JP2863226B2 - 製氷装置 - Google Patents

製氷装置

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JP2863226B2
JP2863226B2 JP1318255A JP31825589A JP2863226B2 JP 2863226 B2 JP2863226 B2 JP 2863226B2 JP 1318255 A JP1318255 A JP 1318255A JP 31825589 A JP31825589 A JP 31825589A JP 2863226 B2 JP2863226 B2 JP 2863226B2
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良則 井上
武夫 植野
勇三 佐近
博雄 福山
力弥 藤原
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、主に冷房機の冷熱源として使用されるスラ
リー状の氷を製造するための製氷装置に関する。
(従来の技術) 従来、この種製氷装置は、製氷用溶液を流通させる内
管と、前記溶液を冷却する冷媒を流通させる外管と、前
記内管に内装され、該内管の内周面と接触するブレード
をもった回転体とを備え、この回転体を駆動源で回転駆
動することにより、前記内管の内周面に生成されたスラ
リー状の氷を、前記回転体に追従するブレードで掻取っ
て、外部に取出すようにしている。
しかして、以上のような製氷装置に使用される内管
は、通常、特開昭63-271074号公報に記載されているご
とく、その内周面が鏡面状とされている。
(発明が解決しようとする課題) 所で、以上の如く構成する製氷装置における最大の難
点は、前記内管の内面、換言すると外管内に流通する冷
媒により製氷用溶液の氷点温度より低い温度に冷却され
る内管の内面に氷結して付着し、これが成長して、前記
内管内に設けるブレードの駆動用モータに負荷を与え、
該モータの電流が上昇して保護装置が働らき、前記モー
タを停止しなければならないことである。この場合、前
記モータの停止により該モータの保護ができるとして
も、モータの発停が繰返されると共に、一時的に、つま
り付着して成長する氷が融解するまでの間、運転を停止
しなければならないため、運転の継続性に問題が生ずる
のである。
しかして、従来においては、前記内管の内面に氷結し
て付着するのを防ぐために、前記内管内面を積極的に鏡
面としたのであるが、氷結した氷が付着し、成長する問
題が生じているのが現状である。そこで、結氷のメカニ
ズムを研究したところ、水の分子運動を妨げるとその氷
点が下がり、氷結しにくゝなること、つまり、2枚のガ
ラス板を水中で合わせた状態で水の氷点温度より低い温
度に冷却する場合、前記ガラス板の対向間隔が、第3図
に示したように1mm以上の場合には水の氷点温度で、前
記対向間隔内の水が氷結するのに対し、1mmより狭くす
るとその氷点温度は低下し、例えば100μにすれば氷点
温度は20℃も降下することになり、水の氷点温度では氷
結しないことに着目し、本発明を完成したのである。
即ち、本発明は、ガラス板の隙間を小さくすることに
より、対向するガラス面間に水の分子が強く引きつけら
れ、その結果、水の分子運動が妨げられて遅くなってガ
ラス面間の氷点温度が降下する現象があることに着目
し、氷結した氷が付着して成長する前記内管の内周面に
微細な隙間をもつ多数の凹凸を備えた粗面とした方が氷
結した氷が付着し成長しないことを見出して本発明を完
成したもので、目的は、前記内管内で氷結した氷の付着
を起こしたりすることなく、前記ブレードの回転をスム
ーズに行い得て、連続した製氷運転を行うことができる
製氷装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、請求項1記載の本発で
は、製氷用溶液を軸方向に流通させる内管(1)と、前
記溶液を冷却する冷媒を流通させる外管(2)と、前記
内管(1)内に内装され、該内管(1)の内周面と接触
するブレード(3)をもつ回転体(4)とを備え、この
回転体(4)を駆動源(5)により駆動回転するごとく
した製氷装置であって、前記内管(1)の内周面を、該
内管(1)の軸線と交差する方向に形成する微細な隙間
(1a)をもつ多数の凹凸(1b)を備えた粗面としている
ことを特徴とするものである。
請求項2記載の本発明では、製氷用溶液を流通させる
内管(1)と、前記溶液を冷却する冷媒を流通させる外
管(2)と、前記内管(1)内に内装され、該内管
(1)の内周面と接触するブレード(3)をもつ回転体
(4)とを備え、この回転体(4)を駆動源(5)によ
り駆動回転するごとくした製氷装置であって、前記内管
(1)の内周を、製氷用溶液が流入可能で、流入した製
氷用溶液を保持でき、かつ、保持する製氷用溶液の氷点
を外管(2)を流れる冷媒による冷却温度より低くする
寸法の微細な隙間(1a)をもつ多数の凹凸(1b)を備え
た粗面としていることを特徴とするのである。
請求項3記載の本発明では、内管(1)の内周面に設
けた多数の凹凸(1b)からなる粗面は、表面粗さが十点
平均粗さ(Rz)で3〜500μであり、隙間(1a)の寸法
の平均値が10〜500μである。
請求項4記載の本発明では、内管(1)の内周面に設
けた多数の凹凸(1b)からなる粗面は、表面粗さが十点
平均粗さ(Rz)で5〜20μであり、隙間(1a)の寸法の
平均値が10〜100μである。
(作用) 請求項1記載の本発明においては、前記内管(1)の
内周面には、微細な隙間(1a)をもつ多数の凹凸(1b)
を傭えた粗面が形成されていることから、伝熱面積が増
大されるだけではなく、前記内管(1)内をブレード
(3)が回転するとき、該ブレード(3)の先端が前記
粗面に衝突して、その衝撃で氷がより積極的に生成され
易くなり、しかも、製氷用溶液が掻き乱され、前記粗面
の境膜熱伝導性が良好となって能力を向上できるのであ
り、その上前記粗面には内管(1)の軸線と交差する方
向に形成する微細な隙間(1a)が形成され、この隙間
(1a)に入り込んだ製氷用溶液は、第3図に示した隙間
効果で氷結温度を冷媒による冷却温度より低くできるこ
とから隙間(1a)に入り込んだ前記溶液は氷結しないこ
とになり、その上、前記粗面内側の過冷却層において生
成された氷は前記ブレード(3)で速やかに掻取られる
ために、前記隙間(1a)内に入り込んだ製氷用溶液の濃
度が高くなるのであって、濃度が高くなることによって
も、前記溶液の氷点温度を低下できるから、前記内管
(1)の内周面での氷結が一層起こりにくゝなり、前記
ブレード(3)が長時間にわたりスムーズに回転させら
れ、それだけ氷結した氷が付着したり、成長したりする
のを少なくでき、この結果、連続した製氷運転が行われ
る。
請求項2記載の即ち本発明においては、前記内管
(1)の内周面に設ける凹凸(1b)の隙間(1a)は、製
氷用溶液が流入可能で、流入した製氷用溶液を保持で
き、かつ、保持する製氷用溶液の氷点温度を前記外管
(2)を流れる冷媒による冷却温度より低くする寸法と
なし、具体的には請求項3記載の本発明においては、表
面粗さが十点平均粗さ(Rz)で3〜500μであり、隙間
(1a)の寸法の平均値が10〜500μであり、請求項4記
載の本発明においては表面粗さが十分平均粗さ(Rz)で
5〜20μであり、隙間(1a)の寸法の平均値が十点平均
粗さ(Rz)で5〜20μであり、隙間(1a)の寸法の平均
値が10〜100μであるのであって、前記したガラス板の
隙間理論から、前記隙間(1a)に入り込んだ製氷用溶液
の氷点温度を低下でまることゝ、前記隙間(1a)に入り
込んだ製氷用溶液は、前記内管(1)の内周面の過冷却
層での氷の生成により、その濃度が高くなり、濃度上昇
により、その氷点温度が低くなることゝにより、前記内
管(1)の内周面での氷の付着は抑制でき、このため、
ブレード(3)による掻取りが円滑にでき、付着した氷
の成長により短時間でモータ電流が上昇することの問題
は解消できるのである。
前記過冷却層について更に説明すると、冷媒として例
えばフロンR−22を用い、また、製氷用溶液として、エ
チレングリコールを添加し、濃度5%としたものを用い
た場合、その蒸発温度を−9.4℃とすれば、前記内管
(1)の外周面の温度はほゞ−7.2℃となり、内周面の
温度は−4.1℃となる。そして、第4図のように前記内
管(1)の内周面に対し、その半径方向に向かい遠ざか
るにつれて温度上昇があり、前記内周面から半径方向に
向かって約300μ隔たった位置で、前記溶液の濃度5%
の氷点温度(−1.75℃)になるのであって、前記内周面
から、前記溶液の氷点温度になる領域が過冷却層とな
り、この領域において前記溶液は前記ブレード(3)の
回転による衝撃力の付加により氷結するのである。
そして、氷結した氷は、前記内管(1)の内周面にお
いて付着しなければ、前記ブレード(3)の回転により
円滑に、つまりモータ電流を大幅に上昇させることなく
掻取ることができるのであり、また、前記溶液の前記過
冷却層における氷結により前記隙間(1a)内に入り込ん
だ前記溶液の濃度を上昇できるのである。
因みに、エチレングリコールを添加した5%濃度の製
氷用溶液について調べてみたところ、前記隙間(1a)に
入り込んだ前記溶液の濃度は、前記過冷却層が冷却し、
ブレード(3)で掻取った状態で、5.06%になってい
た。従って、前記溶液の濃度に対応する氷点温度は、第
5図から明らかな通り、−1.75℃から−1.78℃に変化
し、より一層氷結しないことになるのである。
(実施例) 第6図及び第7図に示した製氷装置は、横長状とされ
た内管(1)と、該内管(1)の外周部に同心状に被嵌
された外管(2)とを備え、この外管(2)に2つの冷
媒取入口(21)と1つの取出口(22)とを設けると共
に、前記内管(1)の長さ方向両側に製氷用溶液の流入
口(11)と流出口(12)とを設ける一方、前記内管
(1)内に、その内周面に常時接触される複数のブレー
ド(3)をもった回転体(4)を回転自由に支持させて
いる。
また、前記回転体(4)の長さ方向一側には、駆動プ
ーリ(41)を取付け、該プーリ(41)を伝動ベルト(4
2)を介しモータから成る駆動源(5)に連動連結させ
て、この駆動源(5)の駆動で前記回転体(4)を回転
させるようにしている。
そして、前記内管(1)内に導入された製氷用溶液
を、該内管(1)と外管(2)との間に導入された冷媒
で冷却して、前記内管(1)の過冷却層において氷を生
成させ、この氷を前記回転体(4)のブレード(3)で
掻取り、前記流出口(22)からスラリー状の氷として外
部に取出すのである。
しかして、以上のような製氷装置に使用される前記内
管(1)の内周面を、第1図で評しく示したごとく、微
細な隙間(1a)をもつ多数の凹凸(1b)から成る粗面と
したのである。尚、この第1図は、表面粗さ測定器で内
面の所定箇所を測定し、その凹凸を拡大記録したものを
示す図面である。
具体的には、前記内管(1)を鋼管や鉄管又はステン
レス管などで形成して、斯かる内管(1)の内周面に砥
石などを用いたホーニング加工を施してほゞ真円とする
ことができると共に、粗面とするのであって、このホー
ニング加工を用いる場合には、砥石又は前記内管(1)
を往復動させることにより、第2図に模式的に示したご
とく、前記内管(1)の内周面に、クロスハッチの線の
ごとき斜めに交差する方向に微細な隙間(1a)をもつ多
数の凹凸(1b)を形成するのであり、斯くするときに
は、これら各凹凸(1b)で伝熱面積が増大されるだげで
はなく、該各凹凸(1b)に対する前記ブレード(3)の
衝突で効果的な衝撃が得られ、氷の生成が促進されるの
である。
前記隙間(1a)の寸法は、こゝでは互いに交差する溝
の交差部を中心としてその回りに形成される4つの四角
錐の各頂点(a1)(b1)(a2)(b2)を結んでできる菱
形(点線で示す)の2つの長短対角線のうち短い方の対
角線すなわち頂点(a1)(a2)を結んだ長さをいうもの
とする。
尚、ブレードは実線矢印方向に回転移動する。
前記凹凸(1b)は、前記ホーニング加工以外に、例え
ばバフ加工やサンドペーパー加工などで形成することも
でき、また、前記内管(1)の内周面にメッキ層を設
け、このメッキ層にホーニング加工などを施すことによ
り、前記凹凸(1b)を形成するようにしてもよい。
また、前記凹凸(1b)の隙間(1a)は、製氷用溶液が
流入可能で、流入した製氷用溶液を保持でき、かつ、保
持する製氷用溶液の氷点を前記外管(2)を流れる冷媒
による冷却温度より低くできる寸法となすのである。
即ち、前記回転体(4)の回転数を、50Hz時に400回
転(ブレード周速3.2m/sec)、60Hz時には480回転(ブ
レード周速3.7m/sec)となし、また、冷媒の蒸発温度を
−9.4℃で内管(1)の内周面の温度が−4.1℃となし、
更に、製氷用溶液の濃度をエチレングリコール5%とし
たとき、前記隙間(1a)の寸法の平均値、すなわち、或
る基準長さの範囲において平均線の方向に測った山頂の
間隔の平均値を意味する山頂(こゝで山頂とは、JlSのB
0601-1982で定められている「断面曲線の山における最
も高い標高の所」をいう)の平均間隔は一の例として例
えば10〜500μ、好ましくは10〜100μとなし、かつ、そ
の深さを十点平均粗さ(Rz)で3〜500μとするのであ
って、通常は、十点平均粗さ(Rz)を5〜20μとなすの
である。その理由は、前記隙間(1a)の寸法の平均値を
10μより小さくするときには、この隙間(1a)に製氷用
溶液が流入し難くなり、一方、100μでは、氷点温度が
約一20℃であり、前記蒸発温度より約10℃低くなるの
で、内周面が氷結することなく、氷を確実に生成するこ
とができるのであり、また、500μ程度でも、第3図か
ら明らかなように、−10℃程度の充分な氷点降下が得ら
れ、必要以上に前記寸法を大とする必要がないのであ
り、また、前記隙間(1a)の深さを3μより小さくする
ときには、前記製氷用溶液を充分保持できない虞れがあ
り、従って、好ましくは5μ以上とし、一方、深さを50
0μより大きくする場合には、前記隙間(1a)を構成す
る凸部がへたったり、この凸部に接触されるブレード
(3)が高密度ポリエチレンなどで形成されているた
め、該ブレード(3)の摩耗を招くからであるが、この
深さは、前記隙間(1a)の寸法の管理ほど重要なもので
ない。
因みに、ホーニング加工により粗面とし、前記隙間
(1a)の寸法の平均値を10〜100μのものとし、ブレー
ドの周速を3.7m/secとし、エチレングリコール添加の5
%濃度の製氷用溶液を用い、冷媒の蒸発温度を−9.4℃
としてテストし、前記モータの電流が保護装置の作動す
る手前の6Aになるまでの通算時間を調べてみたところ、
鏡面仕上げしていた従来の場合には10分〜1時間であっ
たのに対し、24時間を経過しても前記モータの電流は5A
を越えることがなかった。
この理由は、先にも説明した通り、前記隙間(1a)に
入り込んだ製氷用溶液の氷点温度が低下すると共に、前
記溶液の濃度が上がって濃度上昇による氷点温度が低下
することによるもので、前記内管(1)の内周面におい
て、氷結しないことからブレード(3)の衝撃で過冷却
層の前記溶液が氷結しても、前記ブレード(3)の動作
で容易に掻取られて前記内周面において氷が付着しない
し、また、付着しないから成長もせずにブレード(3)
の動作で常時掻取られることによるものである。
尚、前記内管(1)の内周面に隙間(1a)を設け、該
隙間(1a)を微細隙間とすることに伴う隙間効果で氷点
が下がり、この隙間(1a)に入り込んだ製氷用溶液が凍
り難くなることは、第3図に示した関係図により説明で
きるし、また、水にエチレングリコールなどを添加して
製氷用溶液を調製する場合で、その濃度を変化させたと
きの氷結温度変化グラフを示した第4図から、製氷用溶
液の濃度が高くなることに伴って、氷点温度が下がるこ
とも説明できるのであって、前記内管(1)内をブレー
ド(3)が回転するとき、該ブレード(3)が前記内管
(1)の内周の過冷却層に衝突して、その衝撃で氷が生
成され、また、製氷用溶液が掻き乱されることから、前
記内周面近くの境膜熱伝導性が良好となって、伝熱面積
の増大と共に、能力を増大させられながら、前記内管
(1)の内周面への永の付着をなくし、運転の継続時間
を長くできるのである。尚、前記内周面への氷の付着
は、前記隙間に入り込んだ製氷用溶液を、前記した隙間
理論及び濃度上昇により氷点温度を低下できることが主
たる原因であるが、前記過冷却層において氷結するとき
の凝固熱を、前記内管(1)の内周面に与えることによ
っても、前記内周面での氷の付着を回避できると推察で
きる。
また、他の例としては、前記内管(1)の内周面に設
けた多数の凹凸(1b)からなる粗面は、凸部の頂部をシ
ャープエッジにすることが好ましく、サンドペーパー加
工又は砥石仕上げのまゝの状態とするのがよく、そして
表面粗さが十点平均粗さ(Rz)で3〜10μであり、凸部
の数としては150個〜250個/ミリのものに形成するのが
適正である。この凸部の数は、例えば200倍に拡大した
顕微鏡写真で確認することができるすべての凸部を数え
た値である。即ち、この場合は、JISのB0601-1982で定
められている断面曲線の山(断面曲線を平均線で切断し
たとき、それらの交差点の隣り合う2点を結ぶ断面曲線
のうち平均線に対し実体が突出している部分)において
複数の凸部がある場合には、この複数の凸部をすべて数
えるものである。そして、十点平均粗さ(Rz)が3μよ
りも小さい場合は、ブレード(3)の背面が負圧とな
り、背面に氷が堆積し、この堆積した氷がブレード
(3)の背面にくっついたまゝブレード(3)が回転す
るので、ブレード(3)を駆動するモータが過負荷とな
ることがある。
さらに、長時間運転時に凸部の頂部が滑らかとなり耐
久性に問題がある。十点平均粗さ(Rz)が10μより大き
い場合は内周面より氷が成長した場合にブレード(3)
の先端に氷が当たり、これにより前記モータが過負荷と
なることがある。
また、内管(1)の内周面の凹凸(1b)を、第2図の
ように格子状に形成し、凸部の数を150個〜250個/ミリ
とし、凸部の先端をシャープエッジとすることにより、
小さい過冷却度で氷が発生することゝなり、この場合、
過冷却度が小さいことから、溶液温度が高く、このため
生成した氷の粒の回りに存在するブラインを含んだ水膜
の厚さが過冷却度が小さいほど弱くなるので、氷結しに
くい利点がある。
また、格子状とすることにより、ブレード(3)が内
周面に平均的に当たるため、内周面及びブレード(3)
が局部的に摩耗することがなく、従って、耐久性が向上
する。
そして、両実施例においては、内周面に多数の凹凸
(1b)を設けていることにより、内周面に接した付近で
の溶液の流れが凹凸(1b)によって乱されて小さな渦を
伴う状態となる。従って、この乱れにより、内周面から
氷が成長しない利点がある。また、かりに氷が内周面に
付着したとしても、鏡面の場合には氷が面接触状態で付
着するので接触面積が大きく付着力が大きいのに対し、
粗面とすると氷が複数の凸部の上端部に点接触状態(氷
が凸部の先端のみ接触する)で付着するので、接触面積
が小さく付着力は小さい。従って、点接触状態で付着し
た場合には、ブレード(3)で容易に掻取りができるこ
とゝなり、ブレード(3)を駆動するモータが過負荷と
なることもないのである。
(発明の効果) 以上説明したように、請求項1記載の本発明の製氷装
置では、内管(1)の内周面を、内管(1)の軸線と交
差する方向に形成する微細な隙間をもつ多数の凹凸を備
えた粗面としたから、前記内管(1)の過冷却層におい
て氷結して氷が生成されても、この氷が、前記内管
(1)の内周面に付着することがないから、ブレード
(3)による氷の掻取りは大きな負荷が作用することな
く、換言すると、モータの電流値を上昇させることなく
スラリー状の氷を生成でき、連続した運転を長時間にわ
たって継続させられるのである。
そして、請求項2記載の本発明においては、前記内菅
(1)の内周面に設ける多数の凹凸(1b)における隙間
(1a)を、製氷用溶液が流入可能で、流入した製氷用溶
液を保持でき、かつ、保持する製氷用溶液の氷点を外管
(2)を流れる冷媒による冷却温度より低くする寸法と
したことにより、製氷用溶液の氷点温度の低下によっ
て、内管(1)の内周面での氷の付着をより確実に防止
できる。
そして、請求項3記載の本発明においては、具体的に
表面粗さが十点平均粗さ(Rz)で3〜500μであり、隙
間(1a)の寸法の平均値が10〜500μであるので、隙間
(1a)への製氷用溶液の流入が確実となると共に、氷点
温度の低下も確実となり、内管(1)の内周面の氷結防
止が期待できると共にブレード(3)の摩耗防止も期待
でき、製氷装置の耐久性が向上する。
そして、請求項4記載の本発明においては、表面粗さ
が十点平均粗さ(Rz)で5〜20μであり、隙間(1a)の
寸法の平均値が10〜100μであるので、前記のように氷
結防止の他に、ブレード(3)の摩耗防止も一層確実に
期待でき、製氷装置の耐久性向上を更に図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる製氷装置の要部である内管の内
周面の凹凸を拡大記録した図、第2図は内管をホーニン
グ加工した状態を示す模式図、第3図は隙間と氷点との
関係を示すグラフ、第4図は過冷却層と製氷用溶液温度
との関係を示すグラフ、第5図は製氷用溶液の濃度変化
による氷結温度変化を示すグラフ、第6図は同製氷装置
の全体構造を示す縦断正面図、第7図は同製氷装置の側
断面図である。 (1)……内管 (1a)……隙間 (1b)……凹凸 (2)……外管 (3)……ブレード (4)……回転体 (5)……駆動軸源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐近 勇三 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 福山 博雄 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 藤原 力弥 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 平田 義彰 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (56)参考文献 特開 昭63−271074(JP,A) 特開 平1−210788(JP,A) 特開 昭63−83588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25C 1/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製氷用溶液を軸方向に流通させる内管
    (1)と、前記溶液を冷却する冷媒を流通させる外管
    (2)と、前記内管(1)内に内装され、該内管(1)
    の内周面と接触するブレード(3)をもつ回転体(4)
    とを備え、この回転体(4)を駆動源(5)により駆動
    回転するごとくした製氷装置であって、前記内管(1)
    の内周面を、該内管(1)の軸線と交差する方向に形成
    する微細な隙間(1a)をもつ多数の凹凸(1b)を備えた
    粗面としていることを特徴とする製氷装置。
  2. 【請求項2】製氷用溶液を流通させる内管(1)と、前
    記溶液を冷却する冷媒を流通させる外管(2)と、前記
    内管(1)内に内装され、該内管(1)の内周面と接触
    するブレード(3)をもつ回転体(4)とを備え、この
    回転体(4)を駆動源(5)により駆動回転するごとく
    した製氷装置であって、前記内管(1)の内周面を、製
    氷用溶液が流入可能で、流入した製氷用溶液を保持で
    き、かつ、保持する製氷用溶液の氷点を外管(2)を流
    れる冷媒による冷却温度より低くする寸法の微細な隙間
    (1a)をもつ多数の凹凸(1b)を備えた粗面としている
    ことを特徴とする製氷装置。
  3. 【請求項3】内管(1)の内周面に設けた多数の凹凸
    (1b)からなる粗面は、表面粗さが十点平均粗さ(Rz)
    で3〜500μであり、隙間(1a)の寸法の平均値が10〜5
    00μである特許請求の範囲1又は2記載の製氷装置。
  4. 【請求項4】内管(1)の内周面に設けた多数の凹凸
    (1b)からなる粗面は、表面粗さが十点平均粗さ(Rz)
    で5〜20μであり、隙間(1a)の寸法の平均値が10〜10
    0μである特許請求の範囲1又は2記載の製氷装置。
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