップを参照して目標
リフト量TLIFTを算出し、更にTLIFTに対応す
る目標デューティ比TDUTYを算出することとした。
【0081】また、ステップ120は、ステップ118
で求めたTLIFTを速やかに実現すべくTDUTYに
補正を加えたデューティ比DUTYを算出する。つま
り、本実施例装置が使用するEGR弁21は、負圧によ
ってダイアフラム21aを変位させることにより弁体2
1cを駆動する。
【0082】従って、電磁弁23に供給する駆動信号の
デューティ比を変更してからダイアフラム21a上の負
圧がそのデューティ比に対応する圧力となるまでには、
ある程度の時間差が生じる。この時間差は、内燃機関1
1の運転状態が過渡的に変化し、EGR弁21の実開度
と目標開度とが大きく離れた場合に顕著に現れる。
【0083】一方、EGR装置において適切に排気ガス
の還流流量を制御するためには、弁体21cが頻繁に変
動する目標開度に追従する必要があり、その追従性如何
によってはEGR制御による排気エミッションの向上効
果を確保できない状態となる場合が生ずる。
【0084】そこで、本実施例装置においては、上記ス
テップ118において算出された目標リフト量TLIF
Tが速やかに実現されるべく、ステップ120において
以下に式に従って目標デューティ比TDUTYの補正を
行い、算出されたDUTYを実際に電磁弁23に供給す
る駆動信号のデューティ比とすることとした。
【0085】 DUTY=TDUTY+KDT(DLIFT≧0) ・・・(2) DUTY=TDUTY−KDT(DLIFT<0) ・・・(3) 上記(2)式においてDLIFTは、弁体21cの実際
のリフト量LIFTと目標のリフト量TLILFTとの
差である。また、KDTは、そのDLIFTの大きさの
関数として設定された補正値で、DLIFTが大きいほ
ど大きな値に、例えば下表の如く設定されている。
【0086】
【表1】
【0087】つまり、目標リフト量が大きく増加した場
合は、上記(2)式によって目標デューティ比に所定の
KDTを加えたDUTYが設定される。そして、弁体2
1cが目標リフト量TLIFTに近づくにつれてKDT
の値が小さくなり、TDUTYとDUTYとが徐々に近
似した値となり、遂には一致した値となる。
【0088】この結果、EGR弁21に供給される負圧
は、弁体21cを目標位置に向けて変位させる初期段階
においては急激に変化し、所望の弁開度が達成される
と、以後適切にその弁開度を維持し得る圧力に保持され
ることになる。従って、単にTDUTYを出力する場合
に比べて弁体21cの応答性が向上し、負圧駆動に起因
する時間遅れが抑制されることになる。
【0089】同様に、目標リフト量が減少した場合は、
上記(3)式に従って、その初期段階においては目標デ
ューティ比から所定のKDTを減じた値がDUTYとし
て設定される。そして、弁体21cが所定の弁開度に近
づくにつれてTDUTYとDUTYとが接近し、遂には
一致して適切な弁開度が維持されることになる。
【0090】このように、本実施例装置においては、実
際の弁開度と要求される弁開度との差に基づいた補正を
行うことにより、弁体21cの動作応答性を改善してお
り、内燃機関11の運転状態が過渡的に変動している状
況下であっても、適切な弁開度制度を維持することがで
きる。
【0091】図8は、本実施例装置において弁開度セン
サ24の耐久性を向上させるために実行する処理の他の
例のフローチャートを示す。同図に示す処理は、内燃機
関11が通常環境下で運転される、頻繁に使用される領
域と比較的使用頻度の低い領域とを経験則から分別する
ことができることに着目したものである。
【0092】つまり、図9に示すように内燃機関11の
運転領域をその機関回転数Neと機関1回転当たりの吸
入空気量Q/Nとで表した場合、通常走行に使用される
領域は図9中“A”の領域となる。従って、内燃機関1
1は、この領域において最も頻繁に運転されることにな
る。
【0093】ところで、上記したようにEGR弁21
は、内燃機関11の運転状態に応じた弁開度を示すべく
設定されている。従って、弁開度に着目した場合は、内
燃機関11が“A”領域となった際に用いられる弁開度
が最も頻繁に用いられることになる。更に、抵抗体24
aとブラシ24bとの接触部位と、EGR弁21の弁開
度との関係を鑑みると、ブラシ24bも抵抗体24a上
の特定の領域を最も頻繁に摺動することになる。
【0094】つまり、抵抗体24aにおいて耐久性が問
題となるのは、主に内燃機関11が図9中“A”領域で
運転された際にブラシ24bに摺動される部位であり、
その摺動頻度が低下するにつれて耐久性が問題とならな
くなる。そこで、本ルーチンは、内燃機関11が“A”
領域である場合には比較的デューティ周波数を低く設定
し、“B”領域、“C”領域へと移行して使用頻度が低
下すると共にデューティ周波数を高く設定することによ
り、弁開度センサ24の耐久性を向上させようとするも
のである。
【0095】すなわち、図8に示す処理が起動すると、
上記図7に示す処理と同様に先ず内燃機関11の条件を
各種センサより取り込み(ステップ200)、EGR条
件が成立しているか否かを見る(ステップ202)。そ
して、その条件が不成立である場合には、デューティ周
波数についてはなんらの処理も行わず、デューティ比0
の駆動信号を出力して(ステップ204,206)今回
の処理を終了する。
【0096】一方、ステップ202においてEGR条件
が成立すると判別された場合は、デューティ周波数を適
値に設定して要求精度と耐久性を両立させるべくステッ
プ208以降の処理を行う。
【0097】ここで、ステップ208,210は、共に
内燃機関11の運転領域が図9中、何れの領域であるか
を判別するステップであり、それぞれ“C”領域である
か、また“B”領域であるかを判別する。従って、これ
らステップ208,210を実行することにより、内燃
機関11が“A”〜“C”の何れの領域で運転されてい
るかを特定できることになる。このようにして、本実施
例におけるステップ208,210は、前記頻度領域検
出手段8を構成する。
【0098】そして、ステップ208において内燃機関
11が“C”領域にあると判別された場合は、ステップ
218へ進んでデューティ周波数を30Hzに設定する。
内燃機関11が“C”領域となることは稀であり、この
領域に対応して摺動される部位に関しては抵抗体24a
の耐久性を配慮する必要がなく、積極的に弁開度精度を
向上させるべきだからである。
【0099】また、ステップ210において“B”領域
であると判別された場合は、ステップ214において2
0Hzを、ステップ210において“B”領域ではないと
判別された場合はステップ216において10Hzを、そ
れぞれデューティ周波数として設定する。尚、本実施例
においては上記ステップ212〜216が前記したデュ
ーティ比設定手段4を実現している。
【0100】従って、本実施例装置においては、抵抗体
24aとブラシ24bとが頻繁に接触する部位では単位
時間当たりの摺動回数が少なく、また稀にしか接触しな
い部位においては単位時間当たりの摺動回数が多くな
り、結果として抵抗体24aの全領域が均一に摩耗する
ことになる。このため、従来の装置の如く弁開度センサ
24の抵抗体24aが、ブラシ24bとの摺動によって
局部的に摩耗することがなく、弁開度センサ24の耐久
性が向上することになる。
【0101】尚、本ルーチンにおいて上記ステップ21
2〜216でデューティ周波数を設定した後、そのデュ
ーティ周波数を基礎として、内燃機関11の運転状況に
応じた目標デューティ比を設定し(ステップ218)、
次いで良好な弁体21cの応答性を確保すべく補正を加
えたDUTYを算出して(ステップ220)駆動信号と
する点については上記図7に示すルーチン中ステップ1
18,120と同様である。
【0102】ところで、本ルーチンにおいては、内燃機
関11の運転領域が図9中何れの領域であるかに着目し
てデューティ周波数を設定する構成であるが、より直接
的に弁体21cのリフト量を基に使用頻度を判断してデ
ューティ周波数を設定する構成としてもよい。
【0103】つまり、内燃機関11に配設されたEGR
弁21は、上記したように内燃機関11の運転状態に対
応した弁開度を示す。従って、内燃機関11の運転状態
が図9に示す如き頻度を示した場合、それに対応して、
通常運転時における弁体21cのリフト量の頻度分布を
設定することが可能である。
【0104】例えば、図10はリフト量4〜5mmが最も
頻繁に用いられる構成における頻度分布を示している。
この場合、この4〜5mmの領域を“A”領域、その両脇
を“B”領域、更にその両脇を“C”領域とすれば、上
記ルーチンにおいて内燃機関11の運転状態に基づいて
行ったのと同様の判断をすることができ、上記ルーチン
と同様に適切なデューティ周波数を設定することが可能
である。
【0105】また、上記した各実施例は、排気ガスの還
流流量の影響度や、抵抗体24aが摺動される頻度等に
基づいて段階的にデューティ周波数を切り換える構成に
限定しているが、これに限るものではなく連続的にデュ
ーティ周波数を変動させる構成としてもよい。
【0106】
【発明の効果】上述の如く請求項1記載の発明によれ
ば、排気ガスの還流流量が内燃機関に大きな影響を与え
る領域と、そうでない領域とを区別し、高い精度が要求
される領域においてはその精度を確保すると共に、精度
がさほど要求されない領域において過剰制御を実行しな
いことにより、良好な排気特性と弁開度センサの耐久性
とを両立させることができるという特長を有している。
【0107】また、請求項2記載の発明によれば、内燃
機関の運転状態に応じてデューティ周波数を設定し、頻
繁に使用される領域では低い周波数で、稀にしか使用さ
れない領域では高い周波数で排気還流制御弁が駆動され
る。従って、弁開度センサにおいて頻繁に摺動が行われ
る部位にあっては、その摺動周波数が低く抑制され、結
果的に弁開度センサの耐久性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置の
原理図である。
【図2】本発明に係る内燃機関の排気ガス再循環装置の
一実施例の要部の構成を表す図である。
【図3】本実施例装置の構成を表す全体図である。
【図4】排気還流制御弁の弁体のリフト振幅と駆動信号
のデューティ周波数との関係を表すグラフである。
【図5】接点式弁開度センサの接触部における生涯摺動
回数と駆動信号のデューティ周波数との関係を表すグラ
フである。
【図6】内燃機関の運転状態と排気ガスの還流流量が内
燃機関に与える影響度の大きさとの関係を表すマップで
ある。
【図7】本実施例装置の実行するルーチン処理の一例の
フローチャートである。
【図8】本実施例装置の実行するルーチン処理の他の例
のフローチャートである。
【図9】内燃機関の運転状態の使用頻度を表すマップで
ある。
【図10】内燃機関の通常運転状況下における排気還流
制御弁の弁開度頻度を表す図である。
【符号の説明】
1,20 排気還流通路 2,21 排気還流制御弁 3,24 弁開度センサ 4 デューティ比設定手段 5,23 電磁弁 6 影響度検出手段 7,9 駆動周波数設定手段 8 頻度領域検出手段 11 内燃機関 21a ダイアフラム 21c 弁体 24a 抵抗体 24b ブラシ 30 制御装置 38 吸入空気量センサ 40 クランク角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/07 550 F02M 25/07 580

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通
    する排気還流通路の途中に、供給される負圧に応じた開
    度を示すダイアフラム式排気還流制御弁を備え、該排気
    還流制御弁の開度を検出する接点式弁開度センサの検出
    信号を基に行われるフィードバック制御によって決定さ
    れるデューティ比で負圧と大気圧とを前記排気還流制御
    弁に導入することにより所望の弁開度を確保して排気ガ
    スの還流流量を制御する内燃機関の排気ガス再循環装置
    において、 内燃機関の運転状態に応じて、排気ガスの還流流量が内
    燃機関に与える影響度を検出する影響度検出手段と、 該影響度検出手段の検出結果に基づいて、還流流量が内
    燃機関に与える影響度が小さいほど前記排気還流制御弁
    に供給する負圧と大気圧とを切り換えるデューティ信号
    の発生周波数を低周波に設定する駆動周波数設定手段と
    を有することを特徴とする内燃機関の排気ガス再循環装
    置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の排気通路と吸気通路とを連通
    する排気還流通路の途中に、供給される負圧に応じた開
    度を示すダイアフラム式排気還流制御弁を備え、該排気
    還流制御弁の開度を検出する接点式弁開度センサの検出
    信号を基に行われるフィードバック制御によって決定さ
    れるデューティ比で負圧と大気圧とを前記排気還流制御
    弁に導入することにより所望の弁開度を確保して排気ガ
    スの還流流量を制御する内燃機関の排気ガス再循環装置
    において、 前記排気還流制御弁の弁開度について、内燃機関の運転
    に際して用いられる頻度分布を予め記憶すると共に、現
    実の弁開度がいかなる頻度領域に制御されているかを検
    出する頻度領域検出手段と、 該頻度領域検出手段の検出結果に基づいて、前記排気還
    流制御弁の弁開度が高頻度領域に制御されているほど該
    排気還流制御弁に供給する負圧と大気圧とを切り換える
    デューティ信号の発生周波数を低周波に設定する駆動周
    波数設定手段とを有することを特徴とする内燃機関の排
    気ガス再循環装置。
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