JP2870133B2 - フィルムコンデンサ - Google Patents

フィルムコンデンサ

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JP2870133B2 JP16310990A JP16310990A JP2870133B2 JP 2870133 B2 JP2870133 B2 JP 2870133B2 JP 16310990 A JP16310990 A JP 16310990A JP 16310990 A JP16310990 A JP 16310990A JP 2870133 B2 JP2870133 B2 JP 2870133B2
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    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
    • H01G4/30Stacked capacitors
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    • H01G4/00Fixed capacitors; Processes of their manufacture
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はフィルムコンデンサに関する。
[従来の技術] 昨今、電子機器の小型化に伴いコンデンサなどの電子
部品にも小型化の要求が強くなってきており、このため
フィルムコンデンサも面実装対応のいわゆるチップコン
デンサの開発が進められている。矩形に分割された誘電
体フィルムと蒸着膜などの電極が積層された構造の、い
わゆる積層コンデンサはとくに小型化に有効である。こ
の時、誘電体フィルムは通常、薄番手のフィルムを用い
るため損傷し易いので容量発生部分の外側に厚手のフィ
ルムあるいはシートを重ね合わせた保護層を設けること
が知られている。しかし、チップコンデンサは基板に直
付けされるため高いハンダ耐熱性が必要となるが、耐薬
品性が高く寸法精度に優れた保護層を形成する手段は得
られていない。
[発明が解決しようとする課題] 耐熱性のある保護層を形成するためには、高い耐熱性
を持つ熱接着性ポリイミドフィルムや二軸延伸ポリフェ
ニレンスルフィドフィルムなどを使用することが考えら
れるが、ポリイミドフィルムは高価である上、耐薬品性
に乏しい、高湿下での加水分解による劣化が速い、湿度
に対する寸法安定性が乏しいなどの欠点があり、その結
果コンデンサの使用環境が制限されることになる。また
通常の二軸延伸されたポリフェニレンスルフィドフィル
ムだけでは本発明者らの検討によるとフィルム層間の接
着性が悪いため成形後、容易に剥離してしまい実用性の
ないものしか得られない。また、二軸延伸ポリフェニレ
ンスルフィドフィルムに接着剤を塗布したフィルムを用
いることも考えられるが、二軸延伸ポリフェニレンスル
フィドフィルムが加熱時に僅かながら収縮してしまうた
めに溶融ハンダにディップされた時などに形状の変化や
剥離が発生する欠点があり、いずれも実用性のあるもの
は得られなかった。
よって本発明は十分なハンダ耐熱性を持ち耐薬品性が
高く寸法精度に優れた保護層が形成されたコンデンサを
提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、以下の構成としたもので
ある。すなわち、本発明は、誘電体フィルムと電極が交
互に重ね合わせて巻回あるいは積層して得られる容量発
生部分と、その外側に設けられたプラスティックフィル
ムを重ね合わせてなる保護層とを有するフィルムコンデ
ンサに於いて、該保護層の最外層が二軸延伸ポリフェニ
レンスルフィドフィルムからなり、かつ該保護層の全厚
みに対して20%以上の厚みが実質的に無延伸のポリフェ
ニレンスルフィドフィルムからなることを特徴とするフ
ィルムコンデンサである。
本発明のコンデンサの誘電体となるフィルムの種類は
特に問わない。例示するなら、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリイミドなど周知のもののい
ずれでもよいが保護層フィルムが高い耐熱性と耐薬品性
を持つことから誘電体フィルムもポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリエーテルエーテルケトンなど連続使用可
能最高温度が120℃を超えるものである時に本発明の効
果が大きい。特にポリエチレンナフタレート、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトンなどの
連続使用可能最高温度155℃を超えるものである時に本
発明の効果が極めて大きい。また、誘電体として上記フ
ィルムの他にコーティングなどの方法によって設けられ
た層が複合誘電体として作用するコンデンサでも良い。
また、本発明のコンデンサにおいて電極は誘電体上に
真空蒸着法などによって形成された金属薄膜であって
も、自己支持性を持つ金属箔であっても良い。
また、その構造も巻回型、積層型などいずれでも良い
が、積層フィルムコンデンサである時に本発明の効果が
大きい。
本発明は、保護層の最外層が二軸延伸ポリフェニレン
スルフィドフィルム(以下PPS−BOフィルムと略称する
ことがある)からなることが必要である。しかし、最外
層直下の第2層は、PPS−BOフィルム、実質的に無延伸
のポリフェニレンスルフィドフィルム(以下PPS−NOフ
ィルムと略称することがある)、その他のフィルム、繊
維補強シートなどを用いることができるが、これらのう
ちPPS−BOフィルムまたはPPS−NOフィルムであることが
好ましい。ここで、第2層もPPS−BOフィルムであると
きはPPS−BOフィルムの特性を損なわない範囲、好まし
くはPPS−BOフィルム厚みに対して30%以下の厚みであ
れば接着剤層などがフィルム層間に存在することは差し
支えない。この場合、接着剤としては硬化後の軟化温度
が260℃以上の熱硬化性、または熱可塑性樹脂を主成分
とするものであることが好ましい。また、第2層がPPS
−NOフィルムであるときは実質的に接着剤等を介さずに
積層されていることが好ましい。
最外層部分にPPS−BOフィルム層を配することによっ
てコンデンサ素子の強度を保つことができるとともにコ
ンデンサの耐熱性、耐湿性、耐薬品性を高い次元でバラ
ンスさせることができる。第2層がPPS−BOフィルム以
外のフィルムからなるときは最外層のPPS−BOフィルム
の厚さ、また、最外層を含めて連続して複数層のPPS−B
Oフィルムが積層されるときはそれらPPS−BOフィルム層
部分の合計厚さは、それぞれ25μm以上であるか、また
は保護層の全厚みに対して30%以上であることが素子保
護効果の点から好ましい。また、最外層以外にも二軸延
伸ポリフェニレンスルフィドフィルムが用いられること
も好ましく、特にPPS−NOフィルムとPPS−BOフィルムが
交互に配されたものが好ましい。
ここで二軸延伸ポリフェニレンスルフィドフィルム
(PPS−BOフィルム)とは、ポリ−p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物の二軸延伸フィルムで
ある。該フィルムの厚さは、5μm〜100μmの範囲が
好ましい。また、該フィルムの230℃に於ける10分間の
熱収縮率は、得られるコンデンサの寸法安定性からフィ
ルムの長手方向で0%〜+12%、長手方向に直交する方
向で−5%〜+5%であることが好ましい。
ここで、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分と
する樹脂組成物(以下PPS樹脂組成物と略称することが
ある)とは、ポリ−p−フェニレンスルフィドを70重量
%以上、好ましくは85重量%以上含む組成物をいう。ポ
リ−p−フェニレンスルフィドの含有量が70重量%未満
では、該組成物からなるフィルムの特長である耐熱性、
周波数特性、温度特性等を損なう。
さらにここで、ポリ−p−フェニレンスルフィド(以
下PPSと略称することがある)とは、繰り返し単位の70
モル%以上(好ましくは85モル%上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。PPSの溶融粘度は、300℃、せん断速度200sec-1のも
とで500〜15000ポイズの範囲が好ましい。
また本発明は、保護層の全厚みに対して20%以上、好
ましくは20%以上70%以下、さらに好ましくは40%以上
70%以下が実質的に無延伸のポリフェニレンスルフィド
フィルム(PPS−NOフィルム)からなることが必要であ
る。このPPS−NOフィルム層が存在することによって各
層間の接着性が確保され、さらにPPS−BOフィルムのハ
ンダディップ時などに於ける寸法変化をPPS−NOフィル
ム層が吸収して保護層の剥離、誘電体層の破壊を防ぐこ
とができる。
ここで、実質的に無延伸のポリフェニレンスルフィド
フィルム(PPS−NOフィルム)に於いても上記二軸延伸
ポリフェニレンスルフィドフィルムと同様のPPS樹脂組
成物あるいはPPSが好ましく用いられる。該PPS−NOフィ
ルムの厚さは15μm〜200μmの範囲が好ましい。
本発明で、実質的に無延伸とはThrough、Edge、Endの
3方向から測定した配向度がいずれも0.70以上であるも
のをいう。ここである方向から測定した配向度とは求め
る方向からのX線プレート写真を撮影しPPS結晶の[2,
0,0]回折リングをマイクロデンシトメーターで赤道線
上を半径方向に走査した時の黒化度(I[φ=0゜])
と同じく30゜方向での黒化度(I[φ=30゜])との比
(I[φ=30゜]/I[φ=0゜])によって定義され
る。すなわち配向度は、0から1の範囲にあるものであ
り、この値が1に近いほど測定方向に垂直な面内での等
方性が高く、3方向とも1に近いことは実質的に無配向
であることを表わす。また、フィルムが実質的に非晶状
態にありPPS結晶の[2,0,0]回折リングが明確に観測さ
れない場合は、フィルムを定長状態に固定し、200℃に
加熱されたオーブン中で1分間熱処理を施してPPS結晶
を生成せしめてから測定する。尚、この値はコンデンサ
となった後でも変わらない。
本発明に使用されるPPS−NOフィルムは相対結晶化指
数が3.0以下の実質的に非晶状態にあるものを用いるこ
とがフィルムの取り扱い性やシート同志の接着性の点か
ら好ましい。ここで相対結晶化指数とはシートのX線に
よる広角回折プロファイル中のPPS結晶の[2,0,0]回折
ピークの最大強度(I200)と2θ=25゜での強度
(I25)の比I200/I25を以て定義される。
また実質的に非晶状態にあるポリフェニレンスルフィ
ドからなるフィルムをPPS−NOフィルムまたはPPS−BOフ
ィルムと実質的に接着剤を介在させないで重ね合わせる
時は100℃以上ポリフェニレンスルフィドの融点以下の
温度、1kg/cm2以上の圧力でシートの厚さ方向に加圧し
てシート層間を密着させることが好ましい。
また、本発明に使用されるPPS−NOフィルムの昇温時
結晶化温度は130℃以上であることが加工のし易さの点
から好ましい。ここで昇温時結晶化温度とは示差熱分析
によって室温から20℃/分の割合で昇温した時にPPSの
結晶化の進行によって100℃〜150℃の範囲に現われるピ
ークの極大を与える温度のことを言う。
本発明のコンデンサは上記の構成とすることにより十
分な効果があるが保護層を形成した後、熱処理を施し、
PPS−NOフィルム部分を、好ましくは密度にして1.330g/
cm3以上さらに好ましくは1.350g/cm3以上になるまで結
晶化せしめるとさらに耐熱性が向上し好ましい。
本発明は保護層にPPS−BOフィルムとPPS−NOフィルム
を併用することによって優れたコンデンサを得るもので
あるが、保護層すべてが上記二軸延伸ポリフェニレンス
ルフィドフィルム部分と無延伸のポリフェニレンスルフ
ィドフィルムから構成されている必要はなく、特性を損
なわない範囲、好ましくは保護層の全厚みに対して20%
以下であればポリエステルフィルム、ポリイミドフィル
ムなどの他のシート、フィルムあるいは樹脂、接着剤層
等が二軸延伸および実質的に無延伸のポリフェニレンス
ルフィドフィルムとともに使われることは差し支えな
い。保護層の構成として外側よりPPS−BOフィルム/PPS
−NOフィルム、PPS−BOフィルム/PPS−NOフィルム/PPS
−BOフィルム、PPS−BOフィルム/PPS−NOフィルム/PPS
−BOフィルム/PPS−NOフィルム、さらに多くの層が積層
されたもの、およびそれらの層間に他樹脂、シート、フ
ィルムが介在するものなどが考えられ、いずれの構成で
も差し支えない。
次に本発明のコンデンサの製造方法を説明する。
本発明のコンデンサは特に従来の製造方法を変更する
ことなく得ることができる。すなわち誘電体フィルムと
電極となる金属箔や蒸着膜などを得る手段と、該誘電体
フィルムと該電極を静電容量を発生するように重ね合わ
せる手段と、得られた容量発生部分に保護層を設ける手
段を兼ね備えていれば従来知られているいずれの方法も
適用することができる。また、新規の方法であっても良
い。保護層を形成する方法は、PPS−NOフィルムを含む
保護層材料を設けた後、最外層にPPS−BOフィルムを積
層する方法、PPS−BOフィルムが外側にくるようにPPS−
NOフィルムとPPS−BOフィルムを重ね合わせて保護層を
形成する方法、あらかじめPPS−NOフィルムとPPS−BOフ
ィルムを積層した複合フィルムを準備したのちPPS−BO
フィルム部分が外側にくるように保護層を形成する方法
などがある。なお、本発明のコンデンサは上記保護層が
コンデンサの最外層部分に露出している必要はなく、保
護層を持つコンデンサ素子の周囲に樹脂などによるコー
ティングなど、いわゆるコンデンサの外装が施されるこ
とは差し支えない。しかし、本発明の効果が最も発揮さ
れるのは実質的に無外装の積層フィルムチップコンデン
サである。
[発明の効果] 従来、特に高耐熱コンデンサに於いて問題となってい
た保護層材質の寸法安定性不良および接着性不良による
層間剥離の問題等を解消し、ハンダ耐熱性、耐湿度劣化
性、耐薬品性が高く寸法精度に優れた保護層が形成され
たコンデンサとなる。
[特性の評価法] 本発明における各特性の評価方法は以下の通りであ
る。
(1)コンデンサの耐ハンダ性試験 コンデンサを260℃の溶融状態にあるハンダ浴に10秒
間浸漬し、外観を目視で検査する。判定の基準は以下の
通りである。
○:保護フィルム部分にやや変色が見られるが実用
上問題ない。
×:保護フィルム部分が軟化したり、大きく変形ま
たは剥離し、実用上問題がある。
(2)保護層の耐熱剛性試験 コンデンサを260℃の溶融状態にあるハンダ浴に浸漬
する。10秒間経過した後、ハンダ浴に入れたままピンセ
ット等で挟むなどして保護層の軟化程度を見る。判定の
基準は以下の通りである。
○:保護フィルム部分は全く損傷がない。
×:保護フィルム部分にピンセットの跡が付くなど
保護層が軟化した形跡があり、実用上問題がある。
(3)コンデンサの耐湿度劣化性試験 コンデンサを水を入れた加圧容器に封入し、155℃に
加熱したオーブンで2時間エージングする。コンデンサ
を取り出し、目視等によって検査する。判定の基準は以
下の通りである。
○:外観上全く変化がなく、強度も十分である。
×:外観上は変化ないが、簡単に剥離したり脆弱で
ある。
[実施例] 実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが本発明はこ
れらに限定されるものではない。
実施例1 (1)無延伸ポリフェニレンスルフィドシートの調製 オートクレーブに、硫化ナトリウム32.6kg(250モ
ル、結晶水40wt%を含む)、水酸化ナトリウム100g、安
息香酸ナトリウム36.1kg(250モル)、及びN−メチル
−2−ピロリドン(以下NMPと略称することがある)79.
2kgを仕込み205℃で脱水したのち、1,4ジクロルベンゼ
ン(p−DCBと略称する)37.5kg(255モル)、及びNMP2
0.0kgを加え、265℃で4時間反応させた。反応生成物を
水洗、乾燥して、p−フェニレンスルフィド100モル%
からなり、溶融粘度3100ポイズのポリ−p−フェニレン
スルフィド21.1kg(収率78%)を得た。
この組成物にステアリン酸カルシウム0.05wt%を添加
し、40mm径のエクストルーダによって310℃で溶融し、
金属繊維を用いた95%カット孔径10μmのフィルタでろ
過したのち長さ400mm、間隙1.5mmの直線状リップを有す
るTダイから押し出し、表面を25℃に保った金属ドラム
上にキャストして冷却固化し、厚さ約25μmの無延伸ポ
リフェニレンスルフィドシートを得た。これをPPS−NO
−1とする。PPS−NO−1の配向度はThrough=0.89、Ed
ge=0.94、End=0.91であり実質的に無延伸であった。
尚、このシートの相対結晶化指数は1.2、昇温時結晶化
温度は135℃であった。
(2)コンデンサの製造 二軸延伸PPSフィルム(東レ(株)製“トレリナ”、
公称厚み25μm)の片面にエポキシ系接着剤を理論値で
厚さ3μmに塗布した接着剤付き二軸延伸PPSフィルム
(これをPPS−BO−1とする)を幅4.7mmにスリットし、
接着剤層が外側にくるように600mm径のドラムに5ター
ン巻き付け、その上にPPS−NO−1を幅4.7mmにスリット
し、600mm径のドラムに5ターン巻き付けた。さらに、
その上にコンデンサ用アルミニウム蒸着二軸延伸PPSフ
ィルム(東レ(株)製“MCトレリナ”、公称厚み2.5μ
m、フィルム幅4.5mm、マージン0.5mm)の左マージンお
よび右マージンのもの各1枚づつを0.2mmのずらしを持
たせて重ね合わせ、1000ターン巻回し、さらにその上に
再びPPS−NO−1を5ターン、接着剤付きPPS−BO−1フ
ィルムを内側に接着剤層がくるように5ターン巻き付け
た。この大径巻回体の外側から、被せるようにしてヒー
ターを持つ円筒状のリングを締め付け、フィルム厚さ方
向に3kg/cm2の圧力がかかるように締めると同時にリン
グを180℃に加熱して、5分間加熱成形した。さらに両
端面にメタリコンを溶射して外部電極を形成してからリ
ングをはずし、対向する2ヶ所で切断して半円状のコン
デンサ母素子を得た。
得られたコンデンサ母素子を、容量が0.1μFになる
ような長さに切断してコンデンサ素子を得た。素子の切
断面をエポキシ樹脂を塗布して保護した後、200℃に加
熱したオーブンに入れ2時間熱処理し、メタリコン部分
表面を研磨して積層チップ状コンデンサを得た。これを
コンデンサAとする。コンデンサAの評価結果を表1に
示す。
実施例2 長さ320mm、幅30mmの平板状のマンドレルにコンデン
サ用アルミニウム蒸着二軸延伸PPSフィルム(東レ
(株)製“MCトレリナ”、公称厚さ2.5μm、フィルム
幅4.5mm、マージン0.5mm)の左マージンおよび右マージ
ンのもの各1枚づつを0.2mmのずらしを持たせて重ね合
わせ、1000ターン巻回し、巻回体の上下から、180℃に
加熱された平行平板加熱プレス機によってフィルム厚さ
方向に30kg/cm2の圧力をかけながら5分間プレスした。
プレス後、両端面にメタリコンを溶射して外部電極を形
成してから、対向する2ヶ所で切断して棒状のコンデン
サ母素子を得た。
得られたコンデンサ母素子を、容量が0.1μFになる
ような長さに切断してコンデンサ素子を得た。
実施例1で得たPPS−NO−1を幅4.7mmにスリットし、
得られたコンデンサ素子の外周(メタリコンがされた面
を除く4面)に5周巻き付け、さらに実施例1で得た接
着剤付きPPS−BO−1を2周巻き付けてから巻終わり部
分を粘着テープで仮り止めしてから再び200℃に加熱さ
れた平行平板加熱プレス機によって誘電体フィルムの厚
さ方向に30kg/cm2の圧力をかけながら1時間プレス成型
した後、メタリコン部分表面を研磨して積層チップ状コ
ンデンサを得た。これをコンデンサBとする。コンデン
サBの評価結果を表1に示す。
実施例3 実施例1と同様の方法でPPS−NOフィルムを得た。た
だし、このときキャスト速度を1/2にして厚さ50μmと
した。これをPPS−NO−2とする。
これとは別に二軸延伸PPSフィルム(東レ(株)製
“トレリナ”、公称厚み50μm)を用意した。これを、
PPS−BO−2とする。
PPS−BO−2およびPPS−NO−2を共に4.7mm幅にスリ
ットし、まずPPS−BO−2が内側にくるように重ね合わ
せて600mm径のドラムに2ターン巻き付けた。さらに、
その上にコンデンサ用アルミニウム蒸着二軸延伸PPSフ
ィルム(東レ(株)製“MCトレリナ”、公称厚み2.5μ
m、フィルム幅4.5mm、マージン0.5mm)の左マージンお
よび右マージンのもの各1枚づつを0.2mmのずらしを持
たせて重ね合わせ、1000ターン巻回し、さらにその上に
再びPPS−BO−2が外側にくるようにしてPPS−BO−2と
PPS−NO−2を重ね合わせて2ターン巻き付けた。この
大径巻回体の外側から、被せるようにしてヒーターを持
つ円筒状のリングを締め付け、フィルム厚さ方向に3kg/
cm2の圧力がかかるように締めると同時にリングを180℃
に加熱して、5分間加熱成形した。さらに両端面にメタ
リコンを溶射して外部電極を形成してからリングをはず
し、対向する2ヶ所で切断して半円状のコンデンサ母素
子を得た。
得られたコンデンサ母素子を、容量が0.1μFになる
ような長さに切断してコンデンサ素子を得た。素子の切
断面をエポキシ粉体塗装によって保護した後、200℃に
加熱したオーブンに入れ2時間熱処理し、メタリコン部
分表面を研磨して積層チップ状コンデンサを得た。これ
をコンデンサCとする。コンデンサCの評価結果を表1
に示す。
実施例4 実施例3で得たPPS−NO−2フィルム(厚さ50μm)
の両面に、二軸延伸PPSフィルム(東レ(株)製“トレ
リナ”、公称厚み25μm)を熱ラミネートし、PPS−BO/
PPS−NO/PPS−BO構成の積層フィルムを得た。
この積層フィルムの片面にエポキシ系接着剤を理論値
で厚さ3μmに塗布し、接着剤付き積層フィルムを得
た。
この接着剤付き積層フィルムを4.7mm幅にスリット
し、600mm径のドラムに接着剤層が外側にくるように5
ターン巻き付けた。さらに、その上にコンデンサ用アル
ミニウム蒸着二軸延伸PPSフィルム(東レ(株)製“MC
トレリナ”、公称厚み2.5μm、フィルム幅4.5mm、マー
ジン0.5mm)の左マージンおよび右マージンのもの各1
枚づつを0.2mmのずらしを持たせて重ね合わせ、1000タ
ーン巻回し、さらにその上に接着剤付き積層フィルムを
接着剤層が内側にくるように5ターン巻き付けた。
得られたフィルム巻回体をドラムに巻き付けたまま18
0℃の熱風オーブンで1時間熱処理し、さらに巻回体の
端面部分にメタリコンを施しと後、ドラムの対向する2
ヶ所で巻回体を切断し半円状のコンデンサ母素子を得
た。
得られたコンデンサ母素子を、容量が0.1μFになる
ような長さに切断してコンデンサ素子を得た。素子の切
断面をエポキシ粉体塗装によって保護した後、200℃に
加熱したオーブンに入れ2時間熱処理し、メタリコン部
分表面を研磨して積層チップ状コンデンサを得た。これ
をコンデンサDとする。コンデンサDの評価結果を表1
に示す。
比較例1 保護フィルム部分をPPS−NOを用いることなく接着剤
付き二軸延伸PPSフィルム(PPS−BO−1)のみとして実
施例1と同様の方法でコンデンサを作成した。ただし、
PPS−BO−1は保護層部分の厚みを揃えるため10ターン
巻き付けた。これをコンデンサEとする。コンデンサE
の評価結果を表1に示す。
比較例2 保護フィルム部分をPPS−NO−1のみとして実施例1
と同様の方法でコンデンサを作成した。ただし、PPS−N
O−1は保護層部分の厚みを揃えるため10ターン巻き付
けた。これをコンデンサFとする。コンデンサFの評価
結果を表1に示す。
比較例3 保護フィルムを熱接着性ポリイミドフィルム(東レ・
デュポン(株)製“カプトン"Fタイプ、フィルム厚さ25
μm)として比較例1と同様の方法でコンデンサを作成
した。これをコンデンサGとする。コンデンサGの評価
結果を表1に示す。
比較例4 保護フィルムをポリエステルフィルム(東レ(株)製
“ルミラー”、フィルム厚さ25μm)として比較例1と
同様の方法でコンデンサを作成した。これをコンデンサ
Hとする。コンデンサHの評価結果を表1に示す。
以上の結果から本発明のコンデンサは優れた耐ハンダ
性と耐湿度劣化性をあわせもったコンデンサであること
がわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1によって得られたコンデンサ
素子の構造を模式的に説明する斜視図を示す。 1:接着剤付きPPS−BOフィルムからなる保護層(外層) 2:PPS−NOフィルムからなる保護層(内層) 3:容量発生部分 4:外部電極(メタリコン)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体フィルムと電極が交互に重ね合わせ
    て巻回あるいは積層して得られる容量発生部分と、その
    外側に設けられたプラスティックフィルムを重ね合わせ
    てなる保護層とを有するフィルムコンデンサに於いて、
    該保護層の最外層が二軸延伸ポリフェニレンスルフィド
    フィルムからなり、かつ該保護層の全厚みに対して20%
    以上の厚みが実質的に無延伸のポリフェニレンスルフィ
    ドフィルムからなることを特徴とするフィルムコンデン
    サ。
  2. 【請求項2】コンデンサが積層フィルムコンデンサであ
    る請求項(1)に記載のフィルムコンデンサ。
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