JP2867295B2 - マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法 - Google Patents

マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は溶接性の優れたマルテンサイト系ステンレス
鋼ラインパイプの製造方法に係り、さらに詳しくは例え
ば石油・天然ガスの輸送において湿潤炭酸ガスや湿潤硫
化水素を含む環境中で高い腐食抵抗を有するとともに、
溶接熱影響部の衝撃靭性に優れ、溶接熱影響部の硬さを
低減したラインパイプを高い生産性で製造する方法に関
する。
(従来の技術) 近年生産される石油・天然ガス中には、湿潤な炭酸ガ
スを多く含有する場合が増加している。こうした環境中
で炭酸鋼や低合金鋼は著しく腐食することがよく知られ
ている。このため、輸送に使用されるラインパイプなど
の防食対策として、腐食抑制剤の添加が従来より行なわ
れてきた。しかし、腐食抑制剤は高温ではその効果が失
われる場合が多いことに加えて、海底パイプラインでは
腐食抑制剤の添加・回収処理に要する費用は膨大なもの
となり、適用できない場合が多い。従って、腐食抑制剤
を添加する必要のない耐食材料に対するニーズが最近と
みに高まっている。ラインパイプとして使用される材料
には、耐食性のほかに内部を流れる輸送流体の圧力に耐
える高い強度を持ち、溶接性に優れることが要求され
る。溶接性の代表的な特性としては、溶接部の衝撃靭性
が優れていることが必要である。また、硫化水素を含有
する流体を輸送する場合には、溶接部の硬さが低いこと
も要求される。勿論、母材の衝撃靭性も優れていること
が必要である。
炭酸ガスを多く含む石油・天然ガス用の耐食材料とし
ては、耐食性の良好なステンレス鋼の適用がまず検討さ
れた。例えばL.J.クライン、コロージョン(Corrosio
n)'84、ペーパーナンバー211にあるように、溶接構造
のない油井管には、高強度で比較的コストの安い鋼とし
てAISI(米国鉄鋼協会)410鋼あるいは420鋼とあった、
Cを0.1%あるいは0.2%含有し12〜13%のCrを含有する
マルテンサイト系ステンレス鋼が広く使用され始めてい
る。しかしながら、これらの鋼はCの含有量が高いの
で、溶接部が非常に硬くなるとともに溶接部の衝撃靭性
が悪いために、ラインパイプとして使用することは困難
である。AISI410鋼を使用したラインパイプが最近API
(米国石油協会)で規格化されているものの、例えば須
賀正孝ほか著、NKK技報1989年発行、第129号、15〜22頁
にあるように、現地溶接部の衝撃靭性が悪いという難点
を有している。これは彼らの報告にあるように溶接熱影
響部が粗大なフェライト主体の組織となるためである。
従来のマルテンサイト系ステンレス鋼鋼管は、造管後
に熱処理されるに際して、焼入れ時の冷却は空冷とする
のが通常であった。これは空冷よりも速い冷却速度、例
えば水冷で冷却すると焼割れを生ずるので、焼割れを生
じない冷却速度でゆっくり冷却しなければならないため
である。焼入れ時の冷却を空冷とした場合、室温までの
冷却に長時間要するので、例えば水冷の場合に比べると
生産性が著しく悪いという難点をも有している。従っ
て、焼入れに際して水冷で製造できれば生産性の点から
その意義は極めて大きいものがある。
ラインパイプ用鋼としては、特開昭61−119654号公報
において、CおよびNを低減し、AlまたはCaさらにはV
を含有させ、かつNiおよびMoを含有させた鋼が提案され
ている。しかし、この鋼は高価な合金元素であるNiを多
量に含有しているためにコストが高い上に特性も十分と
は言えない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はこうした現状に鑑み、炭酸ガス環境でも充分
な耐食性を有し、母材の衝撃靭性および溶接性に優れ、
かつ生産性にも優れるマルテンサイト系ステンレス鋼ラ
インパイプの製造方法を提供することを目的としてい
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の目的を達成すべくマルテンサイ
ト系ステンレス鋼ラインパイプの成分と熱処理条件とを
種々検討してきた結果、ついに以下の知見を見出すに至
った。
まず、Crを11〜14%含有する鋼のC量を0.02%未満に
低減し、かつNを0.015%以下に低減した上で、該鋼を
鋼管として製造した後の焼入れに際して水冷以上の速い
冷却速度で冷却し、焼入れおよび焼戻し条件を適切に選
択すれば、ラインパイプとして必要な強度と優れた靭性
が得られること、また上記のようにCおよびNを低減す
れば水冷以上の速い冷却速度で冷却しても焼割れなどの
問題を生じないこと、CおよびNを低減すれば溶接熱影
響部の硬さを著しく低下させることができるとともに、
炭酸ガス含有食塩水中における耐食性が著しく改善され
ることを見出した。そしてかかる鋼をCuを1.2〜4.5%添
加すると溶接部の硬さをあまり上げることなく母材およ
び溶接部のミクロ組織を実質的にマルテンサイト単相と
することができ、母材および溶接部の衝撃靭性を改善で
きることを見出した。
さらに本発明者らは検討をすすめ、上記のような熱処
理を施すマルテンサイト系ステンレス鋼からなるライン
パイプの組成として、Crを11〜14%含有し、CおよびN
を低減し、1.2〜4.5%含有する鋼にNiを添加すると溶接
熱影響部の衝撃靭性をさらに改善するのに効果があるこ
と、MoおよびWの1種以上を添加すると湿潤炭酸ガス環
境の耐食性を改善するのに効果があること、V,Ti,Nb,T
a,Zr,Hfの1種以上を添加すると耐食性を一段と向上さ
せるのに有効であること、Caおよび希土類元素の1種以
上を添加すると熱間加工性の向上、耐食性の向上に効果
のあること、これらの元素を添加した場合でもCおよび
Nを前記の範囲に制御しておけば焼入れ時に水冷などの
急冷を施しても焼割れは起こさないことを見出した。
本発明は上記の知見に基づいてなされたものであり、 第1発明の要旨とするところは、重量%で、Cを0.02
%未満に低減し、Cr11〜14%、Cu1.2〜4.5%、Si1%以
下、Mn2%以下、Al0.005〜0.2%を含有し、Nを0.015%
以下に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなるマル
テンサイト系ステンレス鋼を鋼管として製造した後に、
920〜1100℃でオーステナイト化してから水冷以上の冷
却速度で冷却し、次いで600℃以上Ac1温度以下の温度で
焼戻し処理を施してから空冷以上の冷却速度で冷却する
ことを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼ライン
パイプの製造方法にあり、 第2発明の要旨とするところは、第1発明が対象とす
る鋼にさらに、重量%で、Ni4%以下を含有させた鋼を
使用するマルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの
製造方法にあり、 第3発明の要旨とするところは、第1発明および第2
発明が対象とする鋼にさらに、重量%で、Mo2%以下、W
4%以下のうち1種または2種を含有させた鋼を使用す
るマルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方
法にあり、 第4発明の要旨とするところは、第1発明、第2発
明、および第3発明が対象となる各鋼にさらに、重量%
で、V0.5%以下、Ti0.2以下、Nb0.5%以下、Ta0.2%以
下、Zr0.2%以下、Hf0.2%以下のうち1種または2種以
上を含有させた鋼を使用するマルテンサイト系ステンレ
ス鋼ラインパイプの製造方法にあり、 第5発明の要旨とするところは、第1発明、第2発
明、第3発明および第4発明が対象とする各鋼にさら
に、重量%で、Ca0.008%以下、希土類元素0.02%以下
のうち1種または2種を含有させた鋼を使用するマルテ
ンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法にあ
る。
(作 用) 以下に本発明で成分および熱処理条件を限定した理由
を述べる。
C:Cは多量に存在すると湿潤炭酸ガス環境における耐
食性を低下させ、かつ溶接熱影響部の硬さを上昇させ
る。C量を0.02%未満とすれば特に耐食性改善効果およ
び溶接熱影響部の硬さ低減効果が著しいことから、C量
は0.02%未満に限定する。
Si:Siは脱酸のために必要な元素であるが、1%を越
えて添加すると靭性を著しく低下させることから、上限
含有量は1%とする。
Mn:Mnは脱酸および強度確保のために有効な元素であ
るが、2%を超えて添加するとその効果は飽和するの
で、上限含有量は2%とする。
Cr:Crはマルテンサイト系ステンレス鋼を構成するも
っとも基本的かつ必須の元素であって耐食性を付与する
ために必要な元素であるが、含有量が11%未満では耐食
性が充分ではなく、一方14%を超えて添加すると他の合
金元素をいかに調製しても高温に加熱したときにオース
テナイト単相になり難く強度確保が困難になるので、上
限含有量は14%とすべきである。
Cu:CuはCおよびNの含有量を低減させた鋼の母材は
言うまでもなく、溶接熱影響部のミクロ組織をもマルテ
ンサイト組織として衝撃靭性を改善するとともに湿潤炭
酸ガス環境における耐食性を改善するのに極めて有用な
元素であるが、含有量が1.2%未満ではこれらの効果が
不充分であり、4.5%を超えて添加しもその効果は飽和
するばかりか熱間加工性を著しく低下させるようになる
ので、1.2〜4.5%の範囲に限定する。
Al:Alは脱酸のために必要な元素であって含有量が0.0
05%未満ではその効果が充分ではなく、0.2%を超えて
添加すると粗大な酸化物系介在物が鋼中に残留して硫化
水素中での割れ抵抗を低下させるので、含有量範囲は0.
005〜0.2%とした。
N:Nは、0.015%を超えて存在すると溶接熱影響部の硬
さを上昇させるとともに母材および溶接熱影響部の衝撃
靭性を低下させるので、上限含有量は0.015%とすべき
である。より好ましくは、溶接熱影響部の衝撃靭性を向
上させるためにNは0.01%未満とすることが望ましい。
以上が本発明が対象とするラインパイプの素材となる
マルテンサイト系ステンレス鋼の基本的成分であるが、
本発明においては必要に応じてさらに以下の元素を添加
して特性を一段と向上させた鋼も対象としている。
Ni:Niは1.2%以上のCuと共存して溶接熱影響部の衝撃
靭性をさらに改善するのに効果があるが、4%を超えて
添加しもその効果は飽和するばかりか、いたずらにコス
トを上昇させ、かつ溶接熱影響部の硬さを上昇させるあ
たけであるので、上限含有量は4%とする。
Mo:Moは1.2%以上のCuと共存して湿潤炭酸ガス環境の
耐食性を改善するのに効果があるが、2%を超えて添加
してもその効果は飽和するばかりか、靭性など他の特性
を低下させるようにするので、上限含有量は2%とす
る。
W:Wも1.2%以上のCuと共存して湿潤炭酸ガス環境の耐
食性を改善するのに効果があるが、4%を超えて添加し
てもその効果は飽和するばかりか、靭性など他の特性を
低下させるようになるので上限含有量は4%となる。
V,Ti,Nb,Ta,Zr,Hf:V,Ti,Nb,Ta,Zr,Hfは耐食性を一段
と向上させるのに有効な元素であるが、Ti,Zr,Ta,Hfで
は0.2%、V,Nbでは0.5%をそれぞれ超えて添加すると粗
大な析出物・介在物を生成して硫化水素含有環境におけ
るSSC抵抗を低下させるようになるので、上限含有量はT
i,Zr,Ta,Hfでは0.2%、V,Nbでは0.5%とした。
Ca,希土類元素:Caおよび希土類元素(REM)は熱間加
工性の向上、耐食性の向上に効果のある元素であるが、
Caでは0.008%を超えて、希土類元素では0.02%を超え
て添加すると、それぞれ粗大な非金属介在物を生成して
逆に熱間加工性および耐食性を劣化させるので、上限含
有量はCaでは0.008%、希土類元素では0.02%とした。
なお、本発明において希土類元素とは原子番号が57〜71
番および89〜103番の元素およびYを指す。
上記の成分を有するステンレス鋼を造管した後に熱処
理して所定の強度を付与するに際し、オーステナイト化
温度を920〜1100℃としたのは、920℃より低い温度では
オーステナイト化が充分ではなく、従って必要な強度を
得ることが困難だからであり、オーステナイト化温度が
1100℃を超えると結晶粒が著しく粗大化して母材の衝撃
靭性が低下するようになるので、オーステナイト化温度
は920〜1100℃とした。
オーステナイト化後の冷却における冷却速度を水冷以
上の冷却速度としたのは、水冷よも遅い冷却速度では所
定の強度および靭性を確保することが困難になるととも
に耐食性が低下するからである。
焼戻し温度を600℃以上Ac1温度以下としたのは、焼戻
し温度が600℃未満では充分な焼戻しが行われず、焼戻
し温度がAc1温度を超えると一部がオーステナイト化
し、その後に冷却時にフレッシュ・マルテンサイトを生
成し、いずれも充分に焼戻しされていないマルテンサイ
トが残留するために衝撃靭性が低下するとともに硫化水
素含有環境におけるSSC感受性を増加させるためであ
る。
焼戻し後の冷却における冷却速度を空冷以上の冷却速
度としたのは、空冷よりも遅い冷却速度では靭性が低下
するためである。
本発明においては、所定の組織を有するマルテンサイ
ト系ステンレス鋼を鋼管として造管するのであるが、造
管方法としては、プレス製管法あるいは熱管案圧延法を
用いて継ぎ目なし鋼管とすること、UOE鋼管、電縫鋼管
あるいはスパイラル鋼管として溶接鋼管とすることのい
ずれも本発明の対象とするところである。ここでプレス
製管法としては熱間押出方式あるいはプッシュベンチ方
式などの通常のプレス製管法を指す。熱間圧延法として
はプラグミル方式あるいはマンドレルミル方式などの通
常の熱間圧延法を指す。UOE鋼管、電縫鋼管あるいはス
パイラル鋼管はそれぞれ通常のUOE鋼管、電縫鋼管ある
いはスパイラル鋼管を指す。
(実施例) 以下に本発明の実施例について説明する。
第1表に示す成分のステンレス鋼を溶製し、それぞれ
第1表に示す工程で肉厚12.7mmの鋼管とした後、第1表
に併せて示す条件で焼入れ焼戻し処理を施していずれも
0.2%オフセット耐力が42kg/mm2以上の高強度マルテン
サイト系ステンレス鋼鋼管とした。焼入れ時の冷却はい
ずれも水冷とし、焼戻し時の冷却はいずれも空冷とし
た。次にこれらの鋼管を手溶接によって円周溶接して継
手を作製した。溶接入熱は17kJ/cmであった。母材およ
び該円周溶接部の溶接熱影響部からJIS 4号衝撃試験片
(フルサイズ)を採取して衝撃試験を行なった。また溶
接熱影響部の最高硬さを荷重100gのマイクロビッカース
測定で求めた。また母材から試験片を採取して湿潤炭酸
ガス環境における腐食試験を行なった。湿潤炭酸ガス環
境における腐食試験としは、厚さ3mm、幅15mm、長さ50m
mの試験片を用い、試験温度150℃のオートクレーブ中で
炭酸ガス分圧40気圧の条件で5%NaCl水溶液中に30日間
浸漬して、試験前後の重量変化から腐食速度を算出し
た。腐食速度の単位はmm/yで表示したが、一般的にある
環境における材料の腐食速度が0.1mm/y以下の場合、材
料は充分耐食的であり使用可能であると考えられてい
る。
試験結果を第1表に併せて示した。第1表のうち、衝
撃試験結果において○は破面遷移温度が−30℃以下、×
は破面遷移温度が−30℃を超え0℃以下、××は破面遷
移温度が0℃超であったことをそれぞれ表わしており、
溶接熱影響部最高硬さにおいて○は最高硬さが300未
満、×は最高硬さが300以上450未満、××は最高硬さが
450以上であったことをそれぞれ表わしており、腐食試
験結果において◎は腐食速度が0.05mm/y未満、○は腐食
速度が0.05mm/y以上0.10mm/y未満、×は腐食速度が0.10
mm/y以上0.5mm/y未満、××は腐食速度が0.5mm/y以上で
あったことをそれぞれ表わしている。なお、第1表にお
いて比較鋼のNo.29はAISI 420鋼であり、No.30は9Cr−1
Mo鋼であって、いずも従来から湿潤炭酸ガス環境で使用
されている従来鋼である。
第1表から明らかなように本発明方法に従って製造さ
れたラインパイプであるNo.1〜28は、母材および溶接熱
影響部の衝撃靭性が格段に優れ、溶接熱影響部の硬さが
充分低く、湿潤炭酸ガス環境において150℃というライ
ンパイプとしては非常な高温であっても、実用的に使用
可能な腐食速度である0.1mm/yよりも腐食速度が小さ
く、優れた耐食性と溶接性とを有していることがわか
る。また本発明方法に従って製造されたラインパイプは
いずも焼入れに際して水冷が可能であり、生産性にも優
れている。これに対して比較例であるNo.29〜31は水冷
による焼入れに際して焼割を生じている。また比較例N
o.32〜34も湿潤炭酸ガス環境において150℃で既に腐食
速度が0.1mm/yを大きく上回っており、かつ母材および
溶接熱影響部の衝撃靭性が悪く、また溶接熱影響部の硬
さが高い。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は湿潤炭酸ガス環境におけ
る優れた耐食性と優れた溶接性を有し、かつ生産性にも
優れる高強度マルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイ
プの製造方法を提供することを可能としたものであり、
産業の発展に貢献するところ極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/00 - 9/44,9/50 C22C 38/00 - 38/60

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 Cを0.02%未満に低減し、 Si:1%以下、 Mn:2%以下、 Cr:11〜14%、 Cu:1.2〜4.5%、 A1:0.005〜0.2% を含有し、 N:0.015%以下に低減し、 残部Feおよび不可避不純物からなるマルテンサイト系ス
    テンレス鋼を鋼管として造管した後に、920〜1100℃で
    オーステナイト化してから水冷以上の冷却速度で冷却
    し、次いで600℃以上Ac1温度以下の温度で焼戻し処理を
    施してから空冷以上の冷却速度で冷却することを特徴と
    するマルテンサイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造
    方法。
  2. 【請求項2】マルテンサイト系ステンレス鋼が、さらに
    付加成分として重量%で Ni:4%以下 を含有することを特徴とする請求項1に記載のマルテン
    サイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  3. 【請求項3】マルテンサイト系ステンレス鋼が、さらに
    付加成分として重量%で Mo:2%以下、 W:4%以下 のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求
    項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼ラ
    インパイプの製造方法。
  4. 【請求項4】マルテンサイト系ステンレス鋼が、さらに
    付加成分として重量%で V:0.5%以下、 Ti:0.2%以下、 Nb:0.5%以下、 Zr:0.2%以下、 Ta:0.2%以下、 Hf:0.2%以下 のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする
    請求項1、2または3の何れか1項に記載のマルテンサ
    イト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
  5. 【請求項5】マルテンサイト系ステンレス鋼が、さらに
    付加成分として重量%で Ca:0.008%以下、 希土類元素:0.02%以下 のうち1種類または2種を含有することを特徴とする請
    求項1、2、3または4の何れか1項に記載のマルテン
    サイト系ステンレス鋼ラインパイプの製造方法。
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