JP2858952B2 - 多段式のオレフィンの異性化 - Google Patents

多段式のオレフィンの異性化

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、オレフィンを異性化するための多段式プロ
セスに関する。本発明は、特に、アルケニル架橋環化合
物を対応するアルキリデン架橋環化合物に異性化するの
に適している。この多段式プロセスの利点は、活性が高
く選択性の高い異性化触媒を使用することによって提供
される。本発明のプロセスは、5−ビニル−2−ノルボ
ルネン(5−vinyl−2−norbornene)(以下では「VN
B」という)をエラストマー性ポリマー及び合成ゴムの
製造において商業的に使用されている5−エチリデン−
2−ノルボルネン(以下では「ENB」という)に異性化
するのに特に有用である。高活性の異性化触媒は、アル
カリ金属をアルミナに添加し、その後アルカリ金属の注
意深い酸化によって混合物を活性化することによって調
製される。
2.従来の技術の説明 オレフィンの異性化は本技術分野において公知であ
る。出発物質である異性化可能なオレフィン中のオレフ
ィン性二重結合を適切な反応性を有するオレフィンを得
るために移動させなければならないとき、異性化に対す
る必要性が生じる。例えば、ペンテン−1をペンテン−
2に異性化すると、ペンテン−2をイソパラフィンの触
媒によるアルキル化において使用できることが知られて
いる。得られるアルキレートはガソリン中のオクタンを
改善するための添加剤として有用である。また、オレフ
ィン性中間体化合物中の二重結合は、所望の最終化学製
品の合成を継続するために、その位置を変えなければな
らない場合がある。
異性化はまたは重合に必要なオレフィンを提供するの
に使用される。そのようなオレフィンの1つがENBであ
る。ゴム状ポリマーの製造におけるENBのモノマーとし
ての使用はよく知られている。ENBは、ディールス−ア
ルダー反応として一般に知られている付加反応において
1,3−ブタジエンとシクロペンタジエンの反応させるこ
とによって製造できる。このディールス−アルダー反応
はVNBを生成するが、これはその後触媒を使用してENBに
異性化される。公知の異性化触媒には、アルカリ金属水
酸化物と非プロトン有機溶媒の混合物、アルカリ金属ア
ミドとアミンの混合物、及び有機アルカリ金属化合物と
脂肪族アミンの混合物のような液体塩基が含まれる。残
念なことに、液体塩基の触媒活性は比較的低く、従っ
て、これらの高価な触媒が多量に使用されなければなら
ない。また、反応混合物からの触媒の回収は非常に困難
であり、複雑な分離と回収の工程を必要とし、多量のエ
ネルギーを消費する。
固体の異性化触媒も知られている。例えば、活性炭、
シリカゲル、アルミナなどのような高表面積の無水担持
体上に担持されたアルカリ金属である。これらの固体触
媒は酸素と接触すると発火して活性を失う可能性がある
ため取扱いが難しい。また、転化率と選択性が低いた
め、これらの固体触媒の異性化性能は悪い。
米国特許第3,897,509号には、アルカリ金属、アルカ
リ金属水酸化物、及びアルミナを加熱するとアルカリ触
媒組成物が生成し、これは空気と水への暴露に対して安
定であり、種々の化学反応において活性できることが開
示されている。特に、この触媒は、アルケニル架橋環化
合物に対応するアルキリデン架橋環化合物に異性化する
のに有用であると記載されている。従って、この触媒
は、合成ゴムの製造において価値のあるENBのようなア
ルキリデン架橋環化合物の製造に対して有用である。
米国特許第3,897,509号の触媒を形成するのに好まし
い方法は、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、及び
アルミナをアルカリ金属の融点よりも高い温度で加熱し
て混合することによるものである。しかしながら、この
触媒は、出発物質のアルミナが水を含んでいる場合、ア
ルカリ金属水酸化物を使用せずに調製することもでき
る。
米国特許第3,405,196号には、亜酸化窒素のような酸
素を含む気体で前処理された担持アルカリ金属触媒の存
在下に末端オレフィンを内部オレフィンに転化する方法
が開示されている。使用された触媒は、高表面積の実質
的に不活性な担持体上に分散されたアルカリ金属を含
む。アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、ルビジウ
ム、及びセシウムから選択できる。望ましい触媒担持体
物質は、高表面積の、大きい細孔の、わずかに酸性のア
ルミナである。この触媒は主に1−ペンテンを2−ペン
テンに、そして1−ブデンを2−ブデンに転化するのに
使用されるが、アルケニル架橋環化合物を対応するアル
キリデン架橋環化合物に異性化するのには使用されな
い。
これらの従来技術の触媒の多くは水と激しく反応し、
転化活性が低いとう欠点を有している。これらの触媒は
触媒毒と接触すると失活する。従来技術のこれら及びそ
の他の欠点は本発明によって克服され、オレフィンの異
性化用の新規な多段式プロセスが提供される。
発明の要約 本発明は、オレフィンを異性化するための多段式プロ
セスに関し、特に、アルケニル架橋環化合物を対応する
アルキリデン架橋環化合物に異性化するための多段式プ
ロセスに関する。本明細書中に記載されているようにし
て調製された活性が高く選択性の高い異性化触媒は触媒
毒に対する抵抗性を与え、本発明の多段式プロセスによ
って実現される利点を提供する。本発明のプロセスは、
アルケニル架橋環化合物の5−ビニル−2−ノルボルネ
ンをエチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム(EPD
M)のジエンモノマーとして商業的に使用されているア
ルキリデン架橋環化合物である5−エチリデン−2−ノ
ルボルネンに異性化するのに特に有用である。高活性の
異性化触媒は、アルカリ金属を適切に調製された焼成さ
れた担持体物質に添加し、その後アルカリ金属を注意深
く酸化することによって調製される。
本発明のオレフィンを異性化するための多段式プロセ
スは、異性化されるオレフィンを、温度、触媒活性、又
はその両方が異なる連続する段階中の異性化触媒と接触
させることを含む。この多段式プロセスの1つの特別の
実施態様は、異性化可能なオレフィンを含む化学プラト
ン流れを、温度、触媒活性、又はその両方か異なる連続
する段階中の活性化された触媒と接触させることを含
む。この多段式プロセスの利点は、化学プラント流れが
異性化触媒毒を含む場合特に明らかである。活性化され
た触媒は、担持体物質を加熱して焼成された担持体物質
を形成し、この焼成された担持体物質をアルカリ金属と
接触させてアルカリ金属と焼成された担持体物質から成
る触媒先駆体混合物を形成し、そしてこの混合物を活性
化気体と接触させることによって調製される。
本発明の特別の一面は、 (a)初めにアルケニル架橋環化合物を含む流体流れ、
第1の反応領域から最後の反応領域までの一連の反応領
域に連続的に通すること、及び (b)流体流れを各反応領域中の異性化触媒と接触さ
せ、それによって異性化可能なオレフィンの幾らかを生
成物のオレフィンに転化すること、 を含むオレフィンの異性化方法であって、 (i)異性化触媒は、本質的にアルミナから成る焼成さ
れた担持体物質上に担持されたアルカリ金属の酸素処理
された混合物を含み、 (ii)異性化触媒は、最後の反応領域から第1の反応領
域までのすべての反応領域を連続的に移動させられ、且
つ (iii)第1の反応領域の温度は80〜130℃の範囲内であ
り、且つ最後の反応領域の温度は0〜70℃の範囲内であ
る、 方法である。
本発明の特徴には、流体流れが一連の三つの連続する
反応領域を通過することが含まれる。
また、本発明の他の特徴には、アルカリ金属がナトリ
ウムであることが含まれる。
本発明の更に他の特徴には、第1の反応領域への導入
前において、流体流れが初めに更に触媒毒を含むことが
含まれる。
本発明の他の特別の一面は、追加の工程: (c)第1の反応領域から、未転化の異性化可能なオ
レフィンを含む第1の出口流体流れを取り出すこと、 (d)第1の反応領域から、第1の反応領域からの異性
化触媒を含む第1の出口流体流れを取り出すこと、 (e)第1の出口流体流れを第2の反応領域に導入し、
第1の出口流体流れを異性化触媒と接触させ、それによ
って異性化可能なオレフィンの幾らかを生成物のオレフ
ィンに転化すること。
(f)第2の反応領域から、第2の出口流体流れを取り
出すこと、 (g)第2の反応領域から、第2の反応領域からの異性
化触媒を含む第2の出口触媒流れを取り出すこと、及び (h)第2の出口触媒流れを第1の反応領域に導入する
こと、 を含む方法を包含する。
本発明の更に他の特別の一面は、追加の工程: (i)第2の出口流体流れを第3の反応領域に導入し、
第2の出口流体流れを異性化触媒と接触させること、 (j)第3の反応領域から、第3の出口流体流れを取り
出すこと、 (k)第3の反応領域から、異性化触媒を含む第3の出
口触媒流れを取り出すこと、及び (l)第3の出口触媒流れを第2の反応領域に導入する
こと、 を含み、第3の反応領域の温度が0〜50℃である方法を
包含する。
好ましくは、前記本発明の方法では、アルケニル架橋
環化合物が5−ビニル−2−ノルボルネンを用いて行う
ことができ、且つ生成物のオレフィンは5−エチリデン
−2−ノルボルネンである。
本発明の特徴は、異性化可能なオレフィンの高水準の
転化率、所望の生成物のオレフィンに対する高い選択
性、効率的な触媒の利用、及び触媒毒の効率的な除去と
触媒毒に対する抵抗性である。本発明のもう1つの特徴
は異性化を行うのに使用される触媒の安定性とオレフィ
ン異性化プロセスの経済性である。これは、異性化可能
なオレフィン供給物流れ中に通常見られる不純物に対す
る触媒のユニークな抵抗の発見によて達成される。そこ
で、これら及びその他の本発明の特徴は以下の詳細な説
明から明らかになるだろうが、ここでは添付の図面が参
照される。
図面中において、 第1図はアルミナに対するX線回折パターンである。
第2は本発明に従って製造された触媒に対するX線回
折パターンである。
第3図は従来技術に従って製造された触媒に対するX
線回折パターンである。
第4図は3段階の異性化プロセスのブロック図であ
る。
第5図は、触媒が段階から段階へ連続的に移される3
段階の異性化プロセスのブロック図である。
第6図は単一反応容器中の多段式プロセスのブロック
図である。
発明の詳細な説明 本発明に従って異性化されるオレフィンは異性化可能
なオレフィンと呼ぶ。オレフィンの異性化中、オレフィ
ンの二重結合は一つの位置から他の位置に移動する。オ
レフィン性の二重結合がオレフィン分子中の2つの炭素
原子で挟まれる任意の位置に移動することは理論的には
可能であるが、実際には特定の移動のみが起こる。本明
細書中において議論される異性化可能なオレフィンは、
特定の触媒上での平衡に対して好ましくない位置におい
て二重結合を有するオレフィンである。従って、そのよ
うな異性化可能なオレフィンが異性化活性を有する触媒
と接触すると、二重結合はその位置を移動する傾向を有
する。得られる生成物を生成物のオレフィンと呼ぶ。
異性化可能なオレフィンとそれに対応する生成物のオ
レフィンの例を以下の第I表に示す。
第I表 異性化可能なオレフィン 生成物のオレフィン 1−ブテン 2−ブテン 1−ペンテン 2−ペンテン 1−ヘキセン 2−ヘキセン,3−ヘキセン 2−ヘキセン 3−ヘキセン VNB ENB 多段式プロセスはアルケニル架橋環化合物をアルキリ
デン架橋環化合物に異性化するのに特に有用である。ア
ルケニル架橋環化合物はディールス−アルダー反応によ
って製造することができる。
ディールス−アルダー反応はオレフィンと共役ジエン
の付加反応である。ディールス−アルダー反応は約50乃
至250℃の範囲内の温度で触媒なしに進行する。アルケ
ニル架橋環化合物はシクロジエンと脂肪族ジエンのディ
ールス−アルダー反応によって製造することができる。
VNBは1、3−ブタジエンとシクロペンタジエンのディ
ールス−アルダー反応によって製造することができる。
1、3−ブタジエンとシクロペンタジエンのディール
ス−アルダー反応を生じさせるのに必要な条件は本技術
分野において公知である。より詳細には、100〜200℃の
温度及び1.03〜2.07MPa(150〜300ポンド/平方イン
チ)の圧力で液相においてブタジエンをシクロペンタジ
エンと接触させる。ディールス−アルダー反応を進ませ
るために触媒を使用する必要はない。反応は一般に0.1
〜100時間で終了し、通常不活性雰囲気下で行われる。
反応は液体状態で行うのが好ましく、液体で一杯になっ
た反応容器中に行うのが最も好ましい。
好ましい反応が1、3−ブタジエンとシクロペンタジ
エンの間で起こるが、望ましくない重合反応も生じる。
例えば、1、3−ブジエンモノマーはその他の1、3−
ブタジエンモノマーと反応してブタジエンホモポリマー
を形成する可能性がある。同様な重合反応がシクロペン
タジエンモノマーの間、及び1、3−ブタジエンとシク
ロペンタジエンの間で生じる可能性がある。望ましくな
い重合反応を抑制するか又は禁止する特定の化合物が知
られている。同一量の出発物質からより多くのVNBを製
造するため、そして形成する高分子量のポリマーが反応
装置の特定の部分を詰まらせるのを防ぐために、そのよ
うな禁止剤化合物の1種又は混合物を反応体に添加する
ことができる。多くの禁止剤化合物が知られており、そ
れらには2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジフ
ェニルニトロサミン、及びN−置換p−フェニレンジア
ミンが含まれるがこれらに限定されるものではない。
ディールス−アルダー反応生成物混合物は異性化プロ
セスに直接送ることができるが、VNBを主に含む流れを
生成するために反応生成物を精製するのが商業的に好ま
しい。反応生成物流れは、加圧下、大気圧下、又は好ま
しくは減圧下に分別蒸留することによって精製できる。
抽出蒸留方法も使用でき、公知の抽出蒸留溶媒の幾つか
は、アセトニトリル、水、スルホラン(sulfolane)、
及びN−メチルピロリドン(NMP)である。反応生成物
は抽出によって、抽出とその後の蒸留によって、又は結
晶化によっても精製することができる。ディールス−ア
ルダー反応生成物又は好ましくは精製されたVNBはその
後VNBをENBに転化するために異性化される。上述したよ
うに、多段式プロセスはVNBをENBに異性化するのに特に
有用であるが、その他の異性化可能なオレフィンを異性
化するのにも有用である。
異性化される流れは90体積%以上の異性化可能なオレ
フィンでよく、或いはこの流れは異性化プロセス中に不
活性な溶媒で希釈されてもよい。適する溶媒には、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、及びイソオクタンのような
脂肪族化合物、及びベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンのような芳香族化合物が含まれる。その他
の多くの溶媒も許容可能であり、本発明の範囲内であ
る。しかしながら、特定の種類の化合物は異性化触媒の
毒であり、溶媒として使用すべきはない。このような触
媒毒には、水、アルコール、酸化合物、及び共役ジエン
化合物が含まれる。
本発明のプロセスにおいて手使用される異性化触媒
は、焼成された担持体物質上のアルカリ金属から成り、
この組み合わせた酸素を含む気体でさらに処理される。
アルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウム、セシウム、及びそれらの混合物から成る群か
ら選択できる。アルカリ金属は本質的に元素状態の金属
から成り、例えば、カリウムがアルカリ金属である場
合、その他の元素との組み合わせ、即ち、水酸化カリウ
ムとしてではなく、純粋なカリウムとして添加されなけ
ればならない。ナトリウムが好ましいアルカリ金属であ
る。触媒は、乾燥不活性気体の雰囲気中100乃至600℃の
温度で焼成された担持体物質上に1〜40重量%アルカリ
金属を分散させることによって調製できる。担持体物質
上に分散されたアルカリ金属に、その後、0〜300℃の
温度で0.1〜25モル%の酸素含有率を有する気体を接触
させることによって酸化を施す。
アルカリ金属を分散させる担持体の材料は、高表面積
及び大きい細孔(lavge poves)を有する通常固体の物
質である。担持体物質はまた焼成とアルカリ金属の分散
に必要な高温において固体状態を維持できなければなら
ない。担持体物質は、1g当たり約5乃至1000平方メート
ル(m2/g)の表面積を有するのが好ましく、約20乃至60
0m2/gがより好ましく、約100乃至200m2/gが最も好まし
い。実際に、驚くべきほど活性な触媒が約180m2/gの表
面積を有する担持体物質から製造できた。担持体物質の
細孔サイズは約5乃至1,000オングストロームの範囲内
でよく、約10乃至300オングストロームがより好まし
く、約10乃至100オングストロームが最も好ましい。触
媒を製造するのに使用される担持体物質は粉末、ペレッ
ト、又は押出し物の形態でよい。担持体物質は乾燥雰囲
気中で焼成されなければならず、焼成後は水及び酸素を
含まないようにしなければならない。
アルミナ、シリカ、及び周期表の3A、4A、及び4B族の
金属の酸化物を担持体物質として使用することができ
る。言及した周期表は、CRC Handbook of Chemistry an
d Physics、第53版中に報告されている表である。特性
の担持物質のその他の例には、炭素、グラファイト、マ
グネシア、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化ナトリウム、及び酸化バリウムが
含まれる。アルミナは好ましい担持体物質であり、最も
好ましい実施態様において担持体物質は本質的にアルミ
ナから成る。アルミナはほとんどAl2O3から成り、少量
のNa2O、SiO2、及Fe2O3を含む。最も好ましい実施態様
において使用されるアルミナの形態はガンマアルミナで
ある。
担持体はアルカリ金属との接触の前に焼成されなけれ
ばならない。焼成は担持体物質を100乃至1,000℃の温度
に加熱することによって行われ、約300乃至酌800℃の温
度が好ましく、約400乃至約600℃の温度が最も好まし
い。焼成は大気圧又はそれ以上の圧力で行うことができ
るが、減圧下に行うのが好ましい。熱によって担持体物
質から放出される水又は酸素の分子を掃去するために、
焼成容器を不活性気体でパージするのが好ましい。焼成
は0.1乃至100時間継続し、約1乃至20時間が好ましい。
焼成の熱は担持体物質から水を追い出し、本質的に乾燥
した担持体物質を提供する。焼成後、水が担持体物質と
会合しないように、担持体物質は乾燥雰囲気中に保たれ
なければならない。
アルカリ金属と担持体物質の触媒組成物は、初めに、
乾燥した不活性な、酸素を含まない雰囲気中で焼成され
た担持体物質をアルカリ金属と接触させて接触先駆体混
合物を形成することによって製造される。接触の少なく
とも一部の期間中アルカリ金属は溶融状態であるのが好
ましく、接触は乾燥した不活性な、酸素を含まない雰囲
気中で焼成された担持体物質をアルカリ金属と物理的に
ブレンドすることによって起こる。最も好ましい実施態
様において、触媒先駆体混合物は本質的にアルカリ金属
と担持体物質から成る。
アルカリ金属は初めに焼成された担持体物質と接触さ
せることができるが、その間アルカリ金属は固体、液
体、又は気体状態である。通常、最初の接触は不活性雰
囲気中約0乃至約500℃の温度で行われ、約10乃至約40
℃の温度が好ましい。担持体物質と初めに接触したとき
にアルカリ金属が固体状態である場合、混合物の温度を
アルカリ金属を溶融させるのに十分な温度まで上昇さ
せ、アルカリ金属を担持体物質に初めに分散させるため
に混合物を攪拌しなければならい。窒素、アルゴン、ヘ
リウム、及びクリプトンのような気体が不活性雰囲気を
提供する。得られる混合物をその後一定攪拌の下に約10
0乃至600℃、好ましくは約300乃至約400℃、の温度に加
熱する。
この混合攪拌はアルカリ金属が担持体物質上におおま
かに分散した後中断することができる。しかしながら、
アルカリ金属が焼成された担持体物質の表面上に均一に
分散されるまで混合を続けるのが好ましい。ナトリウム
とアルミナの混合物の場合、アルミナの表面全体にわた
って暗青色が均一に分布しているように見えたら、これ
はナトリウムの均一な分散を意味する。多量の物質を混
合するとき、又はゆっくりとした混合速度を使用すると
きは、均一な混合を達成するまで長い時間がかかるが、
ロータリー混合機を使用して100gの触媒を製造する場
合、約2時間以内に混合が終了することが多い。
焼成された担持体物質上に分散させるアルカリ金属の
量は、アルカリ金属と焼成された担持体物質の両方を含
む混合物の総重量に基づいて、約1乃至約40重量%の範
囲内である。アルカリ金属の量が約5乃至約20重量%の
範囲内であるのが好ましく、約10乃至約15重量%の範囲
内であるのが最も好ましい。
アルカリ金属を焼成された担持体物質上に分散させて
触媒先駆体混合物を形成した後、この混合物を酸素を含
む活性化気体と接触させなければならない。酸素添加が
速すぎる場合アルカリ金属と酸素の間で激しい反応が起
こるので、混合物が初めに過剰に酸素にさらされるのを
防ぐように注意しなけばならない。活性化中に混合物の
温度が約300℃を越えた場合、酸素と混合物の接触の速
度を低下させなければならない。酸素の接触速度は、酸
素含有気体の流量を下げるか又は酸素含有気体中の酸素
濃度を下げることによって、下げることができる。触媒
混合物の温度を安全な水準まで下げるためにある程度の
不活性気体流量を維持しなければならない。或いは、低
い圧力の純粋な酸素を活性化気体として使用することが
できる。
触媒混合物は活性化気体と約0℃乃至約300℃の範囲
内の温度で接触させることができ、約20℃乃至約150℃
の範囲内の温度が好ましく、約25℃乃至約50℃の範囲内
の温度が最も好ましい。接触混合物は活性化気体と接触
している間に攪拌されていてもよい。触媒製造の別の方
法においては、触媒混合物を高温で活性化気体と接触さ
せる。典型的には温度は約55乃至約300℃であり、約65
乃至約300℃が好ましく、約100乃至約300℃が最も好ま
しい。
活性化気体は単一種類の酸素含有気体状化合物でよ
く、又は不活性気体とその他の酸素含有気体の混合物で
もよい。活性化気体の例には、酸化窒素、亜酸化窒素、
二酸化硫黄、乾燥空気、オゾン、及び酸素と窒素、ヘリ
ウム、アルゴン、クリプトン、キセノン、又はラドンと
の混合物が含まれる。これらの気体の混合物も使用でき
る。好ましい実施態様においては、酸素(O2)と窒素
(N2)の混合物が活性化気体として使用できる。活性化
気体中の酸素の量は約0.1乃至約25モル%でなければな
らない。活性化気体混合物中の酸素の量は約2乃至約10
モル%であるのが好ましく、約5モル%が最も好まし
い。純粋は酸素(100モル%O2)を活性化気体として使
用する場合、圧力約0.001から0.25気体の間まで下げら
れなければならない。
酸素がNO又はNO2のような酸素を含む分子の一部にす
ぎない場合、気体中の酸素含有率は分子中の酸素の原子
量を気体の分子量で割ることによって計算される。
酸素含有気体と触媒混合物の接触は全てのアルカリ金
属が酸化されるまで続けることができる。しかしなが
ら、酸素のアルカリ金属に対する原子比率が、アルカリ
金属1原子当たり約0.01乃至約2.0原子の酸素の範囲内
になったとき止めるのが好ましい。この比率がアルカリ
金属1原子当たり約0.2乃至0.5原子の酸素の範囲内であ
るのが好ましい。
上述のようにして調製された触媒は、VNBのようなオ
レフィンをENBのような生成物のオレフィンに異性化す
る活性を有する。
異性化可能なオレフィンは全て本発明の多段式プロセ
スによって異性化できるが、アルケニル架橋環化合物は
本発明の触媒による異性化に特に適している。アルケニ
ル架橋環化合物は一般式(I)のものである。
式中、R1、R2、及びR3は各々水素又は1〜8個の炭素原
子を有するアルキルであり、R4は水素又は1〜4個の炭
素原子を有するアルキルであり、nは1又は2であり、
二重結合が点線によって示されているように2−位と3
−位の間の場所に存在してもよい。
いくつかの特定のアルケニル架橋環化合物の例は以下
の通りである。
5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、 5−(1′−プロペニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプ
タン、 5−(1′−ブテニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン、 5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、 5−(2′−メチル−1′−プロペニル)ビシクロ
[2,2,1]ヘプタン、 6−メチル−5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン、 6−メチル−5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]
ヘプタン、 6−エチル−5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ
ン、 5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン、 5−(1′−プロペニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプ
タ−2−エン、 5−(1′−ブテニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ
−2−エン、 5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−
エン、 5−(2′−メチル−1′−プロペニル)ビシクロ
[2,2,1]ヘプタ−2−エン、 5−(1′−オクテニル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプ
タ−2−エン、 6−メチル−5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ−
2−エン、 6−メチル−5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]
ヘプタ−2−エン、 6−エチル−5−ビニルビシクロ[2,2,1]ヘプタ−
2−エン、 5−ビニルビシクロ[2,2,1]オクタン、 5−(1′−プロペニル)−ビシクロ[2,2,2]オク
タン、 5−イソプロペニルビシクロ[2,2,1]オクタン、 5−(1′−ブテニル)−ビシクロ[2,2,2]オクタ
ン 6−メチル−5−ビニルビシクロ[2,2,2]オクタン 6−メチル−5−イソプロペニルビシクロ[2,2,2]
オクタン 5−ビニルビシクロ[2,2,2]オクタン、 5−(1′−プロペニル)−ビシクロ[2,2,2]オク
タ−2−エン、 5−イソプロペニルビシクロ[2,2,2]オクタ−2−
エン、 5−(1′−ブテニル)−ビシクロ[2,2,2]オクタ
−2−エン、 5−(2′−メチル−1′−プロペニル)ビシクロ
[2,2,2]オクタ−2−エン、 6−メチル−5−ビニルビシクロ[2,2,2]オクタ−
2−エン、及び 6−メチル−5−イソプロペニルビシクロ[2,2,2]
オクタ−2−エン。
式Iによって表される化合物は、シクロペンタジエン
又はシクロヘキサジエンのような環式ジエンと脂肪族1,
3−ジエンにディールス−アルダー反応を施すか又は
1′−又は2′−位においてヒドロキシル基を有する対
応する架橋環化合物に脱水を施すことによって製造でき
る。
アルケニル架橋環化合物の異性化は二重結合の位置を
1′−2′位置から5−1′位置に移し、それによって
アルキリデン架橋環化合物を形成する。
異性化は、異性化可能なオレフィン、例えば、VNB、
の流れを触媒と約−50℃乃至約200℃の温度で接触させ
ることによって行われる。異性化の好ましい温度は約0
℃乃至150℃の範囲内であり、約20℃乃至約100℃の範囲
内が最も好ましい。しかしながら、異性化可能なオレフ
ィンの流れがシクロペンタジエンのような接触毒で汚染
されている場合、80℃以上、好ましくは約100の初期接
触温度が有利である。本発明の高温の多段式異性化の実
施態様は、かなりの量の異性化可能なオレフィンを含
み、さらに異性化触媒毒化合物を含む化学プラント流れ
を異性化するのに特に有用である。これは、本発明の特
殊な触媒が触媒毒に対して抵抗性を有するという予想外
の驚くべき発見によるものである。この触媒は以下で明
らかになるようにより高温の異性化条件において特に有
効である。
使用される触媒の量は重要ではないが、より多くの触
媒を使用すると同一温度において与えられた水準の転化
を達成するのに必要な時間が短かくなる。一般に、異性
化可能なオレフィン単位重量当たりの使用されるアルカ
リ金属の重量は、異性化可能なオレフィンの10,000部に
対してアルカリ金属の1部から異性化可能なオレフィン
の50部に対してアルカリ金属の1部までの範囲内であ
る。固定床プロセスにおいて、固定床中の担持触媒の重
量で割った単位時間当たりの供給物で表される重量平均
空間速度(weight average space velocity)は0n1〜50
0Hr-1の範囲内である。
多段式異性化プロセスはどのような圧力でも行うこと
ができる。しかしながら、約0〜0.7MPa(約0乃至約10
0psig)の圧力が好ましい。反応は液体相又は気体相に
おいて行うことができる。反応時間は反応温度と使用さ
れる触媒の量によって変化するが、一般に5分乃至6時
間の範囲内である。異性化反応は一般に酸素と水の不存
在下に行われる。
多段式反応プロセスは少なくとも2つの反応段階を使
用し、これらの段階は反応段階の温度又は触媒活性又は
好ましくは温度と活性の両方が異なる。連続する複数の
容器中で行われる多段式プロセス全体に対して、各反応
段階の温度は対応する各容器中の物質の平均温度であ
る。多段式プロセスが温度が一方の端から他方の端まで
連続的に変化する触媒の単一の固体床で行われる場合、
そのような床は実際上連続する段階として考えることが
できる。そのような連続の中の1つの反応段階の温度
は、その段階の重量平均温度である。そのような固定床
配列は、仮想的段階間の温度差に基づいて、2つの仮想
的段階又は無数の仮想的段階に分割することができる。
多段式プロセスは少なくとも2つの反応段階を有して
いなければならない。反応段階間の温度が異なる場合、
アルケニル架橋環化合物のような異性化可能なオレフィ
ンを最も温度の高い反応段階に添加するのが好ましい。
異性化反応はより高い温度においてより速く生じるの
で、異性化可能なオレフィンを最も温度の高い段階に添
加すると異性化可能なオレフィンの生成物のオレフィン
への転化が速くなる。アルケニル架橋環化合物が異性化
可能なオレフィンである場合生成物のオレフィンはアル
キリデン架橋環化合物であり、特に、VNBが異性化可能
なオレフィンである場合生成物のオレフィンはENBであ
る。
驚くべきことに、本発明の触媒はシクロペンジエンの
ような触媒毒化合物を触媒毒ではない化合物に転化する
活性を有する。触媒毒化合物はどのような温度でも転化
されるが、温度が高ければ高いほど触媒毒の除去が速く
なる。従って、異性化可能なオレフィンと触媒毒を含む
流れは、オレフィンの異性化に加えて触媒毒の除去を速
やかにするために、最も温度の高い反応段階で接触させ
ることができる。これによって、触媒毒化合物が速やか
に中和されるという追加の利点を得られる。流れ中の触
媒毒化合物がいったん転化又は中和されると、それに続
く反応段階中の触媒は触媒毒化合物による失活から保護
されるようになる。
本発明の1つの実施態様においては、異性化可能なオ
レフィンを初めに含む流体流れを連続する少なくとも3
つの反応領域に通し、各連続する反応領域の温度は、第
2の反応領域から最後の反応領域まで、先行する反応領
域の温度よりも低い。本発明のこの特徴は、3段階のプ
ロセスを示す第4図を参照することによってより理解さ
れるだろう。容器10が設けられており、その出口は導管
14によって容器20の入口に接続されている。導管14は熱
交換器16を通ることができる。導管22は容器20の出口と
容器30の入口を接続しており、熱交換器26を通ることが
できる。導管32は容器30の出口に接続している。
運転中、容器10、20、及び30には上述したように異性
化触媒が設けられている。触媒は固定床配列中に設ける
ことができ、或いはスラリーの形態で存在してもよい。
触媒がスラリーの形態である場合、容器10、20、及び30
の各々には触媒をスラリー状態に維持して固体の接触粒
子が容器の底に沈降するのを防ぐための攪拌手段が設け
られていなければならない。容器10、20、及び30はそれ
ぞれ第1、第2、及び第3又は最後の反応領域を提供す
る。
アルケニル架橋環化合物のような異性化可能なオレフ
ィンを含む流れは導管12を通して10に導入される。容器
10は第1段階の反応領域を提供し、そこで異性化可能な
オレフィンは異性化触媒と接触し少なくとも部分的に対
応する生成物のオレフィン化合物に転化される。第1段
階の反応領域内部の温度、圧力、及び反応時間は上述の
範囲内でなければならい。
容器10中の第1段階の反応領域から第1出口流体流れ
が引き出され、導管14を通して容器20中の第2段階の反
応領域に導入される。第1段階の反応領域から引き出さ
れた第1出口流体流れは固体触媒をほとんど含んではな
らない。液体流れから固体触媒粒子を実質的に分離する
方法は本技術分野において公知であり、従って、本明細
書中では説明しない。
第2段階の反応領域は第1段階の反応領域の温度より
も低い温度に維持されなければならないが、その他は、
上述の限定の範囲内で温度、圧力、及び反応時間を変え
ることができる。第2段階の反応領域の温度を第1段階
の反応領域の温度よりも低く維持するために、第1出口
流体流れを冷却する必要があるかもしれない。その冷却
は、第1出口流体流れを熱交換器16に通することによっ
て行うことができ、熱交換器中では熱が第1出口流体流
れから熱交換流体に流れる。
前述したように、異性化反応はより高い温度において
より速い速度で進行する。残念なことに、温度での異性
化平衡は異性化可能なオレフィンの完全な転化には好ま
しくない。完全な転化にはより低い温度での平衡が好ま
しい。多段式プロセスにおいては、第2段階の反応領域
は第1段階の反応領域よりも低温であり、従って、異性
化可能なオレフィンの全体的転化率はより完全になる傾
向がある。
少なくとも2つの反応段階を使用することによって上
述の利点が得られる。しかしながら、より効率的に触媒
を利用するためには3つ以上の反応段階を使用するのが
好ましい。第4図によって示される実施態様において、
第3段階の反応領域は容器30によって示される。第2段
階の反応領域から第2出口流体流れが引き出され第3段
階の反応領域に送られる。必要であれば、第2出口流体
流れを熱交換器26によって冷却することができ、第3段
階の反応領域は第2段階の反応領域の温度よりも低い温
度に維持されなければならない。その他は、温度、圧
力、及び反応時間は上述の限定内に入っていなければな
らない。さらに追加の反応段階を上述の3つの反応段階
と同様な方法で使用することができ、例えば、異性化可
能なオレフィンを初めに含む流体流れを連続する4つの
反応段階に通すことができた。
本発明の実施態様の1つが第5図によって表され、こ
の図は各段階が同じか又は異なる温度に維持され、異性
化触媒が段階から段階へ移動するプロセスを示してい
る。この実施態様において、第1の反応領域は容器40に
よって提供される。容器40の入口は導管41と接続してい
る。アルケニル架橋環化合物のような異性化可能なオレ
フィンを初めに含む流体流れは導管41を経由して第1の
反応領域に導入することができる。上述のようにして製
造された異性化触媒も第1の反応領域に存在し、そのた
め異性化可能なオレフィンを初めに含む流体流れと異性
化触媒との接触が起こる。この接触は上述の限定内の温
度、圧力、及び反応時間で行うことができる。
第1の反応領域中の触媒は固定床中に充填されていて
もよく、それによって異性化可能なオレフィンを流れを
触媒粒子上にしたり落としてもよい。触媒は触媒床に添
加されそこから取り出されるので、触媒床に触媒を添加
し取り出すための手段を設けらなければならない。固体
床又は流動床に触媒を添加しそこから取り出す方法は、
固体粒子触媒の分野の当業者にはよく知られている。固
定床又は流動床配列の代わりに、第1の反応領域中の流
体を攪拌する手段を設けることによって、触媒を第1の
反応領域中においてスラリー化又は攪拌することができ
る。異性化可能なオレフィンを触媒と接触させるのに使
用する方法は重要ではなく、異性化可能なオレフィンと
触媒との接触を提供するどのような方法も使用可能であ
る。
容器40の出口は導管42によって分離機45に接続されて
いる。導管42は、未反応の異性化可能なオレフィン化合
物、生成物のオレフィン化合物、及び異性化触媒を含む
容器40からこれらの物質を取り出す。これらの物質は分
離機45に導入され、この分離機は固体の触媒粒子をその
他の物質から分離する。導管46は分離機45の触媒出口に
接続されており、分離機45から固体の触媒粒子を取り出
す。これらの固体の触媒粒子は捨ててもよく、再生して
再使用してもよく、或いは第1の反応領域に再循環して
戻してもよい。
本発明はさらに第2の反応領域、例えば、容器50を含
み、これは導管48によって分離機45の流体出口に接続さ
れている。分離機45から出て来る流体物質は、導管46に
よって除去された固体の触媒粒子を除いて、第1の反応
領域から引き出された物質の実質的に全てを含む。こら
れの流体物質は未反応の異性化可能なオレフィン化合物
と生成物のオレフィン化合物を含む。これらの流体物質
はその後第2の反応領域に導入される。
第2の反応領域は上述のようにして製造された異性化
触媒を含む。第2の反応領域は同一の温度か又は第1の
反応領域の出口温度よりも低い温度に維持される。それ
以外は、温度、圧力、及び反応時間は上述の限定の範囲
内でよい。異性化触媒と導管48を経由して導入される物
質との接触が第2の反応領域中で起こり、それによって
異性化可能なオレフィン化合物がさらに対応する生成物
のオレフィン化合物に転化される。
第2の反応領域からの物質は容器50の出口から移動
し、導管52を経由して分離機55に移される。分離機55
は、分離機45に関して上で説明したのと同じ方法で、固
体の触媒粒子をその他の物質から分離する。固体の触媒
粒子は導管56を経由して引き出され、容器40中の第1の
反応領域に運ばれる。
粒状固体ではない物質は導管58によって分離機55から
引き出され、これは生成物として回収されるか又は容器
60の入口に送られる。容器60は第3の反応領域を提供
し、これは、必要であれば、異性化触媒と導管58によっ
て導入される物質のさらなる接触を提供する。第3の反
応領域は、容器60の入口に接続された導管61を通して容
器60に添加できる異性化触媒を含む。導管61は新しい異
性化触媒を第3の反応領域に添加する。触媒は前述の方
式でこの反応領域中のその他の物質と接触しなければな
らない。第3の反応領域は第2の反応領域と同一の温度
か又は第2の反応領域の温度よりも低い温度に維持さ
れ、それ以外は、温度、圧力、及び反応時間は上述の限
定の範囲内でよい。
第3の反応領域からの固体の触媒粒子、未反応の異性
化可能なオレフィン化合物、及び生成物のオレフィン化
合物は導管62を通って移動し、分離機65に送られる。分
離機65は固体の触媒粒子を生成物から分離する。固体の
触媒粒子は導管66を通して分離機65から引き出され、容
器50中の第2の反応領域に運ばれる。流体生成物は導管
68を通して分離機65から引き出される。
第3の反応領域は必要ではないこともあり、そのよう
な場合には、生成物は導管58によって分離機55から引き
出され、新しい触媒は導管66を通して第2の(即ち、最
後の)反応領域に添加される。
異性化可能なオレフィン化合物の対応する生成物のオ
レフィン化合物への異性化反応は、オレフィンの全てが
既に異性化されてない限りは、連続する各反応領域にお
いて起こる。第1の反応領域は急速な転化を達成するた
め通常比較的高温に維持される。異性化平衡は高温では
完全な転化に好ましくないので、その後の反応領域にお
いては、異性化可能なオレフィン化合物の所望の生成物
のオレフィン化合物への完全に近いか又は完全な転化を
達成するため、より低い温度で異性化触媒と異性化され
る物質を接触させる。
さらに、本発明に特殊な触媒は高温において触媒毒の
除去に対する活性があるため、本発明の別の利点が実現
される。後述の実施例によって示されるように、本発明
の触媒は触媒毒を除去又は無害な化合物に転化する活性
を有し、しかも異性化活性の幾らかを保持する。本発明
のこの特徴はより高い温度において特に顕著である。従
って、速やかな転化と完全な転化率を提供することに加
えて、本発明の多段式プロセスは、触媒毒が反応プロセ
スの後の方の段階で触媒に影響を与えないように触媒毒
を除去する方法を提供する。本発明は、触媒毒を含んで
いる可能性のある流れを、既に使用され従って活性が低
く価値も低い異性化触媒と接触させることによって、最
も経済的に触媒毒を除去する。
第5図に示される実施態様から明らかなように、導管
61を通して添加される新しい触媒は失活化が最も少ない
最も低い温度の反応領域で最初に使用される。第3の反
応領域中の触媒は最も活性であり、従って、残っている
比較的少量の異性化可能なオレフィン化合物を対応する
生成物のオレフィン化合物に転化することができる。第
3の反応領域中での接触の後、今では新しい触媒よりは
活性の低い触媒を温度のより高い第2の反応領域に送
る。このより高い反応温度は低下した触媒の活性を補
う。この触媒は、新しい触媒ほど活性ではないが、第2
の反応領域中の温度がより高いことと存在する反応体の
異性化可能なオレフィン化合物の量が増加していること
のために、かなりの量の異性化を依然として達成する。
触媒はその後第2の反応領域から取り出され第1の反応
領域に送られるが、そこでは第1の反応領域の温度がよ
り高いことと異性化可能なオレフィン化合物の反応体濃
度が増加していることのために、触媒は依然として有用
な触媒活性を有している。触媒のこの段階的な配置は触
媒の最も効率的な使用をもたらし、触媒毒が新しい最も
活性な触媒に影響を与える前にそれらを除去する。
あらゆる多段式プロセスは本発明の範囲内である。多
段式プロセスを得るために複数の容器を使用する必要は
ない。例えば、第6図は単一の反応容器70中で行われる
効果的な多段式プロセスを示している。反応容器70に
は、新しい触媒を容器70の頂上部に添加するための導管
72が設けられている。異性化可能なオレフィン化合物を
初めに含む流体供給物流れを添加するための導管76が容
器70の底部に接続されている。容器70の底部に接続され
た導管78は使用済み触媒の固体粒子を除去する。容器70
の頂上部に接続された導管74は容器70から流体物質を取
り出す。容器70の頂上部には、導管74によって引き出さ
れる流体とともに固体粒子が運ばれるのを防ぐための手
段が設けられていなければならない。導管72によって容
器70の頂上部に導入された固体の触媒粒子は、重力流れ
下容器70の底部に向かって落下し、その後導管78から引
き出される。導管76を通して容器70の底部に添加された
流体の異性化可能なオレフィン流れは圧力によって容器
70の頂上部に向かって流れ、導管74から引き出される。
容器70には、容器70の底部が容器70の頂上部より高い
温度に維持されるように、水ジャケット又はその他の熱
交換手段のような熱を除去する手段79を設けることがで
きる。温度は底部の最も高い温度から頂上部の最も低い
温度まで連続的に変化して、それによって無数の段階を
提供するのが好ましい。この実施態様から、触媒は反応
器の最も低温の部分に添加されること、そして最後の転
化反応は容器70の頂上部の最も低温の部分でも起こって
いることが分かる。また、最も活性を失った触媒は反応
器の最も高温の部分で使用され、そこはまた供給物流れ
が最初に触媒と接触する反応器の部分である。これによ
って、上述したように、異性化可能なオレフィン化合物
の生成物のオレフィン化合物への速やかな転化と触媒毒
の除去という利点が得られる。
異なる段階の説明は3つに別れた段階に関して説明し
てきたが、少なくとも2つの段階が使用されているかぎ
りは、あらゆる数の段階を使用して本発明に利点を達成
することができる。また、流体の引き出し又は触媒の輸
送流れを通して破壊又は損失により使用できなくなった
固体の触媒粒子を補うため、反応領域のどれか又は全て
に新しい触媒を添加する必要があるかもしれない。複数
の領域間で温度が異なる場合、連続する領域の内、第1
の反応領域が最も高温であり、最後の反応領域が最も低
温でなければならない。好ましい実施態様において第1
の反応領域の温度は80〜130℃の範囲内であり、最後の
反応領域の温度は0〜70℃、好ましくは0〜50℃、の範
囲内である。3つの反応領域が存在する場合、第1の反
応領域を100〜130℃に維持し、第2の反応領域を50〜80
℃に維持し、そして第3の反応領域を0〜50℃に維持す
ることができる。
新しい異性化可能なオレフィン供給物は第1の反応領
域に添加され、連続する反応領域を通って次々と移動
し、その後、最後の反応領域から流体流れが出る。流体
流れは初め異性化可能なオレフィンを含むが、流体流れ
が反応器を出るまでには、流体流れ中の全ての物質は生
成物のオレフィンに転化されている可能性がある。
新しい触媒は各反応領域に同時に添加することがで
き、或いは最後の反応領域に添加して、触媒が最初の反
応領域から出るまで次々と反応領域を通って移動しても
よい。反応領域間の流体流れの分別も本発明の多段式プ
ロセスの範囲内である。そのような実施態様において
は、異性化可能なオレフィンのみが次の反応領域に送ら
れるように、生成物のオレフィンは反応領域の間で取り
出される。
VNBを異性化するために上述の触媒と多段式プロセス
を使用することによって完全に近いENBへの転化が得ら
れ、従って、生成物の精製の必要がない。得られるENB
は重合プロセスに直接送ってEPDMゴムを製造することが
できる。なんらかの理由により転化率が低い場合、蒸留
のような公知の方法によってENBを精製することができ
る。
本明細書中における転化率のパーセンテージは、化合
物の初期量から異性化後残っている化合物の重量を引い
て、その結果を化合物の初期量で割ることによって決定
される。得られた商を100倍して、転化率をパーセント
で表す。選択性は、所望の生成物に転化された物質の重
量を転化された物質の総量で割って、その結果を100倍
することによって決定される。
本発明の特徴は以下の実施例を参照することによって
さらに理解できる。これらの実施例は本発明の特定の特
徴を説明するためのものであり、これまで十分に説明し
た本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 この例は本発明による触媒の調製方法を説明する。以
下の手順はN2ドライボックス中で行った。15gの焼成さ
れた50/100メッシュのアルミナ粉末と1.5gの新しく切っ
たナトリウム(65.2mg−原子)を、ガラス製パドル付き
攪拌軸、Y字アダプター、ホースニップル、気体添加チ
ューブ、及びストッパーを備えた300ml3つ首フラスコに
入れた。このフラスコを30分間真空に引いて、その後乾
燥窒素を充填した。窒素を充填したままこのフラスコを
ドライボックスから取り出した。内容物を攪拌し、電気
加熱マントルで400℃の表面温度(skin temperature)
に2時間加熱して、アルミナ上にナトリウムの均一に分
散した混合物を形成した。その後、表面温度を150℃ま
で下げ、5%O2と95%N2の活性化気体を気体添加チュー
ブから0.07リットル/分の速度で添加した。よく攪拌し
ながら、活性化気体の添加を90分間続けた。得られた触
媒をその後N2雰囲気中で室温まで冷却させた。
上述のようにして製造した触媒の2gを水を含む容器に
全部一度に入れた。気体の発生や強い発熱反応は見られ
なかった。
実施例2 この例は、本発明の実施態様に1つに従って、低温で
VNBをENBに異性化することを示す。N2ドライボックス中
で、25gのVNB(208ミリモル)及び2gのデカンをテフロ
ンコーティングされたスピン棒を備えた50ミリリットル
の三角フラスコに入れた。その後、実施例1に従って製
造した0.5gの触媒を添加し、混合物を室温で激しく攪拌
した。3時間後、VNBの転化率は99.6%であり、ENBへの
選択性は99.7%であった。
実施例3 この例は、本発明の実施態様の1つに従って、比較的
高温でVNBをENBに異性化することを示す。窒素雰囲気
中、50gの乾燥VNB(417ミリモル)及び、GC標準とし
て、5gのデカンをパドル型攪拌機を備えた300ミリリッ
トルの丸底フラスコに入れた。VNB混合物を120℃まで加
熱し、激しく攪拌しながら、実施例1に従って製造した
1.0gの触媒を添加した。60分後、VNBの転化率は98%で
あり、ENBへの選択性は99.7%であった。
実施例4 この例は触媒の高温活性化を説明する。90m2/gの表面
積を有するアルミナ粉末の15gを窒素雰囲気中500℃で1
時間焼成した。焼成したアルミナを室温まで冷却し、30
分間真空で引き、その後窒素雰囲気中に入れた。1.5gの
ナトリウム焼成されたアルミナに添加し、混合物を400
℃の温度に達するまで攪拌しながら6℃/分の速度で加
熱した。混合物の温度を400℃で保ちながら1時間攪拌
を続けた。混合物を150℃の温度まで冷却した後、5体
積%O2と95体積%N2を含む活性化気体を0.07リットル/
分の速度で90分間混合物に通した。
実施例5 3種の固体についてX線回折パターンを測定し、第1
〜3図において比較した。実施例4からの原料のアルミ
ナに対するX線回折パターンは第1図によって示されて
いる。実施例4に従って製造されたナトリウム触媒に対
するX線回折パターンは第2図によって示されている。
実施例4で使用したのと同じアルミナを使用して米国特
許第3,928,485号に従って製造した触媒に対するX線回
折パターンは第3図によって示されている。米国特許第
3,928,485号に従って製造した触媒は、以下のようして
調製した。
15gの乾燥アルミナと1.5gのNaOHを一緒に微粉砕し、
その後窒素雰囲気中330℃で2時間混合した。温度を90
℃まで下げ、0.83gのナトリウムを混合物に添加した。
その後、混合物を攪拌し、400℃の温度まで加熱した。
温度を400℃に維持しながら攪拌を2時間続けた。
実施例6 この例は、異性化触媒毒の存在下の異性化を説明す
る。実施例1の従って製造した触媒の0.25gを、異性化
触媒毒として知られているシクロペンダジエンを0.03%
含むVNBと120℃で攪拌した。1時間の攪拌後、60%のVN
Bが転化し、全てのシクロペンダジエンが転化した。
実施例1に従って製造した触媒の4.0gを、シクロペタ
ンジエンを0.06%含む200gのVNBと25℃で攪拌した。1
時間の攪拌後、シクロペンタジエン濃度は0.03%であ
り、VNBの転化率は10%であった。この例は、シクロペ
ンタジエンの悪影響が比較的高温での異性化ではそれ程
顕著ではないことを示している。サンプルは、シクロペ
ンタジエンが比較的高温ではより速やかに除去されるこ
とも示している。
実施例7 この例は活性化された触媒の使用が極めて安全である
ことを示す。210m2/gの表面積を有するアルミナを400℃
で1時間焼成し、200℃で真空下に1時間保持した。4.5
gの金属ナトリウムを30gずつに2つに分けた焼成したア
ルミナに添加した。得られたこれらの混合物210℃で1
時間攪拌し、その後温度を410℃まで上げて混合をさら
に1時間続けた。混合物を室温まで冷却した。混合物の
一方を水と接触させると非常に激しい発熱反応が生じ
た。もう一方の混合物を初めに5体積%O2と95体積%O2
から成る活性化気体で処理した。この第2の活性化触媒
を前と同様に水で処理したが、非常に穏やかな発熱反応
しか起こらなかった。
実施例8 この例は、活性化された触媒が触媒毒に対して優れた
抵抗性を有することを示す。実施例7に従って調製され
た活性化気体で処理された触媒を、0.06%のシクロペン
タジエンを含むVNBの溶液中25℃で1時間攪拌した。使
用された触媒の量の溶液の総重量の4重量%であり、VN
Bの転化率は40%であった。活性化気体による処理を行
わずに実施例7に従って調製された触媒の等量を同様に
してシクロペンタジエンを含むVNBの溶液と触媒させる
と、VNBの転化率は25%であった。
実施例9 この例は、活性化された触媒がより危険な非活性化触
媒と同等な活性を有することを示す。実施例7で調製さ
れた活性化した触媒と活性化していない触媒を精製した
VNBと接触させた。各接触について、精製したVNBの重量
に基づいて2重量%の触媒を使用した。1時間後の転化
率は活性化した触媒については52%であり、活性化して
いない触媒については58%であった。
実施例10 この例は、アルミナ上のナトリウムと水の反応性を示
す。ナトリウム材料は空気又は水との反応性が爆発的で
あり、輸送及び取扱いに特別な注意を必要とするため、
取扱いが難しい。20gのアルミナ粉末と3gのNa(0.13g−
原子)を窒素雰囲気中300℃で1時間混合した。混合物
を冷却し、その後注意深くケロシンと混合した。このス
ラリーに水を添加すると発熱反応が起こり、混合物から
の多量の気体の発生がともなった。
実施例11 この例は、異なる表面積を有するアルミナ上で調製さ
れた種々の触媒を示す。調製された触媒各々について、
アルミナは空気中400℃で1時間焼成した。その後、空
気を除去し、温度を200℃まで下げた。アルミナを200℃
で真空下1時間維持した。
上述のようにして調製されたアルミナ30gを4.5gのナ
トリウムと窒素雰囲気中210℃で混合した。混合を1時
間続け、その後温度を410℃まで上げた。混合を窒素雰
囲気中410℃でさらに1時間続けると、アルミナ上にナ
トリウムが均一に分散した混合物が得られた。
混合物を室温(25℃)まで冷却し、5%O2と95%N2
ら成る気体と接触させた。混合物を152分間連続的に攪
拌しながら、気体流量を126ミリリットル/分に維持し
た。
VNBを2重量%の上述のようにして製造した触媒と接
触させた。VNB/触媒溶液を室温で1時間攪拌した。得ら
れた溶液のサンプルを採取し、VNBの転化率を測定し
た。
11−Aアルミナはエンジェルハード(Engelhard)か
らAL−0171Pとして供給され、210m2/gの表面積を有して
いた。11−AについてのVNB転化率は55%であった。11
−BアルミナはエンジェルハードからAL−1040Pとして
供給され、180m2/gの表面積を有していた。11−Bにつ
いてのVNB転化率は99.8%であった。11−Cアルミナは
エンジェルハードからAL−3916Pとして供給され、155m2
/gの表面積を有していた。11−CについてのVNB転化率
は68%であった。
上記の転化率から分かるように、約180m2/gの表面積
を有するアルミナが好ましい担持体物質である。今のと
ころ、約180m2/gの表面積を有するアルミナが好まし
い。エンジェルハードのAL 1040とAL 3970Pが好ましい
アルミナ出発材料である。
以上の実施例は、本発明を説明するためのものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 13/44 C07C 13/44 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィンの二重結合が一つの位置から他
    の位置に移動する、アルケニル架橋環化合物を異性化す
    る方法であって、 (a)初めにアルケニル架橋環化合物を含む流体流れ
    を、第1の反応領域から最後の反応領域までの一連の反
    応領域に連続的に通すこと、及び (b)流体流れを各反応領域中の異性化触媒と接触さ
    せ、それによって異性化可能なオレフィンの幾らかを生
    成物のオレフィンに転化すること、 を含み、且つ (i)異性化触媒は、本質的にアルミナから成る焼成さ
    れた担持体物質上に担持されたアルカリ金属の酸素処理
    された混合物を含み、 (ii)異性化触媒は、最後の反応領域から第1の反応領
    域までのすべての反応領域を連続的に移動させられ、且
    つ (iii)第1の反応領域の温度は80〜130℃の範囲内であ
    り、且つ最後の反応領域の温度は0〜70℃の範囲内であ
    る、 方法。
  2. 【請求項2】流体流れが一連の三つの連続する反応領域
    を通過する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属がナトリウムである、請求項
    1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】第1の反応領域への導入前において、流体
    流れが初めに更に触媒毒を含む、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】追加の工程: (c)第1の反応領域から、未転化の異性化可能なオレ
    フィンを含む第1の出口流体流れを取り出すこと、 (d)第1の反応領域から、第1の反応領域からの異性
    化触媒を含む第1の出口触媒流れを取り出すこと、 (e)第1の出口流体流れを第2の反応領域に導入し、
    第1の出口流体流れを異性化触媒と接触させ、それによ
    って異性化可能なオレフィンの幾らかを生成物のオレフ
    ィンに転化すること、 (f)第2の反応領域から、第2の出口流体流れを取り
    出すこと、 (g)第2の反応領域から、第2の反応領域からの異性
    化触媒を含む第2の出口触媒流れを取り出すこと、及び (h)第2の出口触媒流れを第1の反応領域に導入する
    こと、 を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】追加の工程: (i)第2の出口流体流れを第3の反応領域に導入し、
    第2の出口流体流れを異性化触媒と接触させること、 (j)第3の反応領域から、第3の出口流体流れを取り
    出すこと、 (k)第3の反応領域から、異性化触媒を含む第3の出
    口触媒流れを取り出すこと、及び (l)第3の出口触媒流れを第2の反応領域に導入する
    こと、 を含み、第3の反応領域の温度が0〜50℃である、請求
    項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】アルケニル架橋環化合物が5−ビニル−2
    −ノルボルネンであり、且つ生成物のオレフィンが5−
    エチリデン−2−ノルボルネンである、請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の方法。
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