JP2865988B2 - 正方形断面シールド掘削機 - Google Patents

正方形断面シールド掘削機

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JP2865988B2
JP2865988B2 JP23777393A JP23777393A JP2865988B2 JP 2865988 B2 JP2865988 B2 JP 2865988B2 JP 23777393 A JP23777393 A JP 23777393A JP 23777393 A JP23777393 A JP 23777393A JP 2865988 B2 JP2865988 B2 JP 2865988B2
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、断面が略正方形の横
孔を掘削するための正方形断面シールド掘削機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シールド掘削機としては、特開昭
63−247497号公報に記載されたものがある。こ
のシールド掘削機は、円筒形状のスキンプレートの前端
に漏斗形状のフードを固定し、上記スキンプレートにフ
ードの後方に位置するように隔壁を固定して、上記フー
ドの後端と隔壁との間にチャンバーを形成している。こ
の隔壁の中心には回転軸を回転自在に嵌合し、この回転
軸の先端にカッタヘッドを固定している。上記カッタヘ
ッドは、回転軸の先端に固定したコーンとこのコーンの
先端に固定したカッタアーム等の掘削部とからなってお
り、上記コーンとフードとの間に破砕室を形成してい
る。そして、この破砕室には送泥管により泥水を供給
し、掘削部により地盤を掘削し、掘削された礫を破砕室
で破砕し、破砕された礫,土砂等を破砕室からチャンバ
ーに導き、さらに、チャンバーに連通する排泥管により
外部に排出するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、断面
が正方形の管路のための横孔を掘る際には、その管路の
形状に合わせて断面が正方形の横孔を掘削したいという
要請がある。
【0004】ところが、上記従来のシールド掘削機は円
筒形のスキンプレートに固定した隔壁の中心、つまり円
筒形のスキンプレートの中心に回転軸を配置し、この回
転軸に固定したカッタヘッドの回転によって掘削を行う
ため、掘削された横孔は必然的に円形になり、断面が正
方形の横孔を掘ることができないという問題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、断面が略正方
形の横孔を掘削することができる正方形断面シールド掘
削機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の正方形断面シールド掘削機は、断
面略正方形状のスキンプレートと、上記スキンプレート
の内側に配置され、上記スキンプレートの中心を回転中
心として上記スキンプレートに回転自在に支持された円
形のクランク輪と、上記スキンプレートの内側に上記ク
ランク輪から前方に所定の間隔をあけて配置され、上記
スキンプレートの中心を回転中心として上記スキンプレ
ートに回転自在に支持された円形の回転隔壁と、上記ク
ランク輪の中心に対して一定量偏心した位置と上記回転
隔壁の中心に対して上記一定量偏心した位置に夫々回転
自在に支持された回転軸と、上記回転軸の先端に固定さ
れた略正三角形状のカッタヘッドと、上記回転軸に固定
された外歯ギヤと、中心が上記スキンプレートの中心と
一致するように上記スキンプレートに固定されると共
に、ピッチ円の直径が上記外歯ギヤのピッチ円の直径の
略4/3倍であり、かつ、上記外歯ギヤと噛合する内歯
ギヤと、上記スキンプレートに固定され、上記クランク
輪を回転駆動する駆動装置とを備えたことを特徴として
いる。
【0007】また、請求項2の発明の正方形断面シール
ド掘削機は、請求項1に記載の正方形断面シールド掘削
機において、上記スキンプレートの内側に配置され、上
記スキンプレートの中心を中心とする円穴が穿たれ、上
記円穴に上記クランク輪を回転自在に支持する支持壁
と、上記スキンプレートの内側に上記支持壁から前方に
上記所定の間隔をあけて配置され、上記スキンプレート
の中心を中心とする円穴が穿たれ、上記円穴に上記回転
隔壁を回転自在に支持する第1固定隔壁と、上記第1固
定隔壁と上記カッタヘッドとの間に配置され、上記カッ
タヘッドと前面との間に土圧室を形成し、上記回転隔壁
と後面との間にチャンバーを形成した第2固定隔壁と、
上記第2固定隔壁に設けられ、上記土圧室から上記チャ
ンバーへ被掘削物を通過させる排土口と、上記チャンバ
ー内に外部から泥水を送り込む送泥管と、上記チャンバ
ー内の被掘削物と泥水とを外部に排出する排泥管とを備
えたことを特徴としている。
【0008】
【作用】上記請求項1の正方形断面シールド掘削機によ
れば、上記スキンプレートに固定された駆動装置によっ
て上記クランク輪を回転駆動すると、上記クランク輪の
スキンプレートの中心に対して一定量偏心した位置と上
記回転隔壁のスキンプレートの中心に対して上記一定量
偏心した位置に夫々回転自在に支持された回転軸は、ス
キンプレートの中心の回りを公転する。このため、上記
回転軸の他端に固定された外歯ギヤが内歯ギヤに噛合し
て、公転しながら自転する。したがって、上記回転軸も
スキンプレートの中心の回りを公転しながら自転する。
そして、上記回転軸の先端に固定された略正三角形状の
カッタヘッドは、地盤の土砂や礫を掘削する。このと
き、上記カッタヘッドは、外歯ギヤのピッチ円の直径と
内歯ギヤのピッチ円の直径とが3対4の比であるから、
上記回転軸の遊星運動にしたがって、略正三角形状のカ
ッタヘッドの軌跡の包絡線は略正方形となり、カッタヘ
ッドは地盤の土砂や礫を略正方形に掘削する。
【0009】したがって、上記カッタヘッドにより地盤
を略正方形に掘削することと、スキンプレートの断面が
略正方形状であることとが相俟って、断面が略正方形の
横孔を掘削できる。
【0010】また、掘削時にカッタヘッドを介して回転
軸に作用する大きな曲げモーメントは、上記回転隔壁と
クランク輪により支持されるから、この回転軸は曲がる
ことなくスムーズに回転できる。
【0011】また、上記回転軸はクランク輪を介して駆
動装置により公転運動するから、この正方形断面シール
ド掘削機は、例えばクランク機構を用いるものに比べて
構造を簡単にでき、機長を短くできる。また、この正方
形断面シールド掘削機の機長が短くなるから、進む角度
を従来より大きな角度に変えることができ、曲線施行が
しやすくなる。
【0012】上記請求項2の正方形断面シールド掘削機
によれば、請求項1に記載の正方形断面シールドにおい
て、上記スキンプレートの内側に配置された上記支持壁
の円穴は上記クランク輪を回転自在に支持すると共に、
上記スキンプレートの内側に支持壁から前方に上記所定
の間隔を開けて配置された上記第1固定隔壁の円穴は上
記回転隔壁を回転自在に支持する。一方、上記カッタヘ
ッドによって掘削された土砂や礫は、カッタヘッドと第
2固定隔壁との間の土圧室内をほぼ満たして、この土圧
室内に溜った土砂や礫は、一部が順に第2固定隔壁に設
けられた排土口を通過して、第2固定隔壁と回転隔壁と
の間のチャンバー内に入る。そして、上記チャンバー内
の土砂や礫は、上記送泥管から送り込まれた泥水と攪拌
された後、上記排泥管から外部に排出される。
【0013】このように、上記回転軸は回転隔壁に回転
自在に支持され、かつ回転隔壁は第1固定隔壁に回転自
在に支持されているから、上記回転軸の遊星運動を許容
しつつ、上記スキンプレート内のチャンバー側と駆動装
置側とを密に仕切ることができる。したがって、上記チ
ャンバー内の泥水と攪拌された土砂や礫がスキンプレー
ト内の駆動装置側に浸入するのを防止できる。
【0014】また、上記土圧室に溜った土砂や礫は、上
記カッタヘッドが面する地盤の切羽表面を押えるから、
地盤の切羽部分が崩れないようにできる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の正方形断面シールド掘削機
を一実施例により詳細に説明する。
【0016】図1はこの発明の一実施例の正方形断面シ
ールド掘削機の断面図を示しており、1は断面が略正方
形状のスキンプレート、2は上記スキンプレート1の内
側に配置され、上記スキンプレート1の中心を中心とし
た円穴2aを穿った支持壁、3は上記支持壁2の円穴2
aに嵌合され、支持壁2の円穴2aに支持部材6を介し
て回転自在に支持された円形のクランク輪、4は上記ス
キンプレート1の内側に支持壁2の前方に所定の間隔を
あけて配置され、上記スキンプレート1の中心を中心と
した円穴4aを穿った第1固定隔壁、5は上記第1固定
隔壁4の円穴4aに嵌合され、回転自在に支持された円
形の回転隔壁である。上記クランク輪3の中心に対して
一定量偏心した位置と回転隔壁5の中心に対して上記一
定量偏心した位置に回転軸15を夫々回転自在に支持し
ている。上記回転軸15の前方の一端には、カッタヘッ
ド20を固定している。そして、上記回転隔壁5とカッ
タヘッド20との間のスキンプレート1の内側に第2固
定隔壁16を固定し、この第2固定隔壁16に回転軸1
5が挿通する円形の排土口17を形成している。上記第
2固定隔壁16の前面とカッタヘッド20との間に土圧
室45を形成すると共に、第2固定隔壁16の後面と回
転隔壁5との間にチャンバー46を形成している。一
方、上記回転軸15のクランク輪3と回転隔壁5との間
の部分には、外歯ギヤ31を固定している。上記外歯ギ
ヤ31と噛合し、中心がスキンプレート1の中心と一致
するように、円筒形状の内歯ギヤ32をスキンプレート
1の内側に固定された支持板12に固定している。上記
外歯ギヤ31と内歯ギヤ32とで偏心リングギヤ装置3
0を構成している。
【0017】また、上記クランク輪3には、図1および
図5に示すように、外周から軸方向後方に延びる円筒部
3aを有し、この円筒部3aの内周に内歯ギヤ3bを形
成している。上記支持部材6の後方端面の上部から半径
方向内向に延びるブラケット部6aを形成し、このブラ
ケット部6aに駆動装置としての電動機42を取り付け
ている。そして、上記円筒部3aの内周に形成した内歯
ギヤ3bと電動機42の駆動軸43に嵌合して固定され
た駆動ギヤ44とを噛合して、電動機42によってクラ
ンク輪3を回転駆動するようにしている。
【0018】また、上記回転隔壁5は、図1に示すよう
に、上記第1固定隔壁4の円穴4aより小径の円板部3
4と、上記円板部34の中心に対して上記一定量偏心し
た位置に固定され、上記回転軸15を図示しないブッシ
ュを介して回転自在に支持する第1円筒部35と、この
円板部34の外周から支持板12側に延び、外径が円板
部34と同径の第2円筒部36と、この第2円筒部36
から支持板12側に延び、内周が第2円筒部36の内周
と同径で外周が第2円筒部36より小径の第3円筒部3
6aと、上記円板部34の外周と第2円筒部36の外周
に外嵌して固定され、後方の端面が支持板12に近接す
る第4円筒部37とを備えている。上記第2円筒部36
と第3円筒部36aとの段部と第4円筒部37および支
持板12との間にベアリング10を配置し、このベアリ
ング10を介して回転隔壁5を支持板12に回転自在に
支持している。上記ベアリング10によって、回転隔壁
5に作用するスラスト荷重とラジアル荷重の両方を支持
することができる。また、上記第1固定隔壁4と支持板
12との間に円筒形状の支持部材38を固定し、その支
持部材38の内周面と回転隔壁5の第4円筒部37の外
周面との間はシール部材11によりシールしている。ま
た、上記回転隔壁5の円板部34の前方に面する壁面に
は、図4に示すように、回転隔壁5の回転角度にして略
90度毎に放射状に配置した三つの第1攪拌羽根39を
備え、回転隔壁5と第2固定隔壁16との間のチャンバ
ー46内において礫や土砂などを攪拌する働きをする。
【0019】また、上記カッタヘッド20は、図1およ
び図2に示すように、上記回転軸15の先端にキー28
(図3に示す)により固定された円筒部26と、この円
筒部26に円周方向に等間隔に固定され、半径方向に延
びる3本のカッタアーム21と、このカッタアーム21
の先端近傍をつなぐ小さな曲率のカッタリング22とか
ら構成されている。そして、上記カッタアーム21の背
面には、図1に示す第2攪拌羽根23を固定している。
上記カッタアーム21の前面には、一つまたは二つのカ
ッタビット24を半径方向に異なった位置に夫々配置す
る一方、カッタリング22の前面の中央には、一つの外
周ビット25を夫々配置している。なお、上記各カッタ
アーム21の頂点Aは、断面が略正方形のスキンプレー
ト1のほぼ外側に位置し、このカッタアーム21の頂点
Aを夫々結ぶと正三角形が形成されるようにしている。
【0020】また、上記第2固定隔壁16は、図1およ
び図3に示すように、上記スキンプレート1の中心を中
心とする円形の排土口17を設けている。そして、上記
排土口17より大径の円形のスリットプレート18を円
筒部26に外嵌して固定して、上記排土口17を回転隔
壁5側から塞いでいる。上記スリットプレート18に
は、土圧室45とチャンバー46を連通する開口(図示
せず)を形成し、その開口の大きさや形状および数によ
り開効率を調整して、土圧室45からチャンバー46に
入る土砂や礫の量を調節するようにしている。なお、上
記排土口17を貫通する回転軸15の後述する公転運動
によって、回転軸15に固定された円筒部26の外周面
が排土口17の内周面に当接しないように、排土口17
の直径を設定している。
【0021】一方、上記偏心リングギヤ装置30は、図
6に示す内歯ギヤ32のピッチ円の半径と外歯ギヤ31
のピッチ円の半径の比を4対3にすると共に、この内歯
ギヤ32の中心はスキンプレート1の中心に位置してい
る。例えば、上記内歯ギヤ32のピッチ円の半径R1=
4、外歯ギヤ31のピッチ円の半径R2=3とすると、
上記回転軸15および外歯ギヤ31はスキンプレート1
の中心から偏心量e=1だけ偏心していることになる。
さらに、この偏心量e=1、半径R1=4、半径R2=3
のときに、図2に示すように、スキンプレート1の一辺
の長さS=14とし、カッタアーム21の頂点Aを結ぶ
正三角形の一辺の長さS=14としている。
【0022】また、図1において、上記スキンプレート
1の内側にクランク輪3から後方に所定の間隔を開けて
リングフランジ50を配置すると共に、上記リングフラ
ンジ50にこの正方形断面シールド掘削機を掘進するた
めの推進ジャッキ51を取り付けている。また、上記推
進ジャッキ50の後方のスキンプレート1の内側には、
覆工されたセグメント60の外周面とスキンプレート1
の内周面との間をシールするテールシール55を配置し
て、外部から水等がスキンプレート1内に浸入するのを
防止している。また、上記スキンプレート1内の上側に
支持板12と第1固定隔壁4および第2固定隔壁16を
貫通する注入管52を設け、この注入管52から第2固
定隔壁16のスキンプレート1の上側コーナー部近傍の
広い箇所に設けた開口部52a(図3に示す)を通し
て、上記土圧室45内にベントナイト等の加泥剤を注入
する。また、図1および図4において、上記スキンプレ
ート1内の下側に、第1固定隔壁4のスキンプレート1
の下側の一方のコーナー部近傍の広い箇所に設けた開口
部53aを通して、泥水をチャンバー46内に導く送泥
管53と、第1固定隔壁4のスキンプレート1の下側の
他方のコーナー部近傍の広い箇所に設けた開口部54a
を通して、チャンバー46内の被掘削物としての土砂や
礫を外部に排出するための排泥管54とを配置してい
る。
【0023】上記構成の正方形断面シールド掘削機は、
図1において、後方に復工されたセグメント60の前方
端を推進ジャッキ51で押して推進しながら、電動機4
2によって駆動ギヤ44とクランク輪3の内歯ギヤ3b
とを介してクランク輪3を回転させると、クランク輪3
と回転隔壁5に夫々回転自在に支持された回転軸15が
スキンプレート1の中心の回りを回る。このため、上記
回転軸15に固定された外歯ギヤ31は、内歯ギヤ32
に歯合して、クランク輪3が3回転する間に自転を1回
行い、自転をしながら逆方向の公転を3回行う。この外
歯ギヤ31の遊星運動によって、上記回転軸15やカッ
タヘッド20も同様にクランク輪3が3回転する間に自
転を1回行い、それと逆方向の公転を3回して遊星運動
を行う。
【0024】一方、上記偏心リングギヤ装置30の内歯
ギヤ32のピッチ円の半径R1=4、外歯ギヤ31のピ
ッチ円の半径R2=3、回転隔壁5の偏心量e=1、カ
ッタアーム21の頂点Aを結ぶ正三角形の一辺の長さS
=14、およびスキンプレート1の一辺の長さS=14
であるため、上記カッタヘッド20のカッタアーム21
の先端Aを互いに結んで形成された正三角形の軌跡は、
図7に示すように、スキンプレート1の外形に適合した
略正方形となる。したがって、上記カッタヘッド20
は、スキンプレート1の外形に適合した略正方形の横孔
を掘削する。
【0025】そして、掘削された土砂や礫は、カッタヘ
ッド20と第2固定隔壁16との間の土圧室45内をほ
ぼ満たす状態に溜まり、カッタヘッド20が面する地盤
の切羽表面を押えて、地盤の切羽部分が崩れないように
する。また、上記注入管52の開口部52aからベント
ナイト等の加泥剤を土圧室45内に注入して、上記土圧
室45内の土砂や礫をカッタヘッド20の第2攪拌羽根
23によって攪拌して塑性流動状態にする。この塑性流
動状態となった土砂や礫は、その全体の圧力で地盤の切
羽表面を押える。そして、上記土圧室45内に溜った土
砂や礫は、一部が順に第2固定隔壁16の排土口17と
スリットプレート18の開口(図示せず)を通って、チ
ャンバー46内に入る。このチャンバー46内の土砂や
礫は、送泥管53の開口部53aから導かれた泥水と共
に、回転隔壁5の第1攪拌羽根39によって攪拌され、
開口部54aから排泥管54を通して外部に排出され
る。
【0026】このように、上記カッタヘッド20のカッ
タアーム21の先端は、略正方形の軌跡を描きながら前
方の地盤を掘削するので、スキンプレート1の外形が略
正方形であることと相俟って、略正方形の横孔を掘削す
ることができる。
【0027】また、上記電動機42がクランク輪3の内
歯ギヤ3bと駆動ギヤ44とを介してクランク輪3を回
転させるから、外歯ギヤ31を遊星運動させるための、
例えばクランク機構のような全長の長い伝達機構が不要
である。したがって、この正方形断面シールド掘削機の
構造を簡単にでき、機長を短くすることができる。ま
た、この正方形断面シールド掘削機の機長が短くなるこ
とによって、図示しない方向修正ジャッキによって、進
む角度を大きく変えることができ、横孔の曲線施行がし
やすくなる。
【0028】また、地盤を掘削する際に、遊星運動する
回転軸15に作用する大きな曲げモーメントは、上記回
転軸15をクランク輪3と回転隔壁5によって支持する
から、この回転軸15は曲がることなくスムーズに回転
することができる。
【0029】また、上記土圧室45内にほぼ満たされた
土砂や礫は、カッタヘッド20が面する地盤の切羽表面
を押えて、地盤の切羽表面が崩れないようにすることが
できる。
【0030】また、上記回転軸15は回転隔壁5の一定
量偏心した位置に回転自在に支持されると共に、回転隔
壁5は第1固定隔壁4の円穴4aに回転自在に支持され
ているから、回転軸15が遊星運動しても、回転隔壁5
と第1固定隔壁4とがチャンバー46側と偏心リングギ
ヤ30側とを密に仕切ることができる。したがって、上
記チャンバー46内の泥水と撹拌された土砂や礫が、上
記スキンプレート1内の偏心リングギヤ装置30側に浸
入するのを防止することができる。
【0031】上記実施例では、上記クランク輪3の内歯
ギヤ3bと駆動ギヤ44とを介して電動機42によりク
ランク輪3を回転させたが、電動機等の駆動装置から回
転させる力をクランク輪に伝える伝達機構はこれに限ら
ないのは勿論である。
【0032】また、上記実施例では、上記注入管52か
らベントナイト等の加泥剤を土圧室45内に注入した
が、地盤の性質によっては加泥剤を必要としないので、
その場合は加泥剤を注入しないか、注入管を備えなくと
もよい。
【0033】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の正方形断面シールド掘削機は、断面略正方形状のス
キンプレートの内側に円形のクランク輪を配置し、上記
クランク輪をスキンプレートの中心を回転中心として回
転自在に支持すると共に、上記スキンプレートの内側に
クランク輪から前方に所定の間隔を開けて円形の回転隔
壁を配置し、上記回転隔壁をスキンプレートの中心を回
転中心として回転自在に支持し、上記クランク輪の中心
に対して一定量偏心した位置と上記回転隔壁の中心に対
して上記一定量偏心した位置に回転軸を夫々回転自在に
支持し、上記回転軸の先端に略正三角形状のカッタヘッ
ドを固定し、上記回転軸に外歯ギヤを固定し、ピッチ円
の直径が外歯ギヤのピッチ円の直径の略4/3倍の内歯
ギヤを外歯ギヤと噛合すると共に、この内歯ギヤの中心
がスキンプレートと一致するようにスキンプレートに固
定し、上記スキンプレートに駆動装置を固定して、その
駆動装置によってクランク輪を回転駆動するものであ
る。
【0034】したがって、請求項1の発明の正方形断面
シールド掘削機によれば、上記駆動装置によってクラン
ク輪を回転駆動すると、クランク輪と回転隔壁に回転自
在に支持された回転軸がスキンプレートの中心の回りを
公転する。この回転軸の公転によって外歯ギヤを内歯ギ
ヤに噛合しながら公転させ、その公転方向と逆方向に自
転させる。そして、上記外歯ギヤに固定した回転軸とカ
ッタヘッドを自転させながら公転させる。このため、上
記略正三角形状のカッタヘッドは遊星運動して、カッタ
ヘッドの頂点を互いに結ぶ正三角形の軌跡の包絡線が略
正方形となるので、略正方形に地盤を掘削することがで
きる。したがって、上記カッタヘッドにより地盤を略正
方形に掘削することと、上記スキンプレートの断面が略
正方形状であることとが相俟って、断面が略正方形の横
孔を掘削することができる。
【0035】また、掘削時にカッタヘッドを介して回転
軸に作用する大きな曲げモーメントは、上記クランク輪
と回転隔壁により支持されるから、この回転軸は曲がる
ことなくスムーズに回転することができる。
【0036】また、上記駆動装置はクランク輪を回転駆
動し、クランク軸等を用いて外歯ギヤを駆動するような
長い伝達機構が不要であるから、この正方形断面シール
ド掘削機の構造を簡単にでき、機長を短くすることがで
きる。また、この正方形断面シールド掘削機の機長が短
くなるから、進む角度を従来より大きな角度に変えるこ
とができ、横孔の曲線施行がしやすくなる。
【0037】また、請求項2の発明の正方形断面シール
ド掘削機は、請求項1に記載の正方形断面シールド掘削
機において、上記スキンプレートの内側に支持壁を配置
し、上記支持壁のスキンプレートの中心を中心とする円
穴を穿って、上記支持壁の円穴に上記クランク輪を回転
自在に支持すると共に、上記スキンプレートの内側に支
持壁から前方に上記所定の間隔をあけて第1固定隔壁を
配置し、上記第1固定隔壁にスキンプレートの中心を中
心とする円穴を穿って、上記第1固定隔壁の円穴に上記
回転隔壁を回転自在に支持し、上記第1固定隔壁とカッ
タヘッドとの間に第2固定隔壁を配置し、上記カッタヘ
ッドと第2固定隔壁の前面との間に土圧室を形成し、上
記回転隔壁と第2固定隔壁の後面との間にチャンバーを
形成し、上記第2固定隔壁に土圧室からチャンバーへ被
掘削物を通過させる排土口を設け、上記チャンバー内に
送泥管によって外部から泥水を送り込む一方、上記チャ
ンバー内の被掘削物と泥水とを排泥管から外部に排出す
るものである。
【0038】したがって、請求項2の発明の正方形断面
シールド掘削機によれば、上記回転軸は回転隔壁に回転
自在に支持され、かつ回転隔壁は第1固定隔壁に回転自
在に支持されているから、上記回転軸の遊星運動を許容
しつつ、上記スキンプレート内のチャンバー側と駆動装
置側を密に仕切ることができる。したがって、上記チャ
ンバー内の泥水と攪拌された土砂や礫がスキンプレート
内の駆動装置側に浸入するのを防止することができる。
【0039】また、上記土圧室内の土砂や礫は、その一
部が第2固定隔壁の排土口から順にチャンバー内に入
り、土圧室内にはその内部を満たす量の土砂や礫が常に
溜った状態となる。したがって、上記土圧室内に溜った
土砂や礫によって、カッタヘッドが面する地盤の切羽表
面を押えるから、地盤の切羽部分が崩れないようにする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の一実施例の正方形断面シー
ルド掘削機の断面図である。
【図2】 図2は図1のII−II線から見た図である。
【図3】 図3は図1のIII−III線から見た図である。
【図4】 図4は図1のIV−IV線から見た図である。
【図5】 図5は図1のV−V線から見た図である。
【図6】 図6は図1のVI−VI線から見た図である。
【図7】 図7はカッタヘッドが遊星運動を行うことに
よって、正方形の横孔を掘削することを示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…スキンプレート、2…支持壁、3…クランク輪、4
…第1固定隔壁、5…回転隔壁、6…支持部材、10…
ベアリング、11…シール部材、12…支持板、15…
回転軸、16…第2固定隔壁、17…排土口、18…ス
リットプレート20…カッタヘッド、21…カッタアー
ム、22…カッタリング、23…第2攪拌羽根、26…
円筒部、28…キー、30…偏心リングギヤ装置、31
…外歯ギヤ、32…内歯ギヤ、34…円板部、35…第
1円筒部、36…第2円筒部、36a…第3円筒部、3
7…第4円筒部、38…支持部材、39…第1攪拌羽
根、42…電動機、43…駆動軸、44…駆動ギヤ、5
0…リングフランジ、51…推進ジャッキ、52…注入
管、53…送泥管、54…排泥管、55…テールシー
ル、60…セグメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−33583(JP,A) 特開 平4−281997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面略正方形状のスキンプレートと、 上記スキンプレートの内側に配置され、上記スキンプレ
    ートの中心を回転中心として上記スキンプレートに回転
    自在に支持された円形のクランク輪と、 上記スキンプレートの内側に上記クランク輪から前方に
    所定の間隔をあけて配置され、上記スキンプレートの中
    心を回転中心として上記スキンプレートに回転自在に支
    持された円形の回転隔壁と、 上記クランク輪の中心に対して一定量偏心した位置と上
    記回転隔壁の中心に対して上記一定量偏心した位置に夫
    々回転自在に支持された回転軸と、 上記回転軸の先端に固定された略正三角形状のカッタヘ
    ッドと、 上記回転軸に固定された外歯ギヤと、 中心が上記スキンプレートの中心と一致するように上記
    スキンプレートに固定されると共に、ピッチ円の直径が
    上記外歯ギヤのピッチ円の直径の略4/3倍であり、か
    つ、上記外歯ギヤと噛合する内歯ギヤと、 上記スキンプレートに固定され、上記クランク輪を回転
    駆動する駆動装置とを備えたことを特徴とする正方形断
    面シールド掘削機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の正方形断面シールド掘
    削機において、上記スキンプレートの内側に配置され、
    上記スキンプレートの中心を中心とする円穴が穿たれ、
    上記円穴に上記クランク輪を回転自在に支持する支持壁
    と、上記スキンプレートの内側に上記支持壁から前方に
    上記所定の間隔をあけて配置され、上記スキンプレート
    の中心を中心とする円穴が穿たれ、上記円穴に上記回転
    隔壁を回転自在に支持する第1固定隔壁と、上記第1固
    定隔壁と上記カッタヘッドとの間に配置され、上記カッ
    タヘッドと前面との間に土圧室を形成し、上記回転隔壁
    と後面との間にチャンバーを形成した第2固定隔壁と、
    上記第2固定隔壁に設けられ、上記土圧室から上記チャ
    ンバーへ被掘削物を通過させる排土口と、上記チャンバ
    ー内に外部から泥水を送り込む送泥管と、上記チャンバ
    ー内の被掘削物と泥水とを外部に排出する排泥管とを備
    えたことを特徴とする正方形断面シールド掘削機。
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