JP2865732B2 - アルミホイールのメタリック仕上げ方法 - Google Patents

アルミホイールのメタリック仕上げ方法

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JP2865732B2 JP25263889A JP25263889A JP2865732B2 JP 2865732 B2 JP2865732 B2 JP 2865732B2 JP 25263889 A JP25263889 A JP 25263889A JP 25263889 A JP25263889 A JP 25263889A JP 2865732 B2 JP2865732 B2 JP 2865732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車などのタイヤ取付部材であるアルミ
ニゥム合金鋳物製のディスク方式のホイール(以下、
「アルミホイール」と略称することがある)をメタリッ
ク仕上げに塗装する方法に関する。
従来技術とその課題 従来、自動車用ホイールは主にスチール製であった
が、近年、軽量化、防食性および意匠性などのすぐれた
アルミホイールに替わりつつある。そして、該アルミホ
イールには、美粧性や耐候性などを高めるためにメタリ
ック仕上げに塗装することが行なわれている。
メタリック塗膜は塗膜中にリン片状のメタリック顔料
を含有せしめてあり、外部からの入射光がメタリック顔
料に反射してキラキラと輝き、該塗膜の各種色調と相俟
って変化に富んだ美粧性にすぐれた独特の外観をもって
おり、アルミホイール以外に、自動車、オートバイなど
の外板にも多く施されている。
アルミホイールのメタリック仕上げ方法として、例え
ば、メタリック顔料を配合してなるメタリック塗料を塗
装し、それを加熱硬化せしめ、さらに透明塗膜を形成す
るクリヤー塗料を塗り重ね、再び加熱硬化する2コート
2ベイク方式(2C2B)、該両塗料を上記順序で塗り重ね
1回の加熱で両塗膜を同時に硬化せしめる2コート1ベ
イク方式(2C1B)が多く採用されているが、多くの問題
点を有しており、その解決が強く望まれている。
すなわち、アルミホイールにはデザインを良くする
ため数多くの細工がされ、そのため尖った鋭角的な部分
(以下「エッジ部」と略称することがある。)が多く存
在し、このエッジ部に塗着した塗料が加熱硬化時に溶融
流動して該エッジ部に十分な厚さの硬化塗膜を形成する
のが困難となり、糸さびなどが多く発生し、しかも仕上
がり外観も低下する。上両塗料は主としてアルミ・ア
クリル系熱硬化タイプでかつ比較的硬質であるために、
走行中に小石や砂利などが該面に衝突すると剥離やワレ
などが発生しやすい。塗着したメタリック塗料などが
アルミホイール表面の小孔部分に吸い込まれて光沢や鮮
映性などが低下したり、ピンホールが発生しやすく、メ
タリック感も不十分である。メタリック塗膜とアルミ
ホイールとの付着性が劣る。メタリック顔料の配向性
が不均一で、メタリックムラが発生しやすいなどの欠陥
を有している。
課題を解決するための手段 本発明の目的は、アルミホイールのメタリック塗装に
おける前記した種々の欠陥を解消するところにあり、そ
の特徴は、3コート方式とし、その最下層には軟質塗
膜、中間層にメタリック塗膜および最表層に硬質塗膜を
形成せしめたことである。その結果、上記本発明の目的
を達成できた。
すなわち、本発明は、伸び率が30%(20℃)以上、ガ
ラス転移温度が−25〜60℃未満である塗膜を形成する熱
硬化性もしくは熱可塑性の樹脂100重量部あたり、粒径
5〜50mμの透明性微粉末シリカおよびアルミナから選
ばれた1種以上を5〜35重量部含有してなる液状塗料
(A)を塗装し、次いで、伸び率が3%(20℃)以上、
ガラス転移温度−25〜130℃である塗膜を形成する熱硬
化性樹脂およびメタリック顔料を主成分としてなる液状
塗料(B)を塗装し、さらに(C)伸び率が3〜30%未
満(20℃)、ガラス転移温度が60〜130℃である塗膜を
形成する透明熱硬化性アクリル樹脂塗料(C)を塗装す
ることを特徴とするアルミホイールのメタリック仕上げ
塗装方法に関する。
本発明の特徴は、アルミホイールを上記特定の塗料
(A)、(B)および(C)で塗り重ねるところにあ
り、その結果、メタリック顔料が均一に配向したメタリ
ック感がすぐれ、かつ光沢鮮映性が良好なメタリック塗
膜が形成でき、しかもエッジ部などへの被覆性もすぐれ
ているため、今まで問題になっていたエッジ部からの糸
錆発生も改良できた。また塗料(A)による塗膜は、た
わみ性、付着性が著しくすぐれているため、耐チッピン
グ性等にも効果的である。
すなわち、塗料(A)による塗膜は上記特定の物性値
を有しているのでたわみ性および付着性が著しくすぐれ
ており、そのために、走行中に小石などがアルミホイー
ルに当ってもそのエネルギーは該塗膜内に吸収されてワ
レやハガレなどを防止でき、しかも糸サビの発生も認め
られない。また、特定の微粉末も配合しているので塗着
した該塗料(A)の粘度が非常に高く、エッジ部にも肉
厚に被覆することができ、しかも、その塗膜を硬化する
ために高温で焼付けても特にエッジ部に塗着した塗料
(A)は熱流動することが殆どないのでエッジ部への被
覆性が優れている。上記微粉末を配合しない場合は、塗
着塗料の粘度やチクソトロピー性が低いため焼付工程で
熱流動しやすくエッジ部への被覆は殆ど期待できない。
また、該塗料(A)の塗膜を焼付け(もしくは乾燥)
することなく塗料(B)を塗装することが、該塗料
(B)のメタリック顔料を塗面に対して平行にかつ均一
に配向せしめ、メタリック外観を向上させるために特に
好ましい。
アルミホイールの表面には鋳肌と称する微小な凹凸が
多数存在しており、これが塗面にピンホールなどを発生
させ、平滑性や鮮映性などを低下させる原因となってい
たが、該塗料(A)を塗装するとピンホールなどの発生
が防止でき、それらに基く欠陥をすべて解消できた。
次に、本発明の方法についてさらに詳細に説明する。
アルミホイール:アルミニゥム合金鋳物製の自動車、
オートバイなどに用いるホイールで、本発明が目的とす
る塗装方法の被塗物である。ショットブラスト処理、切
削加工が施されることが多い。必要に応じ、クロム系、
ノンクロム系などの化成処理(表面処理)がなされる。
塗料(A):伸び率が30%(20℃)以上、ガラス転移
温度が−25〜60℃である塗膜を形成する熱硬化性もしく
は熱可塑性の樹脂100重量部あたり、粒径5〜50mμの透
明性微粉末シリカおよびアルミナから選ばれた1種以上
を5〜35重量部含有してなる塗料で、上記アルミホイー
ルに後記の塗料(B)に先立って塗装する塗料である。
塗料(A)で用いる上記熱硬化性樹脂および熱可塑性
樹脂は、該樹脂のみからなる硬化塗膜の伸び率およびガ
ラス転移温度(Tg)が上記範囲内に含まれていることが
必要である。すなわち、伸び率は20℃において、30%以
上、好ましくは50〜600%、より好ましくは100〜400%
で、Tgは−25〜60℃未満、好ましくは−20〜55℃、より
好ましくは−10〜50℃の範囲内である。伸び率およびTg
がこの範囲内に含まれる塗膜は、たわみ性、付着性など
が良好で糸サビ発生が殆どなく、小石などが衝突しても
塗膜にワレ、ハガレなどの発生を防止でき、しかも、環
境が高温−低温、高湿−低湿に変化しても付着劣化が殆
ど認められない。したがって、伸び率が上記範囲から逸
脱したり、Tgが60℃以上になると付着劣化が発生し、一
方、Tgが−25℃より低くなると、最終製品の塗膜が軟質
すぎ小石などが衝突すると傷がつき易く実用上問題があ
る。
まず、熱硬化性樹脂は常温もしくは加熱によって三次
元に架橋硬化反応する組成物で、主に基体樹脂と硬化剤
とからなっており、該両成分の反応硬化生成物(塗膜)
の伸び率およびTgが上記範囲内に含まれていることが必
要である。また、熱可塑性樹脂は架橋硬化反応を伴なわ
ず、加熱すると可塑化する樹脂で、適宜の手段で形成し
た塗膜の伸び率およびTgが上記範囲内に包含されている
ことが必要である。
熱硬化性樹脂としてはそれ自体すでに公知のものが使
用でき、上記物性値を有する塗膜を形成しうる基体樹脂
と硬化剤との混合物があげられる。具体的には、基体樹
脂としてアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ブタジェン樹脂、な
ど、硬化剤としてはメラミン樹脂、尿素樹脂(いずれも
メチロール化物、アルキルエーテル化物も含む)、ポリ
イソシアネート化合物(ブロック化物も含む)、エポキ
シ樹脂などが使用できる。このうち、耐候性のすぐれた
アクリル樹脂系が好適である。
熱硬化性樹脂による上記範囲内への物性値の調整は、
該両成分の組成、架橋性官能基量、配合比率、硬化方法
などを適宜選択することによって容易に行なわれる。ま
た、熱硬化性樹脂として、N−nブトキシメチルアクリ
ルアミドなどを含有する自己架橋型樹脂も有用である。
熱可塑性樹脂も形成塗膜の物性値が上記した範囲内の
ものであれば、既知の熱可塑性樹脂が使用できる。具体
的には、酢酸ビニル・エチレン共重合体、線状飽和ポリ
エステル樹脂、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(ポ
リエステルポリオール、多価アルコールなどをジイソシ
アネート化合物で高分子量化したもの)、スチレン−ブ
タジェン共重合体、ポリブタジェン、アクリロニトリル
−ブタジェン共重合体、ブチルゴム、アクリル樹脂、ポ
リオレフィンに不飽和ジカルボン酸(無水物も含む)を
グラフト重合した変性ポリオレフィンなどがあげられ
る。該熱可塑性樹脂における上記物性値の調整は、該樹
脂の組成、比率、分子量などを適宜選択することによっ
て容易に行なわれる。
次に、塗料(A)に用いる微粉末シリカおよびアルミ
ナは、塗料(A)にチクソトロピック性を付与するため
のもので、粒径が5〜50mμ(0.005〜0.05μ)、好まし
くは5〜23mμ(0.005〜0.023μ)のものを90重量%以
上含有する微粉末である。ここで、シリカは微粉けい酸
もしくはホワイトカーボンと称されるもので、アルミナ
は酸化アルミニゥムとも称されており、これらはいずれ
も塗料用体質顔料として知られている。粒径が5mμより
小さくなると粘度およびチクソトロピック性が高すぎ
て、塗料の製造および塗装作業性が著しく低下し、一
方、50mμより大きくなるとチクソトロピック性が低下
しエッジ部の被覆性が不十分となるので、いずれも好ま
しくない。
また、これらの微粉末の配合量は、上記熱硬化性およ
び(または)熱可塑性樹脂100重量部(固形分)あた
り、5〜35重量部、好ましくは15〜25重量部であって、
5重量部より少なくなるとエッジ部の被覆性が十分でな
く、35重量部より多くなると塗装作業性が低下するので
いずれも好ましくない。
塗料(A)は、上記した熱硬化性樹脂および(また
は)熱可塑性樹脂と微粉末シリカおよびアルミナから選
ばれた1種以上とを主成分としており、これらは有機溶
剤に溶解もしくは分散して塗料化することができる。
塗料(A)の塗装方法は特に制限されないが、塗装作
業性、塗装効率などがすぐれていることから、エアスプ
レー、エアレススプレー、静電塗装などの噴霧塗装方式
が特に好適であって、その固形分含有率を15〜50重量
%、好ましくは20〜40重量%に調整しておくことが好適
である。
塗料(A)の塗装に先立ち、アルミホイールは必要に
応じて通常の表面処理や下塗りや中塗り塗料をあらかじ
め塗装しておくこともできる。
塗料(B):伸び率が3%以上(20℃)、Tgが−25〜
130℃の熱硬化性樹脂及びメタリック顔料を含有してな
る塗料であって、上記塗料(A)の塗面に塗装する。
塗料(B)で用いる熱硬化性樹脂は、該樹脂のみから
なる硬化塗膜の伸び率およびガラス転移温度(Tg)が上
記範囲内、すなわち、伸び率は20℃において、3%以
上、好ましくは3〜30%、より好ましくは5〜20%で、
Tgは−25〜130℃、好ましくは60〜130℃、より好ましく
は60〜110℃の範囲内であることが必要である。
該樹脂は基体樹脂と硬化剤とからなっており、具体的
には前記塗料(A)で例示したものが好適であり、伸び
率およびTgの調整は該両成分の組成、架橋性官能基量、
配合比率、硬化方法などを適宜選択することによって容
易に行なわれる。また、熱硬化性樹脂として、N−n−
ブトキシメチルアクリルアミドなどの自己架橋型樹脂も
包含する。
塗料(B)において、塗膜の伸び率が3%より小さく
なると耐チッピング性および付着性が劣り、Tgが−25℃
より低くなると最終製品の鉛筆硬度が低下し、さらにTg
が130℃より高くなると耐チッピング性や付着性などが
不十分となり好ましくない。
塗料(B)で用いるメタリック顔料としては、例えば
アルミニゥムフレーク、銅ブロンズフレーク、雲母状酸
化鉄、マイカフレーク、金属酸化物を被覆した雲母状酸
化鉄、金属酸化物を被覆したマイカフレーク等を挙げる
ことができる。
塗料(B)は、上記した熱硬化性樹脂およびメタリッ
ク顔料を有機溶剤に溶解もしくは分散させることによっ
て得られるが、さらに、着色顔料、体質顔料などを必要
に応じて配合できる。
塗料(C):伸び率が3〜30%未満(20℃)、Tgが60
〜130℃である膜厚を形成する透明熱硬化性アクリル樹
脂塗料であって、上記塗料(B)の塗面に塗装する。
具体的には、上記物性を有し、かつ、仕上り外観(鮮
映性、平滑性、光沢など)、耐候性(光沢保持特性、保
色性、耐白亜化性など)、耐薬品性、耐水性、耐湿性、
硬化性などのすぐれた塗膜を形成するそれ自体既知の熱
硬化性アクリル樹脂系塗料で、有機溶液型、非水分散液
型、ハイソリッド型など任意の形態のものを使用でき
る。例えば、水酸基、グリシジル基などから選ばれた1
種以上の官能基を有するアクリル樹脂(数平均分子量は
約10,000〜100,000、水酸基価は15〜100、酸価0〜15の
範囲が適している)に硬化剤としてアミノ樹脂、尿素樹
脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシア
ネート化合物などから選ばれた1種以上を使用してなる
上記形態の塗料があげられる。
該塗料(C)の単独硬化塗膜に関し、伸び率が3〜30
%未満、好ましくは5〜20%、さらに好ましくは5〜15
%の範囲にあり、しかもTgは60〜130℃、好ましくは60
〜110℃、にあることが重要である。
塗料(C)の塗膜の伸び率が3%より小さくなるとた
わみ性が乏しく、ワレが発生しやすく、30%以上になる
と塗膜硬度が十分でなく、一方、Tgが60℃より低くなる
と塗膜がやわらかくなり、120℃より高くなるとたわみ
性が低下するので、いずれも好ましくない。
塗料(A)、(B)および(C)の塗膜の伸び率(引
張り破断伸び率)は、恒温槽付万能引張試験機(島津製
作所オートグラフS−D型)を用い、長さ20mm,幅5mmの
試料につき、+20℃において引張り速度20mm/分で測定
したときの値であり、これらの測定に使用する試料は、
該塗料を形成塗膜にもとずいて60μの膜厚になるように
ブリキ板に塗装し、140℃で30分焼付けたのち、水銀ア
マルガム法により単離したものである。
また、ガラス転移温度は、DAYNAMIC VISCOELASTOMETE
R MODEL VIBRON DDV−II−EA型(TOYO BACDWIN CO.Lt
d)を用いて測定した。試料は前記伸び率の測定に用い
たのと同様に調製した。
塗料(A)、(B)および(C)の塗装: まず、アルミホイールに塗料(A)を塗装する。塗装
法は、例えばエアスプレー塗装、エアスプレー塗装、静
電塗装の噴霧式塗装が好ましい。塗装時における塗料
(A)の粘度は塗装方法によって任意に選択できるが、
アルミホイールに塗着したときの粘度が150〜800ポイ
ズ、特に200〜500ポイズ(いずれも20℃)であることが
好ましい。塗料(A)の塗布量は特に制限されないが、
アルミホイールの平坦部に基いて、硬化塗膜で、5〜40
μ、特に10〜25μが適している。
塗料(A)を塗装した後、塗料(B)を塗装するにあ
たって、塗料(A)の塗膜は未硬化の状態(塗膜中に有
機溶剤が約3重量%以上、特に5〜30重量%が好まし
い)であることが好ましいが、硬化させてあってもさし
つかえない。硬化は常温もしくは加熱によって行なえる
が、加熱では60〜140℃の温度が適している。
次に、塗料(A)の硬化もしくは未硬化塗膜面に塗料
(B)を塗装する。塗装は、前記例示した方法から選択
することが好ましい。塗装時における塗料(B)の粘度
は塗装方法に基いて任意に選択できるが、被塗面に塗着
したときの粘度が10〜200ポイズ、特に30〜100ポイズ
(いずれも20℃)であることが好ましい。塗料(B)の
塗布量は特に制限されないが、被塗面の平坦部におい
て、硬化塗膜で10〜50μ、特に15〜30μが適している。
塗料(B)を塗装した後、塗料(C)を塗装するにあ
たって、塗料(B)の塗膜は未硬化の状態(塗膜中に有
機溶剤が約3重量%以上、特に5〜30重量%が好まし
い)であることが好ましいが、硬化させてあってもさし
つかえない。硬化させるには60〜140℃の温度に加熱す
ることが適している。
さらに、塗料(B)の硬化もしくは未硬化塗膜面に塗
料(C)を塗装する。塗装は、前記例示した方法から選
択することが好ましい。塗装時における塗料(C)の粘
度は塗装方法に基いて任意に選択できるが、被塗面に塗
着したときの粘度が2〜40ポイズ、特に5〜20ポイズ
(いずれも20℃)であることが好ましい。塗料(C)の
塗布量は特に制限されないが、被塗面の平坦部におい
て、硬化塗膜で10〜50μ、特に20〜40μが適している。
塗料(A)、(B)および(C)を上記のごとく塗装
後、加熱して塗料(C)の塗膜のみ、又はさらに塗料
(B)や(A)の塗膜を硬化せしめる。加熱温度は120
〜200℃の範囲が好ましい。
本発明において、塗料(A)、(B)および(C)の
塗膜の硬化方式として、例えば(I)各塗料の塗装ごと
に硬化させる3コート3ベイク方式、(II)該複数塗膜
を2回の加熱で硬化させる3コート2ベイク方式および
(III)各塗料をすべて塗装後、1回の加熱で該複数塗
膜を同時に硬化せしめる3コート1ベイク方式があげら
れ、このうち、(III)の3コート1ベイク方式が好ま
しい。
なお、塗料(A)の塗装を省略して、塗料(B)およ
び(C)のみを用いて塗装すると、仕上り外観(例え
ば、メタリック感、光沢、鮮映性など)、耐水性などが
劣り、しかも耐衝撃性、エッジ部防食性、物理的性質な
ども低下する。
次に、本発明に関する実施例および比較例について説
明する。部および%は原則としていずれも重量に基づ
く。
I.試料の調製 (1)被塗物 アルミニゥム合金鋳物AC4T T − 6(100×150×
8mm)を切削加工後、ボンデライトBT3753(日本パーカ
ー(株))処理を行ったアルミホイール。
(2)塗料 第1表に示した組成および配合量で混合分散して塗料
(A)、(B)および(C)を製造した。配合量は固形
分の重量比を表わす。
これらの成分を混合分散させる有機溶剤としては、塗
料(A)ではn−ブタノール10%、トルエン40%、キシ
レン40%およびスワゾール1500(コスモ石油(株)商品
名)10%からなる混合系、塗料(B)ではn−ブタノー
ル30%、キシレン30%、スワゾール1000(コスモ石油
(株)商品名)20%およびブチルセロソルブ20%からな
る混合系、そして塗料(C)ではn−ブタノール30%、
キシレン50%およびスワゾール1500、20%からなる混合
系の溶剤をそれぞれ用いた。
(*1)基体樹脂 (K−1):N−n−ブトキシメチルアクリルアミドを
架橋性官能基成分とする自己架橋型アクリル樹脂(三菱
レーヨン(株)製商品名:ダイヤナールSE−5482)[熱
硬化性樹脂] (K−2):ウレタン変性ポリエステル(フタル酸・
アジピン酸・トリメチロールプロパン・ネオペンチルグ
リコールからなるポリエステルをヘキサメチレンジイソ
シアネートで高分子量化したもの)[熱硬化性樹脂] (K−3):スチレン・メチルメタクリレート・n−
ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート
・ラウリルメタクリレート・ヒドロキシエチルメタクリ
レートからなる共重合体(水酸基価60) (K−4):アクリディック44−590(大日本インキ
化学工業(株)製商品名、OH官能アクリル樹脂) (K−5):ダイヤナールHR−517(三菱レイヨン
(株)商品名、アクリル樹脂) (*2)硬化剤 (H−1):ブロックポリイソシアネート化合物(武
田薬品(株)製商品名、タケネートB−870−N)。
(H−2):ブチル化メラミン樹脂(三井東圧化学
(株)製、ユーバン20SE−60)。
(H−3):88%サイメル370(三井東圧化学(株)
製、メラミン樹脂) (*3)微粉末 (P−1):アエロジル#380 日本アエロジル(株)製商品名、微粉けい酸、粒径平
均7mμ。
(P−2):アルミニゥムオキサイドC 日本アエロジル(株)製商品名、酸化アルミニゥムの
微粉末。粒径20mμ。
(*4)メタリック顔料 (M−1):アルミペーストA(東洋アルミニゥム
(株)製品、アルミペースト#4919)10部およびアルミ
ペーストB(東洋アルミニゥム(株)製、アルミペース
ト#55−519)20部からなる混合物。
(*5)カーボンブラック(コロンビアカーボン(株)
製品、Neo Spectra Beads AG) (*6)塗膜の伸び率(引張り破断伸び率): 恒温槽付万能引張試験機(島津製作所オートグラフS
−D型)を用い、長さ20mm,幅5mmの試料につき、+20℃
において引張速度20mm/分で測定したときの値であり、
これらの測定に使用する試料は、該塗料を形成塗膜に基
づいて60μの膜厚になるようにブリキ板に塗装し、140
℃で30分焼付けたのち、水銀アマルガム法により単離し
たものである。
(*7)ガラス転移温度: DAYNAMIC VISCOELASTOMETER MODEL VIBRON DDV−II E
A型(TOYO BACDWIN CO.Ltd)を用いて測定した。試料は
前記伸び率の測定に用いたのと同様に調製した。
(*8)塗着液粘度 各塗料をブリキ板にスプレー塗装し(塗装はできるだ
け実際に即した条件で行なうことが好ましい)、塗着し
た塗料をガラスビンに捕集し、それをコーンアンドプレ
ート型粘度計で、ズリ速度10sec-1における粘度を読み
とることによって行なった。
II 実施例 前記アルミホイールおよびNTカッター替刃L−300
(日本転写紙(株)製、商品名、刃先角度20℃)に第2
表に示した組合わせで塗料(A)、(B)および(C)
をスプレー塗装した後、150℃で30分加熱して各塗膜を
同時に硬化させた。塗膜の性能試験結果も同表に示し
た。
(*9)膜厚は平坦部における形成(硬化)塗膜につい
て測定した。
(*10)メタリックムラは、目視で判定した結果であ
る。
○:メタリック顔料が塗面に対して平行かつ均一に配
向し、メタリックムラの発生が全く認められない。
△:メタリックムラの発生が明確に認められた。
(*11)鮮映性は目視で判定した結果である。
塗面に蛍光燈などを映し、その鮮映度で判定した。
○:蛍光燈が鮮明に映る。
△:蛍光燈がボケで映る。
(*12)付着性 初期付着性は、塗膜に鋭利な刃物で大きさ2×2mmの
ゴバン目100個の被塗面に達するように切り込み、その
表面に粘着セロハンテープを貼着し、それを急げきに剥
した後の残存ゴバン目塗膜の数を調べた。
2次付着性は、塗板を40℃±2℃の温水に120時間浸
漬し、取出して1時間後に上記初期付着性と同様の試験
を行なった。
(*13)エッジ部被覆性(硫酸銅法): NTカッター用替刃L−300の刃先に向けて塗料
(A)、(B)および(C)を、平坦部における硬化時
膜厚が第2表に示した厚さになる条件でスプレー塗装
し、前記同様の条件で焼付硬化する。これを結晶硫酸銅
/濃塩酸/水=20/10/70(重量比)の溶液に30秒間浸漬
した後、シャープエッジ部の銅析出状態を肉眼、10〜40
倍のルーペまたは実体顕微鏡などで観察する。エッジ部
が露出または部分的に露出あるいは極端な塗膜でしか覆
われていない場合には銅の析出が認められ、不適切な被
覆状態であると判定する。
○:銅の析出が全く認められない。
△:銅が少し析出 (*14)耐チッピング性 飛石試験機(スガ試験機(株)、JA−400型)を使
用。同試験機の試料ホルダーに塗装試験板を垂直にとり
つけ50gの7号砕石を、同試験機の圧力計で2kg/cm2の空
気圧で噴射し、砕石を試験板に対し直角に衝突させる。
その時のハガレ傷の程度を良好(○)〜劣る(×)の3
段階で判定した。
(*15)耐糸サビ性: 塗膜をカッターで素地に達するように2本の対角線状
にカットを入れた被塗物をJIS Z 2371による塩水噴
霧試験器に24時間入れた後、脱イオン水で塗面を洗浄し
てから恒温恒湿ボックス(温度40±2℃、湿度85±2
%)に240時間入れる工程を1サイクルとし、これを4
サイクル実施した後のクロスカット部およびエッジ部か
らのクリープ巾(片側)で糸サビ発生状況を調べた。
○:クリープ巾が2mm以下 △:クリープ巾が2〜4mm ×:クリープ巾が4mm以上 (*16)塗料(A−4): 前記塗料(A−1)から微粉末を削除した塗料。
(*17)塗料(A−5): 前記塗料(A−3)における(K−3)を(C−2)
で用いた(K−5)に置換した塗料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 5/06 B05D 7/14 B05D 7/24 303 B60B 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伸び率が30%(20℃)以上、ガラス転移温
    度が−25〜60℃未満である塗膜を形成する熱硬化性もし
    くは熱可塑性の樹脂100重量部あたり、粒径5〜50mμの
    透明性微粉末シリカおよびアルミナから選ばれた1種以
    上を5〜35重量部含有してなる液状塗料(A)を塗装
    し、次いで、伸び率が3%(20℃)以上、ガラス転移温
    度−25〜130℃である塗膜を形成する熱硬化性樹脂およ
    びメタリック顔料を主成分としてなる液状塗料(B)を
    塗装し、さらに伸び率が3〜30%未満(20℃)、ガラス
    転移温度が60〜130℃である塗膜を形成する透明熱硬化
    性アクリル樹脂塗料(C)を塗装することを特徴とする
    アルミホイールのメタリック仕上げ塗装方法。
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